特許第6129529号(P6129529)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129529
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】コンソールドア
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20170508BHJP
   B60N 3/00 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   B60R7/04 C
   B60N3/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-261999(P2012-261999)
(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公開番号】特開2014-104958(P2014-104958A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 隆
(72)【発明者】
【氏名】三輪 隆浩
【審査官】 常盤 務
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−089089(JP,U)
【文献】 実開平03−121047(JP,U)
【文献】 実開平02−038353(JP,U)
【文献】 実開昭59−113230(JP,U)
【文献】 特開2009−067105(JP,A)
【文献】 実開平03−042637(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 7/04
B60N 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナ部材と、アウタ部材と、このアウタ部材の上面側を構成するクッション部材とからなるコンソールドアであって、
クッション部材は、
発泡樹脂材表皮材で被われてその上面がアウタ部材から露出した状態でインナ部材により支持される本体部と、
その本体部の外周から表皮材が張り出した鍔部と、を備え、
このクッション部材の鍔部を貫通させたピンにより該クッション部材の鍔部がインナ部材及びアウタ部材に留められているコンソールドア。
【請求項2】
インナ部材と、アウタ部材と、このアウタ部材の上面側を構成するクッション部材とからなるコンソールドアであって、
クッション部材は、
発泡樹脂材が表皮材で被われてその上面がアウタ部材から露出した状態でインナ部材により支持される本体部と、
その本体部の外周から表皮材と発泡樹脂材が張り出すと共に発泡樹脂材の上面が表皮材の裏面で被われた鍔部と、を備え、
このクッション部材の鍔部を貫通させたピンにより該クッション部材の鍔部がインナ部材及びアウタ部材に留められているコンソールドア。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンソールドアであって、
クッション部材の鍔部は、インナ部材とアウタ部材とにより挟み込んだ状態で留められているコンソールドア。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンソールドアであって、
クッション部材は、発泡樹脂材と表皮材の一体成型品とされているコンソールドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両用センターコンソールのコンソールドアに関する。詳しくは、インナ部材と、アウタ部材と、このアウタ部材の上面側を構成するクッション部材とからなるコンソールドアに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車室内の運転席と助手席との間に装着されるセンターコンソールは、コンソール本体と、コンソール本体の収納部の上方開口部を開閉するコンソールドアとを備えているのが一般的である。そして、センターコンソールにおいては、乗員がアームレストとして使用することから、コンソールドアの上面にクッション性をもたせている。
【0003】
図8は、そのようなコンソールドアの一例を示している。すなわち、コンソールドア110は、インナ部材120と、アウタ部材130と、アウタ部材130の上面側を構成するクッション部材140を備えている。このクッション部材140は、発泡樹脂材150の表面が表皮材160により被われた構造になっている。
図8に示されるコンソールドア110において、クッション部材140は、基材200により下から支持され、また、基材200に対して留められている。詳述すると、発泡樹脂材150は、基材200の上に設けられることで、その支持剛性が確保されている。そして、表皮材160は、発泡樹脂材150を被い、その周縁が基材200の内面側に巻き込まれた状態で留められている。
なお、この種のコンソールドアに関連する先行技術として、例えば、特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−67105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図8に示されるコンソールドア110の構成においては、クッション部材140の支持および表皮材160の周縁を留めるために基材200が必要不可欠であり、その分のコスト負担は避けられない。
【0006】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、クッション部材の支持剛性を確保するとともに、クッション部材における表皮材の周縁を留めるために必要とされていたクッション部材の基材を廃止してコストの軽減を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
インナ部材と、アウタ部材と、このアウタ部材の上面側を構成するクッション部材とからなるコンソールドアであって、クッション部材は、発泡樹脂材表皮材で被われてその上面がアウタ部材から露出した状態でインナ部材により支持される本体部と、その本体部の外周から表皮材が張り出した鍔部と、を備え、このクッション部材の鍔部を貫通させたピンにより該クッション部材の鍔部がインナ部材及びアウタ部材に留められている。
【0008】
また、インナ部材と、アウタ部材と、このアウタ部材の上面側を構成するクッション部材とからなるコンソールドアであって、クッション部材は、発泡樹脂材が表皮材で被われてその上面がアウタ部材から露出した状態でインナ部材により支持される本体部と、その本体部の外周から表皮材と発泡樹脂材が張り出すと共に発泡樹脂材の上面が表皮材の裏面で被われた鍔部と、を備え、このクッション部材の鍔部を貫通させたピンにより該クッション部材の鍔部がインナ部材及びアウタ部材に留められている。
【0009】
さらに好ましくは、クッション部材の鍔部が、インナ部材とアウタ部材とにより挟み込んだ状態で留められていることである。
【0010】
さらに好ましくは、クッション部材は、発泡樹脂材と表皮材の一体成型品とされていることである。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、コンソールドアの見栄えを損なうこと無く、これまで必要とされていたクッション部材の基材を廃止することができる。この結果、製作コストの軽減を図ることができる。
【0012】
また、鍔部において、表皮材と発泡樹脂材とをインナ部材及びアウタ部材に対して一まとめとした状態で留めることができる。これにより、発泡樹脂材のバタつきを抑制でき、表皮材と発泡樹脂材の位置決めが容易になる。
【0013】
また、クッション部材の組み付けにおいて、タッカーや接着剤等の留め手段を必要としない。そのため、製作コストのさらなる軽減を図ることが出来る。
【0014】
また、発泡樹脂材と表皮材とを個別に成形した後、それらを接着剤等によって接合するのと比較して、製作作業の簡略化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るコンソールドアを備えたコンソールボックスの斜視図。
図2】実施例1におけるコンソールドアの分解斜視図。
図3】実施例1におけるコンソールドアのアウタ部材を裏面側から見た斜視図。
図4】実施例1におけるコンソールドアの組み付け状態を表した斜視図。
図5図4のV−V矢視方向の断面図。
図6図4のVI−VI矢視方向の断面図。
図7】実施例2におけるコンソールドアを図5と対応させて表した断面図。
図8】従来技術におけるコンソールドアの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
(実施例1)
まず、図1図6を参照して、実施例1を説明する。
図1に示されるように、車両(主として自動車)の車室内の運転席と助手席との間に装着されるセンターコンソールは、コンソール本体1とコンソールドア10とを備える。コンソール本体1は、カップホルダー15と収納部(図示省略)とを備える。コンソールドア10は、コンソール本体1に対して収納部の上端開口部を開閉できるように取付けられている。
【0017】
図2に示されるように、コンソールドア10は、インナ部材20とアウタ部材30とクッション部材40とにより構成される。
まず、インナ部材20について説明する。インナ部材20は合成樹脂製である。インナ部材20は、その全体形状が略矩形に構成されている。図2および図5の(a)の全体断面図に示されるように、インナ部材20は、水平方向に広がる略矩形状のベース部22と、ベース部22の短手方向の両端において、該ベース部22の縁からほぼ垂直に垂下された内壁部24と、内壁部24の外縁から外側に向かって水平方向に延びる底壁部26と、底壁部26の外縁から上方に立ち上る外壁部28とにより構成される。
【0018】
インナ部材20における短手方向の両端の底壁部26には、個々に4つの結合ピンP1が、インナ部材20の長手方向に沿って設けられている(図2参照)。また、インナ部材20のベース部22における長手方向の両端近くには、個々に3つの結合ピンP2が、インナ部材20の短手方向にほぼ沿うように設けられている。
【0019】
次に、クッション部材40について説明する。クッション部材40は、発泡樹脂材50に表皮材60を被せた構造になっている(図2図5図6参照)。
表皮材60は、凸型の断面形状をしており(図5図6参照)、ほぼ水平に広がる略矩形状の天井部60aと、この天井部60aの外周に沿って、該外周からほぼ垂直に垂下される周壁部60bと、この周壁部60bの下縁に沿って、該下縁から外に向かって水平上に張り出す鍔部60cとにより構成されている。なお、以下の記載では、表皮材60に関して、発泡樹脂材50と接合する面を裏、その反対側の面を表として説明する。
【0020】
発泡樹脂材50は、例えば、ウレタンよりなる。発泡樹脂材50は、底部に所定の厚みを備えた凸型の断面形状を有する(図5図6参照)。発泡樹脂材50は、直方体状の基幹部50aと、基幹部50aの外周下部に沿って、該外周下部から水平上に張り出す肉厚の鍔部50bとにより構成され、底面は水平方向に一様に広がる。発泡樹脂材50は、基幹部50aから鍔部50bまでが一続きに形成されている。
発泡樹脂材50の基幹部50aのうち、鍔部50bの上面よりも上方に突出した部分の形状は、表皮材60の天井部60aと周壁部60bの裏面により形成される空間の形状と一致するように設定されている。また、発泡樹脂材50の鍔部50bが張り出す長さは、表皮材60の鍔部60cが張り出す長さと一致するように設定されている。
【0021】
発泡樹脂材50は、その基幹部50aのうち、鍔部50bの上面よりも突出した部分の外面が、表皮材60の天井部60aと周壁部60bの裏面により被われ、鍔部50bの上面が、表皮材60の鍔部60cの裏面により被われている(図5図6参照)。
以下の記載では、発泡樹脂材50の基幹部50aと表皮材60の天井部60aおよび周壁部60bを併せてクッション部材40の本体部42として説明する。また、発泡樹脂材50と表皮材60の鍔部50b,60cをクッション部材40の鍔部44として説明する。
【0022】
本実施の形態において、発泡樹脂材50と表皮材60とは、金型(図示省略)を利用して一体に成形されている。その成形手順は次ぎのとおりである。まず、金型の型開き状態において、そのキャビティを形成する面に沿って表皮材60を設置する。つづいて、型締めを行い、キャビティに対して発泡前の発泡樹脂材50を流し込む。発泡樹脂材50の発泡が完了すると、発泡樹脂材50と表皮材60とが一体とされたクッション部材40が完成する。
【0023】
クッション部材40の鍔部44には、表皮材60の鍔部60cと発泡樹脂材50の鍔部50bを上下に貫通する複数個(14個)の貫通孔H1,H2が設けられている(図2図5図6参照)。クッション部材40の短手方向の両端に設けられる鍔部44には、個々に4つの貫通孔H1がクッション部材の長手方向に沿って設けられている。クッション部材40の長手方向の両端に設けられる鍔部44には、個々に3つの貫通孔H2がクッション部材の短手方向に沿って設けられている。
【0024】
続いて、アウタ部材30について説明する。アウタ部材30は、合成樹脂製である。アウタ部材30は、外周形状が略矩形に形成された上壁部32と(図2参照)、上壁部32の短手方向の両端において、該上壁部32の外縁からほぼ垂直に垂下された長側壁部36と(図2図5参照)、上壁部32の長手方向の両端において、該上壁部32の外縁からほぼ垂直に垂下された短側壁部38と(図2図6参照)から構成される。上壁部32は、その中央に略矩形状の開口部34を備える。この中央開口部34は、組み付け状態において、表皮材60の周壁部60bを取り囲むことが可能な大きさに設定されている(図4図5図6参照)。短側壁部38の高さは、長側壁部36の高さの半分程度に設定されている。
【0025】
アウタ部材は、図4に示す組み付け状態において、外向きとなる面を表、内向きとなる面を裏とする。アウタ部材30の裏面において(図3参照)、その上壁部32には、中央開口部34を取り囲むようにして、複数本(14本)の結合ボスB1,B2が設けられている。上壁部32のうち、その内周を形成する2つの長辺の近傍には、個々に4つの結合ボスB1が、該長辺に沿って設けられている。また、上壁部32のうち、その内周を形成する2つの短辺の近傍には、個々に3つの結合ボスB2が、該短辺に沿って設けられている。
【0026】
上述したインナ部材20とアウタ部材30とクッション部材40は、図4に示されるように組み付けられてコンソールドア10が構成される。インナ部材20とアウタ部材30は、適宜の結合構造(図示省略)により、両者の間にクッション部材40を挟みこんだ状態で、一体に結合される。コンソールドア10の組み付け状態では、インナ部材20が下に位置し、アウタ部材30が上に位置し、インナ部材20とアウタ部材30の間にクッション部材40が位置している。
【0027】
コンソールドア10の組み付け状態において、クッション部材40は、アウタ部材30の上面側を構成している。つまり、クッション部材40は、その本体部42の上部がアウタ部材30の開口部34から露出している(図4図5図6参照)。実質的には、クッション部材40における表皮材60の天井部60aと周壁部60b上部が、アウタ部材30の開口部34から露出している。クッション部材40の本体部42の下部および鍔部44は、アウタ部材30の上壁部32および長側壁部36、短側壁部38により形成される外殻の内側に位置している。
【0028】
アウタ部材30による外殻形状を具体的に説明する。
図5および図6に示されるように、アウタ部材30の上壁部32は、その内周が表皮材60における周壁部60bの高さ方向の中央付近に位置し、そこから外側に向かってやや斜め下方に延びている。ここで、アウタ部材30の上壁部32は、表皮材60の鍔部60cの上方に位置するが、該鍔部60cに触れることが無い高さを維持している。アウタ部材30の上壁部32の外周は、クッション部材40の鍔部44の外周よりも外側に位置する。アウタ部材30の上壁部32から垂下された長側壁部36および短側壁部38の下端は、それぞれ、インナ部材20の外壁部28の直ぐ外側、およびインナ部材20のベース部22における長手方向の両端の直ぐ外側(図5,6参照)に位置する。図5に示されるように、アウタ部材30の長側壁部36とインナ部材20の外壁部28は、インナ部材20の外壁部28の高さ分だけ互いに平行する。
【0029】
上述したようなアウタ部材30による外殻の内側で、クッション部材40は、インナ部材20により下から支持されている。クッション部材40は、その長手方向に関して、その本体部42がインナ部材20のベース部22により下から支持されている(図6参照)。クッション部材40は、その短手方向に関して、その本体部42がインナ部材20のベース部22により下から支持され、その鍔部44がベース部22の外側にはみ出した格好となり、その鍔部44はインナ部材20の底壁部26の上方に位置している(図5参照)。
【0030】
クッション部材40の位置は、インナ部材20に設けられた結合ピンP1,P2と、アウタ部材30に設けられる結合ボスB1,B2とにより固定される。組み付け状態において、インナ部材20の底壁部26およびベース部22に設けられた結合ピンP1,P2と、アウタ部材30の上壁部32に設けられる結合ボスB1,B2と、クッション部材40の鍔部44に設けられる貫通孔H1,H2とは、上下方向の同一直線状に位置している(図5図6参照)。
組み付け状態において、クッション部材の貫通孔H1,H2を通じて、インナ部材の結合ピンP1,P2とアウタ部材の結合ボスB1,B2とを互いに結合させることで、クッション部材40の位置が固定される。この結合の様子が、図5の(b)に拡大して示されている。詳述すると、クッション部材40は、結合ピンP1,P2と結合ボスB1,B2の基部の合せ面により、その鍔部44が挟み込まれた状態で、インナ部材20とアウタ部材30に対して固定されている。
【0031】
上述の構成では、クッション部材40がインナ部材20により支持され、かつクッション部材40の鍔部44がインナ部材20およびアウタ部材30に留められることから、コンソールドア10の見栄えを損なうこと無く、これまで必要とされていたクッション部材40の基材を廃止することができる。この結果、製作コストの軽減を図ることが出来る。
【0032】
上述の構成では、クッション部材40を構成する発泡樹脂材50が、表皮材60の鍔部60cまで一続きに形成されることにより、鍔部50b,60cにおいて、表皮材60と発泡樹脂材50とをインナ部材20およびアウタ部材30に対して一まとめとした状態で留めることができる。これにより、発泡樹脂材50のバタつきを抑制でき、表皮材60と発泡樹脂材50の位置決めが容易になる。
【0033】
上述の構成では、クッション部材40の鍔部44が、インナ部材20とアウタ部材30とにより挟み込んだ状態で留められていることから、クッション部材40の組み付けにおいて、タッカーや接着剤等の留め手段を必要としない。そのため、製作コストの軽減を図ることが出来る。
【0034】
上述の構成では、クッション部材40において、発泡樹脂材50と表皮材60とが一体に成形されることにより、発泡樹脂材50と表皮材60とを個別に成形した後、それらを接着剤等によって接合するのと比較して、製作作業の簡略化が可能となる。
【0035】
(実施例2)
つづいて、図7を参照して、実施例2を説明する。実施例2は、実施例1で説明したコンソールドア10の構成の一部を異なるようにしたものであり、その異なる部分についてのみ、以下に説明する。なお、図7において、実施例1と同じ機能を有する部分には、実施例1と同じ符号を付与している。
【0036】
実施例1において、発泡樹脂材50は、基幹部50aと鍔部50bとにより形成されていた。この形態に変えて、実施例2では、図7の(a)の全体断面図に示されるように、発泡樹脂材50を基幹部50aのみとしている。ここで、発泡樹脂材50の基幹部50aの底面は、表皮材60の鍔部60cと同位置に設定されている。
クッション部材40の本体部42は、発泡樹脂材50の基幹部50aと、その外面を被う表皮材60の天井部60aおよび周壁部60bとにより構成されている。クッション部材40の鍔部は、表皮材60の鍔部60cだけで構成されている。クッション部材40の鍔部には、表皮材60の鍔部60cを上下に貫通する貫通孔H1,H2が設けられている。貫通孔H1,H2は、上述した実施例1と同じ位置に設置されている。
【0037】
組み付け状態では、クッション部材40の鍔部に設けられる貫通孔H1,H2を通じて、インナ部材の結合ピンP1,P2とアウタ部材の結合ボスB1,B2とを互いに結合させることで、クッション部材40の位置が固定される。この結合の様子が、図7の(b)に拡大して示されている。詳述すると、クッション部材40は、結合ピンP1,P2と結合ボスB1,B2の基部の合せ面により、その鍔部が挟み込まれた状態で、インナ部材20とアウタ部材30に対して固定されている。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各参考例を実現してもよい。
【0039】
上述した実施形態において、クッション部材40は、インナ部材20の結合ピンP1,P2とアウタ部材30の結合ボスB1,B2により挟み込まれた状態で固定されていた。この形態に代えて、クッション部材40の鍔部44を、インナ部材20もしくはアウタ部材30の内面側、すなわち、インナ部材20の上面もしくはアウタ部材30の裏面に対してタッカーや接着剤などの留め手段により留める構成としても良い。
【0040】
上述した実施形態において、発泡樹脂材50と表皮材60とは、金型により一体成形されていた。この形態に代えて、発泡樹脂材50と表皮材60とを個別に成形し、それらを接着剤等の留め手段により結合させる構成としても良い。
【0041】
また、コンソールドア10は、センターコンソール以外のコンソールボックスにも適用することができる。この構成を適用することにより、各種の車両用内装品に関して、従来必要とされていたクッション部材の基材を廃止して、製作コストの軽減を図ることができる。
【符号の説明】
【0042】
10 コンソールドア
20 インナ部材
30 アウタ部材
40 クッション部材
42 本体部
44 鍔部
50 発泡樹脂材
50a 基幹部
50b 鍔部
60 表皮材
60a 天井部
60b 周壁部
60c 鍔部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8