特許第6129386号(P6129386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129386
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/20 20060101AFI20170508BHJP
   F24C 7/04 20060101ALI20170508BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20170508BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20170508BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   F24C15/20 F
   F24C7/04 301A
   F24C15/00 M
   F24F7/007 C
   F24F7/06 101A
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-123162(P2016-123162)
(22)【出願日】2016年6月22日
(62)【分割の表示】特願2012-181457(P2012-181457)の分割
【原出願日】2012年8月20日
(65)【公開番号】特開2016-173232(P2016-173232A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2016年6月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】辻中 英昭
(72)【発明者】
【氏名】吉田 実
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010-25388(JP,A)
【文献】 特開昭59-212625(JP,A)
【文献】 特開2013-44508(JP,A)
【文献】 特開2013-44509(JP,A)
【文献】 特開2005-265215(JP,A)
【文献】 特開2005-93209(JP,A)
【文献】 特開2009-293892(JP,A)
【文献】 特開2003-45272(JP,A)
【文献】 特開2003-294300(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/110294(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/137517(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/20
F24C 7/04
F24C 15/00
F24F 7/007
F24F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部による加熱または加熱停止を指令するための各操作に基づいて、前記加熱部で発生する排気ガスを外部に排出する排気装置の駆動または停止を制御する無線信号を送出する加熱調理器であって、
当該加熱調理器の前面パネルの背部には、加熱部が加熱状態であることを表示する表示光を投光する光源、及び、前記排気装置を制御する前記無線信号を送信する無線信号送信部が設けられ、
前記光源からの表示光及び前記無線信号送信部からの無線信号を、前記前面パネルに設けられた共通の透過窓を通して前方へ透過させるものであり、
前記光源と前記無線信号送信部とを並列配置すると共に、前記光源からの表示光と前記無線信号送信部からの無線信号とを、前記透過窓に導く導光部材を備え、
前記光源が、LEDランプであり、前記無線信号送信部が、赤外線信号を前記無線信号として送信する赤外線LEDであり、
前記導光部材は、一端側が前記透過窓に臨み、他端側が分岐されて前記LEDランプ及び前記赤外線LEDにそれぞれ臨み、
前記LEDランプからの表示光と前記赤外線LEDからの赤外線信号とが、前記導光部材によって、前記他端側から前記一端側に案内されて、前記透過窓に導かれる、
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記LEDランプと前記赤外線LEDとを近接配置して単一のコネクタに装着してある、
請求項1に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関し、更に詳しくは、レンジフード等と組合せて利用される加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
加熱調理器の上方に設置されて加熱作動によって発生する排気ガスを外部に排出する排気装置としてのレンジフードにおける排気ファンの駆動及び停止や風量調節などの操作は、レンジフードの前端部に備えられた操作部で行うのが一般的であるが、近年では、排気ファンの駆動及び停止や排気量の調節などの操作を、加熱調理器の前面から容易に行えるように構成したものが実用化されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、調理器前面のファン操作部とレンジフードのファン制御部とを配線接続した有線リモコン方式のもの、あるいは、調理器前面のファン操作部からレンジフードのファン制御部に光信号を送信する無線リモコン方式のものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−257930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に示されている無線リモコン方式では、有線リモコン方式のように、調理器とレンジフードとの配線工事は不要であり、容易に据付けることができる。
【0006】
この特許文献1では、調理器の左右の側面とフロアーユニット(キッチンキャビネット)との隙間を覆う左右のサイドモールの一方を、上記ファン操作部を有するリモコンユニットとして利用している。
【0007】
したがって、サイドモールを備えていない加熱調理器の場合には、サイドモールをファン操作部として利用することができず、加熱調理器の前面操作パネル部に、光信号の送信部を含むファン操作部を設置する必要があるが、光信号の送信部は、本来、ユーザーが意識する必要のない機能であり、かかる光信号の送信部を前面操作パネル部に独立に設置したのでは、専用のスペースが必要になると共に、美観を損なうことになる。
【0008】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、無線リモコン方式で排気装置の駆動および停止を制御する加熱調理器において、赤外線信号を送出する機能を、前面パネルに目立つことなく設けることを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0010】
(1)本発明は、加熱部による加熱または加熱停止を指令するための各操作に基づいて、前記加熱部で発生する排気ガスを外部に排出する排気装置の駆動または停止を制御する無線信号を送出する加熱調理器であって、
当該加熱調理器の前面パネルの背部には、加熱部が加熱状態であることを表示する表示光を投光する光源、及び、前記排気装置を制御する前記無線信号を送信する無線信号送信部が設けられ、
前記光源からの表示光及び前記無線信号送信部からの無線信号を、前記前面パネルに設けられた共通の透過窓を通して前方へ透過させるものであり、
前記光源と前記無線信号送信部とを並列配置すると共に、前記光源からの表示光と前記無線信号送信部からの無線信号とを、前記透過窓に導く導光部材を備え、
前記光源が、LEDランプであり、前記無線信号送信部が、赤外線信号を前記無線信号として送信する赤外線LEDであり、
前記導光部材は、一端側が前記透過窓に臨み、他端側が分岐されて前記LEDランプ及び前記赤外線LEDにそれぞれ臨み、
前記LEDランプからの表示光と前記赤外線LEDからの赤外線信号とが、前記導光部材によって、前記他端側から前記一端側に案内されて、前記透過窓に導かれる。
【0011】
本発明によると、表示光を前方へ透過させて加熱部が加熱状態であることを表示する表示部としての透過窓を、排気装置を制御する無線信号としての赤外線信号が透過する透過窓として兼用するので、前面パネルに、赤外線信号送出用の透過窓を独立して配備する必要がなくなる。
【0012】
また、ユーザーは、透過窓を、加熱部が加熱状態であることを表示する表示部として認識するので、赤外線信号を送出する送出部として意識することがない。
【0013】
更に、LEDランプと赤外線LEDとが離れて配置されていても、導光部材によって共通の透過窓に導いて、表示光と赤外線信号を透過送出することができる。
【0014】
(2)本発明の他の実施態様では、前記LEDランプと前記赤外線LEDとを近接配置して単一のコネクタに装着してある。
【0015】
この実施態様によると、LEDランプと赤外線LEDとを離して配置し、個別のコネクタ接続する場合に比べて部品点数を削減して、コストの低減を図ることができる。また、LEDランプと赤外線LEDはコネクタに簡単に脱着することができるので、LEDランプや赤外線LEDの組付けや交換も容易となる。
【0016】
なお、本発明の他の実施態様として、前記透過窓は、前記表示光及び前記赤外線信号を前方へ拡散透過させるようにしてもよい。
【0017】
これによると、赤外線信号を透過窓で広く拡散させて前面パネルの前方に送出し、加熱調理器の前に立つユーザーで確実に反射させて排気装置へ送ることができる。
【0018】
また、本発明の他の実施態様として、前記加熱部を複数備え、加熱部毎に、前記LEDランプ及び前記赤外線LEDを備えると共に、前記透過窓を備え、複数の加熱部のいずれかの加熱部が加熱状態になると、複数の前記赤外線LEDの全てが、前記排気装置を駆動する前記赤外線信号を送信するようにしてもよい。
【0019】
これによると、複数の赤外線LEDのそれぞれから赤外線信号を送信し、透過窓を介して加熱調理器の前に立つユーザーに向けて的確に送出することができ、これによって、赤外線信号を一層確実にユーザーで反射させて、排気装置へ送ることができる。
【発明の効果】
【0020】
このように、本発明によれば、無線リモコン方式で排気装置の駆動および停止を制御する加熱調理器において、無線信号として赤外線信号を送出する機能を、目立つことなく、かつ、前面パネルの美観を損なうことなく前面パネルに設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】加熱調理台とレンジフードを示す側面図である。
図2】加熱調理台の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る加熱調理器の斜視図である。
図4】開閉式操作部を開いた状態の加熱調理器を示す斜視図である。
図5】右上の操作部の正面図である。
図6】左上の操作部の正面図である。
図7】表示部の平面図である。
図8】制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1に、加熱調理台Aとその上方に配備されたレンジフードBの側面が、また、図2に、加熱調理台Aの全体が、また、図3に、加熱調理台Aに組み込まれる加熱調理器Cの全体がそれぞれ示されている。
【0024】
図3に示すように、この加熱調理器Cは、箱形に形成された板金構造の本体1の上部に、最大火力の異なる3つのコンロバーナー2を装備している。本体1の左右中央には、グリルバーナー3b(図示せず)を内装するとともに、前蓋付きのグリルトレー3aを前面から出し入れ可能に装着したグリル庫3を備えており、更に、グリル庫3の左右には、前面操作パネル部Pが配備されている。
この実施形態の加熱調理器Cは、ビルトインタイプに構成されており、キッチンキャビネット4に上方から落とし込み装着される。また、コンロ上部は天板5で覆われると共に、コンロ奥端の上面にグリル庫3の燃焼排ガスを排出するためのグリル排気口6が設けられ、かつ、天板5の上面に各コンロバーナー2に対応した五徳7が載置支持されている。
【0025】
前面操作パネル部Pにおける右側上部と左側上部には、通常使用される操作部Sa,Sbが設けられると共に、前面操作パネル部Pにおける右側下部と左側下部には、図4に示ように、手前に引出し回動可能な開閉式操作部Sc,Sdがそれぞれ備えられている。
【0026】
前面操作パネル部Pの右上に位置する操作部Saには、図5に示ように、右側手前のコンロバーナー2の点火と消火を行うための点/消火ボタン8と、グリルバーナー3bの点火と消火を行うための点/消火ボタン9とが右左に並べて装備されると共に、その上方には、コンロバーナー2の火力調節レバー10と、グリルバーナー3bの火力切替ボタン11とが配備されている。
【0027】
コンロ用の点/消火ボタン8およびグリル用の点/消火ボタン9は、押し下げ操作ごとに点火と消火を繰り返すものであり、ボタンの押し下げによってガス供給路を開くとともに、着火装置を作動させて点火を行い、再度の押し下げ操作に伴って点/消火ボタン8,9が復帰上昇するとガス供給路が閉じられて消火するようになっている。
【0028】
コンロバーナー2の火力調節レバー10は、左右移動によってガス供給路の開度を変更するよう構成されており、火力調節レバー10の右方向への操作で火力が強くなり、左方向への操作で火力が弱められる。また、操作域の左右中間に、炊飯に好適な火力をもたらす操作位置が表示されている。
【0029】
前面操作パネル部Pの左上に位置する操作部Sbには、図6に示ように、左側手前のコンロバーナー2の点火と消火を行うための点/消火ボタン12と、奥側のコンロバーナー2の点火と消火を行うための点/消火ボタン13とが左右に並べて装備されると共に、その上方には、各コンロバーナー2の火力調節レバー14,15が右左に並べて配備されている。なお、これら点/消火ボタン12,13および火力調節レバー14,15は、右側手前のコンロ2の上記点/消火ボタン8および火力調節レバー10と同様に構成されている。
【0030】
図4に示すように、前面操作バネル部Pの右下に位置する開閉式操作部Scは、下端の支点周りに前後揺動可能に装着されており、その背部に、グリルバーナー3b及び右側手前のコンロバーナー2の各種の設定を指令するコンロ用の設定入力パネル16が上向きに備えられている。設定変更を行う場合にのみ開閉式操作部Scを本体1から前倒しに引出して設定入力パネル16を露出させて所望の設定変更操作を行い、通常は、図3に示すように、本体1に押し込み収納して設定入力パネル16をかくしておく。
【0031】
また、前面操作パネル部Pの左下に位置する開閉式操作部Sdは、左側手前のコンロバーナー2及び奥側のコンロバーナー2の各種の設定を指令するコンロ用の設定入力パネル17が、上記グリル及びコンロ用の設定入力パネル16と同様に本体1から引出し収納自在に備えられている。
【0032】
なお、図8に示すように、操作部Sa,Sb、および、開閉式操作部Sc,Sdの各操作情報は主制御部25に伝達され、燃焼制御部26を介して各コンロバーナー2およびグリルバーナー3bの点火/消火作動や火力調節作動が実行されるようになっている。
【0033】
図5図6に示すように、操作部Sa,Sbにおけるパネル面の、コンロ用の各点/消火ボタン8,12,13とこれに対応する火力調節レバー10,14,15との間には、各コンロバーナー2における点火状態を光表示する円形の透過窓からなる表示部18が設けられ、コンロバーナー2が点火していると、これに対応する表示部18の中心部が赤く点灯表示され、点火状態であることが表示部18の赤い点灯表示で視認できるようになっている。
【0034】
上記のように構成された加熱調理器Cにおいては、コンロバーナー2の点火/消火操作、および、グリルバーナー3bの点火/消火操作に連動して、すなわち、加熱部の加熱/加熱停止の操作に連動して赤外線信号を送出し、排気装置であるレンジフードBに備えられた排気ファン19の駆動/停止を制御するものである。以下にその構成について説明する。
【0035】
図7に、各表示部18が拡大して示されている。この表示部18は、前面操作パネル部Pにおけるパネル材20の適所に直径数mm程度の円形に形成されており、パネル材20が樹脂材で形成される場合は、パネル材20を透光可能なものするとともに、パネル表面に円形の表示部18のみを残して印刷や塗装を施すことで、透光可能な透過窓である表示部18を形成することができる。また、パネル材20が金属材や非透光の樹脂材で形成される場合には、パネル材20に形成した円形孔に透光樹脂片またはガラス片を装着して透光可能な透過窓である表示部18を構成することができる。
【0036】
円形に形成された前記表示部18の背後には、コンロバーナー2の点火状態を知らせる赤色の表示光を投光する光源としてのLEDランプ21が配備されるとともに、コンロバーナー2の点火、および、消火の検知に基づいて排気装置制御用の無線信号を送信する無線信号送信部として、赤外線信号を送出する赤外線LED22が前記LEDランプ21に並べて配備されている。
【0037】
前記LEDランプ21と赤外線LED22とは、前面操作パネル部Pにおけるパネル材20の背面、あるいは、本体1側に取付け固定した4極型の単一のコネクタ23に差込み装着されて主制御部25に配線接続されている。
【0038】
これらLEDランプ21及び赤外線LED22と、表示部18との間には、LEDランプ21からの表示光及び赤外線LED22からの赤外線信号を表示部18の背面に案内する透明樹脂製の導光部材27が介在されており、表示光や赤外線信号が共通の透過窓である表示部18を通してパネル前方に透過送出される。
【0039】
また、前記表示部18は、半透明に形成したり、あるいは、拡散用の表面印刷がなされて、入射された赤外線信号が拡散してパネル前方に透過送出される。
【0040】
このように構成された表示部18は、コンロバーナー2の点火に伴って、これに対応するLEDランプ21が発光作動して、点火されたコンロバーナー2に対応する透過窓である表示部18の全面から表示光が透過送出される。
また、いずれかのコンロバーナー2およびグリルバーナー3bが点火されると、全ての赤外線LED22が発光作動して、排気装置を駆動するための赤外線信号が、透過窓である表示部18を介して前方へ透過送出される。
更に、点火しているコンロバーナー2あるいはグリルバーナー3bが最終的に消火されて全てのバーナーが消火状態になると、全ての赤外線LED22が発光作動して、排気装置の駆動を停止するための赤外線信号が、透過窓である表示部18を介して前方へ透過送出される。
【0041】
以上の加熱調理器Cに対して、レンジフードBにおける吸気下面の奥端部位には、図1に示すように赤外線信号を受信する受信部24が斜め前方下方に向けて配備されており、上記表示部18からやや上向きに送出されて、加熱調理台Aの前に立つユーザーで反射した赤外線信号が受信部24で受信されるようになっている。
【0042】
なお、図5において、グリルバーナー3bが加熱状態であることを表示する表示部としてグリルバーナー3bの内の上グリルバーナーの火力が強火力であることを表示する上グリルバーナー強火力表示部38UKとグリルバーナー3bの内の上グリルバーナーが弱火力であることを表示する上グリルバーナー弱火力表示部38UJとを兼用している。つまり、グリルバーナー3bの内の上グリルバーナーの火力が強火力で加熱状態である場合には、上グリルバーナー強火力表示部38UKが赤く点灯表示され、グリルバーナー3bの内の上グリルバーナーの火力が弱火力で加熱状態である場合には、上グリルバーナー弱火力表示部38UJが赤く点灯表示される。また、同様に、グリルバーナー3bが加熱状態であることを表示する表示部としてグリルバーナー3bの内の下グリルバーナーの火力が強火力であることを表示する下グリルバーナー強火力表示部38SKとグリルバーナー3bの内の下グリルバーナーが弱火力であることを表示する下グリルバーナー弱火力表示部38SJとを兼用している。つまり、グリルバーナー3bの内の下グリルバーナーの火力が強火力で加熱状態である場合には、下グリルバーナー強火力表示部38SKが赤く点灯表示され、グリルバーナー3bの内の下グリルバーナーの火力が弱火力で加熱状態である場合には、下グリルバーナー弱火力表示部38SJが赤く点灯表示される。また、コンロバーナー2に対応する透過窓である表示部18と同様に、これら上グリルバーナー強火力表示部38UK、上グリルバーナー弱火力表示部38UJ、下グリルバーナー強火力表示部38SK、及び、下グリルバーナー弱火力表示部38SJからも排気装置を駆動するための赤外線信号が前方へ透過送出されるように、構成されている。
【0043】
次に、基本的な排気ファン制御について説明する。
【0044】
コンロ本体側では、先ず、ユーザーの操作によって、全てのバーナーが消火している状態からいずれかのコンロバーナー2、あるいは、グリルバーナー3bに対する最初の点火指令(初回点火指令)が出されたか否か、および、全てのバーナーを消火状態にする消火指令(最終消火指令)が出されたか否かが判断され、初回点火指令あるいは最終消火指令が出されると各表示部18の赤外線LED22から赤外線信号が送信される。
【0045】
レンジフード側において、初回点火指令に基づいて送出された赤外線信号が受信部24で受信されると、直ちに排気ファン19が起動(駆動)される。
【0046】
また、レンジフード側において、最終消火指令に基づいて送出された赤外線信号が受信部で受信されると、設定した遅延時間(3分〜5分)が経過した後に排気ファン19が停止される。このように、消火操作を行っても暫くの間は排気や熱気が残るので、排気ファン19の停止を遅延することで排気や熱気を十分に排出することができる。
(他の実施形態)
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0047】
(1)上記実施形態では、各コンロバーナー2に対応して設けられた三箇所全ての表示部18から排気装置制御用の赤外線信号を透過発信するようにしているが、予め設定された一つの表示部18、あるいは、左右両端の表示部18からのみ排気装置制御用の赤外線信号を透過発信する形態で実施することもでき、これによると、赤外線LED23の個数を表示部18の数より少なくすることができ、コスト節減に有効となる。
【0048】
(2)上グリルバーナー強火力表示部38UK、上グリルバーナー弱火力表示部38UJ、下グリルバーナー強火力表示部38SK、及び、下グリルバーナー弱火力表示部38SJとは別に、グリルバーナー3bに対する表示部18を備えて実施することもできる。
【0049】
(3)表示部18の正面形状は円形に限られるものではなく、前面パネルである前面操作パネル部Pのデザイン性を考慮して、長円形、方形、矩形等、任意の形状に設定することができる。
【0050】
(4)LEDランプ21と赤外線LED22を装着するコネクタ23は、前面操作パネル部Pにおけるパネル材20の背面に係止爪などを介して係止装着して固定してもよく、あるいは、本体側に備えられた基板にコネクタ23を直接に搭載実装するようにしてもよい。
【0051】
(5)上記実施形態では、加熱部としてガスバーナを用いたが、加熱部はガスバーナに限定されるものではなく、電気ヒータ、IHヒータ等を用いるなどの種々の加熱部を用いた加熱調理器Cに適用可能である。
【0052】
(6)加熱調理器Cは必ずしもビルトインタイプに限られるものではなく、卓上型の加熱調理器に本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0053】
2 加熱部(コンロバーナー)
3b 加熱部(グリルバーナー)
18 表示部(透過窓)
19 排気装置(排気ファン)
21 LEDランプ(光源)
22 赤外線LED(無線信号送信部)
23 コネクタ
27 導光部材
P 前面操作パネル部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8