(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129512
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】機械的な位置を電気的な状態に変換する装置
(51)【国際特許分類】
H01H 73/12 20060101AFI20170508BHJP
H01H 73/02 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
H01H73/12
H01H73/02 B
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-225157(P2012-225157)
(22)【出願日】2012年10月10日
(65)【公開番号】特開2013-84604(P2013-84604A)
(43)【公開日】2013年5月9日
【審査請求日】2015年10月2日
(31)【優先権主張番号】1103079
(32)【優先日】2011年10月10日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、ドディナ
(72)【発明者】
【氏名】トマス、クロバニー
【審査官】
関 信之
(56)【参考文献】
【文献】
実開平01−165538(JP,U)
【文献】
特開2003−281955(JP,A)
【文献】
特公昭51−004257(JP,B1)
【文献】
特開昭60−175335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/12
H01H 73/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的な位置を電気的な状態に変換する装置であって、
開放および閉鎖状態の間で動作可能な第1スイッチ(6A;106A)と、
開放および閉鎖状態の間で動作可能な第2スイッチ(6B;106B)と、
入力機械的コマンド(C1,C2;Q1,Q2)を受け取り、この入力コマンドに応じて第1および第2スイッチ(6A,6B;106A,106B)を動作させるための機構と、を備え、
前記機構が、第1サイドアーム(23A;123A)および第2サイドアーム(23B;123B)を有するレバー(7;107)であって、第1サイドアームおよび第2サイドアームは、レバーの同一の旋回軸(X−X’)の周りで傾くことができ、かつ、第1サイドアーム(23A;123A)および第2サイドアーム(23B;123B)がそれぞれ前記旋回軸(X−X’)に対して反対側である第1サイドおよび第2サイドで延びるよう配置されている、レバーを備え、
第1サイドアーム(23A;123A)は、前記旋回軸(X−X’)に対して第1サイドで第1スイッチ(6A;106A)を作動させるための作動アームであり、
第2サイドアーム(23B;123B)は、前記旋回軸(X−X’)に対して第1サイドの反対側にある第2サイドで第2スイッチ(6B;106B)を作動させるための作動アームであり、 第1および第2スイッチ(6A,6B;106A,106B)の各々は、
固定接点(11A,11B)と、
可動接点(12A,12B)であって、可動接点が固定接点(11A,11B)から所定の距離にある開放位置と、可動接点(12A,12B)と固定接点(11A,11B)とが接触して電気的な接続を確立する閉鎖位置と、の間で少なくとも移動可能な可動接点(12A,12B)と、
可動接点(12A,12B)を支持するとともに、前記可動接点(12A,12B)が開放位置に設定されている構成と、前記可動接点(12A,12B)が閉鎖位置に設定されている構成と、の間で制御可能な、制御可能サポート具(15;115)と、を備え、
第1サイドアーム(23A;123A)は、第1スイッチ(6A;106A)の制御可能サポート具(15;115)を作動させるための作動アームであり、
第2サイドアーム(23B;123B)は、第2スイッチ(6B;106B)の制御可能サポート具(15;115)を作動させるための作動アームであり、
レバー(7;107)が第1の旋回位置にあるとき、第1および第2スイッチ(6A,6B;106A,106B)は同時に、閉鎖状態及び開放状態から選択される同一の状態にある、変換装置。
【請求項2】
少なくとも第1スイッチ(6A;106A)において、可動接点(12A)を支持する制御可能サポート具(15;115)が、この可動接点(12A)を電気回路(10A)に電気的に接続するための伝導体(15;115)となっている、請求項1に記載の変換装置。
【請求項3】
少なくとも第1スイッチ(6A;106A)は、その可動接点(12A)をこの可動接点の開放位置または閉鎖位置のうちの一方に戻すための弾性的リターンエレメント(15;115)を備え、
第1サイドアーム(23A;123A)は、第1スイッチ(6A;106A)の制御可能サポート具(15;115)を、弾性的リターンエレメント(15;115)の動作に逆らって押し動かすためのアームとなっている、請求項1または2に記載の変換装置。
【請求項4】
弾性的リターンエレメント(15;115)は、第1スイッチ(6A;106A)の閉鎖方向において弾性的なリターンを生成し、
第1サイドアーム(23A;123A)は、第1スイッチ(6A;106A)が弾性的リターンエレメント(15;115)の動作に逆らって開放状態に保持される能動的保持位置から、第1スイッチ(6A;106A)が閉鎖される中間位置に向かって、弾性的リターンの方向において中間位置を越えたところにあり、かつ弾性的リターンが第1サイドアーム(23A;123A)と干渉することなく第1スイッチ(6A;106A)を閉鎖する調節された力を生成する受動的位置まで、傾くことが可能である、請求項3に記載の変換装置。
【請求項5】
少なくとも第1スイッチ(6A;106A)において、可動接点(12A)を支持する制御可能サポート具(15;115)が、この可動接点を弾性的に戻すための弾性的リターンエレメントを形成する、請求項3または4に記載の変換装置。
【請求項6】
少なくとも第1スイッチ(6A;106A)において、可動接点(12A)を支持する制御可能サポート具が、その一端(18)が固定された細長いフィンガー(15;115)を備えており、
細長いフィンガーは、少なくとも局所的に、第1スイッチ(6A;106A)の可動接点(12A)の開放位置と閉鎖位置との間で弾性的に柔軟なものであり、かつ、固定された端部(18)から所定の距離のところで可動接点を支持する、請求項5に記載の変換装置。
【請求項7】
細長いフィンガー(15;115)は、リーフの形状を有しており、その一面の上に、対応する可動接点(12A)が配置されている、請求項6に記載の変換装置。
【請求項8】
リーフは、細長いフィンガー(15;115)の固定された端部に配置された固定取り付けベース(18)によって長く延ばされた弾性的に柔軟なエルボー(17;117)を備えている、請求項7に記載の変換装置。
【請求項9】
レバー(7;107)は、前記旋回軸(X−X’)に沿って延び、第1および第2サイドアーム(23A,23B;123A,123B)を支持するシャフト(20)を備えている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の変換装置。
【請求項10】
変換装置は、クランク(21;121)を備えており、
前記旋回軸(X−X’)の周りで傾き可能な、クランクのアームが、レバー(7;107)のシャフト(20)に強固に結合されており、かつ、前記旋回軸から所定の距離のところで、入力コマンド(C1,C2;Q1,Q2)を受け取るためのクランクピン(22)を支持している、請求項9に記載の変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的な位置を電気的な状態に変換する装置であって、
開放および閉鎖状態の間で動作可能な第1スイッチと、
開放および閉鎖状態の間で動作可能な第2スイッチと、
入力機械的コマンドを受け取り、この入力コマンドに応じて第1および第2スイッチを動作させるための機構と、
を備えるタイプの装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フランス国特許出願FR−2916899において、外囲容器の中に配置された、上述のタイプの、信号を送る補助的な1つの変換装置が記載されている。この変換装置において、両方のスイッチは、二重接点スイッチとなっている。またそれらを動作させるための機構は、移動するときに、スイッチの移動可能な接点保持器を、傾けて、その後に動作させるように意図されているフラップを備えている。移動可能な接点保持器の各々は、リーフスプリングによって、開放および閉鎖という2つの位置のうちの一方に戻される。前記フラップを傾けることができるよう、フォークがさらに、フラップのクランクに係合されている。フラップは、揺動レバーの2つのアームのうちの一方に設けられており、揺動レバーの旋回軸が、フラップおよび移動可能な接点保持器の傾くことができる軸に対して直交している。
【0003】
上記の段落において言及されている変換装置は、複雑なものである。その複雑さは、少なくとも部分的に、所定の空間構成に従って配置された外部装置との相互作用から生じる要求や、規定の寸法を有する低減された空間の中に変換デバイスを設置することから生じる制約などの様々な要求に適合させるための必要性によって説明される。この点に関して、二重接点スイッチの選択は、コンパクトな全体的な寸法への必要性に起因するものである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の少なくとも1つの目的は、上述のタイプの変換装置であって、簡易でありながら、1つまたは2つ以上の特定の空間的な制約に適合する変換装置を提案することである。
【0005】
少なくともこの目的は、上述のタイプの変換装置であって、その機構が、第1サイドアームおよび第2サイドアームを有するレバーであって、第1サイドアームおよび第2サイドアームが、レバーの同一の旋回軸の周りで傾くことができ、かつ、第1サイドアームおよび第2サイドアームがそれぞれ前記旋回軸に対して反対側である第1サイドおよび第2サイドで延びるよう配置されている、レバーを備える変換装置によって、達成される。第1サイドアームは、前記旋回軸に対して第1サイドで第1スイッチを作動させるための作動アームである。第2サイドアームは、前記旋回軸に対して第1サイドの反対側にある第2サイドで第2スイッチを作動させるための作動アームである。
【0006】
本発明のその他の側面によれば、前記機構は、レバーの旋回軸の周りで傾き可能な、すなわち傾くことができる第1サイドアームと、同一の旋回軸の周りで傾き可能な第2サイドアームと、を有している。第1サイドアームおよび第2サイドアームはそれぞれ、前記旋回軸に対して互いに反対側である第1サイドおよび第2サイドに配置されている。第1サイドアームは、前記旋回軸に対して第1サイドにある第1スイッチを作動させるための作動アームである。第2サイドアームは、第2サイドにある第2スイッチを作動させるための作動アームである。この第2サイドは、前記旋回軸に対して第1サイドの反対側になっている。
【0007】
本発明のその他の側面によれば、前記機構は、レバーを備えており、このレバーの旋回軸の周りで傾き可能なレバーの第1サイドアーム、および、同一の旋回軸の周りで傾き可能なレバーの第2サイドアームがそれぞれ、前記旋回軸に対して反対側にある第1サイドおよび第2サイドに配置されている。第1サイドアームは、前記旋回軸に対して第1サイドにある第1スイッチを作動させるための作動アームである。第2サイドアームは、前記旋回軸に対して第1サイドの反対側である第2サイドにある第2スイッチを作動させるための作動アームである。
【0008】
本発明による変換装置は、1つまたは2つ以上のその他の有利な特徴を、独立して、または組み合わせによって、特に以下に画定されることによって、構成することができる。
【0009】
有利には、第1および第2スイッチの各々は、
固定接点と、
可動接点であって、可動接点が固定接点から所定の距離にある開放位置と、可動接点と固定接点とが接触して電気的な接続を確立する閉鎖位置と、の間で少なくとも移動可能な可動接点と、
可動接点を支持するとともに、前記可動接点が開放位置に設定されている構成と、前記可動接点が閉鎖位置に設定されている構成と、の間で制御可能な、制御可能サポート具と、
を備えている。
【0010】
好ましくは、第1サイドアームは、第1スイッチの制御可能サポート具を作動させるための作動アームであり、一方、第2サイドアームは、第2スイッチの制御可能サポート具を作動させるための作動アームである。
【0011】
有利には、少なくとも第1スイッチにおいて、可動接点を支持する制御可能サポート具が、この可動接点を電気回路に電気的に接続するための伝導体となっている。
【0012】
有利には、少なくとも第1スイッチは、その可動接点を前記可動接点の開放位置または閉鎖位置のうちの一方に戻すための弾性的リターンエレメントを備えている。好ましくは、第1サイドアームは、第1スイッチの制御可能サポート具を、弾性的リターンエレメントの動作に逆らって押し動かすためのアームとなっている。
【0013】
有利には、弾性的リターンエレメントは、第1スイッチの閉鎖方向において弾性的なリターンを生成する。好ましくは、第1サイドアームは、能動的保持位置から、中間位置に向かって、受動的位置まで傾くことが可能である。能動的保持位置において、第1スイッチは、弾性的リターンエレメントの動作に逆らって、開放状態に保持されている。中間位置において、第1スイッチは閉鎖されている。受動的位置は、弾性的リターンの方向において中間位置を越えたところにある。受動的位置において、弾性的リターンは、第1サイドアームと干渉することなく、第1スイッチを閉鎖する調節された力を生成する。
【0014】
有利には、少なくとも第1スイッチにおいて、可動接点を支持する制御可能サポート具は、この可動接点を弾性的に戻すための弾性的リターンエレメントを形成する。
【0015】
有利には、少なくとも第1スイッチにおいて、可動接点を支持する制御可能サポート具は、その一端が固定された細長いフィンガーを備えており、細長いフィンガーは、少なくとも局所的に、第1スイッチの可動接点の開放位置と閉鎖位置との間で弾性的に柔軟なものであり、かつ、固定された端部から所定の距離のところで可動接点を支持する。
【0016】
有利には、細長いフィンガーは、リーフの形状を有しており、その一面の上に、対応する可動接点が配置されている。
【0017】
有利には、リーフは、弾性的に柔軟なエルボーを備えており、エルボーは、フィンガーの固定された端部に配置された、固定された取り付けベースによって長く延ばされている。
【0018】
有利には、レバーは、前記旋回軸に沿って延び、第1および第2サイドアームを支持するシャフトを備えている。
【0019】
有利には、変換装置はクランクを備えており、前記旋回軸の周りで傾き可能な、クランクのアームが、レバーのシャフトに強固に結合されており、かつ、前記旋回軸の所定の距離のところで入力コマンドを受け取るためのクランクピンを支持している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】モータの安全装置およびこの安全装置に備えられた信号補助装置の、部分的に破断された斜視図。
【
図2】
図1の信号補助装置のためのケースを、カバーを取り除いて示し、かつ、その内容物、すなわち本発明の第1の形態による機械的な位置を電気的な状態に変換するための変換装置を示す斜視図。
【
図3】
図2の変換装置のみを、それを収容するケースを取り除いて示す斜視図。
【
図4】
図3の変換装置の構成要素であるレバーの斜視図。
【
図5】
図3に類似する図であり、ここでは、
図3の変換装置が第1の能動的状態にある。
【
図6】
図3の変換装置が、
図5と同一の第1の能動的状態にある場合の側面図。
【
図7】
図3に類似する図であり、ここでは、
図3の変換装置が第2の能動的状態にある。
【
図8】
図3に類似する図であり、本発明の第2の形態による変換装置を示す図。
【
図9】
図8の変換装置の構成要素であるレバーの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
その他の利点および特徴は、非限定的な例として与えられ、かつ、付随する図に示されている、本発明の特定の形態に関する以下の説明から、より明確に現れる。
【0022】
図1は、電気モータを保護するために電気モータの供給端子に接続されることが意図されている安全装置1を示している。安全装置1は、回路遮断器と、熱継電器と、それ自体は知られている接触器と、を含んでいる。
【0023】
信号補助装置3は、安全装置1の中のハウジング2の中に取り付けられ接続され得る。この信号補助装置3の機能は、安全装置1の接触器が利用可能な状態にあるか否か、および、電気的な保護が駆動されている状態にあるか否かなど、安全装置1に関する情報のうちの2つの異なるビットを与えることである。
【0024】
図2に見られるように、信号補助装置3は、ケース5の中に取り付けられた電気機械変換装置4を備えている。信号補助装置3は、カバーによって囲まれるようにケース5の中に取り付けられている。なお明確性のため、カバーは示されていない。
【0025】
図3に単独で示されている装置4は、本発明の第1の形態によるものである。装置4の機能は、機械的位置を電気的状態により正確に変換することであり、この装置4は、同一の単一のレバー7によって作動されることが意図されている2つのスイッチ6Aおよび6Bを備えており、レバー7は、軸X−X’の周りを旋回する。
【0026】
第1の端子対8Aおよび9Aが、スイッチ6Aを第1電気回路10Aに接続するよう設計されている。第1電気回路10Aは、
図5に示されており、また第1電気回路10Aの機能は、上述の情報の2つのビットのうちの一方を伝達することである。第2の端子対8Bおよび9Bが、スイッチ6Bを第2電気回路10Bに接続するよう設けられている。第2電気回路10Bもまた、
図5に示されており、また第2電気回路10Bの機能は、回路遮断器1の状態に関する情報の他方のビットを伝達することである。端子8A,9A,8Bおよび9Bは、ケース5の後面に沿って、同一ラインに整列されている。
【0027】
スイッチ6Aは、接触のときに、すなわち、固定接点11Aと、2つの位置の間で移動可能な可動接点12Aとを接触させるときに、電気的な接続を確立することが意図されている二対の接点を備えている。2つの位置とは、固定接点11Aからの分離および断絶に関する開放位置、および、この固定接点の接触および接続に関する閉鎖位置のことである。その開放位置において、可動接点12Aは、固定接点11Aから分離され断絶されている。その閉鎖位置において、可動接点12Aは、固定接点11Aに接触し、また固定接点11Aに接続されている。固定アーム13Aの自由端が、固定接点11Aを画定している。この固定アーム13Aは、固定接点11Aを端子8Aに電気的に接続する伝導エレメント14Aの一部となっている。
【0028】
電気的な伝導性を有する金属製のフィンガー15が、可動接点12Aを支持または維持する制御可能サポート具を形成しており、このフィンガー15および伝導性マウント16Aが、端子9Aに接続している。
【0029】
フィンガー15は、リーフまたはタングの形状を有しており、またフィンガー15は、弾性的に柔軟なエルボー17を備えており、取り付けベース18が、このエルボー17を超えて延びている。制御可能なフィンガー15の固定端において、このベース18は、リベットによってマウント16Aに固定されている。可動接点12Aは、弾性的に柔軟なエルボー17から所定の距離で、かつ、このフィンガー15の可動端において、フィンガー15の一面の上に配置されている。エルボー17は、フィンガー15を、固定アーム13Aに向けて、スイッチ6Aの閉鎖位置へ戻そうとする。
【0030】
スイッチ6Bは、スイッチ6Aと同一の形態を有しているが、一方で、旋回軸X−X’を通る平面に対して、スイッチ6Aとほぼ対称的なものとなっている。その固定接点11Bおよびその可動接点12Bはそれぞれ、端子8Bおよび端子9Bに弾性的に接続されている。可動接点12Bのサポート具は、その他の制御可能なフィンガー15となっている。スイッチ6Aのフィンガー15を形成するピースと、スイッチ6Bのフィンガー15を形成するピースは、同一のものであり、かつ、同一の方法で取り付けられている。
【0031】
絶縁性材料から成型されたレバー7は、一体鋳造のピースであり、
図4において単独で示されている。レバー7は、旋回軸X−X’に沿って延びるシャフト20を備えており、またシャフト20の2つの端部は各々、ケース5の中で旋回するよう、ケース5の平滑なベアリングで保持されている。シャフト20にはクランク21が設けられており、クランク21は、クランク21のクランクピン22によって受け取られる入力コマンドに応じて前記シャフトを制御するよう意図されている。
【0032】
スイッチ6Aおよび6Bの間に配置されているシャフト20は、2つの傾き可能なサイドアームを支持するとともに強固に結合している。2つのサイドアームは、2つの反対の方向において、互いに反対に延びている。2つのサイドアームは、スイッチ6Aを作動させるための作動アーム23Aと、スイッチ6Bを作動させるための作動アーム23Bとなっている。
【0033】
図3において、信号補助装置3が機能していないとき、クランク21は、意味を有さないニュートラルの中間位置にある。固定接点11Aおよび可動接点12Aは、所定の距離D
1だけ互いに隔離されている。同様のことが、固定接点11Bおよび可動接点12Bにもほぼ及んでいる。距離D
1は、電気回路10Aおよび10Bに電力供給されているときにアームの発生を避けるよう注意される必要がある最小絶縁距離よりも小さくなっている。
【0034】
図5および6において、クランク21は、第1位置へ傾けられている。第1位置において、クランク21は、そのクランクピン22での一定の動作C
1の形態による入力コマンドのため、維持されている。このクランク21の傾きは、軸X−X’の周りでの同一方向における作動アーム23Aおよび23Bの傾きを導いている。この間、作動アーム23Aは、エルボー17およびこのスイッチ6Aのフィンガー15を画定するリーフによって生成される弾性的リターン力の効果のもとで、スイッチ6Aをそれ自体で閉鎖する。同時に、作動アーム23Bは、固定接点11Bの反対の方向において、エルボー17およびこのスイッチ6Bのフィンガー15を画定するリーフによって生成される弾性的なリターン力に逆らって、他方のスイッチ6Bのフィンガー15を押し動かす。
【0035】
図5において、作動アーム23Bは、スイッチ6Bのフィンガー15に推進力P
1を及ぼす。固定接点11Bおよび可動接点12Bは、距離D
1よりも大きく、かつ、電気回路10Bに電力供給されているときにアームの発生を避けるよう注意される必要がある最小絶縁距離と少なくとも同等である距離D
2によって、互いに隔離されている。最小絶縁距離の定義は、規格EN/CEI 60947−6−2,EN/CEI 60947−5−1,EN/CEI 60068−2−6,EN/CEI 60721−4−2,EN/CEI 60947−5−4およびUL 508の対象である。
【0036】
図5においては依然として、スイッチ6Aが閉鎖されている。
図6において見られるように、作動アーム23Aは、このスイッチのフィンガー15から離れた距離Sのところにあるので、このスイッチのフィンガー15には何ら作用しない。このため、このフィンガー15は、スイッチ6Aの閉鎖方向において動作する弾性的リターンに対してさらされているのみである。この弾性的リターンは、固定接点11B上で可動接点12Bを押圧する調節された力を働かせる、すなわち、通常“コンタクトエフォート”と称されるものであり、有利である。閉鎖された回路10Aを通って循環する電流が、矢印Iによって示されている。電流は、矢印Iで示されている方向、または反対方向において循環することができる。
【0037】
図7において、クランク21は、第2位置へ傾けられている。第2位置において、クランク21は、そのクランクピン22の一定の動作C
2の形態による入力コマンドのため、維持されている。作動アーム23Aは、スイッチ6Aのフィンガー15に推進力P
1を働かせる。固定接点11Aおよび可動接点12Aは、距離D
2だけ、すなわち、上述の最小絶縁距離より大きいか、または同等の距離だけ互いに隔離されている。スイッチ6Aは従って開放しており、スイッチ6Bは閉鎖されている。作動アーム23Bは、対応するフィンガー15から所定の距離のところにある。エルボー17およびスイッチ6Bのフィンガー15を画定するリーフによって生成される弾性的リターンが、固定接点11B上で可動接点12Bをクランプする調節された力を働かせる。閉鎖された回路10Bを通って循環する電流が、矢印Iによって示されている。電流は、矢印Iで示されている方向、または反対方向において循環することができる。
【0038】
本発明の第2の実施形態による変換装置104が、
図8に示されている。以下、装置4に対する装置104の相違点についてのみ説明する。また、装置104の部分のうち装置4の言及された部分に類似または等価な部分を示すために用いられる参照符号は、装置4の当該部分を特定するための参照符号に100を加算することによって得られている。
【0039】
スイッチ106Bは、それが、スイッチ6Bを閉鎖することに関する配置とは反対の方向における配置によって閉鎖されるよう、概して正反対のものとなっている。スイッチ106Bの弾性的に柔軟なエルボー117と、スイッチ6Bの弾性的に柔軟なエルボーとは、反対方向の弾性的リターンを働かせる。
図9において見られるように、レバー107の作動アーム123Bは、推進力P
1の方向とは反対の方向において推進力P
2を働かせるよう、方向づけられている。この作動アーム123Bは、作動アーム123Aに対して、固定および可動接点に向かってさらに軸方向に変位されていてもよい。
【0040】
図8において、作動アーム123Aおよび123Bが非動作状態のとき、スイッチ106Aおよび106Bはいずれも、エルボー117およびフィンガー115を形成するリーフによって各々の内側で生成される弾性的リターンによって、閉鎖されたままになっている。
【0041】
クランク121が量Q
1だけ傾けられるとき、作動アーム123Aは、スイッチ106Aのフィンガー115に推進力を働かせ、これによって、スイッチ106Aを開放状態に維持し、一方、作動アーム123Bは非動作状態のままであり、そして、スイッチ106Bは閉鎖状態で維持されている。
【0042】
クランク121が、量Q
1よりも大きい量Q
2だけ傾けられるとき、作動アーム123Aおよび123Bは、スイッチ106Aおよび106Bの両方を、それらのフィンガー115を後方に押し動かすことによって、開放状態のままとする。
【0043】
距離D
2などの絶縁距離、並びに、スイッチ制御に関連する様々な取り組みが、有利な旋回軸X−X’に沿って作動アーム23A,23B,123Aおよび123Bの位置を適切に選択することによって容易に決定され得る、ということを付け加えておく。