【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の局面は次のように規定される。即ち、
災害時における安全エリアに関する情報を安全エリア情報として保存する安全エリア情報保存部と、
避難所の位置を避難所情報として保存する避難所情報保存部と、
災害が発生した旨の災害発生情報を受信する受信部と、
前記災害発生情報の受信に基づいて、移動体端末装置の第1の端末位置を特定する第1の端末位置特定部と、
前記安全エリア内に位置する地点であって、前記第1の端末位置からの距離が最短となる地点である最寄地点へ前記移動体端末装置を誘導する第1の誘導部と、
前記移動体端末装置が、前記最寄地点を含む安全エリアに移動したか否かを検出する検出部と、
前記検出の結果に基づいて、前記移動体端末装置が、前記最寄地点を含む安全エリアに移動したことが検出されたとき、前記移動体端末装置が移動した安全エリアに属する避難所情報を提供する提供部と、
を備える、情報提供装置。
【0006】
このように規定される第1の局面の情報提供装置によれば、災害発生情報を受信後、まずユーザを安全なエリアへ誘導することを優先し、該ユーザが安全なエリアへ移動したことを確認した後、該安全エリアに存在する避難所に関する情報を提供する。このような情報提供装置であれば、災害時の避難に関する情報を提供するに際して、ユーザの安全により配慮することができる。
ここで、最寄地点とは、安全エリア内に位置する地点であって、該地点と移動体端末装置の位置との間の距離が最小となる地点をいう。なお、距離は地図上の直線距離であっても良く、地点間における経路の距離であっても良い。
また、災害の種類としては、津波や洪水の他、地震、火山、放射能等が挙げられる。
上記第1の誘導部は、前記誘導の際、該第1の誘導部により誘導される最寄地点への移動時に目印となるランドマークを併せて提示しても良い(第5の局面)。
【0007】
この発明の第2の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面に規定の情報提供装置において、前記第1の端末位置に対して最寄りの安全エリアを第1の安全エリアと特定する第1のエリア特定部と、
前記第1の安全エリアに属する避難所が存在するか否か判定する判定部と、
前記判定部により前記第1の安全エリアに属する避難所が存在しないと判定されたとき、前記安全エリア情報及び前記避難所情報に基づいて、前記避難所が属する安全エリアを第2の安全エリアとして特定する第2のエリア特定部と、
前記第1の端末位置に基づいて、前記移動体端末装置が前記第2の安全エリアの前記最寄地点へ到達するまでの端末到達時間と、前記発生した災害により該移動体端末装置が被害を被ると推定されるまでの災害到達時間とを比較する比較部と、
前記比較の結果に基づいて、前記第1の安全エリア又は前記第2の安全エリアのいずれかの安全エリアを選択する選択部と、を備え、
前記第1の誘導部は、前記選択された安全エリア内に位置する前記最寄地点へ前記移動体端末装置を誘導する。
【0008】
このように規定される第2の局面の情報提供装置によれば、第1の端末位置から最も近い安全エリアに避難所が存在しないとき、ユーザが被害を被ると推定されるまでの間に時間的余裕がある場合には、避難所が存在する安全エリアへユーザを誘導する。このような情報提供装置であれば、第1の端末装置から最も近い安全エリアへの避難を優先しつつも、ユーザが避難を被ると推定されるまでの間に移動可能な安全エリアであって、避難所が属する安全エリアがある場合には、該安全エリアへ誘導するため、ユーザにとって便宜である。
【0009】
第1の誘導に従って移動しているユーザであっても、必ずしも第1の誘導通りに移動できない場合がある。このようにユーザが第1の誘導からはずれた場合等を考慮すれば、第1の端末位置に対応する最寄地点に誘導するより、該ユーザの現在位置に対応する最寄地点に誘導する方がユーザにとって便宜な場合がある。
そこで、この発明の第3の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面に規定の情報提供装置において、前記第1の誘導部による誘導開始後における前記移動体端末装置の第2の端末位置を特定する第2の端末位置特定部と、
前記最寄地点を含む安全エリア内に位置する地点であって、前記第2の端末位置からの距離が最短となる地点である最寄地点へ前記移動体端末装置を誘導する第2の誘導部と、を備える。
【0010】
この発明の第4の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面に規定の情報提供装置において、前記災害発生情報の受信に基づいて、前記第1の誘導部により誘導される最寄地点から、該最寄地点を含む安全エリアに属する避難所までの第1の経路を探索する第1の経路探索部、を備え、
前記提供部は、更に、前記探索された第1の経路を提供する。
このように規定される第4の局面の情報提供装置によれば、上記提供される第1の経路に従って避難することができるため、土地勘のない場合等ユーザにとって便宜である。
【0011】
この発明の第6の局面は次のように規定される。即ち、
第1の局面に規定の情報提供装置において、前記第1の端末位置から、前記第1の誘導部により誘導される最寄地点までの第2の経路を探索する第2の経路探索部、を備え、
前記第1の誘導部は、前記誘導の際、前記探索された第2の経路を併せて提示する。
このように規定される第6の局面の情報提供装置によれば、上記提示される第2の経路に従って避難することができるため、土地勘のない場合等ユーザにとって便宜である。
【0012】
また、この発明の第7の局面は次のように規定される。即ち、
災害時における安全エリアに関する情報を安全エリア情報として安全エリア情報保存部へ保存する保存ステップと、
避難所の位置を避難所情報として避難所情報保存部へ保存する保存ステップと、
受信部が、災害が発生した旨の災害発生情報を受信する受信ステップと、
第1の端末位置特定部が、前記災害発生情報の受信に基づいて、移動体端末装置の第1の端末位置を特定する第1の端末位置特定ステップと、
第1の誘導部が、前記安全エリア内に位置する地点であって、前記第1の端末位置からの距離が最短となる地点である最寄地点へ前記移動体端末装置を誘導する第1の誘導部と、
検出部が、前記移動体端末装置が、前記最寄地点を含む安全エリアに移動したか否かを検出する検出ステップと、
提供部が、前記検出の結果に基づいて、前記移動体端末装置が、前記最寄地点を含む安全エリアに移動したことが検出されたとき、前記移動体端末装置が移動した安全エリアに属する避難所情報を提供する提供ステップと、
を備える、情報提供方法。
このように規定される第7の局面の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0013】
この発明の第8の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の方法において、第1のエリア特定部が、前記第1の端末位置に対して最寄りの安全エリアを第1の安全エリアと特定する第1のエリア特定ステップと、
判定部が、前記第1の安全エリアに属する避難所が存在するか否か判定する判定ステップと、
第2のエリア特定部が、前記判定ステップで前記第1の安全エリアに属する避難所が存在しないと判定されたとき、前記安全エリア情報及び前記避難所情報に基づいて、前記避難所が属する安全エリアを第2の安全エリアとして特定する第2のエリア特定ステップと、
比較部が、前記第1の端末位置に基づいて、前記移動体端末装置が前記第2の安全エリアの前記最寄地点へ到達するまでの端末到達時間と、前記発生した災害により該移動体端末装置が被害を被ると推定されるまでの災害到達時間とを比較する比較ステップと、
選択部が、前記比較の結果に基づいて、前記第1の安全エリア又は前記第2の安全エリアのいずれかの安全エリアを選択する選択ステップと、を備え、
前記第1の誘導ステップは、前記選択された安全エリア内に位置する前記最寄地点へ前記移動体端末装置を誘導する。
このように規定される第8の局面の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0014】
この発明の第9の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の方法において、第2の端末位置特定部が、前記第1の誘導ステップでの誘導開始後における前記移動体端末装置の第2の端末位置を特定する第2の端末位置特定ステップと、
第2の誘導部が、前記最寄地点を含む安全エリア内に位置する地点であって、前記第2の端末位置からの距離が最短となる地点である最寄地点へ前記移動体端末装置を誘導する第2の誘導ステップと、を備える。
このように規定される第9の局面の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0015】
この発明の第10の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の方法において、第1の経路探索部が、前記災害発生情報の受信に基づいて、前記第1の誘導ステップにより誘導される最寄地点から、該最寄地点を含む安全エリアに属する避難所までの第1の経路を探索する第1の経路探索ステップ、を備え、
前記提供ステップでは、更に、前記探索された第1の経路を提供する。
このように規定される第10の局面の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0016】
この発明の第11の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の方法において、前記第1の誘導ステップでは、前記誘導の際、該第1の誘導ステップにより誘導される最寄地点への移動時に目印となるランドマークを併せて提示する。
このように規定される第11の局面の発明によれば、第5の局面と同等の効果を奏する。
【0017】
この発明の第12の局面は次のように規定される。即ち、
第7の局面に規定の方法において、第2の経路探索部が、前記第1の端末位置から、前記第1の誘導ステップにより誘導される最寄地点までの第2の経路を探索する第2の経路探索ステップ、を備え、
前記第1の誘導ステップは、前記誘導の際、前記探索された第2の経路を併せて提示する。
このように規定される第12の局面の発明によれば、第6の局面と同等の効果を奏する。
【0018】
また、この発明の第13の局面は次のように規定される。即ち、
情報を提供するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、
災害時における安全エリアに関する情報を安全エリア情報として保存する安全エリア情報保存手段と、
避難所の位置を避難所情報として保存する避難所情報保存手段と、
災害が発生した旨の災害発生情報を受信する受信手段と、
前記災害発生情報の受信に基づいて、移動体端末装置の第1の端末位置を特定する第1の端末位置特定手段と、
前記安全エリア内に位置する地点であって、前記第1の端末位置からの距離が最短となる地点である最寄地点へ前記移動体端末装置を誘導する第1の誘導手段と、
前記移動体端末装置が、前記最寄地点を含む安全エリアに移動したか否かを検出する検出手段と、
前記検出の結果に基づいて、前記移動体端末装置が、前記最寄地点を含む安全エリアに移動したことが検出されたとき、前記移動体端末装置が移動した安全エリアに属する避難所情報を提供する提供手段、
として機能させるコンピュータプログラム。
このように規定される第13の局面の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0019】
この発明の第14の局面は次のように規定される。即ち、
第13の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、更に、
前記第1の端末位置に対して最寄りの安全エリアを第1の安全エリアと特定する第1のエリア特定手段と、
前記第1の安全エリアに属する避難所が存在するか否か判定する判定手段と、
前記判定手段により前記第1の安全エリアに属する避難所が存在しないと判定されたとき、前記安全エリア情報及び前記避難所情報に基づいて、前記避難所が属する安全エリアを第2の安全エリアとして特定する第2のエリア特定手段と、
前記第1の端末位置に基づいて、前記移動体端末装置が前記第2の安全エリアの前記最寄地点へ到達するまでの端末到達時間と、前記発生した災害により該移動体端末装置が被害を被ると推定されるまでの災害到達時間とを比較する比較手段と、
前記比較の結果に基づいて、前記第1の安全エリア又は前記第2の安全エリアのいずれかの安全エリアを選択する選択手段、として機能させ、
前記第1の誘導手段は、前記選択された安全エリア内に位置する前記最寄地点へ前記移動体端末装置を誘導する。
このように規定される第14の局面の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0020】
この発明の第15の局面は次のように規定される。即ち、
第13の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、更に、
前記第1の誘導手段による誘導開始後における前記移動体端末装置の第2の端末位置を特定する第2の端末位置特定手段と、
前記最寄地点を含む安全エリア内に位置する地点であって、前記第2の端末位置からの距離が最短となる地点である最寄地点へ前記移動体端末装置を誘導する第2の誘導手段、として機能させる。
このように規定される第15の局面の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0021】
この発明の第16の局面は次のように規定される。即ち、
第14の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、更に、
前記災害発生情報の受信に基づいて、前記第1の誘導手段により誘導される最寄地点から、該最寄地点を含む安全エリアに属する避難所までの第1の経路を探索する第1の経路探索手段、として機能させ、
前記提供手段は、更に、前記探索された第1の経路を提供する。
このように規定される第16の局面の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0022】
この発明の第17の局面は次のように規定される。即ち、
第13の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記第1の誘導手段は、前記誘導の際、該第1の誘導手段により誘導される最寄地点への移動時に目印となるランドマークを併せて提示する。
このように規定される第17の局面の発明によれば、第5の局面と同等の効果を奏する。
【0023】
この発明の第18の局面は次のように規定される。即ち、
第13の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、更に、
前記第1の端末位置から、前記第1の誘導部により誘導される最寄地点までの第2の経路を探索する第2の経路探索手段、として機能させ、
前記第1の誘導手段は、前記誘導の際、前記探索された第2の経路を併せて提示する。
このように規定される第18の局面の発明によれば、第6の局面と同等の効果を奏する。
【0024】
第13〜第18のいずれかの局面に規定されるコンピュータプログラムを記録する記録媒体が第19の局面として規定される。