特許第6129570号(P6129570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6129570アッセイ法のレンジを拡大するための多重時間窓
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129570
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】アッセイ法のレンジを拡大するための多重時間窓
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/78 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
   G01N21/78 Z
【請求項の数】1
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-20234(P2013-20234)
(22)【出願日】2013年2月5日
(65)【公開番号】特開2013-160768(P2013-160768A)
(43)【公開日】2013年8月19日
【審査請求日】2015年12月9日
(31)【優先権主張番号】61/595,408
(32)【優先日】2012年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511093409
【氏名又は名称】オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ortho−Clinical Diagnostics, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】セオドア・ジェイ・ディマグノ
【審査官】 加々美 一恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−002398(JP,A)
【文献】 特開平10−105545(JP,A)
【文献】 特開平09−189695(JP,A)
【文献】 特開平08−313533(JP,A)
【文献】 特表2005−510706(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/109379(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/120917(WO,A1)
【文献】 特開2005−043350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/75−21/83、21/00−21/01、21/17−21/61
G01N 31/00−31/22
G01N 35/00−37/00
G01N 33/48−33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の動的反応レベルを反映した時変信号に基づいて検体レベルを決定するために、アッセイ法のレンジを拡大する方法であって、
第1の時点で第1の較正曲線を使用して、信号強度が前記第1の時点の所定の信号レベルに対応する場合は前記検体レベルを生成することと、
第2の時点で第2の較正曲線を使用して、前記信号強度が前記第2の時点の所定の信号レベルに対応する場合は前記検体レベルを推定することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
検体とも呼ばれる対象物質は、直接的に測定されることもあれば、より一般的に間接的に測定されることもある。間接的な測定の場合、より容易に検出可能な物質が、対象の物質を1種類又は2種類以上の試薬と反応させることによって形成される。より容易に検出可能な物質のレベルは、反応の開始後の規定の時間に測定される。このレベルは、較正曲線によって対象の物質のレベルに変換される。
【0002】
較正は、分配のためか測定のためかにかかわらず、検体又は物質の定量のための基本的要件である。これにより、誤差を低減するために、複合的な較正曲線が生成される。例えば、臨床診断分析器又はケア用の機器は、較正曲線の援助を受けて検体を測定するが、この曲線は時に、用量反応曲線とも呼ばれる。
【0003】
臨床診断分析器は、高度な精度と処理量との双方を可能にする複合的な機械である。この機械は通常、サンプルを処理すると共に、そのような処理における誤差、又は他の誤差、例えば、分析されているサンプルにある他の誤差若しくはサブシステムの故障を検出するために、ソフトウェアルーチンを使用して操作される。図1は、4つの主要な構成要素サブシステム又は部品を備えた臨床診断分析器100を示している。この臨床診断分析器100は、試薬管理センター110と、サンプル取扱いセンター120と、供給センター130と、処理センター140とを有している。これらのサブシステムは通常、典型的にはソフトウェアの支援を受けて実行されるスケジューラによって調整され、このスケジューラは、指定された時点で特定のサンプル又は試薬に対して臨床診断分析器サブシステムによって実施される特定の操作を指定する。このタスクを支援するために、臨床診断分析器はクロック信号を利用する。
【0004】
サンプル中における検体濃度は通常、例えば、図1の臨床診断分析器にて処理センサー140で、短い時間窓の間に信号を読み取ることによって、定量的に検知され得る。次いで、検知された信号強度が検体濃度に変換される。この変換では通常、単一の較正曲線が使用される。時間窓は、精度を高めるために許容度を厳しくして、あるいは合成誤差が許容可能である場合に規格をより緩やかにして、短いものとなり得る。
【0005】
当該技術分野で知られているように、較正曲線は、測定レンジ内の実質的にすべての信号強度にわたって検体濃度の算出が可能となるように、既知の検体濃度と内挿法を、また限定的に外挿法を用いて作成される。対象の検体の測定レンジを拡大することは、長年にわたる課題となっている。例えば、米国特許公開第2007/0259450号には、特殊な試薬を使用して検体試験のレンジを改善するための方法が記載されている。測定レンジを拡大するための別の方法が米国特許第7,829,347号に示されており、ここには、矯正的な測定の実施が可能となるようにフック効果に遭遇し得る領域を検知するための方法が記載されている。同様に、米国特許第7,054,759号には、複数の較正曲線を用いて「プロゾーン現象」又は「プロゾーン様現象」に対処するアルゴリズムが記載されており、この現象は、検体レベルを増加させても、結果として吸光信号は増加しないが、それに代わって吸光信号の減少にもつながるときに発生するものである。
【0006】
較正曲線の精度は、信号強度と共に変動し得る。したがって、測定された検体濃度は、較正曲線の種々の部において種々の誤差を有し得る。特に、一方では、下端に向かって、すなわち検体検出の下限に関して、測定精度は、例えば結合相手(多くの場合、抗体)の親和性及び選択性又は反応が進行する範囲を原因とする低い信号強度によって制限される。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく増幅産物の検出において見られるように、更なる限界が、用いられる標識によって限られ得る下端における検出光学系の感度によって設けられる。他方では、上端に向かって、すなわち高い検体濃度に対応して、飽和効果によって測定が限定される。したがって、サンプル中の検体の濃度又はレベルが高い場合、試薬の飽和又は枯渇を原因とする平坦化が検出の精度を限定する。較正曲線を用いて絶えず正確に測定するために、曲線は、広範囲に及ぶ検体濃度にわたって、検体濃度に対して実質的に直線であるべきである。換言すれば、測定された検体濃度は、対応する信号強度に直接的に比例すべきであり、それによって曲線は直感的にもなる。
【0007】
これは必ずしも可能又は実際的ではない。それでもなお、較正曲線をより有用にかつ直感的にする多数の試みがなされてきた。信号強度は、例えば信号(又は検体濃度)の対数を用いて広レンジに拡大することによって、直線関係を生じるように数学的に変換され得る。しかしながら、これは対象のすべての試験に対して有用ではない。
【0008】
較正曲線を様々なアッセイ法においてより有用にするために、多数の試みがなされてきた。アッセイ法とは、光学、免疫学、親和力、増幅、活性度などを含む技術を用いて信号を発生させて検体を検出する手続きである。いくつかの例示的なアッセイ法では、ごく少量の核酸物質のPCRに基づく検出など、複数の技術が用いられる。アッセイ法に用いられる較正曲線を改善する一例が米国特許第6,248,597号に開示されているが、そこでは、光散乱に基づいた不均質な凝集のイムノアッセイ法について記載されており、そのイムノアッセイ法では、粒子がそれぞれの光散乱特性において異なることによって、動的な測定レンジが拡大される。検体に対して高い親和性を有する結合相手は、高い光拡散性を生じさせる粒子上に固定化される。対照的に、検体に対して低い親和性を有する結合相手は、低い光拡散性を呈する粒子上に固定化される。この技術により、低レベルでの検出がより敏感なものとなる一方で、高レベルでの飽和が防がれる。
【0009】
別の方法が米国特許第5,585,241号によって開示されている。動的な測定レンジを増加させるために、その米国特許第5,585,241号は、フローサイトメトリーイムノアッセイ法との関連で提案するものであり、このフローサイトメトリーイムノアッセイ法では、寸法の異なる2種類の粒子が、同じ抗原に対して親和性の異なる2種類の抗体を添加される(小さな粒子には高親和性の抗体が添加され、大きな粒子には低親和性の抗体が添加される)。
【0010】
同様の方式が米国特許第4,595,661号によって開示されており、そこでは各粒子タイプから1つの二重基準曲線が用いられている。したがって、2種類の結合反応からの寄与を合計したものが、混合システムにおいて測定される。低親和性の抗体は、高リガンド濃度にて相当な寄与をなす一方で、低濃度の検体における高親和性の抗体によって引き続き高い感度がもたらされる。各サンプル測定はしたがって、結果として、2つの測定値(各粒径に1つ)を生じ、これらの2つの値は、問題の検体濃度に対する二重基準曲線に1対として適合しなければならない。
【0011】
米国特許第5,073,484号では、免疫学的に検出可能な検体が、フロースルーシステムにていくつかの連続する個別の結合ゾーンを使用して定量的に検出され得ることが開示されている。サンプル中の検体の量の増加と共に、特定の結合及び検出反応が生じるゾーンの個数が増加する。検体が信号を発生させるゾーンの個数は、サンプル中の検体の量と相関する。更に、結合ゾーンの個数は、測定レンジを拡大するために増加され得る。この欠点は、結合ゾーンの自動的な評価には、定量的な検体の測定を可能にするために特定の状況下で多数のゾーンを同時に検出及び評価することが可能である、複雑な光学系が必要となることである。
【0012】
診断機器は通常、既知のサンプル値に対する1組の機器応答に基づいた較正曲線を利用し、直線、二次式、指数関数、対数などの数学的関係に従うように適合する。用量反応曲線としても知られるこの較正曲線はまた、次いで、未知のサンプルに対応する値を決定するために読み取られる。この曲線により、未知のサンプルに対する機器反応を較正曲線と組み合わせて、未知のサンプルの値を生成することが可能となる。
【0013】
較正曲線自体が多くの場合、試験の有効測定レンジを限定している。これは較正曲線の形状から生じるものであり、このことは、容易に判断できる傾斜を持つ直線には望ましいが、多くの場合、不都合にも直線でないか、あるいは過度に平坦であり適切な差別化ができない。サンプル強度の差が小さいと、結果として信号強度の変化が大きくなり得るか、あるいはサンプル強度の変化が大きいと、認識可能な変化が信号強度にないことにもなるので、そのような領域における試験値は、突き止めることが困難である。例えば診断検査において、これらの変数は、直線性及び定量の限界など、周知の性能量に予想濃度を関連付けることによって、試験の性能を決定する(臨床・検査標準協会のガイドラインEP6−A及びEP17−Aを参照)。試験性能の限界は、(i)数学的モデル化が役立たない許容限界値未満で濃度に対する反応が実際に平坦化することと、(ii)数学モデルが実際の反応データに適切に適合できないことの両方によって限定され得る。
【0014】
濃度に対する反応が平坦化することを原因とする難点の例が図2に示されている。この例において、用量反応曲線は、0〜0.5au及び3.2〜6auの間で比較的平坦である。反応関数の基本的な有効測定レンジは、反応データを適合させるために用いられた数学的モデルとは無関係に、0.5〜3.2au(破線の間)である。このレンジを越えると、曲線の平坦化により、測定反応の不正確さが原因で反応と濃度との弱い相関が生じる。
【0015】
数学的モデルが実際の反応データに適切に適合できない例が図3に示されている。この例において、Logit/Log4関数(破線)を用いた適合較正曲線は、実際の較正物質反応データ(反比例の用量反応曲線)に適合しない。適合較正曲線が反応を平坦化する低濃度では、小さな適合偏差がある。高濃度では、適合較正曲線と較正反応データとの間に相当な偏差があり、これは、1.5au超の濃度で較正曲線が平坦化することを原因としている。数学的な適合に欠けるため、有効測定レンジは、較正物質反応曲線の形状データが示唆する0.02〜2.7のレンジよりも相当に狭くなる。この例において、有効測定レンジは、低濃度と高濃度の領域の両方で較正モデルの適合が乏しいことが原因で、約0.15〜0.75au(垂直の破線同士の間)に減じられる。
【0016】
有効測定レンジが較正曲線又は適合モデルによって限定される場合、図2に示す約0.5〜3.2auの測定レンジを超えて広がる有用な用量反応曲線を生成できることが好ましい。付加的な試薬及びサンプルを使用する第2の実験を行う必要なく測定レンジを拡大することが、依然として、満たされていないニーズとなっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本開示は、化学的な反応動力学の特性を利用して、単一の反応から複数の用量反応曲線を生成し、したがって、標準的なアッセイ法で得られるよりも広範な測定レンジを扱うために更なる実験を行う必要を排除するものである。同じプロトコルでも(同じサンプル体積、試薬体積、培養時間など)、種々の濃度のサンプルの反応動力学における違いは、各種々の測定時間に、また種々の精度又は分解能で、種々の反応を生じ得るので、複数の実験は、アッセイ法の精度及び分解能を損なうことになる。
【0018】
図2に示す用量反応曲線は、反応が開始された後の一定の時点における、これらの動力学曲線の見本である。異なる反応時間における見本を選択すると、形状の異なる用量反応曲線をもたらすことになる。
【0019】
開示する方法及びシステムにおいて、それぞれ「時点」とも称される測定時間窓は、そのような各時間窓に対して生成された用量反応曲線を用いると、これらの複数の較正曲線(用量反応曲線)が同時に使用されるとき、単一の反応によるアッセイ法の測定レンジが拡大されるように選択される。好ましくは、用量反応曲線は重なり合う。
【0020】
この方法及びシステムの特徴は、アッセイ法の測定レンジを拡大するために更なる反応(VITROS(商標)Opiate High/Opiate Lowアッセイ法など)を行う必要を排除することである。臨床診断分析器及び他の試験プラットフォームの自動化により、測定時間窓のうちの1つにおける信号の大きさに基づいて適切な較正曲線を自動的に選択することが可能となる。したがって、第1の測定時間窓において、信号強度は、対応する較正曲線が使用されるべきであるか、あるいは信号がそれより後の測定時間窓にて測定されるべきであるかを示す。留意すべきことに、その測定は、ちょうど後期の時間の、同じ反応混合物によるものである。信号は、反応が更に進行した後に、後期の時期に再び検知され、対応する較正曲線に基づいて解釈され、それによって、許容可能な分解能と精度が得られる。このようにして、信号を測定するための特定の時点又は窓にそれぞれが対応する複数の較正曲線が組み合わされ、種々の指定された時点/窓にて信号強度によって進められる決定規則を使用してアクセスされ得る。好ましくは、いずれの曲線にも共通する少なくとも1つの試験サンプルが存在するようにすることによって、種々の較正曲線は、拡大された測定レンジ全体にわたる連続性を確保するように、部分的に重なり合う。換言すれば、重なり合いの部分において試験サンプルに対応する信号は、複数の異なる時点で測定される。いくつかの実施形態において、その重なり合いは、隣接する較正曲線又は用量反応曲線から外挿法によって達成されてもよい。これは、本開示の好ましい実施形態ではない。更に、使用される複数の用量反応曲線は単一の反応に基づくものであるため、測定され得る、有効な反応の大きさもまた増加し、その結果として、アッセイ法の正確さが改善される。
【0021】
レンジの拡大を支援する臨床分析器で検体を測定する試験を計画するための好ましい方法において、その方法は、試験を開始した後のおよそ第1の所定の時点に、反応混合物から読み取られた第1の信号強度で反応混合物を使用して試験を開始する工程を含む。この信号強度は、対応する適格な較正曲線が存在するか否かを判断するために使用される。通常、対応する較正曲線は、適格な精度で検体の濃度又はレベルを決定するために使用される。対応する較正曲線が存在しない場合、又は検体の濃度又はレベルの別の測定が望まれる場合、実際には長い培養に続いて、第2の後期の時点で反応混合物から信号強度が読み取られる。この信号強度はまた、それに対応する較正曲線を識別するために使用されてもよい。検体レベルは、適切な較正曲線から決定される。
【0022】
いくつかの実施形態において、検体濃度又はレベルは、まさに第1の好適な較正曲線から決定される。他の実施形態において、そのような決定は、複数の適格な較正曲線を、検体濃度又はレベルに関して1つの値が得られるように平均化して使用してなされてもよい。
【0023】
レンジの拡大を支援する臨床分析器により、種々の時間における信号強度の読み取りを案内する意志決定論理を実現することに加えて、種々の時間に同じ反応混合物から信号強度を読み取ることが可能となる。好ましい実施形態において、臨床分析器のスケジューラにより、早期の時点における信号強度に応じて、その後の、後期の時間における信号強度の読み取りを動的に計画することが可能となる。したがって、信号強度の第1の測定は、第2の時点における測定が必要であるか否かを判断するのに役立つ。信号強度の測定が後期の時点で必要である場合、資源がそのような測定に割り当てられる。言うまでもなく、信号強度が適切である場合、長期の培養後に信号強度の第2の測定を実施することは不要となり得る。他方で、信号強度が低すぎて(又は高すぎて)検体濃度/レベルを正確に測定できない場合、より長期の培養により、測定の精度を改善することが可能となる。次いで、そのような読み取り事象が、レンジの拡大を支援する臨床分析器によってプログラムされ提供される。必然的に、資源の割当てでは、キュー内にあるいくつかのサンプルを遅延させることが必要となるか、あるいは、臨床分析器内のスケジューラが、資源が次に利用可能になるときなどに読み取り事象を計画することなど、他の処置を取ることが必要となり得る。いくつかの実施形態において、そのような読み取り事象の必要性は結果として、検出器が利用できない場合に、特定の時点で反応を阻止/停止することになり得る。
【0024】
ある方法又はレンジの拡大を支援する臨床分析器が、対応する好適な第1の較正曲線が存在するか否かを判断するためのモジュール又は工程を有する。好適な第1の較正曲線が存在しない場合、反応混合物から第2の信号強度を決定するための第2の時点が計画される。次に、第2の信号強度が、およそ第2の時点で決定され、それに続いて、第2の信号強度に対応する第2の較正曲線が識別される。最後に、第1の信号強度と第2の信号強度の一方又は双方から検体のレベルが決定される。
【0025】
時変信号に基づいて初期の検体レベルを測定するために機器のレンジを拡大する、開示する方法において、検体レベルを反映する信号が特定の時間に測定される。その方法は、信号を測定することと、好適な較正曲線が存在するか否かを信号強度に基づいて判断することとを含む。第1の時点における第1の較正曲線は、信号強度が第1の時点の所定の信号レベルに対応する場合は、初期の検体レベルを推定するために使用される。ある所定の信号レベルが好ましくは、閾値信号レベルである。所定の信号レベルに基づく条件が、特定の較正曲線を使用するために、その信号レベルを満たす必要があるか、満たさない必要があるか、あるいは、超える必要があるかなどを指定し得る。第2の時点における第2の較正曲線は、信号強度が第2の時点の所定の信号レベルに対応する場合は、初期の検体レベルを推定するために使用され、その他も同様である。
【0026】
複数の較正曲線を使用して検体のレベルを測定する方法及び装置において、各較正曲線は、その較正曲線が適切であるか否かを識別するために、各時点/窓にて少なくとも1つの閾値信号レベルに関連付けられる。
【0027】
第1の閾値、つまり、複数の較正曲線のうちの第1の較正曲線と関連付けられる第1の所定の閾値に基づいて、第1の条件が満たされた場合、第1の較正曲線は、検体のレベルの第1の測定値を生成するために使用される。一例として、第1の較正曲線を使用するための条件は、信号強度が第1の所定の閾値よりも大きいこととして定められてもよい。信号強度が第1の所定の閾値よりも大きい場合、検体の濃度又はレベルの第1の測定値を生成するために、第1の較正曲線が使用される。
【0028】
更に、第2の閾値、つまり、複数の較正曲線のうちの第2の較正曲線と関連付けられる第2の所定の閾値に基づいて、第2の条件が満たされた場合、検体のレベルを測定するために、第2の較正曲線は使用されない。一例として、第2の較正曲線を使用しないための条件は、信号強度が第2の閾値よりも小さいこととして定められてもよい。信号強度が第2の閾値よりも小さい場合、検体の濃度又はレベルの測定値を生成するために、第2の較正曲線は使用されない。
【0029】
別の態様において、複数の較正曲線のうちの2つ以上の較正曲線が、その2つ以上の較正曲線の各々に対応する条件が満たされたがために、検体のレベルを測定するために利用可能である場合、検体の測定レベルは、利用可能な較正曲線の各々に対応する検体レベルの平均値となる。この平均値は、重み付き平均値であってもよい。
【0030】
閾値は、対応する較正曲線を使用するために、あるいは対応する時間窓で測定を行うために、その閾値を超えること、その閾値未満であること、又はその閾値に等しいことからなる群から選択される1つ又は2つ以上の条件を信号レベルが満たすように定められてもよい。
【0031】
いくつかの好ましい例示的な実施形態におけるこれら及び他の特徴について、説明のための図を用いて以下で詳細に述べられており、それらの図については次に簡潔に述べられている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】(先行技術)先行技術の臨床診断分析器及びその主なサブシステムを示している。
図2】(先行技術)例示的な用量反応曲線を示している。
図3】(先行技術)広範な測定レンジに及ぶデータに較正曲線を適合させる際の難点を示している。
図4】Logit/Logit4パラメータのうちの1つの値で差別化される一群の用量反応曲線を示している。
図5】時間に伴う一群の用量反応曲線を示しており、反応結果はパラメータとした読み取りレベル。
図5B】1200秒に対応し検体レベルのレンジ拡大を支援する、図5の用量反応曲線を示している。
図6】時間に伴う図4に対応する用量反応曲線を示しており、この用量反応曲線は、比較的低い検体レベルに合わせてスケーリングされた360秒の反応結果を読み取るためのもの。
図7】時間に伴う図4に対応する用量反応曲線を示しており、この用量反応曲線は、比較的高い検体レベルに合わせてスケーリングされた360秒の反応結果を読み取るためのもの。
図8】より広範な検体濃度レンジに広がるように共に用いられ得る2本の用量反応曲線を示しており、用量反応曲線はそれぞれ、反応開始後(20秒(実線)及び3000秒(破線))の異なる時間窓に対応している。
図9】どのようにして特定の用量反応曲線が信号強度に基づいて選択されるかを示す流れ図を表している。図示のように、20秒の窓において未知の検体に対応する信号が0.065よりも大きい場合、20秒の用量反応曲線が用いられる。そうでない場合、3000秒の用量反応曲線が用いられる。
図10】時間窓の選択が測定精度に与える影響を説明するために、試薬添加から9.5秒後(「早期の」用量)、試薬添加から161.5秒後(「標準の」用量)、及び275.5秒(「後期の」用量)に得られた測定値に対応する3本の較正曲線を示している。これらの例示的な曲線は、早期の用量反応曲線と後期の用量反応曲線との間にある重なり合い領域を支援するために、2つの較正物質(0.449g/dL及び0.84g/dL)を共有している。
図11】二重較正曲線の実現形態を得るために組み合わされた、試薬添加から9.5秒後(「早期の」用量)及び275.5秒後(「後期の」用量)に得られた測定値に対応する較正曲線を示している。
図12】線図によって動作時のこれらの重なり合いの規則を説明するものであり、この線図は、図9に類似した方式で使用する較正曲線の選択を案内するための意志決定論理を示している。
図13】各サンプルの予想検体レベルと基準検体レベルとの平均バイアスを示している。早期の用量反応曲線は較正曲線から相当に逸脱しており、そのため、0.84g/dL超のすべてのサンプル濃度に対し、バイアスが大きくなっている。標準の用量反応曲線と後期の用量反応曲線は共に、用量反応曲線の平坦化が原因で、低濃度にてゼロバイアスから相当に逸脱している。
図14】二重用量反応曲線が広大なレンジに及んでいるにもかかわらず、二重用量反応モデルの標準偏差が好ましくも、標準的な用量反応曲線の標準偏差よりも小さいことを示している。
図15】対象の検体を測定する上でレンジを拡大し精度を改善するために二重較正曲線を用いる方法の実現形態を説明する流れ図を示している。
図16】対象の検体を測定する上でレンジを拡大し精度を改善するために多重較正曲線を用いる方法の実現形態を説明する流れ図を示している。
図17】種々の時間に同じ反応を測定できるように2つ以上の較正曲線を使用し、そしておそらくはその結果を平均化して精度又は追従誤差を改善する方法の実現形態を説明する流れ図を示している。
図18】対象の検体を測定する上でレンジを拡大し精度を改善するために二重較正曲線を用いる方法の実現形態を説明する流れ図を示している。
図19】ある時点で信号を読み取るスケジューラ実現形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
検体を測定するとき、所定の時間にわたって培養された反応混合物から信号が取得される。指定された時間窓の間で測定されるこの信号は、較正曲線を使用して検体のレベル又は濃度に変換される。物理的曲線を使用する代わりに、多くの実現形態は、線の傾き及び切片、並びにそのようなパラメータが利用されるべきレンジなど、較正曲線を定義するパラメータを提供する。検体を正確に推定するためのある手法は、線形較正曲線又は区分的線形較正曲線を使用することである。しかしながら、較正曲線のうちの多くの領域は依然として、十分な精度で検体濃度を推量するには適していない。結果として、ある機器に対して取り得る測定のレンジは、その較正曲線を使用して測定がなされ得る精度によって定義される。
【0034】
例えば希釈することによってサンプル濃度を変化させると、その機器のレンジ内にある読みを取得することが可能となる。しかしながら、これには、別の反応を実行し、測定値をそれに関連付けることが必要となる。
【0035】
2つ又は3つ以上の較正曲線を用いて、別の反応を必要とすることなく機器のレンジを拡大する技術の本開示はまた、適切な較正曲線を動的に選択する手順を含む。
【0036】
このように測定レンジが限定されることは通常、反応関数の形状が原因であるか、較正モデルの適合性の不足が原因であるか、あるいは別の拘束的手段が原因である。最終結果として、通例の時間窓において異なるレンジにわたって測定を可能にするために、特徴的な反応形状を変化させるようにいくつかのパラメータを変更して別の反応が実行されない限り、得られる測定レンジは限定される。本開示は、単一の反応から2つ又は3つ以上の反応曲線を得て、得られる測定レンジを拡大するものである。これは、2つ又は3つ以上の時間窓における単一の反応から測定を行うことによって達成される。
【0037】
開示するモデル構想は、シミュレーション反応動力学(表1、図4)を用いて説明される。シミュレーション反応動力学は、式1に従う4パラメータのLogit/Log4モデルによって適合されると仮定され、ここでRは反応であり、Cは濃度であり、β〜βは4つのLogit/Log4パラメータである。留意されたいこととして、それに代わる数学的モデルが、一般性を失うことなく、Logit/Log4法の代わりに使用され得る。
【数1】
【0038】
実際に、選択される数学的曲線適合モデルは、本開示の教示を損ねるものではない。図4に示すシミュレーションにおいて、β〜βは一定に保たれるが、βは、図4の凡例に示すように、一群のシミュレーション動力学曲線が得られるように変化される。シミュレーション動力学から得られた一群の検体−濃度/機器−信号曲線(「較正曲線」又は用量反応曲線としても知られる)が図4に示されており、種々のβ値に対応する検体濃度が右にパラメータとして示されている。
【0039】
図5の曲線は、式1を用いて生成されたものであり、反応が実行される時間は、y軸上の観測信号とx軸に沿った初期の検体濃度との関係の一連のプロットを規定するパラメータである。図5において、較正曲線が生成された反応後の時間は、各曲線ごとに図の凡例に示されている。
【0040】
例えば、反応の開始から360秒後になされた測定に対応する図5の運動力学曲線は、7au未満のすべての濃度に対して相当に平坦な反応が見られる(濃度は水平軸に沿って示されている)。この曲線は図6に複写されており、図6は、反応の開始から360秒後になされた測定に関して図7に示されているように、500au超での平坦な反応を示している。較正曲線の固有の形状により、360秒における測定窓が単一の反応混合物で使用された場合、測定レンジは約10〜500auに限定される。早期の測定は、下限側での測定をより正確にできるが、高い検体濃度には適さない。例えば、反応の開始から20秒後に対応する時間窓の間に測定がなされる場合、2〜50auの測定レンジが、単一の反応混合物で可能である。同様に、後期の測定は、高い検体濃度を検出するにはより適するが、比較的低い検体濃度を検出する上で精度が犠牲となる。図5及び5Bから容易に分かるように、反応の開始から1200秒後に対応する例示的な時間窓の場合、測定レンジは1000auよりも〜15au大きい。15au未満において、1200秒の曲線は、図5に示すように、過度に平坦である。したがって、単一の較正曲線が、単一の反応混合物を使用して、2〜2500auの全測定レンジにわたることはない。習慣的に、この限界により、種々の濃度の試薬又は試験物質との、更には測定を正確にするために希釈系列との複数の反応を用意することが必要となる。
【表1】
【0041】
この開示によれば、反応の開始後の種々の時間窓にそれぞれが対応する、複数の較正曲線を組み合わせることにより、その他の方法で可能であったよりもはるかに広レンジに及ぶ検体測定に対応するように、同じ反応混合物から測定を行うことが可能となる。上記の例におけるシミュレーション曲線の場合、2〜2500auの測定レンジに対応する要望は、単一の用量反応曲線では達成され得ない。しかしながら、反応が開始された後に同じ反応混合物から20秒及び3000秒の読みを収集し、2つの用量反応曲線を組み合わせて、2〜2500auの測定レンジ内にある任意の未知試料を評価することにより、レンジが拡大される。
【0042】
図8は、反応の開始から20秒(実線)及び3000秒(破線)後の時間窓に対応する2つの用量反応曲線を示している。これらの曲線は、2〜2500auの所望の測定レンジ全体を拡大するために、共に使用される。
【0043】
特に、20秒の較正曲線は2〜40auのレンジを拡大し、3000秒の較正曲線は30〜2500auのレンジを拡大する。2つの曲線は30〜40auの間で重なり合う。これらの2つの較正曲線の組み合わせは、30〜40auの重なり合い領域で全レンジを拡大する。較正曲線を作成するとき、このレンジ内の試験サンプルは、一貫性と連続性を確かにするために、反応の開始後の20秒及び3000秒に読まれ得るので、較正曲線の重なり合いは、一方の較正曲線からもう一方の較正曲線へのクロスオーバーを容易にする。
【0044】
クロスオーバー領域は、適切な較正曲線同士が切り替わるためのつなぎ目となるものである。望ましいクロスオーバー領域により、較正曲線が絶えず測定レンジ全体に及ぶようになる。
【0045】
加えて、適切な較正曲線を選択するプロセスが自動化され得る。これにより、複数の較正曲線及び測定時間窓の使用法は、臨床診断分析器の操作者にとって、単一の測定時間と単一の較正曲線と相違ないものとなる。種々の観測時点に対応する複数の較正曲線が実際には使用されていても、単一の較正曲線を使用している機械のごとく作動するように、好適な臨床分析器がプログラムされ得る。そのような機械は、コンピュータで実行可能な命令を含んでおり、それらの命令は、対象となる未知のサンプルを評価する際に複数の較正曲線の使用が可能となるように、好適な培養時間、キューイング、資源割当てを認めるものである。
【0046】
別の態様において、観測用の時間窓は、所望の精度が確保されるように選択されてもよい。したがって、いくつかの較正曲線を組み合わせることにより、開始時の検体濃度の線形関数として信号が変動しない多数の実例において、所望の精度が確保され得る。
【0047】
重なり合う2つの較正曲線を生成する多数の方法がある。表2は、Logit/Log4関数を使用する、そのような考えられる1つの方法を示しており、この方法は、較正関数を定義するために最小で4種類の較正物質を必要とする。好ましい実施形態において、ある較正曲線から別の較正曲線への平滑な遷移を支援するために、両方の較正曲線に共通する少なくとも1つの較正物質(「基準」とも呼ばれる)が存在する。
【表2】
【0048】
未知の検体濃度の測定に使用する較正曲線を選択するための、いくつかの例示的な方法について、次に説明する。例示的な以下の例は、図8に示す2つの較正曲線を使用するための考えられる規則を説明するものである。図9の流れ図に示すように、20秒の窓における未知の検体に対応する反応が0.065(約35auの濃度に対応する)を超える場合、20秒の窓から得られる信号は、20秒の用量反応曲線上で解析される。20秒の窓における未知の検体に対応する反応が0.065未満である場合、20秒の窓から得られる信号の代わりに、3000秒の窓から得られる信号が、3000秒の用量反応曲線(図9)を使用して解析される。
【実施例】
【0049】
ある反比例の臨床化学アッセイ法が、最後の試薬の添加から161.5秒後の反応を測定するための標準的なプロトコルを有している。この例において、このプロトコルは、二重用量反応曲線のモデルと標準のアッセイプロトコルのモデルの両方の評価を可能にするために、最後の試薬の添加後に単一の反応キュベット内で9.5秒、161.5秒、及び275.5秒に反応を測定するように変更された。以下の説明において、試薬添加から9.5秒後に測定された反応は「早期の」用量と呼ばれ、試薬添加から161.5秒後に測定された反応は「標準の」用量と呼ばれ、試薬添加から275.5秒後に測定された反応は「後期の」用量と呼ばれる。早期の用量と後期の用量の較正曲線は、「二重」用量反応を形成するように組み合わされる。
【0050】
7種類の較正物質がこの実験において稼働され、表3に示すような3つの個別の用量反応曲線を較正するために使用された。上述したように、多重用量反応モデルに必要な要件において、早期の用量反応曲線及び後期の用量反応曲線は、クロスオーバー領域に少なくとも1つの較正物質を共有して、連続的な方式で測定レンジ全体に及ぶ。この具体的な例において、早期の用量反応曲線及び後期の用量反応曲線は、それらの間のクロスオーバー領域を支援するように、2種類の較正物質(0.449g/dL及び0.84g/dL)を共有している。
【表3】
【0051】
較正物質に加えて、測定レンジを0.2〜2.6g/dLから拡大する複数の流体を3回、稼働して、異なる3種類のプロトコルごとに、図10に示す用量反応曲線の真の形状が現れるようにした。標準の用量反応曲線(菱形)は、下限側の0.217g/dLにて、そして上限側の2.411g/dLにて用量反応曲線が平坦化することを示している。この平坦化する形状により、反応関数のみに基づくアッセイ法の有効測定レンジが約0.2〜2.4g/dLに限定されることになる。早期の用量反応曲線(四角形)は、下限側には平坦化を示さず、1.302g/dLの上限側で平坦化を示しており、この反応関数のみに基づくアッセイ法の有効測定レンジを約0〜1.3g/dLとしている。後期の用量反応曲線(三角形)は、下限側の0.449g/dLに用量反応曲線の平坦化を示し、上限側には平坦化を示しておらず、この反応関数のみに基づくアッセイ法の有効測定レンジを約0.5〜2.6g/dLとしている。
【0052】
表3に示す較正物質レベルでLogit/Log4較正モデル(式1)を使用して、3つの用量反応曲線の各々を較正した。細かい破線を早期の較正曲線に、実線を標準の較正曲線に、荒い破線を後期の較正曲線に対応させて、3つの反応時間に対するLogit/Log4較正曲線が図11に示されている。標準の較正曲線と後期の較正曲線は共に、予想される較正曲線の平坦化を初期に示しており、上述した用量反応曲線の形状のみによるものと比べて、有効測定レンジを限定している。早期の較正曲線は、すべての較正物質レベルが較正に使用されなかったために、高濃度にてデータの逸脱を示している。
【0053】
図11は、図10のデータに対する二重用量較正曲線を示している。本開示の二重用量較正曲線が黒色で示されており、早期の較正曲線上の0.14ODのクロスオーバー反応(〜0.84g/dLの濃度に対応する)にて早期の較正曲線から後期の較正曲線へと遷移している。図12は、線図によって動作時のこれらのクロスオーバー規則を説明するものであり、この線図は、図9に類似した方式で使用する較正曲線の選択を案内するための意志決定論理を示している。
【0054】
本開示の利点は、測定レンジの拡大と、正確さ及び精度の向上である。拡大される測定レンジについては、図8及び図11に示す較正曲線の湾曲に基づいて上で定性的に説明されている。二重用量較正曲線は、低濃度又は高濃度のいずれにも平坦化をほとんど有さない。拡大された測定レンジが、早期、標準、又は後期の較正曲線分析(図13)に対する二重用量較正曲線により、試験流体の予想濃度の精度において容易に確認され得る。
【0055】
図13は、各サンプル(表4)の予想検体レベルと各サンプルに割り当てられた基準検体レベルとの平均バイアスを示している。早期の用量反応曲線は較正曲線から相当に逸脱しており、そのため、0.84g/dL超のすべてのサンプル濃度に対し、バイアスが大きくなっている。標準の用量反応曲線と後期の用量反応曲線は共に、用量反応曲線の平坦化及びモデル適合性の不足が原因で、低濃度にてゼロバイアスから相当に逸脱している。二重用量モデル、すなわち本開示の主題のみが、早期の用量反応曲線と後期の用量反応曲線との間で遷移して各較正曲線をよりよく利用することによって、測定レンジ(≦0.1g/dLバイアス)の全体にわたって基準濃度との良好な一致を示しており、また、分析性能を伴って測定レンジを拡大する利点を示している。
【表4】
ME(機械によるエラー):結果は記載しない
【0056】
二重用量反応モデルによって可能となる測定レンジ全体にわたる精度の改善(例えば図13を参照)に加えて、下限側の不正確さもまた、本開示の二重用量反応モデルでは相当に低減される。図14に示すように、二重用量反応モデルのSDは、0.5g/dL未満の測定検体レベルに対して≦0.01g/dLであり、これは、同じレンジにわたる標準の用量反応曲線(>0.035g/dL)の不正確さよりも相当に優れている。この正確さの改善は、0g/dL〜0.5g/dLのレンジで二重用量モデル対標準モデル(0.34OD対0.11OD)の反応レンジが3倍に増加することに伴うものである。
【0057】
二重用量反応モデルは、標準モデルの信号と比較して、測定レンジの全体にわたってより広大な信号レンジを与える。表5は、標準用量反応モデルに対して、二重用量反応モデルのODレンジがおよそ50%増加していることを示している。これにより、上述のように、低レベルの検体において正確さが劇的に改善されることになる。
【0058】
図13に示すように、現在の2.6g/dLを超えて測定レンジを拡大する二重用量反応モデルにおいて、拡大されたODレンジは更に、より低い検体濃度とより高い検体濃度の両方での用量反応曲線の傾きの精度に改善をもたらす。高濃度側の傾き(2.4〜2.6g/dL)は、標準の用量反応曲線と比べて、二重用量反応モデル(表6)に対しては2倍超、大きいものとなっている。
【表5】
【表6】
【0059】
本明細書で説明したように3つ以上の用量反応曲線を使用することには、大きな柔軟性があるが、対象となる大部分のプロセスの測定レンジは、異なる2つの用量反応曲線でカバーされ得るものよりも相当に狭くなる。好ましいモードはしたがって、2つの較正曲線を使用する。加えて、好ましい実施形態において、用量反応曲線を生成する際に、同じ較正物質を異なる2回で、単純に少量、読み取ることによって、較正物質が共有され、それによって、用量反応曲線を生成するのに必要となる較正物質の総量が限られる。これにより、較正自体の時間及び費用が更に減じられる。
【0060】
好ましくは、異なる2つの用量反応曲線の間で予想濃度が連続するようにするために、クロスオーバー点は、共通の較正物質の濃度のうちの1つにあるか、あるいはそれに非常に近いところにある。その連続性はまた、使用される時間窓にかかわらず、両方の較正曲線が検体の測定レベルを基本的に同じにする相当なクロスオーバー領域が存在するときに向上する。
【0061】
代替的な多数の数学的モデル(Logit/Log4以外)が、較正曲線を表現するために使用され得る。好ましいモデルは、当該技術分野で既に使用されている単一用量反応モデルに対して機能することが知られているものから変更される必要がない。多重用量反応曲線を表すための数学的モデルのいくつかの例が、直線、多項式、3次スプライン、Logit/Log4、及びLogit/Log5である。
【0062】
スケジューラは、分析器サブシステムを協働させる頭脳である。スケジューラは、例えば、要求される試験の種類又は量に関わらず、任意の順序で入力されたサンプルに資源を割り当てるために、また、分析器のスループットを維持又は改善するために、スケジューリング機能を実施する。特定のサンプルに関連する様々な予想される試験又は工程に資源が予約されるので、スケジューラは、サンプルが入力キューから受け取られるようにする。必要な資源が利用可能でない限り、サンプルは引き続き入力キーに存在する。好ましい分析器モデルにおいて、サンプルが吸引され、次いでサブサンプルが、この吸引された分量から様々な試験のために取られる。分析器でサポートされる試験の種類と相まったスケジューラの動作により、検討中の分析器がかなり正確に説明される。
【0063】
好ましいスケジューラは、入力サンプルへの2次元ランダムアクセスの相乗効果を有する一方で、例えば、すべてが容易にアクセス及び使用され得る、電位計、反射率計などの複数の感度測定装置、ルミネセンス、光透過性、光子検出、サンプルを加熱するためのインキュベータ、試薬の供給源、並びに、複数の試薬送達サブシステムと共に、複数のプラットフォーム、薄膜スライド、反応容器及びキュベットを含む消耗品の供給を含めた資源へのアクセスを提供する。
【0064】
図9及び12の実現は好ましくは、試験の完了に暫定的な時間を割り当てるスケジューラの助けを受ける。これは有益なことであるが、それは、第2の時間窓は、対応する較正曲線を指定して割り当てられることが必要となり得るからである。そのようなスケジューラは、必要に応じて付加的な資源をサンプルに割り当てることによって、拡大された検体レンジが利用されるようにするために、サンプルを操作してサンプルのスループット及び処理を最適化する。そのようなスケジューラは好ましくは、新たなスケジューラ機能を実行するように図1の臨床検査分析器をプログラムすることによって、その臨床検査分析器を、それよりも遙かに広いレンジの検体濃度の測定をサポートするものに変換する。このプログラミングは、プログラミング言語又はグラフィカルプログラミングインターフェイスによるものであってもよく、またアップデートの形態で供給されてもよい。
【0065】
複数の較正曲線を図1に示すものなどの臨床診断分析器に実装するために、ある好ましい方法により、スケジューラは、事前の信号強度の測定に基づいて様々な時間に信号測定が可能となるように修正される。実際には、これは、臨床診断分析器において、図9及び12に示すものに似た決定論理の実現形態である。
【0066】
図9を参照すると、レンジの拡大を実現するための方法が示されている。工程900において、あるモジュールが、第1の時間窓の間、対象のサンプル中の信号レベルを測定する(ここでは、例示的な時間窓は約20秒におけるものである)。次いで、制御は工程910に移り、その間に、信号強度が、説明のための閾値0.065などの閾値と比較され、その閾値を超える場合に制御を工程920に移すか、あるいは閾値を超えない場合に制御を工程930に移す。制御が工程920に移された場合、20秒の較正曲線が使用されるが、制御が工程930に移された場合、3000秒の較正曲線が使用されて、信号強度が検体レベルに変換される。
【0067】
同様に、図12において、工程1200の間、あるモジュールが、早期の読み取り窓と後期の読み取り窓の両方を使用して、対象のサンプル中の信号レベルを測定する。次いで、制御は工程1210に移り、その間に、早期の読み取り窓に基づく検体の反応が、説明のための閾値0.14などの閾値と比較され、その閾値を超える場合には制御を工程1220に移すか、あるいは閾値を超えない場合には制御を工程1230に移す。制御が工程1220に移された場合、早期の較正曲線が使用されるが、制御が工程1230に移された場合、後期の較正曲線が使用されて、信号強度が検体レベルに変換される。
【0068】
図15及び16は、対象の検体を測定する際にレンジを拡大し精度を改善する方法に基づいた、二重及び多重較正曲線の実現形態を表す流れ図を示している。図15において、工程1500の間、信号強度は第1の時点で測定される。本明細書において、「信号強度」という用語は、信号が測定又は変換され得る様々な単位を包含している。次いで制御は工程1510に移され、工程1510間、信号強度が十分に大きい場合は制御が工程1520に移り、工程1520の間、第1の較正曲線が使用される。それに代わって、工程1510の間、信号強度が十分に大きくない場合、制御は工程1530に移る。工程1530の間、第2の時点における測定が計画され、制御は工程1540に移る。工程1540の間、信号強度が第2の時点で測定され、第2の較正曲線を使用するために工程1550に制御が移り、対象の検体のレベルが測定される。
【0069】
図16はより一般的なスキームを示している。図16において、工程1600の間に信号強度が測定される。次いで制御は工程1610に移り、工程1610間、信号強度が十分に大きい場合は制御が工程1620に移り、工程1620の間、対応する較正曲線が使用される。実際には、この方法により、対応する好適な第1の(又は第2若しくは第3などの)較正曲線が存在するか否かが判断される。好適な較正曲線が存在しない場合、反応混合物から信号強度を測定するための後期の時点が計画される。したがって、工程1610の間、信号強度が十分に大きくない場合、制御は工程1630に移る。工程1630の間、後期の(第2又は第3などであってよい)時点における測定が計画され、制御が工程1640に移る。工程1640において、信号強度が後期の時点で測定され、制御が再び工程1610に、次いで好適な較正曲線の識別に移る。種々の信号の大きさ又は時点に対応する、使用され得る複数の較正曲線が存在する場合、検体のレベルが、単に1つの又は複数の較正曲線から決定され得る。
【0070】
図17に示されている方法は、種々の時間に同じ反応を測定できるように2つ以上の較正曲線を使用し、そしておそらくはその結果を平均化して精度又は追従誤差を改善するためのものである。そのような平均化のために、有利にも、種々の時間に測定された検体レベルの重み付き平均が、結果を更に精密にするために使用され得る。図17において、工程1700の間に信号強度が測定される。次いで制御は工程1710に移り、工程1710間、信号強度が十分に大きい場合は制御が工程1720に移り、工程1720の間、対応する較正曲線が使用される。制御が工程1720から工程1730に移り、後期の時点で更なる測定が望まれるか否かが判断される。この方法は、更なる測定が望まれないと判断された場合に終了し、制御を工程1740に移す。しかしながら、更なる測定が後期の時点で望まれる場合、制御は工程1750に移り、工程1750の間に後期の測定が計画される。計画された測定を行うために制御が工程1760に移り、その後に、制御は再び工程1710に戻る。実際には、この方法ではまた、対応する好適な第1の(又は第2若しくは第3などの)較正曲線が存在するか否かが判断される。好適な較正曲線が存在しない場合、反応混合物から信号強度を決定するための後期の時点が計画されるが、この後期の時点は単に、同じ反応混合物から第2の又はそれに続く測定値を決定するためのものでもある。複数の測定値が平均されてもよい。
【0071】
図18に示されている方法は、2つ以上の較正曲線を使用して臨床診断分析器での測定を可能にするためのものである。図18において、工程1800の間に反応が開始される。次いで制御は工程1810に移り、工程1810の間に、試験が開始された後の複数の時点から選択された時点における反応混合物から測定強度が測定される。次いで制御は工程1820に移り、工程1820の間に、信号強度を測定する時点に対応する較正曲線を使用して検体レベルが決定され、信号強度は十分に大きいものとなる。次いで制御は工程1830に移り、工程1380の間、対応する較正曲線が存在しない場合、反応混合物から第2の信号強度を決定する第2の時点が計画される。制御は工程1830から工程1840に移り、信号強度を測定する第2の時点に対応する第2の較正曲線を使用して検体レベルが決定される。
【0072】
図19は、レンジの拡大をサポートする臨床診断分析器で使用するためのスケジューラ1900を示している。スケジューラは、ある時点における信号を、工程1910の間にその時点に達したか否かを確認することによって読み取り、次いで工程1920の間に信号を計画する。工程1910の間にその時点に達しない場合、制御は元に戻る。この後戻りが、簡単にするため、直結するループとして示されている。実際に、ある好ましい実施形態は、その時点を再び試験する前に他の作業にスケジューラを参加させることになる。好ましい実施形態において、選択された時点は、その信号に基づいて複数の較正曲線から選択された較正曲線に対応する。工程1920の間にそのように読み取られた信号は、選択された較正曲線を使用して、対象の検体の測定値にマッピングされる。
【0073】
診断及び他の試験の測定レンジに課せられる制限のうちの多くは、本開示の多重用量反応モデルを実施することによって克服され得る。本明細書における説明は、測定レンジを拡大するための改良を示しており、各例は、説明したアッセイ法に対して測定レンジを増大させるための実際的な改善を伴って実施される理論的モデルを示している。測定レンジの拡大に加えて、本開示はまた、反応レンジが増すことにより試験法の正確さが、また、較正曲線の適合性が改善されることにより試験法の精度が改善することを示唆している。複数の用量反応モデルでもたらされる改善により、現行モデルの測定レンジ及び正確さに関する欠点が排除されている。
【0074】
当業者には明らかとなるように、上記の開示内容は、その教示内容又は趣旨から逸脱することなく、多数の変形又は代替的な実施を認める余地がある。以下に添付する「特許請求の範囲」は、そのような修正形態を包含する。更に、本明細書において議論及び引用された各参考文献は、参照によってそのすべての内容が本明細書に組み込まれる。
【0075】
〔実施の態様〕
(1) 機器の動的反応レベルを反映した時変信号に基づいて検体レベルを決定するために、アッセイ法のレンジを拡大する方法であって、
第1の時点で第1の較正曲線を使用して、信号強度が前記第1の時点の所定の信号レベルに対応する場合は前記検体レベルを生成することと、
第2の時点で第2の較正曲線を使用して、前記信号強度が前記第2の時点の所定の信号レベルに対応する場合は前記検体レベルを推定することと、を含む、方法。
(2) 各々が少なくとも1つの閾値と関連付けられた複数の較正曲線を使用して、検体のレベルを測定する方法であって
第1の閾値、つまり、前記複数の較正曲線のうちの第1の較正曲線と関連付けられる第1の所定の閾値に基づいて、第1の条件が満たされた場合、前記第1の較正曲線を使用して、前記検体の前記レベルの第1の測定値を生成することと、
第2の閾値、つまり、前記複数の較正曲線のうちの第2の較正曲線と関連付けられる第2の所定の閾値に基づいて、第2の条件が満たされた場合、前記第2の較正曲線を使用せずに、前記検体の前記レベルを測定することと、を含む、方法。
(3) 前記複数の較正曲線のうちの2つ以上の較正曲線が、該2つ以上の較正曲線のうちの各々に対応する条件が満たされているがために、前記検体の前記レベルを測定するために利用可能である場合、前記利用可能な較正曲線の各々に対応する検体レベルの平均値を、前記検体の測定レベルとして使用する、実施態様2に記載の方法。
(4) 前記平均値は重み付き平均値である、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記第1の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第1の閾値を超えることを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(6) 前記第1の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第1の閾値よりも小さいことを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(7) 前記第1の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第1の閾値に等しいことを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(8) 前記第2の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第2の閾値を超えることを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(9) 前記第2の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第2の閾値よりも小さいことを必要とする、実施態様2に記載の方法。
(10) 前記第2の条件は、前記検体の前記レベルに対応する信号が前記第2の閾値に等しいことを必要とする、実施態様2に記載の方法。
【0076】
(11) レンジの拡大を支援する臨床分析器における試験を計画する方法であって、
反応混合物を使用して、前記試験を開始する工程と、
前記試験の開始後のおよそ第1の所定の時点に、前記反応混合物から第1の信号強度を決定する工程と、
対応する好適な第1の較正曲線が存在するか否かを判断する工程と、
好適な第1の較正曲線が存在しない場合、前記反応混合物から第2の信号強度を決定するための第2の時点を計画する工程と、
およそ前記第2の時点に、前記第2の信号強度を決定する工程と、
前記第2の信号強度に対応する第2の較正曲線を識別する工程と、
前記第1の信号強度と第2の信号強度の一方又は双方から検体のレベルを決定する工程と、を含む、方法。
(12) レンジの拡大を支援する臨床診断分析器であって、ある信号を、前記信号に基づいて複数の較正曲線から選択された1つの較正曲線に対応する、ある時点に、読み取ることを実施するためのスケジューラを備え、前記信号は次いで、前記選択された較正曲線を使用して、対象の検体の測定値にマッピングされる、臨床診断分析器。
(13) レンジの拡大を支援する臨床分析器における試験を計画する方法であって、
反応混合物を使用して、前記試験を開始する工程と、
前記試験の開始に続いて、複数の時点から選択されたある時点に、前記反応混合物から信号強度を測定する工程と、
前記信号強度を測定するための前記時点に対応する較正曲線を使用して、検体レベルを決定する工程と、
対応する較正曲線が存在しない場合、前記反応混合物から第2の信号強度を決定するための第2の時点を計画する工程と、
前記信号強度を測定するための前記第2の時点に対応する第2の較正曲線を使用して、検体レベルを決定する工程と、を含む、方法。
(14) 対応する較正曲線を使用して、検体レベルを測定するための複数の時点を計画する工程を更に含む、実施態様13に記載の試験計画法。
(15) 報告される検体レベルが、測定された検体レベルの平均値である、実施態様14に記載の試験計画法。
(16) 前記報告される検体レベルが、測定された検体レベルの重み付き平均値である、実施態様15に記載の試験計画法。
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図5B
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