特許第6129847号(P6129847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6129847-干渉管理のための方法及び装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6129847
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】干渉管理のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/04 20090101AFI20170508BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20170508BHJP
【FI】
   H04W16/04
   H04W72/04 131
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-532485(P2014-532485)
(86)(22)【出願日】2011年12月21日
(65)【公表番号】特表2014-532345(P2014-532345A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】IB2011055875
(87)【国際公開番号】WO2013045981
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2014年3月31日
(31)【優先権主張番号】61/540,697
(32)【優先日】2011年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/540,752
(32)【優先日】2011年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】アグラワル ラジーヴ
(72)【発明者】
【氏名】ベデッカー アナンド エス
(72)【発明者】
【氏名】ハン グアン
(72)【発明者】
【氏名】リーラハクリエンクライ ランサン
【審査官】 吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−188355(JP,A)
【文献】 特開2009−219121(JP,A)
【文献】 特開2004−260261(JP,A)
【文献】 Damnjanovic, A. ; Montojo, J. ; Yongbin Wei ; Tingfang Jimore authors,A survey on 3GPP heterogeneous networks,Wireless Communications, IEEE (Volume:18,Issue:3) ,IEEE,2011年 6月,page.10-21,DOI:10.1109/MWC.2011.5876496
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Further Considerations of Time Domain Approach[online], 3GPP TSG-RAN WG1#62 R1-104416,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_62/Docs/R1-104416.zip>,2010年 8月18日,page.1-8
【文献】 Guvenc, I. ; Moo-Ryong Jeong ; Demirdogen, I. ; Kecicioglu, B. more authors,Range Expansion and Inter-Cell Interference Coordination (ICIC) for Picocell Networks,Vehicular Technology Conference (VTC Fall), 2011 IEEE,IEEE,2011年 9月 8日,page.1-6,Date of Conference:5-8 Sept.2011、DOI:10.1109/VETECF.2011.6092863
【文献】 Qualcomm Incorporated,Way forward for eICIC on reporting the number of active UEs requiring protection[online], 3GPP TSG-RAN WG3#71 R3-110733,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_71/Docs/R3-110733.zip>,2011年 2月28日
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,ABS status reporting in Rel-10[online], 3GPP TSG-RAN WG3#71 R3-110850,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_Iu/TSGR3_71/Docs/R3-110850.zip>,2011年 2月28日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
少なくとも1つのプロセッサと、
命令プログラムと、
を備える、ネットワークノードである装置であって、
前記命令プログラムは、前記メモリ及び前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、少なくとも、
ネットワークの1つ又はそれ以上のノードに影響を与える負荷に関する負荷指標情報を監視する(202)段階であって、前記負荷指標情報は、少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷状況に関し、前記負荷指標情報は比例公平性指標に関連するものである段階と、
オールモストブランクサブフレーム比率を、前記負荷指標情報に基づく更新された比率を作成するように更新する(206)段階であって、前記更新されたオールモストブランクサブフレーム比率は、前記装置によって監視される負荷指標情報に基づくものであり、前記負荷指標情報は前記少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷条件に関連するものであり、前記比例公平性指標は、前記他のネットワークノードの隣接セルがオールモストブランクサブフレームを用いる所定の間隔、及び前記他のネットワークノードの隣接セルがオールモストブランクサブフレームを用いない所定の間隔のうちの少なくとも一方にわたって平均化されるものである段階と、
を含む措置を実施するように前記装置を構成するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記負荷指標情報は、分散型シグナリング及び中央集中シグナリングのうちの少なくとも一方を用いて前記少なくとも1つの他のネットワークノードと共有される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記オールモストブランクサブフレーム比率を更新する段階は、
前記少なくとも1つの他のネットワークノードの第1のサブセットに関係する負荷指標の第1の和を計算する段階であって、前記少なくとも1つの他のネットワークノードの前記第1のサブセット内のネットワークノードに関係する負荷指標が、所定の間隔にわたる比例公平性指標であり、前記少なくとも1つの他のネットワークノードの前記第1のサブセット内の前記ネットワークノードの少なくとも1つの隣接セルがオールモストブランクサブフレームを用いる段階と、
前記少なくとも1つの他のネットワークノードのうちの1つ又はそれ以上の前記第1のサブセットに関係する負荷指標の第2の和を計算する段階であって、前記少なくとも1つの他のネットワークノードの前記第1のサブセット内のネットワークノードに関係する負荷指標が、所定の間隔にわたる比例公平性指標であり、前記少なくとも1つの他のネットワークノードの前記第1のサブセット内の前記ネットワークノードの隣接セルがオールモストブランクサブフレームを用いない段階と、
前記少なくとも1つの他のネットワークノードのうちの1つ又はそれ以上の第2のサブセットに関係する負荷指標の第3の和を計算する段階であって、前記少なくとも1つの他のネットワークノードの前記第2のサブセット内のネットワークノードに関係する負荷指標が、所定の間隔にわたって平均化された比例公平性指標であり、前記少なくとも1つの他のネットワークノードの前記第2のサブセット内の前記ネットワークノードがオールモストブランクサブフレームを用いない段階と、
更新されたオールモストブランクサブフレーム比率を、前記第1の和、前記第2の和、及び前記第3の和の関数として決定する段階と、
を含む、請求項1から2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記更新されたオールモストブランクサブフレーム比率を、第1の和、第2の和、及び第3の和の関数として決定する段階は、
前記第1の和と前記第2の和と前記第3の和との重み付き合計に対する前記第1の和の比を決定する段階と、
前記比と、前記オールモストブランクサブフレーム比率の現在値とに基づいてステップサイズを決定する段階と、
前記更新されたオールモストブランクサブフレーム比率を、前記オールモストブランクサブフレーム比率の前記現在値と前記ステップサイズとの和として決定する段階と、
を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記措置は、前記更新された比率に基づいて更新されたオールモストブランクサブフレームパターンを生成する段階を更に含み、前記装置はネットワークのノードであり、前記措置は、前記ネットワークの他のノードに、前記更新された比率及び更新されたオールモストブランクサブフレームパターンのうちの1つ又はそれ以上を通知する段階を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記更新されたパターンの選択は、共通最小サブセットを含むサブフレームセットをオールモストブランクサブフレームとして指定する段階と、前記共通最小サブセットを、前記オールモストブランクサブフレームの内部のチャネル品質を表すために測定を行う際の測定制限サブセットの一部として用いられるように、少なくとも1つのユーザデバイスに提供する段階とを含む、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記更新されたパターンの前記選択は、非オールモストブランクサブフレーム共通最小サブセットを含むサブフレームセットを非オールモストブランクサブフレームとして指定する段階を含み、前記措置は、前記非オールモストブランクサブフレーム共通最小サブセットを少なくとも1つのユーザデバイスに提供する段階を更に含み、前記非オールモストブランクサブフレーム共通最小サブセットを少なくとも1つのデバイスに提供する段階は、前記非オールモストブランクサブフレーム共通最小サブセットを、少なくとも1つのセルに関するチャネル品質を表すために測定を行う際の測定制限サブセットの一部として用いられるように、前記少なくとも1つのユーザデバイスを構成する段階を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置はネットワークノードであり、前記オールモストブランクサブフレーム比率を更新する段階は、前記オールモストブランクサブフレーム比率を反復的に更新する段階と、前記負荷指標情報を検査する段階とを含み、前記オールモストブランクサブフレーム比率を反復的に更新する段階は、ユーザデバイスを少なくとも第1のネットワークノードと少なくとも第2のネットワークノードとの間で配分するように負荷バランス調整を実施する段階を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記シグナリングは、3GPP X2メッセージの使用を含み、前記シグナリングは、複合残余容量情報要素の使用を更に含む、請求項2に記載の装置
【請求項10】
ネットワークの1つ又はそれ以上のノードに影響を与える負荷に関する負荷指標情報を監視する(202)段階であって、前記負荷指標情報は、少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷状況に関し、前記負荷指標情報は比例公平性指標に関連するものである段階と、
オールモストブランクサブフレーム比率を、前記負荷指標情報に基づいて更新された比率を作成するように更新する(206)段階であって、前記オールモストブランクサブフレーム比率は、装置によって監視される負荷指標情報に基づくものであり、前記負荷指標情報は前記少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷条件に関連するものであり、前記比例公平性指標は、前記他のネットワークノードの隣接セルがオールモストブランクサブフレームを用いる所定の間隔、及び前記他のネットワークノードの隣接セルがオールモストブランクサブフレームを用いない所定の間隔のうちの少なくとも一方にわたって平均化されるものである段階と、
を少なくとも含む措置を実行するよう装置を制御するように少なくとも1つのプロセッサを構成する段階であって、前記負荷指標情報は比例公平性指標に関するものである段階と、を含む方法。
【請求項11】
前記装置はネットワークノードであり、前記負荷指標情報は、少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷条件に関し、前記更新されたオールモストブランクサブフレーム比率は、前記装置によって監視される負荷指標情報と、該少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷条件に関連する負荷指標情報に基づく、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記負荷指標情報は、分散型シグナリング及び中央集中型シグナリングのうちの少なくとも一方を用いて少なくとも1つの他のネットワークノードと共有される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
命令プログラムを記憶するコンピュータ可読媒体であって、プロセッサによる該命令の実行により、
ネットワークの1つ又はそれ以上のノードに影響を与える負荷に関する負荷指標情報を監視する(202)段階であって、前記負荷指標情報は、少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷状況に関し、前記負荷指標情報は比例公平性指標に関連するものである段階と、
オールモストブランクサブフレーム比率を、前記負荷指標情報に基づいて更新された比率を作成するように更新する(206)段階であって、前記更新されたオールモストブランクサブフレーム比率は、装置によって監視される負荷指標情報に基づくものであり、前記負荷指標情報は前記少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷条件に関連するものであり、前記比例公平性指標は、前記他のネットワークノードの隣接セルがオールモストブランクサブフレームを用いる所定の間隔、及び前記他のネットワークノードの隣接セルがオールモストブランクサブフレームを用いない所定の間隔のうちの少なくとも一方にわたって平均化されるものである段階と、
を少なくとも含む措置を実行するよう前記装置を構成するようになっている、コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記装置はネットワークノードであり、前記負荷指標情報は、少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷条件に関し、前記更新されたオールモストブランクサブフレーム比率は、前記装置によって監視される負荷指標情報と、前記少なくとも1つの他のネットワークノードが受ける負荷条件に関連する負荷指標情報とに基づく、請求項13に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に無線通信に関する。より具体的には、本発明は、セル間の干渉及び負荷の管理のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワーク事業者が直面する最も大きな問題のうちの1つは、様々な要求を有する多数の利用者に、これらの利用者にとって利用可能なインフラストラクチャを用いてサービスを提供する必要がある点である。数多くの要件が、特定のリソースセットによってサービス提供を受けることができる利用者数に影響を与え、絶え間ない努力が効率の改善に向けられている。効率を最大限に高める上での1つの重要な要件は、セル間の負荷の配分である。負荷の配分における1つの重要な機構は干渉管理である。
【0003】
適正な干渉管理を必要とする1つの重要な種類のセル組み合わせは、マクロセルとピコセル等の不均一なセルの組み合わせである。幾つかのピコセルはマクロセルの境界内部で動作する場合があり、マクロeNB及びピコeNB等のマクロ基地局とピコ基地局との近位性は、適切な干渉管理を必要とする。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS 36.420−Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)(E−UTRAN);X2 general aspects and principles(X2の一般的な態様及び原理)
【非特許文献2】3GPP TS 36.421−Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)(E−UTRAN);X2 layer 1(X2レイヤ1)
【非特許文献3】3GPP TS 36.422−Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)(E−UTRAN);X2 signaling(X2シグナリング)
【非特許文献4】3GPP TS 36.423 − Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)(E−UTRAN);X2 application protocol(X2アプリケーションプロトコル)(X2AP)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によると、装置は、メモリと、少なくとも1つのプロセッサと、命令プログラムとを備え、該命令プログラムは、メモリ及び少なくとも1つのプロセッサを用いて、少なくとも、ネットワークの1つ又はそれ以上のノードに影響を与える負荷に関する負荷指標情報を監視する段階と、負荷情報に基づいてオールモストブランクサブフレーム比率を更新する段階と、更新されたオールモストブランクサブフレーム比率に基づいて負荷指標計算をスケジューリングする段階とを含む措置を実施するように装置を構成するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態によるネットワーク構成を示す。
図2】本発明の実施形態によるプロセスを示す。
図3】本発明の実施形態によるプロセスを示す。
図4】本発明の実施形態によるプロセスを示す。
図5】本発明の実施形態によるネットワーク構成を示す。
図6】本発明の実施形態による基地局、ユーザ機器、及び中央サーバの詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の様々な実施形態は、多くの場合にマクロセルとピコセルとが同じ地域内で動作し、従って1つのセルによってもう1つのセルに対して引き起こされる干渉が、ある特定の時点で意図的に低減される機構が実装されていることを認識する。1つのかかる機構は、3GPPリリース10に説明されている時分割高度セル間干渉調整(TDM−eICIC、さもなければeICIC又は「Enhanced Inter−Cell Interference Coordination(高度セル間干渉調整)」として公知)である。この方式では、マクロこのセル、すなわちマクロeNodeB(eNB又は基地局としても公知)が、ピコセルによる広範囲拡張の使用を可能にするために、オールモストブランクサブフレーム(ABS)を用いる。かかる範囲拡張は、マクロセル内のUEを低負荷のピコセルに負荷分散する能力を高める。すなわち、通常、ピコ内でUEが受ける条件が、マクロセルからピコセルへのUEのハンドオーバを保証するには貧弱過ぎる場合であっても、ABSの使用は、UEが十分に良好な条件を一時的に受けることを可能にし、結果的にかかるハンドオーバを実施可能にする。このような場合及び他の場合において、ハンドオーバ動作から得られる主な利点は負荷管理である。単純に、ハンドオーバが実施されなければサービスが受け入れ不能となる場合にハンドオーバを実施するのではなく、多くの場合、余剰容量を有する別のセルにUEを引き渡すことで1つのセル上の負荷を軽減することによって全体のスループットを高めるためにハンドオーバを実施することができる。本発明の実施形態は、マクロセルとピコセルとの間の負荷管理を管理するように特に適応された機構が存在することを認識する。更に本発明の実施形態は、スケジューリングが、各ネットワーク要素の間で負荷を割り振る1つの機構であることから、負荷管理をスケジューリングと連動させることによって重要な利点が得られることを認識する。従って本発明の実施形態は、比例公平性(PF)スケジューラ等のスケジューリング機構に関連する負荷推定値に基づいてハンドオーバ閾値を決定する。かかる決定は、ABSを伴うeICICの使用に向けた実施形態を含むことができる。かかる決定がなされると、1つのセルにおいてなされた負荷決定を、適切な機構を通じて隣接セルに伝送することができ、これらの機構のうちの1つは、3GPP X2メッセージにおける標準の情報要素(IE)の使用を含むことができる。Third Generation Partnership Project(第3世代共同プロジェクト)(3GPP)規格に定義されているX2インターフェース、例えば、3GPP TS 36.420−Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)(E−UTRAN);X2 general aspects and principles(X2の一般的な態様及び原理)、3GPP TS 36.421−Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)(E−UTRAN);X2 layer 1(X2レイヤ1)、3GPP TS 36.422−Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)(E−UTRAN);X2 signaling(X2シグナリング)、及び3GPP TS 36.423 − Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク)(E−UTRAN);X2 application protocol(X2アプリケーションプロトコル)(X2AP)を参照することができ、セル間で負荷情報を通信するために、かかるシグナリング機構を用いることができる。この場合、ハンドオーバ閾値を計算するために、決定及び負荷情報の交換を用いることができ、続いてこの閾値を、セルによるサービス提供を受けているUE及び隣接するセルにサービスを提供している隣接eNBでの使用のために分配することができる。
【0008】
ABSを用いるTDM−eICICにおいて、マクロeNB上での容量の過度の犠牲を回避し、それと同時にピコeNBに対する干渉を最小限に抑えるためには、マクロセルによって用いられるABSサブフレームの比率が重要である。ABS比又はABS分率としても公知のABSサブフレームの比率は、ピコeNBに対する干渉を最小限に抑えるためにマクロeNBがオールモストブランクサブフレームを採用するサブフレームの分率を表す。ABS比率は、複数のeNBにおいて実質的に同じものとすること、又は異なるeNBにおいて異なるものとすることができる。meNBによって採用されるABS比率は、一般的に、マクロeNBからの干渉を被るピコeNBに通知される。それに加えて、ピコセル内のUEは、ABS部分(干渉を低減するためにマクロeNBがオールモストブランクサブフレームを用いる)の内部と非ABS部分(マクロeNBがオールモストブランクサブフレームを用いない)とで異なる干渉条件を受ける可能性があることから、ピコセルUEは、ABS部分と非ABS部分とで別個に内部のチャネル及び干渉条件を表すために、補足的なフィードバックをピコeNBに供給することができる。かかるフィードバックは、UEのサービス提供セル又は隣接セルに対するUEの観測チャネル及び干渉条件を表すことができる。3GPPリリース10仕様によると、UEが隣接セルを、指定又は制限されたサブフレームセットにおいてのみ測定することになるように、UEが所与の隣接セルに対して行うべき測定に対して1つの「測定制限サブセット」を構成することができる。ここで、UEが隣接ピコセルから測定値を取得するように構成されることになると仮定する。UEは、隣接ピコセルを、ピコセルのABS部分の内部においてのみ測定するように構成することができる。それとは逆に、UEが、隣接するマクロセルに対して測定を行うように構成されることになる場合には、UEは、隣接するマクロセルがABSを採用しないサブフレームのみにこの測定を制限するように構成することができる。UEが、それ自体のサービス提供セル(隣接セルではなく)に対して行うことになる測定では、3GPPリリース10仕様は、2つの測定制限サブセットを構成することを可能にする。すなわち、UEは、指定されたサブフレームセットにおいてUEが受けるチャネル品質に各々が相応する2つの別個の測定セットを作るように構成することができる。ピコセルに接続されたUEが、それ自体のサービス提供ピコセルに対して行うことになる測定では、これらの2つの測定制限サブセットは、一般的に、一方の測定制限セットが、ピコセルのABS部分のサブセットであり、それに対して第2の測定制限セットが、ピコセルの非ABS部分のサブセットであるように構成されることになる。
【0009】
ピコeNBのスケジューラは、ABS部分又は非ABS部分のどちらの内部でUEに配分を与えるかを決定する上でかかるフィードバックを利用することができる。セル内のチャネル状態、干渉情報、並びにUEの分散及び個数に依存して、幾つかのUEは、ほとんどABS部分の内部で配分を受けることができ、その他のUEは、ほとんど非ABS部分の内部で配分を受けることができる。本発明の実施形態によるシステム及び方法は、マクロセルとピコセルとの間で負荷のバランスを調整するようにABSサブフレームの適応を調整する。「負荷」のアイデアは、スケジューラの挙動、すなわち、ユーザ機器(UE)等の異なるユーザデバイスへのリソースの配分管理と関連する。従って、本発明の実施形態によるシステム及び方法は、UEによって与えられるチャネル状態フィードバックとABSの使用とを考慮して、マクロセル及びピコセル内のUEへのリソース配分を管理するスケジューリングと整合するように、ABSサブフレームの比率を管理すること、及びハンドオーバに対する閾値を負荷に基づいて適応させる方法と連係して動作することもできる。
【0010】
ABSサブフレームの比率を適応させることとともに、本発明のシステム及び方法は、ブランクサブフレームの特定のパターンも提供する。従って本発明の実施形態は、
ABSサブフレームの比率を維持及び更新する段階と、
マクロeNB及びピコeNBによって表すことができるネットワークノードの間のようにネットワーク要素の間で比例公平性に基づく負荷指標を交換するために、中央集中型シグナリング又は分散型シグナリングのうちの1つ又はそれ以上を含むことができる信号伝送を行う段階と、
更新されたABSパターンをネットワークノードに通知する段階と、
を含む措置を実施する。
【0011】
ABS比率の適応は、分散方式で実施する、或いは中央集中型コントローラ又は中央集中型サーバにおいて実施することができる。
【0012】
負荷指標は、好適には、スケジューリング対象のUEの長期平均を与えるPF指標とすることができる。この指標は、異なるサービス品質(QoS)要件に関連する異なるベアラのサービス品質クラス識別子(QCI)に対する重みを含む重み付きPF指標とすること、又はそれを組み込むことができる。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に従って好適に動作するネットワーク100を示す。ネットワーク100は、マクロeNB102A及び102Bに接続された中央集中サーバ101を好適に含む。ネットワーク100は、マクロeNB102Aの近位で動作するピコeNB104A及び104B、並びにマクロeNB102Bの近位で動作するピコeNB106A及び106Bも含む。また、中央集中サーバ101はピコeNBに接続される。マクロeNB102A及び102Bは、X2接続を通じて相互に接続され、ピコeNBは、X2接続を通じてそれらのマクロeNBに接続される。ネットワーク100は、様々なeNBの周囲に分散され、異なる時点でeNBの様々なものに接続されるUE110A〜110Eを更に含む。
【0014】
ネットワーク100は、ゾーンコントローラ112と、ピコゾーンアクセスポイント(AP)114及び116とを含む。ゾーンコントローラの目的は、ピコゾーンアクセスポイントに対する局所制御及び管理機能を提供することとすることができる。ゾーンコントローラ112は、コントローラの下にある全てのAPにおける指標を収集することができ、次に、全ての個別AP指標又はAP指標のサブセットのどちらかを隣接するマクロ又は中央集中サーバに報告すること、或いはピコの集合体を表す統合指標を報告することができる。AP指標のサブセットを選択する際に、コントローラは、ピコ集合体のトポロジーの把握内容を用いることができる。例えば、セルの集合体が「内部セル」と「周辺セル」とからなる場合、マクロからのUEは、内部セルではなく、まず周辺セルのうちの1つにハンドオーバされる可能性が高くなる。この場合、ゾーンコントローラは、ピコ集合体内の周辺セルにおける指標のみをマクロeNB又は中央集中コントローラに報告することができる。
【0015】
本発明の実施形態は、以下に説明するように、比例公平性スケジューリングに基づいて負荷指標を計算し、次にこの負荷指標を用いてハンドオーバ閾値を決定することができる。
【0016】
図2は、本発明の実施形態によるABS比率管理のプロセス200を示す。ABS比率管理は、マクロノードとそれに隣接するピコノードとの間等のネットワークノードの間で配分すべきABSサブフレームの比率を好適に決定することができる。かかるABS比率管理は、ネットワークノードにおけるABSサブフレームに関する比率情報を更新する段階と、比例公平性に好適に基づく負荷指標とすることができる負荷指標を交換するために信号伝送を行う段階と、他のネットワークノードに更新されたABSパターンを通知する段階とを好適に含む。本発明の様々な実施形態によるABS比率の適応は、分散方式で実施すること、或いは中央集中コントローラ又は中央集中サーバにおいて実施することができる。
【0017】
段階202において、無線ネットワークのセルに関する負荷情報を監視する。監視は、eNBによって行うことができ、eNBによる測定結果、或いはeNBに報告されているUE又は他のデバイスによる測定結果を含むことができる。負荷情報は、1つ又はそれ以上の負荷指標を含むこと、又はこれらの負荷指標を計算するために用いることができる。1つ又は複数の負荷指標は、スケジューリングされたUEの重み付き比例公平性指標とすることができ、これらの指標は、適切な時間スケールにわたる長期平均を好適に含む。負荷に対して、異なるベアラのQCIに対して適切に選択された重みを用いる等、適切な重み付けを用いることができる。
【0018】
負荷情報は、幾つかのセルに関して、eNBによって、又はセル内でサービスを提供するか又は動作するデバイスによって監視することができる。段階204では、負荷情報を、隣り合うeNBの間、又はeNBと中央集中サーバとの間で交換することができる。交換は、例えば、隣接eNBへのX2接続を介して、負荷状況を示すように設計された情報要素(IE)等の適切な指示を用いて行うことができる。負荷指標は、例えば、3GPP規格に説明されているX2 Resource Status Update(X2リソース状況更新)メッセージに記載されている「複合残余容量」IEを通じて伝送することができる。このIEは、セル内の「残余容量」を表す0と100との間の整数として定義されており、セルにハンドオーバされる新しいユーザが受けることができるリソースの分率として解釈することができる。様々な実施形態は、セル内の負荷を残余容量のパーセンテージとして等価的に表すことによって、少なくとも部分的にPF指標に基づいて負荷を表すことができる。一般的にセル内の負荷指標が上昇するにつれて、残余容量のパーセンテージは低下する。
【0019】
段階206では、更新されたABS比率が、PF指標に基づく負荷に基づいて好適に決定される。ABS適応は、a≦f(a;va;vna;vM)である場合に新しいABS値anew=a+Δaを設定し、その他の場合にanew=a−Δaを設定するルールに従うことによって好適に行うことができ、この式において用いられる項は以下のとおりである。
a=ABS比率の現在値である。
M(m)=マクロセルmにおける負荷(PF)指標であり、マクロセルインデックスmは、1からMまでの値をとることができる。マクロセルは、ABSサブフレーム内では実質的にいかなるリソースも配分しないことから、一般的にvM(m)は、マクロセルの非ABSサブフレーム内でマクロセルが受ける負荷を表す。
a(p)=ピコセルpのABS部分内の負荷(PF)指標であり、ピコセルインデックスpは、1からPまでの値をとることができる。
na(p)=ピコセルpの非ABS部分内の負荷(PF)指標であり、ピコセルインデックスpは、1からPまでの値をとることができる。
f(a;va;vna;vM)は、ABSサブフレームの望ましい目標比率を、ABS比率の現在値aと、前述の様々な負荷(PF)指標との関数として表す関数である。
【0020】
この点に関する考察結果は、一般的にピコセルのABS部分内の負荷(PF)指標vaを、ピコセルの非ABS部分内の負荷(PF)指標vnaとは異なるものとすることができる点である。この特性は、UEが過度に貧弱な性能を受けないように、公平性要件を用いて、UEを良好なチャネル条件でスケジューリングすることによって得ることができるスペクトル効率の妥協点を求めようと試みる、PFスケジューラ等のスケジューラに固有の特性である。前述のように、チャネル状態及びUEから受け取る干渉フィードバックと、セル内のUEの分散及び数とに依存して、幾つかのUEは、ほとんどABS部分の内部で配分を受けることができ、その他のUEは、ほとんど非ABS部分の内部で配分を受けることができる。例えば、ピコセルのABS部分内の負荷(PF)指標vaは、ピコセル内で実質的にABSサブフレームの内部で配分を受けるユーザの数に比例するものとすることができ、ピコセルの非ABS部分内の負荷(PF)指標vnaは、ピコセル内で実質的に非ABSサブフレームの内部で配分を受けるユーザの数に比例するものとすることができる。更に、ピコセルのABS部分内の負荷(PF)指標vaは、ABSサブフレームの比率に反比例するものとすることができ、それに対してピコセルの非ABS部分内の負荷(PF)指標vnaは、1からABSサブフレームの比率を引いたものに反比例するものとすることができる。従って、vaとvnaとの相対値は、一般的にピコセルの内部のUEのチャネル条件の分散と、ピコセルが受けるABS比率とに依存することになる。
【0021】
関数f()は、ABS比率の現在値aを理想的に適応させる必要がある目標値を示す。しかしながら、セルラーシステムの複雑な動的性質を考えると、ABS比率を理想的に所望の値に直接適応させるのは望ましくない可能性がある。その代わりに、多くの場合、現在値を小さなステップで増分又は減分するのがより有益である。従って、目標値が現在値よりも大きい場合には、現在値をステップサイズだけ増大させる必要があり、その他の場合には減少させる必要がある。ステップサイズΔaは、システムの安定性を保証する、例えば適応がシステムに所期の目標値をオーバーシュートさせないことを保証するように選ぶことができる。1つの実施形態ではΔaは一定とすることができ、他の実施形態では可変とすることができる。例えば、Δaは、関数f()によって決定される所望の目標値と現在値aとの間の差分に依存するものとすることができる。他の実施形態では、現在値を正の方向に適応させる場合に用いる必要があるステップサイズは、現在値を負の方向に適応させる場合に用いられるステップサイズとは異なるものとすることができる。
【0022】
関数f()は、好ましくは、所定のピコセルpのABS部分内の負荷指標va(p)の増加関数とすることができる。関数f()は、好ましくは、所定のピコセルpの非ABS部分内の負荷指標vna(p)の減少関数とすることができ、それに加えて所定のマクロセルmの非ABS部分内の負荷vM(m)の減少関数とすることができる。
【0023】
関数f()の特定の形式は以下のとおりである。
【0024】
1つの実施形態では、a×va(p)という量は、ピコセルpのABS部分の内部で配分の大部分を受けるUEの数の尺度であり、それに対して(1−a)×vna(p)という量は、ピコセルpの非ABS部分の内部で配分の大部分を受けるUEの数の尺度であり、(1−a)×vM(p)という量は、マクロセルM内で配分を受けるUEの数の尺度である。1つの実施形態では、関数fは、システム内でピコセルに接続され、接続されたピコセルのABS部分の内部で配分の大部分を受けるUEの、システム内のUEの総数に対する分率を表すことができる。
【0025】
段階208では、ABS比率を更新する段階を受けて、1つ又はそれ以上の選択されたマクロ及びピコのセル又はeNBが、他のマクロeNB又はピコeNBか、或いは中央集中サーバかのいずれかによって、X2接続を好適に用いて更新された比率の通知を受ける。一般的に、これらは、更新された比率に相応するABSパターンを適用することになるマクロeNB、及びこれらのマクロeNBによる干渉を受けるピコUEのいずれかになる。更にこの更新に起因して、ABS比率が更新されるセル内のUEセットに通知を行うこともできる。通知は、RRC再構成等の既存のシグナリング機構を用いて行うことができる。一般的にこの通知の目的は、UEが、ABS部分の内部のチャネル及び干渉条件に相応する測定結果を、非ABS部分の内部の条件とは別個に好適に可能にすることができるように、前述の測定制限サブセットを更新するようにUEに知らせることである。隣接するeNBから受信される信号品質に関してUEが行う測定結果に対して同様の測定制限サブセットを提供することができる。段階210では、様々なeNBが、更新されたABS情報の把握内容を、スケジューリング及びリソース配分動作において、更に負荷指標計算において用いる。
【0026】
図3には、本発明の実施形態によるABS最適化の詳細を示すプロセスフロー300が示されている。数学的には、「最適」ABS比率を求めるという問題は、効用最大化問題として提起することができる。好適には、ABS比は、マクロセル及びピコセルへのユーザの所定の関連付けに関して、マクロセル及びピコセルを含む全てのセル内のユーザの効用の和に基づくものとすることができるグローバルユーティリティを最大化するように設定される。マクロセル及びピコセルへのユーザの所定の関連付けにおいて、ABS比率aの最適値について解を求めることができる。上記に提示した式f()は、効用関数が対数関数log()である場合に最適解に対応する。実質的に任意の適切な効用関数を採用することができ、それに応じて式f()を修正することができる。一般的に、かかる効用関数の最適値を得るために、各セルは、比例公平性スケジューラを実装する。従って、ABS比率のこの最適値は、ABS部分及び非ABS部分の内部の指標を含む(ピコセルの場合)、様々なセル内での負荷(PF)指標の所定の分散に対する最適値に対応する。プロセス300は、大域最適条件に近づくために、ABS比率の適応を適切な負荷バランス調整機構と好適に反復的に組み合わせる。
【0027】
段階302において、ABS比が選択される。
【0028】
段階304では、セルへのUEの配分が、例えば負荷バランス調整を実施することによって決定される。負荷バランス調整は、ハンドオーバ閾値を修正することによって好適に行うことができる。このことは、更新されたABS比に対応する観測負荷に基づくハンドオーバに関する閾値の修正を含み、修正されたハンドオーバ閾値に基づく1つのセルから別のセルへのUEのハンドオーバを生じることになる。
【0029】
段階306では、負荷指標情報が監視され、ABS適応に向けてセル間で交換され、段階308において、ユーザへのセルの現在の割り当てに対して最適なABSが決定される。このプロセスは、所定回数の反復、所定の目標を達成すること、又は改善率の衰えに到達すること等の停止基準が満たされるまで、セルの割り当て及びABS比率を調節しながら反復的に繰り返される。
【0030】
1つの実施形態では、負荷バランス調整プロセスとABS適応プロセスとは、図4に示すように、異なる時間スケールにおける2つのループとして反復的に実行することができる。負荷バランス調整プロセスは、セル間で負荷を均等に分散させるために、負荷情報を好適に組み込むことによって、セル間のハンドオーバ閾値を適切に修正することができる。eICIC及びABSを用いるピコセルとの関連において、ハンドオーバ閾値の修正は、範囲拡張としても公知である。従って、負荷バランス調整プロセスは、様々なセル内の負荷を算入しながら適応的に範囲拡張値を決定することができる。段階402における負荷バランス調整プロセスは、高速時間スケールのインナーループとして実行することができ、それに対して段階404におけるABS適応プロセスは、低速時間スケールのアウターループとして実行することができる。負荷バランス調整プロセス402は、ABS適応プロセス404によって設定されるABS比率の現在値に最適に対応して様々なセル内の負荷分散をバランス調整するためにハンドオーバ閾値を適応させようと試みることになる。低速時間スケールでは、アウターループABS適応プロセス404は、ABS比率及びパターンを更新することになり、インナーループ402は、更新されたABS比率及びパターンに最適に対応するようにハンドオーバ閾値を修正しようと試みることになる。段階406は、スケジューリング、リソース配分、及び負荷の測定の動作に対応し、負荷バランス調整プロセス402及びABS適応プロセス404によって適応されるハンドオーバ閾値を与える。
【0031】
ここで図1の構成に戻ると、中央集中サーバ101は、ABSパターンの適応を調整することができる。マクロeNB及びピコeNBは、負荷指標をサーバ101に伝送することができる。ピコセルは、負荷指標をサーバ101に直接伝送すること、又は指標をX2シグナリングによってマクロセルに伝送することができ、マクロセルは、ピコセルから受信した情報をサーバ101に中継伝送することができる。本発明の1つの実施形態では、各ピコは、1つがピコのABS部分内の負荷(PF)指標(va)を表し、1つがピコの非ABS部分内の負荷(PF)指標(vna)を表す2つの指標を伝送する。マクロeNBは、その負荷(PF)指標vMに対する値を供給する。中央集中サーバ101は、更新されたABS比率を決定し、適切なABSパターンを選択し、次にこのパターンは、マクロeNBに伝送される。サーバ101は、ピコeNBと直接通信を行うことができ、又はサーバ101は、パターンをマクロeNBに通信することができ、各マクロeNBが、その近位で動作しているピコeNBにこのパターンを伝送することができる。更新されたABS比率パターンの決定は、単一のマクロセル及びこの単一のマクロに隣接するピコセルに関して、又はマクロセル群及びこのマクロセル群内のいずれかのマクロセルに隣接するピコセルに関して中央集中サーバによって実行することができる。
【0032】
図示の特定の構成では、アクセスポイントセットに対して局所的な制御及び管理機能を提供するゾーンコントローラ112は、コントローラ112と関連するアクセスポイント(AP)114及び116の全てに対する指標を収集することができる。次に、コントローラ112は、個々のAP指標の全てをサーバ101に報告すること、又はAP指標のサブセットを報告すること、或いはピコセルの集合体を表す統合指標を報告することができる。幾つかの実施形態では、ゾーンコントローラは、それによって制御されるピコアクセスポイントに隣接するマクロeNBに指標を報告することができる。負荷指標を交換し、更新されたABSパターンをeNBに知らせるためのプロトコルは、3GPP X2 IEの使用を含むことができる。3GPP X2規格に準拠しないが、実質的に同様の情報を表す別の機構を用いることもできる。マクロeNB及びピコeNBは、ハンドオーバ閾値をABSパターンとともに調節するために、負荷バランス調整計算を実施することができる。
【0033】
図5は、本発明の実施形態による別の構成500を示す。この別の構成では、中央サーバ101は存在せず、図1に例示する残りの要素を示している。この構成では、マクロeNB及びピコeNBは、これらのeNB自体の間で負荷指標を交換する。1つの例示的な実施形態では、各マクロeNBは、ABS比率決定及びパターン選択に関して、隣接マクロ測定結果及びピコ測定結果を考慮して、自身の局所判定を行う。ABS決定及びパターン選択は、ネットワーク全体ではなく、セルの「局所セット」の内部で適用されることになる。1つの実施形態では、判定を行う際にマクロeNBが考慮する局所セルセットを、このeNBと、このマクロセルに隣接するピコセルとを含むマクロセルに制限することができる。他の実施形態では、判定を行う際にマクロeNBが考慮する局所セットは、隣接するマクロセルも含むことができる。また、他の実施形態では、ピコeNBは、ABS比率の決定及びパターン選択に参加することができる。情報は、例えば、「複合残余容量」IE等の3GPP X2 IEを用いて交換することができる。幾つかの実施形態では、様々なネットワーク要素は、これらの要素の独自の特定の専用解釈を用いてIEを解釈するように構成することができる。ピコeNBが複数の隣接するマクロセルを有する幾つかの実施形態では、ピコeNBは、一般的に互いに整合していない場合がある複数の隣接するマクロeNBによって別個に決定されたABSパターンを受信することができる。この場合、ピコセルは、ABSとして用いる適切なセットを、このピコセルの最も強度の高い隣接eNBのABSパターンを選ぶ、又は異なる隣接eNBによって提案されるABSパターンの共通サブセットを選ぶ等、異なるマクロ隣接eNBにおいて適用されるABSパターンに基づいて選択することができる。次に、ピコeNBは、それ自体が適用するABSパターンをマクロ隣接eNBに知らせることができる。次に、この各マクロeNBは、それ自体の更新されたABS比率及びパターンを決定する際にこの情報を考慮することができる。更にピコeNBは、ABS比率及びパターンを更新するために用いることもできる、採用されたABSパターンの有効性に関する追加情報を伝送することができる。例えば、この情報は、ABSからの干渉からの保護に値するUE比率に対するABSパターン内のリソースを表すパーセンテージ値から成ることができる。1つのかかる情報要素は、3GPP規格X2インターフェース内でDownlink ABS Status Information Element(ダウンリンクABS状況情報要素)(IE)として表わされる。1つの実施形態は、現在のABS比率の比を、実質的にABSの内部で現在配分を受けているUEの一部分にパーセンテージとして伝送する。かかる情報をよって、ピコのABS部分内の負荷(PF)指標に対するピコの非ABS部分内の負荷(PF)指標の比を推測し、更新されたABS比率を決定するために用いることができる。
【0034】
別の例示的な実施形態では、マクロeNBは、自身の隣接ピコeNBの指標並びにマクロ負荷情報をカプセル化する隣接マクロeNBと、修正されたメッセージとを交換することができる。この交換は、好適にはX2+と呼ばれるX2インターフェースの拡張として好適に実装することができ、例えば、新しい情報要素、又はX2インターフェースによって用いられるものから何らかの方法で修正された情報要素を用いることができる。修正されたメッセージの使用は、いずれかの単一のマクロeNBの局所区域を超えたマクロeNBセットに適用可能な共通ABS比率を容易にすることに向けられている。
【0035】
コントローラ112等のゾーンコントローラを用いる別のアーキテクチャが採用される場合には、ゾーンコントローラは、このコントローラの下にある全てのAPに対する指標を好適に収集することができる。次に、コントローラは、全ての個別指標又はAP指標のサブセットを、隣接するマクロeNBに報告することができ、或いは代替的に、ピコeNBの集合体を表す統合指標を報告することができる。
【0036】
ABS比率が決定されると、パターン内のミュート/ブランクサブフレーム比率が所望の比率となるように、ミュートすべきサブフレームの指定パターンを選択する必要がある。前述のように、UEは、ABSサブフレーム内のチャネル品質を表すためにある特定のサブフレームに制限されたサービス提供eNBに対する測定と、非ABSサブフレーム内のチャネル品質を表すために他のサブフレームに制限された測定とを行うことができることから、更新されたパターンを、更新された測定制限サブセットの形態でUEに信号伝送する必要がある。処理及び信号伝送の容量制限に起因して、全てのUEを一斉に信号伝送することはできない場合がある。従って、更新されたパターン内でABSサブフレームとして指定されるサブフレームセットが、前回適用されたパターン内でABSサブフレームとして指定されたサブフレームセットとができるだけ一致することが好ましい。不一致を最小に抑える1つの手法は、新しいABS比率が前回の比率よりも大きい場合、新しいABSパターンが、前回のパターンのスーパーセットであることを保証することである。それとは逆に、新しいABS比率が前回の比率よりも小さい場合、新しいABSパターンは、前回のパターンのサブセットである必要がある。
【0037】
UEは、予測パターンと真のパターンとの間で少数のサブフレームだけで不一致を生じるはずなので、このようなやり方を使用すると、UEのうちの幾つかに更新されたパターンを通知する際に遅延があった場合であっても、測定誤差に起因する性能劣化が重大なものにはならないことを保証するのに役立つ。
【0038】
図4に示す構成のような分散型の実施形態では、各マクロeNBは、その局所区域条件に基づいて、独自のABS比率を選ぶことができる。この理由から、隣接する2つのマクロeNBによって選ばれたABS比率の間には不一致が存在する可能性がある。UEは、ABS部分又は非ABS部分に制限された、隣接eNBに対する測定を行うことができることから、ABSパターンが変更された場合には、UEは、隣接測定に対するその測定制限サブセットを修正するように信号伝送によって通知を受ける必要がある。さもなければ、不一致による不正確な測定結果に起因して性能劣化が存在する場合がある。ここでもシグナリング負荷を最小限に抑えるために、必要とされるシグナリング量を低減することが望ましい。従って、隣接eNB内で用いられるABSサブフレームパターンの間の不一致を最小限に抑えることが有益である。
【0039】
隣接eNBの間のABSサブフレームセットの不一致、並びにABSパターンの更新前の前回のパターンと更新後の新しいパターンとの間の不一致のかかる最小化を実現するために、サブフレームをブランク化する「好ましい順序」を全てのeNBに予め割り当てることができる。マクロeNBがそのABS比率を高める必要がある場合には、マクロeNBは、追加のブランクサブフレームセットが、好ましいブランク化順序に従う新しいパターンを選ぶことになる。幾つかの実施形態では、好ましいブランク化順序は、ある一定の周期性に従って、アップリンク許可(一般的にPhysical Downlink Control Channel(物理的ダウンリンク制御チャネル)又はPDCCH送信として公知の)及びackメッセージ又はnackメッセージ(一般的にPhysical Hybrid ARQ Indication Channel(物理的Hybrid ARQ指示チャネル)又はPHICHとして公知)を与えるための順次多くなる制御チャネル送信インスタンスに対して干渉からの保護を与える段階に対応するものとすることができる。例示的な実施形態では、サブフレームをブランク化する好ましい順序は、第1のアップリンクHybrid ARQプロセス(8つのサブフレーム内に1つの周期性に対応する)、第1及び第2のアップリンクHybrid ARQプロセス(8つのサブフレーム内に2つの周期性に対応する)、第1及び第2の並びに第3のHybrid ARQプロセスを含む3つのHybrid ARQプロセス(8つのサブフレーム内に3つの周期性に対応する)、以降同様に続くプロセスに対するPDCCHアップリンク許可の可能性のある送信インスタンスを網羅するために順次追加されるブランクサブフレームからなるものとすることができる。幾つかの実施形態では、特定の好ましい順序を1つのセルセットに割り当て、異なる好ましい順序を異なるセルセットに割り当てることを好ましいものとすることができる。例えば、単一のマクロeNBが、異なる方向に向きが定められたセクターアンテナを採用することによって複数のセクターに対応することができるシステムでは、第1の好ましいブランク化順序を全ての隣接するeNBのセクター1に割り当て、第2の好ましいブランク化順序を全ての隣接するeNBのセクター2に割り当て、以降同様に続けることを好ましいものとすることができる。同じマクロeNBにあるが異なって向きが定められたセクターは、セクターの縁部の近くで互いに干渉する可能性があり、従って、各セクターに異なる好ましいブランク化順序を割り当てることによって、セクター間の干渉を軽減することも促進することができる。セクター間のかかる交互パターンの使用は、同じマクロeNBからの複数のセクターによって干渉を受けるピコeNBが存在しない場合に好ましいものとすることができ、そうでない場合にはあまり好ましくないものとすることができる。3セクターのeNBを有するシステムにおいて好ましいブランク化順序の例示的な割り当てでは、セクター1の好ましいブランク化順序は、Hybrid ARQ0、3、6、1、4、7、2、5を順次含める段階からなるものとすることができ、それに対してセクター2の好ましいブランク化順序は、Hybrid ARQ1、4、7、2、5、0、3、6を順次ブランク化する段階からなるものとすることができ、以降同様に続く。
【0040】
図1に示すような中央集中型の実施形態では、ABS比率の更新に従って、全てのeNBに同じABSパターンを適用することができる。もしくは、異なるパターンを異なるeNBに信号伝送することができるが、依然として前述の分散の場合におけるものと同様に、隣接eNBの間の不一致が最小限に抑えられる。この場合にも、ABSパターンを更新する際に好ましい順序を適用することができる。
【0041】
中央集中型構成と分散型構成との両方に適用することができる本発明の更なる実施形態によれば、ABSパターンは、静的部分と動的に適応される部分とからなるものとすることができる。静的部分は、各セルにおける特定のパターン指定等によって全てのセルに共通のものとなり、それに対して各セルは、ABSパターンの動的部分のみを適応さることができる。最終結果は、セルによって用いられるパターンが、静的部分と動的部分との和集合となるであろう。この正味のパターンは、前回のパターンのサブセット又はスーパーセットであるように好適に選択できるであろう。1つの実施形態では、ABSパターンの静的部分は、ABSパターンの共通最小サブセットを表す。それとは逆に、非ABSパターンの共通最小サブセットを示すこともできる。この場合、ABSサブセットが適応される際に非ABSサブセットが縮小又は拡大する場合であっても、ABS適応に関係なく常に非ABSのままである共通最小の非ABSサブフレームが依然として存在することができる。1つの実施形態では、共通最小ABSサブセットは、ABSに対応するチャネル状態測定を行う制限サブセットとしてピコ内のUEに提供することになり、共通最小非ABSサブセットは、非ABSに対応するチャネル状態測定を行う制限サブセットとしてピコ内のUEに提供されることになる。1つの実施形態では、共通最小ABSサブセットは、システム情報ブロック(SIB)メッセージ、又は最も弱いチャネル条件であってもUEに到達することが意図される他の同報通信メッセージ等の、特定の制御メッセージの送信に対する干渉からの保護を可能にするように選択することができる。共通最小ABSサブセットを超えてABSサブフレームセットを増やすことが望ましい場合、このABSサブフレームセットを、前述の好ましい順序に従って、例示的な実施形態では、順次多くなるアップリンクHybrid ARQに対するPDCCHアップリンク許可の送信インスタンスに対応してサブフレームを追加することによって増やすことができる。共通最小ABSサブセットが、一般的に固定の周期で発生するSIBメッセージ等の同報通信送信に対して保護を与えるように選ばれる場合、幾つかの実施形態は、マクロeNBとピコeNBとの間に時間オフセットを適用することができる。マクロのABSサブフレームがこのマクロ自体の同報通信メッセージ送信インスタンスと重畳する場合、マクロeNBは、それ自体の同報通信メッセージを送信することができない場合がある。適切な時間オフセット(一般的にサブフレームの整数倍)を適用することによって、マクロeNBは、それ自体の同報通信メッセージを送信すると同時に、さらにABSサブフレームを用いて、ピコの同報通信送信が発生する時点でピコeNB干渉保護を与えることが可能になる。それに加えて、マクロeNBは、サブフレームの小部分でしか発生しない特定の同報通信送信に対してピコeNB保護を与えるために、サブフレーム全体をオールモストブランク化するのではなく、部分ブランク化を用いることができる。かかる同報通信送信は、例えば、物理的同報通信チャネル(PBCH)、並びに1次及び2次の同期化信号(PSS、SSS)を含む。マクロeNBは、少数のリソース要素における送信を回避するだけでよく、ピコがかかる信号を送信することになる。付随的に、マクロeNBは、これらの信号に対応するリソース要素における送信を行わないことに起因して生じる損失を埋め合わせるために、これらのサブフレームの間の送信に対して、より控えめな変調及び符号化体系の選択を適用することができる。
【0042】
次に、eNB102A等のeNB、及びUE110A等のUE、並びに中央サーバ101の詳細の簡略ブロック図を示すための図6を参照されたい。
【0043】
eNB102Aは、双方向無線通信のための1つ又はそれ以上のアンテナ604Aに結合された適切な無線周波(RF)送信器及び受信器602Aを含む。eNB102Aは、更にデータプロセッサ(DP)610Aと、プログラム(PROG)608Aを記憶するメモリ(MEM)608Aとを含む。また、UE110Aは、送信器及び受信器602Bと、アンテナ604Bと、DP610Bと、PROG606Bを記憶するMEM608Bとを含む。中央サーバ101は、適切なDP620とMEM622とPROG624とを含む。
【0044】
PROG606A、606B、及び624のうちの少なくとも1つは、関連するDPによって実行された場合に、電子デバイスは、前述の本発明の例示的な実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むことが想定される。
【0045】
一般的に本発明の例示的な実施形態は、eNB102AのDP610A及び他のDPによって、又はハードウェアによって、或いはソフトウェア及び/又はファームウェアとハードウェアとの組み合わせによって実行可能なコンピュータソフトウェアによって実装することができる。主要論理要素の間の相互作用は、当業者には、本明細書における単なる特定の例を超える本発明の広義の態様の捕捉及び理解に必要とされる詳細レベルで明らかであろう。本発明は、本発明の所期の機能を実施し、中央プロセッサ、ランダムアクセスメモリRAM、読み取り専用メモリROM、及び前述のAP12とUE10との間で通信を行うための通信ポートを含む、特定用途向け集積回路ASIC、現場プログラミング可能ゲートアレイFPGA、デジタル信号プロセッサ、又は他の適切なプロセッサを用いて実装することができることに注意されたい。
【0046】
一般的に、UE110Aの様々な実施形態は、セルラー電話、無線通信能力を有する携帯情報端末(PDA)、無線通信能力を有する携帯コンピュータ、無線通信能力を有するデジタルカメラ等の画像取込デバイス、無線通信能力を有するゲームデバイス、無線通信能力を有する音楽記憶及び再生機器、無線インターネットアクセス及びブラウジングを可能にするインターネット機器、並びにかかる機能の組み合わせを組み込んだ携帯ユニット又は端末を含むが、これらに限定されない。
【0047】
MEM608A、608B、及び622は、局所技術環境に適する任意の形式とすることができ、半導体利用のメモリデバイス、磁気メモリのデバイス及びシステム、光メモリのデバイス及びシステム、固定メモリ、及び着脱可能メモリ等の任意の適切なデータ記憶技術を用いて実装することができる。DP610A及び610Bは、局所技術環境に適する任意の形式とすることができ、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ又はそれ以上を、非限定的な例として含むことができる。
【0048】
メモリのうちの少なくとも1つは、関連のプロセッサによって実行される場合に、電子デバイスが、前記の実施例によって詳述した本発明の例示的な実施形態に従って動作することを可能にするソフトウェアプログラム命令を実体的に収録することが想定される。従って、本発明の例示的な実施形態は、eNB102A又はUE110A或いはサーバ101のコントローラ/DPによって、又はハードウェアによって、或いはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実行可能なコンピュータソフトウェアによって少なくとも部分的に実装することができる。
【0049】
当業者には、前述の説明を踏まえて、本発明の前述の例示的な実施形態に対する様々な修正及び適応が明らかになろう。様々な例示的な実施形態を上記に説明したが、本発明の実施は、本明細書に示し、解説した例示的な実施形態に限定されないことを理解されたい。
【0050】
更に、上記の非限定的な実施形態の様々な特徴のうちの幾つかは、説明した他の特徴の相応する使用なしに有益に用いることができる。従って、前述の説明は、本発明の原理、教示、及び例示的な実施形態を示すものに過ぎず、これらを限定するものではないと見なすべきである。
【0051】
それに加えて、va、vna、及び他のパラメータ等の様々なパラメータは、何らかの適切な名称で識別することができることから、これらのパラメータに用いた様々な名称は、何らかの関連において限定されることを意図するものではない。更に、これらの様々なパラメータを用いた式及び表現は、本明細書に明示的に開示したものとは異なるものとすることができる。
【符号の説明】
【0052】
202 「負荷指標」を監視する。
204 負荷指標を交換する。
206 更新されたABS比率を決定する。
208 更新されたABS比率の通知
210 更新されたABS比率の把握内容を、スケジューリング、負荷指標計算において用いる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6