(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板に金属粒子ペーストを介して電子部品を載置した組立体を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材及び第2伝達部材を有する加圧ユニットを加圧しながら加熱することによって前記基板と前記電子部品とを接合する接合装置であって、
互いに対向する位置に配置された第1加熱部及び第2加熱部を有する加熱機構部と、
前記第1加熱部及び前記第2加熱部の間の空間における前記第1加熱部及び前記第2加熱部のいずれにも接触しない位置に前記加圧ユニットを位置決めするための位置決め機構部と、
前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの少なくとも一方を前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの一方から他方に向かう方向に沿って移動させることにより前記加圧ユニットを加圧する加圧機構部とを備えることを特徴とする接合装置。
前記加圧機構部は、前記加圧ユニットを加圧しながら加熱した後に、前記第1加熱部を下方に向かって移動させることにより前記加圧ユニットを前記第1加熱部及び前記第2加熱部の間の空間における前記第1加熱部及び前記第2加熱部のいずれにも接触しない状態とすることを特徴とする請求項3又は4に記載の接合装置。
前記加圧機構部は、前記第1加熱部を上方に向かって移動させるとともに前記第2加熱部を下方に向かって移動させることにより、前記加圧ユニットを加圧することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の接合装置。
請求項1〜9のいずれかに記載の接合装置を用いて、基板に金属粒子ペーストを介して電子部品を載置した組立体を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材及び第2伝達部材を有する加圧ユニットを加圧しながら加熱することによって前記基板と前記電子部品とを接合する接合方法であって、
位置決め機構部によって、第1加熱部及び第2加熱部の間の空間における前記第1加熱部及び前記第2加熱部のいずれにも接触しない位置に前記加圧ユニットを位置決めする加圧ユニット位置決め工程と、
加圧機構部によって、前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの少なくとも一方を前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの一方から他方に向かう方向に沿って移動させることにより、前記加圧ユニットを前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの一方から他方に向かう方向に沿って移動させる加圧ユニット移動工程と、
前記加圧機構部によって、前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの少なくとも一方を前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの一方から他方に向かう方向に沿って移動させることにより、前記加圧ユニットを加圧しながら加熱する加圧ユニット加圧加熱工程とをこの順序で含むことを特徴とする接合方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の接合装置900においては、第1加熱部922上に組立体10を配置した後に、第1加熱部922及び第2加熱部924を用いて組立体10を加熱しながら加圧するため、組立体10を加圧する前に第1加熱部922から金属粒子ペースト16に熱が伝達されることで金属粒子ペースト16が部分的に焼結反応(固化反応)を起こすようになり、基板12と電子部品14とを高い接合力で接合することができないという問題がある。
【0009】
また、第2加熱部924を第1加熱部922に対する平行度を保ったまま移動させることは実際上難しく、加圧するときに電子部品の各部位に係る圧力に差が生じる場合があり、基板12と電子部品14とを均一に接合することが難しくなるおそれがあるという問題もある。
【0010】
なお、このような問題は、導体パターンが形成された基板と半導体素子とが金属粒子ペーストを用いて接合された構造を有する半導体装置を製造する場合だけに発生する問題ではなく、「導体パターンが形成された基板その他の基板」と「半導体素子その他の電子部品」とが金属粒子ペーストを用いて接合された構造を有する接合体全般に発生し得る問題でもある。
【0011】
そこで、本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、基板と電子部品とを従来よりも高い接合力で接合することが可能で、かつ、基板と電子部品とを均一に接合することが可能な接合装置を提供することを目的とする。また、そのような接合装置を用いた接合方法を提供することを目的とする。さらにまた、そのような接合装置に用いる加圧ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[1]本発明の接合装置は、基板に金属粒子ペーストを介して電子部品を載置した組立体を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材及び第2伝達部材を有する加圧ユニットを加圧しながら加熱することによって前記基板と前記電子部品とを接合する接合装置であって、互いに対向する位置に配置された第1加熱部及び第2加熱部を有する加熱機構部と、前記第1加熱部及び前記第2加熱部の間の空間における前記第1加熱部及び前記第2加熱部のいずれにも接触しない位置に前記加圧ユニットを位置決めするための位置決め機構部と、前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの少なくとも一方を前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの一方から他方に向かう方向に沿って移動させることにより前記加圧ユニットを加圧する加圧機構部とを備えることを特徴とする。
【0013】
[2]本発明の接合装置においては、前記第1伝達部材は、前記第2伝達部材と対向する面とは反対側の面の中央部分において外側に向かって突出した台地部及び前記台地部の周囲に設けられた肩部を有し、前記位置決め機構部は、前記加圧ユニットを収納するときに前記台地部を挿入する開口部が形成され、かつ、前記加圧ユニットを収納するときに前記肩部を支持する支持部が前記開口部の周りに形成されている底面を有するトレイと、前記加圧ユニットが収納された前記トレイを位置決めすることにより前記第1加熱部及び前記第2加熱部のいずれにも接触しない位置に前記加圧ユニットを位置決めすることが可能な位置決め部とを有することが好ましい。
【0014】
[3]本発明の接合装置においては、前記第1加熱部は、前記第2加熱部よりも下方に位置し、前記加圧機構部は、前記第1加熱部を上方に向かって移動させることにより前記加圧ユニットを加圧することが好ましい。
【0015】
[4]本発明の接合装置においては、前記加圧機構部は、前記第1加熱部を上下方向に移動させることによって前記加圧ユニット及び前記トレイを上下方向に移動させることが可能であり、前記第1加熱部は、前記加圧ユニットの前記第1伝達部材側に配置され、かつ、前記第2加熱部は、前記加圧ユニットの前記第2伝達部材側に配置され、前記支持部は、前記第1伝達部材が前記第1加熱部と接触していない場合には前記肩部を支持した状態となり、前記第1伝達部材が前記第1加熱部と接触している場合には前記肩部から離れた状態となることが好ましい。
【0016】
[5]本発明の接合装置においては、前記加圧機構部は、前記加圧ユニットを加圧しながら加熱した後に、前記第1加熱部を下方に向かって移動させることにより前記加圧ユニットを前記第1加熱部及び前記第2加熱部の間の空間における前記第1加熱部及び前記第2加熱部のいずれにも接触しない状態とすることが好ましい。
【0017】
[6]本発明の接合装置においては、前記加圧機構部は、前記第1加熱部を上方に向かって移動させるとともに前記第2加熱部を下方に向かって移動させることにより、前記加圧ユニットを加圧することが好ましい。
【0018】
[7]本発明の接合装置においては、前記第1加熱部及び前記第2加熱部を囲む位置に設けられたチャンバーと、前記チャンバー内を真空にする真空ポンプとをさらに備えることが好ましい。
【0019】
[8]本発明の接合装置においては、前記チャンバー内に不活性ガスを供給可能な不活性ガス供給機構をさらに備えることが好ましい。
【0020】
[9]本発明の接合装置においては、前記第1加熱部は、前記第2加熱部よりも上方に位置し、前記加圧機構部は、前記第1加熱部を下方に向かって移動させることにより前記加圧ユニットを加圧することが好ましい。
【0021】
[10]本発明の接合方法は、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の接合装置を用いて、基板に金属粒子ペーストを介して電子部品を載置した組立体を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材及び第2伝達部材を有する加圧ユニットを加圧しながら加熱することによって前記基板と前記電子部品とを接合する接合方法であって、位置決め機構部によって、第1加熱部及び第2加熱部の間の空間における前記第1加熱部及び前記第2加熱部のいずれにも接触しない位置に前記加圧ユニットを位置決めする加圧ユニット位置決め工程と、加圧機構部によって、前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの少なくとも一方を前記第1加熱部及び第2加熱部のうちの一方から他方に向かう方向に沿って移動させることにより、前記加圧ユニットを前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの一方から他方に向かう方向に沿って移動させる加圧ユニット移動工程と、前記加圧機構部によって、前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの少なくとも一方を前記第1加熱部及び前記第2加熱部のうちの一方から他方に向かう方向に沿って移動させることにより、前記加圧ユニットを加圧しながら加熱する加圧ユニット加圧加熱工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
【0022】
[11]本発明の加圧ユニットは、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の接合装置に用いる加圧ユニットであって、互いに対向した位置に配置され、圧力及び熱を伝達するための前記第1伝達部材及び前記第2伝達部材を有し、前記第1伝達部材は、前記第2伝達部材と対向する面とは反対側の面の中央部分において外側に向かって突出した台地部及び前記台地部の周囲に設けられた肩部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の接合装置及び接合方法によれば、第1加熱部及び第2加熱部のいずれにも接触しない位置に加圧ユニットを位置決めするための位置決め機構部を備えることから、第1加熱部及び第2加熱部のいずれにも接触しない位置に加圧ユニットを位置決めした後に第1加熱部及び第2加熱部を用いて加圧ユニットを加圧しながら加熱することができる。従って、加圧ユニットを加圧する前に第1加熱部から金属粒子ペーストに熱が伝達されることを防ぐことができ、金属粒子ペーストが部分的に焼結反応(固化反応)を起こすことを防ぐことができる。その結果、基板と電子部品とを従来よりも高い接合力で接合することができる。
【0024】
また、本発明の接合装置、接合方法及び加圧ユニットによれば、組立体を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材及び第2伝達部材を有する加圧ユニットを用いるため、従来の接合装置900と比較して金属粒子ペーストに熱が伝達される時間を遅らせることができる。このため、第1加熱部及び第2加熱部を加熱した状態で加圧ユニットを加圧した場合でも、加圧ユニットを加圧する前に第1加熱部から金属粒子ペーストに熱が伝達されることを防ぐことができ、金属粒子ペーストが部分的に焼結反応を起こすことを防ぐことができる。その結果、この観点においても基板と電子部品とを従来よりも高い接合力で接合することができる。
【0025】
また、本発明の接合装置、接合方法及び加圧ユニットによれば、組立体を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材及び第2伝達部材を有する加圧ユニットを用いるため、第2伝達部材を第1伝達部材に対する平行度を保ったまま移動させることにより電子部品の各部位に係る圧力に差が生じることを防ぐことができる。その結果、基板と電子部品とを均一に接合することが可能となる。
【0026】
また、本発明の接合装置、接合方法及び加圧ユニットによれば、組立体を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材及び第2伝達部材を有する加圧ユニットを用いるため、上記したように、第1加熱部及び第2加熱部を加熱した状態で加圧ユニットを加圧した場合でも、加圧ユニットを加圧する前に第1加熱部から金属粒子ペーストに熱が伝達されることを防ぐことができる。従って、加圧ユニットを加圧しているときに第1加熱部及び第2加熱部の温度を変える必要がなく、比較的短いタクトタイムで基板と電子部品とを接合することができる。
【0027】
本発明の加圧ユニットによれば、第1伝達部材は、第2伝達部材と対向する面とは反対側の面の中央部分において外側に向かって突出した台地部及び台地部の周囲に設けられた肩部を有するため、加圧ユニットをトレイに収納して接合装置に取り付けるときには肩部をトレイの支持部が支持することによりトレイが加圧ユニットを支持した状態とすることができるとともに、加圧ユニットを加圧するときには台地部を外側から内側に向かって押すことによりトレイが加圧ユニットを支持しない状態とすることができる。従って、トレイに影響されずに加圧ユニットを加圧することができ、その結果、基板と電子部品とをより一層均一に接合することができる。
【0028】
また、本発明の加圧ユニットによれば、第1伝達部材は、第2伝達部材と対向する面とは反対側の面の中央部分において外側に向かって突出した台地部及び台地部の周囲に設けられた肩部を有するため、トレイに加圧ユニットを収納するときに、トレイの開口部に台地部を挿入することにより加圧ユニットが位置ずれしにくくなる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の接合装置、接合方法及び加圧ユニットについて、図に示す実施形態に基づいて説明する。
【0031】
[実施形態1]
まず、組立体10を説明する。
組立体10は、
図1に示すように、導体パターンが形成された基板12に金属粒子ペースト16を介して電子部品14を配置したものである。
【0032】
本明細書における「基板」とは、電子部品を搭載する部品のことをいう。
実施形態1における基板1は、例えば、非伝導性の物質からなる本体に導体パターンが形成された回路基板である。基板1の構成材料としては、金属粒子ペースト4の焼結温度(種類にもよるが、例えば300℃)に耐えられる材料(例えば、本体であれば耐熱性の樹脂やセラミックス、導体パターンであれば金属)からなるものを用いることができる。
なお、本発明の適用対象である基板は、DCB(Direct Copper Bond)基板やリードフレームであってもよい。また、本発明の適用対象である基板は、電子部品を搭載するものであればよく、例えば、シリコンチップであってもよい。つまり、シリコンチップと導電性の接続子とを接続するのに本発明を適用することもできる。
【0033】
電子部品14は、例えば電気製品において使用される部品であって、特に基板12と電気的に接続する必要がある部品である。電子部品14の具体例としては、半導体素子(例えば、集積回路を搭載した半導体チップ)、電気モーター、抵抗器、コンデンサ、圧電素子、コネクタ、スイッチ、アンテナ、導電性の接続子を挙げることができる。なお、本発明の接合体の製造方法は、少なくとも1つの半導体素子を基板と接合した接合体、つまり半導体装置を製造する場合に特に好適に用いることができる。なお、実施形態1においては電子部品14の数は1つであるが、電子部品の数が2つ以上であってもよい。電子部品の数が2つ以上である場合、電子部品は単一種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
【0034】
金属粒子ペースト16は、溶剤中にナノサイズやサブミクロンサイズの金属粒子を含有し、金属粒子の低温焼結現象及び高い表面活性を利用した低温焼結型の導電性ペーストである。金属粒子ペースト16は、例えば、金属粒子と、有機分散材と、有機分散材捕捉材と、揮発性有機溶剤とを含有する。金属粒子としては、金属ナノ粒子(例えば、平均直径が概略100nm以下である金属粒子)、金属サブミクロン粒子(例えば、平均直径が概略0.1μm〜1μmの範囲内にある金属粒子)、又は金属ナノ粒子及び金属サブミクロン粒子の両方を用いることができる。金属粒子の材料としては、例えば、銀、金又は銅を用いることができる。有機分散材は、常温で金属粒子の表面を覆い、金属粒子を独立分散状態に保持する働きをする。有機分散材捕捉材は、高温で、金属粒子を覆っている有機分散材と反応してこれを金属粒子表面から除去する働きをする。揮発性有機溶剤は、有機分散材と有機分散材捕捉材との反応物質を捕捉するとともに気体として系外に逃がす働きをする。
【0035】
次に、実施形態1に係る接合装置100について説明する。
【0036】
実施形態1に係る接合装置100は、加圧ユニット200を加圧しながら加熱することによって基板12と電子部品14とを接合する接合装置である。
【0037】
まず、実施形態1に係る加圧ユニット200について説明する。
【0038】
加圧ユニット200は、
図1(b)に示すように、第1伝達部材210と、第2伝達部材220と、ガイド部材230と、間隔調整機構240とを有する。加圧ユニット200は、基板12に金属粒子ペースト16を介して電子部品14を載置した組立体10を挟み込んで圧力及び熱を伝達する。第1伝達部材210及び第2伝達部材220はガイド部材230を介して連結されている。
【0039】
第1伝達部材210は、組立体10を載せている板状の部材である。第1伝達部材210は、第2伝達部材220と対向する面とは反対側の面の中央部分において外側に向かって突出した台地部212及び台地部212の周囲に設けられた肩部214を有する。第1伝達部材210は、平面的に見て四角形形状(厳密な四角形形状だけでなく、コーナーが面取りされている四角形形状等、全体的に見て四角形形状のものを含む。以下、同じ)をしており、第1伝達部材210の各コーナー部にはガイド部材230が立設されている。第1伝達部材210においては、肩部214に対する台地部212の高さをHとし、後述するトレイ131の厚みをDとしたときに、H>Dの関係が成り立つ。
【0040】
第2伝達部材220は、加圧ユニット200を加圧しているときに電子部品14と接触する板状の部材である(
図5(c)参照。)。第2伝達部材220は、平面的に見て四角形形状をしており、ガイド部材230に対応する位置(第2伝達部材220の各コーナー部)にはガイド部材受け穴222が形成されている。
【0041】
ガイド部材230は、
図1(b)に示すように、第1伝達部材210と第2伝達部材220とを連結する棒状の部材である。ガイド部材230は、第1伝達部材210に対する平行度を保ったまま第2伝達部材220を案内する。ガイド部材230の一方の端部は、第1伝達部材210の各コーナー部で第1伝達部材210と接続され、ガイド部材230の他方の端部は、ガイド部材受け穴222に差し込まれている。ガイド部材230の他方の端部は、加圧ユニット200を加圧しているときであってもガイド部材受け穴222から突出しないように構成されている。
【0042】
間隔調整機構240は、第1伝達部材210と第2伝達部材220との間隔を調整するコイルばね等の弾性部材である。間隔調整機構240は、加圧ユニット200を加圧していないときには第2伝達部材220と電子部品14とを離間させ、加圧ユニット200を加圧しているときには第2伝達部材220と電子部品14とを接触させる。
【0043】
次に、実施形態1に係る接合装置100本体について説明する。
【0044】
実施形態1に係る接合装置100は、
図1及び
図2に示すように、チャンバー110と、加熱機構部120と、位置決め機構部130と、加圧機構部140と、真空ポンプ150と、不活性ガス供給機構部160とを備える。
【0045】
チャンバー110(例えば、真空チャンバー)は、第1加熱部122及び第2加熱部124を囲む位置に設けられている。
【0046】
加熱機構部120は、第1加熱部122と、第2加熱部124と、第1加熱部122及び第2加熱部124の温度を制御する温度制御部126とを有する。
【0047】
第1加熱部122及び第2加熱部124は、
図1(a)に示すように、チャンバー110内に上下方向に沿って互いに対向する位置に配置されている。第1加熱部122は、第2加熱部124よりも下方に位置し、後述する加圧機構部140によって上下方向に移動させることが可能である。第2加熱部124は固定されている。
【0048】
なお、加圧ユニット200を収納したトレイ131を接合装置100に取り付けたときには、第1加熱部122は加圧ユニット200の第1伝達部材210側に、第2加熱部124は加圧ユニット200の第2伝達部材220側にそれぞれ配置された状態となる。
【0049】
第1加熱部122及び第2加熱部124の形状は、それぞれ板形状をしており、内部には加熱用のヒーター128が設けられている。第1加熱部122及び第2加熱部124の加熱温度は、例えば300℃である。
【0050】
温度制御部126は、ヒーター128への出力を制御することによって第1加熱部122及び第2加熱部124の温度を制御する。
【0051】
位置決め機構部130は、
図1(a)に示すように、トレイ131と、位置決め部132とを有する。位置決め機構部130は、第1加熱部122及び第2加熱部124の間の空間における第1加熱部122及び第2加熱部124のいずれにも接触しない位置に加圧ユニット200を位置決めする。
【0052】
トレイ131は、
図3に示すように、底面133の両端が上方に折り曲げられ、かつ、所定の高さ位置で外側に向かって折り曲げられた金属板である。底面133の横方向の長さ(底面133において上方に折り曲げられた一方の端部から他方の端部までの長さ(
図3の左右方向の長さ))は、第2加熱部124の横方向の長さ(
図1(a)の左右方向の長さ)よりも長い。トレイ131は、第1伝達部材210が下側、第2伝達部材220が上側になるように加圧ユニット200を収納する。
【0053】
トレイ131は、
図1(a)及び
図3に示すように、加圧ユニット200を収納するときに台地部212を挿入する開口部134が形成され、かつ、加圧ユニット200を収納するときに肩部214を支持する支持部135が開口部134の周りに形成されている底面133を有する。
【0054】
開口部134は、底面133の外縁と繋がった状態で形成されている。加圧ユニット200の台地部212を開口部134に挿入するときには、上から台地部212を開口部に挿入することもできるし、横からスライドさせて台地部212を挿入することもできる。
【0055】
支持部135は、加圧ユニット200を支持する。支持部135は、第1伝達部材210が第1加熱部122と接触していない場合には肩部214を支持した状態となり、第1伝達部材210が第1加熱部122と接触している場合には肩部214から離れた状態となる。
【0056】
位置決め部132は、
図2に示すように、トレイ受け部137と、トレイ受け部駆動部138と、トレイ受け部駆動制御部139とを有し、加圧ユニット200が収納されたトレイ131を位置決めすることにより第1加熱部122及び第2加熱部124のいずれにも接触しない位置に加圧ユニット200を位置決めすることができる。加圧ユニット200を位置決めするときには、トレイ131に加圧ユニット200を収納した後、外側に向かって折り曲げられた部分136を、トレイ受け部137上に載置することによって行う。
【0057】
トレイ受け部137は、
図1(a)に示すように、トレイ131の折り曲げられた部分136を受ける。トレイ受け部137には、トレイ131の載置位置を位置決めするための段差(図示せず)が設けられている。トレイ受け部駆動部138は、トレイ受け部137の高さ位置を調整するためにトレイ受け部137を上下方向に移動させる。トレイ受け部駆動部138は、適宜の駆動機構(例えば、サーボモータや油圧機構等)で構成されている。トレイ受け部駆動制御部139は、トレイ受け部駆動部138を制御することにより、トレイ受け部137の高さ位置を調整する。
【0058】
加圧機構部140は、
図2に示すように、第1加熱部駆動部142と、第1加熱部駆動制御部144とを有する。加圧機構部140は、第1加熱部122を上下方向に沿って(第1加熱部122から第2加熱部124に向かう方向に沿って)移動させることができる。加圧機構部140は、第1加熱部122を上方に向かって移動させることにより第1加熱部122と第2加熱部124とで加圧ユニット200を挟み込んで加圧する。
【0059】
加圧機構部140は、第1加熱部122を上下方向に移動させることによって加圧ユニット200及びトレイ131を上下方向に移動させることができる(例えば、
図5(a)参照。)。加圧機構部140は、加圧ユニット200を加圧しながら加熱した後に、第1加熱部122を下方に向かって移動させることにより初期位置(トレイ131をトレイ受け部137に載置する位置)に移動させることができ、加圧ユニット200を第1加熱部122及び第2加熱部124の間の空間における第1加熱部122及び第2加熱部124のいずれにも接触しない状態とすることができる。
【0060】
第1加熱部駆動部142は、第1加熱部122を上下方向に移動させる。第1加熱部駆動部142としては、適宜の駆動機構(例えば、サーボモータや油圧機構等)を用いることができる。第1加熱部駆動制御部144は、第1加熱部駆動部142を制御することによって、第1加熱部122の移動速度及び高さ位置を制御する。
【0061】
真空ポンプ150は、チャンバー110内を真空にする。不活性ガス供給機構部160は、チャンバー110内に不活性ガス(例えばN
2ガス)を供給する。
【0062】
実施形態1に係る接合方法は、実施形態1に係る加圧ユニット200を接合装置100に取り付けて使用することにより基板と電子部品とを接合する接合方法である。実施形態1に係る接合方法は、
図4〜
図7に示すように、加圧ユニット作製工程と、加圧ユニット位置決め工程と、加圧ユニット移動工程と、加圧ユニット加圧加熱工程と、加圧ユニット冷却工程とをこの順序で実施する。以下、実施形態1に係る接合方法を工程順に説明する。
【0063】
(1)加圧ユニット作製工程
まず、導体パターンが形成された基板12に金属粒子ペースト16を塗布し、その上から電子部品14を配置することにより組立体10を作製する。電子部品14としては、半導体素子を用いる。
【0064】
次に、組立体10を第1伝達部材210上に配置する。次に、ガイド部材230を第1伝達部材210のコーナー部に立設し、各ガイド部材230の周囲に間隔調整機構240を配置する。なお、ガイド部材230があらかじめコーナー部に立設されている第1伝達部材210上に組立体10を配置してもよい。次に、ガイド部材230上に第2伝達部材220を配置し、間隔調整機構240によって第2伝達部材220を支える。このようにして、加圧ユニット200を作製する。
【0065】
(2)加圧ユニット位置決め工程
次に、第1伝達部材210の台地部212をトレイ131の開口部134に挿入して、第1伝達部材210の肩部214を支持部135が支持した状態とすることにより加圧ユニット200をトレイ131に収納する。
【0066】
次に、トレイ受け部137に、加圧ユニット200を収納したトレイ131を載置する。このことにより、第1加熱部122及び第2加熱部124の間の空間における第1加熱部122及び第2加熱部124のいずれにも接触しない位置に加圧ユニット200を位置決めする(
図4(a)参照。)。なお、このときの加圧ユニット200の高さ位置は、第1加熱部122と第2加熱部124との中間の高さ位置である。
【0067】
(3)加圧ユニット移動工程
次に、加圧機構部140によって、第1加熱部122を第1加熱部122から第2加熱部124に向かう方向に沿って(鉛直軸に沿って)上方へ移動させる。
【0068】
なお、第1加熱部122及び第2加熱部124は、あらかじめ加熱されている。第1加熱部122及び第2加熱部124の加熱温度はどちらも例えば、300℃である。
【0069】
第1加熱部122を第1伝達部材210と接触する位置まで移動させると、第1加熱部122が加圧ユニット200の台地部212を押した状態となり、トレイ131の支持部135が加圧ユニット200の肩部214から離れた状態となる(
図4(b)中、破線Aで囲まれた領域参照。)。
【0070】
そこから、第1加熱部122をさらに上方へ移動させると、加圧ユニット200も上方へ移動し、トレイ131が第1加熱部122と接触した状態となる(
図4(c)中、破線Aで囲まれた領域参照。)。
【0071】
そこから、第1加熱部122をさらに上方へ移動させると、加圧ユニット200及びトレイ131も上方へ移動し、トレイ131がトレイ受け部137から離れた状態となる(
図5(a)参照。)。
【0072】
そこから、第1加熱部122をさらに上方へ移動させると、加圧ユニット200及びトレイ131も上方へ移動し、組立体10の第2伝達部材220の上面が第2加熱部124と接触した状態(
図5(b)参照。)となる。このとき熱伝導により第2加熱部124から第2伝達部材220に熱が伝達され始めるが、組立体10にまでは熱が伝達されていない。
【0073】
(4)加圧ユニット加圧加熱工程
第1加熱部122をさらに上方へ移動させると、第1伝達部材210及び組立体10も上方へ移動し、電子部品14の上面と第2伝達部材220とが接触する(
図5(c)参照。)
【0074】
このようにして、第1加熱部122をさらに上方に移動させることにより、第1加熱部122と第2加熱部124とで加圧ユニット200を加圧することとなり、第1加熱部122及び第2加熱部124によって、第1伝達部材210及び第2伝達部材220を介して組立体10(組立体10のうちの金属粒子ペースト16)を加圧する。また、第1加熱部122及び第2加熱部124によって、第1伝達部材210及び第2伝達部材220を介して組立体10のうちの金属粒子ペースト16に熱が伝達される。
【0075】
第1伝達部材210及び第2伝達部材220を介して組立体10を加圧しながら加熱することができるため、金属粒子ペースト16を加圧しながら加熱することができる。その結果、金属粒子ペースト16を焼成することができ、焼成された金属粒子ペースト16を介して基板12と電子部品14とが接合された接合体11を形成することができる。
【0076】
(5)加圧ユニット冷却工程
金属粒子ペースト16を焼成した後、第1加熱部122を下方に向かって移動させることにより、加圧ユニット200及びトレイ131を下方に向かって移動させ(
図6(a)〜
図6(c)及び
図7(a)参照。)、加圧ユニット200を収納したトレイ131及び第1加熱部122を最初の位置に戻す(
図7(b)参照。)。これにより、加圧ユニット200は第1加熱部122及び第2加熱部124のどちらからも離間した状態となるため、加圧ユニット200を冷却することができる。
【0077】
このようにして、基板12と電子部品14とを接合することができる。
【0078】
次に、実施形態1に係る接合装置100、接合方法及び加圧ユニット200の効果を説明する。
【0079】
実施形態1に係る接合装置100及び接合方法によれば、第1加熱部122及び第2加熱部124のいずれにも接触しない位置に加圧ユニット200を位置決めするための位置決め機構部130を備えることから、第1加熱部122及び第2加熱部124のいずれにも接触しない位置に加圧ユニット200を位置決めした後に第1加熱部122及び第2加熱部124を用いて加圧ユニット200を加圧しながら加熱することができる。従って、加圧ユニット200を加圧する前に第1加熱部122から金属粒子ペースト16に熱が伝達されることを防ぐことができ、金属粒子ペースト16が部分的に焼結反応(固化反応)を起こすことを防ぐことができる。その結果、基板12と電子部品14とを従来よりも高い接合力で接合することができる。
【0080】
また、実施形態1に係る接合装置100、製造方法及び加圧ユニット200によれば、組立体10を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材210及び第2伝達部材220を有する加圧ユニット200を用いるため、従来の接合装置900と比較して金属粒子ペースト16に熱が伝達される時間を遅らせることができる。このため、第1加熱部122及び第2加熱部124を加熱した状態で加圧ユニット200を加圧した場合でも、加圧ユニット200を加圧する前に第1加熱部122から金属粒子ペースト16に熱が伝達されることを防ぐことができ、金属粒子ペースト16が部分的に焼結反応を起こすことを防ぐことができる。その結果、この観点においても基板12と電子部品14とを従来よりも高い接合力で接合することができる。
【0081】
また、実施形態1に係る接合装置100、製造方法及び加圧ユニット200によれば、組立体10を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材210及び第2伝達部材220を有する加圧ユニット200を用いるため、第2伝達部材220を第1伝達部材210に対する平行度を保ったまま移動させることにより電子部品14の各部位に係る圧力に差が生じることを防ぐことができる。その結果、基板12と電子部品14とを均一に接合することが可能となる。
【0082】
また、実施形態1に係る接合装置100、製造方法及び加圧ユニット200によれば、組立体10を挟み込んで圧力及び熱を伝達する第1伝達部材210及び第2伝達部材220を有する加圧ユニット200を用いるため、第1加熱部122及び第2加熱部124を加熱した状態で加圧ユニット200を加圧した場合でも、加圧ユニット200を加圧する前に第1加熱部122から金属粒子ペースト16に熱が伝達されることを防ぐことができる。従って、加圧ユニット200を加圧しているときに第1加熱部122及び第2加熱部124の温度を変える必要がなく、比較的短いタクトタイムで基板12と電子部品14とを接合することができる。
【0083】
また、実施形態1に係る接合装置100によれば、位置決め機構部130は、加圧ユニット200を収納するときに台地部212を挿入する開口部134が形成され、かつ、加圧ユニット200を収納するときに肩部214を支持する支持部135が開口部134の周りに形成されている底面133を有するトレイ131を有するため、トレイ131に収納した加圧ユニット200が水平方向に位置ずれしにくくなる。
【0084】
また、実施形態1に係る接合装置100によれば、位置決め機構部130は、加圧ユニット200が収納されたトレイ131を位置決めすることにより第1加熱部122及び第2加熱部124のいずれにも接触しない位置に加圧ユニット200を位置決めすることが可能な位置決め部132を有するため、加圧ユニット200を収納したトレイ131を位置決めするだけで容易に加圧ユニット200を位置決めすることができる。
【0085】
また、実施形態1に係る接合装置100によれば、第1加熱部122は、第2加熱部124よりも下方に位置し、加圧機構部140は、第1加熱部122を上方に向かって移動させることにより加圧ユニット200を加圧するため、第1加熱部122を移動させるだけで、第1加熱部122が加圧ユニット200の台地部212を押すことになる。このため、トレイ131が加圧ユニット200を支持していない状態とすることができ、トレイ131に影響されずに加圧ユニット200を加圧することができる。その結果、比較的簡単に基板12と電子部品14とを高い精度で均一に接合することができる。
【0086】
また、実施形態1に係る接合装置100によれば、加圧機構部140は、第1加熱部122を上下方向に移動させることによって加圧ユニット200及びトレイ131を上下方向に移動させることが可能であるため、加圧ユニット200を移動させるための新たな機構を設ける必要がない。
【0087】
また、実施形態1に係る接合装置100によれば、支持部135は、第1伝達部材210が第1加熱部122と接触していない場合には肩部214を支持した状態となり、第1伝達部材210が第1加熱部122と接触している場合には肩部214から離れた状態となるため、加圧ユニット200をトレイ131に収納して接合装置100に取り付けるときには肩部214をトレイ131の支持部135が支持することによりトレイ131が加圧ユニット200を支持した状態とすることができるとともに、加圧ユニット200を加圧するときには台地部212を外側から内側に向かって押すことによりトレイ131が加圧ユニット200を支持しない状態とすることができる。従って、トレイ131に影響されずに加圧ユニット200を加圧することができ、その結果、基板12と電子部品14とをより一層均一に接合することができる。
【0088】
また、実施形態1に係る接合装置100によれば、加圧ユニット200を加圧しながら加熱した後に、第1加熱部122を下方に向かって移動させることにより加圧ユニット200を第1加熱部122及び第2加熱部124の間の空間における第1加熱部122及び第2加熱部124のいずれにも接触しない状態とするため、第1加熱部122及び第2加熱部124の温度を変えることなく加圧ユニット200を冷却することが可能となる。従って、第1加熱部122及び第2加熱部124の温度が低下するのを待つ必要がなく、基板12と電子部品14とをより一層効率よく接合することができる。
【0089】
また、実施形態1に係る接合装置100によれば、第1加熱部122及び第2加熱部124を囲む位置に設けられたチャンバー110と、チャンバー110内を真空にする真空ポンプ150とを備えるため、加圧ユニット加圧加熱工程を実施する前に金属粒子ペースト16が酸化することを抑制することができ、基板12と電子部品14との接合力が低下することを防ぐことができる。
【0090】
また、実施形態1に係る接合装置100によれば、チャンバー110内に不活性ガスを供給可能な不活性ガス供給機構部160を備えるため、加圧ユニット加圧加熱工程を実施する前に金属粒子ペースト16が酸化することをより一層確実に抑制することができ、基板12と電子部品14との接合力が低下することを確実に防ぐことができる。
【0091】
実施形態1に係る加圧ユニット200によれば、第1伝達部材210は、第2伝達部材220と対向する面とは反対側の面の中央部分において外側に向かって突出した台地部212及び台地部212の周囲に設けられた肩部214を有するため、加圧ユニット200をトレイ131に収納して接合装置100に取り付けるときには肩部214をトレイ131の支持部135が支持することによりトレイ131が加圧ユニット200を支持した状態とすることができるとともに、加圧ユニット200を加圧するときには台地部212を外側から内側に向かって押すことによりトレイ131が加圧ユニット200を支持しない状態とすることができる。従って、トレイ131に影響されずに加圧ユニット200を加圧することができ、その結果、基板12と電子部品14とをより一層均一に接合することができる。
【0092】
また、実施形態1に係る加圧ユニット200によれば、第1伝達部材210は、第2伝達部材220と対向する面とは反対側の面の中央部分において外側に向かって突出した台地部212及び台地部212の周囲に設けられた肩部214を有するため、トレイ131に加圧ユニット200を収納するときに、トレイ131の開口部134に台地部212を挿入することにより加圧ユニット200が位置ずれしにくくなる。
【0093】
[実施形態2]
実施形態2に係る接合装置(図示せず。)は、基本的には実施形態1に係る接合装置100と同様の構成を有するが、第1加熱部だけでなく第2加熱部も移動させる点で実施形態1に係る接合装置100の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係る接合装置において、加圧機構部は、第1加熱部を上方に向かって移動させるとともに、第2加熱部を下方に向かって移動させる。
【0094】
加圧機構部は、実施形態1における加圧機構部140の構成要素に加えて、第2加熱部を移動させる第2加熱部駆動部及び第2加熱部駆動部を制御する第2加熱部駆動制御部をさらに有する。
【0095】
このように、実施形態2に係る接合装置は、第1加熱部だけでなく第2加熱部も移動させる点で実施形態1に係る接合装置100の場合とは異なるが、実施形態1に係る接合装置100の場合と同様に、第1加熱部及び第2加熱部のいずれにも接触しない位置に加圧ユニットを位置決めするための位置決め機構部を備えることから、加圧ユニットを第1加熱部及び第2加熱部のいずれにも接触しない位置に加圧ユニットを位置決めした後に第1加熱部及び第2加熱部を用いて加圧ユニットを加圧しながら加熱することができる。従って、加圧ユニットを加圧する前に第1加熱部から金属粒子ペーストに熱が伝達されることを防ぐことができ、金属粒子ペーストが部分的に焼結反応(固化反応)を起こすことを防ぐことができる。その結果、基板と電子部品とを高い接合力で接合することができる。
【0096】
また、実施形態2に係る接合装置によれば、加圧機構部は、第1加熱部を上方に向かって移動させるとともに第2加熱部を下方に向かって移動させるため、第1加熱部及び第2加熱部の移動時間を短くすることができ、効率よく基板と電子部品とを接合することができる。
【0097】
なお、実施形態2に係る接合装置は、第1加熱部だけでなく第2加熱部も移動させる点以外の点においては実施形態1に係る接合装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る接合装置100が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0098】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0099】
(1)上記実施形態において記載した構成要素の数、材質、形状、位置、大きさ等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0100】
(2)上記各実施形態においては、第1加熱部が第2加熱部よりも下方に位置し、かつ、加圧機構部は、第1加熱部を下方に向かって移動させることにより加圧ユニットを加圧したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1加熱部が第2加熱部よりも上方に位置し、かつ、加圧機構部は、第1加熱部を下方に向かって移動させることにより加圧ユニットを加圧することとしてもよい。この場合、トレイで支持されていない状態でも加圧ユニットが落下することを防ぐための機構(例えば、加圧ユニットを上方に向かって吸引する吸引機構)をさらに備えてもよい。
【0101】
(3)上記各実施形態においては、第1加熱部及び第2加熱部を上下方向に配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1加熱部及び第2加熱部を左右方向に配置してもよい。この場合、加圧機構部は、第1加熱部(及び第2加熱部)を左右方向に移動させることで加圧ユニットを加圧する。
【0102】
(4)上記各実施形態においては、第1加熱部を加圧ユニットの第1伝達部材側に配置し、かつ、第2加熱部を加圧ユニットの第2伝達部材側に配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1加熱部を加圧ユニットの第2伝達部材側に配置し、かつ、第2加熱部を加圧ユニットの第1伝達部材側に配置してもよい。
【0103】
(5)上記各実施形態においては、第1加熱部及び第2加熱部の温度を共に300℃としたが、本発明はこれに限定されるものではない。金属粒子ペーストが焼結反応を起こすことができる温度であれば適宜の温度にすることができる。なお、第1加熱部及び第2加熱部の温度は、同じ温度としてもよいし異なる温度としてもよい。