特許第6129122号(P6129122)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129122
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】ターンテーブル
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/53 20060101AFI20170508BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20170508BHJP
   B65G 47/244 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   B65G47/53 D
   B65G47/52 D
   B65G47/244
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-125345(P2014-125345)
(22)【出願日】2014年6月18日
(65)【公開番号】特開2016-3122(P2016-3122A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2016年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】514154880
【氏名又は名称】岡崎機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114535
【弁理士】
【氏名又は名称】森 寿夫
(74)【代理人】
【識別番号】100075960
【弁理士】
【氏名又は名称】森 廣三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155103
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 厚
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194755
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀明
(72)【発明者】
【氏名】河原 佑介
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−048122(JP,A)
【文献】 特開平10−291640(JP,A)
【文献】 特開平04−129919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/53
B65G 47/244
B65G 47/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアから受けた物品を他のコンベアへ渡すターンテーブルであって、
回転円盤と、
物品を案内するベルトを縦向きにして前記回転円盤上に配置したガイドコンベアとを備えており、
前記ガイドコンベアは、前記回転円盤上の配置角度を調整して、物品を渡す方向を変えることができ
前記ガイドコンベアの前記ベルトを回転させるための回転軸と、前記ガイドコンベアの配置角度を調整するための中空の主軸とを備えており、前記中空の主軸内に前記回転軸を配置し、前記回転軸と前記主軸とを独立して回転可能にしていることを特徴とするターンテーブル。
【請求項2】
物品の識別のためのセンサーと、前記センサーからの信号に応じて前記ガイドコンベアの配置角度を変更する制御手段を備えており、コンベアから送られてくる物品に応じて、物品を渡す方向を変えることができる請求項1に記載のターンテーブル。
【請求項3】
前記ガイドコンベアの前記ベルトの駆動機構は、物品の向きを逆転させるために、前記ベルトの正転及び逆転を切り換える機構を備えている請求項1又は2に記載のターンテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤ間に介在させて物品を受け渡すターンテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
工場や倉庫等において、物品(被搬送物)をコンベアで搬送する場合、レイアウトの制約等の理由により、コンベアを折り返して配置したり、直交して配置することにより、物品の搬送方向を変えることが行われている。例えば下記特許文献1には、コンベア間に回転する円盤を介在させた方向変更コンベアが開示されてる。この構成では、平行な一対のコンベアのうち、一方のコンベアから円盤に送られてきた物品は、円盤の回転により、他方のコンベアに渡される。このことにより、物品の移送方向は180度変更され、移送方向が逆転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭59−183424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載された方向変更コンベアは、被搬送物の移送方向を正反対に逆転させることを前提としたものであり、被搬送物の方向変更は限定されたものであった。特許文献1の第4図には、円盤上に回転駆動するベルトを有する案内体を設けた実施例が記載されているが、案内体は被搬送物のコンベアへの受継を円滑にするものに止まり、被搬送物の方向変更方向は固定されたものであった。
【0005】
本発明は、前記のような従来の問題を解決するものであり、物品の受け渡しを円滑にしつつ、かつ物品を渡す方向を任意に変えることができるターンテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のターンテーブルは、コンベアから受けた物品を他のコンベアへ渡すターンテーブルであって、回転円盤と、物品を案内するベルトを縦向きにして前記回転円盤上に配置したガイドコンベアとを備えており、前記ガイドコンベアは、前記回転円盤上の配置角度を調整して、物品を渡す方向を変えることができることを特徴とする。この構成によれば、ガイドコンベアにより物品の受け渡しが円滑になるとともに、物品を受け渡すコンベア間の配置角度は限定されないので、物品搬送のレイアウトの自由度が高まるとともに、レイアウトの有効利用を図ることができる。また、物品を渡す側のコンベアを複数配置し、選択したコンベアに物品を渡すことも可能になる。
【0007】
前記本発明のターンテーブルにおいては、物品の識別のためのセンサーと、前記センサーからの信号に応じて前記ガイドコンベアの配置角度を変更する制御手段を備えており、コンベアから送られてくる物品に応じて、物品を渡す方向を変えることができることが好ましい。この構成によれば、物品を渡すコンベアを複数配置すれば、物品の大きさや種類に応じて、物品の供給先を変えることができる。
【0008】
また、前記ガイドコンベアの前記ベルトを回転させるための回転軸と、前記ガイドコンベアの配置角度を調整するための中空の主軸とを備えており、前記中空の主軸内に前記回転軸を配置し、前記回転軸と前記主軸とを独立して回転可能にしていることが好ましい。この構成によれば、装置の複雑化を防止しつつ、安定して確実なガイドコンベアの角度調整が可能になる。
【0009】
また、前記ガイドコンベアの前記ベルトの駆動機構は、物品の向きを逆転させるために、前記ベルトの正転及び逆転を切り換える機構を備えていることが好ましい。この構成によれば、簡単な設定で物品の向きを逆転させることができ、最終梱包時や次工程において物品を所定の向きに整列させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガイドコンベアにより物品の受け渡しが円滑になるとともに、ガイドコンベアの配置角度を調整できることにより、物品を受け渡すコンベア間の配置角度は限定されないので、物品搬送のレイアウトの自由度が高まるとともに、レイアウトの有効利用を図ることができる。また、物品を渡す側のコンベアを複数配置し、選択したコンベアに物品を渡すことも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るターンテーブルの使用状態を示す外観斜視図。
図2図1に示したターンテーブルの使用状態の平面図。
図3図2のAA線における断面図。
図4】本発明の一実施形態に係るガイドコンベアの角度調整機構を示す平面図。
図5】本発明の一実施形態に係るターンテーブルにおいて、ガイドコンベアの角度を変えた場合の使用形態を示す平面図。
図6】本発明の一実施形態に係るターンテーブルにおいて、物品を受ける側のコンベアを複数用いる場合の使用形態を示す平面図。
図7】本発明の一実施形態に係るターンテーブルにおいて、物品の向きを逆転させる場合の使用形態を示す平面図であり、物品がベルトに当接した状態を示す図。
図8図7の状態から物品が回転している様子を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るターンテーブル1の使用状態を示す外観斜視図であり、図2は平面図である。コンベア2とコンベア3との間に、回転円盤4が介在している。コンベア2とコンベア3は、ベルトの循環移動によりベルト上の物品を搬送させるものである。
【0013】
図1において、回転円盤4は機械室9上に配置されており、機械室9内の駆動機構により、円周方向に回転駆動される。回転円盤4上には、ガイドコンベア5が配置されている。ガイドコンベア5は、上プレート7と下プレート8との間に、ベルト6が縦向きに配置されている。ベルト6は循環移動し、ベルト6に当接した物品10はベルト6の移動方向に送られる。回転円盤4及びガイドコンベア5の駆動機構については、後に図3を参照しながら説明する。
【0014】
図2を参照しながら、物品10の搬送について説明する。コンベア2で搬送された物品10は、回転円盤4上に送られる。回転円盤4は円周方向(矢印a方向)に回転しているので、物品10は回転円盤4と共に、ガイドコンベア5に向けて送られる(矢印b、c方向)。物品10がガイドコンベア5に当接すると、物品10は回転方向の移動が規制され、続いてガイドコンベア5のベルト6に沿って、コンべア3に向けて搬送され、コンべア3に渡される。これらの一連の動作により、コンベア2から送られくる物品10は、回転円盤5を経由することにより、搬送方向が逆転し、他方のコンべア3によって、当初とは逆方向に搬送されていく。この構成では、ガイドコンベア5により物品10の受け渡しが円滑になるとともに、物品10の搬送方向が折り返えされるので、例えばレイアウトの有効利用に役立つ。
【0015】
コンべア2の回転円盤10側の先端位置の配置は、図2の例に限るものではなく、適宜設定すればよい。例えば図2では、コンべア2の先端が回転円盤10の内部に入り込んでおり、この配置では、回転円盤10による物品10の搬送距離を短くすることができる。すなわち物品10の大きさや種類に応じて、コンべア2の先端位置を調整して、物品10の搬送距離を調整すればよい。
【0016】
図3は、図2のAA線における断面図であり、ガイドコンベア5及び回転円盤4の駆動機構を示している。図4は、ガイドコンベア5の角度調整機構を示す要部平面図である。図3において、モータ20に回転軸15が接続されており、回転軸15にはローラ13が固定されている。このローラ13と図4に示した他方のローラ14との間に、ベルト6が装着されている。図3において、モータ20の回転と一体に回転軸15が回転して、ローラ13が回転する。このことにより、図1、4に示したベルト6が回転移動する。
【0017】
図3において、回転円盤4には支持板17が固定され、支持板17に駆動ギア18が支持されている。駆動ギア18は外周部分に歯が形成されており、この歯は、モータ21に接続されたギア19の歯と噛み合っている(符号24の部分)。すなわち、モータ21の回転と一体にギア19が回転して、ギア19の噛み合った駆動ギア18が回転し、これと一体に支持板17及び回転円盤4が回転する。
【0018】
回転軸15は中空の主軸16内に配置されており、主軸16は回転軸15にベアリングを介して固定されており、駆動ギア18は主軸16にベアリング22及び23を介して固定されている。このため、回転軸15の回転は主軸16及び駆動ギア18には伝達されず、主軸16及び駆動ギア18の回転も回転軸15には伝達されない。すなわち、この構成では、モータ20によるガイドコンベア5のベルト6の回転駆動と、モータ21による回転円盤4の回転駆動とを独立して行うことができる。
【0019】
図3において、主軸16にカラー35が固定され、カラー35にアーム36が固定されている。図4に示したように、円盤状のカラー35が主軸16に固定され、カラー35に固定されたアーム36は、カラー35から延出している。アーム36の端部には、軸37が取り付けられており、軸37はロッド31と一体になっている。シリンダ30にはピン34が固定されており、ピン34は支持体33に回転可能に取り付けられている。図示はしていないが、シリンダ30の裏面側においても、同様にシリンダ30に固定されたピン34が支持体33に回転可能に取り付けられている。支持体33は取付部40に固定されている。取付部40は、支持体33を固定できればよく、例えばプレート部材の表面、柱部材の壁面である。
【0020】
図4に示した構成では、シリンダ30はピン34を中心として揺動可能になる(矢印f方向)。このことにより、シリンダ30からロッド31が伸縮すると、シリンダ30が揺動しつつ、アーム36及びこれに固定されたカラー35が回転し、これと一体に主軸16が回転する。図3に示したように、主軸16は、ガイドコンベア5の下プレート8に固定されているので、主軸16の回転と一体にガイドコンベア5も回転する。このことにより、ロッド31の伸縮量に応じて、ガイドコンベア5の角度調整が可能になる。
【0021】
前記のとおり、回転軸15は中空の主軸16内にベアリングを介して固定されているので、回転軸15の回転によるベルト6の回転駆動と、主軸16の回転によるガイドコンベア5の角度調整とを独立して行うことができる。また、この構成では、装置の複雑化を防止しつつ、安定して確実なガイドコンベア5の角度調整が可能になる。
【0022】
図3及び図4に示した機構は一例であり、ベルト6及び回転円盤4の駆動とガイドコンベア5の角度調整ができればよく、他の構成であってもよい。また、図3はベルト6及び回転円盤4を独立して駆動する例であるが、ベルト6の駆動と回転円盤4の駆動とが連動したものであってもよい。
【0023】
図5は、ガイドコンベア5の角度を変えた場合の使用形態を示す平面図である。図2の例では、コンベア2とコンベア3を平行に配置しているが、図5では、コンベア3はコンベア2に対し鋭角の角度をなして配置している。この配置に合わせて、ガイドコンベア5の配置角度を調整している。この調整は図4に示した前記の角度調整機構により可能である。すなわち、本実施形態に係るターンテーブル1によれば、コンベア間で物品10を受け渡す場合、コンベア間の配置角度は限定されないので、物品搬送のレイアウトの自由度が高まるとともに、レイアウトの有効利用を図ることができる。
【0024】
図6は、物品10を受ける側のコンベアを3つ以上用いる場合の使用形態を示す平面図である。図2図5の例では、物品10を渡す側のコンベア2と、物品10を受ける側のコンベア3はいずれも1つであるが、図6の例では、物品10を受ける側のコンベアは、コンベア3a〜3cの3つであり、図6はコンベア2から受けた物品10を、物品10の大きさや種類に応じて、コンベア3a〜3cのいずれかに送る例である。
【0025】
コンベア2で送られてきた物品10は、センサ38で検知される。この検知は、例えば物品10の大きさを検知してもよく、物品10に貼られたバーコードを検知してもよく、必要に応じて設定すればよい。検知情報を受信した制御手段39は、検知情報に応じて、図4に示したロッド31の伸縮量を決定するので、検知情報に応じたガイドコンベア5の角度が設定される。このことにより、物品10は、その大きさや種類に応じて、コンベア3a〜3cのいずれかに送られ、所定の供給先へと搬送されて行く。図6は、物品10をコンベア3bに送る例を示しており、センサ38の検知により、制御手段39はガイドコンベア5を、あらかじめコンベア3bに対応した角度に設定している。
【0026】
図6では、物品10を受ける側のコンベアがコンベア3a〜3cの3つの例を示したが、2つでもよく3つ以上でもよい。図示の便宜のため、制御手段39は回転円盤4の外側に配置しているが、配置位置は適宜決定すればよく、図1に示した機械室9の内部に配置してもよい。図6のセンサ38の位置は一例であり、物品10の識別可能な位置であればよい。また、ガイドコンベア5の角度を自動設定する例で説明したが、物品10の大きさや種類が変わる毎に手動設定してもよい。
【0027】
図7及び図8は、物品10の向きを逆転させる場合の使用形態を示す平面図である。回転円盤4の回転方向は、物品10を供給先のコンベア3に送る方向(矢印a方向)である。これに対し、ガイドコンベア5のベルト6の回転方向は、物品10をコンベア3の反対側に送る方向(矢印d方向)である。図7は、物品10が回転円盤4により搬送されてベルト6に当接した状態を示している。この状態では、物品10は回転円盤4の回転によりベルト6に当接しつつ、ベルト6により、コンベア3と反対側に送られる。このことにより、物品10は回転移動する(矢印e方向)。
【0028】
図8は、物品10が回転中の状態を示す平面図である。この状態では、物品10は回転円盤4の回転によりコンベア3側に送られつつ、ベルト6によりコンベア3と反対側に送られている。このことにより、物品10の回転が進み物品10の向きが逆転し、この状態でコンベア3上に落下する。このように、物品10の向きが逆転した状態でコンベア3上に落下させるためには、回転円盤4及びベルト6の回転速度を調整しておけばよい。
【0029】
図7及び図8に示した物品10の向きを逆転させる使用形態は、最終梱包時や次工程において所定の向きに整列させる必要がある場合に適している。この使用態様を実施するには、ガイドコンベア5のベルト6の正転及び逆転を切り換える機構を備えていればよく、特別な機構の追加は不要になる。
【符号の説明】
【0030】
1 ターンテーブル
2,3,3a,3b,3c コンベア
4 回転円盤
5 ガイドコンベア
6 ベルト
10 物品
15 回転軸
16 主軸
38 センサ
39 制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8