特許第6130045号(P6130045)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6130045車両用スイッチ検出回路、および車両用スイッチ検出回路の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6130045
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】車両用スイッチ検出回路、および車両用スイッチ検出回路の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
   B60R16/02 645A
【請求項の数】11
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-503042(P2016-503042)
(86)(22)【出願日】2015年9月25日
(86)【国際出願番号】JP2015077142
【審査請求日】2016年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】大城 勲
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−040142(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/111102(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非防水スイッチのオン/オフを検出する車両用スイッチ検出回路であって、
電流経路を制御する機械式の非防水スイッチと、
正極が前記電流経路の一端に接続され、負極が接地に接続されたバッテリと、
前記電流経路の他端が接続された電源端子の入力電圧を予め設定された周期で検出し、この検出結果に応じた第1の検出信号を検出ノードから出力する検出回路と、
前記検出回路の検出動作を制御するとともに、前記第1の検出信号の値に応じた第1の検出電圧に基づいて、前記非防水スイッチのオン/オフを検出する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記第1の検出電圧と閾値電圧とを比較した結果に基づいて、前記非防水スイッチがオンして前記電流経路の一端と他端との間が導通しているか、若しくは、前記非防水スイッチがオフして前記電流経路の一端と他端との間が遮断しているか、を判定し、
前記非防水スイッチが被水することにより、前記非防水スイッチがオフした状態で、前記非防水スイッチの前記電流経路にリーク電流が流れ、
前記検出回路は、
一端が前記電源端子に接続され、他端が前記検出ノードに接続され、前記制御回路によりオン又はオフに制御されるスイッチ素子と、
一端が前記検出ノードに接続され、他端が前記接地に接続された検出用抵抗と、を備え、
前記制御回路は、前記スイッチ素子を前記周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御し、
前記制御回路は、
前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧以上である場合には、前記非防水スイッチがオンしていると判定し、
一方、前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧未満である場合には、前記非防水スイッチがオフしていると判定し、
前記閾値電圧は、前記非防水スイッチがオンしている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧よりも、低くなるように設定され、且つ、前記非防水スイッチがオフし且つ前記非防水スイッチが被水して前記電流経路にリーク電流が流れている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧よりも、高くなるように設定されている
ことを特徴とする車両用スイッチ検出回路。
【請求項2】
前記車両用スイッチ検出回路は、前記電源端子の入力電圧が入力され且つ前記電源端子の入力電圧の情報を含む信号を前記制御回路に出力するインターフェイス回路を、さらに備え、
前記制御回路は、
前記制御回路が前記スイッチ素子をオフしているときの前記電源端子の入力電圧に基づいて、前記閾値電圧を算出する
ことを特徴とする請求項に記載の車両用スイッチ検出回路。
【請求項3】
前記車両用スイッチ検出回路は、
前記第1の検出信号の第1のピーク電圧を保持し、この保持した前記第1のピーク電圧を前記第1の検出電圧として第1ノードから出力する第1のピークホールド回路と、
前記電源端子の第2のピーク電圧を保持し、この保持した前記第2のピーク電圧を第2の検出電圧として第2ノードから出力する第2のピークホールド回路と、をさらに備え、
前記閾値電圧は、前記第2の検出電圧に基づいた電圧であり、
前記制御回路は、
前記第1の検出電圧が、閾値電圧以上である場合には、前記非防水スイッチがオンして前記電流経路の一端と他端との間が導通していると判定し、
一方、前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧未満である場合には、前記非防水スイッチがオフして前記電流経路の一端と他端との間が遮断していると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用スイッチ検出回路。
【請求項4】
前記第1のピークホールド回路は、
アノードが前記検出ノードに接続され、カソードが前記第1ノードに接続された第1の保持用ダイオードと、
前記第1ノードと前記接地との間に接続された第1の保持用コンデンサと、を備え、
前記第2のピークホールド回路は、
アノードが前記電源端子に接続され、カソードが前記第2ノードに接続された第2の保持用ダイオードと、
前記第2ノードと前記接地との間に接続された第2の保持用コンデンサと、を備える
ことを特徴とする請求項に記載の車両用スイッチ検出回路。
【請求項5】
前記車両用スイッチ検出回路は、
前記第2ノードと前記接地との間の前記第2の検出電圧を分圧した分圧電圧を前記閾値電圧として出力する分圧回路と、
前記第1の検出電圧と前記閾値電圧とが入力され、前記第1の検出電圧と前記閾値電圧とを比較し、この比較結果に応じて比較結果信号を出力するコンパレータと、をさらに備え、
前記制御回路は、
前記比較結果信号に基づいて、前記非防水スイッチのオン/オフを検出することを特徴とする請求項に記載の車両用スイッチ検出回路。
【請求項6】
前記車両用スイッチ検出回路は、
前記第2ノードの前記第2の検出電圧が入力され且つ前記第2ノードの前記第2の検出電圧の情報を含む信号を前記制御回路に出力するインターフェイス回路を、さらに備え、
前記制御回路は、前記第2の検出電圧に基づいて、前記閾値電圧を算出する
ことを特徴とする請求項に記載の車両用スイッチ検出回路。
【請求項7】
前記閾値電圧は、
前記非防水スイッチがオフし且つ前記非防水スイッチが被水して前記電流経路にリーク電流が流れている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子を前記周期にしたがってオンとオフを切り換えることで前記検出回路が出力する前記第1の検出信号のピーク電圧である前記第1の検出電圧よりも、高くなるように、設定され、
且つ、前記非防水スイッチがオンしている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子を前記周期にしたがってオンとオフを切り換えることで前記検出回路が出力する前記第1の検出信号のピーク電圧である前記第1の検出電圧よりも、低くなるように設定されている
ことを特徴とする請求項に記載の車両用スイッチ検出回路。
【請求項8】
前記車両用スイッチ検出回路は、二輪車に積載され、前記非防水スイッチは、前記二輪車のヘッドライト又は前記二輪車のウインカーの駆動を制御するために、ユーザにより操作される、前記二輪車のハンドルスイッチである
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用スイッチ検出回路。
【請求項9】
前記電源端子に接続され、前記電源端子から入力された電流に基づいて、前記制御回路に電力を供給する電源回路をさらに備え、
前記電源回路は、前記非防水スイッチがオンした状態のとき、又は前記非防水スイッチがオフし且つ前記電流経路に前記リーク電流が流れた状態のとき、前記電源端子から入力された電流で動作し且つ前記電源端子から入力された電流に基づいて前記制御回路に電流を供給し、
前記制御回路は、前記電源回路から供給される電流で動作し、前記電源回路から電流が供給されていない場合には、前記非防水スイッチがオフしていると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用スイッチ検出回路。
【請求項10】
前記制御回路は、
前記非防水スイッチがオンしていると判定した場合には、判定信号を出力し、前記非防水スイッチがオフしていると判定した場合には、前記判定信号を出力しない
ことを特徴とする請求項に記載の車両用スイッチ検出回路。
【請求項11】
非防水スイッチのオン/オフを検出する車両用スイッチ検出回路であって、電流経路を制御する機械式の非防水スイッチと、正極が前記電流経路の一端に接続され、負極が接地に接続されたバッテリと、前記電流経路の他端が接続された電源端子の入力電圧を予め設定された周期で検出し、この検出結果に応じた第1の検出信号を検出ノードから出力する検出回路と、前記検出回路の検出動作を制御するとともに、前記第1の検出信号の値に応じた第1の検出電圧に基づいて、前記非防水スイッチのオン/オフを検出する制御回路と、を備える車両用スイッチ検出回路の制御方法であって、
前記制御回路により、前記第1の検出電圧と閾値電圧とを比較した結果に基づいて、前記非防水スイッチがオンして前記電流経路の一端と他端との間が導通しているか、若しくは、前記非防水スイッチがオフして前記電流経路の一端と他端との間が遮断しているか、を判定し、
前記非防水スイッチが被水することにより、前記非防水スイッチがオフした状態で、前記非防水スイッチの前記電流経路にリーク電流が流れ、
前記検出回路は、
一端が前記電源端子に接続され、他端が前記検出ノードに接続され、前記制御回路によりオン又はオフに制御されるスイッチ素子と、
一端が前記検出ノードに接続され、他端が前記接地に接続された検出用抵抗と、を備え、
前記制御回路により、前記スイッチ素子を前記周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御し、
前記制御回路により、前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧以上である場合には、前記非防水スイッチがオンしていると判定し、一方、前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧未満である場合には、前記非防水スイッチがオフしていると判定し、
前記閾値電圧は、前記非防水スイッチがオンしている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧よりも、低くなるように設定され、且つ、前記非防水スイッチがオフし且つ前記非防水スイッチが被水して前記電流経路にリーク電流が流れている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧よりも、高くなるように設定されている
ことを特徴とする車両用スイッチ検出回路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用スイッチ検出回路、および車両用スイッチ検出回路の制御方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
車両のヘッドライト、ウインカー、パワーウインドウ等をユーザが操作するための非防水スイッチのオン/オフを検出するスイッチ検出回路が検討されている(例えば、特開2013−33610号参照)。
【0003】
この従来のスイッチ検出回路では、非防水スイッチが被水した時のリーク電流によるオン/オフの誤検出を防止するため、このリーク電流を接地に逃がす。
【0004】
特に、二輪車のヘッドライトやウインカーの非防水スイッチは、二輪車の構造上、被水し且つリーク電流も大きい。
【0005】
例えば、従来技術として、スイッチングしながらオン/オフを検出する技術、定電流回路を用いることが検討されている。
【0006】
しかしながら、既述の従来技術では、スイッチングの検出のタイミングの調整、抵抗や定電流回路の発熱の対策が必要になり、スイッチ検出回路の構成が複雑になる問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明では、ユーザが操作する機械式の非防水スイッチのオン/オフを検出する車両用スイッチ検出回路において、非防水スイッチの被水時にリーク電流が流れている場合においても、簡易な構成を用いて、非防水スイッチのオン/オフの誤検出を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る実施例に従った車両用スイッチ検出回路は、
非防水スイッチのオン/オフを検出する車両用スイッチ検出回路であって、
電流経路を制御する機械式の非防水スイッチと、
正極が前記電流経路の一端に接続され、負極が接地に接続されたバッテリと、
前記電流経路の他端が接続された電源端子の入力電圧を予め設定された周期で検出し、この検出結果に応じた第1の検出信号を検出ノードから出力する検出回路と、
前記検出回路の検出動作を制御するとともに、前記第1の検出信号の値に応じた第1の検出電圧に基づいて、前記非防水スイッチのオン/オフを検出する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記第1の検出電圧と閾値電圧とを比較した結果に基づいて、前記非防水スイッチがオンして前記電流経路の一端と他端との間が導通しているか、若しくは、前記非防水スイッチがオフして前記電流経路の一端と他端との間が遮断しているか、を判定し、
前記非防水スイッチが被水することにより、前記非防水スイッチがオフした状態で、前記非防水スイッチの前記電流経路にリーク電流が流れ、
前記検出回路は、
一端が前記電源端子に接続され、他端が前記検出ノードに接続され、前記制御回路によりオン又はオフに制御されるスイッチ素子と、
一端が前記検出ノードに接続され、他端が前記接地に接続された検出用抵抗と、を備え、
前記制御回路は、前記スイッチ素子を前記周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御し、
前記制御回路は、
前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧以上である場合には、前記非防水スイッチがオンしていると判定し、
一方、前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧未満である場合には、前記非防水スイッチがオフしていると判定し、
前記閾値電圧は、前記非防水スイッチがオンしている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧よりも、低くなるように設定され、且つ、前記非防水スイッチがオフし且つ前記非防水スイッチが被水して前記電流経路にリーク電流が流れている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧よりも、高くなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0012】
前記車両用スイッチ検出回路において、
前記車両用スイッチ検出回路は、前記電源端子の入力電圧VINが入力され且つ前記電源端子の入力電圧VINの情報を含む信号を前記制御回路に出力するインターフェイス回路を、さらに備え、
前記制御回路は、
前記制御回路が前記スイッチ素子をオフしているときの前記電源端子の入力電圧に基づいて、前記閾値電圧を算出する
ことを特徴とする。
【0014】
前記車両用スイッチ検出回路において、
前記車両用スイッチ検出回路は、
前記第1の検出信号の第1のピーク電圧を保持し、この保持した前記第1のピーク電圧を前記第1の検出電圧として第1ノードから出力する第1のピークホールド回路と、
前記電源端子の第2のピーク電圧を保持し、この保持した前記第2のピーク電圧を第2の検出電圧として第2ノードから出力する第2のピークホールド回路と、をさらに備え、
前記閾値電圧は、前記第2の検出電圧に基づいた電圧であり、
前記制御回路は、
前記第1の検出電圧が、閾値電圧以上である場合には、前記非防水スイッチがオンして前記電流経路の一端と他端との間が導通していると判定し、
一方、前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧未満である場合には、前記非防水スイッチがオフして前記電流経路の一端と他端との間が遮断していると判定する
ことを特徴とする。
【0015】
前記車両用スイッチ検出回路において、
前記第1のピークホールド回路は、
アノードが前記検出ノードに接続され、カソードが前記第1ノードに接続された第1の保持用ダイオードと、
前記第1ノードと前記接地との間に接続された第1の保持用コンデンサと、を備え、
前記第2のピークホールド回路は、
アノードが前記電源端子に接続され、カソードが前記第2ノードに接続された第2の保持用ダイオードと、
前記第2ノードと前記接地との間に接続された第2の保持用コンデンサと、を備える
ことを特徴とする。
【0016】
前記車両用スイッチ検出回路において、
前記第2ノードと前記接地との間の前記第2の検出電圧を分圧した分圧電圧を前記閾値電圧として出力する分圧回路と、
前記第1の検出電圧と前記閾値電圧とが入力され、前記第1の検出電圧と前記閾値電圧とを比較し、この比較結果に応じて比較結果信号を出力するコンパレータと、をさらに備え、
前記制御回路は、
前記比較結果信号に基づいて、前記非防水スイッチのオン/オフを検出することを特徴とする。
【0017】
前記車両用スイッチ検出回路において、
前記第2ノードの前記第2の検出電圧が入力され且つ前記第2ノードの前記第2の検出電圧の情報を含む信号を前記制御回路に出力するインターフェイス回路を、さらに備え、
前記制御回路は、前記第2の検出電圧に基づいて、前記閾値電圧を算出する
ことを特徴とする。
【0018】
前記車両用スイッチ検出回路において、
前記閾値電圧は、
前記非防水スイッチがオフし且つ前記非防水スイッチが被水して前記電流経路にリーク電流が流れている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子を前記周期にしたがってオンとオフを切り換えることで前記検出回路が出力する前記第1の検出信号のピーク電圧である前記第1の検出電圧よりも、高くなるように、設定され、
且つ、前記非防水スイッチがオンしている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子を前記周期にしたがってオンとオフを切り換えることで前記検出回路が出力する前記第1の検出信号のピーク電圧である前記第1の検出電圧よりも、低くなるように設定されている
ことを特徴とする。
【0019】
前記車両用スイッチ検出回路は、二輪車に積載され、前記非防水スイッチは、前記二輪車のヘッドライト又は前記二輪車のウインカーの駆動を制御するために、ユーザにより操作される、前記二輪車のハンドルスイッチである
ことを特徴とする。
【0020】
前記車両用スイッチ検出回路は、
前記電源端子に接続され、前記電源端子から入力された電流に基づいて、前記制御回路に電力を供給する電源回路をさらに備え、
前記電源回路は、前記非防水スイッチがオンした状態のとき、又は前記非防水スイッチがオフし且つ前記電流経路に前記リーク電流が流れた状態のとき、前記電源端子から入力された電流で動作し且つ前記電源端子から入力された電流に基づいて前記制御回路に電流を供給し、
前記制御回路は、前記電源回路から供給される電流で動作し、前記電源回路から電流が供給されていない場合には、前記非防水スイッチがオフしていると判定する
ことを特徴とする。
【0021】
前記車両用スイッチ検出回路において、
前記制御回路は、
前記非防水スイッチがオンしていると判定した場合には、判定信号を出力し、前記非防水スイッチがオフしていると判定した場合には、前記判定信号を出力しない
ことを特徴とする。
【0022】
本発明の一態様に係る実施例に従った車両用スイッチ検出回路の制御方法は、
非防水スイッチのオン/オフを検出する車両用スイッチ検出回路であって、電流経路を制御する機械式の非防水スイッチと、正極が前記電流経路の一端に接続され、負極が接地に接続されたバッテリと、前記電流経路の他端が接続された電源端子の入力電圧を予め設定された周期で検出し、この検出結果に応じた第1の検出信号を検出ノードから出力する検出回路と、前記検出回路の検出動作を制御するとともに、前記第1の検出信号の値に応じた第1の検出電圧に基づいて、前記非防水スイッチのオン/オフを検出する制御回路と、を備える車両用スイッチ検出回路の制御方法であって、
前記制御回路により、前記第1の検出電圧と閾値電圧とを比較した結果に基づいて、前記非防水スイッチがオンして前記電流経路の一端と他端との間が導通しているか、若しくは、前記非防水スイッチがオフして前記電流経路の一端と他端との間が遮断しているか、を判定し、
前記非防水スイッチが被水することにより、前記非防水スイッチがオフした状態で、前記非防水スイッチの前記電流経路にリーク電流が流れ、
前記検出回路は、
一端が前記電源端子に接続され、他端が前記検出ノードに接続され、前記制御回路によりオン又はオフに制御されるスイッチ素子と、
一端が前記検出ノードに接続され、他端が前記接地に接続された検出用抵抗と、を備え、
前記制御回路により、前記スイッチ素子を前記周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御し、
前記制御回路により、前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧以上である場合には、前記非防水スイッチがオンしていると判定し、一方、前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧が、前記閾値電圧未満である場合には、前記非防水スイッチがオフしていると判定し、
前記閾値電圧は、前記非防水スイッチがオンしている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧よりも、低くなるように設定され、且つ、前記非防水スイッチがオフし且つ前記非防水スイッチが被水して前記電流経路にリーク電流が流れている状態において、前記制御回路が前記スイッチ素子をオンしているときの前記第1の検出電圧よりも、高くなるように設定されている
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様に係る車両用スイッチ検出回路は、非防水スイッチのオン/オフを検出する車両用スイッチ検出回路であって、電流経路を制御する機械式の非防水スイッチと、正極が電流経路の一端に接続され、負極が接地に接続されたバッテリと、電流経路の他端が接続された電源端子の入力電圧を予め設定された周期で検出し、この検出結果に応じた第1の検出信号を検出ノードから出力する検出回路と、検出回路の検出動作を制御するとともに、第1の検出信号の値に応じた第1の検出電圧に基づいて、非防水スイッチのオン/オフを検出する制御回路と、を備える。
【0024】
そして、制御回路は、第1の検出電圧と閾値電圧とを比較した結果に基づいて、非防水スイッチがオンして電流経路の一端と他端との間が導通しているか、若しくは、非防水スイッチがオフして電流経路の一端と他端との間が遮断しているかを判定する。
【0025】
これにより、本発明に係る車両用スイッチ検出回路は、機械式の非防水スイッチの被水時のリーク電流の有無に拘わらず、第1の検出電圧と閾値電圧とを比較することにより、非防水スイッチのオン/オフを検出することができる。
【0026】
特に、本発明に係る車両用スイッチ検出回路は、検出のタイミングの調整抵抗、定電流回路の発熱の対策の必要が無く、簡易な構成を用いて、非防水スイッチのオン/オフの誤検出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、第1の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路100の構成の一例を示す回路図である。
図2図2は、図1に示す車両用スイッチ検出回路100の動作波形の一例を示す波形図である。
図3図3は、第2の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路200の構成の一例を示す回路図である。
図4図4は、図3に示す車両用スイッチ検出回路200の動作波形の一例を示す波形図である。
図5図5は、第3の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路300の構成の一例を示す回路図である。
図6図6は、図5に示す車両用スイッチ検出回路300の動作波形の一例を示す波形図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【第1の実施形態】
【0029】
図1は、第1の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路100の構成の一例を示す回路図である。
【0030】
第1の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路100は、例えば、図1に示すように、非防水スイッチSWと、バッテリBと、検出回路DCと、制御回路CONと、第1のインターフェイス回路IF1と、第2のインターフェイス回路IF2と、電源用ダイオードDXと、電源回路SCと、を備える。この車両用スイッチ検出回路100は、例えば、二輪車等の車両に積載される。
【0031】
ここで、バッテリBは、正極が該電流経路の一端(第1の接点)SW1に接続され、負極が接地に接続されている。
【0032】
そして、非防水スイッチSWは、電流経路を制御する。この非防水スイッチSWは、例えば、被水する環境下に置かれる機械式のスイッチであり、二輪車のヘッドライト又は二輪車のウインカー等の駆動を制御するための二輪車のハンドルスイッチである。この非防水スイッチSWは、ユーザにより操作される。
【0033】
また、非防水スイッチSWが被水することにより、非防水スイッチSWがオフした状態で、非防水スイッチSWの該電流経路にリーク電流が流れる。このように、非防水スイッチSWの該電流経路にリーク電流が流れると、バッテリBの正極と電源端子TINとが、非防水スイッチSWがオフしているにも拘わらず、電気的に導通することになる。
【0034】
なお、非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れている状態の電源端子TINの入力電圧VINは、非防水スイッチSWがオンしている状態の電源端子TINの入力電圧VINよりも、リーク電流による該電流経路における電圧降下分だけ、低くなる。
【0035】
このリーク電流による電圧降下は、該電流経路を電気的に導通する水にリーク電流が流れたときの電圧である。そして、非防水スイッチSWがオンしている場合は、該電流経路の電圧降下は無視される程度である。
【0036】
また、検出回路DCは、該電流経路の他端(第2の接点)SW2が接続された電源端子TINの入力電圧VINを予め設定された周期で検出し、この検出結果に応じた第1の検出信号VR1を検出ノードNSから出力する(図1)。
【0037】
ここで、制御回路CONは、検出回路DCの検出動作を制御するとともに、第1の検出信号VR1の値に応じた第1の検出電圧VC1に基づいて、非防水スイッチSWのオン/オフを検出する。
【0038】
この制御回路CONは、第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較した結果に基づいて、非防水スイッチSWがオンして該電流経路の一端SW1と他端SW2との間が導通しているか、若しくは、非防水スイッチSWがオフして該電流経路の一端SW1と他端SW2との間が遮断しているか、を判定する。
【0039】
また、検出回路DCは、例えば、図1に示すように、スイッチ素子Q1と、検出用抵抗R1と、を備える。
【0040】
スイッチ素子Q1は、一端が電源端子TINに接続され、他端が検出ノードNSに接続され、制御回路CONによりオン又はオフに制御される。
【0041】
このスイッチ素子Q1は、例えば、図1に示すように、一端であるソースが電源端子TINに接続され、他端であるドレインが検出用抵抗R1の一端に接続され、制御回路CONにより(プリドライブ回路PDを介して)ゲート電圧がパルス信号VPにより制御されるpMOSトランジスタである。
【0042】
そして、検出用抵抗R1は、一端が検出ノードNSに接続され、他端が接地に接続されている。
【0043】
このような構成を有する検出回路DCは、検出ノードNSから第1の検出信号VR1を出力する。すなわち、図1の例では、第1の検出電圧VC1は、第1の検出信号VR1である。
【0044】
制御回路CONは、パルス信号VPにより、スイッチ素子Q1を、予め設定された該周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御する。
【0045】
なお、既述のように、車両用スイッチ検出回路100は、制御回路CONが出力したスイッチ素子Q1を制御するための制御信号に応じて、pMOSトランジスタのゲート電圧をパルス信号VPにより制御(スイッチ素子Q1を駆動)するプリドライブ回路PDを備える。なお、このプリドライブ回路PDは、省略されてもよい。
【0046】
すなわち、制御回路CONが、直接、パルス信号VPを出力して、スイッチ素子Q1を制御するようにしてもよい。
【0047】
ここで、例えば、非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWの電流経路にリーク電流が流れている第1の状態、又は、非防水スイッチSWがオンして非防水スイッチSWの電流経路に電流が流れている第2の状態がある。
【0048】
そして、上記第1、第2の状態において(すなわち、電源端子TINに電流が流れる状態において)、スイッチ素子Q1がオンすると、電源端子TINからスイッチ素子Q1を介して電流が検出用抵抗R1に流れる。これにより、第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)のレベルは、上昇する。
【0049】
なお、既述のように、非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れている第1の状態の電源端子TINの入力電圧VINは、非防水スイッチSWがオンしている第2の状態の電源端子TINの入力電圧VINよりも、リーク電流による該電流経路における電圧降下分だけ、低くなる。
【0050】
すなわち、非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れている第1の状態の第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)のレベルは、非防水スイッチSWがオンしている第2の状態の第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)のレベルよりも、低くなる。
【0051】
また、上記第2の状態において、第1のスイッチ素子Q1がオフすると(第3の状態)、電流が検出用抵抗R1に流れない。これにより、この第3の状態では、第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)は、接地電位になる。
【0052】
なお、非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWの電流経路に電流が流れていない第3の状態において(すなわち、電源端子TINに電流が流れない状態において)は、スイッチ素子Q1がオンしても、電源端子TINから電流が検出用抵抗R1に電流が流れない。このとき、第1の検出信号VR1は、接地電位になる。
【0053】
このようにして、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth以上である場合には、非防水スイッチSWがオンしていると判定する。
【0054】
一方、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth未満である場合には、非防水スイッチSWがオフしていると判定する。
【0055】
また、第1のインターフェイス回路IF1は、検出ノードNSの第1の検出電圧VC1(第1の検出信号VR1)が入力され且つ検出ノードNSの第1の検出電圧VC1の情報を含む信号を制御回路CONに出力する。
【0056】
ここで、制御回路CONは、この第1のインターフェイス回路IF1を介して、第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)の情報を取得する。
【0057】
また、第2のインターフェイス回路IF2は、電源端子TINの入力電圧VINが入力され且つ電源端子TINの入力電圧VINの情報を含む信号を制御回路CONに出力する。
【0058】
制御回路CONは、この第2のインターフェイス回路IF2を介して、電源端子TINの入力電圧VINの情報を取得する。
【0059】
そして、制御回路CONは、例えば、制御回路CONがスイッチ素子Q1をオフしているときの電源端子TINの入力電圧VINに基づいて、閾値電圧Vthを算出する(例えば、入力電圧VINを分圧した電圧を閾値電圧Vthとして算出する)。
【0060】
なお、閾値電圧Vthは、非防水スイッチSWがオンしている状態において、制御回路CONがスイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出電圧VC1よりも、低くなるように設定されている。
【0061】
これにより、既述のように、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)が閾値電圧Vth以上であることを示す場合には、非防水スイッチSWがオンしていると判断することができる。
【0062】
一方、閾値電圧Vthは、非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWが被水して該電流経路にリーク電流が流れている状態において、制御回路CONがスイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出電圧VC1よりも、高くなるように設定されている。この場合、勿論、閾値電圧Vthは、非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れていない状態において、制御回路CONがスイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出電圧VC1よりも、高くなる。
【0063】
これにより、既述のように、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)が閾値電圧Vth未満であることを示す場合には、非防水スイッチSWがオフしていると判断することができる。
【0064】
また、電源回路SCは、電源端子TINに電源用ダイオードDXを介して接続されている。
【0065】
電源用ダイオードDXは、アノードが電源端子TINに接続され、カソードが電源回路SCに接続されている。
そして、電源回路SCは、電源端子TINから電源用ダイオードDXを介して入力された電流に基づいて、制御回路CONに電力を供給する。
【0066】
この電源回路SCは、非防水スイッチSWがオンした状態のとき、又は非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れた状態のとき、電源端子TINから入力された電流で動作する。さらに、この電源回路SCは、電源端子TINから入力された電流に基づいて制御回路CONに電流を供給する。
【0067】
そして、制御回路CONは、電源回路SCから供給される電流で動作する。
【0068】
制御回路CONは、第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較した結果に基づいて、非防水スイッチSWがオンしていると判定した場合には、例えば、オン判定信号を出力する。
【0069】
これにより、例えば、二輪車に積載された点灯制御部(図示せず)が、このオン判定信号に基づいて、非防水スイッチSWがオンしていると判断する。この場合、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させる。
【0070】
一方、制御回路CONは、第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較した結果に基づいて、非防水スイッチSWがオフしていると判定した場合には、例えば、オン判定信号を出力しない。
【0071】
そして、該点灯制御部は、オン判定信号が入力されない場合、非防水スイッチSWがオフしていると判断する。この場合、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させない。
【0072】
なお、制御回路CONは、電源回路SCから電流が供給されていない場合にも、非防水スイッチSWがオフしていると判定する(言い換えれば、制御回路CONは、電源回路SCから電流が供給されていないために駆動停止している場合は、非防水スイッチSWがオンしていると判定しない。)。
【0073】
そして、制御回路CONは、非防水スイッチSWがオフしていると判定した場合(言い換えれば、電源回路SCから電流が供給されていないために駆動停止している場合)には、オン判定信号を出力しない。
【0074】
そして、該点灯制御部は、該オン判定信号が入力されない場合、非防水スイッチSWがオフしていると判断する。この場合、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させない。
【0075】
以上のように車両用スイッチ検出回路200は、非防水スイッチSWのオン/オフを検出するようになっている。
【0076】
次に、以上のような構成を有する車両用スイッチ検出回路100の動作の一例について、図2を用いて説明する。
【0077】
ここで、図2は、図1に示す車両用スイッチ検出回路100の動作波形の一例を示す波形図である。この図2は、非防水スイッチSWがオフしている状態から非防水スイッチSWがオンし、その後、 非防水スイッチSWがオンしている状態から非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWの電流経路にリーク電流が流れる状態に遷移する場合の波形を示している。
【0078】
先ず、図2の時刻ta以前において、非防水スイッチSWがオフしている状態では、制御回路CONは、電源回路SCから電流が供給されていない。
【0079】
このとき、制御回路CONは、非防水スイッチSWがオフしていると判定する(言い換えれば、制御回路CONは、電源回路SCから電流が供給されていないために駆動停止している場合は、非防水スイッチSWがオンしていると判定しない。)。
【0080】
そして、制御回路CONは、非防水スイッチSWがオフしていると判定した場合(言い換えれば、電源回路SCから電流が供給されていないために駆動停止している場合)には、オン判定信号を出力しない。
【0081】
これにより、既述の該点灯制御部は、該オン判定信号が入力されないので、非防水スイッチSWがオフしていると判断する。したがって、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させない。
【0082】
その後、図2の時刻taにおいて、非防水スイッチSWがオンすると、電源端子TINの入力電圧VINが上昇する。これにより、電源回路SCは、電源端子TINから入力された電流で動作する。さらに、電源回路SCは、電源端子TINから入力された電流に基づいて制御回路CONに電流を供給する。
【0083】
このとき、制御回路CONは、電源回路SCから供給される電流で動作する。そして、制御回路CONは、パルス信号VPにより、検出回路DCのスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御する(図2の時刻ta以降)。さらに、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較した結果に基づいて、非防水スイッチSWがオンいるか、若しくは、非防水スイッチSWがオフしているか、を判定する。
【0084】
例えば、時刻tbにおいて、パルス信号VPが“Low”レベルになると、スイッチ素子Q1がオンする。これにより、第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)のレベルは、上昇する。
【0085】
そして、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしている時刻tbの第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth以上であるので、非防水スイッチSWがオンしていると判定し、オン判定信号を出力する。
【0086】
これにより、既述の該点灯制御部が、このオン判定信号に基づいて、非防水スイッチSWがオンしていると判断する。この場合、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させる。
【0087】
その後、図2の時刻tcにおいて、非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWの該電流経路にリーク電流が流れる状態に遷移する。
【0088】
この時刻tc以降においても、制御回路CONは、パルス信号VPにより、検出回路DCのスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御する。さらに、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較した結果に基づいて、非防水スイッチSWがオンいるか、若しくは、非防水スイッチSWがオフしているか、を判定する。
【0089】
例えば、時刻tdにおいて、パルス信号VPが“Low”レベルになると、スイッチ素子Q1がオンする。これにより、第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)のレベルは、上昇する。
【0090】
しかし、既述のように、非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れている第1の状態の電源端子TINの入力電圧VINは、非防水スイッチSWがオンしている第2の状態の電源端子TINの入力電圧VINよりも、リーク電流による該電流経路における電圧降下分だけ、低くなる。
【0091】
すなわち、非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れている第1の状態の第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)のレベルは、非防水スイッチSWがオンしている第2の状態の第1の検出信号VR1(第1の検出電圧VC1)のレベルよりも、低くなる。
【0092】
そこで、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしている時刻tdの第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth未満であるので、非防水スイッチSWがオフしていると判定し、オン判定信号を出力しない。
【0093】
これにより、既述の該点灯制御部は、該オン判定信号が入力されないので、非防水スイッチSWがオフしていると判断する。この場合、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させない。
【0094】
上記のようにして、車両用スイッチ検出回路100は、非防水スイッチSWのオン/オフを検出する。
【0095】
以上のように、本実施形態に係る車両用スイッチ検出回路は、非防水スイッチのオン/オフを検出する車両用スイッチ検出回路であって、電流経路を制御する機械式の非防水スイッチと、正極が電流経路の一端に接続され、負極が接地に接続されたバッテリと、電流経路の他端が接続された電源端子の入力電圧を予め設定された周期で検出し、この検出結果に応じた第1の検出信号を検出ノードから出力する検出回路と、検出回路の検出動作を制御するとともに、第1の検出信号の値に応じた第1の検出電圧に基づいて、非防水スイッチのオン/オフを検出する制御回路と、を備える。
【0096】
そして、制御回路は、第1の検出電圧と閾値電圧とを比較した結果に基づいて、非防水スイッチがオンして電流経路の一端と他端との間が導通しているか、若しくは、非防水スイッチがオフして電流経路の一端と他端との間が遮断しているかを判定する。
【0097】
これにより、本発明に係る車両用スイッチ検出回路は、機械式の非防水スイッチの被水時のリーク電流の有無に拘わらず、第1の検出電圧と閾値電圧とを比較することにより、非防水スイッチのオン/オフを検出することができる。
【0098】
特に、本実施形態に係る車両用スイッチ検出回路は、検出のタイミングの調整抵抗、定電流回路の発熱の対策の必要が無く、簡易な構成を用いて、非防水スイッチのオン/オフの誤検出を抑制することができる。
【第2の実施形態】
【0099】
本第2の実施形態では、車両用スイッチ検出回路の構成の他の例について説明する。図3は、第2の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路200の構成の一例を示す回路図である。なお、この図3において、図1と同じ符号は、第1の実施形態と同様の構成を示し、説明を省略する。
【0100】
第2の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路200(図3)は、第1の実施形態の車両用スイッチ検出回路100と比較して、第1のピークホールド回路PH1と、第2のピークホールド回路PH2と、をさらに備える。
【0101】
第1のピークホールド回路PH1は、第1の検出信号VR1の第1のピーク電圧を保持し、この保持した第1のピーク電圧を第1の検出電圧VC1として第1ノードN1から出力する。
【0102】
この第1のピークホールド回路PH1は、例えば、図3に示すように、アノードが検出ノードNSに接続され、カソードが第1ノードN1に接続された第1の保持用ダイオードD1と、第1ノードN1と接地との間に接続された第1の保持用コンデンサC1と、を備える。
【0103】
また、第2のピークホールド回路PH2は、電源端子TINの入力電圧VINの第2のピーク電圧を保持し、この保持した第2のピーク電圧を第2の検出電圧VC2として第2ノードN2から出力する。
【0104】
この第2のピークホールド回路PH2は、例えば、図3に示すように、アノードが電源端子TINに接続され、カソードが第2ノードN2に接続された第2の保持用ダイオードD2と、第2ノードN2と接地との間に接続された第2の保持用コンデンサC2と、を備える。
【0105】
なお、本実施形態においては、閾値電圧Vthは、第2の検出電圧VC2に基づいた電圧である(例えば、閾値電圧Vthは、第2の検出電圧VC2を分圧した電圧である)。
【0106】
そして、制御回路CONは、第1のピークホールド回路PH1が出力する第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth以上である場合には、非防水スイッチSWがオンして該電流経路の一端SW1と他端SW2との間が導通していると判定する。
【0107】
一方、制御回路CONは、第1のピークホールド回路PH1が出力する第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth未満である場合には、非防水スイッチSWがオフして該電流経路の一端SW1と他端SW2との間が遮断していると判定する。
【0108】
また、車両用スイッチ検出回路200においては、第1のインターフェイス回路IF1は、第1ノードN1の第1の検出電圧VC1が入力され且つ第1ノードN1の第1の検出電圧VC1の情報を含む信号を制御回路CONに出力するようになっている。
【0109】
制御回路CONは、この第1のインターフェイス回路IF1を介して、第1の検出電圧VC1の情報を取得する。
【0110】
また、この車両用スイッチ検出回路200においては、第2のインターフェイス回路IF2は、第2ノードN2の第2の検出電圧VC2が入力され且つ第2ノードN2の第2の検出電圧VC2の情報を含む信号を制御回路CONに出力するようになっている。
【0111】
制御回路CONは、第2の検出電圧VC2に基づいて、閾値電圧Vthを算出する(例えば、第2の検出電圧を分圧した電圧を閾値電圧Vthとして算出する)。
【0112】
ここで、閾値電圧Vthは、非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWが被水して該電流経路にリーク電流が流れている状態において、制御回路CONがスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えることで検出回路DCが出力する第1の検出信号VR1のピーク電圧である第1の検出電圧VC1よりも、高くなるように、設定される。
【0113】
これにより、制御回路CONは、第1の検出電圧VC1が閾値電圧Vth以上であることを示す場合には、非防水スイッチSWがオンしていると判断することができる。
【0114】
さらに、閾値電圧Vthは、非防水スイッチSWがオンしている状態において、制御回路CONがスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えることで検出回路DCが出力する第1の検出信号VR1のピーク電圧である第1の検出電圧VC1よりも、低くなるように設定される。
【0115】
これにより、制御回路CONは、第1の検出電圧VC1が閾値電圧Vth未満であることを示す場合には、非防水スイッチSWがオフしていると判断することができる。
【0116】
この車両用スイッチ検出回路200のその他の構成は、図1に示す車両用スイッチ検出回路100と同様である。
【0117】
次に、以上のような構成を有する車両用スイッチ検出回路200の動作の一例について、図4を用いて説明する。
【0118】
ここで、図4は、図3に示す車両用スイッチ検出回路200の動作波形の一例を示す波形図である。この図4は、非防水スイッチSWがオフしている状態から非防水スイッチSWがオンし、その後、 非防水スイッチSWがオンしている状態から非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWの電流経路にリーク電流が流れる状態に遷移する場合の波形を示している。
【0119】
先ず、図4の時刻ta以前において、非防水スイッチSWがオフしている状態では、制御回路CONは、電源回路SCから電流が供給されていない。
【0120】
このとき、制御回路CONは、非防水スイッチSWがオフしていると判定する(言い換えれば、制御回路CONは、電源回路SCから電流が供給されていないために駆動停止している場合は、非防水スイッチSWがオンしていると判定しない。)。
【0121】
そして、制御回路CONは、非防水スイッチSWがオフしていると判定した場合(言い換えれば、電源回路SCから電流が供給されていないために駆動停止している場合)には、オン判定信号を出力しない。
【0122】
これにより、既述の該点灯制御部は、該オン判定信号が入力されないので、非防水スイッチSWがオフしていると判断する。したがって、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させない。
【0123】
その後、図4の時刻taにおいて、非防水スイッチSWがオンすると、電源端子TINの入力電圧VINが上昇する。これにより、電源回路SCは、電源端子TINから入力された電流で動作する。さらに、電源回路SCは、電源端子TINから入力された電流に基づいて制御回路CONに電流を供給する。なお、この入力電圧VINの上昇にともなって、第2のピークホールド回路PH2は第2の検出電圧VC2を上昇させる。この第2の検出電圧VC2の上昇にともなって、制御回路CONは、閾値電圧Vthを上昇させる。
【0124】
このとき、制御回路CONは、電源回路SCから供給される電流で動作する。そして、制御回路CONは、パルス信号VPにより、検出回路DCのスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御する(図4の時刻ta以降)。さらに、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較した結果に基づいて、非防水スイッチSWがオンいるか、若しくは、非防水スイッチSWがオフしているか、を判定する。
【0125】
例えば、図4の時刻tbにおいて、パルス信号VPが“Low”レベルになると、スイッチ素子Q1がオンする。これにより、第1の検出電圧VC1のレベルは、上昇する。第1のピークホールド回路PH1は、第1の検出信号VR1の第1のピーク電圧を保持し、この保持した第1のピーク電圧を第1の検出電圧VC1として第1ノードN1から出力する。
【0126】
そして、制御回路CONは、図4の時刻tbからtcの第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth以上であるので、非防水スイッチSWがオンしていると判定し、オン判定信号を出力する。
【0127】
これにより、既述の該点灯制御部が、このオン判定信号に基づいて、非防水スイッチSWがオンしていると判断する。この場合、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させる。
【0128】
その後、図4の時刻tcにおいて、非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWの該電流経路にリーク電流が流れる状態に遷移する。
【0129】
この時刻tc以降においても、制御回路CONは、パルス信号VPにより、検出回路DCのスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御する。さらに、制御回路CONは、第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較した結果に基づいて、非防水スイッチSWがオンいるか、若しくは、非防水スイッチSWがオフしているか、を判定する。
【0130】
例えば、図4の時刻tdにおいて、非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れている第1の状態の第1の検出電圧VC1のレベルは、非防水スイッチSWがオンしている第2の状態の第1の検出電圧VC1のレベルよりも、低くなる。
【0131】
そこで、制御回路CONは、時刻tdの第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth未満であるので、非防水スイッチSWがオフしていると判定し、オン判定信号を出力しない。
【0132】
これにより、既述の該点灯制御部は、該オン判定信号が入力されないので、非防水スイッチSWがオフしていると判断する。この場合、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させない。
【0133】
上記のようにして、車両用スイッチ検出回路200は、非防水スイッチSWのオン/オフを検出する。
【0134】
以上のように、本第2の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路によれば、第1の実施形態と同様に、機械式の非防水スイッチの被水時のリーク電流の有無に拘わらず、第1の検出電圧と閾値電圧とを比較することにより、非防水スイッチのオン/オフを検出することができる。
【0135】
また、第1の実施形態と同様に、本実施形態に係る車両用スイッチ検出回路は、検出のタイミングの調整抵抗、定電流回路の発熱の対策の必要が無く、簡易な構成を用いて、非防水スイッチのオン/オフの誤検出を抑制することができる。
【第3の実施形態】
【0136】
本第3の実施形態では、車両用スイッチ検出回路の構成の更に他の例について説明する。図5は、第3の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路300の構成の一例を示す回路図である。なお、この図5において、図3と同じ符号は、第2の実施形態と同様の構成を示し、説明を省略する。
【0137】
第3の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路300(図5)は、第2の実施形態の車両用スイッチ検出回路200と比較して、第2ノードN2と接地との間の第2の検出電圧VC2を分圧した分圧電圧を閾値電圧Vthとして出力する分圧回路RCを備える。
【0138】
さらに、車両用スイッチ検出回路300は、第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとが入力され、第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較し、この比較結果に応じて比較結果信号を出力するコンパレータCOMPを備える。
【0139】
なお、第3の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路300(図5)は、第2の実施形態の車両用スイッチ検出回路200と比較して、第2のインターフェイス回路IF2が省略されている。また、車両用スイッチ検出回路300のインターフェイス回路IFは、第2の実施形態の車両用スイッチ検出回路200の第1のインターフェイス回路IF1に対応する。
【0140】
インターフェイス回路IFは、車両用スイッチ検出回路300においては、コンパレータCOMPが出力した比較結果信号VXが入力され且つ比較結果信号VXの情報(第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとの比較結果の情報)を含む信号を制御回路CONに出力するようになっている。
【0141】
制御回路CONは、このインターフェイス回路IFを介して、第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとの比較結果の情報を取得する。
【0142】
また、制御回路CONは、比較結果信号VX(第1の検出電圧VC1に基づいた比較結果)に基づいて、非防水スイッチSWのオン/オフを検出する。
【0143】
また、分圧回路RCは、例えば、図5に示すように、一端が第2ノードN2に接続され、他端が分圧ノードDNに接続された第1の分圧抵抗DR1と、一端が分圧ノードDNに接続され、他端が接地に接続された第2の分圧抵抗DR2と、を備える。
【0144】
この分圧回路RCは、分圧ノードDNの電圧を閾値電圧Vthとして出力する。
【0145】
また、コンパレータCOMPは、第1の入力が分圧ノードDNに接続され、第2の入力が、第1ノードN1に接続されている。さらに、コンパレータの出力は、インターフェイス回路IFの入力に接続されるとともに、抵抗RXを介して第2ノードN2に接続されている。
【0146】
なお、車両用スイッチ検出回路300は、第2ノードN2とコンバータCOMPの出力との間に接続された出力抵抗RXを備える。なお、出力抵抗RXは、省略されていてもよい。
ここで、第2の実施形態と同様に、閾値電圧Vthは、非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWが被水して該電流経路にリーク電流が流れている状態において、制御回路CONがスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えることで検出回路DCが出力する第1の検出信号VR1のピーク電圧である第1の検出電圧VC1よりも、高くなるように、設定される。
【0147】
さらに、第2の実施形態と同様に、閾値電圧Vthは、非防水スイッチSWがオンしている状態において、制御回路CONがスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えることで検出回路DCが出力する第1の検出信号VR1のピーク電圧である第1の検出電圧VC1よりも、低くなるように設定される。
【0148】
そして、コンパレータCOMPは、第1のピークホールド回路PH1が出力した第1の検出電圧VC1と分圧回路RCが出力した閾値電圧Vthとを比較し、この比較結果に応じて比較結果信号VXを出力する。
【0149】
例えば、コンパレータCOMPは、第1の検出電圧VC1と、閾値電圧Vthとを比較し、第1の検出電圧VC1が閾値電圧Vth以上である場合には、“High”レベルの比較結果信号VXを出力する。
【0150】
これにより、制御回路CONは、比較結果信号VXが、第1の検出電圧VC1が閾値電圧Vth未満であることを示す場合(例えば、“High”レベルの場合)には、非防水スイッチSWがオフして非防水スイッチSWの電流経路の一端と他端との間が遮断していると判断することができる。
【0151】
一方、コンパレータCOMPは、第1の検出電圧VC1と、閾値電圧Vthとを比較し、第1の検出電圧VC1が閾値電圧Vth未満である場合には、“Low”レベルの比較結果信号VXを出力する。
【0152】
これにより、制御回路CONは、比較結果信号VXが、第1の検出電圧VC1が閾値電圧Vth以上であることを示す場合(例えば、“Low”レベル)には、非防水スイッチSWがオンして非防水スイッチSWの電流経路の一端と他端との間が導通していると判断することができる。
【0153】
このように、制御回路CONは、比較結果信号VX(第1の検出電圧VC1に基づいた比較結果)に基づいて、非防水スイッチSWのオン/オフを検出する。
【0154】
次に、以上のような構成を有する車両用スイッチ検出回路300の動作の一例について、図6を用いて説明する。
【0155】
ここで、図6は、図5に示す車両用スイッチ検出回路300の動作波形の一例を示す波形図である。この図6は、非防水スイッチSWがオフしている状態から非防水スイッチSWがオンし、その後、 非防水スイッチSWがオンしている状態から非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWの電流経路にリーク電流が流れる状態に遷移する場合の波形を示している。
【0156】
先ず、図6の時刻ta以前において、非防水スイッチSWがオフしている状態では、制御回路CONは、電源回路SCから電流が供給されていない。
【0157】
このとき、制御回路CONは、非防水スイッチSWがオフしていると判定する(言い換えれば、制御回路CONは、電源回路SCから電流が供給されていないために駆動停止している場合は、非防水スイッチSWがオンしていると判定しない。)。
【0158】
そして、制御回路CONは、非防水スイッチSWがオフしていると判定した場合(言い換えれば、電源回路SCから電流が供給されていないために駆動停止している場合)には、オン判定信号を出力しない。
【0159】
これにより、既述の該点灯制御部は、該オン判定信号が入力されないので、非防水スイッチSWがオフしていると判断する。したがって、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させない。
【0160】
その後、図6の時刻taにおいて、非防水スイッチSWがオンすると、電源端子TINの入力電圧VINが上昇する。これにより、電源回路SCは、電源端子TINから入力された電流で動作する。さらに、電源回路SCは、電源端子TINから入力された電流に基づいて制御回路CONに電流を供給する。なお、この入力電圧VINの上昇にともなって、第2のピークホールド回路PH2は第2の検出電圧VC2を上昇させる。この第2の検出電圧VC2の上昇にともなって、分圧回路RCは、閾値電圧Vthを上昇させる。
【0161】
このとき、制御回路CONは、電源回路SCから供給される電流で動作する。そして、制御回路CONは、パルス信号VPにより、検出回路DCのスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御する(図6の時刻ta以降)。さらに、制御回路CONは、スイッチ素子Q1をオンしているときの第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較した結果に基づいて、非防水スイッチSWがオンいるか、若しくは、非防水スイッチSWがオフしているか、を判定する。
【0162】
例えば、図6の時刻tbにおいて、パルス信号VPが“Low”レベルになると、スイッチ素子Q1がオンする。これにより、第1の検出電圧VC1のレベルは、上昇する。第1のピークホールド回路PH1は、第1の検出信号VR1の第1のピーク電圧を保持し、この保持した第1のピーク電圧を第1の検出電圧VC1として第1ノードN1から出力する。
【0163】
そして、制御回路CONは、図6の時刻tbからtcの第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth以上であるので、非防水スイッチSWがオンしていると判定し、オン判定信号を出力する。
【0164】
これにより、既述の該点灯制御部が、このオン判定信号に基づいて、非防水スイッチSWがオンしていると判断する。この場合、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させる。
【0165】
その後、図6の時刻tcにおいて、非防水スイッチSWがオフし且つ非防水スイッチSWの該電流経路にリーク電流が流れる状態に遷移する。
【0166】
この時刻tc以降においても、制御回路CONは、パルス信号VPにより、検出回路DCのスイッチ素子Q1を該周期にしたがってオンとオフを切り換えるように制御する。さらに、制御回路CONは、第1の検出電圧VC1と閾値電圧Vthとを比較した結果に基づいて、非防水スイッチSWがオンいるか、若しくは、非防水スイッチSWがオフしているか、を判定する。
【0167】
例えば、図6の時刻txにおいて、非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れている第1の状態の第1の検出電圧VC1のレベルは、非防水スイッチSWがオンしている第2の状態の第1の検出電圧VC1のレベルよりも、高い。
【0168】
したがって、制御回路CONは、第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth以上であるので、非防水スイッチSWがオンしていると判定し、オン判定信号を出力する。
【0169】
その後、図6の時刻tdにおいて、非防水スイッチSWがオフし且つ該電流経路にリーク電流が流れている第1の状態の第1の検出電圧VC1のレベルは、非防水スイッチSWがオンしている第2の状態の第1の検出電圧VC1のレベルよりも、低くなる。
【0170】
そこで、制御回路CONは、時刻tdの第1の検出電圧VC1が、閾値電圧Vth未満であるので、非防水スイッチSWがオフしていると判定し、オン判定信号を出力しない。
【0171】
これにより、既述の該点灯制御部は、該オン判定信号が入力されないので、非防水スイッチSWがオフしていると判断する。この場合、該点灯制御部が、例えば、該ヘッドライト又は二輪車のウインカー等を駆動させない。
【0172】
上記のようにして、車両用スイッチ検出回路300は、非防水スイッチSWのオン/オフを検出する。
【0173】
以上のように、本第3の実施形態に係る車両用スイッチ検出回路によれば、第2の実施形態と同様に、機械式の非防水スイッチの被水時のリーク電流の有無に拘わらず、第1の検出電圧と閾値電圧とを比較することにより、非防水スイッチのオン/オフを検出することができる。
【0174】
また、第2の実施形態と同様に、本実施形態に係る車両用スイッチ検出回路は、検出のタイミングの調整抵抗、定電流回路の発熱の対策の必要が無く、簡易な構成を用いて、非防水スイッチのオン/オフの誤検出を抑制することができる。
【0175】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【要約】
車両用スイッチ検出回路は、電流経路を制御する機械式の非防水スイッチと、正極が電流経路の一端に接続され、負極が接地に接続されたバッテリと、電流経路の他端が接続された電源端子の入力電圧VINを予め設定された周期で検出し、この検出結果に応じた第1の検出信号を検出ノードから出力する検出回路と、検出回路の検出動作を制御するとともに、第1の検出信号の値に応じた第1の検出電圧に基づいて、非防水スイッチのオン/オフを検出する制御回路と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6