【実施例】
【0034】
第1実施形態
図2は本発明の第1実施形態によるデータブリッジ機能を有するワイヤレス照明制御システムを示す概略図である。ワイヤレス照明制御システム2はLED照明制御装置Aと、複数のLED(Light Emitting Diode)照明装置A'と、第一制御装置Bと、第一被制御装置B'と、複数のLEDドライバ20とを備える。
【0035】
これら前記LEDドライバ20は建築物の各地点に分布されると共に互いに一定の距離隔てられ、各LEDドライバ20は1つのLED照明装置A'にそれぞれ接続されて電気エネルギーを提供する。LED照明制御装置Aは第一ワイヤレス通信モジュールW1により無線伝送方式でZigBee無線ネットワークプロトコルに基づく第一制御信号CS1をこれら前記LEDドライバ20に伝送させて対応されるLED照明装置A'の制御を行う。第一制御装置Bは第一ワイヤレス通信モジュールW1により無線伝送方式でZigBee無線ネットワークプロトコルに基づく第一制御信号CS1を伝送させ、且つこれら前記LEDドライバ20がデータブリッジ経路となって遠隔の第一被制御装置B'まで伝送させる。
【0036】
各LEDドライバ20は第一ワイヤレス通信モジュールW1と、マイクロプロセッサ201と、駆動回路202とを備え、マイクロプロセッサ201はデータマルチプレクサー2011を含む。第一ワイヤレス通信モジュールW1はZigBee無線ネットワークプロトコルに基づく第一制御信号CS1の受信或いは伝送を行い、且つマイクロプロセッサ201まで伝送させる。マイクロプロセッサ201のデータマルチプレクサー2011は第一制御信号CS1の通信プロトコルの種類の判断を行う。駆動回路202は第一制御信号CS1に基づいて制御命令CM1を発生させてLED照明装置A'を駆動させる。
【0037】
データマルチプレクサー2011が第一ワイヤレス通信モジュールW1によりLED照明制御装置A或いは第一制御装置Bから伝送される第一制御信号CS1を受信させると、データマルチプレクサー2011が第一制御信号CS1のデータに基づいて第一制御信号CS1の通信プロトコルの種類の判定を行い、且つ通信プロトコルの種類に基づいて第一制御信号CS1に従って駆動回路202の制御を行ってLED照明装置A'を駆動させるか否か、或いは他のLEDドライバ20をデータブリッジ経路として第一制御信号CS1を通信プロトコルの種類が対応されるものとは離れる第一被制御装置B'に伝送させるか否か決定させ、第一被制御装置B'の制御を行う。
【0038】
データマルチプレクサー2011により第一制御信号CS1の通信プロトコルの種類がLED照明装置A'に属すると判定されると、データマルチプレクサー2011が第一制御信号CS1を駆動回路202に伝送させ、駆動回路202が第一制御信号CS1に基づいて制御命令CM1を発生させてLED照明装置A'を駆動させる。データマルチプレクサー2011により第一制御信号CS1の通信プロトコルの種類が第一被制御装置B'に属すると判定されると、データマルチプレクサー2011が第一制御信号CS1を近隣の他のLEDドライバ20に伝送させ、且つ他のLEDドライバ20をデータブリッジ経路として第一制御信号Cを通信プロトコルの種類が対応されるものとは離れる第一被制御装置B'に伝送させ、第一被制御装置B'の制御を行う。
【0039】
例えば、データマルチプレクサー2011により第一制御信号CS1の通信プロトコルの種類が制御LED照明装置A'に使用されるDALI(Digital Address Lighting Interface、DALI)規格か否かが判定される。DALI規格である場合、データマルチプレクサー2011が第一制御信号CS1を駆動回路モジュール202に伝送させ、駆動回路202が第一制御信号CS1に基づいて制御命令CM1を発生させてLED照明装置A'を駆動させる。DALI規格ではない場合、データマルチプレクサー2011は他のLEDドライバ20をデータブリッジ経路として第一制御信号CS1を遠く離れる第一被制御装置B'の近隣のLEDドライバ20まで伝送させ、且つ前述のLEDドライバ20により第一制御信号CS1を第一被制御装置B'に伝送させ、第一被制御装置B'の制御を行う。
【0040】
ちなみに、従来の技術によるワイヤレス照明制御システムはWiFi無線ネットワークを通して制御信号の伝送を行うため、WiFi無線ネットワークではコストが高いのみならず、重大な電磁放射を発生させ、人体に対して一定の影響を与える。反対に、本発明に係るワイヤレス照明制御システムは、ZigBee無線ネットワーク、ブルートゥース無線ネットワーク或いは低消費電力ブルートゥース無線ネットワーク等により低消費電力で低コストなネットワークシステムを実現して制御信号の伝送を行うため、重大な電磁放射を発生させず、人体に対する影響を大幅に低減させ、コストを有効的に減少させる。
【0041】
なお、従来の技術によるワイヤレス照明制御システムはデータ伝送量が多いWiFi無線ネットワークにより制御信号の伝送を行うが、ただし、制御信号はデータ量が少ない信号であるため、WiFi無線ネットワークを使用して制御信号を伝送するのは浪費であると言えた。反対に、本発明に係るワイヤレス照明制御システムはZigBee無線ネットワーク、ブルートゥース無線ネットワーク或いは低消費電力ブルートゥース無線ネットワーク等の低消費電力で低コスト且つデータ伝送量の少ないネットワークシステムにより制御信号の伝送を行うため、コストを低減させて浪費を避ける。
【0042】
このほか、従来の技術によるワイヤレス照明制御システムは建築物の中の照明装置に対してのみ制御が行え、照明装置は頻繁に点消灯が行われないため、利用率が低かった。反対に、本発明に係るワイヤレス照明制御システムは照明装置の制御のほか、ワイヤレス照明制御システムと同じ無線ネットワークプロトコルの制御システムによりワイヤレス照明制御システムの無線ネットワークシステムを通して同時に制御信号の伝送を行え、独立した無線ネットワークシステムを別に構築する必要がなく、ワイヤレス照明制御システムのアイドリング時間を減少させて利用率を大幅に高める。
【0043】
このほか、従来の技術によるワイヤレス照明制御システムの無線ネットワークのカバー範囲には限界があり、ゆえに、被制御装置が離れた位置にあり且つ無線ネットワークのカバー範囲にない場合、使用者は無線ネットワークを通して被制御装置を制御することができない。反対に、本発明に係るワイヤレス照明制御システムの各電気エネルギー供給装置は共に信号伝送の中継局となり、制御信号が離れた場所まで伝送されるため、建築物の各地点に電気エネルギー供給装置を設置させるのみで無線ネットワークのカバー範囲とすることができる。よって、本発明に係るワイヤレス照明制御システムのカバー範囲には如何なる制限もない。
【0044】
図3は本発明の第1実施形態によるデータブリッジ機能を有するワイヤレス照明制御システムを示すフローチャート図である。本実施形態では以下の工程を含む。
工程S31では、LED照明制御装置或いは第一制御装置により第一制御信号が発信される。
工程S32では、LEDドライバが第一制御信号を受信させる。
工程S33では、LEDドライバが第一制御信号のデータに基づいて第一制御信号の通信プロトコル(communication protocol)の種類がDALI規格であるか否かを判定させる。DALI規格である場合、工程S331に進み、DALI規格ではない場合、工程S332に進む。
工程S331では、LEDドライバが第一制御信号に基づいて制御命令を発生させてLED照明装置の制御を行う。
工程S332では、LEDドライバは他のLEDドライバにより第一制御命令を遠くの第一被制御装置に伝送させる。
【0045】
第2実施形態
図4は本発明の第2実施形態によるデータブリッジ機能を有するワイヤレス照明制御システムを示すフローチャート図である。ワイヤレス照明制御システム2はLED照明制御装置Aと、複数のLED(Light Emitting Diode)照明装置A'と、第一制御装置Bと、第一被制御装置B'と、第二制御装置Cと、第二被制御装置C'と、複数のLEDドライバ20とを備える。
【0046】
これら前記LEDドライバ20は建築物の各地点に分布されると共に互いに一定の距離隔てられ、各LEDドライバ20はLED照明装置A'にそれぞれ接続されて電気エネルギーを提供する。LED照明制御装置Aは第一ワイヤレス通信モジュールW1により無線伝送方式でZigBee無線ネットワークプロトコルに基づく第一制御信号CS1をこれら前記LEDドライバ20に伝送させて対応されるLED照明装置A'の制御を行う。第一制御装置Bは第一ワイヤレス通信モジュールW1により無線伝送方式でZigBee無線ネットワークプロトコルに基づく第一制御信号CS1を伝送させ、且つこれら前記LEDドライバ20をデータブリッジ経路として遠くの第一被制御装置B'まで伝送させる。 第二制御装置Cは第二ワイヤレス通信モジュールW2により無線伝送方式でブルートゥース無線ネットワークプロトコルに基づく第二制御信号CS2を伝送させ、且つこれら前記LEDドライバ20をデータブリッジ経路として遠く離れる第二被制御装置C'まで伝送させる。
【0047】
各LEDドライバ20は第一ワイヤレス通信モジュールW1と、マイクロプロセッサ201と、駆動回路202とを備え、マイクロプロセッサ201はデータマルチプレクサー2011を含む。第一ワイヤレス通信モジュールW1はZigBee無線ネットワークプロトコルに基づく第一制御信号CS1の受信或いは伝送を行い、且つマイクロプロセッサ201まで伝送させる。マイクロプロセッサ201のデータマルチプレクサー2011は第一制御信号CS1の通信プロトコルの種類の判断を行う。駆動回路202は第一制御信号CS1に基づいて制御命令CM1を発生させてLED照明装置A'を駆動させる。
【0048】
同様に、データマルチプレクサー2011が第一ワイヤレス通信モジュールW1によりLED照明制御装置A或いは第一制御装置Bから伝送された第一制御信号CS1を受信させると、データマルチプレクサー2011が第一制御信号CS1のデータに基づいて第一制御信号CS1の通信プロトコルの種類がDALI規格であるか否かを判定させる。DALI規格である場合、データマルチプレクサー2011が第一制御信号CS1を駆動回路モジュール202に伝送させ、駆動回路202が第一制御信号CS1に基づいて制御命令CM1を発生させてLED照明装置A'を駆動させる。DALI規格ではない場合、データマルチプレクサー2011が他のLEDドライバ20をデータブリッジ経路として第一制御信号CS1を遠くの第一被制御装置B'の近隣のLEDドライバ20まで伝送させ、且つ前述のLEDドライバ20により第一制御信号CS1を第一被制御装置B'に伝送させ、第一被制御装置B'の制御を行う。
【0049】
前述の実施形態と異なる点は、各LEDドライバ20が無線式信号変換器203をさらに備え、無線式信号変換器203が第一ワイヤレス通信モジュールW1と、マイクロプロセッサ2031と、第二ワイヤレス通信モジュールW2とを含む点である。無線式信号変換器203は第二ワイヤレス通信モジュールW2により第二制御装置Cから伝送されるブルートゥース無線ネットワークプロトコルに基づく第二制御信号CS2を受信させ、マイクロプロセッサ2031が第二制御信号CS2をZigBee無線ネットワークプロトコルに基づく変換信号CS1に変換させ、且つ第一ワイヤレス通信モジュールW1によりマイクロプロセッサ201まで伝送させる。マイクロプロセッサ201のデータマルチプレクサー2011が変換信号CS1のデータに基づいて変換信号CS1の通信プロトコルの種類がDALI規格ではないと判定させると、変換信号CS1が遠くの第二被制御装置C'の近隣のLEDドライバ20まで伝送され、前述のLEDドライバ20の無線式信号変換器203により変換信号CS1が第二制御信号CS2に変換され、第二被制御装置C'まで伝送され、第二被制御装置C'の制御を行う。他の好ましい実施形態では、第二ワイヤレス通信モジュールがZigBee無線ネットワークプロトコル、WiFi無線ネットワークプロトコル、RFID無線ネットワークプロトコル或いは赤外線無線ネットワークプロトコル等に基づく。
【0050】
第3実施形態
図5は本発明の第3実施形態によるデータブリッジ機能を有するワイヤレス照明制御システムを示すフローチャート図である。ワイヤレス照明制御システム2はLED照明制御装置Aと、複数のLED(Light Emitting Diode)照明装置A'と、第一制御装置Bと、第一被制御装置B'と、第二制御装置Cと、第二被制御装置C'と、複数のLEDドライバ20とを備える。各LEDドライバ20は第一ワイヤレス通信モジュールW1と、マイクロプロセッサ201と、駆動回路202と、無線式信号変換器203とを含む。前述の実施形態と異なる点は、本実施形態では、無線式信号変換器203がLEDドライバ20に統合され、LEDドライバ20の機能を強化させる点である。当然ながら、上述は例に過ぎず、本発明に係るワイヤレス照明制御システムは他の実施態様をさらに含み、上述のものに制限されない。
【0051】
ちなみに、従来の技術によるワイヤレス照明制御システムは通常建築物の中の照明装置の制御にのみ使用され、ゆえに使用上大きな制限を受ける。反対に、本発明に係るワイヤレス照明制御システムには無線式信号変換器が設置され、これにより、照明装置の制御のみならず、ワイヤレス照明制御システムと同じ或いは異なる無線ネットワークプロトコルの制御システムがワイヤレス照明制御システムの無線ネットワークシステムを通して同時に制御信号の伝送を行い、独立した無線ネットワークシステムを別に構築する必要がなく、ワイヤレス照明制御システムのアイドリング時間を減少させ、ワイヤレス照明制御システムの利用率をさらに高め、より弾力的に運用可能になる。上述のように、本発明は革新性を有する特許である。
【0052】
第4実施形態
図6は本発明の第4実施形態によるデータブリッジ機能を有するワイヤレス照明制御システムを示すフローチャート図である。
図6に示すように、本発明に係るワイヤレス照明制御システムの使用状況を説明する。使用者が携帯電話6により建築物の中の使用者の位置から遠く離れたテレビTの制御を行う場合、携帯電話6により伝送される第一制御信号CS1は本発明に係るワイヤレス照明制御システムの無線ネットワークを通して伝送される。ワイヤレス照明制御システムは、建築物の異なる位置の各LED照明装置A'に対応される電気エネルギー供給装置を備え、各電気エネルギー供給装置が共に第一制御信号CS1の中継局となることで、1つの広大なデータブリッジ経路が形成される。これにより、携帯電話6が伝送させる第一制御信号CS1が使用者の位置から遠く離れるテレビTまでスムーズに伝送される。
【0053】
第5実施形態
図7は本発明の第5実施形態によるデータブリッジ機能を有するワイヤレス照明制御システムを示すフローチャート図である。
図5に示すように、本発明に係るワイヤレス照明制御システムの使用状況を説明する。本発明に係るワイヤレス照明制御システムは病院に応用され、患者の位置を追跡できる。或いは、工場に運用され、貴重な機器の位置を追跡できる。図示するように、患者がRFIDタグを身に着け、病院の異なる各地点にRFIDリーダーが設置される。RFIDリーダー7により患者が身に着けたRFIDタグが読み取られると、RFIDリーダーにより感知信号CS2が伝送される。感知信号CS2が本発明に係るワイヤレス照明制御システムの無線ネットワークを通して伝送される。ワイヤレス照明制御システムは、病院の異なる位置の各LED照明装置A'に対応される電気エネルギー供給装置を備え、各電気エネルギー供給装置が共に感知信号CS2の中継局となることで、1つの広大なデータブリッジ経路が形成される。これにより、RFIDリーダー7により伝送される第一制御信号CS1がRFIDリーダー7の位置から遠く離れる監視装置Mまでスムーズに伝送される。
【0054】
当然ながら、上述は例に過ぎず、本発明に係るワイヤレス照明制御システムは他の実施態様をさらに含み、上述のものに制限されない。
【0055】
以上を総合すると、本発明の実施形態では、ワイヤレス照明制御システムは低消費電力の無線ネットワークにより実現されるため、重大な電磁放射が発生せず、人体に対して如何なる危害も加えず、安全性が高まる。
【0056】
なお、本発明の好ましい実施形態では、ワイヤレス照明制御システムはデータ量の少ない無線ネットワークにより実現され、低コストであるが各制御信号を伝送するには十分であり、これにより、ワイヤレス照明制御システム全体のコストが大幅に低減される。
【0057】
本発明の好ましい実施形態では、ワイヤレス照明制御システムの各電気エネルギー供給装置にはデータマルチプレクサーが設置され、受信された第一制御信号の通信プロトコルの種類の識別を行って前述の第一制御信号が照明装置或いは他の被制御装置のどちらの制御に用いられるのかを判定させる。これにより、ワイヤレス照明制御システムと同じ無線ネットワークプロトコルの制御システムがワイヤレス照明制御システムの無線ネットワークを通して同時に制御信号の伝送を行う。独立した無線ネットワークを別に構築する必要がなく、ワイヤレス照明制御システムのアイドリング時間を減少させ、ワイヤレス照明制御システムの利用率が大幅に高まり、ワイヤレス照明制御システムがより弾力的に運用可能になる。
【0058】
本発明の好ましい実施形態では、ワイヤレス照明制御システムの各電気エネルギー供給装置には無線式信号変換器がさらに設置される。これにより、ワイヤレス照明制御システムと異なる無線ネットワークプロトコルの制御システムがワイヤレス照明制御システムの無線ネットワークを通して同時に制御信号の伝送を行う。独立した無線ネットワークを別に構築する必要がなく、ワイヤレス照明制御システムのアイドリング時間を減少させ、ワイヤレス照明制御システムの利用率がさらに高まり、ワイヤレス照明制御システムがより弾力的に運用可能になる。
【0059】
さらに、本発明の好ましい実施形態では、ワイヤレス照明制御システムの各電気エネルギー供給装置が共に制御信号伝送の中継局となる。ゆえに、ワイヤレス照明制御システム全体で1つの広大なデータブリッジ経路が形成され、制御信号を極めて遠い場所まで伝送可能になり、広いカバー範囲を達成させる。
【0060】
従って、本明細書に開示された実施形態は、本考案を限定するものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によって本考案の思想と範囲が限定されるものではない。本考案の範囲は特許請求の範囲により解釈すべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術は、本考案の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。