(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保持手段に保持される前の前記一対のサイドパネルは、それぞれ、ボトムパネルに連続したものを折り曲げたもので、かつ、前記ボトムパネルに対する姿勢が固定されていないものであることを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載のラップアラウンドカートナー。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るラップアラウンドカートナー1について詳細に説明する。
【0021】
まず、
図1を用いて、ラップアラウンドカートナー1の構成について説明する。
図1は、ラップアラウンドカートナー1の正面図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本説明及び以降の説明において、指定する図面に限られず、他の図面を適宜参照されたい。
【0022】
図1に示されるラップアラウンドカートナー1は、スプレー(噴霧器)などの物品(図示省略)を包装するラインで使用される。本ラインでは、厚紙などからなる展開状態のブランクシート2の上に所定本数(例えば、10本)の物品を集積してから、当該ブランクシート2を順次折り曲げて直方体形状の箱に成形することで、物品が包装される。
【0023】
ここで、ラップアラウンドカートナー1の具体的な構成に先立って、
図2及び
図3に基づいてブランクシート2の構成について説明する。
図2は、ブランクシート2の展開図である。
図3は、ブランクシート2を折り曲げる順序を説明する概略図である。なお、
図2、
図3、
図7及び
図12において、山折りにする線を一点鎖線で示し、谷折りにする線を破線で示す。そして、
図3(A)において、ブランクシート2によって包装される物品の図示は省略する。また、説明の都合、成形途中であって箱になる前のシートを、ブランクシートと称する。すなわち、物品が置かれたシートについても、ブランクシートと称する。
【0024】
図2及び
図3に示されるブランクシート2は、フロントパネル2Aと、ボトムパネル2Bと、バックパネル2Cと、トップパネル2Dと、一対のフロントフラップ2Eと、一対のボトムフラップ2Fと、一対のバックフラップ2Gと、一対のトップフラップ2Hと、メインフラップ2Iと、を備えている。このブランクシート2は、順次折り曲げられて直方体形状の箱に成形される。
【0025】
フロントパネル2Aは、ボトムパネル2Bに連続したものであり、当該ボトムパネル2Bに対して直角に折り曲げられる。このフロントパネル2Aは、成形後に正面となる(
図3(A)参照)。
【0026】
ボトムパネル2Bは、基礎となるパネルであり、成形後に底面となる。このボトムパネル2Bには、集積された所定本数の物品(図示省略)が載せられる。
【0027】
バックパネル2Cは、ボトムパネル2Bに連続したものであり、当該ボトムパネル2Bに対して直角に折り曲げられる。このバックパネル2Cは、成形後に背面となる。
【0028】
トップパネル2Dは、バックパネル2Cに連続したものであり、当該バックパネル2Cに対して直角に折り曲げられる。このトップパネル2Dは、成形後に上面となる。
【0029】
一対のフロントフラップ2Eは、それぞれ、フロントパネル2Aの両脇に連続したものであり、当該フロントパネル2Aに対して直角に折り曲げられる。
【0030】
一対のボトムフラップ2Fは、それぞれ、ボトムパネル2Bの両脇に連続したものであり、当該ボトムパネル2Bに対して直角に折り曲げられる。ただし、一対のボトムフラップ2Fは、それぞれ、フロントフラップ2E及びバックフラップ2Gが折り曲げられた後に折り曲げられ、当該フロントフラップ2E及び当該バックフラップ2Gに重ねられる。
【0031】
一対のバックフラップ2Gは、それぞれ、バックパネル2Cの両脇に連続したものであり、当該バックパネル2Cに対して直角に折り曲げられる。
【0032】
一対のトップフラップ2Hは、それぞれ、トップパネル2Dの両脇に連続したものであり、当該トップパネル2Dに対して直角に折り曲げられる。ただし、一対のトップフラップ2Hは、それぞれ、フロントフラップ2E、ボトムフラップ2F及びバックフラップ2Gが折り曲げられた後に折り曲げられ、当該フロントフラップ2E、当該ボトムフラップ2F及び当該バックフラップ2Gに重ねられる。そして、一対のトップフラップ2Hは、それぞれ、一対のボトムフラップ2Fに接着剤で接着される。これら一対のトップフラップ2Hは、成形後に一対の側面となる。
【0033】
メインフラップ2Iは、トップパネル2Dに連続したものであり、当該トップパネル2Dに対して直角に折り曲げられ、フロントパネル2Aに重ねられる。そして、メインフラップ2Iは、フロントパネル2Aに接着剤で接着される。
【0034】
このように、フロントパネル2A及びバックパネル2Cは、トップパネル2Dの一方の対辺で当該トップパネル2Dに直交する一対のサイドパネルを構成する。また、トップフラップ2Iは、トップパネル2Dの他方の対辺に連続する。
【0035】
本明細書では、
図3(A)に示す状態に成形されたブランクシート2について、トップパネル2Dを折り曲げてから(
図3(B)参照)、一対のトップフラップ2Hを折り曲げる(
図3(C)参照)工程のみを説明する。
【0036】
なお、
図3(A)に示されるブランクシート2は、フロントパネル2A及びバックパネル2Cが直角に折り曲げられ、かつ、一対のフロントフラップ2E及び一対のバックフラップ2Gが直角に折り曲げられてから一対のボトムフラップ2Fが直角に折り曲げられている。この状態において、フロントパネル2A及びバックパネル2Cは、それぞれ、ボトムパネル2Bに対する姿勢が固定されていない。また、
図3(B)に示される状態において、トップパネル2D及びメインフラップ2Iは、フロントパネル2Aに固定されていない。
【0037】
図1に戻って説明する。ラップアラウンドカートナー1は、搬送手段10と、トップパネルガイド手段20と、保持手段30と、折曲手段40(
図8参照)と、押込手段50(
図9参照)と、流れ方向調節手段60と、高さ方向調節手段70と、制御手段(図示省略)と、を備えている。
【0038】
これらラップアラウンドカートナー1の各部は、制御手段によって統括的に制御される。制御手段は、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0039】
搬送手段10は、いわゆるフィンガーコンベアであり、間欠的に走行することでブランクシート2を搬送する。なお、搬送中のブランクシート2は、ラップアラウンドカートナー1の各部によって順次折り曲げられる。具体的に、搬送手段10は、走行プレート11と、先行フィンガー12と、後続フィンガー13と、サーボモーター(図示省略)と、スプロケット(図示省略)と、チェーン14と、サイドガイド(図示省略)と、などを備えている。
【0040】
走行プレート11は、幅方向に4列となるように、上流(図面右側)から下流(図面左側)に向けて連続して配置されている。この走行プレート11は、チェーン14に取り付けられており、当該チェーン14と共に間欠的に走行する。具体的に、内側2列の走行プレート11は、先行フィンガー12が取り付けられたチェーン14に取り付けられており、先行フィンガー12と一体となって間欠的に走行する。外側2列の走行プレート11は、後続フィンガー13が取り付けられたチェーン14に取り付けられており、後続フィンガー13と一体となって間欠的に走行する。そして、走行プレート11の上面には、ブランクシート2が載置される。これにより、走行プレート11は、自身が走行することで、ブランクシート2を搬送する。
【0041】
先行フィンガー12は、走行プレート11の上面に載置されたブランクシート2に先行する位置で、当該ブランクシート2を下流側から支持する。この先行フィンガー12は、チェーン14に取り付けられており、当該チェーン14と共に間欠的に走行する。
【0042】
後続フィンガー13は、走行プレート11の上面に載置されたブランクシート2に後続する位置で、当該ブランクシート2を上流側から支持する。この後続フィンガー13は、チェーン14に取り付けられており、当該チェーン14と共に間欠的に走行する。
【0043】
先行フィンガー12及び後続フィンガー13は、独立した動力源を有しており、互いの間の位相差が変更可能になっている。この位相差は、図示を省略するハンドルの操作によって変更される。位相差を変更することで、先行フィンガー12及び後続フィンガー13の互いの間隔が調節される。すなわち、ブランクシート2の大きさに応じて、すなわち、ボトムパネル2Bの流れ方向(搬送方向)の長さに応じて、先行フィンガー12及び後続フィンガー13の間隔が調節される(
図10参照)。
【0044】
サーボモーター(図示省略)は、先行フィンガー12及び後続フィンガー13のそれぞれに対応するように2個配置されている。先行フィンガー12に対応するサーボモーターは、内側2列の走行プレート11及び先行フィンガー12の動力源となる。後続フィンガー13に対応するサーボモーターは、外側2列の走行プレート11及び後続フィンガー13の動力源となる。サーボモーターには、スプロケットが接続されている。各サーボモーターは、間欠的に回転し、スプロケットを間欠的に回転させる。
【0045】
スプロケット(図示省略)は、サーボモーターの動力をチェーン14に伝達する機構として機能する。このスプロケットは、幅方向に4列となるように複数配置されている。
【0046】
チェーン14は、サーボモーターの動力を、走行プレート11、先行フィンガー12及び後続フィンガー13に伝達する機構として機能する。このチェーン14は、幅方向に4列となるようにスプロケットに引っ掛けられて、循環するように配置されている。そして、チェーン14は、スプロケットが間欠的に回転することで、間欠的に走行する。内側2列のチェーン14には、走行プレート11が連続して取り付けられていると共に、先行フィンガー12が等間隔に取り付けられている。外側2列のチェーン14には、走行プレート11が連続して取り付けられていると共に、後続フィンガー13が等間隔に取り付けられている。
【0047】
サイドガイド(図示省略)は、走行プレート11の幅方向の両脇に一対配置され、ブランクシート2を幅方向の両側から支持する。
【0048】
以上の搬送手段10では、ブランクシート2は、フロントパネル2Aが上流側(図面右側)を向くように、かつ、バックパネル2Cが下流側(図面左側)を向くように、間欠的に次々と搬送される。すなわち、ブランクシート2は、フロントパネル2A及びバックパネル2Cが幅方向に沿うように、間欠的に次々と搬送される。そして、ブランクシート2は、搬送手段10による搬送中に、順次折り曲げられる。
【0049】
トップパネルガイド手段20は、トップパネル2Dをバックパネル2Cに対して直角に折り曲げ、そして、その折り曲げた状態を維持するレールである。具体的に、トップパネルガイド手段20は、円弧レール21と、直線レール22と、を備えている。
【0050】
円弧レール21は、略90度の円弧形状を呈し、搬送手段10の上方に、当該搬送手段10に沿うように配置されている。具体的に、円弧レール21は、凸となる円弧面が、搬送中のブランクシート2におけるトップパネル2Dが突き当たるように、上流側(図面右側)に向けて配置されている。この円弧レール21は、突き当たったトップパネル2Dをバックパネル2Cに対して直角に折り曲げる(
図3(A)→
図3(B)参照)。
【0051】
直線レール22は、円弧レール21の下流端に連続する直線形状を呈し、搬送手段10の上方に、当該搬送手段10に平行となるように配置されている。この直線レール22は、円弧レール21で折り曲げられたトップパネル2Dの状態を維持する。
【0052】
保持手段30は、円弧レール21の下流であって、かつ、搬送手段10の上方に配置されている。この保持手段30は、トップパネルガイド手段20がトップパネル2Dを折り曲げた後で、かつ、折曲手段40(
図8参照)がトップフラップ2Hを折り曲げることに先立って、フロントパネル2A及びバックパネル2Cの表面を吸着することで、当該フロントパネル2A及び当該バックパネル2Cを保持する。なお、保持手段30の具体的な構成は後述する。
【0053】
折曲手段40(
図8参照)は、円弧レール21の下流であって、かつ、搬送手段10の上方に、保持手段30と共に配置されている。この折曲手段40は、保持手段30がフロントパネル2A及びバックパネル2Cを保持している状態で、一対のトップフラップ2Hの付け根部分(トップパネル2Dに近い部分)を上方から押して、当該一対のトップフラップ2Hを、トップパネル2Dに対して直角に折り曲げる。なお、折曲手段40の具体的な構成は後述する。
【0054】
押込手段50(
図9参照)は、保持手段30及び折曲手段40の下方であって、かつ、搬送手段10の側方に配置されている。この押込手段50は、保持手段30がフロントパネル2A及びバックパネル2Cを保持している状態であって、かつ、折曲手段40が一対のトップフラップ2Hを上方から押して折り曲げている状態で、一対のトップフラップ2Hの先端部分(トップパネル2Dから遠い部分)を側方から押して、一対のトップフラップ2Hの折り曲げられた状態を確実なものにする。なお、押込手段50の具体的な構成は後述する。
【0055】
流れ方向調節手段60は、保持手段30の位置を、流れ方向で調節する。なお、流れ方向調節手段60の具体的な構成は後述する。
【0056】
高さ方向調節手段70は、保持手段30の位置を、高さ方向で調節する。なお、高さ方向調節手段60の具体的な構成は後述する。
【0057】
次に、
図4〜
図7を用いて、保持手段30の具体的な構成について説明する。
図4は、保持手段30を上流側から視た側面図である。
図5は、保持手段30を下流側から視た側面図である。
図6は、保持手段30の正面図である。
図7は、保持手段30の上面図である。
【0058】
図4〜
図7に示される保持手段30は、二対の吸着片31,32と、二対の揺動アーム33,34と、一対のトップフラップガイド片33aと、二対の基礎アーム35,36と、一対のスプライン軸37と、二対のシリンダー38a,38b、一対のサーボモーター39と、吸引機構(図示省略)と、を備えている。
【0059】
一対の吸着片31は、一対の吸着片32との間に間隔を空けて、当該一対の吸着片32よりも上流側に位置し、下流側に向けて配置されている。これら一対の吸着片31は、それぞれ、フロントパネル2Aにおける上側両脇に当接する。そして、一対の吸着片31は、それぞれ、吸引機構(図示省略)によって負圧を生成し、当接しているフロントパネル2Aを吸着する。
【0060】
一対の吸着片32は、一対の吸着片21との間に間隔を空けて、当該一対の吸着片31よりも下流側に位置し、上流側に向けて配置されている。これら一対の吸着片32は、それぞれ、バックパネル2Cにおける上側両脇に当接する。そして、一対の吸着片32は、それぞれ、吸引機構(図示省略)によって、負圧を生成し、当接しているバックパネル2Cを吸着する。
【0061】
一対の揺動アーム33は、一対の揺動アーム34よりも上流側に配置されている。これら一対の揺動アーム33は、それぞれ、流れ方向に沿った水平軸回りに揺動するように、一対の基礎アーム35に対して取り付けられている。そして、一対の揺動アーム33の先端には、それぞれ、吸着片31が取り付けられている。これら一対の揺動アーム33は、揺動することで、ブランクシート2の搬送経路上に吸着片31を進退させる。また、一対の揺動アーム33は、それぞれ、流れ方向に沿ってスライド移動するように、一対の基礎アーム35と共に、一対のスプライン軸37に取り付けられている。すなわち、一対の揺動アーム33は、一対の吸着片31を流れ方向にスライド移動させる。
【0062】
一対のトップフラップガイド片33aは、それぞれ、一対の揺動アーム33の下流側に取り付けられている。この一対のトップフラップガイド片33aは、吸着片31がフロントパネル2Aに当接する際に、トップフラップ2Hにおけるフロントパネル2A側の側辺に当接又は近接することで、折曲手段40によって折り曲げられるトップフラップ2Hをガイドする。
【0063】
一対の揺動アーム34は、一対の揺動アーム33よりも下流側に配置されている。これら一対の揺動アーム34は、それぞれ、流れ方向に沿った水平軸回りに揺動するように、一対の基礎アーム36に対して取り付けられている。そして、一対の揺動アーム34の先端には、それぞれ、吸着片32が取り付けられている。これら一対の揺動アーム34は、揺動することで、ブランクシート2の搬送経路上に吸着片32を進退させる。また、一対の揺動アーム34は、それぞれ、流れ方向に沿ってスライド移動するように、一対の基礎アーム26と共に、一対のスプライン軸37に取り付けられている。すなわち、一対の揺動アーム34は、一対の吸着片32を流れ方向にスライド移動させる。
【0064】
一対の基礎アーム35は、一対の基礎アーム36よりも上流側に配置されている。これら一対の基礎アーム35は、それぞれ、流れ方向に沿ってスライド移動するように、一対の揺動アーム33と共に、一対のスプライン軸37に取り付けられている。そして、一対の基礎アーム35には、それぞれ、一対の揺動アーム33が揺動可能に取り付けられている。なお、一対の基礎アーム35は、一対のスプライン軸37に対して相対回転自在であり、一対のスプライン軸37の回転とは無関係であり、常に回転しない。
【0065】
一対の基礎アーム36は、一対の基礎アーム35よりも下流側に配置されている。これら一対の基礎アーム36は、それぞれ、流れ方向に沿ってスライド移動するように、一対の揺動アーム34と共に、一対のスプライン軸37に取り付けられている。そして、一対の基礎アーム36には、それぞれ、一対の揺動アーム34が揺動可能に取り付けられている。なお、一対の基礎アーム36は、一対のスプライン軸37に対して相対回転自在であり、一対のスプライン軸37の回転とは無関係であり、常に回転しない。
【0066】
一対のスプライン軸37は、流れ方向に沿うように、幅方向に並べて配置されている。これら一対のスプライン軸37は、自身が回転することで、二対の揺動アーム33,34を一体に回転させる。なお、一対のスプライン軸37が回転した場合であっても、二対の基礎アーム35,36は回転しない。
【0067】
一対のシリンダー38aは、一対の基礎アーム35に連結されている。これら一対のシリンダー38aは、それぞれ、流れ方向に進退することで、一対の揺動アーム33及び一対の基礎アーム35を一体に、流れ方向にスライド移動させる。すなわち、一対のシリンダー38aは、一対の吸着片31を流れ方向にスライド移動させる。
【0068】
一対のシリンダー38bは、一対の基礎アーム36に連結されている。これら一対のシリンダー38bは、それぞれ、流れ方向に進退することで、一対の揺動アーム34及び一対の基礎アーム36を一体に、流れ方向にスライド移動させる。すなわち、一対のシリンダー38bは、一対の吸着片32を流れ方向にスライド移動させる。
【0069】
一対のサーボモーター39は、それぞれ、自身の回転軸(符号省略)に一対のスプライン軸37に連結されている。これら一対のサーボモーター39は、それぞれ、自身の回転軸を回転させることで、一対のスプライン軸37を回転させる。結果として、一対のサーボモーター39は、二対の揺動アーム33,34を揺動させ、ひいては、二対の吸着片31,32を、ブランクシート2の搬送経路上に進退させる。
【0070】
次に、
図8を用いて、折曲手段40の具体的な構成について説明する。
図8は、折曲手段40を上流側から視た側面図である。
【0071】
図8に示される折曲手段40は、一対の押曲片41と、一対のシリンダー42と、を備えている。
【0072】
一対の押曲片41は、それぞれ、一対のトップフラップ2Hの上方に、当該一対のトップフラップ2Hの付け根部分に沿って配置されている。これら一対の押曲片41は、それぞれ、一対のシリンダー42によって昇降する。そして、一対の押曲片41は、一対のトップフラップ2Hの付け根部分を上方から下方に押すことで、当該トップフラップ2Hを折り曲げる。
【0073】
一対のシリンダー42は、それぞれ、一対の押曲片41に連結されている。これら一対のシリンダー42は、それぞれ、鉛直方向に進退することで、一対の押曲片41を昇降させる。
【0074】
次に、
図9を用いて、押込手段50の具体的な構成について説明する。
図9は、押込手段50を上流側から視た側面図である。
【0075】
図9に示される押込手段50は、一対の押込片51と、一対のスライダー52と、一対のレール53と、一対のリンク機構54と、一対のシリンダー55と、を備えている。
【0076】
一対の押込片51は、それぞれ、搬送手段10の幅方向の両側に配置されている。これら一対の押込片51は、それぞれ、一対のスライダー52に固定されており、一対のレール53に沿って、幅方向にスライド移動する。そして、一対の押込片51は、一対のトップフラップ2Hを押し込む。
【0077】
一対のスライダー52は、それぞれ、幅方向の内側に、一対の押込片51を固定している。これら一対のスライダー52は、それぞれ、一対のレール53に対してスライド可能に取り付けられている。また、一対のスライダー52には、それぞれ、一対のリンク機構54が連結されている。
【0078】
一対のレール53は、それぞれ、流れ方向と直交する幅方向に沿って、搬送手段10の両脇に配置されている。これら一対のレール53には、それぞれ、一対のスライダー52がスライド可能に取り付けられている。
【0079】
一対のリンク機構54は、それぞれ、一端が一対のスライダー52に連結されている。これら一対のリンク機構54は、それぞれ、他端が一対のシリンダー55に連結されている。そして、一対のリンク機構54は、それぞれ、一対のシリンダー55の動力を、一対のスライダー52に伝達する。
【0080】
一対のシリンダー55は、それぞれ、一対のリンク機構54の他端に連結されている。これら一対のシリンダー55は、それぞれ、鉛直方向に進退することで、一対のリンク機構54を介して一対のスライダー52をスライド移動させる。
【0081】
次に、
図10を用いて、流れ方向調節手段60の具体的な構成について説明する。
図10は、流れ方向調節手段60の正面図である。
【0082】
図10に示される流れ方向調節手段60は、一対のレール61と、一対のスライダー62と、一対のねじ軸63と、一対のハンドル64と、を備えている。
【0083】
一対のレール61は、流れ方向に沿うように、幅方向に並べて配置されている。これら一対のレール61には、それぞれ、一対のスライダー62がスライド可能に取り付けられている。
【0084】
一対のスライダー62は、それぞれ、一対のシリンダー38bを固定している。これら一対のスライダー62は、それぞれ、一対のレール61に対してスライド可能に取り付けられている。そして、一対のスライダー62は、それぞれ、一対のねじ軸63に対して取り付けられている。結果として、一対のスライダー62は、それぞれ、一対のねじ軸63の回転に伴って、一対のレール61に沿ってスライド移動し、吸着片32を流れ方向に移動させる。
【0085】
一対のねじ軸63は、流れ方向に沿うように、幅方向に並べて配置されている。これら一対のねじ軸63には、それぞれ、一対のスライダー62が取り付けられている。そして、一対のねじ軸63は、それぞれ、自身が回転することで、一対のスライダー62に直線動力を与える。これら一対のねじ軸63には、それぞれ、一対のハンドル64が取り付けられている。
【0086】
一対のハンドル64は、それぞれ、手動で操作され、一対のねじ軸63を回転させる。
【0087】
次に、
図11を用いて、高さ方向調節手段70の具体的な構成について説明する。
図11は、高さ方向調節手段70の正面図である。
【0088】
図11に示される高さ方向調節手段70は、固定台71と、一対の昇降台72と、一対のねじ軸73と、一対のハンドル74と、を備えている。
【0089】
固定台71は、設置箇所に固定されており、不動である。
【0090】
一対の昇降台72は、それぞれ、固定台71に対して昇降可能に取り付けられている。これら一対の昇降台72には、トップパネルガイド手段20、保持手段30、折曲手段40(
図8参照)、流れ方向調節手段60が固定されている。そして、一対の昇降台72は、それぞれ、固定台71に対して昇降することで、トップパネルガイド手段20、保持手段30、折曲手段40、流れ方向調節手段60を昇降させる。
【0091】
一対のねじ軸73は、それぞれ、鉛直方向に沿うように、幅方向に並べて配置されている。これら一対のねじ軸73は、それぞれ、一対の昇降台72に対して回転可能に取り付けられている。そして、一対のねじ軸73には、固定台71が取り付けられている。また、一対のねじ軸73は、それぞれ、自身が回転することで、一対の昇降台72に鉛直方向の直線動力を与える。
【0092】
一対のハンドル74は、それぞれ、手動で操作され、一対のねじ軸73を回転させる。
【0093】
次に、図面を適宜用いて、ラップアラウンドカートナー1による作用について説明する。
【0094】
ブランクシート2は、搬送手段10によって、フロントパネル2Aが上流側を向くように、かつ、バックパネル2Cが下流側を向くように、間欠的に次々と搬送される(
図1及び
図3(A)参照)。
【0095】
具体的に、搬送手段10によって搬送されるブランクシート2は、トップパネル2Dが円弧レール21に突き当たることで、当該円弧レール21によって、当該トップパネル2Dがバックパネル2Cに対して直角に折り曲げられる(
図1及び
図3(B)参照)。そして、ブランクシート2は、直線レール22によって、円弧レール21で折り曲げられたトップパネル2Dの状態が維持される。その後、ブランクシート2の搬送途中においてフロントフラップ2E、ボトムフラップ2F、及びバックフラップ2Gの所定位置に糊が塗布される。その後、ブランクシート2は、保持手段30が配置されている位置で停止する(
図1及び
図4〜
図9参照)。
【0096】
保持手段30は、二対の揺動アーム33,34を揺動させることで、ブランクシート2の搬送経路上に二対の吸着片31,32を進出させる(
図4(A)及び
図5(A)→
図4(B)及び
図5(B)参照)。そして、保持手段30は、上流側に配置されている一対の揺動アーム33を下流側に向けてスライド移動させて、上流側に配置されている一対の吸着片31をフロントパネル2Aに当接させると共に、下流側に配置されている一対の揺動アーム34を上流側に向けてスライド移動させて、下流側に配置されている一対の吸着片32をバックパネル2Cに当接させる(
図6(A)及び
図7(A)→
図6(B)及び
図7(B)参照)。また、保持手段30は、吸引機構(図示省略)によって、二対の吸着片31,32に負圧を生成し、当該二対の吸着片31,32でフロントパネル2A及びバックパネル2Cを吸着して所定位置(例えば、垂直)に保持する。
【0097】
さらに、折曲手段40は、一対の押曲片41を降下させることで、当該一対の押曲片41によって、一対のトップフラップ2Hの付け根部分を上方から下方に押して、当該トップフラップ2Hを折り曲げる(
図8(A)→
図8(B)参照)。
【0098】
そして、押込手段50は、一対の押込片51を一対のスライダー52に沿って幅方向の内側にスライド移動させることで、当該一対の押込片51によって、一対のトップフラップ2Hを押し込み、接着する(
図9(A)→
図9(B)参照)。
【0099】
その後、折曲手段40は、一対の押曲片41を上昇させて、当該一対の押曲片41を退避させて初期状態にする(
図8(B)→
図8(A)参照)。
【0100】
そして、保持手段30は、折曲手段40が備える一対の押曲片41の上昇中に、吸引機構(図示省略)の動作を停止して、二対の吸着片31,32によるフロントパネル2A及びバックパネル2Cの吸着を解除する。また、保持手段30は、上流側に配置されている一対の揺動アーム33を上流側に向けてスライド移動させながら(
図6(B)及び
図7(B)→
図6(A)及び
図7(A)参照)、当該一対の揺動アーム33を揺動させることで、ブランクシート2の搬送経路上から一対の吸着片31を退避させることを開始する(
図4(B)→
図4(A)参照)。
【0101】
また、保持手段30は、折曲手段40が備える一対の押曲片41の上昇中であって、かつ、一対の吸着片31の退避中に、下流側に配置されている一対の揺動アーム34を下流側に向けてスライド移動させながら(
図6(B)及び
図7(B)→
図6(A)及び
図7(A)参照)、当該一対の揺動アーム34を揺動させることで、ブランクシート2の搬送経路上から一対の吸着片32を退避させることを開始する(
図5(B)→
図5(A)参照)。
【0102】
さらに、押込手段50は、保持手段30が備える二対の揺動アーム33,34の揺動中に、一対の押込片51を一対のスライダー52に沿って幅方向の外側にスライド移動させることで、当該一対の押込片51による一対のトップフラップ2Hの押込みを解除する(
図9(B)→
図9(A)参照)。
【0103】
その後、搬送手段10による間欠的な搬送が開始される(
図1参照)。次工程でフロントパネル2Aの所定位置に糊が塗布されて、メインフラップ2Iが付け根部分から折り曲げられて、フロントパネル2Aに接着される。
【0104】
このように、ラップアラウンドカートナー1によれば、保持手段30がフロントパネル2A及びバックパネル2Cを保持するので、フロントパネル2A及びバックパネル2Cの姿勢が安定する。このため、トップパネル2Dの姿勢も安定する。これにより、トップフラップ2Hを正しく折り曲げることができる。結果として、箱の形状が定まるので、仕上がりがよい。すなわち、仕上がりの形状が悪くなることを防止できる。
【0105】
そして、流れ方向調節手段60及び高さ方向調節手段70を備えているので、異なる寸法の種々の箱に対応することができる。
【0106】
また、本実施形態において、保持手段30に保持される前のフロントパネル2A及びバックパネル2Cは、それぞれ、ボトムパネル2Bに対する姿勢が固定されていないので、保持手段30で保持する必要性が高い。このため、ラップアラウンドカートナー1によれば、フロントパネル2A及びバックパネル2Cの姿勢を大幅に改善することができる。
【0107】
さらに、トップフラップガイド片33aを備えているので、トップフラップ2Hの位置を正すことで、トップフラップ2Hに連続するトップパネル2Dの位置を正すことができる。これにより、トップパネル2Dに連続するフロントパネル2A及びバックパネル2Cの姿勢を正すことができる。結果として、トップフラップ2Hをより正しく折り曲げることができる。特に、トップパネルガイド手段20によってトップパネル2Dを折り曲げた際に、バックパネル2Cが必要以上に内側に折り込まれることがあるが、この場合に、バックパネル2Cの姿勢を正すことができ、一対の吸着片32をバックパネル2Cに確実に当接させることが可能となる。
【0108】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0109】
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。
【0110】
あるいは、上記実施形態において、ラップアラウンドカートナー1は、保持手段30(吸着片31,32)の位置を、流れ方向、幅方向、及び高さ方向の少なくとも一つの方向で調節することができればよい。すなわち、ラップアラウンドカートナー1は、流れ方向調節手段60、高さ方向調節手段70を備えることに限定されず、保持手段30(吸着片31,32)の位置を幅方向で調節する幅方向調節手段を備えるようにしてもよい。
【0111】
あるいは、上記実施形態において、ラップアラウンドカートナー1は、ブランクシート2を、
図12(A)に示される方向に向けて搬送しながら成形したが、この方向に限定されず、ブランクシート2を、
図12(B)に示される方向に向けて搬送しながら成形するようにしてもよい。すなわち、上記実施形態において、ラップアラウンドカートナー1は、バックパネル2Cを下流側に向け、かつ、フロントパネル2Aを上流側に向けているが(
図12(A)参照)、バックパネル2C及びフロントパネル2Aを幅方向の両側に向けるようにしてもよい(
図12(B)参照)。
【0112】
あるいは、上記実施形態では、保持手段30で、フロントパネル2A、及びバックパネル2Cを垂直状態に吸着保持して封函するようにしているが、例えばテーパカートン、平行四辺形等の直方体ではない形状の箱のサイドパネルを任意の角度に傾斜させて吸着保持して封函するようにしても良い。