特許第6129482号(P6129482)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6129482電子地図表示装置、及び電子地図に関する情報の表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129482
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】電子地図表示装置、及び電子地図に関する情報の表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20170508BHJP
   G01C 21/00 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   G09B29/00 F
   G01C21/00
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-90439(P2012-90439)
(22)【出願日】2012年4月11日
(65)【公開番号】特開2013-218210(P2013-218210A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】清水谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】奥田 将斗
(72)【発明者】
【氏名】田川 雅己
(72)【発明者】
【氏名】小田 富彦
(72)【発明者】
【氏名】森田 敬年
(72)【発明者】
【氏名】ペトリ トゥルクライネン
【審査官】 古川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−005630(JP,A)
【文献】 特開2011−069665(JP,A)
【文献】 特開2006−162755(JP,A)
【文献】 特開2002−259833(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0180131(US,A1)
【文献】 特開2011−069664(JP,A)
【文献】 おトクで便利なソフトがたっぷり!! オンライン ソフト スクランブル,Mac Fan 第17巻 第1号,日本,株式会社毎日コミュニケーションズ,2008年12月 4日,第82頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00 − 29/14
G01C 21/00 − 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得単位ごとに電子地図を取得する地図データ取得部と、
購入済み及び未購入の前記電子地図の領域を含む地図の概略図である概略地図を記憶する記憶部と、
少なくとも縮尺変更及びスクロール可能な態様で表示される前記概略地図を表示する表示部と、
少なくとも購入済みの前記電子地図について、当該電子地図が現在利用可能か否か、前記電子地図のデータを取得済みか否か、及び前記電子地図のライセンスの有無の少なくとも何れかを前記取得単位ごとに判断した判断結果を取得するとともに、当該判断結果に応じて、前記電子地図が収録されている領域の範囲を示す範囲表示の表示態様を異ならせて前記概略地図に重畳させて前記表示部に表示する演算部と、
を備えることを特徴とする電子地図表示装置。
【請求項2】
請求項に記載の電子地図表示装置であって、
前記演算部は、前記電子地図のデータが更新済か否かを前記取得単位ごとに判断した判断結果を更に取得するとともに、当該判断結果に応じて、前記範囲表示の表示態様を異ならせて前記概略地図に重畳させて前記表示部に表示することを特徴とする電子地図表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子地図表示装置であって、
前記演算部は、前記概略地図の縮尺が所定よりも大きい場合はメルカトル図法で当該概略地図を表示し、当該縮尺が所定以下の場合は、地球が球状に見えるように前記概略地図を座標変換して表示するように構成されており、前記概略地図の表示態様に応じて前記範囲表示を座標変換して表示することを特徴とする電子地図表示装置。
【請求項4】
請求項1からまでの何れか一項に記載の電子地図表示装置であって、
前記演算部は、前記電子地図に関する情報として、前記判断結果前記表示部にリスト表示することを特徴とする電子地図表示装置。
【請求項5】
請求項1からまでの何れか一項に記載の電子地図表示装置であって、
前記演算部は、
予定ルートを設定するとともに、前記予定ルートを前記電子地図上に重畳させて前記表示部に表示するルート設定部と、
前記予定ルートが通る領域の少なくとも一部を収録した前記電子地図の前記範囲表示を、画面に表示されている前記電子地図上に重畳させて前記表示部に表示する通過予定地図情報表示部と、
を備え、
前記通過予定地図情報表示部は、前記範囲表示に係る前記電子地図が現在利用可能か否かに応じて、当該範囲表示の表示態様を異ならせることを特徴とする電子地図表示装置。
【請求項6】
請求項1からまでの何れか一項に記載の電子地図表示装置であって、
前記演算部は、
予定ルートを設定するルート設定部と、
前記予定ルートが通る領域の少なくとも一部を収録した前記電子地図の前記判断結果前記表示部にリスト表示する通過予定地図情報表示部と、
を備えることを特徴とする電子地図表示装置。
【請求項7】
請求項1からまでの何れか一項に記載の電子地図表示装置であって、
前記演算部は、更に、未購入の前記電子地図が収録されている領域の範囲を示す前記範囲表示を前記概略地図に重畳させて前記表示部に表示することを特徴とする電子地図表示装置。
【請求項8】
コンピュータが、取得単位ごとに電子地図を取得する地図データ取得工程と、
少なくとも購入済みの前記電子地図について、当該電子地図が現在利用可能か否か、前記電子地図のデータを取得済みか否か、及び前記電子地図のライセンスの有無の少なくとも何れかを前記取得単位ごとにコンピュータが判断する判断工程と、
コンピュータが、購入済み及び未購入の前記電子地図の領域を含む地図の概略図である概略地図を、少なくとも縮尺変更及びスクロール可能な態様で表示するとともに、前記判断工程での判断結果に応じて、前記電子地図が収録されている領域の範囲を示す範囲表示の表示態様を異ならせて前記概略地図に重畳させて表示する表示工程と、
を含むことを特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、電子海図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航海用機器として、ECDIS(Electronic Chart Display and Information System:電子海図表示情報システム)やECS(Electronic Chart System:電子海図システム)と呼ばれる電子海図表示システムが知られている。これらは、電子海図データに基づいて、コンピュータ画面上に電子海図を表示するものである。
【0003】
電子海図は、電子海図表示システムそのものとは別に購入するようになっている。この電子海図は、水路当局の測量データや紙海図に図載されている情報を元にデータ化したものである。このため、各電子海図は、元になっている情報の違いにより、収録されている海域の範囲の大きさや、収録されているデータの詳細度などがそれぞれ異なっている。世界中のさまざまな海域について、収録範囲や詳細度が異なるさまざまな電子海図が刊行されている。ユーザは、自身が必要とする電子海図のみを選択して購入・取得して利用できる。ユーザが電子海図を取得できる単位のことを、本明細書では「取得単位」と呼ぶ。
【0004】
ユーザは、電子海図を購入すると、当該電子海図のデータを取得して電子海図表示システムにインストールする。また、ユーザは、購入した電子海図のライセンスを取得する。電子海図表示システムに電子海図データがインストールされ、かつ当該電子海図のライセンスが有効な場合に限り、当該電子海図を利用することができる。
【0005】
この点、特許文献1は電子海図に関するものではないが、予め区分された領域の中からユーザが購入するエリアを選択することにより、当該エリアに該当する地図データをユーザが利用可能になるナビゲーション装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−5630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、電子海図表示システムのユーザは、取得単位ごとに電子海図を購入・取得可能である。しかし、購入した電子海図が多数に及ぶ場合、各電子海図のデータのインストールの有無や、各電子海図のライセンスの有無をユーザが把握することは困難である。
【0008】
また、各電子海図は、定期的に更新されて、更新情報が提供される。航行の安全のためには電子海図を最新版に更新することが望ましいが、購入した電子海図が多数に及ぶ場合、各電子海図が更新済か否かをユーザが把握することは困難である。
【0009】
また、電子海図は収録範囲や詳細度などが異なった様々な種類のものが用意されているので、海域ごとに1種類だけ電子海図を購入すれば良いというものではない。例えば、遠洋航行中に寄港する場合、広域な海図に加えて、港内の詳細な海図も必要になる。しかし、購入した電子海図が多数に及ぶ場合、どの電子海図を購入済みであるかをユーザが把握することは困難である。このため、新しく電子海図を購入する場合、どの電子海図を購入すれば良いかをユーザが判断し難い場合がある。
【0010】
このように、電子海図表示システムでは、収録範囲や詳細度などが異なるさまざまな種類の電子海図が個別に提供されているので、購入した電子海図のステータス(データを取得済みか、ライセンスは有るか、データは更新済みか、など)をユーザが的確に把握することは極めて困難である。この点、特許文献1に記載のナビゲーション装置は、もともとインストールしてある1種類の地図データを区分しておき、その中からユーザに使用エリアを選択させるという構成であるから、購入済みの地図データをユーザが把握することに格別の困難は無いと考えられる。そもそも、特許文献1には、購入した地図データをユーザが把握し易くするという観点での記載はない。
【0011】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、電子海図のステータスを取得単位ごとに容易に把握できる電子海図表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0013】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の電子地図表示装置が提供される。即ち、この電子地図表示装置は、地図データ取得部と、記憶部と、表示部と、演算部と、を備える。前記地図データ取得部(海図データ取得部)は、取得単位ごとに電子地図を取得する。前記記憶部は、購入済み及び未購入の前記電子地図の領域を含む地図の概略図である概略地図を記憶する。前記表示部は、少なくとも縮尺変更及びスクロール可能な態様で表示される前記概略地図を表示する。前記演算部は、少なくとも購入済みの前記電子地図について、当該電子地図が現在利用可能か否か、前記電子地図のデータを取得済みか否か、及び前記電子地図のライセンスの有無の少なくとも何れかを前記取得単位ごとに判断した判断結果を取得するとともに、前記判断結果に応じて、前記電子地図が収録されている領域の範囲を示す範囲表示の表示態様を異ならせて前記概略地図に重畳させて前記表示部に表示する。
【0014】
これにより、電子地図が利用可能か否か、電子地図のインストールの有無、電子地図のライセンスの有無、電子地図データの更新の有無等を取得単位ごとに容易に把握することができる。また、電子地図に収録されている領域の範囲を概略地図上に表示することで、電子地図の内容を取得単位ごとに直感的に把握できる。そして、当該範囲表示の表示態様を、電子地図のステータスに応じて異ならせることにより、電子地図のステータスを、取得単位ごとに直感的に把握できる。
【0019】
上記の電子地図表示装置において、前記地図情報表示部は、前記電子地図のデータが更新済か否かに応じて、前記電子地図に関する情報の表示態様を異ならせることが好ましい。
【0020】
これによれば、電子地図データの更新の有無を、取得単位ごとに容易に把握できる。
【0025】
上記の電子地図表示装置は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記演算部は、前記概略地図の縮尺が所定よりも大きい場合はメルカトル図法で当該概略地図を表示し、当該縮尺が所定以下の場合は、地球が球状に見えるように前記概略地図を座標変換して表示する。そして、前記地図情報表示部は、前記概略地図の表示態様に応じて前記範囲表示を座標変換して表示する。
【0026】
即ち、メルカトル図法で広い範囲を表示した場合は、緯度差によって面積比を正しく把握できなくなるので、縮尺が小さくなったときには地球を3次元的に表示すると良い。これに合わせて、各電子地図の収録範囲の表示を座標変換して表示することにより、前記収録範囲を概略地図上で正しく表示できる。
【0027】
上記の電子地図表示装置において、前記演算部は、前記電子地図に関する情報として、前記判断結果前記表示部にリスト表示することが好ましい。
【0028】
このように、電子地図のステータスをリスト表示することで、電子地図に関するより詳細な情報を、取得単位ごとにユーザに提示できる。
【0029】
上記の電子地図表示装置は、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記演算部は、ルート設定部と、通過予定地図情報表示部と、を備える。前記ルート設定部は、予定ルートを設定するとともに、前記予定ルートを電子地図上に重畳させて前記表示部に表示する。前記通過予定地図情報表示部は、前記予定ルートが通る領域の少なくとも一部を収録した電子地図に収録されている領域の範囲を示す前記範囲表示を、画面に表示されている前記電子地図上に重畳させて前記表示部に表示する。また、通過予定地図情報表示部は、前記範囲表示に係る前記電子地図が現在利用可能か否かに応じて、前記範囲表示の表示態様を異ならせる。
【0030】
これによれば、設定したルートを航行するために必要な電子地図が利用可能か否かを、電子地図上で視覚的に把握できる。
【0031】
上記の電子地図表示装置は、以下のように構成することもできる。即ち、前記演算部は、ルート設定部と、通過予定地図情報表示部と、を備える。前記ルート設定部は、予定ルートを設定する。前記通過予定地図情報表示部は、前記予定ルートが通る領域の少なくとも一部を収録した前記電子地図の前記判断結果前記表示部にリスト表示する。
【0032】
これによれば、設定したルートを航行するために必要な電子地図のステータスを容易に把握できる。
【0033】
本発明の第2の観点によれば、以下の表示方法が提供される。即ち、この表示方法は、地図データ取得工程と、判断工程と、表示工程と、を含む。前記地図データ取得工程では、コンピュータが、取得単位ごとに電子地図を取得する。前記判断工程では、少なくとも購入済みの前記電子地図について、当該電子地図が現在利用可能か否か、前記電子地図のデータを取得済みか否か、及び前記電子地図のライセンスの有無の少なくとも何れかを前記取得単位ごとにコンピュータが判断する。前記表示工程では、コンピュータが、購入済み及び未購入の前記電子地図の領域を含む地図の概略図である概略地図を、少なくとも縮尺変更及びスクロール可能な態様で表示するとともに、前記判断工程での判断結果に応じて、前記電子地図が収録されている領域の範囲を示す範囲表示の表示態様を異ならせて前記概略地図に重畳させて表示する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の一実施形態に係る電子海図表示装置の構成を示すブロック図。
図2】海図表示画面の例を示す図。
図3】海図情報画面の例を示す図。
図4】地球を三次元的に表示した海図情報画面の例を示す図。
図5】収録範囲表示枠の表示態様と電子海図のステータスとの対応関係を例示する図。
図6】海図情報リストを表示した状態を示す図。
図7】ルートプランニング画面の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1に示すのは、本発明の実施形態に係る電子海図表示装置6を備えた電子海図表示情報システム(ECDIS)1のブロック図である。
【0036】
電子海図表示情報システム1は、船舶に搭載されて航行に必要な各種の情報を表示するためのものである。電子海図表示情報システム1は、レーダ装置2、GPS(全地球測位システム)受信機3、ジャイロコンパス4、電子海図表示装置(電子地図表示装置)6などから構成されている。
【0037】
レーダ装置2は、アンテナによる電波の送受信により、自船周囲の物標の様子を取得するとともに、当該周囲の物標の様子を示す二次元画像(レーダ映像)を生成する周知の構成である。レーダ装置2が生成したレーダ映像は、電子海図表示装置6に表示することができる。GPS受信機3は、GPS衛星からの信号に基づいて、地球上における自船の絶対座標を取得する公知の構成である。GPS受信機3が取得した自船の絶対座標は、電子海図表示装置6に出力される。ジャイロコンパス4は、自船の船首方位を取得するためのものである。ジャイロコンパス4が取得した船首方位は、電子海図表示装置6に出力される。
【0038】
電子海図表示装置6は、電子海図(電子地図)を表示するための装置である。電子海図表示装置6は、表示部10、操作部11、演算部12、記憶部13、海図データ取得部15、ライセンスキー取得部16、更新情報取得部17、電子海図カタログ取得部18などを備えている。
【0039】
操作部11は、マウスやキーボードなど、ユーザが操作できる入力装置から構成されている。表示部10は例えばカラーの液晶ディスプレイであり、電子海図を適切に表示できるように構成されている。
【0040】
記憶部13は例えばハードディスクであり、取得した電子海図のデータが記憶されている。電子海図のデータは、当該電子海図データの提供者(以下、単に「提供者」とする)から、例えばCD−ROMなどの記憶媒体によって提供される。海図データ取得部15は、このCD−ROMを読み込むことにより電子海図のデータを取得し、記憶部13にインストールする。なお、近年は衛星通信による電子海図データの提供も一般的になりつつある。そこで、海図データ取得部15は、衛星通信によって電子海図のデータを取得するように構成されていても良い。その他にも、電子海図のデータは適宜の手段によって取得できる。
【0041】
なお、本実施形態の電子海図表示装置6が扱う電子海図は、航海用電子海図(ENC)と呼ばれるベクター形式の海図であっても良いし、航海用ラスター海図(RNC)と呼ばれるラスター形式の海図であっても良い。また、ENCやRNCというのは公的機関によって刊行されたものを指すが、これに限らず、非公式(私的)海図であっても本実施形態の電子海図表示装置6で扱うことができる。
【0042】
電子海図のデータは暗号化されて提供されている場合が多く、このような場合はライセンスキーを取得しなければ当該電子海図を利用できない。ライセンスキー取得部16は、提供者から通知されるライセンスキーを適宜の方法で取得する。ライセンスキーを取得することで、記憶部13にインストールされている電子海図のデータを利用可能になる。なお、ライセンスキーは、電子海図の取得単位ごとに付与される。従って、取得単位ごとにライセンスキーを取得しなければならない。また、ライセンスには有効期限があり、有効期限が切れた場合には改めてライセンスキーを取得する必要がある。
【0043】
電子海図は定期的に更新されており、提供者から更新情報データが提供される。更新情報取得部17は、上記更新情報データを取得して、記憶部13にインストールされている電子海図のデータを最新状態にアップデートするように構成されている。提供者からの更新情報データは、CD−ROMなどの記憶媒体、e−mailの添付ファイル、又は衛星通信など、適宜の手段によって取得できる。なお、電子海図の更新は、通常、該当する海域の水路当局が海図更新情報を発行する周期で行われる。このため、電子海図の更新周期は取得単位ごとに異なっており、更新作業は電子海図の取得単位ごとに別々に行う必要がある。
【0044】
また、電子海図の提供者は、自身が提供している電子海図に関する情報を含むカタログデータを配布している。電子海図カタログ取得部18は、このカタログデータを取得するように構成されている。提供者からのカタログデータは、CD−ROMなどの記憶媒体、e−mailの添付ファイル、又は衛星通信など、適宜の手段によって取得できる。
【0045】
演算部12は、CPU、RAM、ROMなどのハードウェアからなるコンピュータとして構成されている。また、前記記憶部13には、演算部12で実行させる電子海図表示プログラム(電子地図表示プログラム)などのソフトウェアが記憶されている。そして、電子海図表示装置6は、記憶部13に記憶されている電子海図表示プログラムを演算部12に実行させることにより、当該演算部12を、概略地図表示部22、海図情報表示部(地図情報表示部)23、ルート設定部24、通過予定海図情報表示部(通過予定地図情報表示部)25等として機能させるように構成されている。
【0046】
演算部12は、記憶部13に記憶されている電子海図のデータに基づいて、当該電子海図を表示部10に表示させるように構成されている。表示部10に電子海図が表示された様子(海図表示画面30)の例を、図2に示す。演算部12は、GPS受信機3やジャイロコンパス4等から得た情報に基づいて、自船の位置や進行方向に応じて海図を表示することができる。なお、電子海図のデータに基づいて海図を表示する構成は公知であるから、詳細な説明は省略する。
【0047】
続いて、本実施形態の特徴的な構成について説明する。
【0048】
本実施形態の電子海図表示装置6は、図3に示すような海図情報画面31を、表示部10に表示させることができるように構成されている。なお、海図表示画面30から海図情報画面31への切り換えは、ユーザが適宜の操作を行うことにより行うことができる。
【0049】
概略地図表示部22は、図3に示すように、海岸線の形状を概略的に示す概略地図33を、海図情報画面31に表示するように構成されている。この概略地図33は、電子海図のデータから生成されたものではなく、電子海図とは別に記憶部13に予め記憶されている地球全体の海岸線データに基づいて生成される。従って、概略地図33は、電子海図データを利用できない海域についても表示できる。
【0050】
概略地図表示部22は、ユーザの適宜の操作に応じて、概略地図33の縮尺及び表示中心座標を変更するように構成されている。これにより、ユーザは、概略地図33を任意に縮尺変更、及びスクロールできるので、所望の海域についての概略地図33を海図情報画面31に表示させることができる。
【0051】
概略地図表示部22は、概略地図33の縮尺が所定よりも大きい場合は、当該概略地図33をメルカトル図法によって平面的に表示するように構成されている(図3)。しかし、メルカトル図法では、広い範囲を表示した場合に、緯度差によって面積比が正しく表示されなくなってしまう。そこで、概略地図表示部22は、概略地図33の縮尺が所定以下に設定された場合は、地球が3次元の球状に見えるように、概略地図33を座標変換して表示するように構成されている(図4)。なお、地球を3次元的に表示した状態であっても、ユーザは、概略地図33の拡大縮小、およびスクロール(地球の回転)を任意に行うことができる。
【0052】
海図情報表示部23は、海図情報画面31において、電子海図に関する情報を取得単位ごとに表示するように構成されている。本実施形態において、海図情報表示部23は、電子海図に関する情報として、図3及び図4に示すように、収録範囲表示枠(範囲表示)34を概略地図33に重畳させて表示するように構成されている。
【0053】
それぞれの収録範囲表示枠34は、電子海図に収録されている海域(領域)の範囲(収録範囲)の外縁を、概略地図33上でグラフィカルに表示すものである。また、各収録範囲表示枠34の近傍には、対応する電子海図の取得単位の名称(GB101、GB102、…など)が表示されている。従って、ユーザは、概略地図33上の収録範囲表示枠34の表示を見ることにより、取得単位ごとに、電子海図に収録されている海域の範囲を容易に把握できる。
【0054】
電子海図の取得単位ごとの情報(具体的には、取得単位の名称と、その収録範囲)は、電子海図カタログ取得部18が取得したカタログデータに基づいて取得できる。なお、提供者が配布しているカタログデータには、ユーザが未購入の電子海図に関する情報も収録されている。従って、本実施形態の海図情報表示部23は、購入済の電子海図の収録範囲に加えて、未購入の電子海図の収録範囲も表示できる。
【0055】
海図情報表示部23は、まず、各電子海図(現在利用できる電子海図に加えて、未購入の電子海図や、ライセンスが切れた電子海図など、現在は利用できない電子海図も含む)の収録範囲を示す情報を、カタログデータから取得する。続いて海図情報表示部23は、海図情報画面31に表示されている概略地図33の、画面上での座標系を取得する。海図情報表示部23は、各電子海図の収録範囲を、概略地図33の画面上での座標系に座標変換する。なお、この座標変換は、概略地図33がメルカトル図法で表示されている場合(図3)であっても、地球が球状に見えるように表示されている場合(図4)であっても、適切に行うことができるようになっている。
【0056】
そして海図情報表示部23は、電子海図の収録範囲の外縁を示す収録範囲表示枠34を、概略地図33に重畳させて表示する。これにより、概略地図33がメルカトル図法で表示されている場合(図3)であっても、地球が球状に見えるように立体的に表示されている場合(図4)であっても、電子海図の収録範囲を概略地図33上で正しく表示できる。
【0057】
また、ユーザが適宜の操作を行って概略地図33を拡大縮小したりスクロールしたりした場合、海図情報表示部23は、収録範囲表示枠34の表示を更新するように構成されている。つまり、ユーザによる拡大縮小やスクロールの操作に追従して、収録範囲表示枠34も拡大縮小ないしスクロールするようになっている。従って、ユーザは、概略地図33を拡大縮小、又はスクロールさせて表示範囲を適宜設定することにより、所望の海域についての電子海図に関する情報のみを、海図情報画面31に表示させることができる。
【0058】
そして本実施形態の海図情報表示部23は、電子海図に関する情報の表示態様を、当該電子海図のステータスに応じて異ならせるように構成されている。
【0059】
より具体的には、本実施形態の海図情報表示部23は、電子海図のステータスに応じて、収録範囲表示枠34の表示態様を異ならせている。例えば図3及び図4では、電子海図のステータスに応じて、収録範囲表示枠34の線種を、実線、鎖線、一点鎖線、二点鎖線、というように異ならせている。収録範囲表示枠34の線種と、電子海図のステータスとの対応関係の例を図5に示す。ただし図5の対応関係はあくまで例示であって、これに限定されるわけではない。
【0060】
このように、電子海図のステータスに応じて収録範囲表示枠34の表示態様を異ならせることにより、電子海図のステータスを取得単位ごとに容易に把握できる。電子海図のステータスとしては様々なものが考えられるが、図3又は図4の海図情報画面31を見たときに、現在利用可能な電子海図と、利用不可能な電子海図とを一目で判別できれば、ユーザにとって便利である。そこで、少なくとも、電子海図が現在利用可能か否かに応じて、収録範囲表示枠34の表示態様を異ならせれば好適である。
【0061】
そこで、本実施形態の海図情報表示部23は、電子海図が現在利用可能か否かを取得単位ごとに判断するように構成されている。ところで前述のように、本実施形態の電子海図表示装置6では、電子海図のデータを取得したうえで、当該電子海図のライセンスを有効に取得することにより、はじめて当該電子海図を利用可能になる。そこで本実施形態の海図情報表示部23は、電子海図のデータが取得済みか否か、及び、電子海図のライセンスの有無を、カタログデータに収録されている各電子海図について取得単位ごとに判断する。そして海図情報表示部23は、電子海図のデータが取得済みか否かの判断結果、及び、電子海図のライセンスの有無の判断結果に応じて、収録範囲表示枠34の表示態様を異ならせるように構成されている。
【0062】
これによれば、ユーザは、海図情報画面31を一目見るだけで、どの電子海図が現在利用可能で、どの電子海図が利用不可能かを判断できる。例えばユーザは、航行予定の海域の電子海図のデータが取得済か否かを海図情報画面31を一目見るだけで判断できるので、当該データを取得していない場合は、当該データを提供者から取得しなければならないと判断できる。また例えば、ユーザは、航行予定の海域の電子海図のライセンスの有無を海図情報画面31を一目見るだけで判断できるので、当該ライセンスが無い場合(もともとライセンスを取得していない場合と、取得したライセンスの有効期限が切れた場合の両方を含む)は、当該ライセンスを提供者から取得しなければならないと判断できる。
【0063】
また本実施形態の海図情報表示部23は、電子海図のデータが更新済みか否かに応じても、収録範囲表示枠34の表示態様を異ならせるように構成されている。なお、電子海図のデータが更新済みか否かは、当該電子海図のデータが所定の更新周期の間に更新されたか否かに基づいて判断できる。
【0064】
これによれば、ユーザは、海図情報画面31を一目見るだけで、どの電子海図が最新版かを判断できる。例えばユーザは、航行予定の海域の電子海図のデータが最新版か否かを海図情報画面31を一目見るだけで判断できるので、当該データが最新版でない場合は、当該データを更新しなければならないと判断できる。
【0065】
一方、航行予定が無い海域に関する電子海図であれば、データを取得していなかったり、ライセンスが無かったり、更新していなかったりしても当面の問題は無い。つまり、航行予定に関係無い電子海図については、利用不可能な状態であっても無視してかまわないのである。この点、上記の構成によれば、概略地図上において電子海図の情報(具体的には収録範囲)をグラフィカルに表示しているので、航行予定に関係がある電子海図か否かを、収録範囲ごとに直感的に把握できる。
【0066】
以上のように本実施形態の構成によれば、ユーザは、海図情報画面31において収録範囲表示枠34の表示態様を見るだけで、電子海図のステータス(利用可能か否か、更新済みか否かなど)を、取得単位ごとに容易に把握できる。そして、本実施形態では、収録範囲表示枠34によって電子海図の収録範囲を概略地図33上にグラフィカルに示しているので、ユーザは、電子海図がどの海域に関するものであるかを取得単位ごとに容易に把握できる。これにより、ユーザは、データを取得しなければならないか否か、ライセンスを取得しなければならないか否か、データを更新しなければならないか否か、などを電子海図の取得単位ごとに容易に判断できる。
【0067】
ただし、上記の収録範囲表示枠34は、電子海図に関する情報を概略地図33上でグラフィカルに表示するものであるから、直感的ではあるものの、例えば、ライセンスが無い電子海図はいくつあるのか、といった詳細な情報を読み取るには不向きである。
【0068】
そこで、本実施形態の海図情報表示部23は、電子海図に関する情報を取得単位ごとに表示するための別の態様として、図6に示すように、各電子海図の情報をリスト表示した海図情報リスト35を、海図情報画面31に表示できるように構成されている。この海図情報リスト35は、海図情報画面31に常時表示されていても良いし、ユーザが所定の操作を行ったときのみ海図情報画面31に表示される構成であっても良い。
【0069】
海図情報表示部23が表示する海図情報リスト35は、取得単位ごとに、電子海図に関する情報をリスト表示するものである。リスト表示する情報としては、例えば、電子海図の取得単位の名称、電子海図のデータのタイプなどである。電子海図の取得単位ごとの情報(名称、タイプなど)は、電子海図カタログ取得部18が取得したカタログデータに基づいて、取得できる。前述のように、カタログデータにはユーザが未購入の電子海図に関する情報も収録されているので、未購入の電子海図の情報もリスト表示できる。
【0070】
そして本実施形態の海図情報表示部23は、電子海図のステータスに応じて、海図情報リスト35の表示態様を異ならせるように構成されている。具体的には、海図情報リスト35において、各電子海図についての情報の行に、当該電子海図のステータスを示す文字列が表示されるように構成されている(図6の「ステータス」のカラム)。ユーザは、この文字列を確認することにより、各電子海図のステータスを明確に把握できる。
【0071】
ところで、電子海図は世界中のものが提供されているので、仮にカタログデータに収録されている情報を全てリストアップした場合は、海図情報リスト35の閲覧性が悪くなる場合がある。そこで海図情報表示部23は、概略地図33上に収録範囲表示枠34が表示されている電子海図に関する情報のみ、海図情報リスト35に表示するように構成しても良い(つまり、概略地図33から完全にはみ出している電子海図に関する情報は、海図情報リスト35に表示しないようにしてもよい)。これによれば、ユーザは、概略地図33を拡大縮小、又はスクロールさせて表示範囲を適宜設定することにより、所望の海域についての電子海図に関する情報のみを、海図情報リスト35にリスト表示させることができる。
【0072】
また、海図情報リスト35の表示内容は、各カラムの内容に応じてソートできても良い。例えば、ユーザが適宜の操作を行うことにより、ライセンスが無い電子海図に関する情報を優先的に表示する、というようにソートして表示できれば好適である。これによれば、どの電子海図のライセンスを取得しなければならないかを容易に把握できる。
【0073】
続いて、本実施形態の電子海図表示装置6におけるルート設定について説明する。
【0074】
電子海図表示装置6は、航行予定のルート(予定ルート)を設定することができるように構成されている。予定ルートは、ユーザがルートプランニング画面で適宜の操作を行うことにより、設定できる。ルートプランニング画面37の例を図7に示す。
【0075】
まず、ユーザは、予定ルートを全体的に表示できる電子海図をルートプランニング画面37に表示させる。続いてユーザは、ルートプランニング画面37に表示された電子海図上で、複数のポイント38を設定していく。ルート設定部24は、ユーザが設定したポイント38を順に直線で結ぶことにより、予定ルート39を設定する。そして、ルート設定部24は、設定した予定ルート39を、ルートプランニング画面37において、電子海図上に重畳させて表示させる(図7)。
【0076】
通過予定海図情報表示部25は、予定ルート39が通る海域の少なくとも一部を収録した電子海図に関する情報を表示するように構成されている。通過予定海図情報表示部25は、まず、各電子海図(現在利用できる電子海図に加えて、未購入の電子海図や、ライセンスが切れた電子海図など、現在は利用できない電子海図も含む)の収録範囲を示す情報を、カタログデータから取得する。続いて通過予定海図情報表示部25は、カタログデータから取得した情報の中から、ルート設定部24が設定した予定ルート39が通る海域の少なくとも一部を収録している電子海図の情報を抽出する。そして通過予定海図情報表示部25は、抽出した電子海図の収録範囲を示す収録範囲表示枠34を、ルートプランニング画面37の電子海図上に重畳させて表示させるように構成されている(図7)。
【0077】
これによれば、予定ルートに関連した電子海図についての情報のみを、ルートプランニング画面37に表示できる。ユーザは、ルートプランニング画面37に表示された収録範囲表示枠34と、予定ルート39と、を確認することにより、設定したルートを航行するために必要な電子海図を、取得単位ごとに容易に把握できる。そして通過予定海図情報表示部25は、電子海図のステータスに応じて、収録範囲表示枠34の表示態様を異ならせている。なお、収録範囲表示枠34の表示態様に関しては前述したので、説明を省略する。
【0078】
上記の構成によれば、ユーザは、設定した予定ルート39を航行するために必要な電子海図のステータスを、一目で判断できる。従って、例えば予定ルート39が通る海域の電子海図のライセンスが無い場合は、当該ライセンスを提供者から取得しなければならないと判断できる。
【0079】
また、通過予定海図情報表示部25は、予定ルート39が通る海域の少なくとも一部を収録した電子海図のステータスをリスト表示できるように構成されていても良い。これによれば、ユーザは、設定した予定ルート39を航行するために必要な電子海図のステータスを、より明確に把握できる。
【0080】
以上で説明したように、本実施形態の電子海図表示装置6は、取得単位ごとに電子海図を取得して表示可能であって、以下のように構成されている。即ち、この電子海図表示装置6は、海図情報表示部23を備える。海図情報表示部23は、電子海図が現在利用可能か否かを取得単位ごとに判断するとともに、前記電子海図が現在利用可能か否かに応じて、電子海図に関する情報を取得単位ごとに表示する。
【0081】
従って、この電子海図表示装置6を利用して行う電子海図に関する情報の表示方法は、以下のようなものである。即ち、この表示方法は、判断工程と、海図情報表示工程を含む。判断工程では、電子地図が現在利用可能か否かを取得単位ごとに判断する。海図情報表示工程では、電子海図が現在利用可能か否かに応じて、電子海図に関する情報を取得単位ごとに表示する。
【0082】
このように、電子海図のステータスに応じて情報の表示態様を異ならせることで、当該電子海図のステータスを取得単位ごとに容易に把握できる。
【0083】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0084】
本発明の電子地図表示装置は、船舶用の電子海図を表示する装置に限らず、例えば自動車用のナビゲーション装置など、電子データ形式で提供される地図を表示する装置に広く適用できる。
【0085】
上記実施形態では、電子海図のステータスに応じて収録範囲表示枠34の線種を異ならせる構成としているが、これに限らない。例えば、電子海図のステータスに応じて収録範囲表示枠34の線の色を変更するなど、表示態様の変更方向としてはさまざまなものが考えられる。
【0086】
また、上記実施形態では、電子海図の収録範囲を表示するために、当該収録範囲の外縁を表示する構成としている。しかし、電子海図の収録範囲の表示方法としては、当該収録範囲を枠で囲って表示するものに限らず、例えば収録範囲をハッチングで示すようにしても良い。
【0087】
電子海図のステータスとしては、上記のものに限らない。例えば、図5に示すように、電子海図のデータをインストールする際にエラーが発生したか否かに基づいて、当該電子海図に関する情報の表示態様を異ならせても良い。
【0088】
また、電子地図の情報を概略地図上にグラフィカルに表示する態様としては、上記の範囲表示に限定されるわけではない。例えば、各電子地図のステータスに応じたアイコンを、概略地図に重畳表示するように構成しても良い。このとき概略地図上にアイコンを表示する位置は、例えば、各電子地図の収録範囲の中心座標に対応した位置とすれば良い。
【0089】
地球が球状に見えるように表示するための具体的な実現方法は特に限定されない。例えば公知の3Dグラフィック演算によって3次元の地球を描画しても良いし、正射図法などの地図投影法によって地球が擬似的に球形に見えるようにしても良い。
【符号の説明】
【0090】
6 電子海図表示装置(電子地図表示装置)
22 概略地図表示部
23 海図情報表示部(地図情報表示部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7