【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、特定の疾患状態について個体に合わせた医学的介入を決定するためのシステムおよび方法に関する。疾患状態に対する医学的介入を決定するための本発明の1つの例示的な方法は、罹患個体の生物学的サンプル由来の遺伝子についての試験および/または遺伝子発現タンパク質についての試験を行う工程、どの遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質が参照と比べて発現の変化を示したかを判定する工程、ならびに、発現の変化を示したその遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質と相互作用するために使用される、単一疾患に限定されない薬物療法を同定する工程を含む。本発明のこの例示的な実施形態の1つの局面において、発現の変化を示した遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質と相互作用するために使用される薬物療法を同定する工程は、大規模な文献データベースおよび/または臨床試験から得られるデータの自動化された精査から薬物療法を同定する工程を含み得る。
【0008】
本発明の上記の例示的な実施形態の別の局面において、遺伝子についての試験および/または遺伝子発現タンパク質についての試験を行う工程は、免疫組織化学的(IHC)解析および/またはマイクロアレイ解析を行う工程を含み得る。さらに、マイクロアレイ解析を行う工程は、発現マイクロアレイ、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)マイクロアレイ、単一ヌクレオチド多型(SNP)マイクロアレイ、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)、インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)およびプロテオミクスアレイを使用して解析を行う工程を含み得る。さらに、IHC解析を行う工程は、Her2/Neu、ER、PR、c−kit、EGFR、MLH1、MSH2、CD20、p53、サイクリンD1、bcl2、COX−2、アンドロゲン受容体、CD52、PDGFR、AR、CD25およびVEGFのうちの少なくとも1つを含む遺伝子発現タンパク質についてIHC解析を行う工程を含み得る。
【0009】
本発明の別の局面において、疾患状態に対する医学的介入を決定するための上記の例示的な方法におけるマイクロアレイ解析を行う工程は、BCL2、HIF1A、AR、ESR1、PDGFRA、KIT、PDGFRB、CDW52、ZAP70、PGR、SPARC、GART、GSTP1、NFKBIA、MSH2、TXNRD1、HDAC1、PDGFC、PTEN、CD33、TYMS、RXRB、ADA、TNF、ERCC3、RAF1、VEGF、TOP1、TOP2A、BRCA2、TK1、FOLR2、TOP2B、MLH1、IL2RA、DNMT1、HSPCA、ERBR2、ERBB2、SSTR1、VHL、VDR、PTGS2、POLA、CES2、EGFR、OGFR、ASNS、NFKB2、RARA、MS4A1、DCK、DNMT3A、EREG、エピレギュリン、FOLR1、GNRH1、GNRHR1、FSHB、FSHR、FSHPRH1、葉酸受容体、HGF、HIG1、IL13RA1、LTB、ODC1、PPARG、PPARGC1、VHL、リンフォトキシンβレセプター、Myc、TOP2BトポイソメラーゼII、TOPO2B、TXN、VEGFC、ACE2、ADH1C、ADH4、AGT、AREG、CA2、CDK2、カベオリンおよびNFKB1のうちの少なくとも1つを含む遺伝子についてマイクロアレイ解析を行う工程を含み得る。
【0010】
本発明の上記の例示的な方法のさらに別の局面において、罹患個体の生物学的サンプル由来の遺伝子についての試験および/または遺伝子発現タンパク質についての試験を行う工程は、腫瘍に対して免疫組織化学的解析を行う工程を含み得、そして、どの遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質が参照と比べて発現の変化を示しているかを判定する工程は、30%以上の腫瘍細胞が、特定の遺伝子発現タンパク質について+2以上染色(standing)したか否かを判定する工程を含み得る。本発明の上記の例示的な方法のなおも別の局面において、罹患個体の生物学的サンプル由来の遺伝子についての試験および/または遺伝子発現タンパク質についての試験を行う工程は、腫瘍に対してマイクロアレイ解析を行う工程を含み得、そして、どの遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質が参照と比べて発現の変化を示しているかを判定する工程は、参照起源の正常組織と比べて特定の遺伝子についての発現の全体の変化が、p<0.001で有意であるか否かを判定することによって、どの遺伝子が、アップレギュレートされているか、またはダウンレギュレートされているかを同定する工程を含み得る。さらに、疾患状態に対する医学的介入を決定するための本発明の上記の例示的な方法はまた、発現の変化を示す遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質の各々との相互作用に対して薬物療法となり得るものとともに、遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質についての発現の変化を同定する患者プロファイルレポートを提供する工程を含み得る。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態は、分子標的と相互作用することができる薬物療法を同定するための方法に関し、この方法は、正常な参照と比べたときに発現の変化を示す分子標的を複数の罹患個体において同定する工程、その分子標的の発現の変化を示す罹患個体に薬物療法を施す工程、および薬物療法後に罹患個体の分子標的の任意の変化を測定する工程を含む。さらに、分子標的と相互作用することができる薬物療法を同定するための方法のこの例示的な実施形態の1つの局面において、正常な参照と比べたときに発現の変化を示す複数の罹患個体において分子標的を同定する工程は、罹患個体の生物学的サンプル由来の遺伝子についての試験および/または遺伝子発現タンパク質についての試験を行う工程を含み得、ここで、その試験は、免疫組織化学的(IHC)解析および/またはマイクロアレイ解析を含む。
【0012】
本発明のなおも別の例示的な実施形態において、疾患状態について個体に合わせた医学的介入を決定するためのシステムが提供され、そのシステムは、ホストサーバと、ホストサーバにアクセスして、データにアクセスし、そしてデータを入力するためのユーザインターフェースと、入力されたデータを処理するためのプロセッサと、その処理されたデータ、ならびに、a)患者の生物学的検体から得られた分子プロファイルにアクセスするための命令、b)遺伝子、遺伝子発現タンパク質、分子メカニズムおよびその分子プロファイルから得られる他の分子知見のうちの少なくとも1つが、正常な参照と比べて発現の変化を示すか否かを判定するための命令、およびc)薬物療法データベースにアクセスして、発現の変化を示した遺伝子、遺伝子発現タンパク質、分子メカニズムおよび/または他の分子知見と相互作用する1つ以上の薬物療法を同定するための命令、を保存するためのプロセッサに接続されたメモリと、発現の変化を示す遺伝子、遺伝子発現タンパク質、分子メカニズムおよび他の分子知見ならびにそれらと相互作用する薬物療法を表示するための表示手段とを備える。疾患状態について個体に合わせた医学的介入を決定するためのシステムに関する本発明の例示的な実施形態に関して、生物学的検体から得られる分子プロファイルは、本発明の第1の例示的な実施形態を参照して上に記載した同じ免疫組織化学的(IHC)解析およびマイクロアレイ解析を含み得る。さらに、これらの解析を使用して解析された遺伝子とともに様々なタイプのこれらの解析は、疾患状態に対する医学的介入を決定するための方法に関する本発明の第1の例示的な実施形態を参照して上に記載した解析と同じであり得る。
【0013】
本発明のなおも別の例示的な実施形態は、疾患状態に対する医学的介入を決定するための方法に関し、その方法は、罹患個体の生物学的サンプル由来の少なくとも1つの標的について少なくとも1つの分子試験を行う工程、その標的が参照と比べて発現の変化を示すか否かを判定する工程、および発現の変化を示す標的と相互作用する少なくとも1つの疾患特異的でない薬剤を同定する工程を含む。標的と相互作用する少なくとも1つの疾患特異的でない薬剤を同定する工程は、大規模な文献ベース(base)の自動化された精査および/または臨床試験から得られたデータの自動化された精査から薬物療法を同定する工程を含み得る。さらに、疾患状態に対する医学的介入を決定するための方法に関する本発明の例示的な実施形態はまた、様々な標的についての患者の試験結果およびそれらの結果に基づいて提案される任意の治療法を含む患者プロファイルレポートを提供する工程を含み得る。
【0014】
疾患状態に対する医学的介入を決定するための方法に関する本発明の例示的な実施形態において、罹患個体の生物学的サンプル由来の少なくとも1つの標的について少なくとも1つの分子試験を行う工程は、免疫組織化学的(IHC)解析およびマイクロアレイ解析に関する上記の解析ならびにそれらの解析を使用して解析された遺伝子のすべてを含み得る。
従って、本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
疾患状態に対する医学的介入を決定するための方法であって:
罹患個体の生物学的サンプル由来の遺伝子についての試験および遺伝子発現タンパク質についての試験のうちの少なくとも1つを行う工程;
どの遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質が参照と比べて発現の変化を示しているかを判定する工程;および
発現の変化を示した該遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質のうちの少なくとも1つと相互作用するために使用される、単一疾患に限定されない薬物療法を同定する工程を包含する、方法。
(項目2)
発現の変化を示した上記遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質のうちの少なくとも1つと相互作用するために使用される薬物療法を同定する上記工程が、大規模な文献データベースの自動化された精査および臨床試験から得られるデータのうちの少なくとも1つから薬物療法を同定する工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
遺伝子についての試験および遺伝子発現タンパク質についての試験のうちの少なくとも1つを行う上記工程が、免疫組織化学的(IHC)解析およびマイクロアレイ解析のうちの少なくとも1つを行う工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
マイクロアレイ解析を行う上記工程が、発現マイクロアレイ、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)マイクロアレイ、単一ヌクレオチド多型(SNP)マイクロアレイ、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)およびプロテオミクスアレイのうちの少なくとも1つを使用して解析
を行う工程を含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
IHC解析を行う上記工程が、Her2/Neu、ER、PR、c−kit、EGFR、MLH1、MSH2、CD20、p53、サイクリンD1、bcl2、COX−2、アンドロゲン受容体、CD52、PDGFR、AR、CD25およびVEGFのうちの少なくとも1つを含む遺伝子発現タンパク質についてのIHC解析を行う工程を含む、項目3に記載の方法。
(項目6)
マイクロアレイ解析を行う上記工程が、BCL2、HIF1A、AR、ESR1、PDGFRA、KIT、PDGFRB、CDW52、ZAP70、PGR、SPARC、GART、GSTP1、NFKBIA、MSH2、TXNRD1、HDAC1、PDGFC、PTEN、CD33、TYMS、RXRB、ADA、TNF、ERCC3、RAF1、VEGF、TOP1、TOP2A、BRCA2、TK1、FOLR2、TOP2B、MLH1、IL2RA、DNMT1、HSPCA、ERBR2、ERBB2、SSTR1、VHL、VDR、PTGS2、POLA、CES2、EGFR、OGFR、ASNS、NFKB2、RARA、MS4A1、DCK、DNMT3A、EREG、エピレギュリン、FOLR1、GNRH1、GNRHR1、FSHB、FSHR、FSHPRH1、葉酸受容体、HGF、HIG1、IL13RA1、LTB、ODC1、PPARG、PPARGC1、VHL、リンフォトキシンβレセプター、Myc、TOP2BトポイソメラーゼII、TOPO2B、TXN、VEGFC、ACE2、ADH1C、ADH4、AGT、AREG、CA2、CDK2、カベオリンおよびNFKB1のうちの少なくとも1つを含む遺伝子についてのマイクロアレイ解析を行う工程を含む、項目3に記載の方法。
(項目7)
罹患個体の生物学的サンプル由来の遺伝子についての試験および遺伝子発現タンパク質についての試験のうちの少なくとも1つを行う上記工程が、腫瘍に対して免疫組織化学的解析を行う工程を含み、そして、どの遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質が参照と比べて発現の変化を示しているかを判定する上記工程が、30%以上の該腫瘍細胞が、特定の遺伝子発現タンパク質について+2以上染色したか否かを判定する工程を含む、項目3に記載の方法。
(項目8)
罹患個体の生物学的サンプル由来の遺伝子についての試験および遺伝子発現タンパク質についての試験のうちの少なくとも1つを行う上記工程が、腫瘍に対してマイクロアレイ解析を行う工程を含み、そして、どの遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質が参照と比べて発現の変化を示しているかを判定する上記工程が、参照起源の正常な組織と比べて特定の遺伝子について何倍の発現の変化が、p<0.001で有意であるのかを決定することによって、どの遺伝子がアップレギュレートされているかまたはダウンレギュレートされているかを同定する工程を含む、項目3に記載の方法。
(項目9)
上記遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質についての発現の変化を同定する患者プロファイルレポートを、発現の変化を示す該遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質の各々との相互作用に対して薬物療法となり得るものとともに提供する工程をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
分子標的と相互作用することができる薬物療法を同定する方法であって、
正常な参照と比べたときに発現の変化を示す分子標的を複数の罹患個体において同定する工程;
該分子標的の発現の変化を示す該罹患個体に薬物療法を施す工程;および
該薬物療法後の該罹患個体の該分子標的の任意の変化を測定する工程
を含む、方法。
(項目11)
正常な参照と比べたときに発現の変化を示す分子標的を複数の罹患個体において同定する上記工程が、該罹患個体の生物学的サンプル由来の遺伝子についての試験および遺伝子発現タンパク質についての試験のうちの少なくとも1つを行う工程を含み、ここで、該試験は、免疫組織化学的(IHC)解析およびマイクロアレイ解析のうちの少なくとも1つを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
疾患状態について個体に合わせた医学的介入を決定するためのシステムであって、
ホストサーバと;
該ホストサーバにアクセスして、データにアクセスし、そしてデータを入力するためのユーザインターフェースと;
該入力されたデータを処理するためのプロセッサと;
該処理されたデータ、ならびに
i)患者の生物学的検体から得られた分子プロファイルにアクセスするための命令;
ii)遺伝子、遺伝子発現タンパク質、分子メカニズムおよび該分子プロファイルから得られる他の分子知見のうちの少なくとも1つ以上が、正常な参照と比べて発現の変化を示すか否かを判定するための命令;および
iii)薬物療法データベースにアクセスして、発現の変化を示した該少なくとも1つの遺伝子、遺伝子発現タンパク質、分子メカニズムおよび他の分子知見と相互作用する1つ以上の薬物療法を同定するための命令
を保存するための該プロセッサに連結されたメモリと;
発現の変化を示す該少なくとも1つの遺伝子、遺伝子発現タンパク質、分子メカニズムおよび他の分子知見ならびにそれらと相互作用する該薬物療法を表示するための表示手段と
を備える、システム。
(項目13)
上記分子プロファイルが、免疫組織化学的(IHC)解析およびマイクロアレイ解析のうちの少なくとも1つを含む、項目12に記載のシステム。
(項目14)
上記マイクロアレイ解析が、発現マイクロアレイ、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)マイクロアレイ、単一ヌクレオチド多型(SNP)マイクロアレイ、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)およびプロテオミクスアレイのうちの少なくとも1つを含む、項目13に記載のシステム。
(項目15)
上記IHC解析が、Her2/Neu、ER、PR、c−kit、EGFR、MLH1、MSH2、CD20、p53、サイクリンD1、bcl2、COX−2、アンドロゲン受容体、CD52、PDGFR、AR、CD25およびVEGFのうちの少なくとも1つを含む遺伝子発現タンパク質についてのIHC解析を含む、項目13に記載のシステム。
(項目16)
上記マイクロアレイ解析が、BCL2、HIF1A、AR、ESR1、PDGFRA、KIT、PDGFRB、CDW52、ZAP70、PGR、SPARC、GART、GSTP1、NFKBIA、MSH2、TXNRD1、HDAC1、PDGFC、PTEN、CD33、TYMS、RXRB、ADA、TNF、ERCC3、RAF1、VEGF、TOP1、TOP2A、BRCA2、TK1、FOLR2、TOP2B、MLH1、IL2RA、DNMT1、HSPCA、ERBR2、ERBB2、SSTR1、VHL、VDR、PTGS2、POLA、CES2、EGFR、OGFR、ASNS、NFKB2、RARA、MS4A1、DCK、DNMT3A、EREG、エピレギュリン、FOLR1、GNRH1、GNRHR1、FSHB、FSHR、FSHPRH1、葉酸受容体、HGF、HIG1、IL13RA1、LTB、ODC1、PPARG、PPARGC1、VHL、リンフォトキシンβレセプター、Myc、TOP2BトポイソメラーゼII、TOPO2B、TXN、VEGFC、ACE2、ADH1C、ADH4、AGT、AREG、CA2、CDK2、カベオリンおよびNFKB1のうちの少なくとも1つを含む遺伝子についてのマイクロアレイ解析を含む、項目13に記載のシステム。
(項目17)
上記分子プロファイルが、腫瘍に対する免疫組織化学的解析を含み、そして、遺伝子、遺伝子発現タンパク質、分子メカニズムおよび該分子プロファイルから得られる他の分子知見のうちの少なくとも1つ以上が参照と比べて発現の変化を示すか否かを判定するための命令が、30%以上の該腫瘍細胞が特定の遺伝子発現タンパク質について+2以上染色したか否かを判定するための命令を含む、項目13に記載のシステム。
(項目18)
上記分子プロファイルが、腫瘍に対するマイクロアレイ解析を含み、そして、遺伝子、遺伝子発現タンパク質、分子メカニズムおよび該分子プロファイルから得られる他の分子知見のうちの少なくとも1つ以上が正常な参照と比べて発現の変化を示すか否かを判定するための命令が、参照起源の正常な組織と比べて特定の遺伝子について何倍の発現の変化が、p<0.001で有意であるのかを決定することによって、どの遺伝子がアップレギュレートされているかまたはダウンレギュレートされているかを同定するための命令を含む、項目13に記載のシステム。
(項目19)
上記表示手段が、印刷された患者プロファイルレポートを含む、項目12に記載のシステム。
(項目20)
薬物療法データベースにアクセスして、発現の変化を示した上記少なくとも1つの遺伝子、遺伝子発現タンパク質、分子メカニズムおよび他の分子知見と相互作用する1つ以上の薬物療法を同定するための上記命令が、遺伝子および/または遺伝子発現タンパク質と薬物療法相互作用とを相関させる文献を含む大規模な文献データベースの自動化された精査を実施するための命令を含む、項目12に記載の方法。
(項目21)
疾患状態に対する医学的介入を決定するための方法であって、
罹患個体の生物学的サンプル由来の少なくとも1つの標的について少なくとも1つの分子試験を行う工程;
該少なくとも1つの標的が、参照と比べて発現の変化を示すか否かを判定する工程;および
発現の変化を示す該少なくとも1つの標的と相互作用する少なくとも1つの疾患特異的でない薬剤を同定する工程
を含む、方法。
(項目22)
上記少なくとも1つの標的と相互作用する少なくとも1つの疾患特異的でない薬剤を同定する上記工程が、大規模な文献データベースの自動化された精査および臨床試験から得られるデータのうちの少なくとも1つから薬物療法を同定する工程を含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
少なくとも1つの標的について少なくとも1つの分子試験を行う上記工程が、免疫組織化学的(IHC)解析およびマイクロアレイ解析のうちの少なくとも1つを行う工程を含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
マイクロアレイ解析を行う上記工程が、発現マイクロアレイ、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)マイクロアレイ、単一ヌクレオチド多型(SNP)マイクロアレイ、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)およびインサイチュハイブリダイゼーション(ISH)ならびにプロテオミクスアレイのうちの少なくとも1つを使用して解析を行う工程を含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
IHC解析の少なくとも1つを行う上記工程が、Her2/Neu、ER、PR、c−kit、EGFR、MLH1、MSH2、CD20、p53、サイクリンD1、bcl2、COX−2、アンドロゲン受容体、CD52、PDGFR、AR、CD25およびVEGFのうちの少なくとも1つを含む遺伝子発現タンパク質についてのIHC解析を行う工程を含む、項目23に記載の方法。
(項目26)
マイクロアレイ解析の少なくとも1つを行う上記工程が、BCL2、HIF1A、AR、ESR1、PDGFRA、KIT、PDGFRB、CDW52、ZAP70、PGR、SPARC、GART、GSTP1、NFKBIA、MSH2、TXNRD1、HDAC1、PDGFC、PTEN、CD33、TYMS、RXRB、ADA、TNF、ERCC3、RAF1、VEGF、TOP1、TOP2A、BRCA2、TK1、FOLR2、TOP2B、MLH1、IL2RA、DNMT1、HSPCA、ERBR2、ERBB2、SSTR1、VHL、VDR、PTGS2、POLA、CES2、EGFR、OGFR、ASNS、NFKB2、RARA、MS4A1、DCK、DNMT3A、EREG、エピレギュリン、FOLR1、GNRH1、GNRHR1、FSHB、FSHR、FSHPRH1、葉酸受容体、HGF、HIG1、IL13RA1、LTB、ODC1、PPARG、PPARGC1、VHL、リンフォトキシンβレセプター、Myc、TOP2BトポイソメラーゼII、TOPO2B、TXN、VEGFC、ACE2、ADH1C、ADH4、AGT、AREG、CA2、CDK2、カベオリンおよびNFKB1のうちの少なくとも1つを含む遺伝子についてのマイクロアレイ解析を行う工程を含む、項目23に記載の方法。
(項目27)
罹患個体の生物学的サンプル由来の少なくとも1つの標的について少なくとも1つの分子試験を行う上記工程が、腫瘍に対する免疫組織化学的解析を行う工程を含み、そして、該少なくとも1つの標的が、参照と比べて発現の変化を示すか否かを判定する上記工程が、30%以上の該腫瘍細胞が特定の遺伝子発現タンパク質について+2以上染色したか否かを判定するための工程を含む、項目23に記載の方法。
(項目28)
罹患個体の生物学的サンプル由来の少なくとも1つの標的について少なくとも1つの分子試験を行う上記工程が、腫瘍に対するマイクロアレイ解析を行う工程を含み、そして、該少なくとも1つの標的が、参照と比べて発現の変化を示すか否かを判定する上記工程が、参照起源の正常な組織と比べて特定の遺伝子について何倍の発現の変化が、p<0.001で有意であるのかを決定することによって、どの遺伝子がアップレギュレートされているかまたはダウンレギュレートされているかを同定する工程を含む、項目23に記載の方法。
(項目29)
様々な標的に対する患者の試験結果およびそれらの結果に基づいて提案される任意の治療法を含む患者プロファイルレポートを提供する工程をさらに含む、項目21に記載の方法。