【実施例】
【0049】
ある反比例の臨床化学アッセイ法が、最後の試薬の添加から161.5秒後の反応を測定するための標準的なプロトコルを有している。この例において、このプロトコルは、二重用量反応曲線のモデルと標準のアッセイプロトコルのモデルの両方の評価を可能にするために、最後の試薬の添加後に単一の反応キュベット内で9.5秒、161.5秒、及び275.5秒に反応を測定するように変更された。以下の説明において、試薬添加から9.5秒後に測定された反応は「早期の」用量と呼ばれ、試薬添加から161.5秒後に測定された反応は「標準の」用量と呼ばれ、試薬添加から275.5秒後に測定された反応は「後期の」用量と呼ばれる。早期の用量と後期の用量の較正曲線は、「二重」用量反応を形成するように組み合わされる。
【0050】
7種類の較正物質がこの実験において稼働され、表3に示すような3つの個別の用量反応曲線を較正するために使用された。上述したように、多重用量反応モデルに必要な要件において、早期の用量反応曲線及び後期の用量反応曲線は、クロスオーバー領域に少なくとも1つの較正物質を共有して、連続的な方式で測定レンジ全体に及ぶ。この具体的な例において、早期の用量反応曲線及び後期の用量反応曲線は、それらの間のクロスオーバー領域を支援するように、2種類の較正物質(0.449g/dL及び0.84g/dL)を共有している。
【表3】
【0051】
較正物質に加えて、測定レンジを0.2〜2.6g/dLから拡大する複数の流体を3回、稼働して、異なる3種類のプロトコルごとに、
図10に示す用量反応曲線の真の形状が現れるようにした。標準の用量反応曲線(菱形)は、下限側の0.217g/dLにて、そして上限側の2.411g/dLにて用量反応曲線が平坦化することを示している。この平坦化する形状により、反応関数のみに基づくアッセイ法の有効測定レンジが約0.2〜2.4g/dLに限定されることになる。早期の用量反応曲線(四角形)は、下限側には平坦化を示さず、1.302g/dLの上限側で平坦化を示しており、この反応関数のみに基づくアッセイ法の有効測定レンジを約0〜1.3g/dLとしている。後期の用量反応曲線(三角形)は、下限側の0.449g/dLに用量反応曲線の平坦化を示し、上限側には平坦化を示しておらず、この反応関数のみに基づくアッセイ法の有効測定レンジを約0.5〜2.6g/dLとしている。
【0052】
表3に示す較正物質レベルでLogit/Log4較正モデル(式1)を使用して、3つの用量反応曲線の各々を較正した。細かい破線を早期の較正曲線に、実線を標準の較正曲線に、荒い破線を後期の較正曲線に対応させて、3つの反応時間に対するLogit/Log4較正曲線が
図11に示されている。標準の較正曲線と後期の較正曲線は共に、予想される較正曲線の平坦化を初期に示しており、上述した用量反応曲線の形状のみによるものと比べて、有効測定レンジを限定している。早期の較正曲線は、すべての較正物質レベルが較正に使用されなかったために、高濃度にてデータの逸脱を示している。
【0053】
図11は、
図10のデータに対する二重用量較正曲線を示している。本開示の二重用量較正曲線が黒色で示されており、早期の較正曲線上の0.14ODのクロスオーバー反応(〜0.84g/dLの濃度に対応する)にて早期の較正曲線から後期の較正曲線へと遷移している。
図12は、線図によって動作時のこれらのクロスオーバー規則を説明するものであり、この線図は、
図9に類似した方式で使用する較正曲線の選択を案内するための意志決定論理を示している。
【0054】
本開示の利点は、測定レンジの拡大と、正確さ及び精度の向上である。拡大される測定レンジについては、
図8及び
図11に示す較正曲線の湾曲に基づいて上で定性的に説明されている。二重用量較正曲線は、低濃度又は高濃度のいずれにも平坦化をほとんど有さない。拡大された測定レンジが、早期、標準、又は後期の較正曲線分析(
図13)に対する二重用量較正曲線により、試験流体の予想濃度の精度において容易に確認され得る。
【0055】
図13は、各サンプル(表4)の予想検体レベルと各サンプルに割り当てられた基準検体レベルとの平均バイアスを示している。早期の用量反応曲線は較正曲線から相当に逸脱しており、そのため、0.84g/dL超のすべてのサンプル濃度に対し、バイアスが大きくなっている。標準の用量反応曲線と後期の用量反応曲線は共に、用量反応曲線の平坦化及びモデル適合性の不足が原因で、低濃度にてゼロバイアスから相当に逸脱している。二重用量モデル、すなわち本開示の主題のみが、早期の用量反応曲線と後期の用量反応曲線との間で遷移して各較正曲線をよりよく利用することによって、測定レンジ(≦0.1g/dLバイアス)の全体にわたって基準濃度との良好な一致を示しており、また、分析性能を伴って測定レンジを拡大する利点を示している。
【表4】
*ME(機械によるエラー):結果は記載しない
【0056】
二重用量反応モデルによって可能となる測定レンジ全体にわたる精度の改善(例えば
図13を参照)に加えて、下限側の不正確さもまた、本開示の二重用量反応モデルでは相当に低減される。
図14に示すように、二重用量反応モデルのSDは、0.5g/dL未満の測定検体レベルに対して≦0.01g/dLであり、これは、同じレンジにわたる標準の用量反応曲線(>0.035g/dL)の不正確さよりも相当に優れている。この正確さの改善は、0g/dL〜0.5g/dLのレンジで二重用量モデル対標準モデル(0.34OD対0.11OD)の反応レンジが3倍に増加することに伴うものである。
【0057】
二重用量反応モデルは、標準モデルの信号と比較して、測定レンジの全体にわたってより広大な信号レンジを与える。表5は、標準用量反応モデルに対して、二重用量反応モデルのODレンジがおよそ50%増加していることを示している。これにより、上述のように、低レベルの検体において正確さが劇的に改善されることになる。
【0058】
図13に示すように、現在の2.6g/dLを超えて測定レンジを拡大する二重用量反応モデルにおいて、拡大されたODレンジは更に、より低い検体濃度とより高い検体濃度の両方での用量反応曲線の傾きの精度に改善をもたらす。高濃度側の傾き(2.4〜2.6g/dL)は、標準の用量反応曲線と比べて、二重用量反応モデル(表6)に対しては2倍超、大きいものとなっている。
【表5】
【表6】
【0059】
本明細書で説明したように3つ以上の用量反応曲線を使用することには、大きな柔軟性があるが、対象となる大部分のプロセスの測定レンジは、異なる2つの用量反応曲線でカバーされ得るものよりも相当に狭くなる。好ましいモードはしたがって、2つの較正曲線を使用する。加えて、好ましい実施形態において、用量反応曲線を生成する際に、同じ較正物質を異なる2回で、単純に少量、読み取ることによって、較正物質が共有され、それによって、用量反応曲線を生成するのに必要となる較正物質の総量が限られる。これにより、較正自体の時間及び費用が更に減じられる。
【0060】
好ましくは、異なる2つの用量反応曲線の間で予想濃度が連続するようにするために、クロスオーバー点は、共通の較正物質の濃度のうちの1つにあるか、あるいはそれに非常に近いところにある。その連続性はまた、使用される時間窓にかかわらず、両方の較正曲線が検体の測定レベルを基本的に同じにする相当なクロスオーバー領域が存在するときに向上する。
【0061】
代替的な多数の数学的モデル(Logit/Log4以外)が、較正曲線を表現するために使用され得る。好ましいモデルは、当該技術分野で既に使用されている単一用量反応モデルに対して機能することが知られているものから変更される必要がない。多重用量反応曲線を表すための数学的モデルのいくつかの例が、直線、多項式、3次スプライン、Logit/Log4、及びLogit/Log5である。
【0062】
スケジューラは、分析器サブシステムを協働させる頭脳である。スケジューラは、例えば、要求される試験の種類又は量に関わらず、任意の順序で入力されたサンプルに資源を割り当てるために、また、分析器のスループットを維持又は改善するために、スケジューリング機能を実施する。特定のサンプルに関連する様々な予想される試験又は工程に資源が予約されるので、スケジューラは、サンプルが入力キューから受け取られるようにする。必要な資源が利用可能でない限り、サンプルは引き続き入力キーに存在する。好ましい分析器モデルにおいて、サンプルが吸引され、次いでサブサンプルが、この吸引された分量から様々な試験のために取られる。分析器でサポートされる試験の種類と相まったスケジューラの動作により、検討中の分析器がかなり正確に説明される。
【0063】
好ましいスケジューラは、入力サンプルへの2次元ランダムアクセスの相乗効果を有する一方で、例えば、すべてが容易にアクセス及び使用され得る、電位計、反射率計などの複数の感度測定装置、ルミネセンス、光透過性、光子検出、サンプルを加熱するためのインキュベータ、試薬の供給源、並びに、複数の試薬送達サブシステムと共に、複数のプラットフォーム、薄膜スライド、反応容器及びキュベットを含む消耗品の供給を含めた資源へのアクセスを提供する。
【0064】
図9及び12の実現は好ましくは、試験の完了に暫定的な時間を割り当てるスケジューラの助けを受ける。これは有益なことであるが、それは、第2の時間窓は、対応する較正曲線を指定して割り当てられることが必要となり得るからである。そのようなスケジューラは、必要に応じて付加的な資源をサンプルに割り当てることによって、拡大された検体レンジが利用されるようにするために、サンプルを操作してサンプルのスループット及び処理を最適化する。そのようなスケジューラは好ましくは、新たなスケジューラ機能を実行するように
図1の臨床検査分析器をプログラムすることによって、その臨床検査分析器を、それよりも遙かに広いレンジの検体濃度の測定をサポートするものに変換する。このプログラミングは、プログラミング言語又はグラフィカルプログラミングインターフェイスによるものであってもよく、またアップデートの形態で供給されてもよい。
【0065】
複数の較正曲線を
図1に示すものなどの臨床診断分析器に実装するために、ある好ましい方法により、スケジューラは、事前の信号強度の測定に基づいて様々な時間に信号測定が可能となるように修正される。実際には、これは、臨床診断分析器において、
図9及び12に示すものに似た決定論理の実現形態である。
【0066】
図9を参照すると、レンジの拡大を実現するための方法が示されている。工程900において、あるモジュールが、第1の時間窓の間、対象のサンプル中の信号レベルを測定する(ここでは、例示的な時間窓は約20秒におけるものである)。次いで、制御は工程910に移り、その間に、信号強度が、説明のための閾値0.065などの閾値と比較され、その閾値を超える場合に制御を工程920に移すか、あるいは閾値を超えない場合に制御を工程930に移す。制御が工程920に移された場合、20秒の較正曲線が使用されるが、制御が工程930に移された場合、3000秒の較正曲線が使用されて、信号強度が検体レベルに変換される。
【0067】
同様に、
図12において、工程1200の間、あるモジュールが、早期の読み取り窓と後期の読み取り窓の両方を使用して、対象のサンプル中の信号レベルを測定する。次いで、制御は工程1210に移り、その間に、早期の読み取り窓に基づく検体の反応が、説明のための閾値0.14などの閾値と比較され、その閾値を超える場合には制御を工程1220に移すか、あるいは閾値を超えない場合には制御を工程1230に移す。制御が工程1220に移された場合、早期の較正曲線が使用されるが、制御が工程1230に移された場合、後期の較正曲線が使用されて、信号強度が検体レベルに変換される。
【0068】
図15及び16は、対象の検体を測定する際にレンジを拡大し精度を改善する方法に基づいた、二重及び多重較正曲線の実現形態を表す流れ図を示している。
図15において、工程1500の間、信号強度は第1の時点で測定される。本明細書において、「信号強度」という用語は、信号が測定又は変換され得る様々な単位を包含している。次いで制御は工程1510に移され、工程1510間、信号強度が十分に大きい場合は制御が工程1520に移り、工程1520の間、第1の較正曲線が使用される。それに代わって、工程1510の間、信号強度が十分に大きくない場合、制御は工程1530に移る。工程1530の間、第2の時点における測定が計画され、制御は工程1540に移る。工程1540の間、信号強度が第2の時点で測定され、第2の較正曲線を使用するために工程1550に制御が移り、対象の検体のレベルが測定される。
【0069】
図16はより一般的なスキームを示している。
図16において、工程1600の間に信号強度が測定される。次いで制御は工程1610に移り、工程1610間、信号強度が十分に大きい場合は制御が工程1620に移り、工程1620の間、対応する較正曲線が使用される。実際には、この方法により、対応する好適な第1の(又は第2若しくは第3などの)較正曲線が存在するか否かが判断される。好適な較正曲線が存在しない場合、反応混合物から信号強度を測定するための後期の時点が計画される。したがって、工程1610の間、信号強度が十分に大きくない場合、制御は工程1630に移る。工程1630の間、後期の(第2又は第3などであってよい)時点における測定が計画され、制御が工程1640に移る。工程1640において、信号強度が後期の時点で測定され、制御が再び工程1610に、次いで好適な較正曲線の識別に移る。種々の信号の大きさ又は時点に対応する、使用され得る複数の較正曲線が存在する場合、検体のレベルが、単に1つの又は複数の較正曲線から決定され得る。
【0070】
図17に示されている方法は、種々の時間に同じ反応を測定できるように2つ以上の較正曲線を使用し、そしておそらくはその結果を平均化して精度又は追従誤差を改善するためのものである。そのような平均化のために、有利にも、種々の時間に測定された検体レベルの重み付き平均が、結果を更に精密にするために使用され得る。
図17において、工程1700の間に信号強度が測定される。次いで制御は工程1710に移り、工程1710間、信号強度が十分に大きい場合は制御が工程1720に移り、工程1720の間、対応する較正曲線が使用される。制御が工程1720から工程1730に移り、後期の時点で更なる測定が望まれるか否かが判断される。この方法は、更なる測定が望まれないと判断された場合に終了し、制御を工程1740に移す。しかしながら、更なる測定が後期の時点で望まれる場合、制御は工程1750に移り、工程1750の間に後期の測定が計画される。計画された測定を行うために制御が工程1760に移り、その後に、制御は再び工程1710に戻る。実際には、この方法ではまた、対応する好適な第1の(又は第2若しくは第3などの)較正曲線が存在するか否かが判断される。好適な較正曲線が存在しない場合、反応混合物から信号強度を決定するための後期の時点が計画されるが、この後期の時点は単に、同じ反応混合物から第2の又はそれに続く測定値を決定するためのものでもある。複数の測定値が平均されてもよい。
【0071】
図18に示されている方法は、2つ以上の較正曲線を使用して臨床診断分析器での測定を可能にするためのものである。
図18において、工程1800の間に反応が開始される。次いで制御は工程1810に移り、工程1810の間に、試験が開始された後の複数の時点から選択された時点における反応混合物から測定強度が測定される。次いで制御は工程1820に移り、工程1820の間に、信号強度を測定する時点に対応する較正曲線を使用して検体レベルが決定され、信号強度は十分に大きいものとなる。次いで制御は工程1830に移り、工程1380の間、対応する較正曲線が存在しない場合、反応混合物から第2の信号強度を決定する第2の時点が計画される。制御は工程1830から工程1840に移り、信号強度を測定する第2の時点に対応する第2の較正曲線を使用して検体レベルが決定される。
【0072】
図19は、レンジの拡大をサポートする臨床診断分析器で使用するためのスケジューラ1900を示している。スケジューラは、ある時点における信号を、工程1910の間にその時点に達したか否かを確認することによって読み取り、次いで工程1920の間に信号を計画する。工程1910の間にその時点に達しない場合、制御は元に戻る。この後戻りが、簡単にするため、直結するループとして示されている。実際に、ある好ましい実施形態は、その時点を再び試験する前に他の作業にスケジューラを参加させることになる。好ましい実施形態において、選択された時点は、その信号に基づいて複数の較正曲線から選択された較正曲線に対応する。工程1920の間にそのように読み取られた信号は、選択された較正曲線を使用して、対象の検体の測定値にマッピングされる。
【0073】
診断及び他の試験の測定レンジに課せられる制限のうちの多くは、本開示の多重用量反応モデルを実施することによって克服され得る。本明細書における説明は、測定レンジを拡大するための改良を示しており、各例は、説明したアッセイ法に対して測定レンジを増大させるための実際的な改善を伴って実施される理論的モデルを示している。測定レンジの拡大に加えて、本開示はまた、反応レンジが増すことにより試験法の正確さが、また、較正曲線の適合性が改善されることにより試験法の精度が改善することを示唆している。複数の用量反応モデルでもたらされる改善により、現行モデルの測定レンジ及び正確さに関する欠点が排除されている。
【0074】
当業者には明らかとなるように、上記の開示内容は、その教示内容又は趣旨から逸脱することなく、多数の変形又は代替的な実施を認める余地がある。以下に添付する「特許請求の範囲」は、そのような修正形態を包含する。更に、本明細書において議論及び引用された各参考文献は、参照によってそのすべての内容が本明細書に組み込まれる。
【0075】
〔実施の態様〕
(1) 機器の動的反応レベルを反映した時変信号に基づいて検体レベルを決定するために、アッセイ法のレンジを拡大する方法であって、
第1の時点で第1の較正曲線を使用して、信号強度が前記第1の時点の所定の信号レベルに対応する場合は前記検体レベルを生成することと、
第2の時点で第2の較正曲線を使用して、前記信号強度が前記第2の時点の所定の信号レベルに対応する場合は前記検体レベルを推定することと、を含む、方法。
(2) 各々が少なくとも1つの閾値と関連付けられた複数の較正曲線を使用して、検体のレベルを測定する方法であって
第1の閾値、つまり、前記複数の較正曲線のうちの第1の較正曲線と関連付けられる第1の所定の閾値に基づいて、第1の条件が満たされた場合、前記第1の較正曲線を使用して、前記検体の前記レベルの第1の測定値を生成することと、
第2の閾値、つまり、前記複数の較正曲線のうちの第2の較正曲線と関連付けられる第2の所定の閾値に基づいて、第2の条件が満たされた場合、前記第2の較正曲線を使用せずに、前記検体の前記レベルを測定することと、を含む、方法。
(3) 前記複数の較正曲線のうちの2つ以上の較正曲線が、該2つ以上の較正曲線のうちの各々に対応する条件が満たされているがために、前記検体の前記レベルを測定するために利用可能である場合、前記利用可能な較正曲線の各々に対応する検体レベルの平均値を、前記検体の測定レベルとして使用する、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記平均値は重み付き平均値である、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記第1の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第1の閾値を超えることを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(6) 前記第1の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第1の閾値よりも小さいことを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(7) 前記第1の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第1の閾値に等しいことを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(8) 前記第2の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第2の閾値を超えることを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(9) 前記第2の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第2の閾値よりも小さいことを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(10) 前記第2の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第2の閾値に等しいことを必要とする、実施態様2に記載の方法。
【0076】
(11) レンジの拡大を支援する臨床分析器における試験を計画する方法であって、
反応混合物を使用して、前記試験を開始する工程と、
前記試験の開始後のおよそ第1の所定の時点に、前記反応混合物から第1の信号強度を決定する工程と、
対応する好適な第1の較正曲線が存在するか否かを判断する工程と、
好適な第1の較正曲線が存在しない場合、前記反応混合物から第2の信号強度を決定するための第2の時点を計画する工程と、
およそ前記第2の時点に、前記第2の信号強度を決定する工程と、
前記第2の信号強度に対応する第2の較正曲線を識別する工程と、
前記第1の信号強度と第2の信号強度の一方又は双方から検体のレベルを決定する工程と、を含む、方法。
(12) レンジの拡大を支援する臨床診断分析器であって、ある信号を、前記信号に基づいて複数の較正曲線から選択された1つの較正曲線に対応する、ある時点に、読み取ることを実施するためのスケジューラを備え、前記信号は次いで、前記選択された較正曲線を使用して、対象の検体の測定値にマッピングされる、臨床診断分析器。
(13) レンジの拡大を支援する臨床分析器における試験を計画する方法であって、
反応混合物を使用して、前記試験を開始する工程と、
前記試験の開始に続いて、複数の時点から選択されたある時点に、前記反応混合物から信号強度を測定する工程と、
前記信号強度を測定するための前記時点に対応する較正曲線を使用して、検体レベルを決定する工程と、
対応する較正曲線が存在しない場合、前記反応混合物から第2の信号強度を決定するための第2の時点を計画する工程と、
前記信号強度を測定するための前記第2の時点に対応する第2の較正曲線を使用して、検体レベルを決定する工程と、を含む、方法。
(14) 対応する較正曲線を使用して、検体レベルを測定するための複数の時点を計画する工程を更に含む、実施態様13に記載の試験計画法。
(15) 報告される検体レベルが、測定された検体レベルの平均値である、実施態様14に記載の試験計画法。
(16) 前記報告される検体レベルが、測定された検体レベルの重み付き平均値である、実施態様15に記載の試験計画法。