【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の実施例1に係る放射性物質収納容器用架台としてのキャスク用架台を表す断面図、
図2は、実施例1のキャスク用架台の平面図、
図3は、実施例1のキャスク用架台によるキャスクの支持構造を表す概略図、
図4は、キャスクの一部断面概略図、
図5は、キャスクの水平断面図、
図6は、キャスクを貯蔵するための貯蔵施設を表す概略図である。
【0029】
実施例1において、
図4及び
図5に示すように、放射性物質収納容器としてのキャスク11は、胴部12と蓋部13とから構成されている。胴部12は、胴本体21の一方、つまり、上部に開口部22が形成され、他方、つまり、下部に底部(閉塞部)23が形成された円筒形状をなしており、内部に放射性物質(例えば、使用済燃料集合体)を収納可能に構成されている。即ち、この胴本体21は、内部にキャビティ24が設けられ、このキャビティ24は、その内面がバスケット25の外周形状に合わせた形状となっている。そして、胴本体21は、下部に底部23が溶接により結合されており、この胴本体21及び底部23は、γ線遮蔽機能を有する炭素鋼製の鍛造品となっているが、炭素鋼の代わりにステンレス鋼を用いることもできる。また、球状黒鉛鋳鉄や炭素鋼鋳鋼などの鋳造品を用いることもできる。
【0030】
キャスク11の内部に設けられるバスケット25は、使用済燃料集合体(図示略)を収納するセル26を構成する複数本の角パイプから構成されている。この角パイプは、アルミニウムまたはアルミニウム合金の粉末に中性子吸収性能をもつボロンまたはボロン化合物の粉末を添加したアルミニウム複合材またはアルミニウム合金により構成されている。また、中性子吸収材としては、ボロンの他にガドリニウムを用いることができる。
【0031】
胴部12は、胴本体21の外周側に所定の隙間を開けて外筒27が配設されており、胴本体21の外周面と外筒27の内周面との間に、熱伝導を行う銅製の伝熱フィン28が周方向に等間隔で複数溶接されている。そして、胴部12は、胴本体21と外筒27との空間部に、水素を多く含有する高分子材料であって中性子遮蔽機能を有するボロンまたはボロン化合物を含有したレジン(第2中性子遮蔽体)29が流動状態で図示しないパイプ等を介して注入され、固化されている。この場合、伝熱フィン28は、放熱を均一に行うために熱量の多い部分に高い密度で設けるようにするのが好ましい。
【0032】
また、胴部12は、底部23の下側に複数の連結板30により所定の隙間を開けて底板37が連結されており、この底部23と底板37との空間部にレジン(中性子遮蔽体)38が設けられている。
【0033】
胴部12における胴本体21の開口部22を閉塞する蓋部13は、一次蓋31と二次蓋32によって構成されている。一次蓋31は、γ線を遮蔽するステンレス鋼または炭素鋼からなる円盤形状である。また、二次蓋32も、ステンレス鋼製または炭素鋼製の円盤形状であるが、その上面にレジン(中性子遮蔽体)33が封入されている。この一次蓋31及び二次蓋32は、ステンレス鋼製または炭素鋼製のボルト34により胴本体21の上端部に取付けられている。この場合、一次蓋31及び二次蓋32と胴本体21との間に、それぞれ図示しない金属ガスケットが介装され、内部の密封性を確保している。また、蓋部13の周囲には、レジン35を封入した補助遮蔽体36が設けられている。
【0034】
また、胴部12は、胴本体21の上部の2箇所、下部の2箇所にキャスク11を吊上げるためのトラニオン41が設けられている。この場合、各トラニオン41は、胴本体21の上部に周方向に等間隔で設けられると共に、胴本体21の下部に周方向に等間隔で設けられている。キャスク11は、内部に使用済みの燃料集合体を収納した後、貯蔵施設(または、再処理施設)まで搬送されるが、このキャスク11の搬送時に、胴部12の上端部に取付けた補助遮蔽体36を取外し、キャスク11の上端部及び下端部に図示しない緩衝体を取付ける。この緩衝体は、ステンレス鋼材によって作成されたハウジング内にレッドウッド材などの緩衝材を組み込んだ構造となっている。また、キャスク11が貯蔵施設に搬入された後は、この緩衝体を取外し、後述する架台50を用いて起立状態で保管する。
【0035】
図6に示すように、貯蔵施設101は、全体がコンクリート壁によって構成され、設置床102、天井壁103、複数の側壁104を有している。そして、設置床102は、その両側に多数の吸気口105が形成された換気塔106が設けられている。この貯蔵施設101は、内部にて、設置床102に固定された各架台50上にキャスク11が配置され、水平方向に複数所定間隔をおいて整列されている。各キャスク11は、前述したように、使用済の燃料集合体を収納している。また、貯蔵施設101は、一側に搬入用ゲート108を有する搬入用ピット109が設けられており、キャスク11は、運搬車両によりこの搬入用ピット109から貯蔵施設101内に搬入される。貯蔵施設101は、上部にキャスク移送用クレーン110が移動自在に設けられており、搬入用ピット109に搬入されたキャスク11は、このキャスク移送用クレーン110により移送され、所定の位置に配置される。
【0036】
このように構成されたキャスク11は、
図1から
図3に示すように、設置床102に固定された架台50上に支持されている。この場合、キャスク11は、胴部12の下部にこの胴部12より小径の小径部12a(底板37及びレジン38)が設けられている。実施例1の架台50は、キャスク11の胴部12及び小径部12aを支持することで、キャスク11を安定して支持することができる。
【0037】
即ち、架台50は、架台本体51と筒状支持部52と断熱部53とを有している。架台本体51は、所定の高さを有した矩形形状をなし、下面に複数の脚部54が固定されており、この各脚部54が設置床102に密着されることで設置され、架台本体51と設置床102との間に空間部Aが確保されている。
【0038】
また、架台本体51は、上面部に筒状支持部52が一体に設けられている。この筒状支持部52は、所定の厚さ及び高さを有した円筒形状をなし、内側にキャスク11の小径部12aが貫入可能となっている。更に、架台本体51は、上面部であって筒状支持部52の内側に凹部55が形成され、この凹部55内に断熱材が充填されて断熱部53が形成されている。
【0039】
そして、架台50は、筒状支持部52と断熱部53との間に小径部12aの下面を支持可能なリング形状をなす支持下面56と、筒状支持部52の内側に設けられて小径部12aの外面を支持可能なリング形状をなす支持側面57を有している。支持下面56は、架台本体51の上面部に略水平方向に沿って形成され、断熱部53の上面と略同一面上に位置しているが、断熱部53の上面より若干上方に設けてもよい。支持側面57は、筒状支持部52の内周面に略鉛直方向に沿って形成され、支持下面56に対して略直角(90度)をなしている。
【0040】
この場合、筒状支持部52の内径R2が小径部12aの外径R1より大きい径に設定されており、筒状支持部52の内周面(支持側面57)と小径部12aの外周面との間に横方向隙間S1が確保されている。この横方向隙間S1は、筒状支持部52内にキャスク11の小径部12aを容易に貫入させる目的で設定されているだけでなく、キャスク11の熱伸び、設計誤差、製造誤差、組付誤差などを考慮して設定されている。なお、横方向隙間S1は、その値を極力小さくし、キャスク11を架台50に設置したときのガタを極力抑えることが望ましいが、上記に示す熱伸び・誤差及びキャスク11を架台50に設置するときの嵌め合いを考慮した場合、横方向隙間S1の値は数mmとすることが望ましい。
【0041】
また、断熱部53の外径R3が筒状支持部52の内径R2より小さい径に設定されることで、筒状支持部52と断熱部53との間に所定幅Wを有するリング形状の支持下面56が形成されている。なお、架台50は、支持下面56にてキャスク11の自重を受け持つものとする。また、キャスク11を安定に設置するために、支持下面56の上面をキャスク11の下面に対してフラットにすることが望ましい。また、キャスク11の自重を受けもつ強度を考えた場合、支持下面56の上面の面積をキャスク11の下面の面積と比較して、極力大きくすることが望ましい。
【0042】
更に、筒状支持部52は、外周側の高さH1より内周側の高さ、つまり、支持側面57の高さH2が高く設定されており、この支持側面57の高さH2は、小径部12aの高さH3より低く設定されている。そのため、胴部12の下面と筒状支持部52の上面との間に縦方向隙間S2が確保されている。この縦方向隙間S2は、筒状支持部52の高さH1,H2や小径部12aの高さH3より小さい高さに設定されている。そして、この縦方向隙間S2は、キャスク11の熱伸び、設計誤差、製造誤差、組付誤差などを考慮して設定され、胴部12の下面が筒状支持部52の上面に接触せずに、支持下面56が小径部12aの下面を確実に支持できるものとしている。
【0043】
架台50がこのような形状及び寸法に設定されていることから、キャスク11がこの架台50に支持されたとき、小径部12aが筒状支持部52の内側に貫入することとなる。このとき、キャスク11は、小径部12aの下面の外側が架台本体51の支持下面56により支持されると共に、小径部12aの外周面が筒状支持部52の支持側面57により支持される。そして、小径部12aの外周面と支持側面57との間に横方向隙間S1が確保される一方、胴部12の下面と筒状支持部52の上面との間に縦方向隙間S2が確保されている。そのため、架台50は、キャスク11の熱伸びによる外形の寸法変化に追従し、このキャスク11を安定して支持できる。
【0044】
このように実施例1のキャスク用架台にあっては、架台本体51と、架台本体51の上面部に設けられて小径部12aが貫入可能な筒状支持部52と、架台本体51の上面部であって筒状支持部52の内側に設けられる断熱部53と、筒状支持部52と断熱部53との間に設けられて小径部12aの下面を支持可能なリング形状をなす支持下面56と、筒状支持部52の内側に設けられて小径部12aの外面を支持可能なリング形状をなす支持側面57とを設けている。
【0045】
従って、キャスク11は、小径部12aの下面がリング形状をなす支持下面56により支持され、小径部12aの外面がリング形状をなす支持側面57により支持されることで、キャスク11の重量が支持下面56で受け止められる一方、キャスク11の横荷重が支持側面57で受け止められることとなる。そのため、キャスク11は、小径部12aが筒状支持部52の内側に貫入し、互いにリング形状をなして直行する支持下面56と支持側面57だけで受け止められることとなり、両者が連結されていないことから、架台50がキャスク11の熱伸びによる外形の寸法変化に追従可能となり、このキャスク11を長期間にわたって安定して支持することができる。また、キャスク11の下方に断熱部53が設けられていることから、キャスクの熱を下方ではなく、外側に排出することとなり、冷却効率を向上することができる。
【0046】
実施例1のキャスク用架台では、断熱部53の外径を筒状支持部52の内径より小さい径に設定している。従って、キャスク11の重量を受け止める支持下面56の領域を十分に確保する一方で、断熱部53の領域を十分に確保することができる。
【0047】
実施例1のキャスク用架台では、架台本体51を複数の脚部54により設置床102に設置している。従って、架台本体51を複数の脚部54により設置床102から持ち上げることで、架台本体51と設置床102との間に空間部Aを確保することができ、キャスク11の冷却機能を向上することができる。
【0048】
実施例1のキャスク用架台では、筒状支持部52の内径を小径部12aの外径より大きい径に設定している。従って、筒状支持部52と小径部12aとの間に横方向隙間を確保することが可能となり、キャスク11の熱伸びによる外形の寸法変化を吸収することができ、このキャスクを長期間にわたって安定して支持することができる。この場合、横方向隙間量を適正値に設定することで、架台50は、キャスク11の熱伸びによる外形の寸法変化に対して追従可能となる一方で、支持側面57はキャスク11が水平に移動しても小径部12aの外面を適正に支持することが可能となる。
【0049】
また、実施例1のキャスクの支持構造にあっては、小径部12aの下面を架台本体51の筒状支持部52の内側に形成されたリング形状をなす支持下面56により支持すると共に、筒状支持部52の内側に形成されたリング形状をなす支持側面57より支持し、胴部12の下面と筒状支持部52の上面との間にこの筒状支持部52の高さより小さい縦方向隙間を設けている。
【0050】
従って、キャスク11の重量を支持下面56で受け止める一方、キャスク11の横荷重を支持側面57で受け止め、キャスク11の熱を縦方向隙間から外側に排出することで、熱伸びによる外形の寸法変化に追従可能となり、このキャスク11を長期間にわたって安定して支持することができる。
【0051】
なお、上述の実施例では、筒状支持部52を円筒形状としたが、この形状に限定されるものではない。
図7及び
図8は、実施例1のキャスク用架台の変形例を表す平面図である。
【0052】
図7に示すように、架台60は、架台本体61と筒状支持部62と断熱部63とを有している。ここで、架台本体61及び断熱部63は、架台本体51及び断熱部53と同様に構成されている。筒状支持部62は、弧状をなす複数(ここでは、4個)の湾曲壁62a,62b,62c,62dが同心円状に配置されて構成されている。この場合、分割数は、4個に限るものではない。
【0053】
また、
図8に示すように、架台70は、架台本体71と筒状支持部72と断熱部73とを有している。ここで、架台本体71及び断熱部73は、架台本体51及び断熱部53と同様に構成されている。筒状支持部72は、円柱形状をなす複数(ここでは、16個)の支持柱72a,72b,72c,72dが同心円状に配置されて構成されている。この場合、分割数は、16個に限るものではなく、支持柱42a,72b,72c,72dの形状も円柱形状に限るものではない。
【0054】
この場合、架台60,70は、架台50と同様に、小径部12aの下面を支持可能なリング形状をなす支持下面66,76と、小径部12aの外面を支持可能なリング形状をなす支持側面67,77を有している。
【実施例2】
【0055】
図9は、本発明の実施例2に係る放射性物質収納容器用架台としてのキャスク用架台によるキャスクの支持構造を表す概略図、
図10は、実施例2のキャスク用架台の平面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0056】
実施例2において、
図9及び
図10に示すように、キャスク11は、設置床102に固定された架台80上に支持されている。この架台80は、架台本体81と筒状支持部82と断熱部83とを有している。架台本体81は、下面に複数の脚部84が固定されており、この各脚部84が設置床102に密着されることで設置され、架台本体81と設置床102との間に空間部Aが確保されている。
【0057】
また、架台本体81は、上面部に筒状支持部82が一体に設けられており、この筒状支持部82は、内側にキャスク11の小径部12aが貫入可能となっている。更に、架台本体81は、筒状支持部82の内側に凹部85が形成され、この凹部85内に断熱材が充填されて断熱部83が形成されている。
【0058】
そして、架台80は、筒状支持部82と断熱部83との間に小径部12aの下面を支持可能なリング形状をなす支持下面86と、筒状支持部82の内側に設けられて小径部12aの外面を支持可能なリング形状をなす支持側面87を有している。支持下面86は、架台本体81の上面部に略水平方向に沿って形成され、断熱部83の上面と略同一面上に位置しているが、断熱部83の上面より若干上方に設けてもよい。支持側面87は、筒状支持部82の内周面に略鉛直方向に沿って形成され、支持下面86に対して略直角(90度)をなしている。
【0059】
また、架台80は、筒状支持部82の内周部にリング形状をなす緩衝部材(緩衝部)88が装着されている。この緩衝部材88は、弾性部材により構成され、支持側面87に配置されている。この場合、実施例1と同様に、筒状支持部82の内径が小径部12aの外径より大きい径に設定されており、ここに横方向隙間が確保されている。緩衝部材88は、その厚さが横方向隙間と同等、または、それより小さく設定されている。
【0060】
なお、その他の構成については、実施例1と同様である。
【0061】
そのため、キャスク11がこの架台80に支持されたとき、小径部12aが筒状支持部82の内側に貫入することとなる。このとき、キャスク11は、小径部12aの下面が架台本体81の支持下面86により支持されると共に、小径部12aの外周面が筒状支持部82の支持側面87に緩衝部材88を介して支持される。
【0062】
このように実施例2のキャスク用架台にあっては、架台本体81と筒状支持部82と断熱部83とを設けると共に、小径部12aの下面を支持可能な支持下面86と、小径部12aの外面を支持可能な支持側面87とを設け、筒状支持部82の内周部、つまり、支持側面87にリング形状をなす緩衝部材88を設けている。
【0063】
従って、キャスク11は、小径部12aの下面が支持下面86により支持され、小径部12aの外面が緩衝部材88を介して支持側面87により支持されることで、キャスク11の重量が支持下面86で受け止められる一方、キャスク11の横荷重が緩衝部材88を介して支持側面87で受け止められることとなる。そのため、キャスク11と筒状支持部82(支持側面87)との隙間量が減少することとなり、架台80がキャスク11の熱伸びによる外形の寸法変化を吸収することができ、このキャスク11を長期間にわたって安定して支持することができる。
【実施例3】
【0064】
図11は、本発明の実施例3に係る放射性物質収納容器用架台としてのキャスク用架台によるキャスクの支持構造を表す概略図、
図12は、実施例3のキャスク用架台の平面図である。
【0065】
実施例3において、
図11及び
図12に示すように、キャスク11は、設置床102に固定された架台90上に支持されている。この架台90は、架台本体91と筒状支持部92と断熱部93とを有している。架台本体91は、下面に複数の脚部94が固定されており、この各脚部94が設置床102に密着されることで設置され、架台本体91と設置床102との間に空間部Aが確保されている。
【0066】
また、架台本体91は、上面部に筒状支持部92が一体に設けられており、この筒状支持部92は、内側にキャスク11の小径部12aが貫入可能となっている。更に、架台本体91は、筒状支持部92の内側に凹部95が形成され、この凹部95内に断熱材が充填されて断熱部93が形成されている。
【0067】
そして、架台90は、筒状支持部92と断熱部93との間に小径部12aの下面を支持可能なリング形状をなす支持下面96と、筒状支持部92の内側に設けられて小径部12aの外面を支持可能なリング形状をなす支持側面97を有している。支持下面96は、架台本体91の上面部に略水平方向に沿って形成され、断熱部93の上面と略同一面上に位置しているが、断熱部93の上面より若干上方に設けてもよい。支持側面97は、筒状支持部92の内周面に略鉛直方向に沿って形成され、支持下面96に対して略直角(90度)をなしている。
【0068】
また、架台90は、筒状支持部92に小径部12aの外周面に当接してこれを支持可能な側面支持部材98が周方向に所定間隔で複数(本実施例では、4個)設けられている。この側面支持部材98は、ねじ部材であって、筒状支持部92の径方向に沿って螺合し、回転させることで筒状支持部92の径方向に沿って移動し、その位置を調整可能となっている。この場合、実施例1と同様に、筒状支持部92の内径が小径部12aの外径より大きい径に設定されており、ここに横方向隙間が確保されている。各側面支持部材98は、筒状支持部92の径方向に移動することで、この横方向隙間の量を調整することで、先端部により小径部12aの外周面を適正に支持することができる。
【0069】
なお、その他の構成については、実施例1と同様である。
【0070】
そのため、キャスク11がこの架台90に支持されたとき、小径部12aが筒状支持部92の内側に貫入することとなる。このとき、キャスク11は、小径部12aの下面が架台本体91の支持下面96により支持されると共に、小径部12aの外周面が筒状支持部92の支持側面97、つまり、複数の側面支持部材98により支持される。
【0071】
このように実施例3のキャスク用架台にあっては、架台本体91と筒状支持部92と断熱部93とを設けると共に、小径部12aの下面を支持可能な支持下面96と、小径部12aの外面を支持可能な支持側面97とを設け、筒状支持部92に小径部12aの外面に当接して支持可能な側面支持部材98を周方向に所定間隔で複数設けている。
【0072】
従って、キャスク11は、小径部12aの下面が支持下面96により支持され、小径部12aの外面が支持側面97、つまり、複数の側面支持部材98により支持されることで、キャスク11の重量が支持下面96で受け止められる一方、キャスク11の横荷重が各側面支持部材98を介して支持側面97で受け止められることとなる。そのため、キャスク11と筒状支持部92(支持側面97)との隙間量が減少することとなり、架台90がキャスク11の熱伸びによる外形の寸法変化を吸収することができ、このキャスク11を長期間にわたって安定して支持することができる。
【0073】
実施例3のキャスク用架台では、側面支持部材98を筒状支持部92の径方向に移動調整可能に設けている。従って、キャスク11の熱伸びによる外形の寸法変化に対して各側面支持部材98の位置を調整することで、キャスク11を長期間にわたって安定して支持することができる。