特許第6129038号(P6129038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6129038加入者装置を収容する通信装置の制御装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129038
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】加入者装置を収容する通信装置の制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/70 20130101AFI20170508BHJP
【FI】
   H04L12/70 100Z
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-201415(P2013-201415)
(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公開番号】特開2015-70376(P2015-70376A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2014年7月8日
【審判番号】不服2016-3250(P2016-3250/J1)
【審判請求日】2016年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】大垣 健一
(72)【発明者】
【氏名】宮本 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】神山 健
(72)【発明者】
【氏名】近藤 暢彦
(72)【発明者】
【氏名】乙吉 泰宏
【合議体】
【審判長】 大塚 良平
【審判官】 萩原 義則
【審判官】 中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/073429(WO,A1)
【文献】 特開2005−72679(JP,A)
【文献】 特開2007−129778(JP,A)
【文献】 特開2006−54722(JP,A)
【文献】 安田 武、小松 秀司、片岡 陽一、岩田 敏行、前田 洋一,Etherネットワークにおけるマルチ拠点間QoS制御方式の提案,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.105 No.512,社団法人電子情報通信学会,2006年1月9日,pp.13−18
【文献】 嶋村 昌義、飯田 勝吉、古閑 宏幸、門林 雄基、山口 英,動的重み配分アルゴリズムによるVPNホース帯域割当手法の提案とその性能評価,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.104 No.514,社団法人電子情報通信学会,2004年12月10日,pp.1−6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信装置と複数の制御装置と、を含み、前記複数の通信装置のそれぞれは、1つ以上のユーザの加入者装置を収容し、かつ、前記複数の制御装置の1つと関連付けられているネットワークであって、ユーザと前記ネットワークの事業者とで予め決めた所定帯域を、当該ユーザの複数の加入者装置のそれぞれと前記通信装置との間の伝送速度の上限値として配分する前記ネットワークにおける前記制御装置であって、
関連付けられている1つ以上の通信装置それぞれについて、それぞれが収容する第1ユーザの加入者装置との間のトラヒック量を収集する収集手段と、
関連付けられていない通信装置それぞれについて、それぞれが収容する前記第1ユーザの加入者装置との間のトラヒック量を他の制御装置から取得する取得手段と、
前記収集手段が収集した第1ユーザのトラヒック量と、前記取得手段が取得した第1ユーザのトラヒック量に基づき、前記関連付けられている1つ以上の通信装置それぞれについて、前記第1ユーザの加入者装置との間の伝送速度の上限値を算出する算出手段と、
を備えていることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記算出手段は、前記収集手段が収集した第1ユーザのトラヒック量と前記取得手段が取得した第1ユーザのトラヒック量の合計に対する、関連付けられている1つの通信装置についての第1ユーザの加入者装置との間のトラヒック量の比と、第1ユーザの前記所定帯域とを乗じた値に基づき、当該関連付けられている1つの通信装置と第1ユーザの加入者装置との間の伝送速度の上限値を算出することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記算出手段が算出した伝送速度の上限値を、前記関連付けられている1つ以上の通信装置に設定する設定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記取得手段は、関連付けられていない通信装置であって、かつ、前記第1ユーザの加入者装置を収容する通信装置に関連付けられている制御装置を示す情報を保持していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記収集手段は、前記関連付けられている1つ以上の通信装置と前記第1ユーザの加入者装置との間の上り方向のトラヒック量を収集し、
前記取得手段は、前記関連付けられていない1つ以上の通信装置と前記第1ユーザの加入者装置との間の上り方向のトラヒック量を取得し、
前記算出手段は、前記関連付けられている1つ以上の通信装置それぞれについて、前記第1ユーザの加入者装置との間の上り方向の伝送速度の上限値を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記収集手段は、前記関連付けられている1つ以上の通信装置と前記第1ユーザの加入者装置との間の下り方向のトラヒック量を収集し、
前記取得手段は、前記関連付けられていない1つ以上の通信装置と前記第1ユーザの加入者装置との間の下り方向のトラヒック量を取得し、
前記算出手段は、前記関連付けられている1つ以上の通信装置それぞれについて、前記第1ユーザの加入者装置との間の下り方向の伝送速度の上限値を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記収集手段は、前記関連付けられている1つ以上の通信装置と前記第1ユーザの加入者装置との間の上り方向及び下り方向のトラヒック量を収集し、
前記取得手段は、前記関連付けられていない1つ以上の通信装置と前記第1ユーザの加入者装置との間の上り方向及び下り方向のトラヒック量を取得し、
前記算出手段は、前記関連付けられている1つ以上の通信装置それぞれについて、前記第1ユーザの加入者装置との間の上り方向及び下り方向の伝送速度の上限値を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記収集手段は、前記第1ユーザの加入者装置との間のトラヒック量をアプリケーション単位で収集し、
前記取得手段は、前記第1ユーザの加入者装置との間のトラヒック量をアプリケーション単位で取得し、
前記算出手段は、前記関連付けられている1つ以上の通信装置それぞれについて、前記第1ユーザの加入者装置との間の伝送速度の上限値をアプリケーション毎に算出することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記算出手段が算出する前記第1ユーザの加入者装置との間の伝送速度の上限値は0より大きい所定の閾値以上の値であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記算出手段は、収集又は取得した第1ユーザの加入者装置との間のトラヒック量が0より大きい所定の閾値以下である場合には、当該第1ユーザの加入者装置との間のトラヒック量を前記所定の閾値であるものとして前記上限値を算出することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の制御装置としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加入者装置を収容する通信装置の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
企業が各拠点のネットワークを相互接続するために、通信事業者が提供するVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)が広く利用されている。企業の拠点と通信事業者が提供するネットワークとのアクセス区間は、企業側のエッジ装置と、通信事業者側のエッジ装置を例えば光回線により接続することにより構成される。なお、このとき、企業側のエッジ装置とネットワーク側のエッジ装置との間で送受信できる単位時間当たりのトラヒック量(伝送帯域)には、料金に応じた上限値が設けられ、例えば、企業側のエッジ装置が、この上限値を上回るデータを送信すると、ネットワーク側のエッジ装置は、この上限値を上回る量のデータを廃棄する。このため、企業は、拠点毎のアクセス区間のトラヒック変動量を考慮した上限値により、拠点毎に通信事業者と契約を行う必要がある。これは、契約している伝送帯域(上限値)と、実際に利用している帯域に乖離が有ることを意味する。
【0003】
特許文献1は、管理サーバが、各拠点間に設定された帯域と、各拠点の端末にて利用されるアプリケーション情報を収集して、端末を制御することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−176467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、利用者における端末の設定負荷の軽減を目的としたものであり、特許文献1に記載の構成を適用すると、契約した上限値に基づき拠点の端末が送信するトラヒックを制御する構成となるが、通信事業者が、企業の拠点ネットワークの各端末を制御することは現実的ではない。また、契約している伝送帯域と、実際に利用している帯域に乖離が有るという問題を解決することはできない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決する制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、複数の通信装置と複数の制御装置と、を含み、前記複数の通信装置のそれぞれは、1つ以上のユーザの加入者装置を収容し、かつ、前記複数の制御装置の1つと関連付けられているネットワークであって、ユーザと前記ネットワークの事業者とで予め決めた所定帯域を、当該ユーザの複数の加入者装置のそれぞれと前記通信装置との間の伝送速度の上限値として配分する前記ネットワークにおける前記制御装置は、関連付けられている1つ以上の通信装置それぞれについて、それぞれが収容する第1ユーザの加入者装置との間のトラヒック量を収集する収集手段と、関連付けられていない通信装置それぞれについて、それぞれが収容する前記第1ユーザの加入者装置との間のトラヒック量を他の制御装置から取得する取得手段と、前記収集手段が収集した第1ユーザのトラヒック量と、前記取得手段が取得した第1ユーザのトラヒック量に基づき、前記関連付けられている1つ以上の通信装置それぞれについて、前記第1ユーザの加入者装置との間の伝送速度の上限値を算出する算出手段と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
契約している伝送帯域と、実際に利用している帯域の乖離を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態の説明に使用するネットワークの概略的な構成図。
図2】一実施形態による制御装置の概略的な構成図。
図3】制御装置の保持部が保持するトラヒック情報の例を示す図。
図4】制御装置の保持部が保持するトラヒック情報の他の例を示す図。
図5】制御装置の情報交換部が保持する交換情報の例を示す図。
図6】制御装置間におけるトラヒック情報の交換例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。また、以下の実施形態は例示であり本発明を実施形態の内容に限定するものではない。
【0011】
図1は、実施形態の説明に使用するネットワークの構成図である。図1において、#1〜#3と表示された四角形は、ユーザである企業の拠点のエッジ装置(以下では、単に加入者装置と呼ぶ。)であり、#1〜#3は、それぞれ異なるユーザの加入者装置を示している。また、図1において、VPNは、通信事業者が提供するネットワークであり、エッジ装置A〜Dは、加入者装置を収容するネットワーク側の通信装置(以下では、単にエッジ装置と呼ぶ。)である。図1の構成において、例えば、ユーザ#1は、エッジ装置A、C及びDと接続する3つの拠点間で任意の通信を行う。図1に示す様に、本実施形態においては、各エッジ装置A〜Dに対して、関連付けられた制御装置A〜Dが設けられる。
【0012】
図2は、本実施形態による制御装置の概略的な構成図である。トラヒック情報収集部1は、対応するエッジ装置からユーザ毎のトラヒック量を周期的に収集して保持部2に保持させる。ここで、収集する値は、前回の収集時からの差分とする。なお、以下の説明において、収集するトラヒック量は上り方向、つまり、ユーザの加入者装置からネットワークに送信されるトラヒック量とするが、下り方向、つまり、エッジ装置がユーザの加入者装置に向けて送信するトラヒック量であっても、両方向のトラヒック量であっても良い。
【0013】
情報交換部3は、保持部2が保持するトラヒック量を他の制御装置に通知すると共に、他の制御装置が収集したトラヒック量を他の制御装置から取得して保持部2に保持する。図3は、制御装置Aの保持部2が保持するトラヒック量の例を示している。図3において、エッジ装置とユーザの加入者装置との組み合わせ毎に、収集したトラヒック量と収集時刻とが示されている。なお、図3において、エッジ装置Aに関するトラヒック量は、制御装置Aのトラヒック情報収集部1がエッジ装置Aから取得したものであり、エッジ装置B〜Dに関するトラヒック量は、制御装置Aの情報交換部3が取得したものである。なお、エッジ装置Aは、ユーザ#3の加入者装置を収容していないため、制御装置Aの情報交換部3は、ユーザ#3の加入者装置に関するトラヒック量は取得しない。これにより、制御装置間で交換するデータ量を抑える。
【0014】
図5(A)及び(B)は、それぞれ、制御装置Aの情報交換部3が保持する交換情報を示している。図5(A)は、制御装置Aに関連付けられたエッジ装置Aが収容するユーザ#1及び2の加入者装置を収容する、他のエッジ装置に関連付けられた制御装置を示している。図5(A)に示す交換情報により、制御装置Aの情報交換部3は、制御装置C及び制御装置Dからユーザ#1の加入者装置に関するトラヒック情報を取得することを認識し、制御装置B及び制御装置Cからユーザ#2の加入者装置に関するトラヒック情報を取得することを認識する。図5(A)の交換情報は、制御装置毎に異なる情報となるが、各制御装置で共通した交換情報として図5(B)に示すものも利用できる。図5(B)の交換情報は、ユーザ毎に、ユーザの加入者装置を収容するエッジ装置に関連する制御装置が示されている。
【0015】
図2に戻り、帯域算出部4は、対応するエッジ装置が収容するユーザ毎に、全拠点の合計トラヒック量に対する、対応するエッジ装置でのトラヒック量の比に基づき、対応するエッジ装置に設定する上限値を決定し、帯域制御部5は、決定した上限値を対応するエッジ装置に設定する。例えば、図3の状態において、ユーザ#1のトラヒック量の合計は、(Xa+Xe+Xh)であり、エッジ装置Aでのトラヒック量はXaであるため、Z×Xa/(Xa+Xe+Xh)を、エッジ装置Aに設定するユーザ#1の加入者装置からのトラヒック量の上限値とする。なお、ここでZは、ユーザ#1と通信事業者間の契約で決定した所定値である。つまり、ユーザは、全拠点の合計帯域の上限値を通信事業者と契約し、通信事業者側は、合計帯域の上限値を、各拠点のトラヒック量に基づき各拠点に配分する。この構成により、合計の上限値を一定としたまま、拠点における上限値を、拠点における実際のトラヒック量に応じて変更することができ、よって、実際のトラヒック量と上限値との乖離を小さくすることができる。なお、あるエッジ装置のトラヒック量が0である場合、当該エッジ装置に設定するトラヒック量の上限値が0になってしまう。エッジ装置に設定するトラヒック量の上限値が0になることを防ぐため、あるエッジ装置のトラヒック量が0より大きい所定の閾値以下である場合には、トラヒック量を、例えば、当該所定の閾値であるものとして、当該エッジ装置に設定するトラヒック量を計算する構成とすることができる。また、収集したトラヒック量に基づき設定する上限値を求め、求めた上限値が0より大きい所定の閾値以下である場合には、上限値を当該所定の閾値とすることもできる。この場合、設定した上限値の合計がZとなる様に、計算により求めた上限値が所定の閾値より大きいエッジ装置については、その上限値の調整を行う。
【0016】
各制御装置は、例えば、ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)等により時刻同期を取り、所定の周期毎に、対応するエッジ装置からのトラヒック量の収集と、他の制御装置との収集したトラヒック量の交換と、対応するエッジ装置への上限値の設定を行う。
【0017】
なお、上記実施形態では、ユーザ単位でトラヒック量を収集したが、ユーザ及びアプリケーションの組み合わせ毎にトラヒック量を収集することができる。図4は、ユーザ及びアプリケーションの組み合わせ毎にトラヒック量を収集した場合の例を示している。ここで、アプリケーションは、例えば、送信先IPアドレス、送信元IPアドレス、送信元ポート番号、送信先ポート番号、プロトコルのいずれか1つ、又は、それらの任意の組み合わせで特定される。この場合、企業は、通信事業者とアプリケーション毎の合計帯域を契約し、帯域算出部4は、あるユーザのあるアプリケーションのトラヒック量と、当該アプリケーションの合計帯域に基づき、各拠点において、当該アプリケーションの上限値をエッジ装置に設定する。
【0018】
また、各制御装置間のトラヒック量の交換については、例えば、図5に示す情報に基づき、2つの制御装置間で個別に行うこともできるが、予め情報交換のために通信する制御装置を特定のものに限定することもできる。例えば、図1の構成において、制御装置A及び制御装置Cは、ユーザ#1のトラヒックについては、いずれも、制御装置Dのみと交換する構成とすることもできる。図6は、この様に、制御装置間に隣接関係を設け、各制御装置は隣接する制御装置とのみトラヒック量の交換を行う場合のシーケンス図である。上述した様に、トラヒック量の収集、交換及び上限値の設定は、所定の周期Δtで行う。図6の例においては、最初の周期においては、制御装置Aが制御装置Dに、制御装置Aが収集したトラヒック量を送信し、その後、制御装置Dは制御装置A及びCに制御装置Dが収集したトラヒック量を送信する。なお、このとき、制御装置Dは既に制御装置Aが収集したトラヒック量を受信しているため、制御装置Cには制御装置Aから受信したトラヒック量も含めている。その後、制御装置Cが、自装置が収集したトラヒック量を制御装置Dに送信し、制御装置Dは、制御装置Cが収集したトラヒック量を制御装置Aに送信する。
【0019】
なお、その次の周期においては、制御装置Dは、自装置が収集したトラヒック量を制御装置A及びCに送信するまえに、制御装置A及びCからトラヒック量を受信している。したがって、自装置が収集したトラヒック量と共に制御装置Cから受信したトラヒック量を制御装置Aに送信し、自装置が収集したトラヒック量と共に制御装置Aから受信したトラヒック量を制御装置Cに送信している。なお、各制御装置がトラヒック量を送信するタイミングを予め決定しておき、いずれの周期においても同じ順にトラヒック量を交換する構成とすることもできる。さらに、マルチキャスト技術を使用したトラヒック量の交換を行うこともできる。なお、上記実施形態では、エッジ装置と制御装置との関係を1対1としたが、1つの制御装置を複数のエッジ装置に関連付けることもできる。
【0020】
なお、本発明による制御装置は、コンピュータを上記制御装置として動作させるプログラムにより実現することができる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6