(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130139
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】耐圧版を有するケーソン構造物及びその構築方法
(51)【国際特許分類】
E02D 27/20 20060101AFI20170508BHJP
E02D 23/00 20060101ALI20170508BHJP
E02D 23/04 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
E02D27/20
E02D23/00 B
E02D23/04 Z
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-283909(P2012-283909)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-125803(P2014-125803A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】592100131
【氏名又は名称】中日本建設コンサルタント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(74)【代理人】
【識別番号】100179202
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 誠司
(72)【発明者】
【氏名】栗本 和明
(72)【発明者】
【氏名】青山 浩之
【審査官】
神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭49−034110(JP,A)
【文献】
特開平04−124320(JP,A)
【文献】
特開2007−204218(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/00−27/52
E02D 23/00−23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
沈設によりケーソンを設置するケーソン工法であって、
前記ケーソンの沈設に先行して、該ケーソンを支持するための支持杭を地盤に設置するステップと、
前記ケーソンの底版で区画された圧気状態の作業室内を掘削しつつ該ケーソンを沈設するステップと、
前記支持杭の芯ずれの度合いを計測するステップと、
前記作業室内に鉄筋を略水平方向に延在するように配筋するステップと、
前記作業室内にコンクリートを打設することにより、前記鉄筋と該コンクリートを有し該作業室の内面により規定される耐圧版を構築するステップと、を有することを特徴とするケーソン工法。
【請求項2】
前記鉄筋は第1の鉄筋及び第2の鉄筋を含み、
前記配筋するステップは、前記作業室内において、該作業室の上面の近傍に前記第1の鉄筋を、該作業室の下面の近傍に前記第2の鉄筋を、それぞれ略水平方向に延在するように配筋することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のケーソン工法。
【請求項3】
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて、前記鉄筋の強度及び配筋量の少なくとも一方を変更する第1の変更ステップ、を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のケーソン工法。
【請求項4】
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて必要となる前記鉄筋の強度及び配筋量の変更の量を予めシミュレーションにより求めるステップを更に有し、
前記第1の変更ステップは、前記シミュレーションにより求められた前記鉄筋の強度及び配筋量の変更の量に基づき、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて前記鉄筋の強度及び配筋量の少なくとも一方を変更する、ことを特徴とする請求項3に記載のケーソン工法。
【請求項5】
前記第1の変更ステップは、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて、前記鉄筋の強度及び配筋量の少なくとも一方を変更する範囲を決定する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載のケーソン工法。
【請求項6】
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて必要となる前記鉄筋の強度及び配筋量の変更の範囲を予めシミュレーションにより求めるステップを更に含み、
前記第1の変更ステップは、前記シミュレーションにより求められた前記鉄筋の強度及び配筋量の変更の範囲に基づき、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて前記鉄筋の強度及び配筋量の少なくとも一方を変更する範囲を決定する、ことを特徴とする請求項5に記載のケーソン工法。
【請求項7】
前記作業室内にせん断補強材を配設するステップと、
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて、前記せん断補強材の強度及び配設量の少なくとも一方を変更する第2の変更ステップと、を更に有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のケーソン工法。
【請求項8】
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて必要となる前記せん断補強材の強度及び配設量の変更の量を予めシミュレーションにより求めるステップを更に含み、
前記第2の変更ステップは、前記シミュレーションにより求められた前記せん断補強材の強度及び配設量の変更の量に基づき、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて前記せん断補強材の強度及び配設量の少なくとも一方を変更する、ことを特徴とする請求項7に記載のケーソン工法。
【請求項9】
前記第2の変更ステップは、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて、前記せん断補強材の強度及び配設量の少なくとも一方を変更する範囲を決定する、ことを特徴とする請求項7又は8に記載のケーソン工法。
【請求項10】
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて必要となる前記せん断補強材の強度及び配設量の変更の範囲を予めシミュレーションにより求めるステップを更に含み、
前記第2の変更ステップは、前記シミュレーションにより求められた前記せん断補強材の強度及び配設量の変更の範囲に基づき、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて前記せん断補強材の強度及び配設量の少なくとも一方を変更する範囲を決定する、ことを特徴とする請求項9に記載のケーソン工法。
【請求項11】
前記配設するステップは、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて、前記せん断補強材を配設する範囲を決定する、ことを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載のケーソン工法。
【請求項12】
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて必要となる前記せん断補強材の配設の範囲を予めシミュレーションにより求めるステップを更に含み、
前記配設するステップは、前記シミュレーションにより求められた前記せん断補強材の配設の範囲に基づき、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて前記せん断補強材を配設する範囲を決定する、ことを特徴とする請求項11に記載のケーソン工法。
【請求項13】
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて、前記コンクリートの強度を変更する第3の変更ステップ、を更に有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のケーソン工法。
【請求項14】
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて必要となる前記コンクリートの強度の変更の量を予めシミュレーションにより求めるステップを更に有し、
前記第3の変更ステップは、前記シミュレーションにより求められた前記コンクリートの強度の変更の量に基づき、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて前記コンクリートの強度を変更する、ことを特徴とする請求項13に記載のケーソン工法。
【請求項15】
前記第3の変更ステップは、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて、前記コンクリートの強度を変更する範囲を決定する、ことを特徴とする請求項13又は14に記載のケーソン工法。
【請求項16】
前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて必要となる前記コンクリートの強度の変更の範囲を予めシミュレーションにより求めるステップを更に有し、
前記第3の変更ステップは、前記シミュレーションにより求められた前記コンクリートの強度の変更の範囲に基づき、前記支持杭の芯ずれの度合いに応じて前記コンクリートの強度を変更する範囲を決定する、ことを特徴とする請求項15に記載のケーソン工法。
【請求項17】
沈設によりケーソンを設置するケーソン工法であって、
前記ケーソンの沈設に先行して、該ケーソンを支持するための支持杭を地盤に設置するステップと、
前記ケーソンの底版で区画された圧気状態の作業室内を掘削しつつ該ケーソンを沈設するステップと、
前記作業室内に鉄筋を配筋するステップと、
前記作業室内にコンクリートを打設することにより、前記鉄筋と該コンクリートを有し該作業室の内面により規定される耐圧版を構築するステップと、を有するケーソン工法であって、
前記鉄筋は前記耐圧版の上面側を引き延ばすように作用する曲げモーメントに対して抵抗力を発揮する上端筋と、前記耐圧版の下面側を引き延ばすように作用する曲げモーメントに対して抵抗力を発揮する下端筋とを含み、
前記配筋するステップは、前記作業室内において、該作業室の上面の近傍に前記上端筋を、該作業室の下面の近傍に前記下端筋を、それぞれ略水平方向に延在するように配筋することを含む、ことを特徴とするケーソン工法。
【請求項18】
沈設により設置されるケーソンと、
前記ケーソンを支持する支持杭と、
前記ケーソンと前記支持杭の間に設置される鉄筋コンクリート製の耐圧版であって、耐圧版の上面側を引き延ばすように作用する曲げモーメントに対して抵抗力を発揮する上端筋と、耐圧版の下面側を引き延ばすように作用する曲げモーメントに対して抵抗力を発揮する下端筋の両方を有する耐圧版と、を有することを特徴とするケーソン構造物。
【請求項19】
前記耐圧版は更に、せん断補強材を有する、ことを特徴とする請求項18に記載のケーソン構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューマチックケーソン工法及び同工法により構築されるケーソン構造物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ニューマチックケーソン工法とは、主として鉄筋コンクリート製のケーソン(函体、躯体)を地上で構築し、ケーソン下部に気密な作業室を設け、ここに地下水圧に見合った圧縮空気を送り込むことにより地下水の侵入を防ぎ、作業室内にて掘削・排土を行いながらケーソンを地中に沈下させ、その一部又は全部を地中に埋設する工法である。このように設置されたケーソンは、ポンプ場などの建物や橋梁の基礎、あるいはシールドトンネルなどの発進立杭、地下鉄や地下道路のトンネル本体として広く利用されている。
【0003】
ケーソンを設置する地盤の支持力が不足する場合などに、ケーソンを杭により支持する(いわゆる、脚付ケーソンとする)場合がある。ニューマチックケーソンを場所打杭で支持する従来技術の例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の技術は、ケーソン設置場所の地盤に場所打杭を構築したのち、ニューマチックケーソン工法によりケーソンを適当深さまで沈設し、場所打杭とケーソンとを作業室内に打設したコンクリートにより結合するものである。
【0004】
また、別の従来技術の例が、特許文献2に記載されている。特許文献2に記載の技術は、ケーソンの沈設に先行して支持杭を構築した後、底版で区画された圧気状態の作業室内を掘削しつつケーソンを沈設し、作業室に露出する支持杭とケーソンとを打設コンクリートで一体化するニューマチックケーソン工法において、ケーソンの沈設前に作業室の天井に鋼材を合成部材として一体に取り付けておき、ケーソンの沈設後に作業室の天井から鋼材を取り外して配筋するものである。
【0005】
上記各文献に記載されているようにケーソンの沈設に先行して支持杭を構築するものにおいて、支持杭によるケーソンの支持位置が地下深い場合、施工上等の理由により、支持杭が本来の支持位置から芯ずれ(偏芯)を生じてしまうことがある。しかも、支持杭が実際に芯ずれを生じているか否かについては、ケーソンを予定の深さに沈下させ、杭頭が掘削面上に露出して初めて確認できるようになる場合が多い。
【0006】
支持杭が芯ずれを生じている場合には、支持杭によるケーソン底版の支持位置が、予定していた位置から変化することとなる。そうすると、上部構造であるケーソンの底版に発生する曲げモーメント及びせん断力にも変化が生じることが考えられる。そのような芯ずれが設計の想定を超えて大きい場合には、ケーソンの底版が、曲げモーメント及びせん断力の変化に十分に耐えられる強度を有しているかどうか、再度の構造計算により再確認する必要が生じる。その場合には、ケーソンを予定深さまで沈下させた段階で、再確認作業のために工事がストップし、工期遅れや、それに伴う余分なコストが発生する。しかも、その段階でケーソンの強度が不足していることが判明したとしても、既に沈下させたケーソンの強度を増加させるために、ケーソンの底版を斫って配筋し直すということは極めて困難である。
【0007】
特許文献1に記載の技術は、場所打杭とケーソンとを作業室内に打設したコンクリートにより結合するのみであるため、当該コンクリート自体は、上記したような曲げモーメントの変化に対して何ら効果を発揮せず、せん断力の変化に対する効果も限定的である。そのため、特許文献1の技術は、ケーソンを沈設する予定の深度において支持杭が芯ずれを生じていると判明した場合の上記問題を解決するには至らない。
【0008】
特許文献2に記載の技術は、ケーソン(1)の沈設後に作業室の天井から鋼材(3)を取り外して配筋するものであるが、当該文献の
図3から明らかな様に、取り外された鋼材(3)は作業室内の下部側に設置されるのみであり、同
図4のように、コンクリート(5)の打設後は、当該鋼材(3)は、それが構造鉄筋であった場合にせいぜい下端筋としての役割を担い得るに過ぎないと考えられる。ここで、上記したように支持杭(2)の芯ずれにより曲げモーメントが変化した場合、鋼材(3)は、コンクリート(5)の下面側を引き延ばすように働く曲げモーメントの増加に対しては対抗力を発揮し得る可能性はあるものの、コンクリート(5)の上面側を引き延ばすように働く曲げモーメントの増加に対しては、何らの対抗力をも発揮し得ない。また、当該鋼材(3)は、せん断力に対しては効果がない。そのため、上記したような問題を解決するには至らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭54−38608号公報
【特許文献2】特許第2782274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明の目的は、ニューマチックケーソン工法において、ケーソンを支持する支持杭の芯ずれが生じた場合であっても、芯ずれの影響がケーソンにまで及ぶことを抑制又は回避することを可能としたニューマチックケーソン工法、及び、同工法により構築されるケーソン構造物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明の各局面に想到した。
即ち、本発明の一つの局面によるケーソン工法は、沈設によりケーソンを設置するケーソン工法であって、ケーソンの沈設に先行して、ケーソンを支持するための支持杭を地盤に設置するステップと、ケーソンの底版で区画された圧気状態の作業室内を掘削しつつケーソンを沈設するステップと、作業室内において、作業室の上面の近傍に第1の鉄筋を、下面の近傍に第2の鉄筋を、それぞれ略水平方向に延在するように配筋するステップと、作業室内にコンクリートを打設することにより、第1及び第2の鉄筋とコンクリートを有し作業室の内面により規定される耐圧版を構築するステップと、を有するケーソン工法である。
【発明の効果】
【0012】
上記工法によれば、作業室内の上面の近傍及び下面の近傍に第1及び第2の鉄筋をそれぞれ配筋する。そのため、作業室内にコンクリートを打設することによって構築した耐圧版を、上端筋及び下端筋を有する鉄筋コンクリート構造物とすることが可能である。よって、支持杭の芯ずれによって、曲げモーメントが、予定していた曲げモーメント(即ち、芯ずれが無い場合に想定される曲げモーメント)から変化する状況が生じたとしても、上端筋及び下端筋を有する耐圧版によって、曲げモーメントの変化に耐えることができる。よって、ケーソンを沈下させたとき等に支持杭の芯ずれが判明したとしても、耐圧版で対応できるため、ケーソンが芯ずれに対応できる強度を有しているかどうかの再確認をする手間を省くことができる。その結果、ケーソン強度の再確認による工期遅れやコスト上昇を回避することができる。更には、上記工法により構築される耐圧版であれば、地震時に発生する杭頭曲げモーメントに対抗することも可能となる。
【0013】
また、本発明の別の局面によるケーソン工法は、支持杭の芯ずれの度合いを計測するステップを更に有する。
また、本発明の更に別の局面によるケーソン工法は、支持杭の芯ずれの度合いに応じて、第1及び第2の鉄筋の少なくとも一方の強度及び配筋量の少なくとも一方を変更するステップを更に有する。
このような構成によれば、ケーソンを沈下させたとき等に支持杭の芯ずれが判明した場合に、芯ずれの度合いに応じて、第1及び第2の鉄筋の少なくとも一方の強度及び配筋量の少なくとも一方を変更することで、曲げモーメントの変化に耐える強度を有する耐圧版を構築することができる。このように、ケーソンを既に沈下させた段階であっても、耐圧版の強度を変更することで曲げモーメントの変化に対応できるため、沈下させたケーソンについては何ら変更する必要がない。
【0014】
また、本発明の更に別の局面によるケーソン工法は、作業室内にせん断補強材を配設するステップを有し、支持杭の芯ずれの度合いに応じて、せん断補強材の強度及び配設量の少なくとも一方を変更する。
このような構成とすることで、せん断補強材を有する耐圧版を構築することができるため、耐圧版は、せん断力に対しても、より大きな抵抗力を発揮することができる。更には、ケーソンを沈下させたとき等に支持杭の芯ずれが判明した場合に、せん断補強材の強度及び配設量の少なくとも一方を支持杭の芯ずれの度合いに応じて変更することができるので、芯ずれによるせん断力の変化に対応可能な強度を有する耐圧版を構築することができる。
【0015】
また、本発明の更に別の局面によるケーソン工法は、支持杭の芯ずれの度合いに応じて、コンクリートの強度を変更するステップを更に有する。
このような構成によれば、ケーソンを沈下させたとき等に支持杭の芯ずれが判明した場合に、作業室内に打設するコンクリートの強度を支持杭の芯ずれの度合いに応じて変更することができるので、耐圧版がせん断力の変化に対応するのに必要な強度を有するようにすることができる。なお、必要に応じて、コンクリートとせん断補強材の両方の効果により、耐圧版が必要な強度を有するようにすることも可能である。
【0016】
また、本発明の更に別の局面によれば、第1の鉄筋や第2の鉄筋の強度や配筋量を変更する範囲、せん断補強材の強度や配設量を変更する範囲、コンクリートの強度を変更する範囲を、支持杭の芯ずれの度合いに応じて決定する。このような構成とすることで、ケーソンを沈下させたとき等に支持杭の芯ずれが判明した場合に、芯ずれの度合いに応じて、鉄筋、せん断補強材、コンクリートの設計変更が必要となる範囲が明確化され、設計変更及び変更後の施工が容易に行える。
【0017】
また、本発明の更に別の局面によれば、支持杭の芯ずれの度合いに応じて、せん断補強材を配設する範囲を決定する。
これにより、支持杭の芯ずれが判明した場合に、支持杭の芯ずれの度合いに応じてせん断補強材を配設する範囲を決定し、その範囲内にのみせん断補強材を配設することができるため、効率的である。
【0018】
また、本発明の更に別の局面によるケーソン工法は、支持杭の芯ずれの度合いに応じて必要となる第1の鉄筋や第2の鉄筋の強度や配筋量の変更の量や変更の範囲、せん断補強材の強度や配設量の変更の量や変更の範囲、コンクリートの強度の変更の量や変更の範囲、せん断補強材の配設の範囲を予めシミュレーションにより求めるステップを更に有する。そして、シミュレーションにより求められた変更の量、変更の範囲、配設の範囲に基づき、支持杭の芯ずれの度合いに応じて第1の鉄筋や第2の鉄筋の強度や配筋量、せん断補強材の強度や配設量、コンクリートの強度を変更し、また、それらの変更の範囲や、せん断補強材の配設の範囲を決定する。
【0019】
このような構成によれば、支持杭の芯ずれの量を各種想定して、想定した各芯ずれ量に対して必要となる第1の鉄筋や第2の鉄筋の強度や配筋量の変更の量や変更の範囲、せん断補強材の強度や配設量の変更の量や変更の範囲、コンクリートの強度の変更の量や変更の範囲、せん断補強材の配設の範囲を、構造計算に基づくシミュレーションにより予めそれぞれ求めておくことができる。そして、ケーソンの沈設完了時等に、支持杭の芯ずれが判明した段階で芯ずれの量の計測を行い、計測した芯ずれの量に応じて、上記のシミュレーション結果に基づき第1の鉄筋や第2の鉄筋の強度や配筋量、せん断補強材の強度や配設量、コンクリートの強度を変更し、また、それらの変更の範囲や、せん断補強材の配設の範囲を決定し、施工をすることができる。このような方法によれば、支持杭の芯ずれが判明した場合に、芯ずれに応じて設計を変更した状態に基づいて構造計算を再度行う必要がなく、予め行ったシミュレーションの結果に基づき設計を変更し、工事をスムーズに続行することができる。即ち、支持杭の芯ずれの状況を、構造計算及び設計段階にフィードバックする必要がない。よって、支持杭の芯ずれが発生した場合であっても、工期の延長を最小限にとどめることができる。
【0020】
本発明の更に別の局面によるケーソン構造物は、沈設により設置されるケーソンと、ケーソンを支持する支持杭と、ケーソンと支持杭の間に設置される鉄筋コンクリート製の耐圧版であって、上端筋と下端筋の両方を有する耐圧版と、を有するケーソン構造物である。
このような構成のケーソン構造物によれば、支持杭の芯ずれにより曲げモーメントが変化するような場合であっても、上端筋と下端筋の両方を有する耐圧版によって、曲げモーメントの変化に耐えることができる。更には、耐圧版により、地震時の杭頭曲げモーメントに対抗することも可能となる。
【0021】
また、本発明の更に別の局面によれば、上記ケーソン構造物において、耐圧版は更に、せん断補強材を有する。
このような構成のケーソン構造物によれば、せん断補強材を有する耐圧版は、せん断力及びその変化に対しても、より大きな抵抗力を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るケーソン工法において、ケーソンの沈設に先行して支持杭を設置した状態を表す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るケーソン工法において、沈設したケーソンの作業室内において配筋を行った状態を表す部分断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係るケーソン工法により構築したケーソン構造物の要部を表す部分断面図である。
【
図4】
図4は、
図2のケーソン及び支持杭を2点鎖線IV−IVに沿って表す水平断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る鉄筋の強度及び配筋量の変更量、及び、変更範囲を決定し施工する手順を表すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態の変形例によるケーソン工法により構築したケーソン構造物の要部を表す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係るニューマチックケーソン工法、及び、当該工法により構築されるケーソン構造物について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のニューマチックケーソン工法は、地盤中にケーソンの一部又は全部を沈設するものであり、地盤中に設置した支持杭によりケーソンを支持する。本実施形態の工法においては、ケーソン1(
図2参照)の沈設に先行して、
図1に示すように、支持杭2を地盤中に設置する。本例においては、支持杭2は場所打ち杭とし、ケーソン1を支持する予定の位置に支持杭2の上端が来るように、支持杭2を構築する。支持杭2の設置又は構築の方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。なお、支持杭2は場所打ち杭に限らず、SC杭、鋼管杭等の既製杭であっても良い。
【0024】
支持杭2の設置が完了すると、
図2のようにケーソン1を沈下させる。本例のケーソン1は鉄筋コンクリート製の函体(躯体)であり、予め地上で構築されるものである。ケーソン1の下部には気密な作業室11が設けられており、地上から作業室11内に圧縮空気を送り込んで地下水の侵入を防ぎながら、作業室内11下部の地盤を掘り進むことにより、ケーソン1を地中に沈下させていく。
図2中の符号12は、ケーソン1の刃先である。なお、
図2において、マンシャフト、マテリアルシャフト、潜函ショベル、土砂バケット等の周辺設備や機器については図示を省略している。
【0025】
図2は、ケーソン1が設置予定位置まで沈下した状態、即ち、ケーソン1の沈下工程が完了した状態を示している。この状態において、作業室11内の上面(即ち、ケーソン1の底版の下面)付近に構造鉄筋としての上部鉄筋3を設置し、下面(即ち、作業室11下部の掘削面)付近に構造鉄筋としての下部鉄筋4を設置する。その後、作業室11内部にコンクリートを打設し、固化させる。こうして、本実施形態に係るケーソン構造物が完成する。なお、
図2においては、支持杭2の内部から杭頭鉄筋21が突出するように施工されているが、これに限らず、杭頭鉄筋21を突出させることなく、支持杭2の杭頭部を作業室内に突出させるように施工するものでも良い。また、支持杭2の杭頭部のいずれかの箇所に杭頭鉄筋21を後から取り付けるものでも良い。特に、SC杭や鋼管杭といった既製杭を支持杭2として用いる場合、SC杭の場合はその杭頭部の上端内に杭頭鉄筋21を部分的に埋め込み、あるいは外周に溶接する等してもよく、鋼管杭の場合はその内周や外周に溶接する等しても良い。
【0026】
図3は、本実施形態に係るケーソン構造物の要部を示す。上記において説明したように、また、
図3に示すように、作業室11の上面付近に設置した上部鉄筋3と、下面付近に設置した下部鉄筋4とを、作業室11内に打設したコンクリート5が覆い、その状態でコンクリート5が固化する。このことにより、コンクリート5と鉄筋3、4とが、作業室11の内面により規定される鉄筋コンクリート構造物となる。このコンクリート5と鉄筋3、4からなる鉄筋コンクリート構造物は、後に詳述するように、本実施形態に係るケーソン構造物の耐圧版として構築されるものである。コンクリート5が支持杭2の杭頭部をも覆っていることから、耐圧版と支持杭2とは強固に一体化される。
【0027】
上部鉄筋3は、作業室11の上面付近にて、略水平方向に拡がるように配筋され、下部鉄筋4は、作業室11の下面付近にて、略水平方向に拡がるように配筋される。
図3の例においては、上部鉄筋3、下部鉄筋4はそれぞれ水平方向に格子状に配筋されており、全ての支持杭2及びそれらの間の範囲を上部から覆うように配筋されている。なお、
図2及び
図3においては、鉄筋を組み立てるための組立筋や組み立て継手の図示を省略している。例えば、
図3の例においては、上部鉄筋3、下部鉄筋4を支持杭2の杭頭鉄筋21に対して溶接し、又は組み付けることにより、上部鉄筋3、下部鉄筋4を作業室11内の空中に保持しても良い。
【0028】
本実施形態に係るコンクリート5及び鉄筋3、4からなる耐圧版は、上部鉄筋3を上端筋として、下部鉄筋4を下端筋として有する鉄筋コンクリート構造物として構築される。そのため、耐圧版は、内部に発生する曲げモーメントに対する抵抗力を発揮することができる。即ち、耐圧版の上面側を引き延ばすように作用する曲げモーメントに対しては、上端筋としての上部鉄筋3が抵抗力を発揮し得る。一方、耐圧版の下面側を引き延ばすように作用する曲げモーメントに対しては、下端筋としての下部鉄筋4が抵抗力を発揮し得る。
【0029】
そのため、たとえ、支持杭2の芯ずれにより、上部構造に発生する曲げモーメントが、予定していた曲げモーメント(つまり、芯ずれが無い場合に想定される曲げモーメント)から変化したとしても、耐圧版によってその変化に対抗することができ、更に上部の構造であるケーソン1にまで支持杭2の芯ずれの影響が及ぶことを抑制又は回避することができる。特に、支持杭2の芯ずれが発生していることがケーソン1の沈下完了時に初めて判明した場合であっても、本実施形態の工法であれば、耐圧版の配筋を変更することにより有効に対応することができる。このことについて、
図4を参照しながら説明する。
【0030】
図4は、
図2のケーソン1及び支持杭2を、2点鎖線IV−IVに沿って示す水平断面図である。このようにケーソン1を予定深さまで沈下させたときに、図中「イ」で示す1本の支持杭2が、
図4中の矢印aにて示すように、図中の横方向(X方向とする)に芯ずれを生じていた場合を想定する。
その場合、「イ」の支持杭2と、ずれの方向と反対側の「ウ」で示す支持杭2との間隔が広がることとなる。そうすると、「イ」の支持杭2と「ウ」の支持杭2の間の範囲及びその周辺において、曲げモーメントが比較的大きく変化し、局所的には曲げモーメントが予定していたもの(つまり、芯ずれが無い場合に想定される曲げモーメント)よりも大きくなることが考えられる。そこで、「イ」の支持杭2と「ウ」の支持杭2との間の範囲及びその周辺の領域である、図中bで示す領域内の上部鉄筋3及び下部鉄筋4について、より強度の高い鉄筋(例えば、径の太い鉄筋)を用いたり、配筋量を増加させたりすることにより、曲げモーメントの変化に対応する。
【0031】
ここで、領域bは、例えば、支持杭2間の設計上のスパンを基準として、芯ずれが生じた方向であるX方向に図中「ア」の支持杭2から「エ」の支持杭2までの3スパン分の長さ(つまり、間隔が広がった支持杭2間のスパンと、当該広がった方向における両側の各1スパン分の合計長さ)を持ち、X方向と水平方向に垂直であるY方向に1スパン分の長さを持つ領域とすることができる。複数の支持杭2が芯ずれを生じている場合には、それぞれの支持杭2について上記の要領で決定した複数の領域を重ね合わせることにより、鉄筋強度又は配筋量を変更する領域の全体を決定すれば良い。
【0032】
このように、ケーソン1を沈下させて、支持杭2の芯ずれが判明した段階で、上部鉄筋3及び下部鉄筋4の強度や配筋量を変更することで、曲げモーメントの変化に耐える強度を有する耐圧版を構築することができる。そのため、支持杭2の芯ずれの影響がケーソン1にまで及ぶことを抑制又は回避することができる。よって、従来問題となっていたように、ケーソン1の沈下完了後に支持杭の芯ずれが判明した時に、ケーソン1の底版の強度が、芯ずれに対応できるものであるかどうかを、再度の構造計算により再確認する必要がない。また、芯ずれに対応できる強度をケーソン1の底版が有していないと判明した場合に、ケーソン1の強度を増す作業(例えば、ケーソン1の底版を斫って、底版鉄筋13を追加する作業等)を行う必要もない。
【0033】
なお、上部鉄筋3及び下部鉄筋4の強度や配筋量を変更する方法としては、ケーソン1の沈下完了時等に、支持杭2の芯ずれが判明した段階で、芯ずれの量に応じて、上部鉄筋3及び下部鉄筋4の強度や配筋量を変更する必要量を算出しても良い。鉄筋強度や配筋量を変更する量として、例えば、
図4の「イ」の支持杭2の芯ずれが所定の量(例えば、100mm)を超えた場合に、上記の領域b内の鉄筋の径を所定倍(例えば、1.5倍)としたり、あるいは単位面積当たりの配筋量を所定倍(例えば、2倍)としたりすることができる。配筋量を増やす場合、追加する鉄筋の径は、必要な強度を発揮できる限り、元の鉄筋3、4の径と必ずしも同じである必要はない。また、上部鉄筋3及び下部鉄筋4の強度や配筋量を変更する領域b(
図4参照)を、芯ずれの度合いに応じて拡大又は縮小するというようにしても良い。また、上部鉄筋3と下部鉄筋4の強度や配筋量を変更する量や範囲は、必要に応じて、上部鉄筋3と下部鉄筋4の間で異なっていても良い。
【0034】
または、
図5のフローチャートに示すように、まず、芯ずれの量を各種想定して、想定した各芯ずれ量に対して必要となる鉄筋強度や配筋量の変更の量、及び、変更が必要となる範囲を、構造計算に基づくシミュレーションにより予めそれぞれ求めても良い(ステップS1)。ここで求めた鉄筋強度や配筋量の変更の量や変更の範囲を、例えば、芯ずれの量と関連付けられた配筋変更仕様書(例えば、表形式の仕様書)として作成して保持しておくことが望ましい。次に、ケーソン1の沈設完了時等に、支持杭2の芯ずれが判明した段階で、芯ずれの量の計測を行う(ステップS2)。可能であれば、ケーソン1の沈設完了前に芯ずれの量の計測を行っても良い。
【0035】
次に、計測した芯ずれの量に応じて、ステップS1にて求めた鉄筋強度や配筋量の変更の量及び変更の範囲に基づき(例えば、上記配筋変更仕様書に基づき)、鉄筋強度や配筋量の変更の量及び変更の範囲を決定し、それにより施工する(ステップ3)。この方法によれば、支持杭2の芯ずれに応じて配筋を変更した状態に基づいて構造計算を再度行う必要がなく、例えば施工現場にて配筋変更仕様書に基づき配筋の変更を行うこともできるため、工事をスムーズに続行することができる。即ち、支持杭2の芯ずれの状況を、構造計算及び設計段階にフィードバックする必要がない。よって、支持杭2の芯ずれが発生した場合であっても、工期の延長を最小限にとどめることができる。
【0036】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について、
図6を参照しながら説明する。変形例によるニューマチックケーソン工法は、作業室11内にせん断補強材6を更に配設するものであり、当該工法により構築される耐圧版は、上記実施形態の耐圧版において、更にせん断補強材6を有したものとなる。こうすることにより、コンクリート5、鉄筋3、4、及び、せん断補強材6からなる耐圧版は、せん断力に対してもより大きな抵抗力を発揮することができる。そのため、支持杭2の芯ずれによって、上部構造におけるせん断力が変化する状況が生じたとしても、その変化に対抗し得る耐圧版とすることができる。
図6の例においては、せん断補強材6としてのせん断補強鉄筋を、作業室内11に略鉛直方向に設置した。せん断補強材6としてはこれに限らず、炭素繊維、鋼棒、鋼板等の鋼材その他のものを用いることができる。また、
図6のようにせん断補強材6を略鉛直方向に設置するものに限らず、せん断補強材としての機能を発揮できる限り、斜め方向に設置するなど、設置方法は適宜選択可能である。
【0037】
また、支持杭2の芯ずれが判明した場合に、支持杭2の芯ずれの度合いに応じて、せん断補強材6の強度や配設量を変更しても良く、更に、芯ずれの度合いに応じて、それらを変更する範囲を決定しても良い。
図4の例で説明すると、「イ」の支持杭2に芯ずれが生じた場合(矢印a参照)、「イ」の支持杭2と「ウ」の支持杭2の間の範囲及びその周辺において、上部構造におけるせん断力に比較的大きな変化が生じ、局所的にはせん断力が予定していたもの(つまり、芯ずれが無い場合に想定されるせん断力)よりも大きくなることが考えられる。そこで、「イ」の支持杭2と「ウ」の支持杭2との間の範囲及びその周辺(例えば領域b内)のせん断補強材6の強度や配設量を増加させることにより、耐圧版によってせん断力の変化に耐えることができる。その結果、支持杭2の芯ずれの影響がケーソン1にまで及ぶことを抑制又は回避することができる。せん断補強材6の強度や配設量の変更の量及び変更の範囲についても、
図5のフローチャートを用いて説明した方法と同様の方法により決定し、施工するようにしても良い。
【0038】
更に別の変形例として、支持杭2の芯ずれが無ければせん断補強材6を使用しないように耐圧版が設計されていた場合に、支持杭2の芯ずれが所定量以上の大きいものであると判明した段階で、せん断補強材6を追加的に設置するようにしても良い。この場合、支持杭2の芯ずれの度合いに応じてせん断補強材6を配設する範囲を決定するものとしても良く、
図4の例では、例えば領域b内にのみ、せん断補強材6を配設するようにしても良い。その場合、
図5のフローチャートを用いて説明した方法と同様の手法により、支持杭2の芯ずれの度合いに応じて必要となるせん断補強材6の配設の範囲を予めシミュレーションにより求めておき、支持杭2の芯ずれが判明した段階で、芯ずれの度合いに応じて、シミュレーション結果に基づき、せん断補強材6を配設する範囲を決定しても良い。
【0039】
更に別の変形例として、支持杭2の芯ずれが判明した場合に、支持杭2の芯ずれの度合いに応じて、作業室11内に打設するコンクリートの強度を変更することとしても良い。耐圧版に発生するせん断力に対しては耐圧版を構成するコンクリートも抵抗力を発揮し得る。よって、支持杭2の芯ずれの度合いに応じて耐圧版のコンクリートの強度を変更すれば、耐圧版のコンクリート単独による効果として、あるいは、せん断補強材6との協働による効果として、せん断力の変化に対応可能な耐圧版とすることができる。
【0040】
この場合、支持杭2の芯ずれの度合いに応じて、作業室11内に打設するコンクリートの強度を変更する範囲を決定することとしても良い。
図4の例では、例えば領域b内においてのみ、コンクリートの強度を増加させるようにしても良い。
また、
図5のフローチャートを用いて説明した方法と同様の手法により、支持杭2の芯ずれの度合いに応じて必要となるコンクリートの強度の変更の量及び変更の範囲を予めシミュレーションにより求めておき、支持杭2の芯ずれが判明した段階で、芯ずれの度合いに応じて、シミュレーション結果に基づき、コンクリートの強度を変更し、その変更の範囲を決定しても良い。
【0041】
なお、上述の実施形態並びに各変形例は、可能な範囲内で、互いに組み合わせて実施しても良い。
本発明は、前記各局面、前記実施形態及び前記各変形例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1 ケーソン
2 支持杭
3 上部鉄筋(上端筋)
4 下部鉄筋(下端筋)
5 コンクリート
6 せん断補強材
11 作業室
12 刃先
13 底版鉄筋
21 杭頭鉄筋