特許第6129488号(P6129488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129488
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】車両用ミラー装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/06 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
   B60R1/06 D
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-159015(P2012-159015)
(22)【出願日】2012年7月17日
(65)【公開番号】特開2014-19274(P2014-19274A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】吉田 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正継
(72)【発明者】
【氏名】岩月 正和
(72)【発明者】
【氏名】武藤 裕行
(72)【発明者】
【氏名】横山 一幸
(72)【発明者】
【氏名】濱田 健宏
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−101699(JP,A)
【文献】 実開平03−125642(JP,U)
【文献】 特表2006−523575(JP,A)
【文献】 実開昭62−161053(JP,U)
【文献】 実公平03−016770(JP,Y2)
【文献】 実開昭64−016942(JP,U)
【文献】 実開平07−042724(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に支持され、支持部材の外周を被覆部材が被覆する支持体と、
前記支持部材に支持されると共に、ミラーが設けられ、前記被覆部材との間に隙間が形成されると共に、前記支持体に対し回動されることで前記ミラーが格納又は起立される回動体と、
前記被覆部材に設けられ、上側に配置される前記回動体に接触されて前記隙間寸法が規定されると共に、前記ミラーの起立位置から格納位置までの範囲において前記隙間寸法が維持される接触部と、
を備えた車両用ミラー装置。
【請求項2】
前記接触部を前記回動体に点接触させる請求項1記載の車両用ミラー装置。
【請求項3】
前記接触部を3個以上設けた請求項1又は請求項2記載の車両用ミラー装置。
【請求項4】
複数の前記接触部を前記回動体の回動中心を中心とする同一円上に配置した請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両用ミラー装置。
【請求項5】
前記回動体の回動中心より前記支持体に対する前記回動体の突出側に前記接触部を配置した請求項1〜請求項4の何れか1項記載の車両用ミラー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミラーが設けられる回動体が支持体に支持される車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のドアミラーでは、ミラーベースにミラーハウジングが支持されており、ミラーベースの対向面とミラーハウジングの対向面との間に隙間が形成されている。
【0003】
しかしながら、このドアミラーでは、ミラーベースの対向面とミラーハウジングの対向面との隙間寸法にバラツキが発生し易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第03/033303号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、支持体と回動体との間の隙間寸法を安定化できる車両用ミラー装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用ミラー装置は、車体側に支持され、支持部材の外周を被覆部材が被覆する支持体と、前記支持部材に支持されると共に、ミラーが設けられ、前記被覆部材との間に隙間が形成されると共に、前記支持体に対し回動されることで前記ミラーが格納又は起立される回動体と、前記被覆部材に設けられ、上側に配置される前記回動体に接触されて前記隙間寸法が規定されると共に、前記ミラーの起立位置から格納位置までの範囲において前記隙間寸法が維持される接触部と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載の車両用ミラー装置は、請求項1に記載の車両用ミラー装置において、前記接触部を前記回動体に点接触させる。
【0008】
請求項3に記載の車両用ミラー装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ミラー装置において、前記接触部を3個以上設けている。
【0009】
請求項4に記載の車両用ミラー装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ミラー装置において、複数の接触部を回動体の回動中心を中心とする同一円上に配置している。
【0011】
請求項5に記載の車両用ミラー装置は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の車両用ミラー装置において、前記回動体の回動中心より前記支持体に対する前記回動体の突出側に前記接触部を配置している。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、車体側に支持体が支持されており、支持体の支持部材に回動体が支持されている。さらに、回動体にミラーが設けられており、支持体に対し回動体が回動されることで、ミラーが格納又は起立される。また、支持体では、支持部材の外周を被覆部材が被覆しており、被覆部材と回動体との間に隙間が形成されている。
【0013】
ここで、被覆部材に接触部が設けられており、接触部が回動体に接触されて、隙間寸法が規定される。このため、隙間寸法を安定化できる。
【0014】
請求項2に記載の車両用ミラー装置では、接触部が回動体に点接触される。このため、回動体が回動される際に、回動体に対する接触部の摺動抵抗を低減できる。
【0015】
請求項3に記載の車両用ミラー装置では、接触部が3個以上設けられている。このため、被覆部材が3個以上の接触部を介して回動体を安定して支持でき、支持体に対する回動体の揺動を抑制できる。
【0016】
請求項4に記載の車両用ミラー装置では、複数の接触部が回動体の回動中心を中心とする同一円上に配置されている。このため、回動体が回動される際に、複数の接触部が回動体の当該同一円上を摺動でき、回動体に対する接触部の摺動抵抗を低減できる。
【0017】
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、接触部の上側に配置される回動体に接触部が接触される。このため、回動体が回動される際に、接触部の上側に配置されて埃等の異物が付着しにくい回動体を接触部が摺動することで、回動体に対する接触部の摺動抵抗を低減できる。
【0018】
請求項5に記載の車両用ミラー装置では、回動体の回動中心より支持体に対する回動体の突出側に接触部が配置されている。このため、被覆部材が接触部を介して回動体を効果的に支持でき、支持体に対する回動体の揺動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車幅方向内側かつ車両前側から見た分解斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両後側かつ上側から見た斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す車両後方から見た正面図である。
図4】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す上方から見た平面図である。
図5図3の領域Aの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には、本発明の車両用ミラー装置が適用された実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10が車幅方向内側かつ車両前側から見た分解斜視図にて示されており、図2には、車両用ドアミラー装置10が車両後側かつ上側から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両右方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示す。
【0021】
図2に示す如く、本実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10は、車両のドア12(車体側)の外部に設けられている。ドア12の下側部分の外側面は、配置部材(意匠部材)としてのドアパネル12A(ドアアウタパネル)によって構成されており、ドアパネル12Aの上端の車両前側端部には、取付孔(図示省略)が貫通形成されている。
【0022】
図1に示す如く、車両用ドアミラー装置10は、車幅方向内側端部において、支持体を構成する支持部材としての金属製でブロック状のベース16を備えている。ベース16は、ドア12に取付孔を介して取付けられており、これにより、車両用ドアミラー装置10がドア12に取付けられている。
【0023】
ベース16の下側には、仮止部材(仮置部材)としての樹脂製の仮止爪18(仮置爪、クランプクリップ)が取付けられている。ベース16がドア12に取付けられる際には、仮止爪18がドア12に取付孔を介して引掛けられる(係合される)ことで、車両用ドアミラー装置10がドア12に仮止め(仮置き)されて、ドア12に対する車両用ドアミラー装置10の位置ズレ及び脱落が抑制される。
【0024】
ベース16の外周は、支持体を構成する第1対向部材及び被覆部材(意匠部材)としての樹脂製で略円筒状のベースカバー20によって被覆されており、ベースカバー20内は、下側へ開放されている。ベースカバー20の下側端は、全周においてドアパネル12Aの取付孔外周側に対向されて、対向されるドアパネル12Aに沿った形状にされており、ベースカバー20の下側端とドアパネル12Aとの間には、隙間22(図2参照)が形成されている。ベースカバー20の下側端の内周側部分には、全周において、シール面24が形成されており、シール面24は、ベースカバー20の内周側へ向かうに従い上側(ドアパネル12Aとは反対側)へ向かう方向へ傾斜されている。
【0025】
ベースカバー20の上端には、第1対向部としての平板状の上壁20Aが設けられており、上壁20Aは、上下方向に垂直に配置されている。上壁20Aの中心側部分には、露出孔26が貫通形成されており、露出孔26は、ベース16を上方へ露出させている。
【0026】
図3図5に示す如く、上壁20Aの上面には、外周部分において、接触部としての突部28が3個形成されており、突部28は、上壁20Aから上側に突出されると共に、表面が球面状にされている。3個の突部28は、同一形状にされて、下記駆動体42の回動中心軸線Oを中心とした同一円上に略等間隔で配置されており、突部28は、回動中心軸線Oの車幅方向外側と車両前側と車両後側とに配置されている。
【0027】
図1に示す如く、ベース16の下側には、シール部材としての略板状のガスケット30(シール)が設けられており、ガスケット30は、ベース16と仮止爪18との間に配置されて、仮止爪18によってベース16に取付けられている。ガスケット30は、ゴム製にされて、弾性及びシール性を有しており、ガスケット30は、ベースカバー20の下側面を被覆している。
【0028】
ガスケット30の外周端には、全周において、板状のシール部32が一体に形成されており、シール部32は、ガスケット30の外周端から上側(ベースカバー20側)へ向かうに従いガスケット30の内周側へ向かう方向に延出されている。シール部32の下側端(ガスケット30の外周端)は、ドアパネル12Aに圧接されると共に、シール部32の上側部は、ベースカバー20のシール面24に圧接されており、これにより、ベースカバー20の下側端とドアパネル12Aとの隙間22が、ベースカバー20の全周において、シールされている。このため、隙間22及び取付孔を介してドア12内に水等が浸入することが抑制(防止)されると共に、車両の走行時に隙間22を介してベースカバー20内に風が侵入することによる風切音の発生が抑制される。
【0029】
ベース16の上側には、本体部36が支持されており、本体部36には、回動手段としての格納装置38(リトラクタ)が設けられている。
【0030】
格納装置38は、支持体を構成する支持部としての金属製のスタンド40を備えており、スタンド40の下端部は、略円柱状にされている。スタンド40は、ベースカバー20の露出孔26を介してベース16に取付けられており、これにより、格納装置38がベース16に取付けられて支持されている。スタンド40とベース16との間には、ベースカバー20の上壁20Aが挟持されており、これにより、ベースカバー20がベース16に固定されている。
【0031】
スタンド40は、回動体を構成する駆動体42を支持しており、格納装置38が駆動された際には、駆動体42がスタンド40に対し上下方向に平行な回動中心軸線O(図4参照)を中心として回動される。
【0032】
格納装置38の駆動体42には、回動体を構成するフレーム44が固定されて支持されている。フレーム44は、ベース16及びベースカバー20に対し車幅方向外側へ突出されて、起立(展開)されており、格納装置38が駆動された際には、フレーム44が駆動体42と一体に回動可能にされている。このため、格納装置38が駆動されて、フレーム44が車両後側かつ車幅方向内側へ回動されることで、フレーム44(下記バイザ46、鏡面調整装置52及びミラー54を含む)が格納される(折畳まれる)。一方、格納装置38が駆動されて、フレーム44が車両前側かつ車幅方向外側へ回動されることで、フレーム44(下記バイザ46、鏡面調整装置52及びミラー54を含む)が起立(復帰)される。
【0033】
格納装置38の駆動体42及びフレーム44は、回動体を構成する第2対向部材及び外装部材(意匠部材)としての樹脂製のバイザ46内に収容されており、バイザ46は、フレーム44に取付けられて支持されている。バイザ46の車両前側には、略湾曲板状のバイザカバー46Aが設けられると共に、バイザ46の車両後側には、略矩形筒状のバイザリム46Bが設けられており、バイザカバー46Aとバイザリム46Bとが組付けられることで、バイザ46が構成されている。
【0034】
バイザ46の車幅方向内側端部の下端には、第2対向部としての平板状の対向壁46Cが設けられており、対向壁46Cは、上下方向に垂直に配置されている。対向壁46Cには、円状の貫通孔48が貫通形成されており、対向壁46Cは、貫通孔48の全周において、格納装置38のスタンド40の下端部全周に回動可能かつ上下方向へ移動可能に嵌合されている。
【0035】
図3及び図5に示す如く、対向壁46Cは、ベースカバー20の上壁20Aと上下方向において対向されており、対向壁46Cと上壁20Aとの間には、上下方向において、隙間50が形成されている。対向壁46Cには、上壁20A上面の3個の突部28が先端(頂部)において点接触されており、これにより、隙間50の上下方向寸法Lが突部28の上下方向最大寸法に規定されている。
【0036】
図1に示す如く、フレーム44の車両後側には、回動体を構成する鏡面調整手段としての鏡面調整装置52(ドライブユニット)が固定されており、鏡面調整装置52は、バイザ46のバイザリム46B内に挿入されている。
【0037】
図2にも示す如く、鏡面調整装置52の車両後側には、回動体を構成する略矩形板状のミラー54が組付けられており、ミラー54は、バイザ46のバイザリム46B内に収容されている。ミラー54の鏡面54Aは、車両後側へ向けられており、ミラー54によって乗員(特に運転手)が車両後側を視認可能にされている。鏡面調整装置52が駆動された際には、鏡面調整装置52によってミラー54が傾動されて、ミラー54の鏡面54A角度が調整される。
【0038】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0039】
以上の構成の車両用ドアミラー装置10では、ドア12にベース16及びベースカバー20が取付けられており、ベース16に格納装置38、フレーム44、バイザ46、鏡面調整装置52及びミラー54が支持されている。格納装置38が駆動された際には、駆動体42がスタンド40に対し回動されて、駆動体42と一体に、フレーム44、バイザ46、鏡面調整装置52及びミラー54が回動中心軸線Oを中心として回動される。
【0040】
また、ベースカバー20の上壁20Aとバイザ46の対向壁46Cとは、上下方向において対向されており、上壁20Aと対向壁46Cとの間には、上下方向において、隙間50が形成されている。
【0041】
ここで、ベースカバー20の上壁20A上面の突部28がバイザ46の対向壁46Cに接触されて、隙間50の上下方向寸法Lが突部28の上下方向最大寸法に規定されている。このため、ベースカバー20の寸法誤差、バイザ46の寸法誤差、ベース16へのベースカバー20の組付誤差やフレーム44へのバイザ46の組付誤差等に拘らず、上壁20Aと対向壁46Cとの隙間50の上下方向寸法Lを安定化できて、隙間50の見栄えを安定化できる。
【0042】
また、ベースカバー20の上壁20A上面に突部28が3個設けられている。このため、ベースカバー20の上壁20Aが3個の突部28を介してバイザ46の対向壁46Cを安定して支持でき、ベース16、ベースカバー20及びスタンド40に対する駆動体42、フレーム44、バイザ46、鏡面調整装置52及びミラー54の揺動を抑制できて、ミラー54の視認性能を向上できる。しかも、バイザ46が回動される際に、対向壁46Cに対する突部28の摺動抵抗を低減でき、突部28の磨耗を抑制できる。
【0043】
さらに、回動中心軸線Oより車幅方向外側(ベース16、ベースカバー20及びスタンド40に対する駆動体42、フレーム44、バイザ46、鏡面調整装置52及びミラー54の突出側)に突部28が配置されている。このため、ベースカバー20の上壁20Aが当該突部28を介してバイザ46の対向壁46Cを効果的に支持でき、ベース16、ベースカバー20及びスタンド40に対する駆動体42、フレーム44、バイザ46、鏡面調整装置52及びミラー54の揺動を効果的に抑制できて、ミラー54の視認性能を効果的に向上できる。
【0044】
また、バイザ46が回動される際に、ベースカバー20の上壁20A上面の3個の突部28がバイザ46の対向壁46Cに対し摺動する抵抗は、格納装置38における駆動体42のスタンド40に対する回動抵抗に比し、極めて小さい。このため、対向壁46Cに対する突部28の摺動抵抗によって格納装置38による駆動体42のスタンド40に対する回動が阻害されることを十分に抑制できる。
【0045】
しかも、ベースカバー20の上壁20A上面の突部28が、表面を球面状にされて、バイザ46の対向壁46Cに点接触されている。このため、バイザ46が回動される際に、対向壁46Cに対する突部28の摺動抵抗を低減でき、当該摺動抵抗によって格納装置38による駆動体42のスタンド40に対する回動が阻害されることを一層十分に抑制できる。
【0046】
さらに、ベースカバー20の上壁20A上面の3個の突部28が回動中心軸線Oを中心とする同一円上に配置されている。このため、バイザ46が回動される際に、3個の突部28がバイザ46の対向壁46Cの当該同一円上を摺動でき、対向壁46Cに対する突部28の摺動抵抗を一層低減できて、当該摺動抵抗によって格納装置38による駆動体42のスタンド40に対する回動が阻害されることを一層十分に抑制できると共に、突部28の磨耗を一層抑制できる。
【0047】
しかも、突部28が設けられるベースカバー20の上壁20Aがバイザ46の対向壁46Cの下側に配置されている。このため、バイザ46が回動される際に、ベースカバー20の上壁20Aの上側に配置されて埃等の異物が付着しにくいバイザ46の対向壁46Cを突部28が摺動することで、対向壁46Cに対する突部28の摺動抵抗を低減でき、当該摺動抵抗によって格納装置38による駆動体42のスタンド40に対する回動が阻害されることを一層十分に抑制できると共に、突部28の磨耗を一層抑制できる。
【0048】
なお、本実施の形態では、ベースカバー20の上壁20Aに突部28を3個設けた。しかしながら、ベースカバー20の上壁20Aに突部28を1個、2個又は4個以上設けてもよい。例えば、ベースカバー20の上壁20Aに突部28を4個以上設ける場合には、少なくとも3個の突部28をバイザ46の対向壁46Cに接触させるのが好ましい(必ずしも全ての突部28をバイザ46の対向壁46Cに接触させる必要はない)。
【0049】
また、本実施の形態では、複数の突部28を回動中心軸線Oを中心とする同一円上に配置した。しかしながら、複数の突部28を回動中心軸線Oを中心とする同一円上に配置しなくてもよく、例えば、車幅方向外側の突部28を他の突部28に比し回動中心軸線Oから離間させてもよい。
【0050】
さらに、本実施の形態では、ベースカバー20の上壁20Aの全ての突部28を同一形状にした。しかしながら、ベースカバー20の上壁20Aの突部28は、形状を特に限定されず、全てを同一形状にしなくてもよい。
【0051】
しかも、本実施の形態では、ベースカバー20の上壁20Aの突部28をバイザ46の対向壁46Cに点接触させた。しかしながら、ベースカバー20の上壁20Aの突部28をバイザ46の対向壁46Cに線接触又は面接触させてもよい。
【0052】
また、本実施の形態では、ベースカバー20の上壁20A上面に突部28を設けた。しかしながら、バイザ46の対向壁46C下面に突部28を設けてもよい。
【0053】
さらに、本実施の形態では、ベースカバー20の上壁20Aとバイザ46の対向壁46Cとの隙間50寸法を突部28によって規定した。しかしながら、ドアパネル12Aとベースカバー20の下側端との隙間22寸法を突部28によって規定してもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、本発明の車両用ミラー装置を車両用ドアミラー装置10に適用した。しかしながら、本発明の車両用ミラー装置を車両外部の他の車両用アウタミラー装置(例えば車両用フェンダミラー装置)又は車両内部の車両用インナミラー装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
12 ドア(車体側)
16 ベース(支持体)
20 ベースカバー(支持体)
28 突部(接触部)
40 スタンド(支持体)
42 駆動体(回動体)
44 フレーム(回動体)
46 バイザ(回動体)
50 隙間
52 鏡面調整装置(回動体)
54 ミラー(回動体)
図1
図2
図3
図4
図5