(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記演奏結果データ受信部は、前記ゲームサーバにアクセス中の他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データの中から演奏開始時刻または演奏終了時刻が最も早い演奏結果データを優先して受信する請求項5記載の端末装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の音楽ゲームは、適切なタイミングで押せたか否かを採点することが主眼である。このため、従来の音楽ゲームは、例えばギター、ドラム、ベースなど種々の演奏音を自由に組み合わせて音楽制作を行うような体験を提供することについて考慮されていなかった。
このような音楽制作を行うような体験を提供するゲームでは、ユーザ同士が曲の構成を組み替えたもの(演奏結果データ)を共有するような場合、例えば、演奏音の再生タイミングが異なるようなアレンジが多少違うだけでも別曲扱いとなることから、重ね合わせのパターンに対応する数のMIDIファイルなどをダウンロードすることになってしまい、結果として転送容量の圧迫につながってしまった。
【0005】
とりわけ、データ通信料の節約志向の高い実ユーザにとっては、データ通信量の多いゲームアプリケーションのプレイを控える傾向にある。このような点から見ても、データ通信量の低減しながら演奏ゲームを楽しめる環境を提供することが望まれる。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、任意の演奏音を自由に組み合わせて演奏を行う演奏ゲームにおいて、データ通信量の増加を抑制しながら、ユーザ同士で演奏結果を共有することが可能な端末装置、その端末装置のゲーム実行方法、ゲーム実行プログラム、
及びゲーム実行プログラム記録媒体
を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した従来の課題を解決するため、本発明は、以下の手段を有する。
【0008】
(1)本発明の第1態様は、操作入力に応じて演奏音データを再生することにより演奏を行う演奏ゲームを実行する端末装置において、前記演奏ゲームで演奏可能な演奏音データを記憶する演奏音記憶部と、前記演奏ゲームのゲーム進行を管理するゲームサーバから、通信ネットワークを介して、他端末が組み合わせた各々の演奏音データの再生タイミングを示す演奏結果データを受信する演奏結果データ受信部と、前記演奏結果データの再生タイミングに従って、前記他端末により組み合わされた各々の演奏音データを前記演奏音記憶部から読み出し、前記他端末の演奏結果として再生する演奏音再生部と、
前記他端末の演奏結果の再生中に、新たな演奏音データの演奏要求を受け付ける演奏要求受付部と、を備え
、前記演奏結果データ受信部は、前記他端末の演奏結果の再生中に、前記ゲームサーバから、新たな他端末が組み合わせた各々の演奏音データの再生タイミングを示す新たな演奏結果データを受信し、前記演奏音再生部は、前記演奏要求を受け付けたタイミングで、前記他端末の演奏結果に前記新たな演奏音データを重ね合わせて再生し、前記他端末の演奏結果の再生位置が所定の演奏位置に到達すると、前記他端末の演奏結果の再生を終了して、前記新たな演奏結果データの再生タイミングに従って、前記新たな他端末により組み合わされた各々の演奏音データを前記演奏音記憶部から読み出して、前記新たな他端末の演奏結果として再生を開始する。
【0009】
上記態様において、演奏音データとは、例えば、ギター、ドラム、ベースなどの種々の楽器が、楽譜における演奏開始位置から演奏終了位置に亘って演奏可能な音データである。具体的に、端末装置は、楽器、楽曲などが異なる種々の演奏音データを予め記憶しており、ユーザ操作に応じて組み合わされることで、あたかも演奏音を自由に組み合わせて演奏しているような体験を提供することができる。
【0010】
上記態様において、演奏結果データは、他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果であって各々の演奏音データの再生タイミングを示すデータである。例えば、他端末がドラム演奏音データとギター演奏音データとを組み合わせて演奏した場合、対応する演奏結果データは、ドラム演奏音データとギター演奏音データとのそれぞれの再生開始タイミングと再生終了タイミングとを含むデータである。
【0011】
上記態様によれば、演奏結果データの再生タイミングに従って、他端末により組み合わされた各々の演奏音データを前記演奏音記憶部から読み出し、他端末の演奏結果として再生することで、例えばMIDIファイルなどを利用して他端末の演奏結果の再生用データをゲームサーバからダウンロードする場合に比べて非常に小さいデータ通信量で他端末の演奏結果を再生することができる。
【0013】
上記態様によれば、取得した演奏結果データを用いて他端末の演奏結果が再生されている状態で、新たな演奏音データの演奏要求を受け付けることで、あたかも他端末とセッション(合奏)しているようなユーザ体験を提供することができる。
【0015】
上記態様によれば、他端末の演奏結果の再生中に、例えば別の他端末(新たな他端末)が組み合わせた各々の演奏音データの再生タイミングを示す新たな演奏結果データを受信する。そして、他端末の演奏結果の再生位置が所定の演奏位置に到達する、例えば他端末の演奏結果の再生位置が演奏終了位置、全演奏区間の中間位置などに到達すると、他端末の演奏結果の再生を終了して、新たな演奏結果データを用いて新たな他端末の演奏結果の再生を開始する。このように新たな演奏結果データを用いて新たな他端末の演奏結果を再生することにより、様々な他端末が入れ替わりながらセッション(合奏)しているかのようなユーザ体験を、データ通信量の増加を抑制しながら提供することができる。
【0016】
(
2)本発明の第
2態様に係る端末装置は、
操作入力に応じて演奏音データを再生することにより演奏を行う演奏ゲームを実行する端末装置において、
前記演奏ゲームで演奏可能な演奏音データを記憶する演奏音記憶部と、前記演奏ゲームのゲーム進行を管理するゲームサーバから、通信ネットワークを介して、他端末が組み合わせた各々の演奏音データの再生タイミングを示す演奏結果データを受信する演奏結果データ受信部と、前記演奏結果データの再生タイミングに従って、前記他端末により組み合わされた各々の演奏音データを前記演奏音記憶部から読み出し、前記他端末の演奏結果として再生する演奏音再生部と、前記他端末の演奏結果の再生中に、新たな演奏音データの演奏要求を受け付ける演奏要求受付部と、前記他端末の演奏結果の再生中に受け付けた演奏要求の履歴情報に基づいて、当該端末装置を操作する実ユーザの合奏満足度を推測する合奏満足度推測部
と、を備え、前記演奏音再生部は、前記演奏要求を受け付けたタイミングで、前記他端末の演奏結果に前記新たな演奏音データを重ね合わせて再生し、前記演奏結果データ受信部は、前記合奏満足度が所定値未満になると、前記ゲームサーバから前記新たな演奏結果データを受信し、前記演奏音再生部は、前記他端末の演奏結果の再生を終了して、前記新たな他端末の演奏結果の再生を開始する。
【0017】
上記態様において、合奏満足度とは、演奏結果データの再生中に受け付けた演奏要求に基づいて推測可能な、端末装置を操作する実ユーザの満足度合いを定量化したものである。具体的には、例えば演奏結果データに対応する演奏音に、リズムやメロディに違和感なく新たな演奏データに対応する演奏音を重ねせられたかどうかを、タイミングのズレ量(時間)などで定量化し、当該ズレ量が小さいほど満足度が高いと推測することができる。
【0018】
上記態様によれば、他端末の演奏結果を利用したセッション(合奏)に満足していないようであれば、新たな他端末の演奏結果とセッション(合奏)を開始することで、当該端末装置の実ユーザの演奏意欲の低下を抑制することができる。一方、現在進行中の他端末の演奏結果を利用したセッション(合奏)に満足しているようであれば、新たな他端末との演奏結果に代えることなく、現在進行中の他端末の演奏結果を利用して満足した演奏を続けることができる。とりわけ満足度が高い状態が続けば、その状態に応じて新たな演奏結果データの受信回数が減るため、データ通信の増加をより一層抑制しながら、演奏ゲームを楽しめる環境を実ユーザに提供できる。
【0019】
(
3)本態様の第
3態様に係る端末装置は、
操作入力に応じて演奏音データを再生することにより演奏を行う演奏ゲームを実行する端末装置において、
前記演奏ゲームで演奏可能な演奏音データを記憶する演奏音記憶部と、前記演奏ゲームのゲーム進行を管理するゲームサーバから、通信ネットワークを介して、他端末が組み合わせた各々の演奏音データの再生タイミングを示す演奏結果データを受信する演奏結果データ受信部と、前記演奏結果データの再生タイミングに従って、前記他端末により組み合わされた各々の演奏音データを前記演奏音記憶部から読み出し、前記他端末の演奏結果として再生する演奏音再生部と、前記他端末の演奏結果の再生位置の続く音変化を案内する案内用画像を出力する案内用画像出力部
と、前記他端末の演奏結果の再生中に、新たな演奏音データの演奏要求を受け付ける演奏要求受付部と、を備え、前記演奏音再生部は、前記演奏要求を受け付けたタイミングで、前記他端末の演奏結果に前記新たな演奏音データを重ね合わせて再生する。
【0020】
上記態様において、案内用画像とは、例えば、これから再生され得る他端末の演奏結果(演奏音)の音変化を可視化した楽譜、音振幅波形などの、演奏結果における現在の再生位置の後に続く音変化を案内する画像である。
【0021】
上記態様によれば、案内用画像を出力することで、当該出力画像を見た実ユーザにとって、容易に他端末の演奏結果と自然とタイミングが合うように演奏できる環境を提供することができる。
【0022】
(
4)本発明の第
4態様に係る端末装置は、第
3態様において、前記他端末によって操作される仮想ユーザとの親密度を取得する親密度取得部を更に備え、前記案内用画像出力部は、前記親密度が高いほど単位時間当たりの前記案内用画像の出力割合が高くなるように、前記案内用画像を出力する。
【0023】
上記態様において、親密度とは、仮想世界において、他端末によって操作される仮想ユーザとの親密度合いを定量化した値である。例えば、他端末とのメッセージ交換回数が多い、若しくは頻度が高いほど、親密度が高いものとする。親密度取得部は、例えばメッセージ交換の履歴情報を用いて親密度を算出することにより取得する。なお、親密度取得部は、ゲームサーバにアクセスすることにより親密度に関する情報を取得してもよい。また、単位時間当たりの案内用画像の出力割合(出力頻度)とは、例えば0.5であれば、10秒間のうち5秒間の演奏区間について案内用画像を出力することをいう。
【0024】
上記態様によれば、親密度が高いほど単位時間当たりの出力割合が高くなるように、案内用画像を出力することにより、上述したセッション(合奏)でより容易に新たな演奏音を重ね合わせることができる。このようにして単位時間当たりの案内用画像の出力割合を調整することにより、他端末との交流するほど、他端末とセッションをより簡単に楽しめるというメリットを、実ユーザに与えることができ、演奏ゲームを通じて端末同士の交流を活性化することができる。
【0025】
(
5)本発明の第
5態様に係る端末装置は、第1乃至
4態様において、前記演奏結果データ受信部は、前記ゲームサーバにアクセス中の他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データを受信する。
【0026】
上記態様において、アクセス中の他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データとは、リアルタイムで行動しているアクティブ仮想ユーザの演奏結果データである。
【0027】
上記態様によれば、アクティブ仮想ユーザの演奏結果をBGMとして聴いたり、セッション(合奏)したりすることができるため、例えばBGMを聴いている時、セッション(合奏)後などに、その他SNSのチャット、メッセージアプリなどを利用したリアルタイムな交流がごく自然にできるなど、データ通信量を抑制しながら、端末同士の交流を活性化することができる。
【0028】
(
6)本発明の第
6態様に係る端末装置は、第
5態様において、前記演奏結果データ受信部は、前記ゲームサーバにアクセス中の他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データの中から演奏開始時刻または演奏終了時刻が最も早い演奏結果データを優先して受信する。
【0029】
上記態様において、演奏開始時刻とは実際に他端末により演奏ゲームを開始した時刻であり、演奏終了時刻とは実際に他端末により演奏ゲームを終了した時刻である。
【0030】
上記態様によれば、演奏開始時刻または演奏終了時刻が最も早い演奏結果データを優先して受信することで、リアルタイムに他端末の演奏結果を聴いているような、またはリアルタイムに他端末とセッション(合奏)しているかのようなユーザ体験を提供することができる。特に演奏結果データのデータ量が小さいため、通信回線が混雑していたりするような場合でも、上述したリアルタイムに他端末の演奏結果を聴いているような、またはリアルタイムに他端末とセッション(合奏)しているかのようなゲーム進行を実現することができる。
【0031】
(
7)以上のような本発明は、いずれの態様においても、上記端末装置の発明を、その端末装置のゲーム実行方法、ゲーム実行プログラム、
及びゲーム実行プログラム記録媒体
として捉えることも可能である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、任意の演奏音を自由に組み合わせて演奏を行う演奏ゲームにおいて、データ通信量の増加を抑制しながら、ユーザ同士で演奏結果を共有可能な端末装置、その端末装置のゲーム実行方法、ゲーム実行プログラム、
及びゲーム実行プログラム記録媒体
を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について具体例を示して説明する。本実施形態は、操作入力に応じて複数の演奏音データを再生することにより演奏を行う演奏ゲームを提供する端末装置に関する。
【0035】
以下では、実施形態の説明に先立って、実施形態において用いる用語の定義と端末装置に提供されるゲーム内容とを明確にし、さらに本実施形態において扱う演奏ゲームの概要について説明した後、具体的な端末装置の構成及び処理内容について説明する。
【0036】
(1)用語の定義
「実ユーザ」とは、端末を操作する実体、すなわち人に当たるものをいう。一方、この実体である「実ユーザ」の端末におけるボタンやタッチ操作によって、演奏ゲームで展開される仮想空間において、実ユーザに成り代わった、または実ユーザの趣向や好みに応じて形成された仮想実体を「仮想ユーザ」という。この「仮想ユーザ」には、ゲーム上視認できない仮想実体、例えば、「実ユーザ」に成り代わった存在として楽器を仮想空間内で操作する仮想実体も含まれる。「仮想ユーザ」には、視認可能な特定のキャラクタも含まれる。さらに「仮想ユーザ」には、SNSにおけるアバターとして表示される仮想実体も含まれる。
【0037】
(2)演奏ゲームの概要
続いて、端末装置に提供される演奏ゲームの概要について、
図1を用いて説明する。
【0038】
図1は、演奏ゲームのゲーム画面20の一例を示す図である。ゲーム画面20は、例えば、各々の演奏音の演奏要求を受け付ける10個のアイコンが配置された操作用表示領域21と、再生中の演奏音の振幅波形を表示する波形表示領域22と、から構成される。このようなゲーム画面20を見た実ユーザによって、例えば操作用表示領域21に配置されている2つのアイコン(
図1の斜線部)がタッチ操作されることで、波形表示領域22に示すように、楽器、楽曲などが異なる2つの演奏音がスピーカから出力される。演奏ゲームは、種々の演奏音データをユーザ操作に応じて自由に組み合わせて再生することにより、あたかも演奏音を自由に組み合わせて演奏しているようなユーザ体験を提供することができる。
【0039】
また、演奏ゲームでは、実ユーザ自身が演奏音データを自由に組み合わせて再生する以外に、ゲームサーバにアクセスして、例えば他端末が操作する仮想ユーザが演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果もBGMなどとして聴くことができたり、当該演奏結果を利用したセッション(合奏)を行ったりすることもできる。
【0040】
(3)システム構成
以上のような演奏ゲームを実現するためのシステム構成を、
図2を参照して説明する。
【0041】
図2は、演奏ゲームを実現するためのゲームシステムGのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、ゲームシステムGは、複数の端末装置1と、通信ネットワークであるインターネット4を介して端末装置1と接続されたゲームサーバ3と、を備える。
【0042】
(3−1)ゲームサーバの概略構成
ゲームサーバ3は、汎用的なハードウェア構成を有するコンピュータにより実現され、演奏ゲームを端末装置1に提供するため、次のような処理部を有する。すなわち、ゲームサーバ3は、演奏ゲームを実行するための種々のゲームデータを記憶するゲームデータ記憶部31と、インターネット4を介して端末装置1との間でゲームデータの送受信を行うゲームデータ通信部32と、を備える。また、ゲームデータ通信部32は、端末装置1から演奏結果データを受信する演奏結果受信部321と、端末装置1に演奏結果データを送信する演奏結果送信部322と、を備える。演奏結果データについては後述する。
【0043】
(3−2)端末装置のハードウェア構成
次に、
図3を参照して、端末装置のハードウェア構成を説明する。
【0044】
図3に示すように、端末装置1は、汎用的なコンピュータのハードウェア構成を有する携帯型無線通信端末により実現される。すなわち、端末装置1は、
図3に示すように、インターネット4を介してゲームサーバ3等と通信を行う通信インタフェース部11と、タッチパネルなどの実ユーザからの操作入力を受ける操作入力部12と、を備える。また、端末装置1は、各種演算処理を行うCPUなどの演算処理部13と、演算処理データを一時的に記憶するSRAMやDRAMなどのメインメモリ14と、アプリケーションプログラム及び各種データが記憶されたフラッシュメモリなどの記憶装置15と、演算結果を表示するタッチパネルと一体化された表示部16とを備える。
【0045】
このようなハードウェア構成を有する端末装置1は、ゲームサーバ3にアクセスして演奏ゲームを実行するゲーム進行用アプリケーションプログラムをダウンロードしてインストールする。ここで、ゲーム進行用アプリケーションプログラムは、インターネット4経由でゲームサーバ3からダウンロードする場合に限らず、記録媒体からデータを読み出したりするなどして取得してもよい。
【0046】
(4)第1実施形態
次に、
図4等を参照して、第1実施形態に係る端末装置1(以下、他の実施形態と区別するため、端末装置1aという。)を説明する。端末装置1aは、上述した演奏ゲームのゲーム進行用プログラムを記憶装置15にインストールすることで、
図4に示すような機能ブロックが実現される。すなわち、ゲーム処理部100(他の実施形態と区別するためゲーム処理部100aと呼ぶ。)と、ゲームデータを管理するゲームデータ記憶部200(他の実施形態と区別するためゲームデータ記憶部200aと呼ぶ。)と、を含む機能が、端末装置1aに実現される。
【0047】
(4−1)ゲームデータ記憶部の構成
ゲーム処理部100aにおける処理を実現するための記憶領域となるゲームデータ記憶部200aの具体的な構成について説明する。ゲーム処理部100aで用いるデータとして、ゲームデータ記憶部200aは、
図4に示すように、演奏音記憶部210と、仮想ユーザデータテーブル220と、を有する。
【0048】
(演奏音記憶部210:
図5)
演奏音記憶部210は、
図5に示すように、演奏ゲーム内でユーザ操作に応じて再生可能な演奏音データについて一覧で管理したものである。ここで、演奏音データは、例えば、ギター、ドラム、ベースなどの種々の楽器が、楽譜における演奏開始位置から演奏終了位置に亘って演奏可能なデータである。より具体的に、演奏音データは、ドラム1小節、又はギター1小節などのループ再生可能なサンプルデータであって、例えば楽器ごとに識別子(楽器ID)が設定されている。
【0049】
例えば、演奏音記憶部210は、演奏音データをサウンドバンクID51により管理する。ここで、サウンドバンクID51は、複数のサンプルデータのまとまり(例えば1セット12個のサンプルデータ)を識別するための識別情報である。
【0050】
上述したサンプルデータ、及びサウンドバンクIDについては、例えばゲーム進行用アプリケーションプログラムのダウンロード時、プログラムのバージョンアップ時などに、当該プログラムに含まれた状態でダウンロードされ、演奏音記憶部210に記憶される。
【0051】
(仮想ユーザデータテーブル220:
図6)
仮想ユーザデータテーブル220は、端末装置1aの仮想ユーザに関する情報を管理するテーブルであって、例えば、ユーザID61と、演奏回数62と、レベル63と、友達ユーザID64と、メッセージ交換履歴情報65と、を管理している。
【0052】
ユーザID61は、端末装置1により操作される仮想ユーザの識別子であって、例えばゲームサーバ3からゲーム進行用アプリケーションプログラムをダウンロードする際に与えられる識別子である。つまり、演奏ゲームが提供される端末装置1には、ゲームサーバ3により一意に識別可能な(ユニークな)ユーザID61が与えられる。
【0053】
演奏回数62は、例えば、演奏ゲームを実行するゲーム進行用アプリケーションプログラムをインストール時など、ゲームプレイを始めてから現在までの演奏回数(プレイ回数)である。
【0054】
レベル63は、ゲーム内での仮想ユーザの進行度合いを表す数値であって、例えば演奏回数62、メッセージ交換回数などが所定の条件を満たしたときに増加する値である。
【0055】
友達ユーザID64とは、友達関係にある他の端末装置により操作される仮想ユーザのユーザIDである。ここで、友達関係とは、例えばSNS機能の友達登録された仮想ユーザ同士の関係、メッセージ交換の頻度または回数などが所定条件を満たした仮想ユーザ同士の関係である。
【0056】
メッセージ交換履歴情報65とは、ゲームサーバ3により演奏ゲームが提供される他端末との間で交換されたメッセージについて、宛先のユーザID、テキストデータ、送受信時刻などを対応付けた情報である。
【0057】
(4−2)ゲーム処理部
ゲーム処理部100aは、演奏要求受付部110と、演奏結果データ受信部120と、演奏音再生部130と、を有する。
【0058】
演奏要求受付部110は、操作入力部12を操作する実ユーザから、新たな演奏音データの演奏要求を受け付ける。ここで、新たな演奏音データの演奏要求とは、例えば実ユーザがタッチパネル式ディスプレイ(操作入力部12)をタッチ操作して、新たな演奏音データの再生を要求することであり、
図5のサウンドバンクID51に紐付いている。
図1に示した例では、操作用表示領域21に配置されているアイコンがタッチ操作されると、演奏要求受付部110は、タッチ操作されたアイコンに対応付けられた演奏音データ(新たな演奏データ)の演奏要求を受け付けることになる。
【0059】
演奏結果データ受信部120は、ゲームサーバ3から、インターネット4を介して、他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データを受信する。ここで、演奏結果データは、他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果であって各々の演奏音データの再生タイミングを示すデータである。例えば、他端末がドラム演奏音データとギター演奏音データとを組み合わせて演奏した場合、対応する演奏結果データは、ドラム演奏音データとギター演奏音データとのそれぞれの再生開始タイミングと再生終了タイミングとを含むデータである。より具体的には、演奏結果データは、
図7に示すように楽器ID71と、再生開始タイミング72と、再生終了タイミング73とを対応付けたデータである。ここで、楽器ID71とは、前述したように、ドラム1小節、又はギター1小節などのループ再生可能なサンプルデータの識別子である。
図7に示す例では、楽器ID71が「5」で識別されるサンプルデータが、再生開始タイミング72が0.000秒で再生終了タイミング73が5.000秒であることを示している。また、楽器ID71が「4」で識別されるサンプルデータが、再生開始タイミング72が2.000秒で再生終了タイミング73が4.000秒であることを示している。
【0060】
演奏音再生部130は、演奏要求を受け付けた場合には、端末装置1aが演奏を要求する演奏音データを演奏音記憶部210から読み出して再生する。また、演奏音再生部130は、演奏結果データの再生タイミングに従って他端末により組み合わされた演奏音データを演奏音記憶部210から読み出して再生する。ここで、演奏音データを再生するとは、端末装置1aに設けられたスピーカなどの音声出力手段から演奏音データを音出力することである。
【0061】
(4−3)端末装置における処理
(第1実施例)
本実施形態の端末装置1aにおける処理の一例として、
図8に示すような第1実施例に係るゲーム処理部100aの処理について説明する。
【0062】
ステップS801において、演奏結果データ受信部120は、ゲームサーバ3にアクセスして他端末が過去に演奏した演奏結果データを受信する。その後、ステップS802に進む。
【0063】
ステップS802において、演奏要求受付部110は、演奏要求を受け付けたか否かを判断し、演奏要求を受け付けた場合(S802:YES)にはステップS803に進む。また、演奏要求を受け付けていない場合(S802:NO)、例えばメニュー画面が表示されているなど、演奏要求を受け付けていない場合には、BGMとして演奏結果データを再生するため、ステップS804に進む。
【0064】
ステップS803において、演奏音再生部130は、演奏要求を受け付けたタイミングで、端末装置1aが演奏を要求するサウンドバンクIDに従って、演奏音データを、演奏音記憶部210から読み出してステップS805に進む。
【0065】
ステップS804において、演奏音再生部130は、演奏結果データの再生タイミングに従って、他端末により組み合わされた演奏音データを演奏音記憶部210から読み出してステップS805に進む。
【0066】
ステップS805において、演奏音再生部130は、ステップS803またはステップS804で読み出した演奏音データを再生して、
図8に示す処理を終了する。
【0067】
上記
図8に示す処理によれば、ステップS804により、演奏結果データの再生タイミングに従って、他端末により組み合わされた各々の演奏音データを演奏音記憶部210から読み出して再生することで、例えばMIDIファイルなどを利用して他端末の演奏結果をゲームサーバからダウンロードする場合に比べて非常に小さいデータ通信量で他端末の演奏結果を再生することができる。
【0068】
また、上記
図8に示す処理によれば、演奏要求を受け付けていないときに演奏結果データの再生タイミングに従って他端末の演奏結果を再生することで、データ通信量の増加を抑制しながら、他端末の演奏結果を楽しむ環境を提供することができる。この結果して演奏ゲームを介して端末同士の交流を活性化することができる。
【0069】
なお、演奏結果データの再生は、演奏要求を受け付けがない場合に限らない。例えば、演奏ゲームの機能としてゲーム内ラジオが設けられている場合には、実ユーザからの操作入力により当該ゲーム内ラジオの選局要求を受け付けると、演奏音再生部130が選局要求に対応した演奏結果データを再生してもよい。
【0070】
(第2実施例)
次に、
図9に示すような第2実施例に係るゲーム処理部100aの処理について説明する。
【0071】
ステップS901において、演奏結果データ受信部120は、ゲームサーバ3にアクセスして他端末が過去に演奏した演奏結果データを受信して、ステップS902に進む。
【0072】
ステップS902において、演奏音再生部130は、演奏結果データの再生タイミングに従って、他端末により組み合わされた演奏音データを演奏音記憶部210から読み出してステップS903に進む。
【0073】
ステップS903において、演奏音再生部130は、ステップS902で読み出した演奏音データの再生を開始してステップS904に進む。
【0074】
ステップS904において、演奏要求受付部110は、演奏要求を受け付けたか否かを判断し、演奏要求を受け付けた場合(S904:YES)にはステップS905に進む。また、演奏要求を受け付けていない場合(S904:NO)にはステップS905〜S906に進むことなく
図9に示す処理を終了する。
【0075】
ステップS905において、演奏音再生部130は、演奏結果データを用いた他端末の演奏結果の再生中に、演奏要求を受け付けたタイミングで、演奏要求に紐付いたサウンドバンクIDに従って、新たな演奏音データを読み出してステップS906に進む。
【0076】
ステップS906において、演奏音再生部130は、新たな演奏音データの再生を開始する。すなわち、演奏音再生部130は、現在再生中の他端末の演奏結果に、演奏要求を受け付けたタイミングで新たな演奏音データを重ね合わせて再生し、
図9に示す処理を終了する。
【0077】
上記
図9に示す処理によれば、取得した演奏結果データを用いて他端末の演奏結果が再生されている状態で、新たな演奏音データの演奏要求を受け付けることで、あたかも他端末とセッション(合奏)しているようなユーザ体験を提供することができる。
【0078】
(第3実施例)
次に、
図10に示すような第3実施例に係るゲーム処理部100aの処理について説明する。まず、
図10に示す処理では、前段として、
図9に示す処理を実行しているものとする。
【0079】
ステップS1001において、演奏結果データ受信部120は、他端末の演奏結果の再生中に、例えば別の他端末(新たな他端末)が組み合わせた各々の演奏音データの再生タイミングを示す新たな演奏結果データを受信して、ステップS1002に進む。
【0080】
ステップS1002において、演奏音再生部130は、他端末の演奏結果の再生位置が所定の演奏位置に到達する、例えば他端末の演奏結果の再生位置が演奏終了位置、全演奏区間の中間位置などに到達したか否かを判断する。所定の演奏位置に到達した場合(S1002:Yes)にはステップS1003に進み、所定の演奏位置に到達していない場合(S1002:No)にはステップS1003に進むことなく、
図10に示す処理を終了する。
【0081】
ステップS1003において、演奏音再生部130は、他端末の演奏結果の再生を終了して、新たな演奏結果データを用いて新たな他端末の演奏結果の再生を開始して、
図10に示す処理を終了する。
【0082】
上記
図10に示す処理によれば、新たな演奏結果データを用いて新たな他端末の演奏結果を再生することにより、様々な他端末が入れ替わりながらセッション(合奏)しているかのようなユーザ体験を、データ通信量の増加を抑制しながら提供することができる。
【0083】
(変形例)
上述した第1乃至第3実施例では、演奏結果データとして、次のようなデータを受信することが好ましい。
【0084】
まず、演奏結果データ受信部120は、ゲームサーバ3にアクセス中の他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データを受信することが好ましい。ゲームサーバ3の側から見れば、演奏結果送信部322は、ゲームデータ記憶部31にアクセスして、アクセス中の端末(ユーザID)を特定して、特定した端末に係る演奏結果データを端末装置1aに送信することが好ましい。
【0085】
ここで、アクセス中の他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データとは、リアルタイムで行動しているアクティブ仮想ユーザの演奏結果データである。
【0086】
このようにしてアクティブ仮想ユーザの演奏結果データを受信することにより、アクティブ仮想ユーザの演奏結果をBGMとして聴いたり、セッション(合奏)したりすることができるため、例えばBGMを聴いている時、セッション(合奏)後などに、その他SNSのチャット、メッセージアプリなどを利用したリアルタイムな交流がごく自然にできるなど、データ通信量を抑制しながら、端末同士の交流を活性化することができる。
【0087】
さらに、演奏結果データ受信部120は、ゲームサーバ3にアクセス中の他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データの中から演奏開始時刻または演奏終了時刻が最も早い演奏結果データを優先して受信することが好ましい。ゲームサーバ3の側から見れば、演奏結果送信部322は、ゲームデータ記憶部31にアクセスして、演奏開始時刻または演奏終了時刻が最も早い演奏結果データを特定して、特定した演奏結果データを優先して端末装置1aに送信することが好ましい。
【0088】
ここで、演奏開始時刻とは実際に他端末により演奏ゲームを開始した時刻であり、演奏終了時刻とは実際に他端末により演奏ゲームを終了した時刻である。
【0089】
このように演奏開始時刻または演奏終了時刻が最も早い演奏結果データを優先して受信することで、リアルタイムに他端末の演奏結果を聴いているような、またはリアルタイムに他端末とセッション(合奏)しているかのようなユーザ体験を提供することができる。とりわけ、演奏結果データのデータ量が小さいため、通信回線が混雑していたりするような場合でも、上述したリアルタイムに他端末の演奏結果を聴いているような、またはリアルタイムに他端末とセッション(合奏)しているかのようなゲーム進行を実現することができる。
【0090】
(5)第2実施形態
次に、
図11等を参照して、第2実施形態に係る端末装置1(以下、他の実施形態と区別するため、端末装置1bという。)を説明する。具体的には、ゲーム処理部100(以下、他の実施形態と区別するためゲーム処理部100bという。)と、このゲーム処理部100bにおける処理を実現するための記憶領域となるゲームデータ記憶部200(以下、他の実施形態と区別するためゲームデータ記憶部200bという。)の具体的な構成について
図11等を参照して説明する。
【0091】
(5−1)ゲーム処理部の構成
ゲーム処理部100bは、
図11に示すように、第1実施形態に係るゲーム処理部100aと同様に、演奏要求受付部110と、演奏結果データ受信部120と、演奏音再生部130と、合奏満足度推測部140と、を有する。ここで、演奏要求受付部110については上述した第1実施形態に係るゲーム処理部100aと同様なので、その説明を省略する。また、演奏結果データ受信部120及び演奏音再生部130については、上述した第1実施形態に係るゲーム処理部100aと同様の特徴に関する説明を省略し、本実施形態に特有の特徴に関しては以下で説明する。
【0092】
合奏満足度推測部140は、他端末の演奏結果の再生中に受け付けた演奏要求の履歴情報に基づいて、当該端末装置1bを操作する実ユーザの合奏満足度を推測する。ここで、合奏満足度とは、演奏結果データの再生中に受け付けた演奏要求に基づいて推測可能な、端末装置を操作する実ユーザの満足度合いを定量化したものである。具体的には、例えば演奏結果データに対応する演奏音に、リズムやメロディに違和感なく新たな演奏データに対応する演奏音を重ねせられたかどうかを、タイミングのズレ量(時間)などで定量化し、当該ズレ量が小さいほど満足度が高いと推測することができる。
【0093】
演奏結果データ受信部120は、満足度が所定値未満になると、つまり、他端末の演奏結果を利用したセッション(合奏)に満足していないようであれば、ゲームサーバ3から新たな演奏結果データを受信する。そして、新たな演奏結果データを受信すると、演奏音再生部130は、現在再生中の演奏結果の再生を終了して、新たな演奏結果データを用いて新たな演奏結果の再生を開始する。
【0094】
(5−2)端末装置における処理
本実施形態の端末装置1bにおける処理の一例として、
図12に示すようなゲーム処理部100bの処理について説明する。まず、
図12に示す処理では、前段として、
図9に示したステップS901〜S906の処理を実行しているものとする。
【0095】
ステップS1201において、合奏満足度推測部140は、他端末の演奏結果の再生中に受け付けた演奏要求の履歴情報に基づいて、当該端末装置1bを操作する実ユーザの合奏満足度を推測して、ステップS1202に進む。
【0096】
ステップS1202において、演奏結果データ受信部120は、演奏結果データを用いた他端末の演奏結果の再生中に、合奏満足度が所定値未満であるか否かを判断する。合奏満足度が所定値未満である場合(S1202:YES)には、他端末の演奏結果を利用したセッション(合奏)に満足していないものとして、ステップS1203に進む。一方、合奏満足度が所定値未満ではない場合(S1202:NO)には、他端末の演奏結果を利用したセッション(合奏)に満足しているものとして、ステップS1203及びステップS1204に進むことなく
図12に示す処理を終了する。
【0097】
演奏結果データ受信部120は、ゲームサーバ3から、例えば別の他端末(新たな他端末)の演奏結果に係る新たな演奏結果データを受信して、ステップS1204に進む。
【0098】
ステップS1204において、演奏音再生部130は、現在再生中の演奏結果の再生を終了して、新たな演奏結果データを用いて新たな演奏結果の再生を開始して、
図12に示す処理を終了する。
【0099】
上記
図12に示す処理によれば、他端末の演奏結果を利用したセッション(合奏)に満足していないようであれば、新たな他端末の演奏結果とセッション(合奏)を開始することで、当該端末装置の実ユーザの演奏意欲の低下を抑制することができる。一方、現在進行中の他端末の演奏結果を利用したセッション(合奏)に満足しているようであれば、新たな他端末との演奏結果に代えることなく、現在進行中の他端末の演奏結果を利用して満足した演奏を続けることができる。とりわけ満足度が高い状態が続けば、その状態に応じて新たな演奏結果データの受信回数が減るため、データ通信の増加をより一層抑制しながら、演奏ゲームを楽しめる環境を実ユーザに提供できる。
【0100】
(6)第3実施形態
次に、
図13等を参照して、第3実施形態に係る端末装置1(以下、他の実施形態と区別するため、端末装置1cという。)を説明する。具体的には、ゲーム処理部100(以下、他の実施形態と区別するためゲーム処理部100cという。)と、このゲーム処理部100cにおける処理を実現するための記憶領域となるゲームデータ記憶部200(以下、他の実施形態と区別するためゲームデータ記憶部200cという。)の具体的な構成について
図11等を参照して説明する。
【0101】
(6−1)ゲーム処理部の構成
ゲーム処理部100cは、
図13に示すように、第1実施形態に係るゲーム処理部100aと同様に、演奏要求受付部110と、演奏結果データ受信部120と、演奏音再生部130とを有し、これらに加えて、親密度取得部150と案内用画像出力部160と、を有する。ここで、演奏要求受付部110、演奏結果データ受信部120及び演奏音再生部130については、上述した第1乃至第2実施形態に係るゲーム処理部100a、100bと同様なので、その説明を省略する。
【0102】
親密度取得部150は、他端末によって操作される仮想ユーザとの親密度を取得する。ここで、親密度とは、仮想世界において、他端末によって操作される仮想ユーザとの親密度合いを定量化した値である。例えば、他端末とのメッセージ交換回数が多い、若しくは頻度が高いほど、親密度が高いものとする。親密度取得部150は、例えば仮想ユーザデータテーブル220で管理される情報を参照して、親密度を算出することにより取得する。なお、親密度取得部150は、ゲームサーバ3にアクセスすることにより親密度に関する情報を取得してもよい。
【0103】
案内用画像出力部160は、他端末の演奏結果の再生位置の続く音変化を案内する案内用画像を出力する。ここで、案内用画像とは、例えば
図14(A)に示すゲーム画像1410のように、これから再生され得る他端末の(演奏結果)の音変化を可視化した楽譜、音振幅波形などの、演奏結果における現在の再生位置の後に続く音変化を案内する画像である。
【0104】
また、案内用画像出力部160は、親密度が高いほど単位時間当たりの案内用画像の出力割合(出力頻度)が高くなるように、案内用画像を出力する。ここで、単位時間当たりの案内用画像の出力割合(出力頻度)とは、例えば0.5であれば、10秒間のうち5秒間の演奏区間について案内用画像を出力することをいう。具体的には、
図14(B)に示すようゲーム画像1420のように、案内用画像を出力しない時間帯に相当する画面領域1421については、振幅波形が隠されているような演出を行えばよい。
【0105】
(6−2)端末装置における処理
本実施形態の端末装置1cにおける処理の一例として、
図15に示すようなゲーム処理部100cの処理について説明する。
【0106】
ステップS1501において、演奏結果データ受信部120は、ゲームサーバ3にアクセスして他端末が過去に演奏した演奏結果データを受信して、ステップS1502に進む。
【0107】
ステップS1502において、演奏音再生部130は、演奏結果データの再生タイミングに従って、他端末により組み合わされた演奏音データを演奏音記憶部210から読み出してステップS1503に進む。
【0108】
ステップS1503において、親密度取得部150は、ステップS1501で受信した演奏結果データの演奏者(仮想ユーザ)との親密度を取得して、ステップS1504に進む。
【0109】
ステップS1504において、演奏音再生部130が演奏音データの再生を開始するとともに、案内用画像出力部160が、親密度が高いほど単位時間当たりの案内用画像の出力割合(が高くなるように、案内用画像を出力する。その後、上述した
図9に示すステップS904〜S906の処理を実行して
図15に示す処理を終了する。
【0110】
上記
図15に示す処理によれば、案内用画像を出力することで、当該出力画像を見た実ユーザにとって、容易に他端末の演奏結果と自然とタイミングが合うように演奏できる環境を提供することができる。
【0111】
とりわけ上記
図15に示す処理によれば、親密度が高いほど単位時間当たりの出力割合が高くなるように、案内用画像を出力することにより、上述したセッション(合奏)でより容易に新たな演奏音を重ね合わせることができる。このようにして単位時間当たりの案内用画像の出力割合を調整することにより、他端末との交流するほど、他端末とセッションをより簡単に楽しめるというメリットを、実ユーザに与えることができ、演奏ゲームを通じて端末同士の交流を活性化することができる。
【0112】
(7)その他
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、ゲームサーバ3は、端末装置の操作履歴に基づいて、当該端末装置に適した演奏結果データを送信するようにしてもよい。
【0113】
この場合には、まず、端末装置は、演奏ゲームに関する操作履歴データをゲームサーバに送信する。具体的には例えば演奏した楽器音、テンポ、メロディの種別などの、演奏ゲームに関する操作履歴データをゲームサーバに送信する。
【0114】
そして、ゲームサーバは、操作履歴データに基づき当該端末装置に適した演奏結果データを選択して送信する。すなわち、操作履歴データをゲームサーバ側で解析することにより、端末装置の実ユーザにとって適した演奏結果データ、例えば同じような楽器音、テンポ、メロディの演奏結果データを送信する。
【0115】
このようにして端末装置の実ユーザにとって適した演奏結果データを端末装置に送信することで、端末装置の側では、趣向が似たユーザ間でセッション(合奏)を行うことができるなど、交流を活性化させることができる。
【0116】
また、第1実施形態に係る変形例を、第2又は第3実施形態を組み合わせてもよい。つまり、演奏結果データ受信部は、新たな演奏結果データとして、ゲームサーバにアクセス中の他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データを受信してもよい。また、演奏結果データ受信部は、新たな演奏結果データとして、ゲームサーバにアクセス中の他端末が複数の演奏音データを組み合わせて再生した演奏結果データの中から演奏開始時刻または演奏終了時刻が最も早い演奏結果データを優先して受信してもよい。
【0117】
また、上述した
図8、
図9、
図10、
図12及び
図15に示したフローチャートの処理は、処理を行う順番を適宜変更してもよい。
【0118】
さらに、本発明は、上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムが記録された非一時的な記録媒体を端末装置に提供し、当該端末装置のコンピュータ、すなわちCPU又はMPUに、当該非一時的な記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行させることによって実現してもよい。
【0119】
この場合、当該非一時的な記録媒体から読み出されたプログラムは、上述実施形態の機能を実現する。したがって、当該プログラム及び当該プログラムが記録された非一時的な記録媒体も、本発明の一態様である。
【0120】
当該プログラムを提供する非一時的な記録媒体は、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RWなどの光ディスク、磁気テープ、不揮発性メモリカード、及びROMを含む。或いは、当該プログラムは、通信ネットワークであるインターネットを介してダウンロード可能であってもよい。
【0121】
さらに、上記実施形態の機能は、コンピュータが当該プログラムを読み出して実行するだけではなく、コンピュータ上で動作するOS(operating system)等に、当該プログラムの指示に基づき実際の操作の一部又はすべてを実行させることによって実現してもよい。
【0122】
さらに、上記実施形態の機能は、非一時的な記録媒体から読み出されたプログラムを、コンピュータに挿入された拡張ボードに設けられたメモリ、又は、コンピュータに接続された拡張装置に設けられたメモリに書き込み、拡張ボード又は拡張装置に設けられたCPU等に、プログラムの指示に基づき実際の処理のすべて又は一部を実行させることによって実現されてもよい。
【0123】
典型的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、ここに開示する典型的な態様に限定されないことはもちろんである。特許請求の範囲は、このような変更と、同等の構造及び機能とをすべてを含むように最も広く解釈することが可能である。
【解決手段】演奏ゲームで演奏可能な演奏音データを記憶する演奏音記憶部210と、演奏ゲームのゲーム進行を管理するゲームサーバ3から、インターネット4を介して、他端末が組み合わせた各々の演奏音データの再生タイミングを示す演奏結果データを受信する演奏結果データ受信部120と、演奏結果データの再生タイミングに従って、他端末により組み合わされた各々の演奏音データを演奏音記憶部210から読み出し、他端末の演奏結果として再生する演奏音再生部130と、を備える。