特許第6129198号(P6129198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特許6129198非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ
<>
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000002
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000003
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000004
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000005
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000006
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000007
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000008
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000009
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000010
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000011
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000012
  • 特許6129198-非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129198
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダ
(51)【国際特許分類】
   B60T 13/38 20060101AFI20170508BHJP
   B60T 7/06 20060101ALI20170508BHJP
   B60T 13/22 20060101ALI20170508BHJP
   F16D 55/08 20060101ALI20170508BHJP
   F16D 65/28 20060101ALI20170508BHJP
   F16D 121/06 20120101ALN20170508BHJP
   F16D 121/14 20120101ALN20170508BHJP
   F16D 127/04 20120101ALN20170508BHJP
   F16D 127/06 20120101ALN20170508BHJP
【FI】
   B60T13/38
   B60T7/06 C
   B60T13/22
   F16D55/08
   F16D65/28
   F16D121:06
   F16D121:14
   F16D127:04
   F16D127:06
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-543914(P2014-543914)
(86)(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公表番号】特表2015-502289(P2015-502289A)
(43)【公表日】2015年1月22日
(86)【国際出願番号】EP2012074109
(87)【国際公開番号】WO2013079667
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2015年11月27日
(31)【優先権主張番号】102011119998.9
(32)【優先日】2011年12月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503159597
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】マーク−グレゴリー エルストープフ
(72)【発明者】
【氏名】エーリヒ フーデラー
(72)【発明者】
【氏名】ローベアト ハウプト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル レーナイス
(72)【発明者】
【氏名】ベアンハート ヘマール
(72)【発明者】
【氏名】フェレンツ ミュレク
(72)【発明者】
【氏名】ジョルト アダム
【審査官】 佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−531071(JP,A)
【文献】 特開2001−206213(JP,A)
【文献】 特表2004−521827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 13/00−13/74
B60T 1/00− 7/10
F16D 49/00−71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばね蓄力式ブレーキシリンダであって、ハウジング(4)を備え、該ハウジング(4)内において、少なくとも1つの蓄力ばね(14,16)によって押圧される、ピストンロッド(24)を備えたばね蓄力式ピストン(6)が軸方向移動可能であり、さらに非常解除装置(26)を備え、該非常解除装置(26)は、非常解除操作装置と、前記ばね蓄力式ピストン(6)と前記ピストンロッド(24)との間における力伝達経路を中断する、歯車(38)を備えた非常解除機構と、前記非常解除装置(26)を異なった保持ポジションにおいて保持するように設計された保持装置(30)と、を有しており、該保持装置(30)は、前記歯車(38)に対して係合ポジションと解離ポジションとに旋回可能なラチェット(30)を有し、前記非常解除操作装置は、前記ハウジング(4)に対して移動可能でかつ戻しばね手段(46)によって出発位置に押圧される少なくとも1つの操作部材(42,44)と、該操作部材(44)と一緒に操作可能で前記ラチェット(30)を連行する駆動体(40)と、を有していて、前記操作部材(42,44)の操作時に、操作力が前記駆動体(40)に、さらに該駆動体(40)から前記ラチェット(30)に伝達され、前記歯車(38)に対する係合ポジションから解離ポジションへと前記ラチェット(30)を移動させるようになっている、ばね蓄力式ブレーキシリンダにおいて、
前記操作部材(42,44)と前記駆動体(40)との間、又は前記駆動体(40)と前記ラチェット(30)との間に、ばね手段(56;62)が設けられていて、該ばね手段(56;62)は、前記戻しばね手段(46)に対して並列に接続されていて、前記駆動体(40)による前記ラチェット(30)の連行時にばね力を生ぜしめながら圧縮され、該ばね力は前記ラチェット(30)を、前記歯車(48)からの解離ポジションに押圧することを特徴とする、ばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項2】
前記操作部材(42,44)は、少なくとも1つのボーデンケーブル(42)と、前記ハウジング(4)内に移動可能に支持された操作スリーブ(44)とを有しており、該操作スリーブ(44)に前記ボーデンケーブル(42)が固定されていて、前記操作スリーブ(44)は、前記ボーデンケーブル(42)による操作に抗して該ボーデンケーブルを戻す、前記戻しばね手段の戻しばね(46)によって押圧されている、請求項1記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項3】
前記ばね手段(56;62)は、該ばね手段(56;62)によって前記ラチェット(30)に対して加えられるばね力が、前記ラチェット(30)を前記歯車(48)に対する係合ポジションから解離ポジションに移動させるのに必要な力よりも小さいように、設計されている、請求項1又は2記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項4】
前記ラチェット(30)は、戻しばね(33)によって前記歯車(38)に対する係合ポジションに押圧されており、前記ばね手段(56;62)は、該ばね手段(56;62)によって前記ラチェット(30)に加えられるトルクが、前記戻しばね(33)が前記ラチェット(30)に加えるトルクよりも大きいように、設計されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項5】
前記操作部材(42,44)と前記駆動体(40)との間に設けられた前記ばね手段(56)は、少なくとも1つのコイルばねを含む、請求項1から4までのいずれか1項記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項6】
前記駆動体(40)は、前記操作部材(44)に摺動可能に支持されている、請求項5記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項7】
前記操作部材(44)に結合された当接手段(58)が設けられており、該当接手段(58)に前記駆動体(40)は当接可能に形成されていて、前記駆動体(40)の当接ポジションにおいて、前記操作部材(44)と前記駆動体(40)との間に設けられた前記ばね手段(56)は、設定されたばね行程だけ圧縮可能であり、前記ラチェット(30)を前記歯車(48)からの解離ポジションに押圧するトルクの値が、前記設定されたばね行程によって確定されている、請求項6記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項8】
前記当接手段は、前記操作部材(44)に結合されたスリーブ(58)によって形成され、該スリーブ(58)は前記ばね手段(56)を少なくとも部分的に取り囲んでおり、前記スリーブ(58)の開放した縁部(60)が、前記駆動体(40)の端面に当接可能に形成されている、請求項7記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項9】
前記駆動体(40)と前記ラチェット(30)との間に設けられた前記ばね手段(62)は、少なくとも1つの板ばねを含んでいる、請求項1から4までのいずれか1項記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項10】
前記駆動体(40)は、前記操作部材(42,44)に軸方向固定に結合されている、請求項9記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項11】
前記ばね蓄力式ピストン(6)が部分的にだけ解除された場合に前記ラチェット(30)の保持を阻止するロック装置(48)が設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項12】
前記ロック装置は、前記ばね蓄力式ピストン(6)が完全に解除されるまで、前記ラチェット(30)を解離ポジションにおいてロックするロックボルト(48)を有している、請求項11記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項13】
前記ロックボルト(48)は、ン状の形状を有していて、ボルトヘッド(51)を備えており、該ボルトヘッド(51)は、前記ラチェット(30)の切欠き(35)に対して係合位置又は係合解離位置をとることができるように設計されている、請求項12記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項14】
前記ロックボルト(48)は、ボルトばね(49)によって前記ラチェット(30)との係合位置に予荷重されている、請求項13記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項15】
前記ロックボルト(48)は、前記ばね蓄力式ピストン(6)によって係合位置から係合解離位置に移動可能である、請求項13又は14記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項16】
前記ラチェット(30)及び前記ロックボルト(48)は、前記ピストンロッド(24)に結合されている、請求項12から15までのいずれか1項記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項17】
前記ばね蓄力式ピストン(6)と前記ピストンロッド(24)との間における力伝達経路に、非常解除機構のエレメントとして、ねじ山付スピンドル(32)を備えたスピンドル装置(28)が配置されている、請求項1から16までのいずれか1項記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項18】
前記ねじ山付スピンドル(32)のトルクは、フェザーキー(36)を備えたシフト可能なガイド(34)を介して前記歯車(38)に伝達される、請求項17記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【請求項19】
ばね蓄力式ブレーキシリンダは、空気力式、液圧式又は電気機械式に操作されていて、空気力式又は液圧式の操作を用いた設計時には、前記ばね蓄力式ピストン(6)によって画定された加圧室(18)に圧力流体を供給する圧力接続部(20)を有している、請求項1から18までのいずれか1項記載のばね蓄力式ブレーキシリンダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばね蓄力式ブレーキシリンダであって、ハウジングを備え、該ハウジング内において、少なくとも1つの蓄力ばねによって押圧される、ピストンロッドを備えたばね蓄力式ピストンが軸方向移動可能であり、さらに非常解除装置を備え、該非常解除装置は、非常解除操作装置と、ばね蓄力式ピストンとピストンロッドとの間における力伝達経路を中断する、歯車を備えた非常解除機構と、非常解除装置を異なった保持ポジションにおいて保持するように設計された保持装置と、を有しており、該保持装置は、歯車に対して係合ポジションと解離ポジションとに旋回可能なラチェットを有し、非常解除操作装置は、ハウジングに対して移動可能でかつ戻しばね手段によって出発位置に押圧される少なくとも1つの操作部材と、該操作部材と一緒に操作可能でラチェットを連行する駆動体と、を有していて、操作部材の操作時に、操作力が駆動体に、さらに該駆動体からラチェットに伝達され、歯車に対する係合ポジションから解離ポジションへとラチェットを移動させるようになっている、請求項1の前段部に記載されたばね蓄力式ブレーキシリンダに関する。
【0002】
レール車両の台車では、コンパクト・ブレーキキャリパが、ディスクブレーキ用のブレーキ力発生装置として使用される。停留ブレーキは多くの場合、一体に組み込まれた空気力式に制御されるばね蓄力式ブレーキシリンダによって実現され、このばね蓄力式ブレーキシリンダは、手動操作可能な機械式の非常解除装置を有している。これによって、ばね蓄力式ブレーキシリンダによって作動させられるブレーキキャリパは、圧縮空気をエネルギ源として使用することができない場合にも、再び解除されることができる。この非常解除装置は例えばボーデンケーブルを介して制御される。
【0003】
冒頭に述べた、非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダは、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10020350号明細書に記載されている。この公知のばね蓄力式ブレーキシリンダでは、蓄力ばねの力は、スピンドル装置のセルフロック式でないねじ山を介してブレーキキャリパに加えられる。スピンドル装置のスピンドルと回動不能に結合された歯車に係合するラチェットを介して、スピンドルの回転は阻止される。ボーデンケーブルを介して、ラチェットを歯車の歯列から持ち上げることができる。これによってスピンドルの回動防止が解除され、セルフロック式でないねじ山を介して、軸方向力がもはや伝達され得なくなる。ラチェットは、ボーデンケーブルがその本来の位置に押し戻された場合でも、ロックボルトがラチェットの対応する切欠きに係合することができ、これによってラチェットを解離されたポジションに保持できる程度に、歯列から持ち上げられねばならない。ロックボルトによるラチェットのロックは、ばね蓄力式ブレーキピストンが押圧によってその解除位置に移動させられ、これによってロックボルトがラチェットの切欠きから移動させられた場合に、解除される。これによって、非常解除後におけるばね蓄力式ブレーキシリンダの準備状態が再び得られる。
【0004】
詳細に説明すると、図1に示した公知の非常解除操作装置では、ボーデンケーブル100を介して加えられた力は、予荷重されたばね101(前記公知文献では:符号44)を介して、ハウジング102内に移動可能に支持されたスリーブ104に加えられ、このスリーブ104は、操作エレメントであり、このスリーブ104には駆動体106が軸方向不動に固定されている。操作エレメントとしてのスリーブ104は、さらに外側の戻しばね108(前記公知文献では:符号46)によって出発位置に予荷重されており、予荷重されたばね101と戻しばね108とは直列に接続されている。そして駆動体106によってボーデンケーブル100の操作運動は最初に予荷重されたばね101に伝達され、このばね101からスリーブ104と、該スリーブ104に固定された駆動体106に伝達され、さらに駆動体106からラチェット110に伝達される。
【0005】
ラチェットは戻しばねによって、歯車との係合位置に予荷重されている。ラチェットが駆動体によって、歯車の歯列からその解離ポジションに持ち上げられた後で、ラチェットは、ロックボルトがラチェットに設けられた切欠き内に落下して、ラチェットをその解離ポジションにおいてロックできるようになるまで、ラチェットの戻しばねの力に抗して回動させられねばならない。しかしながらラチェットが、ロックボルトがラチェットの切欠き内に係合できるほどに持ち上げられないと、不都合な2つの状態が生じることがある。一方ではラチェットは、例えば不十分な解除圧に基づいて、ばね蓄力式ピストンがその解除位置にまだまったく達していない場合でも、歯列に係合する可能性がある。また他方では、ラチェットが、高回転数で回転する歯車内に落下することがあり、これによってラチェット及び/又は歯車が損傷することがある。
【0006】
ラチェットの切欠き内へのロックボルトの係合を確実に保証するためには、ラチェットが完全に歯車に対する解除ポジションに達することが保証されていなくてはならない。上に述べた従来技術では、ラチェットを完全に持ち上げるのに必要な力は、スリーブにおける直列に接続された圧縮ばね及び戻しばねと、ラチェットの戻しばねとの調整によって左右される。しかしながらこのことは、ばねの製造時における極めて高い製造精度を必要とする。さらに、ラチェットを持ち上げるために必要な、ボーデンケーブルの行程は、比較的大きい。しかも、ボーデンケーブルにおける極めて大きな操作力によって、ラチェットが過負荷されることがある。
【0007】
発明の課題
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式のばね蓄力式ブレーキシリンダを改良して、上に述べた従来技術における欠点を回避することである。特に、ラチェットを非常解除時にいずれにせよ確実に完全にその解離ポジションに移動させることができ、これによってラチェットをこのポジションにおいてロックすることができ、ひいては回転する歯車へのラチェットの不本意な落下を阻止することが望まれている。さらに、極めて大きい操作力によるラチェットの損傷が阻止されることが望まれている。さらにまた、実現のための手段は安価であることが望ましい。
【0008】
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴部に記載の構成によって解決される。
【0009】
発明の開示
本発明は、操作部材と駆動体との間又は駆動体とラチェットとの間にばね手段が設けられていて、該ばね手段は、戻しばね手段に対して並列に接続されていて、駆動体によるラチェットの連行時にばね力を発生させながら圧縮され、しかもこのばね力は、ラチェットが操作部材の操作によって歯車に対する解離ポジションにもたらされた場合に、ラチェットを歯車から解離されたポジションに緊締保持する、という思想に基づいている。
【0010】
言い換えれば、少なくとも1つの操作エレメントの操作時にばね手段が圧縮され、この際に圧縮時に生じたばね力は、例えば戻しばねによって出発位置に押圧された操作エレメントがもはや操作されない場合でも、解離ポジションにもたらされたラチェットがこの解離ポジションに確実に保持されるように働く。これによって、ラチェットは、例えばロックボルトのようなロック装置によって、前記解離ポジションにおいて確実にロックされ得ることが保証される。
【0011】
さらに冒頭において述べたドイツ連邦共和国特許出願公開第10020350号明細書におけるように、3つのばねをそのばね力に関して調整する必要がなく、さらに3つのばねのうちの2つのばねが、直列に接続されているのではなく、単に2つのばね、つまりばね手段と、ラチェットのための好適に設けられた戻しばねが配置されていればよい。この場合ばね手段は、後でさらに詳しく述べるように、操作エレメントのための戻しばねに対して並列に接続されている。
【0012】
従属請求項に記載された手段によって、請求項1記載の本発明の好適な態様及び改良が可能である。
【0013】
特に好適な態様では、操作部材は、少なくとも1つのボーデンケーブルと、ハウジング内に移動可能に支持された操作スリーブとを有しており、該操作スリーブにボーデンケーブルが固定されていて、操作スリーブは、ボーデンケーブルによる操作に抗して該ボーデンケーブルを戻す戻しばねによって押圧されている。上において既に述べたように、このような構成では戻しばねとばね手段とは互いに並列に配置されている。
【0014】
別の好適な手段では、ばね手段は、該ばね手段によってラチェットに対して加えられるばね力が、ラチェットを歯車に対する係合ポジションから解離ポジションに移動させるのに必要な力よりも小さいように、設計されている。ばね手段によって生ぜしめられるばね力の代わりに、この場合もちろん、ばね力によって生ぜしめられるトルクを利用することも可能である。
【0015】
特に好適な態様では、ラチェットは、戻しばねによって歯車に対する係合ポジションに押圧されており、ばね手段は、該ばね手段によってラチェットに加えられるトルクが、戻しばねがラチェットに加えるトルクよりも大きいように、設計されている。
【0016】
別の態様では、操作部材と駆動体との間に設けられたばね手段は、少なくとも1つのコイルばねを有している。この態様では、駆動体は操作部材に又は操作部材上に摺動可能に支持されている。さらにこの場合、例えば操作部材に結合された当接手段が設けられており、該当接手段に、軸方向可能の駆動体は当接可能に形成されていて、駆動体の当接ポジションにおいて、操作部材と駆動体との間に設けられたばね手段は、設定されたばね行程だけ圧縮可能である。この場合ラチェットを歯車からの解離ポジションに押圧するトルクの値が、設定されたばね行程によって確定されている。
【0017】
当接手段は特に、操作部材に結合されたスリーブによって形成され、該スリーブは、ばね手段を少なくとも部分的に取り囲んでおり、スリーブの開放した縁部が、駆動体の端面に当接可能に形成されている。
【0018】
特に好適には、部分的にだけ解離されたばね蓄力式ピストンにおいて、ラチェットの保持を阻止するロック装置が設けられており、この場合ロック装置は、ばね蓄力式ピストンが完全に解除されるまで、ラチェットを解離ポジションにおいてロックするロックボルトを有している。特に好適には、ロックボルトは、ほぼピン状の形状を有していて、ボルトヘッドを備えており、該ボルトヘッドは、ラチェットの切欠きに対して係合位置又は係合解離位置をとることができるように設計されている。例えばロックボルトは、ボルトばねによってラチェットとの係合位置に予荷重されている。さらにロックボルトは、ばね蓄力式ブレーキピストンによって係合位置から係合解離位置に移動可能に形成されていてよい。
【0019】
従って、ばね手段の圧縮によって非常解除装置の操作時にばね手段において生ぜしめられるばね力は、このばね力が、押圧されていないラチェット、つまり既に解離ポジションに位置しているラチェットをこの解離ポジションにおいて確実に保持できるような大きさである。ばね手段を当接するまで圧縮させるのに必要な力は、押圧下にあるラチェット、つまり歯車との係合ポジションに位置しているラチェットの最小の持ち上げ力よりも小さい。これによって、操作エレメントもしくは操作スリーブの戻しばねのばね特性を、それとはまったく無関係に選択することができる。それというのは、戻しばねのばね特性は、非常解除動作に対して何ら影響しないからである。
【0020】
従って操作エレメントが操作される、つまりボーデンケーブルが引っ張られると、最初に、負荷を受けている、つまり歯車との係合ポジションにあるラチェットの抵抗に抗して、ばね手段はストッパに到るまで緊縮される。しかしながらこの場合、圧縮によって生ぜしめられたばね手段のばね力は、負荷を受けているラチェットが、係合ポジションから解離ポジションに持ち上げられ得ない程度に小さい。ばね手段がストッパに達して駆動体に接触したときに初めて、駆動体のさらなる運動によって、ラチェットを完全な解離ポジションに移動させるのに十分な大きさの力が、ラチェットに加えられる。
【0021】
その結果、ラチェットを歯車の歯列からの解離後に完全に解離されたポジション(この解離ポジションにおいてロックボルトはラチェットをロックすることができる)にまで回転させるのに必要なエネルギは、ラチェットが歯車の歯列から持ち上げられる前に、位置エネルギとしてばね手段において貯えられる。従ってラチェットが歯車の歯列から係合解離されると、ラチェットは、前に操作プロセスによって緊縮されたばね手段の位置エネルギによって駆動されて、ラチェットの戻しばねの戻し力の作用に抗して、ロック装置のロックボルトがラチェットに係合できる程度に持ち上げられる。
【0022】
本発明の別の態様では、駆動体とラチェットとの間に設けられたばね手段は、少なくとも1つの板ばねを含んでいる。この場合駆動体は好ましくは、操作部材に軸方向固定に結合されており、操作部材の戻しばねは例えば駆動体に支持されている。
【0023】
ばね蓄力式ブレーキシリンダの好適な態様では、ばね蓄力式ピストンとピストンロッドとの間における力伝達経路に、非常解除機構のエレメントとして、ねじ山付スピンドルを備えたスピンドル装置が配置されている。この場合ねじ山付スピンドルのトルクは、好ましくは、フェザーキーを備えた移動可能なガイドを介して歯車に伝達される。これに対してラチェット及びロックボルトは、ピストンロッドに結合されている。
【0024】
本発明によるばね蓄力式ブレーキシリンダは、空気力式、液圧式又は電気機械式に操作されていて、空気力式又は液圧式の操作を用いた設計時には、ばね蓄力式ピストンによって画定された加圧室に圧力流体を供給する圧力接続部が設けられている。
【0025】
本発明を改善するさらなる構成は、以下において、図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について、詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来技術の非常解除装置の一部を極めて概略的に示す図である。
図2】本発明の好適な実施形態による非常解除装置を備えたばね蓄力式ブレーキシリンダを概略的に示す縦断面図である。
図3図1に示したばね蓄力式ブレーキシリンダを、図2のIII−III線に沿って断面して示す横断面図である。
図4図3の一部を拡大して示す断面図である。
図5図3に示したばね蓄力式ブレーキシリンダの非常解除装置の一部を極めて概略的に示す図である。
図6図1に示したばね蓄力式ブレーキシリンダにおける非常解除動作の1つの段階を示す図である。
図7図1に示したばね蓄力式ブレーキシリンダにおける非常解除動作の1つの段階を示す図である。
図8図1に示したばね蓄力式ブレーキシリンダにおける非常解除動作の1つの段階を示す図である。
図9図1に示したばね蓄力式ブレーキシリンダにおける非常解除動作の1つの段階を示す図である。
図10図1に示したばね蓄力式ブレーキシリンダにおける非常解除動作の1つの段階を示す図である。
図11】別の実施形態によるばね蓄力式ブレーキシリンダを示す横断面図である。
図12】非常解除動作中における、図11に示したばね蓄力式ブレーキシリンダを示す図である。
【0027】
実施の形態の説明
最初に、図2図10に示したばね蓄力式ブレーキシリンダ(ばね蓄力式ブレーキシリンダとも呼ばれる)2の好適な実施形態を例に本発明を説明する。図2図10においてばね蓄力式ブレーキシリンダ2は、レール車両の台車のディスクブレーキ用のブレーキ力発生器としてブレーキキャリパに使用されている例が示されている。
【0028】
この場合図2図4において、ばね蓄力式ブレーキシリンダ2は2つの異なった断面図で示されており、ばね蓄力式ブレーキシリンダ2のハウジング4内には、ばね蓄力式ピストン6が軸方向摺動可能に配置されており、このばね蓄力式ピストン6の外周部には、シール兼滑りベルト8a〜8cが分配配置されている。ばね蓄力式ピストン6と、スナップリング12を用いてハウジング4の内周部に固定されている軸方向のハウジングカバー10との間には、図示の実施形態では好適に2つの蓄力ばね14,16が配置されている。
【0029】
ばね蓄力式ピストン6とハウジング4との間には、加圧室18が形成されており、この加圧室18には、ハウジング4の周囲に設けられた空気接続部20を介して、圧縮空気が供給可能である。ばね蓄力式ブレーキは、空気接続部20を介した給排気によって解除・緊締することができる。ばね蓄力式ブレーキシリンダ2が非常解除された運転状態にない場合、蓄力ばね14,16の力は、ばね蓄力式ピストン6を介して加圧室18に支持されるか又はピストンロッド24を介してブレーキキャリパ(ここには図示せず)に支持される。
【0030】
作動させられたばね蓄力式ブレーキを圧縮空気なしでも解除するために、ばね蓄力式ピストン6は非常解除装置26を有しており、この非常解除装置26は、ばね蓄力式ピストン6とピストンロッド24との間における力伝達経路を中断することができる。図示の実施形態では非常解除装置26は、主として、ラチェット30を備えたスピンドル装置28の機能に基づいており、この場合ラチェット30は、ハウジングカバー10の、軸方向で互いにずらされて配置された2つの部分10a,10bの間に旋回可能に支持されている。ばね蓄力式ピストン6とピストンロッド24との間における力伝達経路には、スピンドル装置28のねじ山付スピンドル32が配置されている。このねじ山付スピンドル32において生じるトルクは、ロックされた状態において、フェザーキー36を備えたシフト可能なガイド34を介して歯車38に伝達され、この歯車38は、ラチェット30によってロック可能であり、又は解放することができる(特に図2も参照)。
【0031】
ラチェット30の一端はそのために、非常解除装置26の運転位置のうちの1つにおいて、歯車38に係合する。これに対してラチェット30の他端は、非常解除操作装置の駆動体40によって、歯車38の歯列から持ち上げ可能であり、その結果、歯車38の回転はラチェット30のこの位置において解放されている。これによって、ばね蓄力式ピストン6とピストンロッド24との間における力伝達経路を中断することができる。ラチェット30は軸31を中心にして旋回可能である。ラチェット30は戻しばね33によって、歯車38に対する係合位置に予荷重されている。
【0032】
非常解除装置26が、ブレーキ力もしくはばね力がピストンロッド24に作用している場合に操作されると、ねじ山付スピンドル32は回転し、その結果ブレーキ力は減衰し、ばね蓄力式ピストン6はハウジング4に当接することができる。そのためにラチェット30は、図2に示された歯車38に対する係合ポジションから、図8又は図9に示された歯車38に対する解離ポジションにもたらされねばならない。非常解除動作中におけるラチェット30の新たなロックを回避するために、ばね蓄力器カバーもしくはハウジングカバー10の部分10bの内面にはロックボルト(Riegel)48が配置されており、このロックボルト48は、ラチェット30の切欠き35に係合し、これによって持ち上げられたラチェット30をその解離ポジションにおいて引き留めることができる。
【0033】
ロックボルト48はほぼピン状の形状を有していて、ハウジングカバー部分10bに向いた端部にボルトヘッド51を備えている。2部分から成るハウジングカバー10a,10b(これは当該領域において凹部を有する)とボルトヘッド51(軸方向の切欠きを備える)との間には、ボルトばね49が配置されており、このボルトばね49は、ロックボルト48をラチェット30に向かって押圧しており、ボルトヘッド51を、運転位置のうちの1つにおいて、ロックボルト48を受容するための、ラチェット30の側部における段付けされた切欠き35内に係合させるように、かつラチェット30をその解離位置においてロックするように(図9又は図10参照)なっている。ロックボルト48の、ボルトヘッド51とは反対側の部分は、ピン状に形成されており、この場合ピン状の部分は、内側のハウジングカバー部分10aを貫通していて、ばね蓄力式ピストン6のシフト時に該ばね蓄力式ピストン6からハウジングカバー10の方向にシフト可能であり、これによってボルトばね49は押し縮められ、ロックボルト48をラチェット30におけるその係止位置から押し出す(図2)。ばね蓄力式ピストン6が非常解除動作後に再び運転準備位置に位置した場合に初めて、ロックボルト48はラチェット30を係合のために解放する。
【0034】
図3及び図4から最もよく看取できるように、非常解除操作装置はボーデンケーブル42と、ハウジング4内にシフト可能に支持された、操作エレメントとしての操作スリーブ44とを有しており、この操作スリーブ44の自由端部には、ボーデンケーブル42のヘッドが、好ましくは直接、かつ例えばキャップ52を用いて固定されており、このキャップ52は、操作スリーブ44の端部側の開口に固定されている。この場合ボーデンケーブル42の外装は他方の側においてハウジング4に支持されており、この場合ボーデンケーブル42は操作スリーブ44の内部を軸方向において、該操作スリーブ44の自由端部に到るまで貫通している。操作スリーブ44は、圧縮コイルばねとして形成された戻しばね46によって、ボーデンケーブル42による操作に抗して押圧されている。
【0035】
戻しばね46は、操作スリーブ44の外周部に固定されたリング54に支持されており、このリング54は同時に、スライドリングとして形成された駆動体40のための軸方向ストッパを形成しており、駆動体40は、操作スリーブ44の外周部に軸方向摺動可能に支持されている。他方の側において駆動体40は、圧縮コイルばね56によって、軸方向ストッパであるリング54に向かって押圧される。この圧縮コイルばね56は、他方の側においてスリーブ58の底部に支持されており、このスリーブ58は、操作スリーブ44の端部に固定されていて、この操作スリーブ44の端部には、ボーデンケーブル42のヘッドも支持されている。スリーブ58はその自由な縁部60で、駆動体40のための別のストッパを形成しており、これによって駆動体40は、リング54とスリーブ58の縁部60との間において、操作スリーブ44に沿って軸方向で移動することができる。
【0036】
図2で見て左に向かってボーデンケーブル42が操作されると、操作スリーブ44は戻しばね46のばね力に抗して左に向かって移動させられる。この際に駆動体40はまず、ラチェット30の他端と接触し、この場合圧縮コイルばね56はまだ圧縮されない(図6)。
【0037】
ボーデンケーブル42がさらに操作されると、駆動体40は、係合ポジションに位置しているラチェット30の他端との接触に基づいて、右に向かって移動し、この際に圧縮コイルばね56は、駆動体40がスリーブ58の縁部60に当接するまで圧縮される。この状態は図7に示されている。
【0038】
圧縮コイルばね56はこの場合、ばね力、すなわち圧縮コイルばね56の、スリーブ58の縁部60における当接によって制限された圧縮によって、もしくはこれによって制限されたばね行程によって生ぜしめられ、かつ駆動体40を介してラチェット30に伝達されるばね力が、ラチェット30を歯車38に対する解離ポジションに旋回させるのに、十分ではないように設計されている。
【0039】
むしろ、スリーブ58の縁部60に当接した駆動体40を介してラチェット30に伝達される、さらに操作されたボーデンケーブル42の操作力が、ラチェット30を図6に示したなお係合しているポジションから、歯車38に対する解離ポジションに移動させるようになっている。ラチェット30が歯車38に対する解離ポジションに移動した場合に、歯車38は自由になり、スピンドル装置28を介して作用するブレーキ力に基づいて回転し始め、このブレーキ力は、ばね蓄力式ブレーキシリンダ2がブレーキ力なしになるまで、減衰することができる(図8)。
【0040】
この場合ラチェット30は、歯車38によってもはや負荷されない。ラチェット30はこの場合単に、その戻しばね33によって歯車38との係合方向に押圧され、かつ圧縮コイルばね56の圧縮に基づいて駆動体40を介して逆方向、つまり歯車38との解離方向に押圧されているだけである。圧縮コイルばね56は、該圧縮コイルばね56によってラチェット30に加えられるばね力、もしくはこのばね力に基づいてラチェット30に加えられるトルクが、戻しばね33がラチェット30に加えるトルクよりも大きいように設計されているので、ラチェット30は、歯車38に対して完全に解離されたポジションに旋回させられる(図9参照)。しかもそのためにボーデンケーブル42をさらに操作する必要はない。この場合圧縮コイルばね56は、左に向かって弛緩し、駆動体40をリング54におけるストッパに向かって移動させる。
【0041】
図10に示されているようにボーデンケーブル42が最大行程に達し、この際に操作スリーブ44がハウジング4内における内側のストッパに当接し、駆動体40が再びある程度リング54から離れると、ラチェット30はその完全に解離したポジションに留まり、この解離ポジションにおいてラチェット30は、該ラチェット30の切欠き35に係合するロックボルト48によってロックされる。
【0042】
本発明によるばね蓄力式ブレーキシリンダ2の、図11及び図12に示した実施形態において、上に述べた実施形態と比べて同一の又は等価に作用する部材及び構成群には、同一符号が用いられている。既に述べた実施形態とは異なり、図11及び図12に示した実施形態では、駆動体40は、操作スリーブ44に沿って軸方向摺動可能に支持されているのではなく、操作スリーブ44において軸方向不動に、好ましくは操作スリーブ44の端部において固定されている。そして操作スリーブ44もしくはボーデンケーブル42を出発位置に戻す戻しばね46は、例えば一端でハウジング4にかつ他端で駆動体40に支持されている。この実施形態において駆動体40とラチェット30との間に設けられたばね手段は、好ましくは板ばね62から成っており、この板ばね62はその一端で、例えば、ラチェット30の、駆動体40に向かって延びるアームに固定され、かつ他端で、このアームの端部を部分的に取り囲みながら、このアームに対して内側の間隔sを有している。設定されたばね行程を形成するこの内側の間隔sだけ、板ばね62は、ボーデンケーブル42が操作され、その結果駆動体40がラチェット30に接触して該ラチェット30を旋回させた場合に、曲げ負荷されて圧縮させられる(図12参照)。
【0043】
先に述べた実施形態におけるように、この際に板ばね62には位置エネルギもしくはばね力が貯えられ、この位置エネルギもしくはばね力は、設定されたばね行程sに関連しており、かつこの位置エネルギもしくはばね力は、ラチェット30を、該ラチェット30がボーデンケーブル42の操作によって歯車38からの解離ポジションにもたらされた場合に、完全に解離したポジションへともたらし、もしくはラチェット30をこの解離ポジションに保つ。同様にこの板ばね62は、図5に示した戻しばね46に対して並列に接続されている。
【符号の説明】
【0044】
2 ばね蓄力式ブレーキシリンダ
4 ハウジング
6 ばね蓄力式ピストン
8a〜8c シール兼滑りベルト
10a/b ハウジングカバー
12 スナップリング
14,16 蓄力ばね
18 加圧室
20 空気接続部
24 ピストンロッド
26 非常解除装置
28 スピンドル装置
30 ラチェット
31 軸
32 ねじ山付スピンドル
33 戻しばね
34 ガイド
35 切欠き
36 フェザーキー
38 歯車
40 駆動体
42 ボーデンケーブル
44 操作スリーブ
46 戻しばね
48 ロックボルト
49 ボルトばね
50 圧縮戻しばね
51 ボルトヘッド
52 キャップ
54 リング
56 圧縮コイルばね
58 スリーブ
60 縁部
62 板ばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12