特許第6129741号(P6129741)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129741
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】医療用装置のための再充電システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/28 20060101AFI20170508BHJP
   A61B 17/00 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   A61B17/28
   A61B17/00
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-537866(P2013-537866)
(86)(22)【出願日】2011年11月4日
(65)【公表番号】特表2013-545538(P2013-545538A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】US2011059338
(87)【国際公開番号】WO2012078271
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2014年11月4日
(31)【優先権主張番号】61/410,603
(32)【優先日】2010年11月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/487,846
(32)【優先日】2011年5月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/275,514
(32)【優先日】2011年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハウザー・ケビン・エル
(72)【発明者】
【氏名】モンソン・ギャビン・エム
(72)【発明者】
【氏名】シュテューレン・フォスター・ビー
(72)【発明者】
【氏名】プライス・ダニエル・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】マダン・アシュバニ・クマー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリス・ジョン・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】コルビック・ドナ・エル
(72)【発明者】
【氏名】ジングマン・アーロン・オー
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】ディエツ・ティモシー・ジー
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・フレデリック・イー・ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】モルガン・ジェローム・アール
(72)【発明者】
【氏名】オールドリッジ・ジェフリー・エル
(72)【発明者】
【氏名】スミス・ブレット・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ジャイン・ヒテッシュ
【審査官】 吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−213878(JP,A)
【文献】 特開昭61−222450(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0106146(US,A1)
【文献】 特開2006−314789(JP,A)
【文献】 米国特許第06018227(US,A)
【文献】 特開昭61−216270(JP,A)
【文献】 特表2011−505226(JP,A)
【文献】 米国特許第05561881(US,A)
【文献】 特表2009−513097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/28
A61B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)筺体、第1のスロット、及び、第2のスロットを備えるベースであって、前記第1のスロットは手術器具から再充電可能な電池を受けるように成形され、前記第2のスロットは前記手術器具から超音波変換器を受けるように成形される、ベースと、
(b)前記ベースと通信する第1のインジケータであって、前記第1のインジケータは前記第1のスロットと更に通信し、前記ベースは、前記第1のスロットに留置された前記再充電可能な電池の充電レベルを検出するように構成され、前記第1のインジケータは前記充電レベルに関してユーザに情報を提供するように構成される、第1のインジケータと、
(c)前記ベースと通信する第2のインジケータであって、前記第2のインジケータは前記第2のスロットと更に通信し、前記ベースは、前記第2のスロットに留置された前記超音波変換器の状態を検出するように構成され、前記第2のインジケータは前記超音波変換器の前記状態に関してユーザに情報を提供するように構成される、第2のインジケータと、を備える、装置。
【請求項2】
前記ベースは、第3のスロットを備え、前記第3のスロットは、前記手術器具から電子機器のモジュールを受けるように成形され、
更に、前記ベースと通信する第3のインジケータであって、前記第3のインジケータは前記第3のスロットと更に通信し、前記ベースは、前記第3のスロットに留置された前記電子機器のモジュールの状態を検出するように構成され、前記第3のインジケータは前記電子機器のモジュールの前記状態に関してユーザに情報を提供するように構成される、第3のインジケータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電子機器のモジュールは、密閉され、かつ前記手術器具から取り外し可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記手術器具は、機械的なモジュールを更に備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
更に、前記再充電可能な電池または前記超音波変換器が存在しない場合に点灯するように動作可能なインジケータライトを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ベースは、前記再充電可能な電池の充電を測定するためのクーロンカウンタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ベースは殺菌装置に挿入可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ベースの少なくとも一部は生分解性プラスチックで収縮包装される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのスロットに挿入可能な電池パックを更に備え、前記電池パックは複数の電池を保持するように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電池パックは、前記電池パックと通信するプルタブを更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ベースは、前記再充電可能な電池および前記超音波変換器と選択的に無線通信する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
装置であって、
(a)再充電可能な電池および超音波変換器を有する手術器具であって、前記再充電可能な電池および前記超音波変換器は該手術器具から取り外し可能である、手術器具と、
(b)ベースであって、該ベースは前記再充電可能な電池を受けるように動作可能な第1のスロットおよび前記超音波変換器を受けるように動作可能な第2のスロットを備え、該ベースは前記第1のスロットと通信する第1の視覚インジケータおよび前記第2のスロットと通信する第2の視覚インジケータを備え、該ベースは前記電池の充電レベルを監視するように構成され、該ベースは前記超音波変換器の状態を監視するように更に構成される、ベースと、
(c)前記ベースと通信する充電モジュールであって、該充電モジュールは前記再充電可能な電池を充電するように構成され、該充電モジュールは前記第1の視覚インジケータと通信する、充電モジュールと、を備え、
前記第1の視覚インジケータは前記充電レベルに関してユーザに情報を提供し、前記第2の視覚インジケータは前記超音波変換器の前記状態に関してユーザに情報を提供する、装置。
【請求項13】
前記充電モジュールは前記電池が受ける充電サイクル数を監視するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記再充電可能な電池は電子機器のモジュール内に包含され、前記電子機器のモジュールは前記手術器具から取り外されるように動作可能であり、前記電子機器のモジュールは壁アダプタと選択的に通信するように構成され、前記電子機器のモジュールは前記壁アダプタを通して前記再充電可能な電池を充電するように動作可能である、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本願は、2010年11月5日出願の「Energy−Based Surgical Instruments」と題する米国仮出願番号第61/410,603号に対する優先権を主張し、その開示は、本明細書において参照することにより組み込まれる。本願は、更に、2011年5月19日出願の「Energy−Based Surgical Instruments」と題する米国仮出願番号第61/487,846号に対する優先権を主張し、その開示は、本明細書において参照することにより組み込まれる。本願は、2011年10月18日出願の「Recharge System For Medical Devices」と題する米国非仮出願番号第13/275,514号に対する優先権を主張し、その開示は、本明細書において参照することにより組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
電子産業の進歩により、一部の電力形態に依存する多数の医療用装置を、医療用装置内の必須の構成要素のすべてではないにしろほとんどを含むように適応され得る。特に、一部の医療用装置を、ケーブルによって装置を外部電源にプラグインすることを必要とする代わりに、内部の又は取り付け可能な電源を使用するように適応され得る。可搬電源を含むように適応されることがある単に例示的な装置は、その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2008年8月26日発行の「Motor−Driven Surgical Cutting and Fastening Instrument with Loading Force Feedback」と題する米国特許第7,416,101号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2010年6月15日発行の「Post−Sterilization Programming of Surgical Instruments」と題する米国特許第7,738,971号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2006年4月13日発行の「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」と題する米国公開第2006/0079874号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2007年8月16日発行の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題する米国公開番号第2007/0191713号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2007年12月6日発行の「Ultrasonic Waveguide and Blade」と題する米国公開第2007/0282333号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2008年8月21日発行の「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」と題する米国公開第2008/0200940号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2009年6月4日発行の「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」と題する米国特許公開第2009/0143797号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2009年8月20日発行の「Motorized Surgical Cutting and Fastening Instrument Having Handle Based Power Source」と題する米国公開第2009/0209990号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2010年3月18日発行の「Ultrasonic Device for Fingertip Control」と題する米国公開第2010/0069940号;及びその開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2011年1月20日発行の「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題する米国公開第2011/0015660号に開示される。同様に、機械装置が可搬電源を含むように適応されることがある様々な方法は、2010年11月5日出願の「Energy−Based Surgical Instruments」と題する米国仮特許出願第61/410,603号で開示されており、この出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
可搬電源を含むように適応されることがある更なる例示的な装置は、その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2002年12月31日発行の「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」と題する米国特許第6,500,176号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2006年9月26日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題する米国特許第7,112,201号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2006年10月24日発行の「Electrosurgical Working End for Controlled Energy Delivery」と題する米国特許第7,125,409号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2007年1月30日発行の「Electrosurgical Probe and Method of Use」と題する米国特許第7,169,146号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2007年3月6日発行の「Electrosurgical Jaw Structure for Controlled Energy Delivery」と題する米国特許第7,186,253号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2007年3月13日発行の「Electrosurgical Instrument」と題する米国特許第7,189,233号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2007年5月22日発行の「Surgical Sealing Surfaces and Methods of Use」と題する米国特許第7,220,951号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2007年12月18日発行の「Polymer Compositions Exhibiting a PTC Property and Methods of Fabrication」と題する米国特許第7,309,849号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2007年12月25発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題する米国特許第7,311,709号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2008年4月8日発行の「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題する米国特許第7,354,440号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2008年6月3日発行の「Electrosurgical Instrument」と題する米国特許第7,381,209号;その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2011年4月14日発行の「Surgical Instrument Comprising First and Second Drive Systems Actuatable by a Common Trigger Mechanism」と題する米国公開第2011/0087218号;及びその開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2011年6月2日出願の「Motor Driven Electrosurgical Device with Mechanical and Electrical Feedback」と題する米国特許出願第13/151,181号に開示される。
【0004】
本明細書で参照される医療用装置等の電気的に電力供給される医療用装置は、使用前、使用中、又はそれ以外の時にただちに充電又は再充電される内部の又は組み込み型の電源(例えば、電池又は電池パック等)を必要とすることがある。一部の設定において(例えば、充電装置が何度も再利用される場合等)、充電装置が医療用装置を汚染する可能性を低減する及び/又は医療用装置が充電装置を汚染する可能性を低減するために、充電装置と医療用装置との間のある程度の絶縁を提供することが望ましい場合がある。同様に、医療手術において医療用装置が使用される場所(例えば、手術室内等)の比較的近い場所において電源の充電又は再充電を促進することが望ましい場合がある。電源を充電又は再充電するためにいくつかのシステム及び方法が作成及び使用されてきたが、添付の請求項に記載されている発明は、本発明者以前に作成又は使用されていないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書の末尾には発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲が付属しているが、本発明は下記の特定の実施形態の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照符合は同様の要素を示す。
図1】内部電源を有する例示的な医療用装置の概略図。
図2】内部電源を有する例示的な医療用装置の斜視図。
図3】例示的な充電ステーションの斜視図。
図4】例示的な電池パックのブロック図。
図5】ハンドルアセンブリの例示的な代替物の斜視図。
図6図5の例示的な電気的モジュールの斜視図。
図7図6の例示的な充電ソケットの斜視図。
図8】例示的な代替の電池パックの分解斜視図。
図9】プルタブを有する電池の例示的なものの斜視図。
図10】プルタブを有する例示的な電池パックの斜視図。
【0006】
各図面は、いかなる意味においても限定的なものではなく、図に必ずしも示されていないものを含め、本発明の異なる実施形態を様々な他の方法で実施し得ることも考えられる。本明細書に組み込まれその一部をなす添付の図面は、本発明の幾つかの態様を示すものであり、説明文とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明は図に示される正確な構成に限定されない点が理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである。明らかなように、本発明は、本発明から逸脱することなく、他の様々な明白な態様が可能である。例えば、様々な。したがって、図面及び説明文は、例示的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。
【0008】
用語「近位」及び「遠位」は本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医に準拠して用いられることが理解されよう。故に、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位にある。更に言うまでもなく、便宜及び明確さのために、「上部」及び「下部」などの空間に関する用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを握持する臨床医を基準として用いられている。しかしながら、手術器具は、多くの配向及び配置において使用され、これらの用語は、制限的及び絶対的であることが意図されない。
【0009】
I.挿入可能又は再生利用可能な構成要素と共に使用するための医療用装置
図1は、例示的な医療用装置(10)の構成要素を概略的ブロックフォームで示す。図示されるように、医療用装置(10)は、制御モジュール(12)、電源(14)、エンドエフェクタ(16)を備える。単に例示的な電源(14)には、NiMH電池、Liイオン電池(例えば、プリズムセル式リチウムイオン電池、等)、Ni−カドミ電池、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる任意の他のタイプの電源を含んでもよい。制御モジュール(12)は、マイクロプロセッサー、特定用途向け集積回路(ASIC)、メモリー、プリント回路基板(PCB)、記憶装置(例えば、ソリッドステートドライブ若しくはハードディスク)、ファームウェア、ソフトウェア、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる他の適切な任意の他の好適な制御モジュール部品を含んでもよい。制御モジュール(12)及び電源(14)は、回路基板等において、ケーブル及び/又はプリントパターン等の電気的接続(22)によって連結されて、電力を電源(14)から制御モジュール(12)へ運搬する。代替的に、電源(14)は、制御モジュール(12)に選択的に連結されてもよい。このことによって、電源(14)を医療用装置(10)から切り離し、かつ取り外すことが可能となり、そのことによって、例えば、本明細書の様々な教示にしたがって、再滅菌及び再使用を行うため電源(14)を容易に再充電又は再利用することが更に可能となる。加えて又は代替的に、制御モジュール(12)は、アフターサービス、試験、交換又は本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる他のあらゆる目的のために取り外されることが可能である。
【0010】
エンドエフェクタ(16)は、もう1つの電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)に連結される。エンドエフェクタ(16)は、医療用装置(10)の望ましい機能を果たすように構成される。ほんの一例として、そのような機能には、組織を焼灼すること、組織を切除すること、組織を切断すること、超音波によって振動させること、組織をステープルで閉じること又は医療用装置(10)のための望ましい他のあらゆる仕事が包含される。したがって、エンドエフェクタ(16)は、能動的機構、例えば、超音波ブレード、一対の掴み具、鋭いナイフ、ステープル駆動アセンブリ、単極無線周波電極、一対の双極性無線周波電極、加熱素子及び/又は他の様々な構成要素を包含することができる。更に、エンドエフェクタ(16)を、整備、試験、交換、又は本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる他のあらゆる目的のために、医療用装置(10)から取り外すことができる。幾つかのバージョンにおいて、エンドエフェクタ(16)は、医療用装置(10)を、様々なタイプのエンドエフェクタ(例えば、米国仮出願番号第61/410,603号等に教示されるようなもの)と一緒に用いることができるようなモジュール式である。エンドエフェクタ(16)の様々な他の構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われるような医療用装置(10)の目的に応じて様々な異なる機能を得るために提供され得る。同様に、電源(14)から電力を受け取ることのできる、医療用装置(10)の他のタイプの構成要素は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる。
【0011】
本実施例の医療用装置(10)は、トリガー(18)及びセンサー(20)を含むが、そのような構成要素は任意的であるに過ぎないものと解釈されるべきである。トリガー(18)は、電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)及び電源(14)に連結される。トリガー(18)は、点灯が実施されるとき、医療用装置(10)を起動させるため、電源(14)からの電力をエンドエフェクタ(16)へ(かつ/又は、医療用装置(10)のある種の他の構成要素へ)選択的に提供するように構成することができる。センサー(20)は、また、電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)に連結され、点灯の間、様々な情報を制御モジュール(12)に提供するように構成することができる。ほんの一例として、かかる構成は、エンドエフェクタ(16)における温度の感知又はエンドエフェクタ(16)の振動率の決定を含んでもよい。センサー(20)からのデータは、制御モジュール(12)によって処理されて、電力をエンドエフェクタ(16)へ(例えば、フィードバック・ループで)搬送することができる。本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる、医療用装置(10)の目的によって、センサー(20)の他の様々な構成を提供することができる。当然ながら、本明細書に記載の他の構成要素と同様、医療用装置(10)は、1個以上のセンサー(20)を備えることができるか又はセンサー(20)は、所望により単に除外することができる。
【0012】
図2は、医療用装置(10)がとることのできる、単に例示的な形態を表す。特に、図2は、電源(110)、制御モジュール(120)、筺体(130)、エンドエフェクタ(140)、及び電気的接続(150)を備える、医療用装置及び/又は手術器具(100)を示す。本例において、電源(110)は、手術器具(100)の筺体(130)内部に配置される。代替的に、電源(110)は、筺体(130)内に一部のみが延在してもよく、筺体(130)の一部に選択的に取り付け可能であってもよい。更なる例示的な構成において、筺体(130)の一部が電源(110)に延在してもよく、電源(110)が筺体(130)の一部に選択的に取り付け可能であってもよい。電源(110)は、更に、手術器具(100)から分離し、制御モジュール(120)又は電気的接続(150)から切り離すように構成されてもよい。このため、電源(110)は、一部のバージョンでは、手術器具(100)から完全に分かれていてよい。容易に明らかなように、これにより、例えば、本明細書の様々な教示にしたがって、再充電又は再滅菌及び再利用のために回収するために、電源(110)を取り外すことができるようにしてもよい。再充電後又は最初の充電後、電源(110)を手術器具(100)内に挿入又は再挿入し、筺体(130)へ又は筺体(130)内部に固定してもよい。当然ながら、手術器具(100)により、更に、電源(110)が筺体(130)内にある又は筺体(130)に対して連結されている間、電源(110)を充電及び/又は再充電することが可能となってもよい。
【0013】
更に、整備、試験、交換、又は本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる他のあらゆる目的のために、制御モジュール(120)を取り外すことができることを理解すべきである。更に、整備、試験、交換、又は本明細書における教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる他のあらゆる目的のために、エンドエフェクタ(140)を、手術器具(100)から取り外すことができる。例示的な手術器具(100)の所定の構成を記載してきたが、手術器具(100)を構成し得る様々な他の方法が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。ほんの一例として、本明細書において言及される医療用装置及び/又は手術器具(10、100)及び/又は他のあらゆる医療用装置は、米国特許第6,500,176号、米国特許第6,783,524号、米国特許第7,112,201号、米国特許第7,125,409号、米国特許第7,169,146号、米国特許第7,186,253号、米国特許第7,189,233号、米国特許第7,220,951号、米国特許第7,309,849号、米国特許第7,311,709号、米国特許第7,354,440号、米国特許第7,381,209号、米国特許第7,416,101号、米国特許第7,738,971号、米国公開第2006/0079874号、米国公開第2007/0191713号、米国公開第2007/0282333号、米国公開第2008/0200940号、米国公開第2009/0143797号、米国公開第2009/0209990号、米国公開第2010/0069940号、米国公開第2011/0015660号、米国特許公開第2011/0087218号、米国特許出願第13/151,181号及び/又は米国仮出願番号第61/410,603号の教示のうちの少なくともいくつかにしたがって構成されてもよい。これらの各文書の開示は、本明細書において参照することによりその全体が組み込まれる。
【0014】
更に、本明細書で述べる教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数も、本明細書で述べる他の教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数とも組み合わせることができることを理解されたい。したがって、下記に述べる教示、表現、実施形態、例などは、互いに独立であると考えられるべきでない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々の適切な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には容易に明らかになるであろう。こうした修正及び変形は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0015】
II.例示的な充電ステーション
手術器具(100)の使用時に、手術器具の一部の部分を廃棄可能である一方で、他の部分を再利用できることが理解されよう。一部の例において、再利用可能な構成要素について、再利用可能な構成要素を格納する場所を有することが望ましい場合があることが理解されよう。以下に更に詳細に記載されるように、再利用可能な構成要素が充電を必要とし得る程度に、再利用可能な構成要素の格納に使用される領域を、再充電可能な電池等の再充電が必要となり得る構成要素を再充電するために更に使用し得ることが望ましい場合がある。
【0016】
図3は、器具(100)の様々な構成要素を受けるように成形される少なくとも1つの充電スロット(204)を持つベース(202)を有する例示的な充電ステーション(200)を示す。本実施例のベース(202)は平坦な矩形の形状を有するが、あらゆる他の形状を用いてもよい。スロット(204)は、例えば、再充電可能な電池(210)、超音波変換器(212)、又は再利用可能な電子機器のモジュール(214)を保持してもよい。一部の例示的なバージョンにおいて、変換器(212)は、ベース(202)との通信を確立するために、スロット(204)にねじ止めされてもよい。スロット(204)は、スロット(204)に保持される構成要素の座部を提供するように成形される。一部のバージョンにおいて、スロット(204)は、スロット(204)により保持されている構成要素の形状よりも少し大きくてもよい、又はスロット(204)に挿入しやすくするために少し先細りのエッジを有していてもよい。
【0017】
更に、一部の例示的なバージョンにおいて、スロット(204)は、ユーザがスロット(204)内に適切な再利用可能な構成要素を留置するまで、点灯、点滅、又はユーザに信号を提供するように動作可能なスロット(204)内へと組み込まれるライト又は他のインジケータを備えてもよい。したがって、再利用可能な構成要素が外科処置後に不注意により廃棄されないようにするために、スロット(204)に組み込まれたインジケータを有するスロット(204)を使用し得ることが理解されよう。本例において、ベース(202)は、手術器具(100)の再利用可能な構成要素の数と等しい多数のスロット(204)を含む。そのため、電池(210)等の再利用可能な構成要素のうちの1つがない場合、空きスロットによって、再利用可能な構成要素がないことをユーザに視覚的に示すことができる。その後、ユーザは、そのなくなった構成要素を見つけ、差し替えてもよい。
【0018】
ベース(202)は、電力ポート(206)及びデータポートを更に備えてもよい(208)。電力ポート(206)は、電力ポート(206)が電力ベース(202)へ電力を引き出すことができるように、壁コンセント又は他の外部電源に接続される電気コード(216)と通信するが、これは、以下に記載されるように様々なインジケータ機能に電力供給するために使用できる、又は、ベース(202)にプラグ接続された構成要素を再充電するために使用できる。一部の他の例示的なバージョンにおいて、ベース(202)に電力供給するために、未使用の充電を有し得る電池(210)を使用してもよい。更に一部の他の例示的なバージョンにおいて、電池(210)は、すべての構成要素がベース(202)へ留置されるまで、電池(210)ではなく電力ポート(206)を介して外部電源から電力が引き出される、ベース(202)に電力を供給するために使用されてもよい。一部の他のバージョンにおいて、ベース(202)に電力を供給するために、電池(210)及び外部電源から引き出される電力の組み合わせを使用してもよい。本明細書の教示に考慮すれば、当業者には、ベース(202)に電力供給する他の適した方法が明らかであろう。
【0019】
電力利用及び/又はベース(202)にプラグ接続された構成要素の状態の解析のために、コンピュータ又は任意の他の外部装置にデータポート(208)を接続してもよい。本明細書の教示を考慮すれば、当業者に明らかであるように、データポートの他の適した用途が用いられてもよいことが理解されよう。
【0020】
更に、ベース(202)は、ベース(202)の様々な状態及び状態、並びにベース(202)にプラグ接続された構成要素に関する状態をユーザに通知するために動作可能な少なくとも1つのインジケータライト(214)を備えてもよい。本実施例において、ベース(202)は、それぞれ、電池(210)、変換器(212)及び電子機器(214)に関して、ユーザに状態情報を提供するために動作可能な、電池インジケータ(218)、変換器インジケータ(220)、及び電子パッケージ状態インジケータ(222)を備える。例えば、それぞれの構成要素がプラグ接続されているかどうかに関する情報を提供してもよい。一部の例示的なバージョンにおいて、それぞれの構成要素が使用可能であるかどうかに関して、ユーザに情報を提供してもよい。電池インジケータ(218)、変換器インジケータ(220)、及び電子インジケータ(222)の使用により、あらゆる他の適した情報を提供してもよい。例えば、電池(210)の充電レベルをユーザに通知するために電池インジケータ(218)を、電池(210)が完全に充電される時間をユーザに通知するためにタイマーを使用してもよい。変換器(212)が使用できる状態になっているかどうかをユーザに通知するために、変換器インジケータ(220)を使用してもよい。電子(214)が適切に機能しているかどうかをユーザに通知するために、電子インジケータ(222)を使用してもよい。
【0021】
電子インジケータ(222)、電池インジケータ(218)、及び/又はインジケータライト(214)のうちのいずれも、様々な構成要素の状態に関して、ユーザにテキスト及び/又は視覚的情報を提供するように動作可能なLCD又は他の適した視覚的出力装置を備えてもよいことが理解されよう。更に、電子インジケータ(222)、電池インジケータ(218)、インジケータライト(214)、及び/又は上述の構成要素と通信する、又はこれによって監視される構成要素に関して生じる障害又はエラーは、メッセージ及び/又は診断的情報を出力することによって、ユーザに伝達されてもよい。ディスプレイは更に、トラブルシューティングのメッセージ及び/又は取り得る是正工程の提案を提供してもよい。更に、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであるように、3つの別々のインジケータ又はディスプレイを有するのではなく、あらゆる他の適した構成を使用し得ることが理解されるであろう。例えば、単一のLCD又は他の適したディスプレイが、電子インジケータ(222)、電池インジケータ(218)、及び/又はインジケータライト(214)として動作可能であってもよい。
【0022】
更に、ベース(202)は、ベース(202)の滅菌のために殺菌装置内にベース(202)を留置することにより、ベース(202)上に保持された構成要素を滅菌するために使用されてもよい。一部のバージョンでは、殺菌装置はオートクレーブを備えてもよいが、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであるように、あらゆる適した滅菌装置及び/又は方法を使用し得る。例えば、ガスプラズマ、エチレンオキサイド、又はあらゆる他の適した滅菌方法を使用してもよい。他の例示的なバージョンでは、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであるように、任意の適した方法を使用して滅菌のために構成要素を保持するために、ベース(202)を使用してもよい。
【0023】
一部の例示的なバージョンでは、充電及び/又は滅菌のために構成要素を保持するために、スロット(204)ではなくマットを使用してもよい。マットをテーブルに組み込んでもよい、又は代替的に、ロボットアームの一部として組み込み及び保持してもよいことが理解されよう。更に他の例示的なバージョンでは、誘導により、マット又はスロット(204)は、電池(210)を無線で充電するように動作可能であってもよい。更に、ベース(202)上に配置された任意の構成要素との通信を確立するために、無線通信を使用してもよい。
【0024】
III.例示的なカウンタ
図4は、例えば、図3のベース(202)と併用して使用してもよい例示的な電池パック(300)を示す。電池パック(300)は、筺体(305)、電池(302)、非揮発メモリ(301)を有するマイクロプロセッサー回路及びクーロン計数回路(306)を備える。マイクロプロセッサー回路(301)は、クーロン計数回路(306)と通信する。クーロン計数回路(306)は、電池(302)の充電状態の正確な監視を提供するように動作可能である。クーロン計数回路(306)は、電池(302)を再充電するように動作可能であってもよい。
【0025】
マイクロプロセッサー回路(301)は、充電状態がいつ無充電状態から完全充電状態になるか及び/又はその逆になるかを追跡するように、充電状態を常に把握するように動作可能である。マイクロプロセッサー回路(301)は、更に、図3のベース(202)及び/又はクーロン計数回路(306)等の充電器から受信するデータを復調及び回復するように動作可能である。マイクロプロセッサー回路(301)は、クーロン計数回路(306)が電池(302)を充電する際に、クーロン計数回路(306)への現在の充電速度を上げる、下げる、オフにする又は維持するためのコマンドを送信するように更に動作可能であり、したがって電池(302)充電のための閉フィードバック・ループを形成する。
【0026】
一部の例示的なバージョンでは、電池(302)が最初に完全に充電されると、マイクロプロセッサー回路(301)内に含まれるサイクルカウンタはゼロに再設定される。マイクロプロセッサー回路(301)は、更に、充電サイクル数、電池(302)の温度、様々な温度での充電サイクル数、及び/又は電池の(302)長時間の充電保持能力等の、長時間の充電サイクルに関する電池の(302)挙動に基づく経験的モデルを含んでもよい。そのため、電池(302)の挙動は、より予測できるものになり得るため、電池(302)の充電が正確になり、電池(302)の状態に関して正確な報告ができる。マイクロプロセッサー回路(301)は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであるように、電池(302)が様々な温度、滅菌過程、又は任意の他の適した読み取りを受ける際に、電池(302)を定期的に監視するようにプログラムされてもよい。このため、電池(302)に関する更なる情報を有するため、マイクロプロセッサー回路(301)は、電池(302)内の残留充電をより正確に推定できることが理解されよう。更に、電池(302)を定期的に完全に充電及び完全に再充電できることが理解されよう。完全な再充電及び放電サイクルからの情報をマイクロプロセッサー回路(301)に提供してもよく、これにより、マイクロプロセッサー回路(301)は、電池(302)の残留充電に関してより正確に推定できる。ほんの一例として、マイクロプロセッサー回路(301)は、充電器からのデータ(例えば、充電波形において重畳される搬送波に含まれるデータ)を復調及び回復し、現在の充電速度を上げる、下げる、オフにする、又は維持してもよく、これにより、充電のための閉ループフィードバック制御機構が可能になる。
【0027】
一部の例示的なバージョンにおいて、マイクロプロセッサー回路(301)がネットワークにおいて充電サイクル情報を伝達できるように、マイクロプロセッサー回路(301)は、イーサネットポート又はモデムと通信してもよいことが理解されよう。ネットワークにおいて充電サイクル情報を伝達することにより、電池パック(300)の使用が充電サイクル毎又はその他の適した基準で課金されるシステムに、電池パック(300)を組み込んでもよい。
【0028】
電池サイクルに加えて、電池の接続及び切断回数を監視することが望ましい場合があることが理解されよう。例えば、その開示が本明細書において参照することにより組み込まれる、2008年12月16日発行の「Surgical Instrument Having a Removable Battery」と題する米国特許第7,464,846号に教示されるように、電池接続の回数を決定するためのカウンタを使用できることが理解されよう。そのため、電池充電サイクル及び電池(302)によって行われる接続回数の注意深い監視により、電池についてのより正確な情報が得られることが理解されよう。
【0029】
更に、一部の例示的なバージョンでは、電池(302)は、出荷前に充電されてもよく、また、電池(302)は、その完全に充電された状態及び/又は電池(302)が受けた充電サイクル数を示すカウンタ等の電池(302)内に格納されたデータを有するように動作可能にされてもよい。かかる情報は、例えば、電池(302)に組み込まれたチップ上に格納されてもよい。電池(302)は、電池(302)年齢に関連する電池(302)の経験的モデルの挙動、電池(302)年齢としての充電状態、カレンダー上の時間に関連する電池(302)の経年変化、電池(302)の温度、及び電池(302)の再充電サイクルの合計回数を開発及び格納するように動作可能であってもよい。電池(302)のチップは、温度、オートクローブ滅菌サイクル及び充電状態等の電池(302)の特性を定期的に「ウェークアップ」及び監視するようにプログラムされてもよいことが理解されよう。更に、電池(302)の放電時間をより正確に予測するために、電池(302)に関する任意の記録された情報を、電池(302)に関するモデルを更新するために使用してもよい。一年毎、四半期毎、隔年毎又はあらゆる他の適した時間枠で、電池(302)の真の充電容量を決定するために、電池(302)を測定/監視してもよいことが、更に理解されよう。
【0030】
IV.例示的なモジュラー式電子ユニット
一部の例において、図2に示されるように、手術器具(100)の使用中及び使用の間において、電気的構成要素を機械的構成要素と分けて収容することが望ましい場合がある。これを行う1つの例示的な理由は、電気的構成要素が、別々の滅菌及び充電を必要とする可能性があるということである。しかしながら、機械的構成要素から電気的構成要素を分ける他の様々な理由が存在し得ることが理解されよう。
【0031】
図5図7は、機械的なモジュール(710)及び電気的モジュール(720)を有する例示的なハンドルアセンブリ(700)を示す。図2の手術器具(100)は、かかる構成を有するように適応されてもよいことが理解されよう。例示的な手術器具の電気的構成要素のすべては、電気的モジュール(720)内に含まれてもよい。機械的なモジュール(710)は、受信ソケット(712)及び受信ソケット(712)内に配置される接続ポート(714)を備える。電気的モジュール(720)は、電気的モジュール(720)を受信ソケット(712)内に留置することができるように、受信ソケット(712)を補完するように成形される。電気的モジュール(720)は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者に明らかであるように、電気的モジュール(720)が、例えば、金属接点又は接続を確立するための任意の他の適した手段の使用によって、ハンドルアセンブリ(700)との電気的通信を確立することを可能にするために、接続ポート(714)と連結するように動作可能なコネクタプラグ(722)を備える。
【0032】
ハンドルアセンブリ(700)から取り外された電気的モジュール(720)は、壁コンセントへ(732)とプラグ接続してもよい充電ソケット(730)に接続してもよい。壁コンセント(732)からの電力を受けるために、充電ポート(734)にコネクタプラグ(722)を挿入してもよい。ハンドルアセンブリ(700)を有する電気的モジュール(720)を使用する前に電気的モジュール(720)の外側表面のみを滅菌する必要がある場合のために、電気的モジュール(720)を密閉してもよいことが更に理解されよう。したがって、ユーザは、電気的モジュール(720)を滅菌できるように、使用後に、ハンドルアセンブリ(700)から電気的モジュール(720)を取り除いてもよい。一部の例示的なバージョンでは、は、蒸気滅菌を電気的モジュールの滅菌のために使用できるよう、電気的モジュール(720)を断熱してもよい。外科処置後、機械的なモジュール(710)は、破棄されてもよい又は繰り返し使用するために回収されてもよいことが理解されよう。電気的モジュール(720)の滅菌によって電気的モジュール(720)を再利用してもよいことが理解されよう。一部のバージョンにおいて、電子機器のモジュール(720)は、ハンドルアセンブリ(700)内の密閉された筺体(図示せず)に挿入可能であってもよい。密閉された筺体内に電子機器のモジュール(720)を留置するために、無菌技術を使用することができる。密封された筺体は、電子機器のモジュール(720)を保持するための密閉を形成することにより、機器の使用中に密封された電子機器のモジュール(720)が手術部位に露出しないように、かつ、手術器具の使用後/使用の間において、密封された電子機器のモジュール(720)を滅菌する必要がないようにしてもよい。
【0033】
V.例示的な電池及び電池制御
図2に示されるように、手術器具(100)と共に様々な電池を使用し得ることが理解されよう。図8は、例えば手術器具(100)と共に使用し得る、組み込みの電池パック(400)を示す。パック(400)は、キャップ(402)、フレックス回路(404)、電池(406)、無線ボード(408)、及び外側本体(410)を備える。
【0034】
キャップ(402)は、手術器具(100)と電気的に通信を確立するために接点を提供するように動作可能な金属挿入物(412)を備える。例えば図2に示されるように、電池(406)から手術器具(100)へ電力を搬送するようにパック(400)が動作可能であるように、金属挿入物(412)は、電池(406)と通信する。金属挿入物(412)は、手術器具(100)内に挿入される際に、パック(400)の向きに関わらず接続を提供するように動作可能である。
【0035】
フレックス回路(404)は、電池(406)の周囲に巻き付き、電池(406)とキャップ(402)との間に通信を確立するように成形される。フレックス回路(404)は、電池接点(414)及びキャップ接点(416)を含む。電池接点(414)は、電池(406)と電気的に通信を確立するように動作可能であり、一方で、キャップ接点(416)は、キャップ(402)の金属挿入物(412)と電気的に通信を確立するように動作可能である。フレックス回路(404)は、電池(406)から搬送された電力を管理するように動作可能な回路を更に備えてもよい。例えば、手術器具(100)は、電圧又は電流レベルに関して異なる要件を有してもよい。フレックス回路(404)は、異なるタイプの手術器具(100)(例えば、超音波手術器具及びRF電子手術器具等)と共に使用するように動作可能な回路を備えてもよい。例えば、異なるタイプの手術器具と普遍的に適合性のある回路を使用してもよい、又は代替的に、フレックス回路(404)は、異なるタイプの手術器具と個別に互換性があるように、いくつかの異なる回路を備えてもよい。パック(400)に接続された器具の電力のニーズに適応するように、パック(400)からの電力搬送を調整するようにフレックス回路(404)が動作可能となるように、フレックス回路(404)は、更に、パック(400)が接続される手術器具のタイプを決定するように動作可能であってもよい。更に、フレックス回路(404)は、パック(400)と通信する器具の電力利用を追跡及び格納するように動作可能である。フレックス回路(404)は、更に、電池(406)を充電するためにフレックス回路(404)が外部電源に接続できるように、電力ポートを備えてもよい。フレックス回路(404)は電池(406)の電力搬送を制御するように動作可能であるため、フレックス回路(404)が手術器具の電力管理を処理するように動作可能であると、手術器具は究極的には、電力管理に関するいずれかの回路を包含する必要はないことが更に理解されよう。パック(400)は、例えば、異なるタイプの手術器具と共に再利用できるため、フレックス回路(404)は、手術器具に提供される電力の搬送を積極的に変更してもよい。フレックス回路(404)は、フレックス回路(404)に接続された手術器具のタイプを決定するために、様々な手術器具とのデジタルハンドシェイクを行うように構成されてもよい。
【0036】
本実施例の電池(406)は、共に収縮包装された電池のクラスタを備える。一部の例示的なバージョンでは、電池(406)は、生分解性プラスチックを使用して、共に収縮包装されてもよい。当然ながら、他のあらゆる適したタイプの包装を使用してもよい、又は包装を省略してもよい。収縮包装は、電池(406)の再処理中に後で取り外してもよい。電池(406)は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者に明らかのように、リチウムポリマー電池、1つ以上の超コンデンサ、ニッケルカドミウム、リチウムイオン、ニッケル金属水素化物、又は他のあらゆる適したタイプの電池を含んでもよい。
【0037】
電池(406)は、更に、無線ボード(408)と通信する。無線ボード(408)は、外部ディスプレイ装置と通信するように動作可能なWiFi及び/又はBluetoothモジュール等の無線接続モジュールを備える。本実施例において、無線ボード(408)は、無線ボード(408)が外側本体(410)内で完全に無線で通信できるように、無線透過材料内に密封された外側本体(410)の底部に配置される。本実施例において、ユーザが、外部ディスプレイ装置との通信が必要ではないと決定する場合には、無線ボード(408)を必ずしも使用しなくてもよいことが理解されよう。
【0038】
外側本体(410)は、電池(406)無線ボード(408)、及びフレックス回路(404)を保持するように動作可能である。キャップ(402)は、外側本体(410)を覆うように動作可能な形状を有し、これにより、外側本体(410)内に保持される構成要素のすべてを閉止する。外側本体(410)及びキャップ(402)は、密封及び/又は流体密封を形成するように動作可能であることが理解されよう。外側本体(410)は、その内部に包含される内容物を保護するように動作可能なマグネシウム及び/又は遮蔽に特化した(shield specific)プラスチックを含んでもよい。外側本体(410)は構成要素を保護するように動作可能であるため、電池(406)及び/又は他の電子機器並びに外側本体(410)内に含まれる構成要素を複数回再利用でき、再利用の前にクリーニングすることができる。
【0039】
VI.例示的なプルタブ
図9図10は、電池(502)及び/又は電池パック(602)と共に使用するための例示的なプルタブ(500、600)を示す。例えば、リチウムイオン又はリチウムポリマー電池等のある種の電池に関する輸送上の制限のために、輸送中及び/又は使用前に電池(502)を絶縁する必要があり得ることが理解されよう。図9は、第1の電池ペア(504)を第2の電池ペア(506)から絶縁するプルタブ(500)を示す。図10は、電池パック(602)の接点(604)を覆うプルタブ(600)を示す。接点(604)は、電池パック(602)の輸送中に絶縁する必要があり得るため、例示的なプルタブ(600)を使用してもよいことが理解されるであろう。いずれのバージョンにおいても、電池(502)又は電池パック(602)が使用可能になっている場合、プルタブ(500、600)は、ユーザによって除去されてもよく、電池(502)又は電池パック(602)は、例えば図2に示される手術器具(100)と共に使用されてもよい。
【0040】
本明細書に援用されると言われるいかなる特許、刊行物又は他の開示内容も、その全体又は一部において、援用文献が現行の定義、見解又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲で本明細書に援用するものであることが認識されるべきである。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込んだ任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込むと称されているが現行の定義、記載又は本明細書に記載されている他の開示物と矛盾するいずれの事物又はそれらの部分は、組み込まれた事物と現行の開示事物との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれるものとする。
【0041】
本発明の実施形態は、従来の内視鏡及び開腹手術器具、並びにロボット支援手術における応用が可能である。例えば、当業者は、本明細書の様々な教示が、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された2004年8月31日公開の米国特許第6,783,524号の様々な教示と容易に組み合わせ得ることを理解するであろう。
【0042】
本明細書で開示した装置の実施形態は、1回の使用後に処分されるように設計されることができ又はそれらの実施形態は、複数回使用されるように設計されることができる。諸実施形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整されることができる。再調整することは、装置を分解すること、それに続いて特定の部品を洗浄及び交換すること、並びにその後の再組み立てすることの任意の組み合わせを含んでよい。特に、装置の実施形態は分解されてもよく、また、装置の任意の数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか又は取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の実施形態は、再調整用の施設で又は更なる的処置の直前に更なるチームによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。装置の再調整が、分解、洗浄/交換及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用及びその結果として得られる再調整された装置は、すべて、本出願の範囲内にある。
【0043】
一例に過ぎないが、本明細書で説明した実施形態は、手術前に処理されてもよい。まず、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。器具は次いで、滅菌されてもよい。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖かつ密封された容器に器具を入れる。次いで、容器及び器具は、γ放射線、X線又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌された器具は、滅菌容器内で保管されてもよい。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、限定されるものではないが、ベータ若しくはガンマ放射線、エチレンオキシド又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0044】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な改変例の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上で議論した実施例、実施形態、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲において考慮されるべきであり、本明細書及び図面において示し、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0045】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)筺体と少なくとも1つのスロットとを備えるベースであって、該少なくとも1つのスロットは手術器具から再利用可能な構成要素を受けるように成形される、ベースと、
(b)前記ベースと通信する少なくとも1つのインジケータであって、前記少なくとも1つのインジケータは前記少なくとも1つのスロットと更に通信し、前記ベースは、前記少なくとも1つのスロットに留置された再利用可能な構成要素に動作可能なように関連付けられた少なくとも1つの特徴を検出するように構成され、前記少なくとも1つのインジケータは前記少なくとも1つの特徴に関してユーザに信号を提供するように構成される、インジケータと、を備える、装置。
(2) 前記少なくとも1つの特徴は、電池の充電レベルを含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記少なくとも1つの特徴は、超音波変換器の状態を含む、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記少なくとも1つの特徴は、電子機器のモジュールの状態を含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記電子機器のモジュールは、密閉され、かつ前記手術器具から取り外し可能である、実施態様4に記載の装置。
【0046】
(6) 前記手術器具は、機械的なモジュールを更に備える、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記少なくとも1つのインジケータは、前記再利用可能な構成要素が存在しない場合に点灯するように動作可能なインジケータライトを備える、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記ベースは、前記ベースに挿入可能な電池の充電を測定するためのクーロンカウンタを備える、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記少なくとも1つのスロットの数は、前記再利用可能な構成要素の数と等しい、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記ベースは殺菌装置に挿入可能である、実施態様1に記載の装置。
【0047】
(11) 前記ベースの少なくとも一部は生分解性プラスチックで収縮包装される、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記少なくとも1つのスロットに挿入可能な電池パックを更に備え、前記電池パックは複数の電池を保持するように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記電池パックは、前記電池パックと通信するプルタブを更に備える、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記ベースは、前記再利用可能な構成要素を受けるように動作可能なマット形状を有する、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記ベースは、前記少なくとも1つの再利用可能な構成要素と選択的に無線通信する、実施態様1に記載の装置。
【0048】
(16) 装置であって、
(a)電池を有する手術器具であって、該電池は該手術器具から取り外し可能であり、該電池は再充電可能な電池を備える、手術器具と、
(b)ベースであって、該ベースは前記再充電可能な電池を受けるように動作可能な少なくとも1つのスロットを備え、該ベースは前記少なくとも1つのスロットと通信する少なくとも1つの視覚インジケータを備え、該ベースは前記電池の少なくとも1つの態様を監視するように構成され、該ベースは前記手術器具の少なくとも1つの態様を監視するように更に構成される、ベースと、
(c)前記ベースと通信する充電モジュールであって、該充電モジュールは前記再充電可能な電池を充電するように構成され、該充電モジュールは前記少なくとも1つの視覚インジケータと通信する、充電モジュールと、を備える、装置。
(17) 前記充電モジュールは、前記電池の充電レベルを監視するように動作可能であり、前記充電モジュールは前記電池が受ける充電サイクル数を監視するように構成される、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記充電モジュールは、前記電池の充電状態を前記ユーザに示すように動作可能である、実施態様16に記載の装置。
(19) 前記再充電可能な電池は電子機器のモジュール内に包含され、前記電子機器のモジュールは前記手術器具から取り外されるように動作可能であり、前記電子機器のモジュールは壁アダプタと選択的に通信するように構成され、前記電子機器のモジュールは前記壁アダプタを通して前記再充電可能な電池を充電するように動作可能である、実施態様16に記載の装置。
(20) 手術器具と共に使用するための複数の構成要素を受けるように構成されたベースを使用することにより、前記複数の構成要素の状態を監視する方法であって、該複数の構成要素は再利用可能な構成要素となるように構成され、該方法は、
(a)前記手術器具を使用することと、
(b)前記手術器具から前記複数の構成要素を取り除くことと、
(c)前記複数の構成要素を前記ベースに留置することと、
(d)前記複数の構成要素のすべてが前記ベースに挿入されていることを確認することと、
(e)前記複数の構成要素のそれぞれに関する状態情報を提供することと、を含む、方法。
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