(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129171
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】レール車両用の非常ブレーキ装置、レール車両用のブレーキシステム、及びレール車両
(51)【国際特許分類】
B60T 8/32 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
B60T8/32
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-525408(P2014-525408)
(86)(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公表番号】特表2014-521559(P2014-521559A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】EP2012065668
(87)【国際公開番号】WO2013024019
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年8月7日
(31)【優先権主張番号】102011110047.8
(32)【優先日】2011年8月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503159597
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】マーク−オリヴァー ヘアデン
(72)【発明者】
【氏名】マテウス エングルブレヒト
【審査官】
長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−203346(JP,A)
【文献】
特開平10−203347(JP,A)
【文献】
特開平10−138907(JP,A)
【文献】
特開2002−067931(JP,A)
【文献】
特開平06−278607(JP,A)
【文献】
特開2001−264193(JP,A)
【文献】
特開2003−259502(JP,A)
【文献】
特開2003−063366(JP,A)
【文献】
特開平08−295236(JP,A)
【文献】
特開平08−067241(JP,A)
【文献】
特表2009−513408(JP,A)
【文献】
特開平07−304451(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/050950(WO,A1)
【文献】
特表2005−506235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レール車両のニューマチック式ブレーキ装置に非常ブレーキ制御圧を付与することができる非常ブレーキ制御弁装置(14)と、
前記ニューマチック式ブレーキ装置に付与された非常ブレーキ制御圧を、レール車両の少なくとも1つの荷重値と、レール車両の速度値とに応じて調節することができる非常ブレーキ圧調節装置(12,54)とを備え、
前記非常ブレーキ圧調節装置(12,54)は、前記非常ブレーキ制御圧を、前記速度値の時間的変化を考慮しながら調節することができ、前記非常ブレーキ制御圧の調節を、前記速度値に依存して、所定のインターバルにわたる速度値の時間的経過に従って行い、前記インターバルを、ほぼ一定に経過する異なるブレーキ圧を有する2つの速度範囲を結びつけるように選択することを特徴とする、レール車両用の非常ブレーキ装置。
【請求項2】
前記非常ブレーキ圧調節装置(12)は、前記非常ブレーキ制御圧を調節する圧力補正器を有している、請求項1記載の非常ブレーキ装置。
【請求項3】
前記非常ブレーキ圧調節装置(12)には、前記非常ブレーキ制御圧を調節するために、前記少なくとも1つの荷重値に応じた荷重圧が供給される又は供給可能である、請求項1又は2記載の非常ブレーキ装置。
【請求項4】
前記非常ブレーキ圧調節装置(12)には、前記非常ブレーキ制御圧を調節するために、前記速度値に応じた圧力が供給される又は供給可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載の非常ブレーキ装置。
【請求項5】
さらに、前記非常ブレーキ制御弁装置(14)を制御することができる電子的な制御装置(54)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の非常ブレーキ装置。
【請求項6】
前記電子的な制御装置(54)は、前記非常ブレーキ制御弁装置(14)を、非常ブレーキ制御圧を付与するために、前記速度値及び/又は前記少なくとも1つの荷重値に基づき制御するように構成されている、請求項5記載の非常ブレーキ装置。
【請求項7】
電子的な制御装置(54)は電子的なブレーキ制御装置(53)に接続されている、又は接続可能である、請求項5又は6記載の非常ブレーキ装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の形式の非常ブレーキ装置を備えたレール車両用のブレーキシステム。
【請求項9】
請求項1から7までのいずれか1項記載の非常ブレーキ装置及び/又は請求項8記載のブレーキシステムを備えたレール車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常ブレーキ制御弁装置を有したレール車両用の非常ブレーキ装置、レール車両用のブレーキシステム、及び該レール車両に関する。
【0002】
昨今のレール車両ではしばしば、ニューマチック式ブレーキ装置が使用され、これは電子的なブレーキ制御装置によって制御される。電気系統が故障した場合でも非常ブレーキ作動が行われることを保証するために、通常、付加的なニューマチックによるフォールバックレベルが設けられている。特に、非常ブレーキ装置は、ニューマチック式ブレーキシステムのブレーキアクチュエータを操作するために最低限の非常ブレーキ制御圧が提供されることを保証すべきものである。しかしながら非常ブレーキの際には、加えられたブレーキ力を、車輪とレールとの間の摩擦接触を介してはもはや吸収できないほど強くブレーキがかけられる危険が高くなる。これにより車輪はロックされる恐れがある。さらには、非常ブレーキによりしばしば、レール車両は急激な挙動をし、これにより特に立っている乗客は危険にさらされる恐れがある。
【0003】
そこで本発明の課題は、非常ブレーキ時のレール車両のブレーキ動作を改善することである。
【0004】
この課題は、独立請求項に記載の特徴により解決される。
【0005】
本発明のさらに好適な構成及び別の構成は従属請求項に記載されている。
【0006】
この記載の範囲ではレール車両とは、固有の駆動装置を有した又は有さない単数又は複数の車体及び/又は牽引車の任意の組み合わせを意味する。特にレール車両は動力車を有することができる。ニューマチック式ブレーキ装置はニューマチック式及び電子式に操作可能な構成部分を有することができる。ニューマチック式又は電子ニューマチック式ブレーキ装置は特に、電磁弁又は電気的に制御可能なパイロット弁のような電気により制御可能な弁を有していることが考えられる。ニューマチック式のブレーキ装置は特に、単数又は複数のニューマチック式に操作可能なアクチュエータ又は操作部材、例えばニューマチックシリンダを有することができる。このような形式のアクチュエータは、単数又は複数の摩擦ブレーキ装置の摩擦ブレーキエレメントを操作するために形成することができる。摩擦ブレーキ装置は、例えば摩擦ブレーキエレメントとして、単数又は複数のブレーキディスク及び所属のブレーキライニングを備えたブレーキパッドを有することができ、これらのブレーキパッドは、アクチュエータによってブレーキキャリパを介して対応するブレーキディスクと摩擦接触させることができる。摩擦ブレーキ装置は、ブロックブレーキ装置として形成することもでき、ブロックブレーキ装置では、ブレーキライニングを備えたブロックをアクチュエータによって、ブレーキをかけたい車輪の踏面に摩擦接触させることができる。
【0007】
本発明によれば、レール車両のニューマチック式ブレーキ装置に非常ブレーキ制御圧を付与することができる非常ブレーキ制御弁装置を有したレール車両用の非常ブレーキ装置が設けられている。この非常ブレーキ装置はさらに、前記ニューマチック式ブレーキ装置に付与された非常ブレーキ制御圧を、レール車両の少なくとも1つの荷重値と、レール車両の速度値とに応じて調節することができる非常ブレーキ圧調節装置を有している。従って、非常ブレーキがかけられている間も、車輪のロックを回避することができ、スムーズな制動を行うことができる。非常ブレーキ装置は特に非常ブレーキの際に又は急ブレーキの際に非常ブレーキ制御圧を形成することができる。ニューマチック式ブレーキ装置は、非常ブレーキ制御圧を、ブレーキをかける際にブレーキアクチュエータの操作のために有効な非常ブレーキ圧に変換するように形成することができる。このような電子ニューマチック式ブレーキ装置は例えば直接的な又は間接的なブレーキ装置であって良い。非常ブレーキ装置は、規定された最低限の非常ブレーキ制御圧を提供することができるように形成されていて良い。非常ブレーキ装置は、電気ニューマチック式のブレーキ装置用のフォールバックレベルを提供するために形成することができる。非常ブレーキ制御圧調節装置は、非常ブレーキ制御弁装置と別個に形成することができる。また、非常ブレーキ制御圧調節装置を、非常ブレーキ制御弁装置と一緒に、例えば共通の非常ブレーキモジュールとして形成することも考えられる。この場合、非常ブレーキ制御弁装置と非常ブレーキ制御圧調節装置とは1つの共通のケーシング内に配置することができる、又は1つの共通のケーシング上に配置することができる。非常ブレーキ制御弁装置を、ニューマチック式又は電子ニューマチック式の制御弁装置として形成することができる。非常ブレーキ制御圧は、ブレーキアクチュエータに提供される非常ブレーキ圧へと変換するために出力増幅器又は圧力増幅器へと供給されるブレーキ制御圧であって良い。速度値は、特に、レール車両の走行速度に相当するものであって良い。速度値を、車輪回転数センサ又は別の適当な速度センサのデータに基づき算出することができ、例えば、GPS信号、車輪信号、及び/又は光学的な信号に基づき算出することができる。速度値がレール車両の実際の速度値であるならば特に好ましい。レール車両の少なくとも1つの荷重値は、特に、レール車両の、ニューマチック式のブレーキ装置に配属された単数又は複数の車軸の荷重に相当するものであって良い。少なくとも1つの荷重値は例えば、車軸近傍に設けられた単数又は複数のエアベローズにおける荷重圧に基づき規定することができる。非常ブレーキ制御圧調節装置は非常ブレーキ制御弁装置の下流に接続することができ、非常ブレーキ制御弁装置内に形成される圧力を非常ブレーキ制御圧に合わせて調節することができる。非常ブレーキ制御圧調節装置は、非常ブレーキ制御圧を調節するために直接非常ブレーキ制御弁装置に作用することもでき、これにより、ニューマチック式のブレーキ装置に付与された非常ブレーキ制御圧は、非常ブレーキ制御弁装置によって付与されたブレーキ制御圧に相当するものとなる。非常ブレーキ装置は例えば、ブレーキ制御圧及び/又はブレーキ圧を形成するための主制御弁装置を有することができるブレーキシステムに組み込むことができる。このような形式の主制御弁装置は電子的な制御装置、例えばブレーキコンピュータによって制御可能である。主制御弁装置は、非常ブレーキ圧を形成するための非常ブレーキ制御圧によってニューマチック式に制御可能である。この場合、非常ブレーキ圧は、非常ブレーキ制御圧に従って主制御弁装置によって調節することができる。主制御弁装置は、制御圧をブレーキ圧に変換することができる圧力変換器を有することができる。特に、主制御弁装置及び圧力変換器は、1つの共通のケーシング内に、又は1つの共通のケーシング上に配置されていて良い。
【0008】
非常ブレーキ制御圧調節装置は、非常ブレーキ制御圧を、速度値の時間的変化を考慮しながら調節することができる。特に、継続的かつ/又は恒常的かつ/又は動的な非常ブレーキ制御圧の動的な調節は、変化する速度値に依存して、かつ/又は速度値の変化に対する反応として行われる。非常ブレーキ制御圧の調節は、速度値に依存して、所定のインターバルにわたる速度値の時間的経過に従って行われる。このインターバルは、ほぼ一定に経過する異なるブレーキ圧を有する2つの速度範囲を結びつけるように選択することができる。このインターバルにおいては、これらの速度範囲間で、連続的かつ/又は緩やかなブレーキ圧の移行を非常ブレーキ制御圧調節装置によって調節することができる。少なくとも速度経過の所定の部分範囲にわたって、例えばこのインターバルにおいて、非常ブレーキ制御圧の調節を、時間的に変化する速度値に応じて、速度値の変化に動的かつ/又は継続的かつ/又は直接的に従わせると有利である。
【0009】
非常ブレーキ制御圧調節装置は、非常ブレーキ制御圧を調節する圧力補正器を有することができる。非常ブレーキ制御弁装置によって付与された非常ブレーキ制御圧を、荷重値及び速度値に応じて調節するために、圧力補正器には適当な制御圧を供給することができる。従って簡単に、所望の非常ブレーキ制御圧を調節することができる。
【0010】
別の構成では、非常ブレーキ制御圧調節装置には、非常ブレーキ制御圧を調節するために、少なくとも1つの荷重値に応じた荷重圧が供給される又は供給可能である。荷重圧は、圧力補正器の制御圧として供給することができる、又は供給可能である。このような形式で、非常ブレーキ制御圧をニューマチック式に調節することができる。
【0011】
非常ブレーキ制御圧調節装置には、非常ブレーキ制御圧を調節するために、速度値に応じた圧力が供給される又は供給可能である。このために例えば、電子ニューマチック式の弁装置を設けることができ、この弁装置は速度値に応じた電気信号を相応のニューマチック圧に変換することができ、このニューマチック圧は非常ブレーキ制御圧調節装置に供給可能である。選択的に、非常ブレーキ制御圧調節装置は、非常ブレーキ制御圧の調節を電磁的に行うように形成することができる。例えば、所望の調節を行うために、速度値に基づく給電により非常ブレーキ制御圧調節装置に適当な影響を与えることができる電磁石、例えばコイル装置を設けることができる。例えば調節装置の圧力補償器を、このような電磁石によって速度値に応じて制御することができる。電磁制御のために適当な制御装置を設けることができる。
【0012】
さらに、非常ブレーキ装置は、非常ブレーキ制御弁装置を起動制御することができる電子的な制御装置を有していて良い。電子的な制御装置による起動制御は一般的に、例えば単数又は複数の電磁弁のような電子ニューマチック式エレメントに電流及び/又は電圧を所望のように供給することを含むことができる。従って、非常ブレーキ制御弁装置は所望のように起動制御することができ、非常ブレーキ制御弁装置の確実かつ簡単な起動制御が得られる。
【0013】
別の構成では、非常ブレーキ制御弁装置を、速度値及び荷重値に基づき非常ブレーキ制御圧を形成するために制御することができるように、電子的な制御装置を形成することができる。従って電子的な制御装置は、非常ブレーキ制御圧調節装置として形成することができる。この場合、荷重値及び/又は速度値に応じたニューマチック式制御圧の供給を省くことができる。非常ブレーキ制御弁装置を、電子的な制御装置及び/又はブレーキ制御装置の故障の際でも非常ブレーキ制御圧を形成することができるように形成すると好適である。
【0014】
好適には、電子的な制御装置は、電子的なブレーキ制御装置に接続されている、又は接続可能である。このような形式の接続により、非常ブレーキ装置の電子的な制御装置と、別個に形成された電子的なブレーキ制御装置との間のデータ信号を交換することができる。非常ブレーキ装置の電子的な制御装置と、電子的なブレーキ制御装置とは、この場合、互いに独立的に運転可能な、特に互いに独立的に電力が供給されることができる構成部分として形成することができる。一般的に、非常ブレーキ制御弁装置と主制御弁装置とを起動制御することができる電子的なブレーキ制御装置を設けることができ、この場合、主制御弁装置は、通常運転時にブレーキ圧及び/又はブレーキ制御圧を供給するために形成されている。別の構成によれば、電子的なブレーキ制御装置は、非常ブレーキ装置の電子的な制御装置による非常ブレーキ制御弁装置の所定の操作又は制御の際に、電子的な制御装置によって行われる非常ブレーキ制御圧の調節の妥当性検査を行うように形成されている。電子的なブレーキ制御装置は、妥当性検査が、制御が妥当ではないとした場合に、非常ブレーキ装置の電子的な制御装置による非常ブレーキ制御弁装置の起動制御を禁止することができる。
【0015】
さらに、ここに記載した非常ブレーキ装置を有したレール車両用のブレーキシステムが設けられている。このブレーキシステムは、電子的な制御装置又は非常ブレーキ装置の他に、電子的なブレーキ制御装置及び/又は滑走防止コンピュータを有していて良い。滑走防止コンピュータと、非常ブレーキ装置の電子的な制御装置と、電子的なブレーキ制御装置とは、互いに別個に運転可能な制御装置として形成することができ、特に互いに独立的に電力が供給されることができる。滑走防止コンピュータ、電子的なブレーキ制御装置、及び非常ブレーキ装置の電子的な制御装置は、種々様々なレベルで、ニューマチック式のブレーキ装置の圧力空気供給に影響を与えることができる。特に例えば滑走防止コンピュータは、それぞれ、ニューマチック式に操作されるアクチュエータに配設された流出弁を制御するように設けることができる。このような流出弁を介して例えば車輪のロックの危険が生じた場合、対応するアクチュエータに供給される圧力を減じることができる。一般的に、1つの非常ブレーキ装置を1つのブレーキシステムに組み込むことができる。非常ブレーキ装置は選択弁を有していて良い。選択弁は、2つの入口と1つの出口とを有することができる。選択弁は、高い圧力がかけられている方の入口を出口に接続するように形成することができる。この場合、選択弁のこの一方の入口に、非常ブレーキ制御弁装置によって形成された制御圧をかけることができる。他方の入口には、主制御弁装置又は別の弁装置によって形成された制御圧をかけることができる。別の弁装置は、非常ブレーキの際に下回ってはならない最低限の非常ブレーキ制御圧を形成する圧力制限弁装置であって良い。この場合、圧力制限弁装置は、圧縮空気リザーバに存在する高い圧力を最低限の非常ブレーキ制御圧に制限する。形成された最低限の非常ブレーキ制御圧は、ほぼ一定であって良い。特に、最低限の非常ブレーキ制御圧は電子制御されるのではなく、純粋にニューマチック式に形成される。非常ブレーキ装置は、車掌によって起動制御可能な非常ブレーキ弁装置を有していて良い。非常ブレーキ弁装置は、非常ブレーキが実行されるべきではない第1の切換位置で、圧力制限弁装置と選択弁との間の接続を切断するように形成することができる。非常ブレーキを実行すべきである、非常ブレーキ装置の第2の切換位置では、非常ブレーキ弁装置は、選択弁入口と圧力制限弁装置との間のニューマチック式の接続部を開くことができる。従って第2の切換位置では、圧力制限弁装置による圧力を選択弁にかけることができる。非常ブレーキ弁装置は、第1の入口及び第2の入口と、1つの出口とを有することができる。非常ブレーキ弁装置は選択機能を有しており、高い圧力がかけられている方の入口を出口に接続することができる。この場合、非常ブレーキ弁装置の出口を、選択弁の入口に接続することができる。非常ブレーキ弁装置の一方の入口は圧力制限弁装置に接続することができる。他方の入口は主制御弁装置に接続することができる。従って、主制御弁装置及び/又は圧力制限弁装置及び/又は非常ブレーキ制御弁装置によって形成されたその都度最大の制御圧を、非常ブレーキ制御圧として選択弁を介して放出し、相応の非常ブレーキ圧を発生させることができる。
【0016】
さらに、ここに記載した非常ブレーキ装置及び/又はここに記載したブレーキシステムを有したレール車両が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】種々異なる荷重値におけるレール車両のニューマチックブレーキ装置のブレーキ圧の経過を示す例である。
【
図2】非常ブレーキ装置を概略的に示した図である。
【
図3】別の非常ブレーキ装置を概略的に示した図である。
【
図5】非常ブレーキ装置の別の実施例を概略的に示した図である。
【
図6】非常ブレーキ装置のさらに別の実施例を概略的に示した図である。
【0018】
図1には、レール車両の荷重値T及び走行速度vに依存した非常ブレーキ圧cの種々異なる経過が示されている。種々異なる荷重値における3つの曲線I、II、IIIが示されている。非常ブレーキ圧はそれぞれほぼ線的に非常ブレーキ制御圧に依存しているので、ブレーキ圧から直接に、必要な制御圧を推量することができる。
【0019】
一般的に、荷重値が高い場合、車両はその重量によってレールに堅固に押し付けられるので、車輪・レール接触を介して、車両を制動するための比較的大きな力を吸収することができる。換言すると、車輪からレールに伝達可能な力の大きさを規定する粘着係数は、荷重値が高い場合は荷重値が低い場合よりも大きい。従って、荷重値が高い場合、車輪をロックさせることなく、大きなブレーキ力と大きなブレーキ圧が付与される。従って、曲線Iは低い荷重値を、曲線IIは中間の荷重値を、曲線IIIは高い荷重値を表している。一般的にレール車両の荷重若しくはレール車両の軸の荷重は運転中殆ど変化しない。動的な作用により荷重圧信号の変動は、例えばレール車両の加速時又は制動時に生じるエアベローズにおける振動により生じるが、このような変動は平均して車両の荷重には影響を与えない。実際の荷重値が、実質的に各曲線の位置を規定し、特にこれは、図示した最も高い速度でブレーキ圧の始動値に関かわる。一般的に各曲線は4つの領域A,B,C,Dに分けられる。高速度に相当する領域Dではほぼ一定の非常ブレーキ圧が生じる。領域Dでは通常200km/h以上である。高速時には粘着係数は低い。従って曲線経過右側におけるブレーキ圧は相応に低い。比較的低速度でかつ相応に粘着係数が高い領域Bでも同様にほぼ一定の比較的高いブレーキ圧が生じている。極めて低速度の領域Aでは、ブレーキ圧は全て車両の静止状態まで下がっている。記載した非常ブレーキ装置は、
図1に示した通常は存在しない領域Cを制御して設けることができる。通常は約200km/hである所定の速度に到達した際にブレーキ圧のジャンプが生じるように領域BとDとを隣接させるのではなく、移行領域Cが設けられている。この移行領域Cは、ブレーキ圧曲線経過において不連続性若しくはジャンプを生じさせることなく領域DとBを互いに結びつける緩やかな曲線経過を提供する。この領域では非常ブレーキ制御圧と、これに対応するブレーキ圧とは、レール車両の速度値に直接依存して調整される。特にこの領域では調節された非常ブレーキ制御圧が速度の変化に伴い継続的に変化し、従って連続的な曲線経過が生じる。
【0020】
図2には、非常ブレーキ装置10が概略的に示されている。非常ブレーキ装置10は非常ブレーキ圧調節装置12と非常ブレーキ制御弁装置14とを有している。非常ブレーキ制御弁装置14は主空気管路(図示せず)に接続することができる。さらに、非常ブレーキ制御弁装置14は、非常ブレーキ制御圧のような生じた制御圧をブレーキ圧に変換することができるユニット圧力変換器16に接続されている。
図2にはさらに、主制御弁装置18が示されていて、この主制御弁装置18を介して通常運転時に、例えば通常の運転ブレーキの際に、制御圧C
vを提供することができる。ユニット圧力変換器16は制御圧を相応のブレーキ圧に変換することができる。主制御弁装置18は電子的なブレーキ制御装置(図示せず)によって制御可能であって良い。しかしながらこの例では、非常ブレーキをかける際に非常ブレーキ装置が操作されるので、場合によっては主制御弁装置18は迂回される。見易さの理由からこの例では、主制御弁装置18とユニット圧力変換器16との間の接続ラインは示されていない。別の実施例では非常ブレーキ制御弁装置10をユニット圧力変換器16と主制御弁装置18との間に接続することができる。補足すると、ユニット圧力変換器16の代わりに勿論、かけられた制御圧をより大きな大きさとなるように伝達するだけではなく高めることもできる圧力ブースタを使用することもできる。
【0021】
図2に示した実施例では、非常ブレーキ装置の制御弁装置14は、主空気管路における減圧により制御されて、非常ブレーキを作動させる。従って制御弁装置14は非常ブレーキ制御圧を提供し、これはユニット圧力変換器16にさらに送られる。このブレーキ制御圧は、圧力調節装置12によって形成されたニューマチック荷重制御圧によって変更される。このためにニューマチック荷重圧信号T
modが制御弁装置14に送られる。適当なニューマチック構成要素により、制御弁装置14は、これにより発生された制御圧を、変更荷重圧信号T
modに応じて調節する。この例では、圧力調節装置12は、レール車両の荷重値若しくはレール車両の軸の荷重値を示すニューマチック荷重圧信号を受信することができるように形成されている。この信号は例えばエアベローズから発生する。さらに圧力調節装置12には速度信号が送られる。この信号は電気信号又はニューマチック信号であって良い。この例で示された圧力調節装置12は、変化する荷重圧信号T
modを制御弁装置14に送ることができるように形成されている。この荷重圧信号T
modは、速度に依存して調節される。この調節はニューマチック式又は電子ニューマチック式に行われる。この例では、圧力調節装置12は、相応に変更された荷重圧信号をニューマチック式に発生させることができる圧力補正器を有している。高速では経験的に、車輪とレールとの間の粘着係数は、低速の場合よりも低く、変更された荷重圧値T
modは低速の場合よりも低く調節されている。従って制御弁装置14は、実際の荷重で期待されるよりも低い荷重値を示す「仮想の」荷重値信号を準備する。従ってブレーキ弁のために低いブレーキ制御圧と低いブレーキ圧とが形成される。特に所定の速度範囲内で荷重圧信号T
modをこのように変更することにより、ブレーキ制御圧及び/又はほぼ一定のブレーキ圧を有する領域に関する2つの極端な値が、
図1に示した領域Cのように互いに結びつけられる。非常ブレーキ制御弁装置14と非常ブレーキ圧調節装置12とは一緒に1つの非常ブレーキ装置を形成している。
【0022】
図3には、非常ブレーキ装置を備えたレール車両用のニューマチックブレーキ装置10が示されている。ブレーキ装置10は、電子的な滑走防止装置又は滑走防止コンピュータ52を有している。さらに非常ブレーキ装置の電子的なブレーキ制御装置53と電子的な制御装置54とが設けられている。滑走防止コンピュータ52は、滑走防止機能を発揮するために1つ又は複数の流出弁56に接続されている。このために流出弁56は圧縮空気回路で、ニューマチックアクチュエータ(図示せず)のためのブレーキ圧を形成するユニット圧力変換器16の下流に配置されている。流出弁56により、所定のアクチュエータに作用するブレーキ圧は、滑走防止コンピュータ52に従って減じられる。さらに
図2に示したように、ユニット圧力変換器16のためのブレーキ制御圧を提供することができる主制御弁装置18が設けられている。主制御弁装置18は、所望のブレーキ制御圧C
vを提供するために、電子的なブレーキ制御装置53によって制御可能である。付加的に、ブレーキ制御装置53を、流出弁56の制御のために形成することができる。このためにブレーキ制御装置53は弁56に直接又は間接的に接続することができる。間接的な接続は例えば滑走防止コンピュータ52を介して行われる。制御装置54は、非常ブレーキ装置の制御弁装置14を荷重と速度に応じて制御するために設けられていて、非常ブレーキ装置の部分としてみなすことができる。従って制御弁装置14はこの場合、電子ニューマチック装置として形成されていて、電子的な制御装置54によって電気的に制御可能である。非常ブレーキ装置の制御弁装置14は非常ブレーキ制御圧を制御装置54に従って提供するために形成されている。この非常ブレーキ制御圧は制御装置54によって、荷重値データTと速度値vとに基づき調節される。この例では、電子的なブレーキ制御装置53に単数又は複数の荷重値データを含む荷重信号が送られ、その信号の受信のためにブレーキ制御装置53は形成されている。従ってこの提供されたデータTを、電子的なブレーキ制御装置53が、受信するために形成されている非常ブレーキ装置の制御装置54に伝える。この制御装置は、非常ブレーキ装置の制御弁装置14とともに1つの構成ユニットとして形成することができる。この例では、
図2に示した非常ブレーキ装置のニューマチック圧力調節装置12が設けられておらず、その役割は、電子的な制御装置54によって引き受けられる。従って制御装置54は圧力調節装置として働く。
図3の非常ブレーキ装置は、従って電子的な制御装置54と制御弁装置14とを含んでいる。滑走防止機能を果たすために、滑走防止コンピュータ52には、レール車両の速度データ、特に走行速度に関するデータが提供される。このために、滑走防止コンピュータ52は例えば、車輪速度センサのデータから車両速度を算出する。この例では速度データvは滑走防止コンピュータ52から非常ブレーキ装置10の、この情報を受け取ることができる電子的な制御装置54へと伝えられる。従って、非常ブレーキ装置10の電子的な制御装置54は既に存在しているデータv、Tを使用することができる。電子的な制御装置54を適当な形式で、制御弁装置14を制御するために使用される荷重値Tと走行速度値vとを受信することができるように別のセンサ及び/又は制御装置に接続できることが理解される。一般的に制御装置54は、速度データv及び/又は荷重データTの伝達が行われない場合、規定されたフォールバック非常ブレーキ圧を起動制御するように形成することができる。
【0023】
図4には、
図3に示されたブレーキ装置10の変化実施例が概略的に示されている。この実施例では、制御装置、即ち滑走防止コンピュータ52と、電子的なブレーキ制御装置53と、非常ブレーキ装置の制御装置54とが、共通の構成ユニットとして配置されていて、例えば共通のケーシング又は、互いに堅固に結合されたケーシングに配置されている。好適には制御装置は、複数の制御装置が同時に故障するのを防止するために、互いに別個に機能することができる。
【0024】
図5には、
図4に示した実施例とほぼ同じ構成部分を有した非常ブレーキ装置を有するブレーキ装置の別の実施例が示されている。
図5の実施例では、電子的なブレーキ制御装置53と非常ブレーキ装置の制御装置54との間にデータ伝達接続部が設けられている。この接続部を介して例えば、制御命令及び車両又はブレーキ状態についての情報が伝達される。さらに、この実施例では、電子的な制御装置54に、外部から、例えば適当な荷重値センサによって荷重値信号が送られる。付加的に、ブレーキ制御装置53から荷重値データTを伝達することができ、これは例えば、妥当性検査及び/又は冗長レベルの準備のために利用することができる。非常ブレーキ使用の際には、データ伝達接続部を介して電子的なブレーキ制御装置53は、制御装置54によって行われる非常ブレーキの妥当性検査を行うことができる。特に、電子的なブレーキ制御装置53を、荷重値データを受け取り、処理して、付加的な冗長性を発生させるように形成することができる。例えば、ブレーキ制御装置53は、制御装置54に送られた信号とは独立した信号を送る適当な荷重値センサに接続することができる。電子的なブレーキ制御装置53によって、制御装置54によって発動された非常ブレーキが、例えば所定の予め規定された妥当性基準を満たしていないために妥当ではないと判断された場合、電子的なブレーキ制御装置53は、制御装置54による制御弁装置14の起動制御を禁じる又は阻止することができる。この場合、ブレーキ圧が場合によっては、速度に直接依存して制御されない単なるニューマチック式の非常ブレーキを実行することができる。電子的なブレーキ制御装置53を、非常ブレーキ装置の制御装置54を起動制御するように形成し、接続することができる。従って、電子的なブレーキ制御装置53が、非常ブレーキ装置10の制御装置54による制御弁装置14の起動制御を禁じた場合、電子的なブレーキ制御装置53がその代わりに制御弁装置14自体を起動制御することができる。このために、電子的なブレーキ制御装置53も、例えば適当なセンサ、上位の制御装置を介して、又は滑走防止コンピュータ52によって提供することができる走行速度データを受け取るように形成されていると有利である。しかしながら、規定された非常ブレーキ制御圧若しくは非常ブレーキ圧を有するフォールバックレベルを提供するために、電子的なブレーキ制御装置53が、非常ブレーキ時に電子的な制御装置54を迂回して荷重値に関係なくかつ/又は速度に関係なく制御弁装置14を起動制御できることも考えられる。ブレーキ制御装置53及び制御装置54が故障した場合、ニューマチック式の非常ブレーキを実行することができる。
【0025】
図6には、別の非常ブレーキ装置10が概略的に示されている。
図5に示されたブレーキ装置と比較してこの実施例では、ニューマチック制御可能な付加的なフォールバックレベルが設けられている。この例では、滑走防止コンピュータ52と電子的なブレーキ制御装置53とが1つの構成ユニットにまとめられている。非常ブレーキ装置の制御装置54は別個の制御装置として形成されている。圧力制限弁装置62が設けられていて、この圧力制限弁装置62は、非常ブレーキ弁装置64に、非常ブレーキのために規定された最低圧力C
minを加える。このために、圧力制限弁装置62を圧力リザーバに接続することができ、圧力制限弁装置62は、圧力リザーバの蓄圧力を最低圧力まで減じて、非常ブレーキ弁装置64にかけることができる。非常ブレーキ弁装置64は例えば車掌によって直接、起動制御することができる。非常ブレーキ弁装置64の一方の入口は圧力制限弁装置62に接続されていて、他方の入口は主制御弁装置18に接続されている。非常ブレーキ弁装置64の出口は、この実施例では二重逆止弁とすることができる選択弁66に接続されている。非常ブレーキ弁装置64を3ポート2位置切替弁として形成することが考えられる。常用ブレーキ運転時には、非常ブレーキ弁装置64は、非常ブレーキ弁装置64の出口と圧力制限弁装置62との接続が遮断されるように接続されている。選択弁66は、2つの入口と1つの出口とを有している。選択弁66の出口は、選択弁66の出口にかけられる圧力をブレーキ圧に変換することができるユニット圧力変換器16若しくは圧力増幅器に接続されている。選択弁66は、その出口を、より高い圧力がかけられている方の入口に接続するように形成されている。通常運転の場合、即ち例えば常用ブレーキがかけられた場合、主制御弁装置18は、電子的なブレーキ制御装置53によって、非常ブレーキ弁装置64を介して、選択弁66の一方の入口にかけられるブレーキ圧を準備する。この場合、非常ブレーキ弁装置64によって、選択弁66と圧力制限弁装置62との間の接続が遮断される。非常ブレーキ装置の制御弁装置14の出口に接続された選択弁66の出口は、この場合、非常ブレーキ装置の制御装置54を介しても、電子的なブレーキ制御装置53を介しても、非常ブレーキ制御圧を準備するための制御弁装置14が起動制御されていないので、圧力下にはない。従って、この場合、選択弁66を介してユニット圧力変換器16に送られたブレーキ制御圧によって通常の常用ブレーキがかけられる。非常ブレーキの際には、非常ブレーキ弁装置64は通流位置に接続されて、この位置では圧力制限弁装置62が選択弁66に接続されている。付加的に、電子的なブレーキ制御装置53は主制御弁装置18を介して非常ブレーキを起動制御することができ、例えばブレーキ制御圧C
vを準備することができる。非常ブレーキ弁装置64が、圧力C
vとC
minの高い方を選択弁66の入口にさらに送る付加的な選択弁機能を有していることができる。この場合、選択弁66のこの入口には、両圧力の高い方が、ブレーキ装置のこの分岐からかけられる。例えば電子的なブレーキ制御装置53が故障した場合、又はブレーキ制御装置53によって非常ブレーキ制御が行われない場合、選択弁66には、圧力制限弁装置62によって準備された圧力C
minがかけられる。他方では、
図5につき説明したように、制御弁装置14は、制御装置54又は電子的なブレーキ制御装置53によって起動制御されて、非常ブレーキ制御圧を発生させる。この非常ブレーキ制御圧は、選択弁66の第2の入口にかけられる。選択弁66は、最も高い圧力がユニット圧力変換器16にさらに送られるように調節される。従って、このような実施例では、その都度最も高い制御圧がブレーキのために有効となる。これにより、特に、主制御弁装置18、圧力制限弁装置62、非常ブレーキ装置10の制御弁装置14を介して準備することができる3つまでの異なる制御圧力が生じることになる。上記の例では、最も高い制御圧が有効であることが保証されている。1つ又は2つまでもの制御圧準備システムが故障した場合、まだなお第3の圧力を準備することができる。従ってこの実施例では、非常ブレーキの際に制御圧を形成するための2つのフォールバックレベルが存在している。特に、電子的な制御装置52,53,54が故障した場合でも、ニューマチック式に、圧力制限弁装置62を介して最低限の非常ブレーキ圧が準備されることが保証されている。圧力制限弁装置62、選択弁66、非常ブレーキ弁装置64は、非常ブレーキ装置の部分としてみなすことができる。
【0026】
上記説明、図面、請求の範囲に開示した本発明の特徴は、単独でも、任意に組み合わせた形でも、本発明の実現のために重要なものとなり得る。
【符号の説明】
【0027】
10 ブレーキ装置
12 圧力調節装置
14 制御弁装置
16 ユニット圧力変換器
18 主制御弁装置
52 滑走防止コンピュータ
53 電子的なブレーキ制御装置
54 電子的な制御装置
56 流出弁
62 圧力制限弁装置
64 非常ブレーキ弁装置
66 選択弁