【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第1の実施の形態を備えたコンバインド発電システムを示す概略構成図である。
図1において、コンバインド発電システムは、主に、後述する2軸式ガスタービンと、排熱回収ボイラ5と、蒸気タービン6とを備えている。
【0015】
2軸式ガスタービンは、ガスジェネレータと後述するパワータービンとで構成されている。ガスジェネレータは、大気から吸入した空気を圧縮する圧縮機1と、圧縮した空気と燃料を混合燃焼させて高温高圧ガスを生成する燃焼器2と、生成された高温高圧ガスにより駆動する高圧タービン3とを備えている。圧縮機1と高圧タービン3とは第1回転軸9によって連結されている。この第1回転軸9には、モータ発電機10が連結されている。
【0016】
圧縮機1は、空気取込み側に空気流量を制御するためのIGV(入口案内翼)17が設置されている。IGV17は、空気の流れ方向に対する翼の角度(IGV開度)をIGV駆動装置17aにより、変更可能としている。このIGV開度を変化させることで、圧縮機1の空気流量を調整する。本実施の形態において、IGV17は、
図1に示すように1段の構成となっているが、これに限らない。複数段のセット角度を可変としてもよい。IGV駆動装置17aは後述するコントローラ20からの指令信号によりIGV開度を変更する。
【0017】
燃焼器2は、燃料供給源21から燃料制御弁18を介して供給される燃料を圧縮機1からの圧縮空気と混合燃焼させて高温高圧ガスを生成する。燃料制御弁18は、燃焼器2に供給する燃料流量を制御するものであって、後述するコントローラ20からの指令信号によりその開度を変更する。
【0018】
モータ発電機10は、出力を制御することによってモータとしても発電機としても使用できる装置であればよい。このような装置の例としては、揚水発電に使用されるモータと発電機が可逆な電動発電機と、交流電力を一度コンバータで直流に変換し、再度交流にするためのインバータを組み合わせた装置などがある。
【0019】
本実施の形態においては、インバータとコンバータとを組み合わせた変換装置19を設置し、後述するコントローラ20からの指令信号により、モータ発電機10の出力を制御する。具体的には、コントローラ20から変換装置19に力行指令が出力されたときに、モータ発電機10は、モータとして制御され、同様に回生(発電)指令が出力されたときに、モータ発電機10は発電機として制御される。
【0020】
パワータービンは、高圧タービン3の排ガスにより駆動する低圧タービン4と負荷となる発電機12とで構成されている。低圧タービン4と発電機12とは第2回転軸11によって連結されている。
【0021】
排熱回収ボイラ5は、低圧タービン4からの排ガスと後述する水とで熱交換を行い、高温高圧の蒸気を生成する。排熱回収ボイラ5で生成した高温高圧の蒸気は、蒸気タービン6へ導入され、蒸気タービン6を駆動する。蒸気タービン6で仕事を終えた低圧の蒸気は、復水器7へ排出され、復水器で水に凝縮される。復水器7で凝縮された水は、ポンプ8により排熱回収ボイラ5へ移送される。
【0022】
蒸気タービン6は、第2回転軸11を介して低圧タービン4と発電機12とに連結されている。発電機12は、低圧タービン4と蒸気タービン6の出力によって駆動される。
【0023】
なお、以降の説明で、本実施の形態における2軸式ガスタービンとは、上述の説明から、廃熱回収ボイラ5、蒸気タービン6、復水器7、およびポンプ8を除いたものとする。
【0024】
回転数計13は、第1回転軸9の回転数を検出するために、第1回転軸9の近傍に設けられている。温度計14は、低圧タービン4の排ガス温度を検出するために、低圧タービン4の排ガス出口近傍に設けられている。また、電力計15は、モータ発電機10の発電量を検出するために、モータ発電機10に設置されている。電力計16は、発電機12の発電量を検出するために、発電機12に設置されている。
【0025】
回転数計13からの第1回転軸9の回転数検出信号と、温度計14からの低圧タービン4の排ガス温度検出信号と、電力計15からのモータ発電機10の発電量検出信号と、電力計16からの発電機12の発電量検出信号とは後述するコントローラ20に入力されている。
【0026】
次に、本実施の形態を構成する制御装置について
図2及び
図3を用いて説明する。
図2は本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第1の実施の形態を構成するコントローラの構成を示すブロック図、
図3は本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第1の実施の形態を構成するコントローラのモータ発電機制御部の処理内容を示すブロック図である。
図2及び
図3において、
図1に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0027】
コントローラ20は、回転数計13からの回転数検出信号22と,温度計14からの排ガス温度検出信号25と,電力計15からのモータ発電機出力信号23と,電力計16からの発電気出力信号24とを取込む入力部と、これらの検出信号を基に後述する演算処理を実行する演算部と、演算部で算出したIGV開度指令29と,燃料制御弁開度指令30と,モータ発電機出力指令31とをIGV駆動装置17aと燃料制御弁18と変換装置19aとにそれぞれ出力する出力部とを備えている。
【0028】
演算部は、IGV開度制御部26と燃料制御部27とモータ発電機制御部28とを備えている。
【0029】
IGV開度制御部26は、第1回転軸9の回転数検出信号22に基づいて、第1回転軸9の回転数が所定の回転数となるように、IGV開度指令29を算出し、IGV駆動装置17aの制御を通じてIGV17の開度を制御する。
【0030】
燃料制御部27は、発電機出力の検出信号24等の負荷状態データに基づいて、発電機12の出力が、所定の出力となるように、燃料制御弁開度指令30を算出し、燃料制御弁18の開度を制御することで、燃料供給源21からの燃料の燃焼器2への供給を制御する。
【0031】
モータ発電機制御部28は、低圧タービン4の排ガス温度検出信号25に基づいて、低圧タービン4の排ガス温度が、目標の温度となるようにモータ発電機出力指令31を算出し、変換装置19aの制御を通じてモータ発電機10の出力を制御する。詳細は後述するが、変換装置19aを制御して、モータ発電機10を発電機とすると、第1回転軸9の回転数を低下させる負荷が発生し、排ガス温度を上昇させることができる。一方、変換装置19aを制御して、モータ発電機10をモータとすると、第1回転軸9の負荷が減少し、排ガス温度を降下させることができる。
【0032】
図3に、モータ発電機制御部28の構成例を示す。モータ発電機制御部28は、関数発生器37と、偏差演算部38と、運転状態判定部39と、モータ発電機要求出力演算部40とを備えている。
【0033】
関数発生器37は、低圧タービン4の排ガス温度目標値の信号が設定されていて、排ガス温度目標値の信号は、偏差演算部38に出力する。
【0034】
偏差演算部38は、温度計14が検出した排ガス温度検出信号25と、関数発生器37からの排ガス温度目標値の信号とをそれぞれ入力している。偏差演算部38は、入力された排ガス温度検出信号25と排ガス温度目標値との偏差を算出し、その算出した偏差をモータ発電機要求出力演算部40へ出力している。
【0035】
運転状態判定部39は、電力計15が検出したモータ発電機10のモータ発電機出力信号23と、電力計16が検出した発電機12の発電気出力信号24とをそれぞれ入力している。運転状態判定部39は、入力されたこれらの出力信号から現在の2軸式ガスタービンの運転状態を判定する。例えば、モータ発電機出力信号23と、現在の発電機出力信号24とから、2軸式ガスタービンが何%の出力か、また燃焼温度が定格に対してどの程度かを算出する。算出した信号は、モータ発電機要求出力演算部40に出力している。この運転状態判定部39は、大気温度や低圧タービン4の回転数などの計測値も取込んで、算出するのが一般的であるが、本実施の形態においては、省略している。
【0036】
モータ発電機要求出力演算部40は、偏差演算部38からの信号と運転状態判定部39からの信号とを取込み、モータ発電機10が要求する出力を算出する。例えば、偏差演算部38からの信号を用いて、モータ発電機出力信号23をどの程度増加させると排ガス温度が目標値となるかを、予め計算してある結果から推定する。この演算結果から、変換装置19へ力行指令または回生指令を、モータ発電機出力指令31として出力する。このことにより、モータ発電機10の出力が制御される。
【0037】
次に、このようにモータ発電機10の出力を制御した際の2軸式ガスタービンの動作を説明する。ここで、圧縮機1のIGV17は、コントローラ20のIGV開度制御部26により、第1回転軸9の回転数を制御するものとして開度制御されている。
まず、2軸式ガスタービンにおいて、発電機12の負荷を一定として運転している状態において、モータ発電機10を発電機として使用する場合の作動について説明する。
【0038】
モータ発電機10が発電機として制御されると、第1回転軸9を駆動する高圧タービン3にとっては、圧縮機1に加えてモータ発電機10をも駆動する必要が生じるので、負荷が大きくなり、出力が不足してくる。このことにより、第1回転軸9の回転数が低下する方向に出力バランスが変化する。
【0039】
一方、第1回転軸9の回転数はコントローラ20で制御されているため、第1回転軸9の回転数が変化しないようにIGV17の開度が小さくなるように制御される。IGV17の開度が小さくなると、圧縮機1の空気流量が減少し、発電機12の出力が低下するため、燃料の流量調節弁18の開度を大きくして、燃料流量を増加させて発電機12の出力を一定に保とうとする制御がなされる。
【0040】
このように運転状態の変化に伴う制御がなされ、圧縮機1の空気流量や、燃料流量がほぼ整定された状態で第1回転軸9におけるエネルギ収支がバランスする。このとき、燃焼器2では圧縮空気に対する燃料の割合が増加するので燃焼温度は上昇する。また、圧縮機1の空気流量が減少したことにより、圧力比は低下するため、低圧タービン4の排ガス温度を上昇させることができる。
【0041】
次に、発電機12の負荷を一定として運転している状態において、モータ発電機10をモータとして使用する場合の作動について説明する。
【0042】
モータ発電機10がモータとして制御されると、圧縮機1を高圧タービン3とモータ発電機10とで駆動することになるため、負荷が小さくなり、出力が超過してくる。このことにより、第1回転軸9の回転数が上昇する方向に出力バランスが変化する。
【0043】
第1回転軸9の回転数はコントローラ20で制御されているため、第1回転軸9の回転数が変化しないようにIGV17の開度が大きくなるように制御される。IGV17の開度が大きくなると、圧縮機1の空気流量が増加し、発電機12の出力が増加するため、燃料の流量調節弁18の開度を小さくして、燃料流量を減少させて発電機12の出力を一定に保とうとする制御がなされる。
【0044】
このように運転状態の変化に伴う制御がなされ、圧縮機1の空気流量や、燃料流量がほぼ整定された状態で第1回転軸9におけるエネルギ収支がバランスする。このとき、燃焼器2では圧縮空気に対する燃料の割合が減少するので燃焼温度は低下する。また圧縮機1の空気流量が増加したことにより、圧力比は上昇するため、低圧タービン4の排ガス温度を低下させることができる。
【0045】
次に、モータ発電機10の要求出力と低圧タービン4の排ガス温度との関係について
図4及び
図5を用いて説明する。
図4は本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第1の実施の形態における排ガス温度と発電機端出力との関係を示す特性図、
図5は本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第1の実施の形態におけるモータ発電機要求出力と発電端出力との関係を示す特性図である。
【0046】
図4及び
図5において、発電端出力とは、モータ発電機10の出力と発電機12の出力とを合算した出力と定義する。
図4の実線32は、モータ発電機10の出力が0の場合の発電端出力と排ガス温度の関係を示す。また、破線33は、モータ発電機10を発電機として使用した場合の、一点鎖線34は、モータ発電機10をモータとして使用した場合の発電端出力と排ガス温度の関係をそれぞれ示している。
図4において、破線33が実線32より上方に配置され、一点鎖線34が実線32の下方に配置されている。これは、モータ発電機10を発電機として使用した場合の排ガス温度の特性が上方に移動し、モータ発電機10をモータとして使用した場合の排ガス温度の特性が下方に移動することを示している。
【0047】
図5は、発電端出力に対するモータ発電機要求出力の関係を示していて、モータ発電機10を発電機として使用する場合はモータ発電機10の要求出力を正と表現し、モータ発電機10をモータとして使用する場合はモータ発電機10の要求出力を負と表現している。
【0048】
図4と
図5に示すように、モータ発電機10の要求出力を制御することにより、低圧タービン4の排ガス温度を制御することが可能となる。排ガス温度を調整できる範囲はモータ発電機10の容量で定まり、モータ発電機10の容量が大きいほどモータ発電機10の要求出力を広い範囲で調整できるようになるため、排ガス温度の調整範囲を広くすることができる。
【0049】
本実施の形態において、例えば、排ガス温度を
図4に示す太線35のように制御したい場合は、モータ発電機10への要求出力を
図5に示す太線36のように制御することで、所望の排ガス温度の制御が実現できる。
【0050】
このような制御は、ガスタービンに比べて熱容量の大きい排熱回収ボイラや蒸気タービンを備えたコンバインド発電システムにおいて有効である。例えば、システムの負荷上昇過程において、2軸式ガスタービンが所定の負荷に達して排ガス温度が上昇しても、排熱回収ボイラ5や蒸気タービン6の温度が低く、蒸気の温度および流量が不足する場合に、排ガス温度を制御することができるので、蒸気量の不足を緩和し、システム全体の効率および運用性を高めることができる。
【0051】
上述したように、本実施の形態においては、モータ発電機10の出力を調整して、低圧タービン4の排ガス温度を制御しているので、圧縮機1のIGV17の開度を調整することで、第1回転軸9の回転数を制御できる。
【0052】
2軸式タービンの圧縮機1において、第1回転軸9の回転数が所定の範囲を逸脱すると共振により翼に過大な負荷がかかる。また、圧縮機1における圧力比が所定の範囲を逸脱して上昇すると圧縮機1のサージングが発生し、損傷に結びついてしまう。このような、圧縮機1の共振やサージングの発生を回避するためには、圧縮機1に設置されているIGV17の開度を制御して、空気流量並びに第1回転軸9の回転数を制御することが、応答速度の観点から有効である。
【0053】
したがって、2軸式ガスタービンにおいては、IGV17の開度を調整して第1回転軸9の回転数を制御し、モータ発電機10の出力を調整して低圧タービン4の排ガス温度を制御することが望ましい。
【0054】
上述した本発明の2軸式ガスタービン及びその制御装置の第1の実施の形態によれば、2軸式ガスタービンにおいて、ガスジェネレータ軸(第1回転軸)9の回転数の制御と、パワータービン(低圧タービン)4からの排ガス温度の制御とを可能とすることができ、システム全体の効率及び運用性を高めることができる。
【実施例2】
【0055】
以下、本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第2の実施の形態を図面を用いて説明する。
図6は本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第2の実施の形態を構成するコントローラのモータ発電機制御部の処理内容を示すブロック図、
図7は本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第2の実施の形態を構成するモータ発電機制御部の演算部の処理内容を示すブロック図である。
図6及び
図7において、
図1乃至
図5に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略する。
【0056】
本発明の2軸式ガスタービン及びその制御装置の第2の実施の形態において、ガスタービン及び制御装置の構成は、大略第1の実施の形態と同じであるが、モータ発電機制御部28に補正値演算部42を設け、補正値信号43を燃料制御部27へ出力する点が異なる。
【0057】
第1の実施の形態においては、モータ発電機制御部28において、排ガス温度検出信号25と発電機12の発電気出力信号24とモータ発電機10のモータ発電気出力信号23とを基に、モータ発電機出力指令31を出力している。燃料制御部27とモータ発電機制御部28との間で信号の直接授受を設けていない。このように、燃料流量制御とモータ発電機出力制御とが独立していることから、第1回転軸9の回転数が過渡的に変動する可能性がある。そこで、本実施の形態においては、モータ発電機10への要求出力の正負を判断し、予め燃料制御弁18への燃料流量を増減させる回路を設けている。この結果、モータ発電機出力指令31による第1回転軸9の回転数変動が緩和できるので、より安定な運転が実現できる。
【0058】
図6に示すように、本実施の形態におけるモータ発電機制御部28は、補正値演算部42を備えている。補正値演算部42は、モータ発電機要求出力演算部40からのモータ発電機出力指令31信号と電力計15が検出したモータ発電機10のモータ発電機出力信号23とを取込み、補正値信号43を算出し、燃料制御部27へ出力する。
【0059】
補正値演算部42と燃料制御部27との詳細について
図7を用いて説明する。
図7において、補正値演算部42は、偏差演算部44とゲイン乗算部45とを備えている。偏差演算部44は、モータ発電機要求出力演算部40からのモータ発電機出力指令31信号と電力計15が検出したモータ発電機10のモータ発電機出力信号23との偏差を算出し、その偏差をゲイン乗算部45へ出力している。
【0060】
ゲイン乗算部45は、現在のモータ発電機10のモータ発電機出力信号23と要求されている出力であるモータ発電機出力指令31との差に予め定められたゲインを乗算することで、この差分を補正するのに必要な燃料流量を算出する。この燃料流量指令は、燃料制御部27へ出力している。
【0061】
燃料制御部27は、目標とする発電機出力に必要な燃料流量指令27aと、ガスタービンに許容されている負荷変化率の制限により定まる燃料流量指令27bとを取込み、いずれか最小値を選択して出力する最小値選択演算部46と、最小値選択部46からの出力と補正値演算部42からの補正値信号43とを入力し、これら入力信号を加算して、燃料制御弁開度指令41を算出する加算演算部47とを備えている。燃料制御弁開度指令41は、燃料制御弁18の開度を調整することで、燃料流量を制御する。
【0062】
本実施の形態においては、上述したように燃料制御部27とモータ発電機制御部28とを構成したので、例えば現在のモータ発電機出力信号23よりモータ発電機出力指令31が上回り、第1回転軸9が減速する場合には、補正値演算部42と加算演算部47とにより燃料を追加する制御が行われ、第1回転軸9の減速量を緩和できる。一方、現在のモータ発電機出力信号23よりモータ発電機出力指令31が下回り、第1回転軸9が増速する場合には、補正値演算部42と加算演算部47とにより燃料を削減する制御が行われ、第1回転軸9の増速量を緩和できる。
【0063】
上述した本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第2の実施の形態によれば、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏する。
【0064】
また、上述した本発明の2軸式ガスタービンの制御装置及びそれを備えた2軸式ガスタービンの第2の実施の形態によれば、モータ発電機10への要求出力と実際のモータ発電機出力信号23とを比較して、予め燃料流量を増減させているので、第1回転軸9の回転数変動を抑制できる。この結果、2軸式ガスタービンのより安定な運転が実現できる。
【0065】
なお、本発明の実施の形態について説明したが、これらは2軸式ガスタービンの排ガス温度を制御するための機構についてのみ説明したものであり、通常のガスタービンにおいて行われる燃焼器の切り替え制御、負荷制御および保護に関する制御などと組み合わせて実施することが可能である。
【0066】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。