(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(A)として、更に、式(1)で表される化合物以外のエポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニルエーテル化合物からなる群より選択される少なくとも一種のカチオン重合性化合物を含有する請求項1に記載の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[体積ホログラム記録層形成用感光性組成物]
本発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物は、下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を、成分(B)の活性プロトンを有する官能基と成分(A)中の式(1)で表される化合物の脂環エポキシ基のモル比(前者/後者)が0.01〜0.3となる割合で含む三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料と、成分(D)及び成分(E)を含有する。
成分(A):式(1)で表される化合物を含むカチオン重合性化合物
成分(B):活性プロトンを有する官能基を有する化合物
成分(C):熱酸発生剤
成分(D):ラジカル重合性化合物
成分(E):ラジカル重合開始剤
【0015】
[成分(A)]
本発明の成分(A)は、下記式(1)で表される化合物を含むカチオン重合性化合物である。
【化1】
【0016】
式(1)中、nは0〜10の整数を示す。Xは、酸素原子、−CH
2−、−C(CH
3)
2−、−CBr
2−、−C(CBr
3)
2−、−CF
2−、−C(CF
3)
2−、−CCl
2−、−C(CCl
3)
2−、及び−CH(C
6H
5)−からなる群より選択されるいずれか一種の二価の基を示す。nが2以上の場合には2個以上のXは同一であっても異なっていてもよい。R
1〜R
18は同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示す。
【0017】
前記R
1〜R
18におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等を挙げることができる。また、上記炭化水素基、アルコキシ基における炭素原子の数は、特に限定されないが、それぞれ1〜5が好ましい(即ち、炭素数1〜5の炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい)。上記酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基としては、例えば、メトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基などが挙げられる。上記アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、例えば炭素数1〜5のアルキル基等を挙げることができる。
【0018】
成分(A)としては、例えば、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)−1,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)メタン、1−[1,1−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)]エチルベンゼン等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0019】
本発明の成分(A)は、上記式(1)で表される化合物以外にも、他のエポキシ化合物、オキセタン化合物、及びビニルエーテル化合物からなる群より選択される少なくとも一種のカチオン重合性化合物を含有することが好ましい。
【0020】
式(1)で表される化合物以外のエポキシ化合物には、下記化合物が含まれる。
(a1)分子内に脂環(脂肪族炭素環)を有するエポキシ化合物(但し、芳香環を有する化合物を除く)
(a2)分子内に芳香環を有するエポキシ化合物
(a3)分子内に芳香環及び脂環を有しないエポキシ化合物
【0021】
分子内に脂環を有するエポキシ化合物(a1)としては、脂環エポキシ基を有する化合物;脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物;脂環とグリシジルエーテル基を有する化合物等を挙げることができる。尚、本発明において「脂環エポキシ基」とは、脂環を構成する隣り合う2つの炭素原子が1つの酸素原子と共に環を形成してなる基である。
【0022】
前記脂環エポキシ基を有する化合物としては、例えば、リモネンジエポキシド(商品名「セロキサイド3000」、(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアルコール、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサン(商品名「セロキサイド2000」、(株)ダイセル製)、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン等の分子内に脂環エポキシ基を1個有する化合物;ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、3,4−エポキシシクロへキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート(商品名「セロキサイド2021」、(株)ダイセル製)、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)メチル−3',4'−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレン−1,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステル等の分子内に2個の脂環エポキシ基を有する化合物;分子内に3個以上の脂環エポキシ基を有する化合物等を挙げることができる。
【0023】
前記脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物としては、例えば、「EHPE3150」(以上、(株)ダイセル製)等を挙げることができる。
【0024】
前記脂環とグリシジルエーテル基を有する化合物としては、例えば、商品名「TETRAD−C」(三菱ガス化学(株)製)、「EPB−13」(日本曹達(株)製)等の脂環式アルコール(特に、脂環式多価アルコール)のグリシジルエーテルが挙げられる。
【0025】
分子内に芳香環を有するエポキシ化合物(a2)としては、例えば、芳香環とグリシジルエーテル基を有する化合物等を挙げることができ、ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール等)とエピクロロヒドリン等のエピハロヒドリンとの縮合反応により得られるエピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;これらのエピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を上記ビスフェノール類とさらに付加反応させることにより得られる高分子量エピビスタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)とアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等)を縮合反応させて得られる多価フェノール類を、さらにエピクロロヒドリン等のエピハロヒドリンと縮合反応させることにより得られるノボラック・アルキルタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。市販品としては、商品名「TETRAD―X」(三菱ガス化学(株)製)、「エピコート1031S」(三菱化学(株)製)を挙げることができる。
【0026】
前記分子内に芳香環及び脂環を有しないエポキシ化合物(a3)としては、例えば、多価のアルコールのグリシジルエーテル;1価又は多価カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ステアリン酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸等)のグリシジルエステル;二重結合を有する油脂のエポキシ化物(例えば、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化大豆油、エポキシ化ひまし油)等を挙げることができる。
【0027】
オキセタン化合物としてはオキセタニル基を分子内に1個以上有する化合物であれば特に限定されることがなく、単官能オキセタン化合物及び多官能オキセタン化合物を挙げることができる。
【0028】
オキセタニル基を有する化合物としては、例えば、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(POX)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOX)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(EHOX)、3−エチル−3−([3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル)オキセタン(TESOX)、オキセタニルシルセスキオキサン(OX−SQ)、フェノールノボラックオキセタン(PNOX−1009)(以上、東亞合成(株)製)等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0029】
ビニルエーテル化合物としては、ビニルエーテル基を分子内に1個以上有する化合物であれば特に限定されることがなく、単官能ビニルエーテル化合物及び多官能ビニルエーテル化合物を挙げることができる。
【0030】
ビニルエーテル化合物としては、例えば、イソソルバイトジビニルエーテル、オキサノルボルネンジビニルエーテル等の環状エーテル型ビニルエーテル(特に、オキシラン環、オキセタン環、オキソラン環等の環状エーテル基を有するビニルエーテル);フェニルビニルエーテル等のアリールビニルエーテル;n−ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;シクロヘキシルビニルエーテル等のシクロアルキルビニルエーテル;ハイドロキノンジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)、ジエチレングリコールモノビニルエーテル(DEGV)、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル等、及び前記化合物のα位及び/又はβ位に炭素数1〜5のアルキル基、アリール基等の置換基を有する化合物等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0031】
成分(A)としては、分子内に異種のカチオン重合性基を有する化合物を用いることもできる。例えば、分子内にエポキシ基とビニルエーテル基とを有する化合物として、特開2009−242242号公報に記載の化合物を用いることができる。また、分子内にオキセタニル基とビニルエーテル基とを有する化合物として、特開2008−266308号公報に記載の化合物を用いることもできる。
【0032】
本発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物全量(100重量%)における成分(A)の含有量(2種以上を含有する場合はその総量)は、例えば5〜90重量%程度、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは40〜80重量%である。成分(A)の含有量が上記範囲を下回ると、硬化収縮率が大きくなる傾向がある。一方、成分(A)の含有量が上記範囲を上回ると、ダイナミックレンジが低下する傾向がある。
【0033】
また、発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物全量(100重量%)における式(1)で表される化合物の含有量は、例えば10〜90重量%程度、好ましくは20〜60重量%、特に好ましくは30〜50重量%である。式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲を下回ると、硬化収縮率が大きくなる傾向がある。一方、式(1)で表される化合物の含有量が上記範囲を上回ると、ダイナミックレンジが低下する傾向がある。
【0034】
更に、発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物全量(100重量%)における式(1)で表される化合物以外のカチオン重合性化合物の含有量は、例えば5〜80重量%程度、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは5〜40重量%である。式(1)で表される化合物以外のカチオン重合性化合物の含有量が上記範囲を下回ると、ダイナミックレンジが低下する傾向がある。一方、式(1)で表される化合物以外のカチオン重合性化合物の含有量が上記範囲を上回ると、硬化収縮率が大きくなる傾向がある。
【0035】
[成分(B)]
本発明の成分(B)は活性プロトンを有する官能基を有する化合物である。前記活性プロトンを有する官能基は、カチオン硬化性を飛躍的に高める官能基であり、例えば、水酸基、カルボキシル基、リン酸基、チオール基、アミノ基等をあげることができる。本発明においては、なかでも、カチオン重合反応を促進する点で活性プロトンを有する官能基として水酸基を有する化合物が好ましい。活性プロトンを有する官能基を有する化合物は、その活性プロトンを有する官能基がカチオン重合末端に結合する事によりカチオン重合を停止させ、別の連鎖反応に重合を転移させる連鎖移動反応を引き起こすと考えられ、それにより得られるポリマーを低分子量化し、且つカチオン硬化性を高めると考えられる。
【0036】
活性プロトンを有する官能基として水酸基を有する化合物としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アリルアルコール等の1価のアルコール類;エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;ブチレングリコールモノアルキルエーテル類;フェノール、カテコール、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノボラック等のフェノール性水酸基、及びこれらにラクトン系の化合物を開環付加して得られるオリゴマー;ポリエチレングリコール等の高分子化合物等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0037】
本発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物全量(100重量%)における成分(B)の含有量(2種以上を含有する場合はその総量)は、例えば0.01〜40重量%程度、好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%である。成分(B)の含有量が上記範囲を下回ると、ダイナミックレンジが低下する傾向がある。一方、成分(B)の含有量が上記範囲を上回ると、硬化収縮率が大きくなる傾向がある。
【0038】
また、前記成分(A)中の式(1)で表される化合物と成分(B)は、成分(B)の活性プロトンを有する官能基と成分(A)中の式(1)で表される化合物の脂環エポキシ基のモル比(前者/後者)が0.01〜0.3(好ましくは0.01〜0.27、特に好ましくは0.01〜0.25)となる割合で含有する。官能基の比率が上記範囲を下回ると、活性プロトンを有する官能基の効果が十分に発揮できないため好ましくない。一方、官能基の比率が上記範囲を上回ると、逆にカチオン重合阻害の影響が大きくなってしまい、マトリックスを十分に組み上げる事が困難になるために好ましくない。
【0039】
[成分(C)]
本発明の成分(C)は熱酸発生剤である。熱酸発生剤としては、成分(A)(カチオン重合性化合物)の熱カチオン重合を活性化する(開始させる)化合物であればよく、特に限定されないが、例えば、商品名「サンエイドSI−60L」、「サンエイドSI−80L」、「サンエイドSI−100L」、「サンエイドSI−110L」、「サンエイドSI−150L」(以上、三新化学工業(株)製)等の芳香族スルホニウム塩を好ましく用いることができる。
【0040】
[成分(D)]
本発明の成分(D)はラジカル重合性化合物であり、分子内にラジカル重合性基(ラジカル重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有する基)を1個以上有する化合物である。ラジカル重合性化合物としては光ラジカル重合性化合物が好ましく、少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(例えば、ビニル化合物、(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸、前記不飽和カルボン酸の塩、前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコールとのエステル化合物、前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド化合物等)が好ましく用いられる。
【0041】
光ラジカル重合性化合物としては、例えば、スチレン、2−クロロスチレン、2−ブロモスチレン、メトキシスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、2−フェノキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレート(商品名「A−LEN−10」、新中村化学工業(株)製等)、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名「A−BPEF」、新中村化学工業(株)製等)、ビスフェノールAエチレングリコールモノアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(商品名「A−BPE−4」、新中村化学工業(株)製等)、トリエチレングリコールモノアクリレート、1,3−ブタンジオールモノアクリレート、テトラメチレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールモノアクリレート、ネオペンチルグリコールモノアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名「A−TMM−3」、新中村化学工業(株)製等)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ビスフェノールAエチレングリコールジアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレート、1,3−ブタンジオールモノメタクリレート、テトラメチレングリコールモノメタクリレート、プロピレングリコールモノメタクリレート、ネオペンチルグリコールモノメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、テトラメチレングリコールメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ビスフェノールAエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0042】
本発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物全量(100重量%)における成分(D)の含有量(2種以上を含有する場合はその総量)は、例えば5〜80重量%程度、好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。成分(D)の含有量が上記範囲を下回ると、ダイナミックレンジが低下する傾向がある。一方、成分(D)の含有量が上記範囲を上回ると、硬化収縮率が大きくなる傾向がある。
【0043】
[成分(E)]
本発明の成分(E)はラジカル重合開始剤である。成分(D)として光ラジカル重合性化合物を使用する場合には、光ラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。光ラジカル重合開始剤としては、成分(D)の光ラジカル重合を活性化する(開始させる)化合物であればよく、例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](商品名「IRGACURE OXE01」、BASF社製)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)(商品名「IRGACURE OXE02」、BASF社製)等のオキシムエステル類;3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(商品名「BTTB」、日油(株)製)、3,3’−ジ(t−ブチルパーオキシカルボニル)−4,4’−ジ(メトキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(t−ブチルパーオキシカルボニル)−3’,4−ジ(メトキシカルボニル)ベンゾフェノンの位置異性体混合物、t−ブチルパーオキシベンゾエート(商品名:「パーブチルZ」、日油(株)製)等の過酸化エステル類;t−ブチルヒドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等の過酸化物類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインやベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;キサントン類;1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタン;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(商品名「IRGACURE 784」、BASF社製)等のチタノセン化合物;芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0044】
[その他の成分]
本発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物は上記成分以外にも、必要に応じて他の成分(例えば、増感色素、可塑剤等)を含有していてもよい。本発明においては、なかでも増感色素を含有することが好ましい。
【0045】
前記増感色素としては、光ラジカル重合開始剤を増感するものであれば特に限定されず、例えば、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素等を挙げることができる。例えば、光学素子のような高透明性が要求される場合には、ホログラム記録後に加熱処理や紫外線照射することにより分解し無色透明になるもの(例えば、シアニン系色素)を使用することが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0046】
[体積ホログラム記録媒体]
本発明の体積ホログラム記録媒体は、上記体積ホログラム記録層形成用感光性組成物を加熱処理して得られる、三次元架橋ポリマーマトリックスと、成分(D)のラジカル重合性化合物と、成分(E)のラジカル重合開始剤を含有する体積ホログラム記録層を備える。
【0047】
本発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物を加熱処理することにより、該組成物に含まれる成分(A)のカチオン重合が進行し、成分(A)により形成された三次元架橋ポリマーマトリックスと、成分(D)のラジカル重合性化合物と、成分(E)のラジカル重合開始剤とを少なくとも含有する体積ホログラム記録層が得られる。
【0048】
そして、本発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物は成分(B)として活性プロトンを有する官能基を有する化合物を含有するため、カチオン重合時に活性プロトンを有する官能基を有する化合物がカチオン重合末端に結合することで連鎖移動反応を引き起こし、三次元架橋ポリマーマトリックスを形成するカチオン重合性化合物の共重合体が高分子量化することを抑制(=低分子量化する)することができ、同時にカチオン硬化性を高めることもできる。そのため、形成された三次元架橋ポリマーマトリックスは、優れた耐湿性、熱安定性、及び適度な硬さを有し、且つ自由空間を細分化した状態で有する。
【0049】
本発明の体積ホログラム記録媒体の具体的態様としては、例えば、第一の基板と第二の基板と、第一の基板及び第二の基板の間に挟持された上記体積ホログラム記録層とを有する態様が挙げられる。即ち、本発明の体積ホログラム記録媒体は、例えば、本発明の体積ホログラム記録層形成用感光性組成物を一対の基板(第一の基板及び第二の基板)で挟み込み、加熱処理することによって製造することができる。本発明の体積ホログラム記録媒体は、例えば、透過型体積ホログラム記録媒体である。
【0050】
加熱処理は遮光条件下でオーブンにて行うことができる。加熱処理温度は、例えば40〜300℃程度、好ましくは40〜150℃である。また、加熱時間は、系内の三次元架橋ポリマーマトリックス前駆体材料(カチオン重合性化合物)の硬化反応を終了できる時間であればよく、例えば10分〜5時間程度、好ましくは10分〜3時間である。加熱時間が10分未満であると、後の熟成工程を施しても硬化反応が終了しない場合がある。加熱時間が5時間を超えると、ラジカル重合性化合物の反応が進行して、十分なホログラム特性を得ることが困難となる場合がある。上記加熱処理の後には、さらに一定時間静置して熟成させてもよい。このように、加熱処理後に熟成させることにより、優れた耐湿性、熱安定性を有し、さらに硬化収縮が抑制された体積ホログラム記録層を得ることができる。
【0051】
上記熟成工程は、遮光条件下でカチオン重合性化合物を暗反応させ、媒体中での反応を落ち着かせる工程である。加熱処理で硬化が不十分な場合には、上記熟成工程を経ることにより体積ホログラム記録層におけるカチオン重合性化合物の硬化反応を終了させることができる。本願において硬化反応の進行状況は、例えば、体積ホログラム記録層形成用感光性組成物により形成され、加熱処理が施された膜を、赤外スペクトル測定器(IR)で反応前後のスペクトルの強度比や面積比を評価したり、DSC等を用いて反応前後での発熱量の変化量を評価することにより確認することができる。また、熟成工程は、加熱処理後の体積ホログラム記録媒体を十分に室温まで戻す工程も含む。加熱後、体積ホログラム記録媒体を室温まで十分に戻すことにより、安定したホログラム特性を得ることができる。
【0052】
上記熟成工程における熟成温度は、特に限定されないが、−15℃以上40℃未満が好ましく、特に好ましくは0〜35℃、最も好ましくは約25℃(室温)である。熟成時間は、上記の硬化反応時間によって定められ、例えば5分〜1週間程度、好ましくは10分〜4日間、特に好ましくは30分〜48時間である。熟成温度及び熟成時間は、体積ホログラム記録層形成用感光性組成物の組成によりカチオン重合性基(例えば、エポキシ基)を完全硬化させる時間が異なるため、感光性組成物毎に適当な熟成温度及び熟成時間を選択することが好ましい。
【0053】
本発明の体積ホログラム記録媒体における体積ホログラム記録層の厚みは、特に限定されないが、例えば1〜2000μm程度、好ましくは10〜1000μmである。一般に、体積ホログラム記録層が薄い場合は、角度選択性の低いホログラムが得られる。一方、体積ホログラム記録層が厚い場合には、角度選択性が高いホログラムが得られる。
【0054】
本発明の体積ホログラム記録媒体にレーザー光を照射して体積ホログラム記録層中のラジカル重合性化合物を重合させてホログラムを記録し、定着させた後(即ち、ラジカル重合性化合物の反応を完了させた後)の透過率(体積ホログラム記録媒体の透過率)は、特に限定されないが、80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上である。尚、上記透過率は記録波長(再生波長に等しい)における透過率を示す。上記透過率が80%以上の場合は、損失エネルギーが小さいため効率よく再生させることができる。一方、透過率が80%未満の場合はノイズレベルが高くなる等の問題が生じる場合がある。
【0055】
本発明の体積ホログラム記録媒体における基材(基板)は透明性を有するものであればよく、例えば、ガラス板;シクロオレフィン系ポリマーフィルム(例えば、(株)ダイセル製の「TOPAS」等)、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリフッ化エチレン系フィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリアミドフィルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルム(シートを含む)等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。即ち、一対の基板(第一の基板、第二の基板)は、同一(同種)の基板であってもよいし、異種の基板であってもよい。
【0056】
本発明の体積ホログラム記録媒体にホログラムを記録する方法(ホログラム記録方法)としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、体積ホログラム記録媒体にレーザー光を照射して、上記体積ホログラム記録層形成用感光性組成物中のラジカル重合性化合物を重合させる方法によりホログラム記録が可能となる。より詳しくは、例えば、体積ホログラム記録媒体に原版を密着させ、透明な基材フィルムの側からレーザー光を用いて干渉露光を行うことにより体積ホログラムを記録する方法(密着露光方式);媒体がガラスやフィルムに挟まれている場合に、媒体側からレーザー光を入射し、原版からの反射レーザー光と入射レーザー光との干渉により記録する方法(1光束干渉);レーザー光を2方向に分割し、一方を感材に直接入射し、他方は記録したい情報を持つ物体を通した光(情報光)を入射することにより記録する方法(2光束干渉);情報光と参照光を同軸から照射する方法(コリニア方式)等が挙げられる。
【0057】
なお、このようなホログラム記録には、例えば、アルゴンイオンレーザー(458nm、488nm、514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、ヘリウム−ネオンイオンレーザー(633nm)、YAGレーザー(532nm)、半導体レーザー(405nm、532nm)等からの可視レーザー光を使用することができる。
【0058】
また、屈折率変調の促進、重合反応完結(定着)のために、干渉露光後、紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。
【0059】
体積ホログラム記録層形成用感光性組成物を用いたホログラムの記録メカニズムは、以下のように説明される。即ち、体積ホログラム記録層をレーザー光により干渉露光すると、光が強い部分にてラジカル重合性化合物の重合が開始され、それに伴い、ラジカル重合性化合物の濃度勾配ができ、光が弱い部分から光が強い部分に当該ラジカル重合性化合物の拡散移動が起こる。その結果、干渉縞の強弱に応じてラジカル重合性化合物の疎密ができ、屈折率差として現れる。その屈折率差により、ホログラムが記録される。
【0060】
本発明の体積ホログラム記録媒体は、体積ホログラム記録層に、活性プロトンを有する官能基を有する化合物の存在下で式(1)で表される化合物を含むカチオン重合性化合物を重合させることにより得られる三次元架橋ポリマーマトリックスを有するため、硬化収縮が小さく、且つ優れた多重記録特性を有する。ダイナミックレンジ(M/#:1mm換算)は多重記録特性の指針であり、多重記録を行った際に得られる各チャンネルの回折効率の平方根の和で表され、例えば10以上(例えば10〜100)、好ましくは15以上、特に好ましくは20以上である。また、上記硬化収縮率は、例えば1%以下、好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.3%以下である。尚、上記ダイナミックレンジ及び硬化収縮率は、実施例に記載の評価方法により求められる値である。
【実施例】
【0061】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0062】
(光学系)
図1は、回折効率及び収縮率の測定に用いた光学系の概略図である。光源として532nm半導体レーザーを用い、ミラー(M)、スペーシャルフィルター(OL及びPh)、平凸レンズ(PCL)、波長板(PP)を介し、ビームスプリッター(BS)で2つの光に分けた。BSで分けられた2つの光をミラーを介し、サンプルに対してそれぞれ30°、30°で入射、干渉させた。回折光及び透過光の強度はパワーメーター(PM:(株)エーディーシー製)にてそれぞれ検出した。
【0063】
(回折効率)
二光束干渉法で記録したホログラムの回折効率をパワーメーターを用いて測定した。口径5φの532nm半導体レーザーを30°の角度で入射し、透過光と回折光を検出した。体積ホログラム記録媒体を−5°〜5°の範囲で軸回転させ、回折光強度が最も高くなる位置で回折効率ηを、下記式(2)を用いて算出した。
η=L
1/(L
0+L
1) (2)
(透過光強度:L
0、回折光強度:L
1)
【0064】
(硬化収縮率)
体積ホログラム記録媒体を10°傾けて設置し、記録光と参照光の角度をそれぞれ20°と40°でホログラム記録を行った。その後、参照光を40°の角度で入射させ、最大回折効率を示す角度を検出した(θ
1)。収縮がない場合には、その際に得られる最大回折効率の示す角度は40°であるが、収縮が起こることで40°からのずれが生じる。また、同様にして、記録光のみを20°の角度で入射させ、最大回折効率を示す角度(θ
2)を検出した。これらの角度を用いて、下記式(3)、(4)より記録媒体の厚み方向のグレーティングベクトル(K
1およびK
2)を求め、下記式(5)より硬化収縮率を算出した。尚、記録光と参照光の光源としては、回折効率の測定と同様のものを使用した。
K
1=(2π/λ){(n
2−sin
2θ
1)
1/2)−(n
2−sin
2θ
2)
1/2)} (3)
(λ:記録波長、n:記録層の屈折率、θ
1,θ
2:記録前の入射角:40°,20°)
K
2=(2π/λ){(n
2−sin
2θ
1’)
1/2)−(n
2−sin
2θ
2’)
1/2)} (4)
(λ:記録波長、n:記録層の屈折率、θ
1’,θ
2’:回折効率が最大となる入射角)
硬化収縮率(%)=(K
1−K
2)/K
1×100 (5)
(記録前:K
1、記録後:K
2)
【0065】
(多重記録特性)
多重記録特性は下記式(6)から算出されるダイナミックレンジ(M/#)により評価した。
【数1】
(η:回折効率、i、n:記録チャンネル数)
【0066】
実施例1
カチオン重合性化合物として3,4,3’、4’−ジエポキシビシクロヘキシル48重量部、及び2−エチルヘキシルビニルエーテル24重量部、活性プロトンを有する官能基を有する化合物としてイソプロパノール5.9重量部、熱酸発生剤としてトリフェニルスルホニウム塩(商品名「サンエイドSI−60L」、三新化学工業(株)製)0.8重量部(溶液としての量:固形分濃度32.3重量%)、ラジカル重合性化合物としてヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレート(商品名「A−LEN−10」、新中村化学工業(株)製)24重量部、光ラジカル重合開始剤として3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン2.4重量部(溶液としての量:固形分濃度40重量%)、及び、増感色素としてシアニン色素0.08重量部を、室温下で配合及び撹拌し、各成分を均一に溶解させて、体積ホログラム記録層形成用感光性組成物を調製した。
【0067】
得られた体積ホログラム記録層形成用感光性組成物を、100μm厚のスペーサーフィルム(PET)と共に2枚のガラス基板(長さ3cm×幅3cm、厚み1mm)で挟み込み、周囲を封止した後、90℃のオーブンにて1時間加熱し、加熱後、オーブンから取り出して、室温(25℃程度)で1時間熟成させることにより体積ホログラム記録媒体(体積ホログラム記録層の厚み:100μm)を作製した。この体積ホログラム記録媒体に対して、半導体レーザーを用いて透過型ホログラムを記録した結果(波長532nm、光強度:1mW/cm
2、露光量100mJ/cm
2)、ダイナミックレンジ(M/#:1mm換算)は22、硬化収縮率は0.3%であった。
【0068】
実施例2〜8、比較例1〜3
表1に示す処方(単位は重量部)及び加熱条件に変更した以外は実施例1と同様にして体積ホログラム記録層形成用感光性組成物を調製し、体積ホログラム記録媒体を作成して、ダイナミックレンジ(M/#:1mm換算)及び硬化収縮率を測定した。尚、表1における光ラジカル重合開始剤(3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン)の配合量は、溶液(固形分濃度40重量%)の配合量で示した。同様に、表1における熱酸発生剤の配合量は、溶液(固形分濃度32.3重量%)の配合量で示した。結果を下記表にまとめて示す。
【0069】
【表1】
【0070】
以下に、表1中の化合物を示す。
[カチオン重合性化合物]
a−1:3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル
a−2:2−エチルヘキシルビニルエーテル
[活性プロトンを有する官能基を有する化合物]
b−1:イソプロパノール
b−2:1,3ブタンジオール
b−3:アリルアルコール
b−4:ポリエチレングリコール 200
b−5:ポリエチレングリコール 400
b−6:ポリエチレングリコール 600
b−7:ネオペンチルグリコール
[熱酸発生剤]
c−1:トリフェニルスルホニウム塩(商品名「サンエイドSI−60L」、三新化学工業(株)製)
[ラジカル重合性化合物]
d−1:ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノールアクリレート(商品名「A−LEN−10」、新中村化学工業(株)製)
[光ラジカル重合開始剤]
e−1:3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(商品名「BTTB」、日油(株)製)
[増感色素]
f−1:シアニン色素(3-Ethyl-2-[3-(3-ethyl-5-phenyl-2-benzoxazolinylidene)propenyl]-5-phenylbenzoxazolium bromide)