(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
切り替え手段(81−86)が、加熱中、補助動力装置(4)の作動点を変更するように構成され、補助動力装置(4)の動力を抑えることによってその燃料消費を抑えるために、切り替え手段(81−86)が、有利に加熱中に作動される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
空気分配出口(S)に供給する混合器(3)を含む供給回路、補助動力装置(4)を混合器(3)に接続する加熱第1ブランチ(B1)、および補助動力装置(4)を混合器(3)に接続する冷却第2ブランチ(B2)は、別個のものである、請求項1に記載のシステム。
【背景技術】
【0002】
航空機の乗客の快適感を確保するために、新鮮な空気の流れを客室内に循環させることによって乗客コンパートメント(乗客キャビンとも呼ばれる)を換気することが知られており、必須とされている。換気用の新鮮な空気は、航空機外側から取り入れられ、供給回路によってコンパートメント内に供給される。換気用空気流の温度は、コンパートメントの温度を乗客の快適感を確保することができる限度内に保つことができるように調節される。したがって、ほとんどの時間、乗客およびコンパートメント内に存在する装置(照明など)によって生成された熱を補償するために換気用空気流を冷却することが必要である場合、換気用空気流が、特定の条件下で、特に冷温気候において、特にコンパートメントを加温する初期段階において加熱されなければならないということもまた事実である。
【0003】
コンパートメントの換気は、航空機飛行の過程において、また航空機が空港内のスタンドに駐機され、そのエンジンが停止されているときの両方においてできるだけ低減されなければならないエネルギー消費となる。航空機が駐機されている間に航空機コンパートメントを換気するために、航空機上に装着され、動力を航空機に供給し、それによって乗客コンパートメントの換気を可能にする補助動力装置(APU)を使用することが必要である。
【0004】
例として、従来技術による空調システムを示す
図1を参照すると、航空機の乗客が位置するコンパートメント1は、空気供給回路であって、
−加圧された空気ストリームF
APUを供給する補助動力装置4と、
−加圧された空気ストリームF
APUを受け入れ、その温度を調節する空調パック2であって、好ましくは加圧された空気ストリームF
APUを冷却するための冷却ユニットを有する、空調パック2と、
−コンパートメント1に供給する混合された空気流F
Mを生じさせるために、空調パック2から温度調節された空気ストリームを、およびコンパートメント1から再循環された空気ストリームを受け入れる空気混合器3と、
−コンパートメント1のさまざまな場所内にそれらの温度の局所的制御のために注入された熱出力の微調整を可能にする高温空気注入弁9とを備え、空気ストリ−ムは、コンパートメント1からその循環後に出て行く、空気供給回路によって供給される。
【0005】
従来、補助動力装置4は、作動モード(コンパートメント1の加温または冷却)にかかわらず、同一の空気ストリームF
APUを供給する。これは、冷気ストリームを効果的に供給するためには、空調パック2は理想的には高圧の空気ストリームを必要とし、一方では高温空気ストリームを供給するためには、空調パック2は中圧の空気ストリームを必要とすることを考えれば欠点となる。
【0006】
実際には、補助動力装置4は、いかなる状況下でも高圧の空気ストリームF
APUを空調パック2に供給するだけである。したがって、コンパートメント1を温める必要があるとき、高圧の空気ストリームF
APUは、コンパートメントの圧力でコンパートメント内に注入されるために空調パック2内で膨張される。換言すれば、補助動力装置4によって圧縮された空気のかなりの部分は、これを高温供給源として使用するために必要とされる最小限に対して過剰な圧縮率で圧縮されている。圧縮率が高いほど、燃料消費が多くなる。この過剰な圧縮率は、本発明が解消しようとするエネルギーの過分の支出となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、補助動力装置4によって供給された圧縮された空気ストリームの使用を、前記空気ストリームの加熱に結合されるエネルギーコストを抑えながら最適化しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの欠点の少なくとも一部を解消するために、本発明は、航空機乗客コンパートメント用の空調システムであって、
−少なくとも1つの外部空気入口を、コンパートメント内に開口することができる少なくとも1つの空気分配出口に接続する空気供給回路と、
−前記供給回路内に装着され、空気ストリームを供給回路内で圧縮するように構成された補助動力装置とを備え、
供給回路が、
−補助動力装置を空気分配出口に接続し、空気ストリームを加熱するための手段が中に装着された加熱第1ブランチと、
−補助動力装置を空気分配出口に接続する冷却第2ブランチと、
−空気ストリームを加熱第1ブランチと冷却第2ブランチの間で分配するように適合された切り替え手段とを含む、システムに関する。
【0009】
切り替え手段は、有利には、補助動力装置によって圧縮された空気ストリームを、加熱または冷却に対して最適化された2つの異なる作動モードにしたがって使用することを可能にする。さらに、加熱手段は、有利には、熱量を空気ストリームに与え、したがって補助動力装置による過剰なエネルギー消費を回避することを可能にする。
【0010】
有利には、熱量の寄与は、補助動力装置の圧縮率、したがってその燃料消費を縮小することを可能にする。
【0011】
好ましくは、冷却第2ブランチは、供給回路の空気ストリームを冷却するための手段を含む。冷却手段は、有利には、例えば航空機の抗力を抑え、臨界ゾーンの冷却を向上させ、補助動力装置の寸法および質量を抑えるなどのために、冷却を空気ストリームに与え、したがってシステムの冷却力を増大させることを可能にする。
【0012】
冷却手段は、好ましくは、冷却空気ストリームの循環によって供給回路の空気ストリームに冷却を与えるように構成された熱交換機の形態で提供される。冷却空気ストリームは、好ましくは、航空機外側から取り入れられた外部空気流である。したがって、補助動力装置によって圧縮された空気ストリームは、航空機自体からのエネルギーの供給無しに外部から冷却される。
【0013】
本発明の1つの態様によれば、切り替え手段は、加熱中、補助動力装置の作動点を変更するように構成される。切り替え手段は、有利には、補助動力装置の動力を抑え、したがってその燃料消費を抑えるために、加熱中作動される。いかなる圧縮も無いという結果、加熱手段によって供給された熱エネルギーを与えることによって補償されることが有利である加圧された空気ストリームの温度が、低減される。換言すれば、動力装置は、目的(加熱または冷却)に応じて最適に使用される。
【0014】
加熱手段は、好ましくは、補助動力装置からの排出ガスから生じる加熱空気ストリームの循環によって供給回路の空気ストリームに熱量を与えるように構成された熱交換機の形態で提供される。補助動力装置によって供給された熱は、有利には、圧縮された空気ストリームを加熱するために使用される。
【0015】
本発明の1つの態様によれば、冷却第2ブランチが供給回路の空気ストリームを冷却するための手段を含むとき、加熱第1ブランチは、加熱された空気ストリームを冷却手段内で循環させるようにして冷却手段の上流側の冷却第2ブランチに結合される。供給回路のそのような構造は、スペースをそれほど必要とせず、現行の航空機内に容易に組み込まれ得る。
【0016】
切り替え手段は、好ましくは、加熱された空気ストリームが冷却手段内で循環するとき、冷却手段を作動させないように構成される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、空気分配出口に供給する混合器を含む供給回路、補助動力装置を混合器に接続する加熱第1ブランチ、および補助動力装置を混合器に接続する冷却第2ブランチは別個のものである。したがって、コンパートメントは、有利には、加熱および冷却のブランチの空気ストリームを独立的に管理することによって換気され得る。
【0018】
好ましくは、補助動力装置が低圧空気出口および高圧空気出口を含むとき、加熱第1ブランチは低圧空気出口に接続され、冷却第2ブランチは高圧空気出口に接続される。
【0019】
したがって、有利には、加熱用に適合されることが有利である低圧ブランチが設けられ、冷却用に適合された高圧ブランチが設けられる。換気は、要件にしたがって正確にかつ最適にパラメータ化され得る。
【0020】
より好ましくは、供給回路は、加熱手段によって加熱されない低圧空気流を混合器に供給できるように加熱第1ブランチと平行に装着された迂回ブランチを含む。したがって、補助動力装置から生じる空気ストリームは、有利には、加熱されない空気ストリームを混合器に供給するために加熱手段によって迂回されてよく、こうして混合器によって受け入れられた空気ストリームの温度は、精密に制御され得る。
【0021】
本発明は、単に例として与えられた以下の説明を読み取り、付属の図を参照することによってより良好に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図は、本発明を実施するための詳細なやり方で本発明を開示し、前記図面は、当然ながら、適宜、本発明のより良好な定義を与える役割を果たし得ることに留意されたい。
【0024】
例として、本発明による空調システムの2つの実施形態を示す
図2から
図4を参照すると、空調システムは、航空機のコンパートメント1、特に航空機の乗客が中に位置するコンパートメント1を換気するように構成される。
【0025】
この例では、本発明による空調システムは、加圧された空気ストリームを供給する補助動力装置4を備える空気供給回路と、加圧された空気ストリームをその温度を調節することによって受け入れる空調パック2と、
図2に示されるようにコンパートメント1に供給する混合された空気流F
Mを生じさせるために、空調パック2からの空気ストリームおよびコンパートメント1から再循環された空気ストリームを受け入れる混合器3とを含む。この目的を達成するために、供給回路は、コンパートメント1内に開口する空気分配出口Sを含む。出口空気ストリームGは、コンパートメント1からこのコンパートメント内での循環後に出る。
【0026】
本発明によれば、各々の供給回路は、補助動力装置4を混合器3に接続し、加熱手段6が取り付けられた加熱第1ブランチB1と、補助動力装置4を混合器3に接続し、冷却手段7が取り付けられた冷却第2ブランチB2と、加熱第1ブランチB1と冷却第2ブランチB2の間で空気ストリームを分配するように適合された切り替え手段81〜86とを含む。
【0027】
切り替え手段81〜86は、供給回路の作動を、この回路がコンパートメント1を加温または冷却するときに変更することを可能にする。供給回路のこの変更は、補助動力装置4の作動点を変更し、それによってその燃料消費を抑える。本発明により、空調システムは従来技術ほどエネルギーを消費せず、冷却または熱量は、空調パック2とは別個の加熱手段6および冷却手段7によって与えられる。
【0028】
以下で提供される2つの実施形態では、補助動力装置4(APUとして良く知られている)は、供給回路の空気入口Eの領域内で航空機外側から取り入れられた空気流を圧縮することを可能にする負荷圧縮機を含む。加熱手段6は、
図2から
図4に示されるように、補助動力装置4からの排出ガスから生じる加熱空気ストリームF
ECHの循環によって加熱第1ブランチ1の空気ストリームに熱量を与えるように構成された熱交換機6の形態で提供される。加熱手段6は、好ましくは、補助動力装置4によってその作動の過程において生成された熱から恩恵を受けるために、補助動力装置4の排出領域内に直接装着される。同様に、2つの実施形態では、冷却手段7は、
図2から
図4に示されるように、航空機外側から取り入れられた冷却空気ストリームF
REFの循環によって冷却第2ブランチB2の空気ストリームに冷却を与えるように構成された熱交換機7の形態で提供されている。当然ながら、加熱手段6または冷却手段7はさまざまな形態をとることができ、理想は、手段6、7が、さらなる消費ではなくエネルギーの回収によって得られた熱量および冷却を与えることができることである。
【0029】
1.第1の実施形態
本発明の第1の実施形態によれば、
図2および
図3を参照すると、補助動力装置4は、航空機外側から取り入れられた空気ストリームF
EXTを空気入口Eの領域内に受け入れ、供給回路に供給する圧縮された空気ストリームF
APUを生じさせるためにこれを圧縮する。
【0030】
供給回路は切り替え手段を含み、この切り替え手段は、この例では、圧縮された空気ストリームF
APUを受け入れ、これを加熱第1ブランチB1と冷却第2ブランチB2の間で分配するように構成された第1の弁81、および冷却第2ブランチB2の冷却手段7内に循環する圧縮された空気ストリームF
APUに冷却を与える冷却空気ストリームF
REFの流量を調節するように構成された第2の弁82の形態で提供される。したがって、第2の弁82は、冷却手段7の冷却の程度を調節することを可能にする。
【0031】
必要とされるスペースおよび空調システムの複雑性を抑えるために、加熱第1ブランチB1は、加熱された空気ストリームを冷却手段7内で循環させるようにして冷却手段7の上流側の冷却第2ブランチB2に接続される。供給回路のそのような構造は、スペースをそれほど必要とせず、現行の航空機内により容易に組み込まれ得る。用語「上流側」および「下流側」は、供給回路内の上流側から下流側の空気ストリームの循環に対して定義される。
【0032】
この第1の実施形態では、空調パック2は、平行な2つのブランチ(図示せず)であって、その一方が冷却装置を含み、その他方は装置を有さない、ブランチと、空調パック2に入る空気ストリームを2つのブランチ間で分配するように構成された分配弁とを含む。加熱中、空調パックの分配弁は、空気ストリームを冷却装置を有さないブランチに向かって誘導するように制御され、その結果、供給回路内の圧力をほぼ乗客コンパートメント1の圧力まで低減する。補助動力装置4は、次いで、より低い圧力で作用し、より少ない燃料を消費するためにその作動点を変更する。空調パック2の分配弁は、空調システムの切り替え手段に属しており、有利には、圧縮機の作動点を変更することを可能にする。
【0033】
図2を参照すると、切り替え手段81、82は、有利には、第1の弁81が、空気ストリームを誘導するために、加熱第1ブランチ1に向かって完全にまたは部分的に開かれるとき、第2の弁82が、次いで、航空機外側から取り入れられた冷却空気ストリームF
REFの、冷却手段7内での循環を防止するために閉じられるようにして制御可能である。制御コマンドが、空調システムの任意の要素によって、特に空調パック2によって送られ得る。したがって、加熱制御コマンドが空調システムに送られたとき、圧縮された空気ストリームF
APUは、加熱第1ブランチB1の加熱手段6および冷却第2ブランチB2の冷却手段7内で連続的に循環するが、冷却空気ストリームF
REFが第2の弁82によって遮断されていることを考えれば冷却されない(圧縮された空気ストリームF
APUの循環は
図2の点線によって表される)。したがって、空調パック2は、所望の温度に加熱された出口空気ストリームF
S1を受け入れ、このストリームの圧力は、空調パック2によって決められた加熱の必要性が大きくなるにつれてさらに低下する。
【0034】
これは、エネルギーの観点から有利であり、航空機のエネルギー源が温存される。事実、出口空気ストリームF
S1に与えられる熱量は、補助動力装置4の排出部において回収されている。
【0035】
図3を参照すると、同様のやり方で、切り替え手段81、82は、有利には、第1の弁81が、冷却第2ブランチB2に向かって完全にまたは部分的に開放されるとき、第2の弁82が、次いで、航空機外側から取り入れられた冷却空気ストリームF
REFの、冷却手段7内の循環を可能にするために開放されるようにして制御可能である。したがって、冷却制御コマンドが空調システムに送られたとき、圧縮された空気ストリームF
APUは、好ましくは、冷却空気ストリームF
REFによって冷却されるように冷却第2ブランチB2の冷却手段7内に向けられる(圧縮された空気ストリームF
APUの循環は、
図3の点線によって表される)。したがって、空調パック2は、ほぼ事前冷却された出口空気ストリームF
S2を受け入れる。換気用空気ストリームがコンパートメント1内で分配されるとき、この空気ストリームは、一方では冷却手段7によって、他方では空調パック2によってこうして冷却される。全体として、冷却手段7は、空調システムの総冷却力を増大させることに寄与する。
【0036】
余剰の冷却力は、さまざまな代替策または組み合わせによって活用され得る:
−補助動力装置4の負荷圧縮機の圧縮作用を低減すること(したがって、ISO冷却パフォーマンスにおける補助動力装置4のサイズ、質量、かさ、消費を低減すること)、
−冷温供給源として空調パック2によって使用される外部冷温空気ストリームを低減し、したがって飛行中に航空機上に誘発される抗力を低下させること、
−特定の特に重要な場合の作動におけるシステムの冷却パフォーマンスを増大させること。
【0037】
この例では、補助動力装置4の負荷圧縮機は、可変速度で機能し、その作動点を補助動力装置4の下流側の固定された流量/圧力状態に応じて適合させることができる可変設定遠心圧縮機である。当然ながら、圧縮機はさまざまな形態を有することができる。
【0038】
従来技術と同様のやり方で、供給回路は、コンパートメント1のさまざまなゾーン内へとそれらの温度の局所的制御のために注入された熱出力の微調整を可能にする空気注入弁9を含む。この実施形態では、注入弁9は、空調パック2の上流側から開始し、
図2および
図3に示されるように空気分配出口Sの領域内でコンパートメント1内に開口する注入ブランチ内に装着される。
【0039】
第1の実施形態による空調システムは、有利には、コンパクトで軽量である。既存の航空機への組み込みは、実施が簡単である。加熱ブランチB1および冷却ブランチB2、さらに切り替え手段は、好ましくは、空調パック2を供給する前に補助動力装置4に接続され得る独立した熱調節モジュールの形態で組み立てられる。
【0040】
2.第2の実施形態
本発明の第2の実施形態によれば、
図4を参照すると、補助動力装置4は、航空機外側から取り入れられた空気ストリームF
EXTを受け入れ、空調システムに供給する圧縮された空気ストリームを生じさせるためにこれを圧縮する。この第2の実施形態では、補助動力装置4は、(単一回路で交互にではなく)2つの別々の回路に、低圧の圧縮された高温空気ストリームF
APU−BP、および「低温」の、より正確には「事前冷却された」、高圧で圧縮された空気ストリームF
APU−HPを同時に供給するように適合される。この例では、補助動力装置4は、高温の低圧圧縮された空気ストリームF
APU−BPおよび「低温」の高圧空気ストリームF
APU−HPをそれぞれ供給する低圧段41および高圧段42を有する圧縮機の形態である。この第2の実施形態では、空調パック2は、冷却装置を有する単一のブランチを含むだけである。空調パック2は、低圧空気ストリームF
APU−BPおよび高圧空気ストリームF
APU−HPを軽減することによって、コンパートメント1内に注入される温度を調節する。
【0041】
供給回路は、低圧圧縮されたストリームF
APU−BPを受け入れ、混合器3に送られる高温空気の流量を調節するように構成された第1の低圧弁83、および高圧圧縮されたストリームF
APU−HPを受け入れ、混合器3に送られる冷気の流量を調節するように構成された第1の高圧弁85の形態である切り替え手段を含む。
【0042】
図4に示されるように、供給回路は、圧縮機の低圧段41と第1の低圧弁83の間に、平行な2つの供給ブランチと、加熱手段6が位置している加熱ブランチB1およびそのような加熱手段6を有さない迂回ブランチB3が位置している加熱ブランチB1とを含む。切り替え手段はまた、補助動力装置4の圧縮機から生じる低圧圧縮された流れF
APU−BPを2つのブランチB1、B3間で分配し、したがって交換機3によって受け入れられる低圧圧縮されたストリームF
APU−BPの温度を制御または抑制することを可能にする第2の低圧弁84も含む。
【0043】
第1の実施形態と同様のやり方で、切り替え手段はまた、航空機外側から取り入れられた、第2の冷却ブランチB2の冷却手段7に供給する冷却空気ストリームF
REFの流量を抑えるように構成された(第1の実施形態の第2の弁82と同一である)第2の高圧弁86も含む。
【0044】
切り替え手段の第1の低圧弁83および高圧弁85は、空調システムがそれぞれ、混合器3によって受け入れられる低圧の高温空気ストリームF
APU−BPおよび「低温」の高圧ストリームF
APU−HPの流量を調節することを可能にし、それによって、コンパートメント4を最適なやり方で換気し、またエネルギー消費を抑えてそのようにすることを可能にする。
【0045】
切り替え手段の第2の低圧弁84および高圧弁86は、混合器3によって受け入れられる低圧空気ストリームF
APU−BPおよび高圧ストリームF
APU−HPの流量内に熱量/冷却を与えることを調節することをそれぞれ可能にする。熱量は、有利には、補助動力装置4の排出部において回収される。換気用空気の温度は、コンパートメント1内で完璧に制御される。
【0046】
第1の実施形態と同様のやり方で、切り替え手段83〜86は、有利には、補助動力装置4の圧縮機の作動点を加熱または冷却中のその消費を抑えるように変更するようにして制御可能である。
【0047】
補助動力装置4の圧縮機は、1つまたは複数のシャフトを備えることができる。低圧段は、好ましくは、航空機の飛行中、コンパートメント1に供給するための十分な圧力を供給することができるように寸法設定される。
【0048】
従来技術と同様のやり方で、供給回路は、コンパートメント1のさまざまなゾーン内へとそれらの温度の局所的制御のために注入された熱出力の微調整を可能にする空気注入弁9を含む。
図4を参照すれば、注入弁9は、加熱ブランチB1および迂回ブランチB3の領域内で開始し、コンパートメント1の空気分配出口Sの領域内でコンパートメント1内に開口する注入ブランチ内に装着される。
【0049】
第2の実施形態の変形形態では、空調システムは、冗長性を確保するために2つの補助動力装置を含み、各々の補助動力装置は、2つの高温および「低温」供給回路に供給することができる。
【0050】
高温空気ストリームおよび冷温空気ストリームを与えることを可能にする空調システムが、上記で提供されているが、当然ながら空調システムは、高温および冷温の空気ストリームを軽減することができる。
【0051】
さらに、航空機外側から取り入れられた冷却空気ストリームF
REFの循環によって冷却第2ブランチB2の空気ストリームに冷却を与えるように構成された冷却手段7が、提供される。当然ながら、任意の他の空気ストリームも冷却を与え得る。好ましくは、コンパートメントからの出口空気ストリームGは、冷却第2ブランチB2の空気ストリームを冷却するための冷却手段7において使用される。
【0052】
本発明の1つの態様によれば、コンパートメントからの出口空気ストリームGは、1つの形態または別の形態(電気、空気など)の機械的エネルギーを生成するために回収タービン(図示されず)内に注入される。好ましくは、注入は、コンパートメントからの出口空気ストリームGの冷却手段7内での循環後に実施される。したがって、コンパートメントからの出口空気ストリームGは加熱され、その注入中により高いエネルギーレベルを有し、これは有利である。