特許第6129170号(P6129170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6129170-爆発放散型のエアロゾル消火装置の内筒 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129170
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】爆発放散型のエアロゾル消火装置の内筒
(51)【国際特許分類】
   A62C 13/22 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
   A62C13/22
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-525297(P2014-525297)
(86)(22)【出願日】2012年8月15日
(65)【公表番号】特表2014-521477(P2014-521477A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】CN2012080184
(87)【国際公開番号】WO2013023601
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年2月3日
(31)【優先権主張番号】201110244667.2
(32)【優先日】2011年8月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】316016427
【氏名又は名称】シーアン ウェストピース ファイヤー テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】チアン ジアン
(72)【発明者】
【氏名】レイ チェンジュン
【審査官】 櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0216767(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/091652(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0081419(US,A1)
【文献】 特表2012−525872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体(3)と前記筒体(3)の一端に設けられる筒蓋部品(4)とを含む爆発放散型エアロゾル消火装置内筒であって、
前記筒体(3)に、コネクティングロッド(12)と、ガイドユニット(13)と、位置制限装置(14)とを含む爆発放散装置が設けられ、
前記コネクティングロッド(12)は前記筒蓋部品(4)に接続され、
前記ガイドユニット(13)は、前記コネクティングロッド(12)が前記ガイドユニット(13)にガイドされて前記筒体(3)の熱気流の噴射方向に沿って変位する際にガイド作用を果たす装置であって、
前記位置制限装置(14)は、前記コネクティングロッド(12)を固定すると共に、前記コネクティングロッド(12)の末端が前記筒体(3)の一端まで変位した場合にその位置を制限する装置であることを特徴とする爆発放散型エアロゾル消火装置内筒。
【請求項2】
前記爆発放散装置は、摩擦層(11)をさらに備え、前記摩擦層(11)は、前記コネクティングロッド(12)と前記筒体(3)との間に設けられ、前記コネクティングロッド(12)が前記変位する際、前記摩擦層(11)は摩擦抵抗力とバッファリング力を与えることを特徴とする請求項1に記載の爆発放散型エアロゾル消火装置内筒。
【請求項3】
前記ガイドユニットは、前記コネクティングロッド(12)に固定して接続されたガイドリング(15)、又は、前記筒体(3)の外壁に設けられて前記コネクティングロッド(12)をその軸方向に沿ってスライドさせるガイド溝であって、前記位置制限装置(14)は、前記筒体(3)に固定して接続されたフランジング(16)と、前記コネクティングロッド(12)を固定するための係止爪(17)と、を含み、前記フランジング(16)とガイドリング(15)との間に衝撃緩和部品(18)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の爆発放散型エアロゾル消火装置内筒。
【請求項4】
前記フランジング(16)と前記筒体(3)が一体であることを特徴とする請求項3に記載の爆発放散型エアロゾル消火装置内筒。
【請求項5】
前記コネクティングロッド(12)と前記筒蓋部品(4)が固定接続又は一体であることを特徴とする請求項1乃至4の中のいずれかに記載の爆発放散型エアロゾル消火装置内筒。
【請求項6】
前記コネクティングロッド(12)の変位が30〜80mmであることを特徴とする請求項5に記載の爆発放散型エアロゾル消火装置内筒。
【請求項7】
前記筒蓋部品(4)の噴射口がゴムシール(10)で密封されることを特徴とする請求項6に記載の爆発放散型エアロゾル消火装置内筒。
【請求項8】
前記筒蓋部品(4)と前記筒体(3)との接続箇所に、断面が円形であるシールリング(9)が設けられることを特徴とする請求項7に記載の爆発放散型エアロゾル消火装置内筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防消火技術分野に関し、特に、爆発を防止し圧力を放散し反跳力を低減できるエアロゾル消火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のエアロゾル消火装置は、通常、内筒体と、内筒体に設けられた内筒蓋部品と、内筒体の内部に順に設けられた断熱材で覆われた火工品、点火プラグ、冷却剤、セラミックスシート等を備え、正常である場合、点火プラグにより火工品を点火した後、薬柱は高速の分層燃焼を介して大量のエアロゾル煙霧を発生し、これらの高温のエアロゾルは冷却剤層によって冷却された後、筒蓋部品の噴射口から噴射され、発火源に直接作用して消火の目的を実現する。しかし、被覆層が破損し、火工品薬柱に割れ目が発生し又は気体通路が閉塞されると、内筒体の内部圧力が上昇し、薬柱が爆発し、急速に上昇した超高圧気体が高速に前へ放散され、高速で衝撃して噴射口を開き、大きい反跳力を発生する。大きい反跳力によって内筒体を高速に後ろへ移動させ、操作者を傷つけることになる。同時に、爆発放散した後、熱気流は内筒体の内部に蓄積され、エアロゾル消火装置の内筒蓋部品等も高速で内筒体から離脱され、遠く飛ばされ、他の意外事故をもたらし、さらに、蓄積された圧力が大きすぎると、内筒体の爆発等の厳しい事故が発生してしまう。
【0003】
しかし、既存のエアロゾル消火装置の内筒体は、放散爆発(防止)措置がなされていなく、一番汎用されるのは前蓋をしっかり押圧する方法であるが、安全に爆発放散できず、上記の問題を解決することができないので、既存のエアロゾル消火装置の内筒には、薬剤が爆発した後、大きい反跳力が発生し、内筒体が爆発し又は内筒蓋部品が離脱して人身又は品物を傷つける安全上の問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、既存技術におけるエアロゾル消火装置に爆発防止及び圧力放散の措置がなされていなく、薬柱が爆発した後、大きい反跳力が発生し又はその内筒体が爆発し又は部品が離脱して人身又は品物を傷つける安全上の問題を解決できる爆発放散型のエアロゾル消火装置の内筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による技術的手段は以下の通りである。
筒体(3)と筒体(3)の一端に設けられる筒蓋部品(4)とを含む爆発放散型エアロゾル消火装置内筒であって、前記筒体(3)に、コネクティングロッド(12)と、ガイドユニット(13)と、位置制限装置(14)とを含む爆発放散装置が設けられ、コネクティングロッド(12)は筒蓋部品(4)に接続され、ガイドユニット(13)は、コネクティングロッド(12)が移動する際にガイド作用を果たす装置であって、位置制限装置(14)は、コネクティングロッド(12)を固定すると共に、コネクティングロッド(12)の末端が筒蓋部品(4)までスライドした場合にその位置を制限する装置であることを特徴とする爆発放散型エアロゾル消火装置内筒である。筒蓋部品(4)が位置制限装置(14)から離脱して前へスライドする場合、筒体の内部の元の高圧気体は出(圧力放散)口の拡大によって、高速に分散されると共に、物理作用で消費・移転されて、爆発放散され、つまり、筒蓋部品(4)が前にスライドする過程が筒体(3)の圧力放散過程である。
爆発放散装置は、摩擦層(11)をさらに備え、摩擦層(11)は、コネクティングロッド(12)と筒体(3)との間に設けられ、コネクティングロッド(12)がガイドユニット(13)にガイドされて筒体(3)の熱気流の噴射方向に沿って変位する際、摩擦層(11)は摩擦抵抗力とバッファリング力を与える。
【0006】
前記ガイドユニットは、コネクティングロッド(12)に固定して接続されたガイドリング(15)又は筒体(3)の外壁に設けられてコネクティングロッド(12)をその軸方向に沿ってスライドさせるガイド溝又はスライドレール又はガイド作用を果たすことのできる他の構造であり、
上記位置制限装置(14)は、筒体(3)に固定して接続されたフランジング(16)と、コネクティングロッド(12)を固定するための係止爪(17)又はコネクティングロッド(12)を固定しつつコネクティングロッド(12)の筒体(3)からの離脱を防止できる他の構造を含み、また、構造がさらに堅固で、コネクティングロッド(12)の末端の筒体(3)からの離脱を防止できるように、フランジング(16)が筒体(3)と一体的に形成されることもでき、フランジング(16)とガイドリング(15)との間に衝撃緩和部品(18)が設けられて、コネクティングロッド(12)の末端と筒体(3)又はコネクティングロッド(12)の末端とフランジング(16)との間の衝突力を緩和し、衝突過程を延長し、弾性エネルギーを解放することによって一部の爆発による運動エネルギーを消費する。
【0007】
上記のコネクティングロッド(12)は筒蓋部品(4)に固定して接続される又は一体に形成されることができ、これにより、筒蓋部品(4)の飛び出しを防止し、それによる意外事故を防止できる。
【0008】
本発明のコネクティングロッド(12)の変位は30〜80mmで、50〜60mmであることが好ましく、大きく変位すると、反跳力を低減することができなく、少ないと、運動エネルギーの消費が不十分で、筒蓋部品が位置制限装置14の阻止から離脱する可能性が存在し、筒蓋部品が筒体から離脱すると、大きい反跳力が発生する。従って、変位を適切に制御することは極めて重要なことである。しかし、コネクティングロッド12の変位は、具体的な応用環境に応じて調節でき、最適な爆発放散効果を実現できればよい。
【0009】
上記の内筒蓋部品(4)の噴射口はゴムシール(10)で密封され、密封及び防湿の作用を果たす。
【0010】
上記筒蓋部品(4)と筒体(3)との接続所に断面が円形であるシールリング(9)が設けられて、コストを低減し、密封効果を向上させる。
【0011】
本発明の上記の爆発は、火工品薬剤柱が割れ目又は破裂又は外部包装の失効によって燃焼することを示し、このような薬柱は極めて短い時間内に激しく燃焼し、その燃焼時間は正常の分層燃焼時間の1/10である。薬柱が爆燃した後、ちょっとの間に大量の高圧高温気体を発生する。
【0012】
本発明の動作原理は、薬柱(7)が爆燃する際、薬筒内の気圧が急速に増加され、筒蓋部品(4)上のゴムシール(10)が高圧気体によって開かれ、気体が放散されるが、爆燃したので、正常の噴射口から放散できず、筒体(3)の内部の気圧が蓄積されて高圧気体になり、当該高圧気体によって既に90度に湾曲されてコネクティングロッド(12)と筒体(3)とを係合した係止爪(17)が開放され、そして、係止爪(17)は緩められて開かれ、その同時に、筒蓋部品(4)も筒体(3)から離脱してしまう。係止爪(17)が緩められて開かれると、爆発エネルギーが係止爪の当該変形ポテンシャルエネルギーを克服し、一部の爆発エネルギーを消費する(爆発放散によるエネルギー消費方法1)。その後、スライドして出る筒蓋部品(4)がコネクティングロッド(12)とガイドリング(15)を連れて筒壁に沿って軸方向にスライドし、スライド中に摩擦層(11)の作用で、筒蓋部品(4)とガイドリング(15)が内筒体(3)の外壁をスライドする過程において、大きい摩擦抵抗が発生し、一部の筒蓋部品(4)の前への運動エネルギーを消費する(爆発放散によるエネルギー消費方法2)。ガイドリング(15)と筒蓋部品(4)が前へ内筒体(3)の先端付近までスライドした場合、衝撃緩和部品(18)はガイドリング(15)と筒体(3)に設けられたフランジング(16)によって押さえられ、一部の運動エネルギーを受け付ける(爆発放散によるエネルギー消費方法3)。二つの部品が対向してスライドして衝撃緩和部品(18)をさらに押さえることができないように極限まで押さえる場合、当該衝撃緩和部品(18)は2つの対向して接近する物体に反作用を与え、また、一部の蓄積した弾性ポテンシャルエネルギーを解放し、2つの物体間の接近をさらに阻止する。従って、一部の運動エネルギーも消費する(爆発放散によるエネルギー消費方法4)。最後に、ガイドリング(15)の先端が内筒体(3)上のフランジング(16)に衝撃し、フランジング(16)の一部が弾性又は塑性変形し、前蓋及びスライドリングの前進を有効に阻止できる(爆発放散によるエネルギー消費方法5)。このようにして、爆燃によるエネルギーが殆ど消費され、コネクティングロッドと前蓋の移動が停止し、大きい反跳力が筒体(3)に作用することがなく、筒蓋部品(4)が飛び出されるリスクを有効に軽減することができる。筒蓋部品(4)が位置制限装置(14)から離脱して前にスライドする過程において、筒体の内部の元の高圧気体が出(圧力放散)口の拡大により高速に分散又は消費される。つまり、筒蓋部品(4)が前に移動する過程は筒体の圧力放散過程で、全体の爆発又は部品の飛び出しによるリスクを防止でき、コネクティングロッドの限られた変位、即ち最終的な位置制限の目的は反跳力を低減し、反跳力によって人身及び品物を傷つけることを防止することである。
【発明の効果】
【0013】
本発明による爆発放散型エアロゾル消火装置内筒によると、以下のメリットを有する。
1、本発明によれば、内筒体に爆発放散装置を設けて、爆発放散装置の移動と位置制限中に爆燃による運動エネルギーを消費することによって、薬剤の爆燃による反跳力又は衝撃力を消費又は緩和し、安全で有効な爆発放散の目的を達成し、薬柱爆燃によって人身又は品物を傷つけることを防止する。
2、本発明では、コネクティングロッドと筒蓋部品とは接続され、フランジング及び係止爪の構造で、コネクティングロッドの運動を有効に制御できる。当該構造によれば、大きい衝撃力が筒蓋部品に作用して筒蓋部品が筒体から離脱することを防止でき、筒蓋部品が飛び出されて意外事故が発生することを防止できる。
3、本発明の位置制限装置のフランジングが内筒体と一体的に形成され、構造が一層堅固で、耐衝撃性能が一層向上する。
4、本発明の構造が簡単で、装着に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の内筒の構造を示す図である。
図2図2は、本発明の内筒の断面図である。 1−エアロゾル消火装置 2−爆発放散装置 3−筒体 4−筒蓋部品 5−セラミックスセルラ冷却層 6−冷却剤 7−薬柱 8−点火プラグ 9−シールリング 10−ゴムシール 11−摩擦層 12−コネクティングロッド 13−ガイドユニット 14−位置制限装置 15−ガイドリング 16−フランジング 17−係止爪 18−衝撃緩和部品 19−保温断熱層
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は爆発放散型エアロゾル消火装置の内筒を提供し、以下、図面を結合して好適な実施形態を説明する。
図1図2に示すように、本発明のエアロゾル消火装置1の内筒は、既存の内筒を用いて、その上に、爆発放散装置を追加することで、既存のエアロゾル消火装置1が爆発を防止し圧力を放散することができない問題を解決し、又は、他の内筒を用いることもでき、爆発を防止し圧力を放散する必要があるエアロゾル消火装置1の内筒に適用する。
【0016】
本実施形態の内筒は、筒体3を含み、筒体3の先端に筒蓋部品4が設けられ、筒体3の内部に順にセラミックスセルラ冷却層5、冷却剤6、薬柱7、薬柱7の先端断面における点火プラグ8が設けられ、通常、筒体3と筒蓋部品4とはシールリング9によって密封されて接続され、ここで、シールリング9の断面は四方形又は円形又は他の形状であることができる。筒蓋部品4は、噴射口とラッパノズルとを含み、且つ、噴射口の中心はラッパノズルの中心に対向し、噴射口をゴムシール10又はアルミ箔で密封し、また、セラミックスセルラ冷却層5は冷却剤6を固定して冷却剤6が落ちることを防止しつつ物理的な冷却作用を果たし、高温の熱エアロゾルの温度を低下させ、通常、セラミックスセルラ冷却層5を冷却剤6の先端に設けることができ、また、冷却剤6の中間に設けることもでき、又は冷却剤6の先端と中央に設けることもでき、実際の応用状況に応じてその位置及び数を決めることができる。本発明のラッパノズルの直径の大きい一端はセルラ冷却層に接続され、エアロゾルを案内して噴射口から噴出させ、また、ラッパノズルは筒蓋と一体的に構成されることもできる。薬柱7と筒体3の内壁との間に保温断熱作用を果たす保温断熱層19を設けて、エアロゾルの燃焼による熱が放散されて周囲の人又は物を傷つけることを防止することができる。
【0017】
本発明の爆発放散装置2は、主に摩擦層11と、コネクティングロッド12と、ガイドユニット13と、位置制限装置14と、衝撃緩和部品18と、を含み、ここで、コネクティングロッド12は筒蓋部品4に溶接、リベット結合等の固定接続方式で接続され、または、一体的に形成されることもでき、この場合、構造強度がさらに大きい。摩擦層11は、一つ又は複数のゴムリング又はシリカゲル層又はコネクティングロッド12の軸方向のスライドに充分な摩擦抵抗を提供できる他の材料であればよく、摩擦層11をコネクティングロッド12と筒体3との間に設けることができ、又はコネクティングロッド12の内側に直接固定することもでき、コネクティングロッド12がガイドユニット13のガイドにより筒体3の軸方向に沿って変位する際、摩擦層11は摩擦抵抗とバッファリング力を与える。ガイドユニット13は、コネクティングロッド12が移動する際にガイド作用を果たす装置で、コネクティングロッド12に固定して接続されるガイドリング15であってもよいし、筒体3の外壁に設けられてコネクティングロッド12がスライドするガイド溝又はスライドレール又はガイド作用を果たすことのできる他の構造であってもよく、当該ガイド構造により、コネクティングロッド12が筒体3で移動する際に位置ずれたり引っかかったりすることを防止できる。ガイドリング15でガイドする際、ガイドリング15とコネクティングロッド12の末端が固定して接続され、又は直接に一体的に形成されることができる。本発明の位置制限装置14は、コネクティングロッド12を固定することができ、コネクティングロッド12の末端が筒蓋部品4までスライドした時、その位置を制限する装置である。コネクティングロッド12の末端が筒蓋部品4の位置に達した場合、位置制限装置14により位置が制限される。位置制限装置14は、主にフランジング16と、係止爪17とを含み、ここで、フランジング16は筒体3に固定して接続されるか、直接に一体的に形成されることもできる。一方、係止爪17は一端がコネクティングロッド12に固定され、他端が筒体3に係合して接続され、コネクティングロッド12を固定する。コネクティングロッド12は、係止爪17と一体的に形成されることもできる。また、本発明の位置制限装置14は他の構造であってもよく、コネクティングロッド12を固定しつつコネクティングロッド12の筒体3からの離脱を阻止できる構造であればよい。本発明において、フランジング16は筒体口に設けられる凸台であることができ、ガイド溝と一体的に形成されることもでき、応用環境に応じてその構造を選択できる。ガイドユニット13がガイドリング15である場合、ガイドリング15とフランジング16との間に、ガイドリング15又はコネクティングロッド12の末端と筒体3又はフランジング16との間の衝突力を緩和するための衝撃緩和部品18を設けることによって、衝突時間を長くし、その弾性機能を解放して爆燃による運動エネルギーの一部を消費することができる。
【0018】
本発明のコネクティングロッド12の変位は30〜80mmに制御され、且つ、50〜60mmであることが好ましい。これは、大きく変位すると、反跳力を低減することができなく、少ないと、運動エネルギーの消費が不十分で、筒蓋部品が位置制限装置14の阻止から離脱する可能性が存在し、筒蓋部品が筒体から離脱すると、大きい反跳力が発生するからである。しかし、コネクティングロッド12の変位は、具体的な応用環境に応じて調節でき、最適な爆発放散効果を実現できればよい。
【0019】
内筒の薬柱7が正常に燃焼される場合、熱気体は筒蓋部品4の噴射口から噴出され、大きい気流が発生されなく、これにより、爆発放散装置2が起動されず、コネクティングロッド12は係止爪17によって筒体3に固定され、筒体3の軸方向に沿って移動して変位することがない。ただ、薬剤が意外に爆燃する時、大きい熱気流により筒蓋部品4とコネクティングロッド12を熱気流の噴出方向に移動させる場合のみに、位置制限装置14の係止爪17は大きい衝撃力の作用でスライドして離脱し、この過程において一部の衝撃運動エネルギーを消費することになる。コネクティングロッド12は、熱気流に押さえられて、ガイドリング15を連れて筒体3の外壁の軸方向に沿ってスライドして変位し、移動中に摩擦層11により摩擦抵抗を与え、一部の衝撃運動エネルギーを消費し、コネクティングロッド12の末端が筒体3の噴射口に達した場合、筒体3に固定されている位置制限装置14のフランジング16がコネクティングロッド12の末端の筒体3からの離脱を阻止し、この時、フランジング16とガイドリング15との間に設けられた衝撃緩和部品18が弾性を有するので一部の衝撃運動エネルギーを消費し、また、コネクティングロッド12の末端とフランジング16との間の大きい衝撃力を緩和する作用を果たし、最後の運動エネルギーが衝突する形態でフランジング16に作用する際、フランジング16が弾性又は塑性変形し、残りの運動エネルギーを全て消費する。これにより、薬柱7の爆燃による大きい衝撃運動エネルギーを消費又は分散させることで、人員及び品物を傷つけることを防止できる。
【0020】
本発明の内筒は上記の実施形態の構造に限られず、また、携帯式消火装置又は固定式消火装置に限られることもなく、圧力の放散及び爆発防止の問題に係わっている他の装置にも適用できる。
本発明は、図面に示された実施形態に限定されるものではない。よって、添付の特許請求の範囲で言及された特徴に続いて参照番号が参照され、このような参照番号は、単に特許請求の範囲の理解を深めることを目的として含まれるものであり、特許請求の範囲の範囲を限定するためのものではないことが理解されるべきである。
図1
図2