(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る通信システムについて説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0029】
また、以下では、水道水を処理する水処理装置として、整水器を例に挙げて説明する。整水器は、浄水機能と、水道水から電解還元水を生成する機能とを有する。整水器は、電解還元水の生成および浄水をともに行なわない第1の動作モードと、電解還元水を生成することなく浄水のみを行なう第2の動作モードと、浄水を行なった後に電解還元水を生成する第3の動作モードとを有する。なお、これに限定されず、浄水を行なわずに電解還元水を生成する第4の動作モードを有していてもよい。当該動作モードの切り替えは、ユーザの操作に基づき行なわれる。
【0030】
以下では、説明の便宜上、第1〜第3の動作モードを整水器が有するものとする。また、以下では、動作モードについての言及をしない限り、整水器が第3の動作モードとして動作しているものとする。つまり、整水器が、浄水を行なった後に電解還元水を生成する場合を例に挙げて説明する。
【0031】
[実施の形態1]
<A.通信システムの概略>
図1は、本実施の形態に係る通信システムの概略を説明するための概略図である。
図1を参照して、通信システム1は、複数の整水器101,102と、サーバ装置200と、複数の端末装置301,302とを備える。各整水器101,102は、ネットワークを介してサーバ装置200と通信可能に接続されている。また、各端末装置301,302は、ネットワークを介してサーバ装置200と通信可能に接続されている。
【0032】
整水器101と、端末装置301とは、予めサーバ装置200において対応付けがなされている。また、整水器102と、端末装置302とは、予めサーバ装置において対応付けがなされている。端末装置301のユーザXtは、整水器101のユーザXwの家族、親戚、友人等に該当する。また、端末装置302のユーザYtは、整水器102のユーザYwの家族、親戚、友人等に該当する。整水器101,102のユーザXw,Ywとしては、たとえば、老人、一人暮らしの壮年または青年等が挙げられる。
【0033】
整水器101は、上述したように、水道水を処理する。整水器101は、整水器に水道水を処理させるために整水器101のユーザが使用した水道水の量を表した使用量データ(水量情報)を、サーバ装置200に送信する。
【0034】
サーバ装置200は、整水器101から、使用量データを受信する。サーバ装置200は、整水器101から受信した使用量データ2201をメモリ220に格納する。サーバ装置200は、使用量データ2201に基づき、ユーザXwが使用した水道水の使用量が予め定められた基準を満たしているか否かを判断する。サーバ装置200は、予め定められた基準を満たしていないと判断した場合、予め定められた電子機器である端末装置301に予め定められた情報を送信する。なお、「予め定められた情報」とは、たとえば、端末装置301のユーザXtに対して、ユーザXwの安否を確認させることを促す内容を含む。
【0035】
したがって、ユーザXtの端末装置301は、ユーザXwが予め定められた基準を満たす量の水道水を使用していないことに基づきサーバ装置200から送られてくる情報を受信できる。それゆえ、ユーザXtは、当該情報に基づき、ユーザXwが基準を満たす量の水道水を使用していないことを把握できる。また、ユーザXtは、ユーザXwの身に問題が生じている可能性があることを検知できる。このように、被監視者であるユーザXwの身に問題が生じていると思われる場合において、監視者であるユーザXtの端末装置301が、予め定められた情報を受信可能となる。
【0036】
また、整水器102とサーバ装置200との間でも同様の処理がなされる。なお、この場合、サーバ装置200は、整水器102から受信した使用量データ2202に基づいて、予め定められた基準を満たしているか否かを判断する。整水器102は、水道水の使用量が基準を満たしていないと判断すると、サーバ装置200において対応付けがなされた端末装置302に予め定められた情報を送信する。この場合、被監視者であるユーザYwの身に問題が生じていると思われる場合において、監視者であるユーザYtの端末装置302が、予め定められた情報を受信可能となる。
【0037】
上記の「予め定められた基準」としては、基準値(一定量)以上であること、または、第1の基準値以上かつ第2の基準値未満(あるいは以下)であること等が挙げられる。以下では、「予め定められた基準」が「基準値以上」である場合を例に挙げて説明する。
【0038】
以降において、上記のような処理を実現するための具体的構成について説明する。また、上記の処理以外の処理についても適宜説明する。なお、説明の便宜上、整水器101および整水器102を区別ない場合には、単に、「整水器100」と称する。また、端末装置301および端末装置302を区別しない場合には、単に、「端末装置300」と称する。整水器100の数、端末装置300の数は、上記の数に限定されるものではない。
【0039】
<B.整水器のハードウェア構成>
図2は、整水器100のハードウェア構成を説明するための図である。
図2を参照して、整水器100は、分岐水栓1101と、ツインセーフティバルブ1102と、浄水カートリッジ1103と、フローセンサ1104と、乳酸カルシウム添加筒1105と、電解槽1106と、ダブルオートチェンジクロスラインシステム1107と、制御装置1108と、無線アンテナ1109と、ディスプレイ(図示せず)、操作パネル(図示せず)を備える。
【0040】
浄水カートリッジ1103は、マイクロカーボン1131を含む。ダブルオートチェンジクロスラインシステム1107は、隔膜1161と、電極1162,1163とを含む。
【0041】
分岐水栓1101は、蛇口から出てくる水道水を浄水するか、あるいは浄水せずにそのまま使用するかをユーザに選択させるための機構である。つまり、整水器の動作モードを上述した第1の動作モードにするか否かをユーザに選択させるための機構である。
【0042】
ツインセーフティバルブ1102は、誤って熱水または温水が整水器100内に流入した場合には、排水口に熱水等を流し込むバルブ機能と、整水器100内の水道水の水圧が過剰に高くなったときの逃がし弁としての機能とを備える。
【0043】
浄水カートリッジ1103は、水道水を浄水するためのカートリッジである。具体的には、浄水カートリッジ1103は、マイクロカーボン1131により水道水に含まれる微粒子を除去する。
【0044】
フローセンサ1104は、浄水カートリッジ1103から出てきた水道水(浄水された後の水道水)の水量を検出するためのセンサである。浄化された後の水道水の水量は、浄化前の水道水の水量とは同じであるため、フローセンサ1104は、整水器100のユーザが使用した水道水の量を検出するためのセンサであるとも言える。また、後述するように、浄化された後の水道水から電解還元水が生成されるため、フローセンサ1104は、電解還元水を生成するために用いられた水の量を検出するためのセンサであるとも言える。フローセンサ1104の出力は、制御装置1108に送られる。
【0045】
電解槽1106は、浄水された後の水道水を電気分解することにより、電解還元水を生成する。なお、電解槽1106は、電解還元水の副産物として、酸性水を生成する。電極1162と電極1163とは、異なる極性を有する。
【0046】
ダブルオートチェンジクロスラインシステム1107は、以下の機能を果たす。電解槽1106において水を電気分解して電解還元水を生成際に、水の中に含まれているミネラル等が陰極側として機能している電極に寄せられる。その結果、陰極側として機能している電極は、メッキ状態になる。電極にメッキ状態になると、電気分解に支障が生じる。そこで、ダブルオートチェンジクロスラインシステム1107は、電極1162と電極1163との極性を入れ替える。これにより、電気分解の機能が低下してしまうことを防止できる。
【0047】
なお、電解還元水の生成量は、ダブルオートチェンジクロスラインシステム1107内の弁で排水である酸性水の量を調整することにより、変化させることができる。この場合、蛇口から供給される水道水の量が一定とした場合、電解還元水の水素イオン濃度は、排水の量で変化することになる。
【0048】
制御装置1108は、整水器100の動作を制御する。制御装置1108は、フローセンサ1104からの出力を取得する。制御装置1108は、当該出力に基づき、ユーザにより使用された水道水の量を算出する。制御装置1108は、当該算出した水道水の使用量を、無線アンテナ1109を用いて、サーバ装置200に通知する。
【0049】
なお、通知のタイミングは、特に限定されるものではない。たとえば、整水器100が使用された都度、ユーザにより使用された水道水の量をサーバ装置200に通知するように、整水器100を構成してもよい。あるいは、予め定められた時刻が経過すると、ユーザにより使用された水道水の量をサーバ装置200に通知するように、整水器100を構成してもよい。少なくとも1日に一回、ユーザにより使用された水道水の量をサーバ装置200に通知するように、整水器100を構成することが好ましい。
【0050】
以下では、整水器100が、予め定められた時刻が経過すると、ユーザにより使用された水道水の量をサーバ装置200に通知する構成を例に挙げて説明する。より具体的には、上記の「予め定められた時刻」をサーバ装置200が決定する構成について説明する。
【0051】
図3は、整水器100の制御装置1108の具体的構成を説明するための図である。
図3を参照して、制御装置1108は、CPU(Central Processing Unit)1181と、メモリ1182と、無線通信IF(Interface)1183と、時計1184とを備える。
【0052】
メモリ1182は、オペレーティングシステム、各種のアプリケーションプログラム、および各種のデータを予め格納している。また、メモリ1182には、新たに得られたデータが逐次格納される。
【0053】
CPU1181は、メモリ1182に格納されたオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、データ、操作パネルからのユーザ指示等に基づいて、整水器100全体の動作を制御する。
【0054】
無線通信IF1183は、ユーザにより使用された水道水の量(つまり、フローセンサ1104により検出された水道水の量)を表した使用量データを、無線アンテナ1109を用いてサーバ装置200に送信する。
【0055】
時計1184は、ディスプレイに現在日時を表示するために用いられる。また、時計1184は、ユーザによる整水器100の使用がいつ行われたのかを確認可能とするため、算出された水道水の量と当該使用の日時とを対応付けるために用いられる。当該対応付けされたデータは、一旦、メモリ1182に格納される。
【0056】
ところで、整水器100における処理は、各ハードウェアおよびCPU1181により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、メモリ1182に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IF等を介してダウンロードされた後、メモリ1182に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1181によってメモリ1182から読み出され、メモリ1182に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1181は、そのプログラムを実行する。
【0057】
同図に示される整水器100を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、メモリ1182、記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、整水器100の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0058】
なお、記録媒体としては、DVD−RAMに限られず、DVD−ROM、CD−ROM、FD、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク、EEPROM、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。また、ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0059】
<C.サーバ装置の構成>
(c1.ハードウェア構成)
図4は、サーバ装置200のハードウェア構成を表した図である。
図4を参照して、サーバ装置200は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU210と、メモリ220と、操作キー240と、通信IF(Interface)230と、給電回路250と、時計260とを含む。メモリ220は、データを不揮発的に格納するROM221と、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、又は入力装置(図示せず)を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM222と、データを不揮発的に格納するHDD223とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。なお、通信IF230は、整水器100および端末装置300と通信するためのインターフェイスである。
【0060】
サーバ装置200における処理は、各ハードウェアおよびCPU210により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、HDD223に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信IF等を介してダウンロードされた後、HDD223に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU210によってHDD223から読み出され、RAM222に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU210は、そのプログラムを実行する。
【0061】
同図に示されるサーバ装置200を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、RAM222、HDD223、記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、サーバ装置200の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0062】
なお、記録媒体としては、DVD−RAMに限られず、DVD−ROM、CD−ROM、FD、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク、EEPROM、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体である。また、ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0063】
(c2.機能的構成)
図5は、サーバ装置200の機能的構成を説明するための機能ブロック図である。
図5を参照して、サーバ装置200は、受信部2010と、記憶部2020と、決定部2030と、判断部2040と、送信部2050とを備える。
【0064】
(1)受信部2010は、整水器100から、整水器100のユーザが使用した水道水の量を表した使用量データ(水量情報)を受信する。具体的には、受信部2010は、使用量データを、当該使用量データを送信した整水器100の識別情報とともに受信する。受信部2010は、受信した使用量データを記憶部2020に格納する。
【0065】
記憶部2020は、使用量データを格納する。また、記憶部2020は、各端末装置300のメールアドレスと、定型文と、上述した基準値(つまり、予め定められた基準を示す閾値)とを記憶している。さらに、記憶部2020は、整水器100と端末装置300との対応付けを表す対応付けデータも記憶されている。具体的には、記憶部2020は、整水器101と端末装置301との対応付け、整水器102と端末装置302との対応付けを表したデータを予め記憶している。また、記憶部2020は、整水器100のユーザの名前が登録されていてもよい。
【0066】
判断部2040は、使用量データに基づき、ユーザが使用した水道水の使用量が予め定められた基準を満たしているか否かを判断する。つまり、判断部2040は、ユーザの使用した水道水の量が基準値以上であるか否かを判断する。
【0067】
送信部2050は、予め定められた基準を満たしていないと判断されたことに基づき、予め定められた端末装置300(整水器100に予め対応付けられた端末装置300)に予め定められた情報である定型文を含んだメール送信する。送信部2050は、記憶部2020に記憶された端末装置300のメールアドレスを参照して、当該メールアドレスを宛先とするメールを送信する。なお、予め定められた端末装置300とは、上述したとおり、整水器101の場合には端末装置301であり、整水器102の場合には端末装置302である。
【0068】
また、定型文の内容は、たとえば、端末装置300のユーザに、整水器100のユーザの安否の確認を促す内容である。具体例を挙げれば、メールの「水道水が使用されておりません。至急連絡して下さい。」といった内容である。
【0069】
また、メールには、定型文以外に、整水器100のユーザ名が含まれていてもよい。この場合、メールに、定型文とユーザ名(たとえば、Xwさん)とを含めて、メールの本文を、「Xwさんは水道水を使用しておりません。至急、Xwさんに連絡して下さい。」とすることができる。
【0070】
上記の構成によれば、端末装置300のユーザは、サーバ装置200から送られてきたメールによって、整水器100のユーザが一定量以上の水道水を使用していないことを把握できる。また、端末装置のユーザは、整水器100のユーザの身に問題が生じている可能性があることを検知できる。このように、被監視者である整水器100のユーザの身に問題が生じていると思われる場合において、監視者である端末装置300のユーザの端末装置300が、上述したメールを受信可能となる。
【0071】
(2)詳しくは、判断部2040は、予め定められた監視時間帯毎に、当該監視時間帯における水道水の使用量が基準値を超えているか否かを判断する。判断部2040は、たとえば、6時〜8時までの時間帯の水道の使用量、および18時〜20時までの時間帯の水道の使用量が基準値を超えているか否かを判断する。
【0072】
上記の構成によれば、サーバ装置200は、全ての時間帯に関して使用量が基準値を超えているかの判断を行なわなくて済む。したがって、サーバ装置200のデータ処理量を低減することができる。
【0073】
(3)より詳しくは、記憶部2020は、使用量データを、水道水が使用された時刻を表した時刻情報と関連付けて記憶している。時刻との関連付けは、たとえば、整水器100において予めなされている。決定部2030は、記憶部2020に記憶された使用量データと時刻情報とに基づき、上記判断対象となる時間帯(つまり、監視時間帯)を決定する。決定部2030は、たとえば、6時〜8時までの時間帯と、18時〜20時とを、監視時間帯とする。
【0074】
上記の構成によれば、使用量に基づいて監視時間帯を決定するため、他の時間帯に比べて水道水の使用量が多い時間帯を監視時間帯とすることができる。それゆえ、サーバ装置200は、水道水の使用量が少ない時間帯を監視時間帯とする場合に比べて、精度の高い判定をすることができる。
【0075】
(4)さらに詳しくは、決定部2030は、使用量データに基づき、上記基準値を監視時間帯毎に決定する。たとえば、決定部2030は、8時〜10時までの時間帯についての基準値を1.5Lとし、18時〜20時までの時間帯につての基準値を2Lと決定する。監視時間帯の決定の具体例および当該監視時間帯毎の基準値の具体例については後述する(
図6)。
【0076】
上記の構成によれば、サーバ装置200は、監視時間帯の全てに同一の基準値が設定される場合に比べて、より精度の高い判定を行なうことができる。
【0077】
<D.データおよびデータ処理>
図6は、サーバ装置200に記憶された、1台の整水器100における使用量データを説明するための図である。詳しくは、1台の整水器100における或る月の使用量データを表した図である。
【0078】
図6を参照して、サーバ装置200は、整水器100から送信されてきた使用量データを蓄積し、たとえば2時間毎の使用量を日毎に算出する。サーバ装置200は、各時間帯の中から、たとえば、過去の使用量の平均値が所定値以上であって、かつ使用量の多い時間帯を1つ以上選択する。つまり、サーバ装置200は、監視時間を決定する。
図6の場合には、サーバ装置200は、6時〜8時の時間帯と、12時〜14時の時間帯と、18時〜20時の時間帯とを、監視時間帯として決定する。
【0079】
なお、サーバ装置200による監視時間帯の決定(選択)方法はこれに限定されるものではない。また、使用量の算出は、2時間毎に限定されない。たとえば、1時間毎、30分毎であってもよい。
【0080】
サーバ装置200は、決定した時間帯毎に、過去の使用量に基づき、上記基準値を設定する。サーバ装置200は、一例として、各時間帯における過去の使用量の最低値を基準値とすることができる。あるいは、サーバ装置200は、過去の使用量の平均値に、所定の割合(たとえば、2割)を乗ずることにより得られた値を基準値とすることができる。基準値の決め方については特に限定されるものではない。また、過去の使用量として、たとえば、直近の数カ月の使用量データを用いてもよいし、あるいは前年の同月の使用量データを用いてもよい。
【0081】
また、サーバ装置200は、上述したとおり、整水器100毎に監視時間帯と、当該監視時間帯毎の基準値を決定する。
【0082】
このような処理により、サーバ装置200は、整水器101についての監視時間帯を、たとえば、6時〜8時の時間帯と、12時〜14時の時間帯と、18時〜20時の時間帯とする。また、サーバ装置200は、整水器102についての監視時間帯を、たとえば、6時〜8時の時間帯と、20時〜22時の時間帯とする。さらに、サーバ装置200は、整水器101に関し、たとえば、6時〜8時の時間帯における基準値を1.5Lと、12時〜14時の時間帯における基準値を1Lと、18時〜20時の時間帯における基準値を2Lとする。サーバ装置200は、整水器102に関し、たとえば、6時〜8時の時間帯における基準値を1Lと、20時〜22時の時間帯における基準値を1.5Lとする。
【0083】
<E.制御構造>
(e1.シーケンス)
図7は、通信システム1における処理の流れを説明するためのシーケンスチャートである。
図7を参照して、シーケンスSQ2において、整水器100は、ユーザが水道水を使用する度に、水道水の使用量をフローセンサ1104を用いて検出する。シーケンスSQ4において、整水器100は、使用量データをサーバ装置200に送信する。シーケンスSQ6において、サーバ装置200は、整水器100毎に、使用量を日および時間帯毎に記憶する。
【0084】
シーケンスSQ8において、サーバ装置200は、整水器100毎に、使用量が適切であるか否かを判断する。すなわち、サーバ装置200は、各整水器100に関し、決定された時間帯毎に基準値以上の水道水が使用されたか否かを判断する。
【0085】
シーケンスSQ10において、サーバ装置200は、使用量が適切でない整水器100に対応付けられた端末装置300宛てのメールを作成する。シーケンスSQ12において、サーバ装置200は、作成したメールを当該端末装置300に送信する。シーケンスSQ14において、端末装置300は、メールを受信し、受信したメールを自装置のディスプレイに表示する。
【0086】
なお、
図7における整水器100が整水器101である場合には、端末装置300は端末装置301となり、
図7における整水器100が整水器102である場合には、端末装置300は端末装置302となる。
【0087】
(e2.フロー)
図8は、サーバ装置200の処理を説明するための第1のフローチャートである。具体的には、
図8は、
図7のシーケンスチャートに示したサーバ装置200の各処理に先立ち、サーバ装置200において実行される処理の流れを表したフローチャートである。
【0088】
図8を参照して、ステップS102において、サーバ装置200のCPU210は、整水器100毎に、過去の使用量データに基づいて、監視対象とする時間帯である上記監視時間帯を特定する。具体的には、CPU210は、予め区分された複数の時間帯から、1つ以上の時間帯を選択する。ステップS104において、CPU210は、過去の使用量データに基づき、監視時間帯における基準値を、整水器100毎に設定する。
【0089】
図9は、サーバ装置200の処理を説明するための第2のフローチャートである。具体的には、
図9は、
図7に示したサーバ装置200の処理をより詳しく説明するための図である。また、
図9は、1台の整水器100と、当該整水器100に対応付けられた端末装置300に着目したフローチャートでもある。
【0090】
図9を参照して、ステップS202において、サーバ装置200のCPU210は、整水器100からの使用量データに基づいて、監視時間帯における使用量を算出する。ステップS204において、CPU210は、サーバ装置200の時計260を利用して、監視時間帯を経過したか否かを判断する。ステップS206において、CPU210は、使用量が、監視時間帯の基準値未満であるか否かを判断する。たとえば、監視時間帯が8時〜10時であって、基準値が1.5Lである場合には、CPU210は、10時を過ぎると、当該監視時間帯(8時〜10時の時間帯)の使用量が1.5L未満か否かを判断する。
【0091】
CPU210は、使用量が基準値未満であると判断された場合(ステップS206においてYES)、ステップS208において、整水器100に対応付けられた端末装置300に対して、定型文を含んだメールを送信する。CPU210は、使用量が基準値以上であると判断された場合(ステップS206においてNO)、処理をステップS210に進める。
【0092】
ステップS210において、CPU210は、全ての監視時間帯(たとえば、8時〜10時の時間帯、12時〜14時の時間帯、および18時〜20時の時間帯)について、使用量と基準値との大小比較の判断を行なったか否かを判断する。すなわち、CPU210は、全ての監視時間帯においてステップS206の処理が行なわれたか否かを判断する。
【0093】
CPU210は、全ての監視時間帯について判断していないと判断した場合(ステップS210においてNO)、処理をステップS202に進める。CPU210は、全ての監視時間帯について判断したと判断した場合(ステップS210においてYES)、ステップS212において、CPU210は、その日の水道水の総使用量が零であるか否かを判断する。
【0094】
CPU210は、総使用量が零でないと判断した場合(ステップS212においてNO)、一連の処理を終了する。CPU210は、総使用量が零であると判断した場合、整水器100に対応する端末装置300に対して、予め定められた内容のメールを送信する。
【0095】
一日の総使用量が零である場合には、一日中家を空けている場合を除き、整水器100のユーザの安否が危ぶまれることが想定される。このため、ステップS214において送信するメールの内容は、ステップS208で送信するメールの内容以上に端末装置300のユーザの注意を喚起するような内容とすることが好ましい。
【0096】
[実施の形態2]
実施の形態1では、サーバ装置200が監視時間帯と、監視時間帯における基準値とを決定した。本実施の形態では、サーバ装置200の代わりに、監視時間帯と監視時間帯における基準値とを整水器が決定する構成について説明する。
【0097】
<F.通信システムの概略>
図10は、本実施の形態に係る通信システムの概略を説明するための概略図である。
図10を参照して、通信システム1Aは、複数の整水器101A,102Aと、サーバ装置200Aと、複数の端末装置301A,302Aとを備える。各整水器101A,102Aは、ネットワークを介してサーバ装置200Aと通信可能に接続されている。また、各端末装置301A,302Aは、ネットワークを介してサーバ装置200Aと通信可能に接続されている。
【0098】
整水器101Aと、端末装置301Aとは、予めサーバ装置200Aにおいて対応付けがなされている。また、整水器102Aと、端末装置302Aとは、予めサーバ装置において対応付けがなされている。端末装置301AのユーザXtは、整水器101AのユーザXwの家族、親戚、友人等に該当する。また、端末装置302AのユーザYtは、整水器102AのユーザYwの家族、親戚、友人等に該当する。整水器101Aおよび整水器102AのユーザXw,Ywとしては、たとえば、老人、一人暮らしの壮年または青年等が挙げられる。
【0099】
整水器101Aは、上述したように、水道水を処理する。整水器101Aは、整水器に水道水を処理させるために整水器101Aのユーザが使用した水道水の量を表した使用量データ(水量情報)をサーバ装置200Aに送信する。
【0100】
サーバ装置200Aは、整水器101Aから、使用量データを受信する。サーバ装置200Aは、整水器101Aから受信した使用量データ2201をメモリ220に格納する。サーバ装置200Aは、使用量データ2201に基づき、整水器101A用の基準値(閾値)を設定する。サーバ装置200Aは、設定した整水器101A用の基準値を、ネットワークを介して、整水器101Aに通知する。なお、上記基準値の設定方法については、実施の形態1で説明したため、ここでは繰り返し説明しない。
【0101】
サーバ装置200Aは、整水器102Aから、使用量データを受信する。サーバ装置200Aは、整水器102Aから受信した使用量データ2202をメモリ220に格納する。サーバ装置200Aは、使用量データ2202に基づき、整水器102A用の基準値を設定する。サーバ装置200Aは、設定した整水器102A用の基準値を、ネットワークを介して、整水器102Aに通知する。なお、上記基準値の設定方法については、実施の形態1で説明したため、ここでは繰り返し説明しない。
【0102】
整水器101Aは、ユーザXwが使用した水道水の使用量が基準値以上であるか否かを判断する。整水器101Aは、基準値未満であると判断した場合、サーバ装置200Aに対して、予め定められた情報を送信することによって、その旨を報告する。この場合、サーバ装置200Aは、端末装置301Aに、予め定められた情報を送る。具体的には、サーバ装置200Aは、実施の形態1で説明した定型文を含むメールを送信する。
【0103】
したがって、ユーザXtの端末装置301Aは、ユーザXwが予め定められた基準を満たす水道水(以下、一定量以上の水道水)を使用していないことに基づきサーバ装置200Aを介して送られてくるメールを受信できる。それゆえ、ユーザXtは、当該メールに基づき、ユーザXwが一定量以上の水道水を使用していないことを把握できる。また、ユーザXtは、ユーザXwの身に問題が生じている可能性があることを検知できる。このように、被監視者であるユーザXwの身に問題が生じていると思われる場合において、監視者であるユーザXtの端末装置301Aが、メールを受信可能となる。
【0104】
また、整水器102Aとサーバ装置200Aとの間でも同様の処理がなされる。なお、この場合、整水器102Aは、ユーザYwが使用した水道水の使用量が基準値以上であるか否かを判断する。整水器102Aは、基準値未満であると判断した場合、サーバ装置200Aに対して、予め定められた情報を送信することによって、その旨を報告する。この場合、サーバ装置200Aは、端末装置302Aに、メールを送る。この場合、被監視者であるユーザYwの身に問題が生じていると思われる場合において、監視者であるユーザYtの端末装置302Aが、メールを受信可能となる。
【0105】
以下では、以上のような処理を実現するための具体的構成について説明する。また、上記の処理以外の処理についても適宜説明する。なお、以下では、説明の便宜上、整水器101Aおよび整水器102Aを区別ない場合には、単に、「整水器100A」と称する。また、端末装置301Aおよび端末装置302Aを区別しない場合には、単に、「端末装置300A」と称する。なお、整水器100Aの数、端末装置300Aの数は、上記の数に限定されるものではない。
【0106】
なお、整水器100Aのハードウェア構成は、実施の形態1の整水器100のハードウェア構成と同じであるため、ここでは整水器100Aのハードウェア構成について繰り返して説明しない。また、サーバ装置200Aのハードウェア構成は、実施の形態1のサーバ装置200のハードウェア構成と同じであるため、ここではサーバ装置200Aのハードウェア構成について繰り返して説明しない。さらに、端末装置300Aのハードウェア構成は、実施の形態1の端末装置300のハードウェア構成と同じであるため、ここでは端末装置300Aのハードウェア構成について繰り返して説明しない。
【0107】
<G.整水器の機能的構成>
図11は、整水器100Aの機能的構成を説明するための機能ブロック図である。
図11を参照して、整水器100Aは、使用量測定部1010と、記憶部1020と、送信部1030と、受信部1040と、判断部1050とを備える。
【0108】
(1)使用量測定部1010は、整水器100Aのユーザが使用した水道水の量を測定する。使用量測定部1010は、測定により得られた使用量を使用量データとして記憶部1020に格納する。
【0109】
判断部1050は、記憶部1020に格納された使用量データ(水量情報)に基づき、ユーザが使用した水道水の使用量が予め定められた基準を満たしているか否かを判断する。つまり、判断部1050は、ユーザの使用した水道水の量が基準値以上であるか否かを判断する。
【0110】
送信部1030は、ユーザの使用した水道水の量が基準値未満であると判断された場合に、サーバ装置200Aに、予め定められた情報を送信することによって、その旨を報告する。なお、「予め定められた情報」は、サーバ装置200Aが当該整水器100Aに対応する端末装置300Aに対してメールを送信するためのトリガーとなる情報であればよい。
【0111】
上記の構成によれば、実施の形態1と同様、被監視者である整水器100Aのユーザの身に問題が生じていると思われる場合において、監視者である端末装置300Aのユーザの端末装置300Aが、上述したメールを受信可能となる。また、サーバ装置200Aではなく各整水器100Aが使用量が適切か否かの判断を行なうため、サーバ装置200Aが使用量が適切か否かを判断する構成に比べて、サーバ装置側の処理の負荷を低減できる。
【0112】
(2)詳しくは、判断部1050は、予め定められた時間帯毎に、当該時間帯における水道水の使用量が基準値を前記予め定められた基準を満たしているか否かを判断する。判断部1050は、たとえば、6時〜8時までの時間帯の水道の使用量、および18時〜20時までの時間帯の水道の使用量が基準値を超えているか否かを判断する。
【0113】
上記の構成によれば、整水器100Aは、全ての時間帯に関して使用量が基準値を超えているかの判断を行なわなくて済む。したがって、整水器100Aのデータ処理量を低減することができる。
【0114】
(3)より詳しくは、送信部1030は、記憶部1020に格納した使用量データを、サーバ装置200Aに送信する。受信部1040は、使用量データに基づいてサーバ装置200Aで決定された各時間帯を表す時間帯情報を、サーバ装置200Aから受信する。たとえば、サーバ装置200Aによって、当該時間帯として、6時〜8時までの時間帯と、18時〜20時とが決定される。
【0115】
上記の構成によれば、使用量に基づいて監視時間帯を決定するため、他の時間帯に比べて水道水の使用量が多い時間帯を監視時間帯とすることができる。それゆえ、整水器100Aは、水道水の使用量が少ない時間帯を監視時間帯とする場合に比べて、精度の高い判定をすることができる。
【0116】
(4)さらに詳しくは、上記の基準値は、サーバ装置200Aにおいて上記時間帯毎に決定される。たとえば、サーバ装置200Aによって、8時〜10時までの時間帯についての基準値は1.5Lと、18時〜20時までの時間帯につての基準値は2Lと決定される。
【0117】
上記の構成によれば、整水器100Aは、監視時間帯の全てに同一の基準値が設定される場合に比べて、より精度の高い判定を行なうことができる。
【0118】
<H.制御構造>
(h1.シーケンス)
図12は、通信システム1Aにおける処理の流れを説明するための第1のシーケンスチャートである。具体的には、
図12は、後述する
図13に示すシーケンスチャートの処理が実行される前に行なわれる処理を説明するための図である。
【0119】
図12を参照して、シーケンスSQ302において、ユーザが水道水を使用する度に、水道水の使用量をフローセンサ1104を用いて検出する。シーケンスSQ304において、整水器100は、使用量データをサーバ装置200Aに送信する。サーバ装置200Aは、整水器100毎に、使用量を日および時間帯毎に記憶する。
【0120】
シーケンスSQ306において、サーバ装置200Aは、整水器100A毎に、過去の使用量データに基づいて、監視対象とする時間帯である上記監視時間帯を特定する。具体的には、サーバ装置200Aは、予め区分された複数の時間帯から、1つ以上の時間帯を選択する。シーケンスSQ308において、サーバ装置200Aは、過去の使用量データに基づき、監視時間帯における基準値を、整水器100毎に設定する。
【0121】
シーケンスSQ310において、サーバ装置200Aは、整水器100Aに対して、当該整水器100Aに対して設定した監視時間帯および当該監視時間帯における基準値を通知する。
【0122】
図13は、通信システム1Aにおける処理の流れを説明するための第2のシーケンスチャートである。具体的には、
図13は、
図12に示す第1のシーケンスチャートの処理が実行される後に行なわれる処理を説明するための図である。
【0123】
図13を参照して、シーケンスSQ402において、整水器100Aは、ユーザが水道水を使用する度に、水道水の使用量をフローセンサ1104を用いて検出する。シーケンスSQ404において、整水器100Aは、検出結果に基づき、時間帯毎の総使用量を算出する。つまり、整水器100Aは、時間帯毎に区分して、使用量を積算する。
【0124】
シーケンスSQ406において、整水器100Aは、監視時間帯毎に、使用量が適切であるか否かを判断する。すなわち、整水器100Aは、サーバ装置200Aによって決定された時間帯毎に基準値以上の水道水が使用されたか否かを判断する。
【0125】
シーケンスSQ408において、整水器100Aは、使用量が適切でない場合、サーバ装置200Aにその旨を報告するためのデータフレームの生成を行なう。シーケンスSQ410において、整水器100Aは、生成されたデータフレームを送信することにより、サーバ装置200Aに報告をする。
【0126】
シーケンスSQ412において、サーバ装置200Aは、整水器100Aから報告を受信すると、当該整水器100Aに対応付けられた端末装置300A宛てのメールを作成する。シーケンスSQ414において、サーバ装置200Aは、生成されたメールを端末装置300Aに送信する。シーケンスSQ416において、端末装置300Aは、サーバ装置200Aからメールを受信し、自装置のディスプレイにメールを表示する。
【0127】
(h2.フロー)
図14は、整水器100Aにおいて行なわれる処理の流れを説明するためのフローチャートである。具体的には、
図14は、
図13に示した整水器100Aの処理をより詳しく説明するための図である。
【0128】
図14を参照して、ステップS1204において、整水器100AのCPU1181(
図3)は、時計1184を利用して、監視時間帯を経過したか否かを判断する。ステップS1206において、CPU1181は、使用量が、監視時間帯の基準値未満であるか否かを判断する。たとえば、監視時間帯が8時〜10時であって、基準値が1.5Lである場合には、CPU1181は、10時を過ぎると、当該監視時間帯(8時〜10時の時間帯)の使用量が1.5L未満か否かを判断する。
【0129】
CPU1181は、使用量が基準値未満であると判断された場合(ステップS1206においてYES)、ステップS1208において、サーバ装置200Aに、その旨の報告をする。CPU1181は、使用量が基準値以上であると判断された場合(ステップS1206においてNO)、処理をステップS1210に進める。
【0130】
ステップS1210において、CPU1181は、全ての監視時間帯(たとえば、8時〜10時の時間帯、12時〜14時の時間帯、および18時〜20時の時間帯)について、使用量と基準値との大小比較の判断を行なったか否かを判断する。すなわち、CPU1181は、全ての監視時間帯においてステップS1206の処理が行なわれたか否かを判断する。
【0131】
CPU1181は、全ての監視時間帯について判断していないと判断した場合(ステップS1210においてNO)、処理をステップS1202に進める。CPU1181は、全ての監視時間帯について判断したと判断した場合(ステップS1210においてYES)、ステップS1212において、CPU1181は、その日の水道水の総使用量が零であるか否かを判断する。
【0132】
CPU1181は、総使用量が零でないと判断した場合(ステップS1212においてNO)、一連の処理を終了する。CPU1181は、総使用量が零であると判断した場合、サーバ装置200Aに対して、その旨の報告をする。
【0133】
一日の総使用量が零である場合には、一日中家を空けている場合を除き、整水器100Aのユーザの安否が危ぶまれることが想定される。このため、ステップS1214において行なわれる報告は、ステップS1208で行なわれる報告以上に端末装置300のユーザの注意を喚起するようなメールをサーバ装置200Aに送信させることを指示するものであることが好ましい。つまり、ステップS1208により報告された場合とステップS1214により報告された場合とにおいて、異なる内容であって、かつ後者の報告の方がより注意喚起をする内容のメールを、サーバ装置200Aが端末装置300Aに送信するように、通信システム1Aを構成することが好ましい。
【0134】
<I.変形例>
(1)各実施の形態1,2では、フローセンサ1104は、浄水カートリッジ1103と電解槽1106との間に配置されていた(
図2)。つまり、フローセンサ1104は、浄水カートリッジ1103から出てきた水道水(浄水された後の水道水)の水量を検出するセンサであり、電解還元水の水量を検出するものではなかった。
【0135】
以下では、サーバ装置または整水器が、電解還元水の使用量に基づいて、ユーザが使用した水道水の使用量が予め定められた基準を満たしているか否かを判断する構成について説明する。
【0136】
当該構成を採る場合、フローセンサ1104は、
図2の位置ではなく、たとえば、ダブルオートチェンジクロスラインシステム1107における電解還元水の出口付近に設置すればよい。これにより、制御装置1108は、フローセンサ1104からの出力に基づき、ユーザにより使用された電解還元水の量を算出できる。また、電解還元水の使用量(換言すれば、電解還元水の生成量)は、電解還元水の水素イオン濃度を途中で変化させない場合(具体的には、酸性水の排水量を変更しない場合)、水道水の使用量に正比例する。
【0137】
したがって、制御装置1108は、整水器のユーザが使用した水道水の量に応じた電解還元水の水量を表した使用量データを、サーバ装置に送信することができる。
【0138】
(2)また、整水器が電気分解を行なわず浄水のみを行なっている場合(つまり、第2の動作モード)においても、サーバ装置または整水器は、浄水される前の水道水の使用量または浄水された後の水道水の使用量に基づいて、ユーザが使用した水道水の使用量が予め定められた基準を満たしているか否かを判断してもよい。この場合には、フローセンサ1104を浄水カートリッジ1103の入り口付近に設けてもよい。
【0139】
(3)実施の形態1おいては、整水器100における水道水の使用量に基づき、基準値をサーバ装置200が決定した。また、実施の形態2においては、基準値を整水器100Aが決定した。しかしながら、これに限定されるものではない。基準値は、製造メーカによって決定されていてもよい。
【0140】
(4)通信システム1においては、整水器100における水道水の使用量が基準値未満の場合、サーバ装置200は、電解還元水の使用例(たとえば、料理のレシピ)を含めた上記メールを、端末装置300に送信してもよい。また、通信システム1が電解還元水の水量を検出する構成の場合には、整水器100における電解還元水の使用量が基準値未満のときに、サーバ装置200は、電解還元水の使用例(たとえば、料理のレシピ)を含めた上記メールを、端末装置300に送信してもよい。なお、これらの構成は、通信システム1Aについても適用できる。
【0141】
このような構成により、サーバ装置200,200Aのユーザ(管理者等)は、端末装置300,300Aのユーザを介して、整水器100,100Aのユーザに電解還元水の使用を促進させることも可能となる。
【0142】
また、サーバ装置200,200Aが、整水器100,100Aのユーザが所有する端末装置(図示せず)に対して、電解還元水等の使用量が少ない場合に、上記のレシピ等を送信してもよい。
【0143】
(5)また、上記においては、「予め定められた基準」としては、基準値以上であることを例挙げて説明した。ここで、予め定められた基準を、第1の基準値以上第2の基準値未満とした場合、以下のことを実現できる。
【0144】
整水器100,100Aにおける水道水の使用量が第2の基準値未満の場合、浄水カートリッジ1103の劣化(消耗)の速度が早まることを表す通知を、整水器100,100A、端末装置300,300A、および/または整水器100,100Aのユーザが所有する端末装置(図示せず)に対して通知するように、サーバ装置200,200Aを構成してもよい。
【0145】
(6)上記においては、水処理装置の一例として整水器を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。電解還元水を生成する機能を有していない単なる浄水器に対しても適用できる。
【0146】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。