特許第6129617号(P6129617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129617
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】豆乳及び豆腐用消泡剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 11/00 20160101AFI20170508BHJP
【FI】
   A23L11/00 106B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-68190(P2013-68190)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-187972(P2014-187972A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2016年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010674
【氏名又は名称】理研ビタミン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】児玉 教佑
(72)【発明者】
【氏名】富樫 博純
【審査官】 森井 文緒
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−083559(JP,A)
【文献】 特開昭48−085490(JP,A)
【文献】 特開2008−011852(JP,A)
【文献】 国際公開第94/014337(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1060768(CN,A)
【文献】 特開2003−325124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 11/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用油脂を40〜60質量%、構成脂肪酸がステアリン酸及び/又はオレイン酸であるソルビタン脂肪酸エステルを5〜35質量%、レシチンを5〜35質量%、炭酸マグネシウム及び/又は炭酸カルシウムを5〜25質量%含有し、シリコーン樹脂の含有量が0.05質量%以下であることを特徴とする豆乳及び豆腐用消泡剤。
【請求項2】
更に、グリセリン脂肪酸エステルを0.1〜10質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の豆乳及び豆腐用消泡剤。
【請求項3】
グリセリン脂肪酸エステルがポリグリセリン縮合リシノール酸エステルであることを特徴とする請求項2に記載の豆乳及び豆腐用消泡剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆乳、豆腐、油揚げ又は湯葉等(以下、豆腐等と略称することがある。)の製造時に使用される消泡剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
豆腐等の製造工程において、泡の発生(発泡)により、生産能力の低下や商品の品質不良が発生し、その製造に支障をきたす場合がある。泡は、例えば、大豆磨砕時、大豆磨砕物いわゆる「呉(ご)」の蒸煮時、豆乳搬送や豆乳タンクへの豆乳注入時又は凝固剤の添加撹拌時等に発生し、豆腐等の生産能力を低下させる。このような発泡を抑制し、発生した泡を消失させるため、シリコーン樹脂系消泡剤、グリセリン脂肪酸エステル系消泡剤等が用いられている。
【0003】
しかし、シリコーン樹脂系消泡剤は、食品衛生法により食品への使用量に制限があり、また消泡性能の持続性に乏しく、食品系に使用するには高価格である。一方、グリセリン脂肪酸エステルは、食品衛生法上の使用量制限がなく、種々の素材を配合した製剤として使用されているが、十分満足できる消泡性能が得られない場合がある。
【0004】
そこで、グリセリン脂肪酸エステルと同様に、食品衛生法上の使用量制限がないソルビタン脂肪酸エステルを用いた消泡剤がいくつか提案されている(特許文献1及び2参照)。
【0005】
しかし、上記消泡剤は、消泡性能等において必ずしも満足できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭60−41969号公報
【特許文献2】特開2003−325124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、豆腐等の製造時に発生する泡に対して優れた消泡作用を有するソルビタン脂肪酸エステル系消泡剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、ソルビタン脂肪酸エステルと共に数種類の素材を配合した製剤により上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)食用油脂を20〜70質量%、ソルビタン脂肪酸エステルを5〜35質量%、レシチンを5〜35質量%、炭酸マグネシウム及び/又は炭酸カルシウムを5〜25質量%含有することを特徴とする豆乳及び豆腐用消泡剤、
(2)更に、グリセリン脂肪酸エステルを0.1〜10質量%含有することを特徴とする前記(1)に記載の豆乳及び豆腐用消泡剤、
(3)グリセリン脂肪酸エステルがポリグリセリン縮合リシノール酸エステルであることを特徴とする前記(2)に記載の豆乳及び豆腐用消泡剤、
からなっている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤は消泡性能に優れるため、豆腐等の製造に好ましく使用される。
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤は、更にグリセリン脂肪酸エステルを含有すると、その効果がより一層高まる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明で用いられる食用油脂としては、例えばコメ油(コメサラダ油を含む)、コーン油、キャノーラ油、オリーブ油、米ぬか油、大豆油、大豆白絞油、サフラワー油、ごま油、パーム油、パーム核油、やし油、ヒマワリ油、綿実油、菜種油、菜種白絞油、落花生油、グレープシード油、しそ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、魚油、乳脂又はラード等の動物性油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)及びこれらのエステル交換油、分別油、水素添加油等が挙げられる他、グリセリン脂肪酸ジエステル及びプロピレングリコールジ脂肪酸エステルもこれらに含まれる。これら食用油脂は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0012】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤100質量%中の食用油脂の含有量は20〜70質量%であり、好ましくは30〜70質量%であり、より好ましくは40〜60質量%である。食用油脂の含有量が上記範囲であると、食用油脂以外の他の成分が消泡剤中で相溶・分散しやすく、食用油脂以外の他の成分による消泡効果もより十分に発揮されるため好ましい。また、食用油脂の含有量が上記範囲であると、本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤の形態が常温で液状である場合に、その粘度が高くなりすぎないため好ましい。
【0013】
本発明で用いられるソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビトール又はソルビタンと脂肪酸のエステル化生成物であり、自体公知のエステル化反応等により製造される。
【0014】
上記ソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸等の群から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。好ましくはラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びオレイン酸の群から選ばれる1種又は2種以上を脂肪酸全体に対して約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、更に好ましくは約90質量%以上含有する脂肪酸又は脂肪酸混合物が挙げられる。
【0015】
ソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ソルビタンモノステアレート(モノステアリン酸ソルビタン)、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキステアレート、ソルビタントリステアレート(トリステアリン酸ソルビタン)、ソルビタントリオレエート等が挙げられ、中でもソルビタンモノステアレート及びソルビタンモノオレエートが好ましい。
【0016】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤100質量%中のソルビタン脂肪酸エステルの含有量は5〜35質量%であり、消泡性能及び経済的な観点から10〜25質量%であることがより好ましい。
【0017】
本発明で用いられるレシチンとしては、油糧種子又は動物原料から得られたもので、リン脂質を主成分とするものであれば特に制限はなく、例えば大豆レシチン及び卵黄レシチン等油分を含む液状レシチン、液状レシチンから油分を除き乾燥した粉末レシチン、液状レシチンを分別精製した分別レシチン並びにレシチンを酵素で処理した酵素分解レシチン及び酵素処理レシチン等が挙げられる。上記リン脂質としては、例えばフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジン酸、リゾレシチン又はリゾフォスファチジン酸等が挙げられる。レシチンは、1種類で用いてもよいし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0018】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤100質量%中のレシチンの含有量は5〜35質量%であり、消泡性能を更に高める観点から15〜35質量%であることが好ましい。
【0019】
また、本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤は、所定量の炭酸マグネシウム及び/又は炭酸カルシウムを含有する。具体的には、本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤100質量%中の炭酸マグネシウム及び/又は炭酸カルシウムの含有量は、5〜25質量%が好ましく、消泡性能を更に高める観点から10〜25質量%がより好ましい。本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤は、炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムの双方を含有するものであってもよいし、いずれか一方を含有するものであってもよい。炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムの双方を含有する場合においては、その含有比率に特に制限はない。炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウムとしては、これらの市販品を用いることができる。
【0020】
また、本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤は、消泡性能を更に高める観点から、上記食用油脂、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンの他、更にグリセリン脂肪酸エステルを0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%含有することが好ましい。グリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンと脂肪酸のエステルの他、例えばグリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが挙げられ、好ましくはポリグリセリン縮合リシノール酸エステルである。
【0021】
上記ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノール酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法で製造される。該ポリグリセリンは、通常グリセリンもしくはグリシドール或いはエピクロルヒドリン等を加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物である。具体的には、例えばジグリセリン(平均重合度2)、トリグリセリン(平均重合度3)、テトラグリセリン(平均重合度4)、ヘキサグリセリン(平均重合度6)、オクタグリセリン(平均重合度8)、デカグリセリン(平均重合度10)等が挙げられ、好ましくは平均重合度が3〜10程度のものである。また、縮合リシノール酸はリシノール酸を加熱し、重縮合反応させて得られる混合物であり、例えば平均重合度が2〜10程度のものが挙げられ、好ましくは平均重合度が3〜6程度のものである。
【0022】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤の製造方法に特に制限はなく、本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤は、自体公知の方法にて製造することができる。以下に、好ましい製造方法の一例を示す。例えば、攪拌機、加熱用のジャケット及び邪魔板等を備えた通常の撹拌・混合槽に、炭酸マグネシウム及び/又は炭酸カルシウム以外の原料を入れ、約50〜100℃に加熱し、溶解する。装備する攪拌機としては、プロペラ型の撹拌翼を装備した汎用の攪拌機でよく、またTKホモミキサー(プライミクス社製)又はクレアミックス(エムテクニック社製)等の高速回転式分散・乳化機を用いてもよい。次いで、溶液を撹拌しながら、この中に炭酸マグネシウム及び/又は炭酸カルシウムを加えて分散させる。炭酸マグネシウム及び/又は炭酸カルシウムが均一に分散したら溶液を室温まで冷却し、本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤を得る。
【0023】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤は、例えば常温(15〜25℃)で液状、半固体状、固体状等種々の形態とすることができるが、低温時の消泡効果、使用時の作業性等を考慮した場合、常温で液状であることが好ましい。常温で液状の豆乳及び豆腐用消泡剤を調製するには、上記食用油脂は、常温で液状のものを選択することが好ましい。そのような食用油脂としては、例えばコメ油(コメサラダ油を含む)、コーン油、キャノーラ油、オリーブ油、米ぬか油、大豆油、大豆白絞油、サフラワー油、ごま油、ヒマワリ油、綿実油、菜種油、菜種白絞油、落花生油、グレープシード油、しそ油、魚油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられる他、グリセリン脂肪酸ジエステル及びプロピレングリコールジ脂肪酸エステルもこれに含まれる。
【0024】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤には、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のその他乳化剤、トコフェロール、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル等の酸化防止剤、脂肪酸、ワックス、ステロール脂肪酸エステル等の油溶性物質等の他の成分を含有してもよい。
【0025】
また、本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤は、シリコーン樹脂を実質的に含有しないことが好ましい。「シリコーン樹脂を実質的に含有しない」とは、豆乳及び豆腐用消泡剤の消泡性能の向上に寄与しない程度の微量のシリコーン樹脂を含有又は混入していることを含むものとする。より具体的には、豆乳及び豆腐用消泡剤100質量%中、シリコーン樹脂の含有量が通常0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下であることを意味する。
【0026】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤は、豆乳(豆乳飲料を含む)、豆腐、油揚げ、厚揚げ、湯葉等の製造工程において発生する泡を消失させるため等に使用することができる。該消泡剤は、これらの製造工程中のいずれの段階で添加してもよい。その段階としては、例えば(1)大豆を水に浸漬する段階、(2)大豆を磨砕し「呉」を調製する段階、(3)「呉」を蒸煮する段階、(4)蒸煮した「呉」を絞り豆乳とおからを分離する段階、(5)分離した豆乳を容器・タンクへ注ぐ段階、(6)豆乳に凝固剤を添加し撹拌する段階等が挙げられる。尚、「生絞り法」により豆乳を得る場合には、上記段階の(3)と(4)はそれぞれ、(3)「呉」を絞り生豆乳と生おからを分離する段階、(4)生豆乳を蒸煮する段階となる。
【0027】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤の効果としては、発生した泡を破泡して消失させること、泡を溶解(溶泡)させること、泡の発生を抑制すること、及び副次的効果として消泡作用による豆乳とおからとの分離性の向上(即ち、豆乳側への大豆成分の抽出率向上)が含まれる。
【0028】
本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤の添加量は、特に制限はないが、例えば、豆乳100質量%に対して通常約0.03〜1.0質量%、好ましくは0.05〜0.15質量%である。
【0029】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
[豆乳及び豆腐用消泡剤の調製]
(1)原材料
1)コメサラダ油(ボーソー油脂社製)
2)ソルビタンモノオレエート(商品名:ポエムO−80V;理研ビタミン社製)
3)ソルビタンモノステアレート(商品名:ポエムS−60V;理研ビタミン社製)
4)レシチン(商品名:レシチンDX;日清オイリオグループ社製)
5)炭酸マグネシウム(商品名:炭酸マグネシウムR;富田製薬社製)
6)炭酸カルシウム(商品名:ポアカル−N;白石カルシウム社製)
7)ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(商品名:ポエムPR−300;理研ビタミン社製)
【0031】
(2)製剤の配合
上記原材料を用いて調製した豆乳及び豆腐用消泡剤(以下、単に「消泡剤」ともいう。)の配合組成を表1に示した。この内、消泡剤1〜8は本発明に係る実施例であり、消泡剤9〜13はそれに対する比較例である。
【0032】
【表1】
【0033】
(3)消泡剤の製造方法
表1に示した原材料の配合に基づき、消泡剤1〜13各200gを調製した。先ず、300mL容ガラス製ビーカーに、炭酸マグネシウム及び/又は炭酸カルシウム以外の原料を入れ、ガラス棒で撹拌しながら65℃まで加温して溶解した。次いで、得られた溶解液をTKホモミキサー(プライミクス社製)を用いて8000rpmで撹拌しながら、これに炭酸マグネシウム及び/又は炭酸カルシウムを加えて均一に分散した。得られた分散液を室温まで冷却し、本発明の豆乳及び豆腐用消泡剤を得た。
【0034】
[消泡性能の評価試験]
生大豆8kgを30kgの水道水に14時間浸漬し、水切りした。水切り後の浸漬大豆に全量が40kgとなるように水を加えながら、グラインダーで浸漬大豆を摩砕し、「呉」を調製した。「呉」を煮釜に入れ加熱し、102℃に到達後30秒間蒸煮した。蒸煮後の「呉」を脱水機(型式:アトムMTS−SP1;丸井工業社製)を用いて豆乳とおからに分離し、豆乳を得た。尚、摩砕から蒸煮までの一連の操作は、小型豆乳プラント(ミニホープS;高井製作所社製)を用いて実施した。
次いで、前述の操作により得られた豆乳に、消泡剤1〜13を各0.05質量%添加し試験試料とした。試験試料を90℃まで加熱し、加熱後の試料100gをフードミル(HL2053;フィリップス社製;容器容量約200mL)で5秒間撹拌し、撹拌を停止してから3分後の泡の高さを測定した。また、対照として、消泡剤を添加せずに同様に試験試料を調製し、同様に泡の高さを測定した。対照の泡の高さと消泡剤1〜13を添加した場合の泡の高さの差を求め、以下の基準に従い記号化した。結果を表2に示す。
◎:極めて良好 泡の高さの差が5mm以上
○:良好 泡の高さの差が4mm以上5mm未満
△:やや悪い 泡の高さの差が2mm以上4mm未満
×:悪い 泡の高さの差が2mm未満
【0035】
【表2】
【0036】
表2の結果から明らかなように、本発明の消泡剤1〜8は、いずれも消泡性能が良好であった。中でも、レシチン及び炭酸マグネシウムの含有量を高めた「消泡剤5」及びポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを更に配合した「消泡剤6」は消泡性能が極めて良好であった。