(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130073
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20170508BHJP
【FI】
A61M5/32 510K
A61M5/32 500
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-536054(P2016-536054)
(86)(22)【出願日】2015年2月4日
(65)【公表番号】特表2016-527069(P2016-527069A)
(43)【公表日】2016年9月8日
(86)【国際出願番号】KR2015001124
(87)【国際公開番号】WO2016013741
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2015年9月1日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0091965
(32)【優先日】2014年7月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515239733
【氏名又は名称】チェ、グン・ウク
(73)【特許権者】
【識別番号】515239766
【氏名又は名称】ソン、ジェ・ウォン
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】チェ、グン・ウク
【審査官】
武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−521918(JP,A)
【文献】
特開2007−029731(JP,A)
【文献】
韓国登録特許第10−0991708(KR,B1)
【文献】
韓国登録実用新案第20−0391370(KR,Y1)
【文献】
特開平11−137687(JP,A)
【文献】
特開2006−149513(JP,A)
【文献】
特開2002−119589(JP,A)
【文献】
特開2002−126080(JP,A)
【文献】
特開2007−236565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32−5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸液注射針ユニットにおいて、
患者の血管に引き込まれる針フィルムと、
上端から下端を貫通する内部空間である挿入孔と、上端外周面に形成された上端係止段差と、下端外周面に形成された下端係止段差とを有する胴体ユニットと、
前記針フィルムの注射前に、前記胴体ユニットの挿入孔に着脱部材により固定され、前記針フィルムの注射後に脱着される針胴体と、
前記針胴体の上端に突出固定され、前記針フィルムの注射前に前記針フィルムの注入孔に挿入される針と、
上端は閉塞され、下端は開放した内部空間を有し、前記針フィルムの注射前に、端部が前記上端係止段差に固定され、前記針フィルムの注入後に、端部が前記下端係止段差に固定されるカバーとを含むことを特徴とする針刺し防止機能を有する輸液注射針ユニット。
【請求項2】
前記針フィルムを患者の血管に引き込むために、
前記カバーを脱着させ、前記針と前記針フィルムとを前記患者の血管に引き込んだ後、前記針フィルムだけが前記患者の血管に引き込まれた状態に維持されるように、前記針フィルムを輸液注射針ユニットの針から脱着、分離させ、前記カバーを前記下端係止段差に固定し、前記着脱部材によって前記針胴体を脱着させ、前記針胴体と前記針とを前記カバー内に保持することを特徴とする請求項1に記載の針刺し防止機能を有する輸液注射針ユニット。
【請求項3】
前記着脱部材は、
前記針胴体の外面一側に形成された装着突起と、前記挿入孔の内面一側に形成された係止溝とを備えることを特徴とする請求項1に記載の針刺し防止機能を有する輸液注射針ユニット。
【請求項4】
輸液注射針ユニットにおいて、
患者の血管に引き込まれ、下端に拡管部を有する針フィルムと、
上端から下端を貫通する内部空間である挿入孔と、上端外周面に形成された上端係止段差と、下端外周面に形成された下端係止段差と、上端に設けられた挿入ユニットとを有する胴体ユニットと、
前記針フィルムの注射前に、前記胴体ユニットの挿入ユニット内に挿入されて、前記針フィルムの拡管部によって固定され、前記針フィルムの注射後に脱着される針胴体と、
前記針胴体の上端に突出固定され、前記針フィルムの注射前に前記針フィルムの注入孔に挿入される針と、
上端は閉塞され、下端は開放した内部空間を有し、前記針フィルムの注射前に、端部が前記上端係止段差に固定され、前記針フィルムの注入後に、端部が前記下端係止段差に固定されるカバーとを含むことを特徴とする針刺し防止機能を有する輸液注射針ユニット。
【請求項5】
前記針フィルムを患者の血管に引き込むために、
前記カバーを脱着させ、前記針と前記針フィルムとを前記患者の血管に引き込んだ後、
前記針フィルムだけが前記患者の血管に引き込まれた状態に維持されるように、前記針フィルムを輸液注射針ユニットの針から脱着、分離させ、前記カバーを前記下端係止段差に固定し、前記針フィルムの脱着により、前記針胴体が挿入ユニットから着脱されて、前記針胴体と前記針とが前記カバー内に保持されることを特徴とする請求項4に記載の針刺し
防止機能を有する輸液注射針ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、口腔で必須栄養を適切に摂取できない患者に、輸液、電解質、ビタミン、タンパク質、脂肪、及びカロリーなどを維持/補うか、血液の構成成分を適切に維持するため、又は応急状態で薬物を迅速に供給するために、病院では、輸液注射器などを介して、患者の静脈内に輸液又は薬物を投与する。
【0003】
輸液注射器を介して、患者の静脈内に輸液又は薬物を投与するためには、まず、血管注射用の針フィルムを患者の血管に注入した後、針フィルムのホース連結口に輸液ホースを連結させる。
【0004】
図1は、針フィルム20を患者の血管に注入するための、従来の輸液注射針ユニット1の正面図であり、
図2は、カバー10が脱着された状態での従来の輸液注射針ユニット1の正面図であり、
図3は、患者に輸液注射針ユニット1を注射し、針フィルム20だけが脱着された状態を模式的に示す状態図であり、
図4は、針フィルム20が脱着された状態における従来の輸液注射針ユニット1の正面図である。
【0005】
図1に示しているように、従来の輸液注射針ユニット1は、カバー10と、針フィルム20と、針31と、胴体ユニット40とを含む。針フィルム20を注入する前には、カバー10が胴体ユニット40の上端に装着されている。
【0006】
また、
図2に示しているように、針フィルム20を注射するために、カバー10を脱着させ、
図3に示しているように、患者の血管に、針31と針フィルム20とを一体として注射することになる。そして、針フィルム20だけを血管に残しておき、輸液注射針1は抜く。
【0007】
しかし、従来の輸液注射針ユニット1から針フィルム20を脱着することになると、
図4に示しているように、針31が外部に露出して、針31による針刺しが生じる危険がある。そこで、針フィルム20の注入前後に、根本的に針刺しを防止する方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の1実施例によると、カバー、針胴体、及び胴体ユニットの形状を改善し、輸液注射針ユニットの針胴体を患者に注入してから、カバーを胴体ユニットの下端に結合させ、着脱部材により針胴体を脱着することで、針と針胴体とを一体としてカバー内部に引き込むので、注射針による針刺し及び感染を防止することができる針刺し防止機能を有する輸液注射針ユニットを提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1目的は、輸液注射針ユニットにおいて、患者の血管に引き込まれる針フィルムと、上端から下端を貫通する内部空間である挿入孔と、上端外周面に形成された上端係止段差と、下端外周面に形成された下端係止段差とを有する胴体ユニットと、前記針フィルムの注射前に、前記胴体ユニットの挿入孔に着脱部材により固定され、前記針フィルムの注射後に脱着される針胴体と、前記胴体ユニットの上端に突出固定され、前記針フィルムの注射前に、外面に前記針フィルムの注入孔に挿入される針と、上端は閉塞され、下端は開放した内部空間を有し、前記針フィルムの注射前に、端部が前記上端係止段差に固定され、前記針フィルムの注入後に、端部が前記下端係止段差に固定されるカバーとを含む針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットをもって、達成される。
【0010】
また、前記針フィルムを患者の血管に引き込むために、前記カバーを脱着させ、前記針と前記針フィルムとを前記患者の血管に引き込んだ後、前記針フィルムだけが前記患者の血管に引き込まれた状態に維持されるように、前記針フィルムを輸液注射針ユニットの針から脱着、分離させ、前記カバーを前記下端係止段差に固定し、前記
着脱部材によって前記針胴体を脱着させ、前記針胴体と前記針とを前記カバー内に保持することを特徴とする。
【0011】
更に、前記着脱部材は、前記針胴体の外面一側に形成された装着突起と、前記挿入孔の内面一側に形成された係止溝とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2目的は、輸液注射針ユニットにおいて、患者の血管に引き込まれ、下端に拡管部を有する針フィルムと、上端から下端を貫通する内部空間である挿入孔と、上端外周面に形成された上端係止段差と、下端外周面に形成された下端係止段差と、上端に設けられた挿入ユニットとを有する胴体ユニットと、前記針フィルムの注射前に、前記胴体ユニットの挿入ユニット内に挿入されて、前記針フィルムの拡管部によって固定され、前記針フィルムの注射後に脱着される針胴体と、前記胴体ユニットの上端に突出固定され、前記針フィルムの注射前に、外面に前記針フィルムの注入孔に挿入される針と、上端は閉塞され、下端は開放した内部空間を有し、前記針フィルムの注射前に、端部が前記上端係止段差に固定され、前記針フィルムの注入後に、端部が前記下端係止段差に固定されるカバーとを含む針刺し防止機能を有する輸液注射針ユニットをもって、達成される。
【0013】
また、前記針フィルムを患者の血管に引き込むために、前記カバーを脱着させ、前記針と前記針フィルムとを前記患者の血管に引き込んだ後、前記針フィルムだけが前記患者の血管に引き込まれた状態に維持されるように、前記針フィルムを輸液注射針ユニットの針から脱着、分離させ、前記カバーを前記下端係止段差に固定し、前記針フィルムの脱着により、前記針胴体が挿入ユニットから着脱されて、前記針胴体と前記針とが前記カバー内に保持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、カバー、針胴体、及び胴体ユニットの形状を改善し、輸液注射針ユニットの針胴体を患者に注入してから、カバーを胴体ユニットの下端に結合させ、着脱部材により針胴体を脱着することで、針と針胴体とを一体としてカバーの内部に引き込むので、注射針による針刺し及び感染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、従来の輸液注射針ユニットの正面図である。
【
図2】
図2は、カバーが脱着した状態での従来の輸液注射針ユニットの正面図である。
【
図3】
図3は、患者に輸液注射針ユニットを注射し、針フィルムだけが脱着した状態を模式的に示す状態図である。
【
図4】
図4は、針フィルムが脱着した状態での従来の輸液注射針ユニットの正面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施例によるカバーが脱着した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1実施例による針フィルムが脱着した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施例により、針と針胴体とが、胴体ユニットの下端部に装着されたカバー内に挿入した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの分解斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の第2実施例によるカバーが脱着した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の第2実施例による針フィルムが脱着した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの断面図である。
【
図14】
図14は、本発明の第2実施例により、針と針胴体とが、胴体ユニットの下端部に装着されたカバー内に挿入した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の構成及び機能について、説明する。本発明の1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100は、従来の針刺し及び感染を防止するため、カバー10が胴体ユニット40の下端に挿入固定され、針フィルム20を患者に注射して脱着させた後、針31と針胴体30とを一体としてカバー10内に挿入する構造を有している。
【0017】
図5は、本発明の第1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の分解斜視図であり、
図6は、本発明の第1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の断面図である。
【0018】
図5及び
図6に示しているように、本発明の第1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100は、カバー10と、針フィルム20と、針31と、針胴体30と、胴体ユニット40とを含む。
【0019】
図5に示しているように、本発明の第1実施例によるカバー10は、上端が閉塞され、下端は開放されており、内部に中空孔が形成されて、針フィルム20が患者の血管に引き込まれる前に、針フィルム20と針31が内部に保持されて、針刺し及び感染を防止する役目を果たし、後述するように、針フィルム20が患者の血管に引込み脱着した後、胴体ユニット40の下端係止段差44に装着されて、針31と針胴体30とを内部に保持して、針刺し及び感染を防止することになる。
【0020】
図5及び
図6に示しているように、カバー10の下端内面に、装着溝11が形成されて、後述するように、胴体ユニット40の上端外側面に円周方向に形成された上端係止段差43に装着されることができ、針フィルム20が患者の血管に引込み脱着した後は、胴体ユニット40の下端外側面に円周方向に形成された下端係止段差44に装着されることになる。
【0021】
また、本発明の第1実施例によるカバー10の閉塞面の上端内部の一側には、吸収層13が設けられて、針フィルム20の注射時に生じる血液などを吸収して、感染を防止する。また、内部中段の一側には、後述するように、針刺し及び感染を防止するために、使用後、針31と針胴体30とがカバー内に引き込まれるとき、外部にずれることを防止するずれ止め12が設けられる。
【0022】
また、本発明の第1実施例による針フィルム20は、通常の針フィルムのように、内部に針31が挿入され、針31と針フィルム20とを患者の血液に注射した後、針フィルム20だけが脱着するようになる。針フィルム20の下端には、拡管部21が形成され、内部に注入孔22が形成される。そこで、このような拡管部21は、注入前に、針胴体の上端外面に嵌合し、針フィルム20を患者の血管に注入した後は、輸液注入ホースが針フィルム20の拡管部21に挿入・装着することになる。
【0023】
本発明の第1実施例による針胴体30は、
図5及び
図6に示しているように、上端に針31が挿入固定され、外面一側に装着突起32が形成されている。このような針胴体30は、弾性体からなることが望ましい。また、本発明の第1実施例による針胴体30は、胴体ユニット40の挿入孔41に挿入装着され、胴体ユニット40の挿入孔41内に形成された係止溝42に、針胴体30の装着突起32が装着固定される。また、針胴体は、弾性体からなることで、ユーザが針胴体30の上端から下端に付勢する場合、装着突起32が係止溝42からすり抜けながら、下端に落下するようになる。
【0024】
本発明の第1実施例による胴体ユニット40には、
図5及び
図6に示しているように、上端外周面に形成された上端係止段差43と、下端外周面に形成された下端係止段差44と、内部を貫通する挿入孔41とが形成されている。そこで、針フィルム20を患者の血管に引き込む前の保管状態において、カバー10の装着溝11は、胴体ユニット40の上端係止段差43に装着固定され、針フィルム20を注射して脱着した後は、カバー10の装着溝11が、胴体ユニット40の下端係止段差44に装着固定される。そして、針胴体30は、胴体ユニット40の挿入孔41に挿入固定することになる。
【0025】
以下では、本発明の第1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の作動方法について、説明する。まず、針フィルム20を患者の血管に注射する前の保管状態では、
図6に示しているように、針胴体30が胴体ユニット40の挿入孔41に挿入固定され、針フィルム20が針31に挿入した状態で、カバー10の装着溝11が、胴体ユニット40の上端係止段差43に装着固定されることで、針31と針フィルム20からの針刺し及び感染を防止することができるようになる。
【0026】
針フィルム20を患者に注射するため、ユーザは、まず、カバー10を脱着する。
図7は、本発明の第1実施例によるカバー10を、胴体ユニット40の上端係止段差43から着脱させ、再度、カバー10を下端係止段差44に固定した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の断面図である。
【0027】
図7に示しているように、本発明の第1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の針フィルム20を患者に注射するためには、まず、胴体ユニット40の上端係止段差43に装着したカバー10を脱着させ、下端係止段差44に固定する。そして、針31と針フィルム20とを一体として患者の血管に引き込ませ、針フィルム20だけを血管に注入した状態で、本発明の第1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100を抜く。
【0028】
図8は、本発明の第1実施例による針フィルム20が脱着した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の断面図である。すなわち、
図8は、針フィルム20を患者の血管に注射して着脱した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100を示している。
【0029】
本発明の第1実施例では、針フィルム20を脱着した後、すなわち、輸液注射針ユニット100を使用した後、針刺し及び感染を防止するため、カバー10を胴体ユニット40の下端係止段差44に装着固定した状態で、針胴体30と針31とを一体として下端に付勢して、胴体ユニット40の下端に落下させる。
【0030】
図9は、本発明の第1実施例により、針31と針胴体30とが、胴体ユニット40の下端部に装着したカバー10内に挿入した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の断面図である。
【0031】
図9に示しているように、本発明の第1実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100において、針フィルム20を患者に注射した後、針刺し及び感染を防止するために、ユーザの力で針胴体30を下端に移動させると、針胴体30の装着突起32が胴体ユニット40の挿入孔41に形成された係止溝42から脱着されることで、針31と針胴体30とが一体として下端に落下されて、カバー10内に挿入することになる。
【0032】
そこで、使用後、針胴体30と針31とが胴体ユニット40の下端に装着したカバー10の内に引き込まれて、針刺し及び感染を防止することができることになる。
【0033】
以下では、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の構成及び機能について、説明する。まず、
図10は、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の分解斜視図であり、
図11は、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の断面図である。
【0034】
図10及び
図11に示しているように、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100は、前述した第1実施例と同様に、カバー10と、針フィルム20と、針胴体30と、胴体ユニット40とを含む。
【0035】
また、本発明の第2実施例によるカバー10の閉塞面の上端内部の一側には、吸収層13が設けられて、針フィルム20の注射時に生じる血液などを吸収して、感染を防止する。また、内部中段の一側には、後述するように、針刺し及び感染を防止するために、使用後、針31と針胴体30とがカバー内に引き込まれるとき、外部へのずれを防止するずれ止め12が設けられる。
【0036】
図10及び
図11に示しているように、カバー10の下端内面には、装着溝11が設けられて、胴体ユニット40の上端外側面に、円周方向に形成された上端係止段差43に装着され、針フィルム20を患者の血管に注射する前に、カバー10を胴体ユニット40の上端係止段差43から脱着させ、下端外側面に円周方向に形成された下端係止段差44に装着するように構成される。
【0037】
また、本発明の第2実施例による針フィルム20は、通常の針フィルムのように、内部に針31が挿入され、針31と針フィルム20とを患者の血液に注射した後、針フィルム20だけが脱着するように構成される。 針フィルム20の下端には、拡管部21が形成され、内部に注入孔22が設けられる。本発明の第2実施例による針フィルム20の拡管部21は、
図11に示しているように、注入前に、胴体ユニット40の上端部に上部に突設した切開部52を有する管状の挿入ユニット50の外面に嵌合して、針胴体30を固定することになり、針フィルム20を患者の血管に注入した後は、輸液注入ホースが針フィルム20の拡管部21に挿入、装着される。
【0038】
本発明の第2実施例による針胴体30は、
図10及び
図11に示しているように、上端に針31が挿入固定され、外面一側に装着突起32が設けられる。このような針胴体30は、弾性体からなることが望ましい。また、本発明の第2実施例による針胴体30は、胴体ユニット40の上端に設けられた挿入ユニット50内に挿入されて、針フィルム20の拡管部21により装着される。そこで、針フィルム20の拡管部21が、胴体ユニット40の挿入ユニット50の外面に嵌合する場合、圧着力で針胴体30が挿入ユニット50に固定され、針フィルム20を患者の血管に注入して脱着させると、自然に、挿入ユニット50の圧着力が解除されて、針胴体30と針31とが一体として胴体ユニット40の挿入孔41内に落下される。
【0039】
本発明の第2実施例による胴体ユニット40には、
図10及び
図11に示しているように、上端外周面に形成された上端係止段差43と、下端外周面に形成された下端係止段差44と、内部を貫通する挿入孔41とが形成されている。そこで、針フィルム20を患者の血管に引き込む前の保管状態で、カバー10の装着溝11は、胴体ユニット40の上端係止段差43に装着固定され、針フィルム20を注射する前に、カバー10を上端係止段差43から脱着させ、下端係止段差44に固定することになる。
【0040】
また、本発明の第2実施例による胴体ユニット40の上端面には、
図10及び
図11に示しているように、多数の把持部51と、把持部51の間に形成された切開部52とからなる挿入ユニット50が形成されている。
【0041】
そこで、針フィルム20が着脱する前には、針フィルム20の拡管部21が挿入ユニット50の外面に嵌合しながら、圧着力を供して針胴体30を固定し、針フィルム20を患者の血管に注射して脱着した後は、挿入ユニット50への圧着力が解除されて、針胴体30と針31とが一体として下端に落下される。
【0042】
以下では、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の作動方法について、説明する。まず、針フィルム20を患者の血管に注射する前の保管状態では、
図11に示しているように、針胴体30が胴体ユニット40の挿入ユニット50に挿入固定され、針フィルム20が針31に嵌合している状態で、カバー10の装着溝11が、胴体ユニット40の上端係止段差43に装着固定されることで、針31と針フィルム20からの針刺し及び感染を防止することができるようになる。
【0043】
針フィルム20を患者に注射するため、ユーザは、まず、カバー10を上端係止段差43から脱着させ、下端係止段差44に固定する。
図12は、本発明の第2実施例によるカバー10が上端係止段差43から脱着して、下端係止段差44に固定された状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の断面図である。
【0044】
図12に示しているように、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の針フィルム20を患者に注射するためには、まず、胴体ユニット40の上端係止段差43に装着したカバー10を着脱させ、下端係止段差44に固定する。そして、針31と針フィルム20とを一体として患者の血管に引き込ませ、針フィルム20だけを血管に注入した状態で、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100を抜く。
【0045】
図13は、本発明の第2実施例による針フィルム20が着脱した状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の断面図である。すなわち、
図13は、針フィルム20を患者血管に注射して脱着された状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の断面図である。
本発明の第2実施例では、針フィルム20を脱着した後、前述したように、針フィルム20の拡管部21が挿入ユニット50内の針胴体30に提供していた圧縮力が解除される。
【0046】
図14は、本発明の第2実施例により針31と針胴体30とが、胴体ユニット40の下端部に装着したカバー10内に挿入された状態の、針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100の断面図である。
【0047】
図14に示しているように、本発明の第2実施例による針刺し及び感染防止機能を有する輸液注射針ユニット100において、針フィルム20を患者に注射することになると、
図14に示しているように、針フィルム20が脱着され、自然に、挿入ユニット50内に固定していた針胴体30への圧縮力が解除されながら、針胴体30と針31とが一体として下端に落下されて、カバー10の内部に挿入される。
【0048】
そこで、使用後、針胴体30と針31とが、胴体ユニット40の下端に装着したカバー10内に引き込まれて、針刺し及び感染を防止することができる。
【符号の説明】
【0049】
1…従来の輸液注射針ユニット、10…カバー、11…装着溝、12…ずれ止め、13…吸収層、20…針フィルム、21…拡管部、22…注入孔、30…針胴体、31…針、32…装着突起、40…胴体ユニット、41…挿入孔、42…係止溝、43…上端係止段差、44…下端係止段差、50…挿入ユニット、51…把持部、52…切開部、60…スタンド、100…針刺し防止機能を有する輸液注射針ユニット。