特許第6129710号(P6129710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129710
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】回路基板組立体
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20170508BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20170508BHJP
   H01G 2/06 20060101ALI20170508BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   H05K1/18 K
   H05K3/34 501D
   H01G1/035 A
   H01G9/00 321
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-211316(P2013-211316)
(22)【出願日】2013年10月8日
(65)【公開番号】特開2014-220480(P2014-220480A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年2月25日
(31)【優先権主張番号】特願2013-80700(P2013-80700)
(32)【優先日】2013年4月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】隅 智章
【審査官】 小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−062502(JP,A)
【文献】 特開2012−138414(JP,A)
【文献】 特開2000−021682(JP,A)
【文献】 特開2001−217148(JP,A)
【文献】 特開2002−025859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/18
H01G 2/02
H01G 2/06
H05K 3/34
H01G 9/04
H01G 9/06
H01F 27/06
H01L 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極及び該第1の電極と隣り合って配置された第2の電極を有する電子部品と、
前記第1の電極がはんだ付けにて接合される第1のはんだ接合面及び前記第2の電極がはんだ付けにて接合されかつ前記第1のはんだ接合面と間隔を空けて配置された第2のはんだ接合面を有する回路基板と、
を備え
前記電子部品は、本体と、該本体を支持する座板と、を有し、
前記第1の電極は前記本体から延出する主電極とされており、
前記第2の電極は前記座板に固定された補助電極とされており、
前記主電極が前記補助電極よりも前記回路基板側に向けて突出している回路基板組立体。
【請求項2】
前記回路基板には、前記第1のはんだ接合面と前記第2のはんだ接合面との間を仕切る仕切部が形成された請求項1に記載の回路基板組立体。
【請求項3】
前記仕切部は、前記回路基板に形成された樹脂層とされた請求項2に記載の回路基板組立体。
【請求項4】
前記電子部品は、前記本体がコンデンサ本体とされたコンデンサとされており、
前記コンデンサ本体が前記座板に支持された請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の回路基板組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1及び特許文献2には、電子部品(チップ型電解コンデンサ)を回路基板にはんだ付けによって取付けた場合における電子部品の回路基板への取付強度を向上させるために、広幅部分と狭幅部分とを有すると共にはんだ付けによって回路基板に接合されるリード線が収容される溝を電子部品に設け、はんだのフィレットが溝の広幅部分に確実に形成されるように構成した回路基板組立体が開示されている。また、下記特許文献3には、リフロー炉内で吹き付けられる熱風によって電子部品(チップ型コンデンサ)が回路基板に対してずれることを抑制するために、突起を電子部品の座板に設けると共にこの突起が係合する係合穴を回路基板に設けた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−189050号公報
【特許文献2】特開2007−207900号公報
【特許文献3】特開2005−56954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1〜特許文献3に記載された構成は、電子部品の回路基板への取付強度を向上させる及び電子部品の回路基板に対するずれを抑制するという観点では有用な技術ではあるが、電子部品が回路基板に対して傾いた際のはんだ付け不良を抑制するという観点では改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、電子部品が回路基板に対して傾いた際のはんだ付け不良を抑制することができる回路基板組立体を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明に係る回路基板組立体は、第1の電極及び該第1の電極と隣り合って配置された第2の電極を有する電子部品と、前記第1の電極がはんだ付けにて接合される第1のはんだ接合面及び前記第2の電極がはんだ付けにて接合されかつ前記第1のはんだ接合面と間隔を空けて配置された第2のはんだ接合面を有する回路基板と、を備え、前記電子部品は、本体と、該本体を支持する座板と、を有し、前記第1の電極は前記本体から延出する主電極とされており、前記第2の電極は前記座板に固定された補助電極とされており、前記主電極が前記補助電極よりも前記回路基板側に向けて突出している
【0007】
請求項1記載の本発明では、電子部品に設けられた第1の電極及び第2の電極がそれぞれ回路基板に設けられた第1のはんだ接合面及び第2のはんだ接合面にはんだを介して接合されることによって、電子部品が回路基板に取付けられている。ところで、第1のはんだ接合面と第2のはんだ接合面とが一体に設けられている(第1のはんだ接合面と第2のはんだ接合面との間に間隔が空けられていない)と共に電子部品が回路基板に対して傾いた状態ではんだ付けがなされると、第1のはんだ接合面上のはんだが第2のはんだ接合面上に流れる、或いは、第2のはんだ接合面上のはんだが第1のはんだ接合面上に流れることが考えられる。その結果、第1の電極と第1のはんだ接合部との間で、或いは、第2の電極と第2のはんだ接合部との間ではんだ付け不良が生じることが考えられる。しかしながら、本発明では、第1のはんだ接合面と第2のはんだ接合面との間に間隔が空けられている。そのため、電子部品が回路基板に対して傾いた状態ではんだ付けがなされたとしても、第1のはんだ接合面上のはんだが第2のはんだ接合面上に流れることなく第1のはんだ接合面上に留まると共に、第2のはんだ接合面上のはんだが第1のはんだ接合面上に流れることなく第2のはんだ接合面上に留まる。これにより、本発明では、第1の電極と第1のはんだ接合面との間ではんだ付け不良が生じることを抑制することができると共に、第2の電極と第2のはんだ接合面との間ではんだ付け不良が生じることを抑制することができる。
【0008】
請求項2記載の本発明に係る回路基板組立体は、請求項1記載の回路基板組立体において、前記回路基板には、前記第1のはんだ接合面と前記第2のはんだ接合面との間を仕切る仕切部が形成されている。
【0009】
請求項2記載の本発明では、回路基板には仕切部が形成されており、第1のはんだ接合面と第2のはんだ接合面との間が仕切部によって仕切られている。これにより、簡易な構成によって、第1のはんだ接合面と第2のはんだ接合面との間に間隔を空けることができる。
【0010】
請求項3記載の本発明に係る回路基板組立体は、請求項2記載の回路基板組立体において、前記仕切部は、前記回路基板に形成された樹脂層とされている。
【0011】
請求項3記載の本発明では、例えば、第1の電極及び第2の電極に接合される接合部上に樹脂層を形成することで、この接合部の接合面を第1のはんだ接合面と第2のはんだ接合面とに仕切ることができる。これにより、接合部全体の大きさを確保しつつ電子部品と回路基板とを接合できる。その結果、接合部における電流容量を確保することができる。
【0012】
請求項4記載の本発明に係る回路基板組立体は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の回路基板組立体において、前記電子部品は、前記本体がコンデンサ本体とされたコンデンサとされており、前記コンデンサ本体が前記座板に支持されている。
【0013】
請求項4記載の本発明では、コンデンサが回路基板に対して傾いた状態ではんだ付けがなされても、コンデンサ本体の主電極と第1のはんだ接合部との間ではんだ付け不良が生じることを抑制することができると共に、座板の補助電極と第2のはんだ接合部との間ではんだ付け不良が生じることを抑制することができる。これにより、座板が回路基板へより確実に固定され、座板とコンデンサ本体との間で共振が発生することを抑制することができ、コンデンサ本体から延出する主電極の断線を抑制することができる。すなわち、本発明では、回路基板組立体の耐振動性能を向上させることができる。
【0015】
請求項5記載の本発明では、コンデンサの主電極が補助電極よりも回路基板側に向けて突出している。そのため、コンデンサを回路基板上に載置した際に、該コンデンサが主電極を支点として傾く。また、本発明では、コンデンサが主電極を支点として傾いた状態ではんだ付けがなされたとしても、前述したように、主電極と第1のはんだ接合部との間及び補助電極と第2のはんだ接合部との間ではんだ付け不良が生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態に係る回路基板組立体を示す側断面図である。
図2】リフロー炉を通過する前の回路基板及びコンデンサを示す図1に対応する側断面図である。
図3図1に示される回路基板組立体を分解して示す分解斜視図である。
図4】(A)、(B)及び(C)はそれぞれコンデンサを示す平面図、側面図及び底面図である。
図5】回路基板に設けられたはんだランドを拡大して示す拡大平面図である。
図6】回路基板に設けられたはんだランド上のはんだの流れを模式的に示す模式図である。
図7】変形例に係る回路基板組立体を分解して示す図1に対応する分解斜視図である。
図8】変形例に係る回路基板組立体の回路基板に設けられたはんだランドを拡大して示す図5に対応する拡大平面図である。
図9】第2の実施形態に係る回路基板組立体に用いられる回路基板に設けられたはんだランドを拡大して示す斜視図である。
図10】第2の実施形態に係る回路基板組立体を示す図1に対応する側断面図である。
図11】対比例に係る回路基板組立体の回路基板に設けられたはんだランド上のはんだの流れを模式的に示す図6に対応する模式図である。
図12】対比例に係る回路基板組立体を示す図1に対応する側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
次に、図1図6を用いて、本発明の第1の実施形態に係る回路基板組立体について説明する。
【0018】
図1及び図3に示されるように、本実施形態の回路基板組立体10は、板状に形成された回路基板12と、回路基板12に取付けられた電気部品としてのコンデンサ14と、を備えている。以下、先ずコンデンサ14について説明し、次いで回路基板12について説明する。
【0019】
(コンデンサ14)
図4(A)〜(C)に示されるように、コンデンサ14は円柱状に形成されたコンデンサ本体16と、コンデンサ本体16を支持する座板18と、を備えたチップ型アルミ電解コンデンサとされている。
【0020】
コンデンサ本体16は、陽極箔、陰極箔、電解紙及び電解液等が内部に収容された有底円筒状のケース20を備えている。また、このケース20の開放端はゴムパッキングやラバーベークによって閉止されている。また、ケース20の開放端を閉止するゴムパッキングやラバーベークからは前述の陽極箔と電気的に接続された第1の電極としての陽極側主電極22(主電極)及び陰極箔と電気的に接続された第1の電極としての陰極側主電極24(主電極)が延出している。この陽極側主電極22及び陰極側主電極24は互いに離間する方向に折り曲げられている。
【0021】
座板18は、耐熱性合成樹脂を用いて形成されており、また座板18は回路基板12(図3等参照)に沿って延在する矩形状の底壁26を備えている。この底壁26には、前述の陽極側主電極22及び陰極側主電極24が係止される溝部28,30が形成されている。また、底壁26には、溝部28に係止された陽極側主電極22を挟んで一対の第2の電極としての補助電極32が固定されている。さらに、底壁26には、溝部30に係止された陰極側主電極24を挟んで一対の第2の電極としての補助電極34が固定されている。すなわち、コンデンサ14の底面視で陽極側主電極22と補助電極32とが隣り合って配置されていると共に、陰極側主電極24と補助電極34とが隣り合って配置されている構成である。また、コンデンサ14の側面視で陽極側主電極22及び陰極側主電極24はそれぞれ補助電極32及び補助電極34よりも回路基板12側へ向けて突出している。
【0022】
また、座板18は、底壁26の端部から回路基板12と離間する方向に向けて屈曲して延びる側壁36を備えている。この側壁36の内周面はコンデンサ本体16のケース20に対応する円筒面とされている。
【0023】
(回路基板12)
図3に示されるように、回路基板12は、絶縁性を有する回路基板本体40を備えている。回路基板本体40の表面には、はんだランド38(広義には、「接合部」として把握される要素である)が設けられており、コンデンサ14の電極(陽極側主電極22、陰極側主電極24、及び補助電極32,34)がはんだランド38にはんだ付けにて接合されるようになっている。具体的には、図5に示されるように、回路基板本体40には、コンデンサ14の陽極側主電極22が接合される矩形状の第1ランド38A(第1のはんだ接合部)が設けられている。また、第1ランド38Aの短手方向の両側には、それぞれコンデンサ14の補助電極32が接合される第2ランド38B(第2のはんだ接合部)が設けられている。この第2ランド38Bは、長手方向の寸法が第1ランド38Aよりも短い矩形状に形成されている。さらに、第2ランド38Bは、第1ランド38Aと距離Dの間隔を空けて該第1ランド38Aと平行に配置されている。すなわち上記内容を換言すると、はんだランド38に一対の「仕切部」としてのスリット39Aが形成されて、はんだランド38が、陽極側主電極22が接合される面と、補助電極32が接合される面と、にスリット39Aによって仕切られている。そして、陽極側主電極22が接合される第1ランド38Aの接合面が第1ランド接合面38Aa(第1のはんだ接合面)とされており、補助電極32が接合される第2ランド38Bの接合面が第2ランド接合面38Ba(第2のはんだ接合面)とされている。
【0024】
また、回路基板本体40には、コンデンサ14の陰極側主電極24及び補助電極34が接合されると共に、コンデンサ14の中心線Lを挟んで前述の第1ランド38A及び第2ランド38Bと対象に形成された第3ランド38C(第1のはんだ接合部)及び第4ランド38D(第2のはんだ接合部)が設けられている。すなわち、はんだランド38に一対の「仕切部」としてのスリット39Bが形成されて、陰極側主電極24が接合される第3ランド接合面38Ca(第1のはんだ接合面)、及び補助電極34が接合される第4ランド接合面Da(第2のはんだ接合面)が形成されている。
【0025】
図2に示されるように、回路基板本体40に設けられたはんだランド38(第1ランド38A、第2ランド38B、第3ランド38C及び第4ランド38D)上には、はんだの粉末をペースト状にしたはんだペースト42が印刷される。また、はんだペースト42が印刷された回路基板12上の所定の位置にコンデンサ14が載置され、さらにコンデンサ14が載置された回路基板12がリフロー炉を通過することによってはんだペースト42が加熱される。その結果、図1に示されるように、コンデンサ14の陽極側主電極22及び補助電極32がそれぞれ第1ランド38A及び第2ランド38Bにはんだ44を介して接合されると共に、コンデンサ14の陰極側主電極24及び補助電極34がそれぞれ第3ランド38C及び第4ランド38Dにはんだ44を介して接合されて、回路基板組立体10が構成される。
【0026】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0027】
図1に示されるように、本実施形態では、コンデンサ14に設けられた主電極(陽極側主電極22,陰極側主電極24)及び補助電極32,34がそれぞれ回路基板本体40に設けられた第1ランド38A〜第4ランド38Dにはんだ44を介して接合されることによって、コンデンサ14が回路基板12に取付けられている。
【0028】
ところで、図11及び図12に示されるように、第1ランド38A(第3ランド38C)と第2ランド38B(第4ランド38D)とが一体に設けられている(第1ランド38A(第3ランド38C)と第2ランド38B(第4ランド38D)との間に間隔が空けられていない)と共にコンデンサ14が回路基板12に対して傾いた状態ではんだ付けがなされると、第2ランド38B(第4ランド38D)上のはんだ44が第1ランド38A(第3ランド38C)上に流れることが考えられる(はんだ44の流れが矢印で示されている)。特に、はんだ44の冷却固化時においては、陽極側主電極22(陰極側主電極24)の温度が補助電極32(補助電極34)の温度より低いため、第2ランド38B(第4ランド38D)上のはんだ44が第1ランド38A(第3ランド38C)上に流れ易くなる。その結果、補助電極32(補助電極34)と第2ランド38B(第4ランド38D)との間ではんだ付け不良が生じることが考えられる(図10では補助電極32(補助電極34)と第2ランド38B(第4ランド38D)との間ではんだ付け不良が生じている)。
【0029】
しかしながら、図1及び図2に示されるように、本実施形態では、第1ランド38A(第3ランド38C)と第2ランド38B(第4ランド38D)との間に間隔が空けられている。すなわち、第1ランド38A(第3ランド38C)の第1ランド接合面38Aa(第3ランド接合面38Ca)と、第2ランド38B(第4ランド38D)の第2ランド接合面38Ba(第4ランド接合面Da)と、がスリット39A(スリット39B)によって仕切られている。そのため、コンデンサ14が回路基板12に対して傾いた状態ではんだ付けがなされたとしても、図6に示されるように、第1ランド38A(第3ランド38C)上のはんだが第2ランド38B(第4ランド38D)上に流れることなく第1ランド38A(第3ランド38C)上に留まると共に、第2ランド38B(第4ランド38D)上のはんだが第1ランド38A(第3ランド38C)上に流れることなく第2ランド38B(第4ランド38D)上に留まる。これにより、本実施形態では、陽極側主電極22(陰極側主電極24)と第1ランド38A(第3ランド38C)との間ではんだ付け不良が生じることを抑制することができると共に、補助電極32(補助電極34)と第2ランド38B(第4ランド38D)との間ではんだ付け不良が生じることを抑制することができる。これにより、座板18が回路基板12へより確実に固定され、座板18とコンデンサ本体16との間で共振が発生することを抑制することができ、コンデンサ本体16から延出する主電極(陽極側主電極22,陰極側主電極24)に接続されたリード線(図示せず)の断線を抑制することができる。すなわち、本実施形態では、回路基板組立体10の耐振動性能を向上させることができる。
【0030】
また、本実施形態では、コンデンサ14の陽極側主電極22(陰極側主電極24)が補助電極32(補助電極34)よりも回路基板12側に向けて突出している。そのため、コンデンサ14を回路基板12上に載置した際に、該コンデンサ14が陽極側主電極22(陰極側主電極24)を支点として傾く。また、コンデンサ14が陽極側主電極22(陰極側主電極24)を支点として傾いた状態ではんだ付けがなされたとしても、前述したように、陽極側主電極22(陰極側主電極24)と第1ランド38A(第3ランド38C)との間ではんだ付け不良が生じることを抑制することができると共に、補助電極32(補助電極34)と第2ランド38B(第4ランド38D)との間ではんだ付け不良が生じることを抑制することができる。
【0031】
なお、第1の実施形態では、第1ランド38A(第3ランド38C)と第2ランド38B(第4ランド38D)とが各々独立して設けられている例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図7及び図8に示された変形例に係る回路基板組立体46のように、第1ランド38A(第3ランド38C)と第2ランド38B(第4ランド38D)とが、はんだ付けの仕上がりに影響しない部位において、一部が接続されていてもよい。当該変形例においては、コンデンサ14の電極(陽極側主電極22,陰極側主電極24及び補助電極32,34)と離間した部位において第1ランド38A(第3ランド38C)と第2ランド38B(第4ランド38D)とが接続部48を介して接続されている。
【0032】
(第2の実施形態)
以下、図9及び図10を用いて、本発明の第2の実施形態に係る回路基板組立体50について説明する。第2の実施形態の回路基板組立体50は、以下に示す事項を除いて、第1の実施形態の回路基板組立体10と同様に構成されている。
【0033】
すなわち、第2の実施形態では、はんだランド38において第1の実施形態のスリット39A,39Bが省略されており、第1ランド38A(第3ランド38C)及び第2ランド38B(第4ランド38D)が接合されている。これにより、はんだランド38全体が、回路基板本体40の板厚方向から見て凸形状に形成されている。そして、はんだランド38の表面には、「仕切部」及び「樹脂層」としての一対のレジスト層52が形成されて、はんだランド38の一部を被覆している。このレジスト層52は、絶縁性を有する樹脂材により構成されると共に、スクリーン印刷等の手段によって形成されている。また、レジスト層52は、第1ランド38A(第3ランド38C)と第2ランド38B(第4ランド38D)とを接合する部分に対応する位置において、はんだランド38の表面を仕切るように平行に且つ離間して配置されている。
【0034】
これにより、コンデンサ14と接合されるはんだランド38の接合面がレジスト層52によって3分割に仕切られている。そして、レジスト層52によって仕切られたはんだランド38の中央部分が第1ランド38A(第3ランド38C)とされており、第1ランド38A(第3ランド38C)の表面の面が第1ランド接合面38Aa(第3ランド接合面38Ca)とされている。また、レジスト層52によって仕切られたはんだランド38の両側部分が第2ランド38B(第4ランド38D)とされており、第2ランド38B(第4ランド38D)の表面の面が第2ランド接合面38Ba(第4ランド接合面Da)とされている。さらに、第1ランド接合面38Aa(第3ランド接合面38Ca)及び第2ランド接合面38Ba(第4ランド接合面Da)には、第1の実施の形態と同様にはんだペースト42が印刷されている。
【0035】
そして、図10に示されるように、コンデンサ14が回路基板12に対して傾いた状態ではんだ付けがなされた場合には、第1ランド接合面38Aa(第3ランド接合面38Ca)と第2ランド接合面38Ba(第4ランド接合面Da)との間にレジスト層52が形成されているため、第1ランド接合面38Aa(第3ランド接合面38Ca)上のはんだが、第2ランド接合面38Ba(第4ランド接合面Da)上に流れることが防止され、第2ランド接合面38Ba(第4ランド接合面Da)上のはんだが、第1ランド接合面38Aa(第3ランド接合面38Ca)上に流れることが防止される。したがって、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0036】
さらに、第2の実施の形態では、はんだランド38上にレジスト層52を形成することで、第1ランド接合面38Aa(第3ランド接合面38Ca)と第2ランド接合面38Ba(第4ランド接合面Da)とを仕切るように回路基板12が構成されている。このため、簡易な構成によって、第1ランド接合面38Aa(第3ランド接合面38Ca)と第2ランド接合面38Ba(第4ランド接合面Da)との間に間隔を空けることができる。さらに、はんだランド38を第1の実施形態のようにスリット39A,39Bによって分割する必要がなくなる。これにより、はんだランド38の大きさを、第1ランド38A(第3ランド38C)及び第2ランド38B(第4ランド38D)が接合された大きさとすることができる。これにより、はんだランド38における電流容量を確保することができる。
【0037】
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態では、コンデンサ14を回路基板12に取付けることによって回路基板組立体10を構成した例について説明してきたが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電子部品としてのマイコンやトランジスタ等を回路基板に取り付けることによって構成された回路基板組立体に本発明を適用することもできる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
10…回路基板組立体,12…回路基板,14…コンデンサ,16…コンデンサ本体,18…座板,22…陽極側主電極(第1の電極),24…陰極側主電極(第1の電極),32…補助電極(第2の電極),34…補助電極(第2の電極),38A…第1ランド(第1のはんだ接合部),38Aa…第1ランド接合面(第1のはんだ接合面),38B…第2ランド(第2のはんだ接合部),38Ba…第2ランド接合面(第2のはんだ接合面),38C…第3ランド(第1のはんだ接合部),38Ca…第3ランド接合面(第1のはんだ接合面),38D…第4ランド(第2のはんだ接合部),38Da…第4ランド接合面(第2のはんだ接合面),39A…スリット(仕切部),39B…スリット(仕切部),44…はんだ,46…回路基板組立体,50…回路基板組立体,52…レジスト層(仕切部、樹脂層)
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