(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130047
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】統合された歯科インプラント構成要素および歯科インプラント構成要素を配置するためのツール
(51)【国際特許分類】
A61C 8/00 20060101AFI20170508BHJP
A61C 19/04 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
A61C8/00 Z
A61C19/04 Z
【請求項の数】9
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-505579(P2016-505579)
(86)(22)【出願日】2014年3月28日
(65)【公表番号】特表2016-517718(P2016-517718A)
(43)【公表日】2016年6月20日
(86)【国際出願番号】US2014032110
(87)【国際公開番号】WO2014160909
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年11月17日
(31)【優先権主張番号】61/805,962
(32)【優先日】2013年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590004464
【氏名又は名称】デンツプライ シロナ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・イー・ジョー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・マイルズ・ラガッジニ
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ジー・ハヌーシュ
(72)【発明者】
【氏名】テリー・ジー・ローバー
【審査官】
武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−529698(JP,A)
【文献】
特表平09−510124(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/083960(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
A61C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非対称な円錐テーパを有する下側部分を含む、統合されたスキャンフラグおよびツールドライバであって、前記円錐テーパは、前記ツールドライバを回転させることによってスキャンフラグの回転を行うように、前記下側部分とスキャンフラグの間に摩擦嵌め係合を提供する、前記統合されたスキャンフラグおよびツールドライバ。
【請求項2】
上側部分は、前記下側部分の穴の中に着脱可能に受け入れられる、請求項1に記載の統合されたスキャンフラグおよびツールドライバ。
【請求項3】
前記穴の中に位置し、ツールドライバを所望の方向に付勢する付勢部材をさらに含む、請求項2に記載の統合されたスキャンフラグおよびツールドライバ。
【請求項4】
前記付勢部材はコイルばねである、請求項3に記載の統合されたスキャンフラグおよびツールドライバ。
【請求項5】
スキャンフラグは、前記下側部分の少なくとも一部を着脱可能な方法で受ける開口部を有する、請求項2に記載の統合されたスキャンフラグおよびツールドライバ。
【請求項6】
スキャンフラグを配置する方法であって、統合されたスキャンフラグおよびツールドライバを提供する工程を含み、ツールドライバは、スキャンフラグの中に着脱可能に受け入れられる非対称な円錐テーパを有する下側部分を有する、前記方法。
【請求項7】
内部の穴の中にツールドライバの少なくとも一部を着脱可能に受け入れる上側部分をさらに含み、ここで、前記上側部分は、スキャンフラグの開口部の中に着脱可能に受け入れられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
使用者が、統合されたスキャンフラグおよびツールドライバを所望の位置に配置し、ツールドライバをスキャンフラグから取り外す、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
次いで、ツールドライバを用いてスキャンフラグの位置決めを物理的に操作する、請求
項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔の中に構成要素を配置することを対象とする。より詳細には、本発明は、統合された構成要素およびキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
歯科処置、とりわけ歯科インプラントなどを必要とする歯科処置の間、臨床医はしばしば、歯科用構成要素をつかみ、運び、方向付け、次いで患者の口の中の正確な位置に配置しなければならない。臨床医は、軟組織が構成要素を押し出さないように歯科用構成要素を保持しながら、自身の他方の手を用いてスクリュードライバを回転させ、部材を適所に固定することがしばしばである。歯科用構成要素のサイズが小さく、たかだか15mmの長さしかないこともしばしばであるため、とりわけ隣接する歯の近傍では、部材を扱い、把持することが困難である。これは、手袋を着用しているときに臨床医の器用さが損なわれることによって、さらに悪化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そうした構成要素の把持、操作、配置および方向付けを容易にする、ツールおよび構成要素が求められている。本明細書で用いられる「構成要素」とは、例えばインプラント、インプラントアバットメント(implant abutment)、歯科用器具など、歯科処置において有用な任意のデバイスまたは構造物を意味することが意図される。本発明は、本明細書において、歯科インプラントの治療処置の間に用いることができるスキャンフラグ(scan flag)に関して例示される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による統合された歯科用構成要素およびツールドライバは、1つのデバイスに統合された2つの機能を含む。ドライバの下側部分は、非対称な円錐テーパを特色とする。円錐テーパは、構成要素を方向転換および回転させる能力を維持しながら、下側のドライバ構成要素とスキャンフラグなどの歯科用構成要素との間の摩擦嵌め係合(friction fit engagement)を提供する。ドライバの上側部分は、スクリュードライバ、または臨床医が歯科用構成要素の内部でスクリューを締結すること、あるいはその取り付け機構を操作することを可能にする他のデバイスである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の概念による統合された歯科用構成要素およびツールの分解した図である。
【
図2】口腔内で操作されている状態を示す、分解していない
図1の統合されたツールの斜視図である。
【
図3】
図1の統合されたツールの部分的に分解した斜視図である。
【
図4】
図1の統合されたツールの部分的に分解した斜視図である。
【
図5】
図1の統合されたツールの分解していない図である。
【
図6】
図1の統合されたツールの一部の斜視図である。
【
図7】
図5の統合されたツールの断面側面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面の図は、臨床医が、他の点では従来型のスクリューで保持される歯科用スキャンフラグ11などの歯科用構成要素を扱い、配置し、方向付け、歯科インプラント12(
図7)などの口腔に固定するのを助ける、本発明による統合されたデバイス10を示す。配置される歯科用構成要素は、例えば患者の口の内部のインプラントの位置をデジタル方式で記録する、図に示す歯科用スキャンフラグ11とすることができる。しかしながら、ドライバ組立体10は、例えば、印象の転写(impression transfer)およびピックアップ、アバットメント、ヒーリングキャップ、ヒーリングアバットメントなど(図示せず)を含む様々な歯科用構成要素と共に用いるように構成することもできる。
【0007】
好ましいドライバは、1つのデバイスに統合された2つの機能を有する。ドライバ10の下側部分13は、非対称な円錐テーパ20を有する。歯科用構成要素11は、好ましくは形状がテーパ20に相補的な開口部21を有する。テーパ20は、
図7に示すように、開口部21の中に受け入れられ、間に摩擦嵌め係合を提供する。ドライバの上側部分30は、スクリュードライバ31、または以下に記載するように歯科用構成要素11と共に役立つ他のツールである。
【0008】
図2および
図5に示すように、デバイス10は、構成要素11がテーパ20を受けるように構成可能である。したがって、
図2に示すように、臨床医40は、デバイス10を把持し、それを患者の口腔41内に位置決めし、必要に応じて構成要素11の向きを操作すること、および他の方法で必要とされるように構成要素11を配置し、取り付けることができる。
【0009】
提案されるキャリア−ドライバの概念は、臨床医に歯科用構成要素11を保持するより大きい物体を提供し、またスクリュードライバ31などのツールの統合によって、片手での方向付け、配置および締結を可能にする。臨床医は、従来技術の場合に要求されるように、構成要素を一方の手で適所に保持しながら、他方の手を用いてスクリュードライバを締結する必要がない。(やはり、図ではスキャンフラグとして例示される)構成要素11がドライバ組立体の下側部分13および上側部分30に取り付けられると(好ましくは、口の外で行われる)、臨床医は、スキャンフラグ11とドライバ31の両方を別個に扱うのではなく、1つの統合されたドライバ構成要素10を扱うだけでよい。適所に置かれると、ドライバ組立体(13、30)は、前述のように歯科用構成要素11とテーパ20の間の摩擦嵌めによって、ツールを使用せずに簡単に取り外すことができる。ドライバ/キャリア(13、30)を用いることにより、臨床医が片手で操作することが可能になるだけではなく、患者の口の中により大きい自由な空間が許容され、歯科用構成要素の位置を定め配置するとき、より適切な視野がもたらされる。
【0010】
図3、
図4および
図5は、組み立てられ、前述の摩擦嵌めによって物理的に連結される上側および下側部分30、13を示す一連の図である。
図3は、スキャンフラグ11から離れた上側/下側30/13の組立体を示している。
図4は、相補的な開口部21に部分的に挿入されたテーパ20を示し、一方
図5は、開口部21に完全に受け入れられ、摩擦によって固定されたテーパ20を示しており、それによって、統合されたツール10が形成される。
図5に示す組み立てたれたバージョンでは、臨床医40が、スキャンフラグ11を容易に把持し、操作し、口腔41内に配置することが可能であることが理解されるであろう。摩擦嵌めが好ましいが、下側部分13をスキャンフラグ11に固定する任意の手段が本発明の範囲内である(または、どんな構成要素でも使用される)ことが理解されるであろう。さらに、上側部分30を全く使用しないこと、または上側部分30および下側部分13を1つの一体構造部分にすることも本発明の範囲内であり、それらのすべてが本発明の範囲内である。
【0011】
本発明の一実施形態では、スクリュードライバ31は、上側部分30の穴42の中に保持され、下側部分13の第2の穴43を通して突出することも可能である。コイル50などの付勢手段を穴42の中に配置し、スクリュードライバ31を所望の方向に付勢することができる。クリップ51(
図7)など、上側部分30を下側部分13に取り付ける手段が存在することも好ましい。