(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130160
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】エゼクタ式真空ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04F 5/04 20060101AFI20170508BHJP
F04F 5/44 20060101ALI20170508BHJP
F04F 5/10 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
F04F5/04 B
F04F5/44 B
F04F5/10 A
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-27898(P2013-27898)
(22)【出願日】2013年2月15日
(65)【公開番号】特開2014-156814(P2014-156814A)
(43)【公開日】2014年8月28日
【審査請求日】2016年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】土岩 仙明
(72)【発明者】
【氏名】隈元 匡章
【審査官】
岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−169798(JP,A)
【文献】
特開2000−170700(JP,A)
【文献】
特開2008−232077(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04F 5/04
F04F 5/44
F04F 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エゼクタの入口側に液体圧送ポンプ手段を介して循環通路でタンクと接続したものにおいて、エゼクタの出口側でタンクの上部側壁部に循環流体をタンクの上部側壁内周面且つ斜め上方向に向けて噴射するスプレーノズルを取り付けて、当該スプレーノズル近傍のタンク内の空気を吸引するブロワ通路を設けると共に、タンク内へ外気を吸引する外気吸引通路を設けたことを特徴とするエゼクタ式真空ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エゼクタとポンプ手段を組み合わせたエゼクタ式真空ポンプに関する。エゼクタ式真空ポンプは、ポンプ手段で流体をエゼクタ内に循環させることにより、エゼクタ部で真空吸引力を生じるものであり、低圧蒸気使用装置等からの復水吸引回収装置として従来から用いられている。
【背景技術】
【0002】
従来のエゼクタ式真空ポンプは、渦巻きポンプと、この渦巻きポンプの吐出口と吸込口を結ぶ循環通路と、循環通路の途中に配置したエゼクタ及びタンクとで構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−253100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のエゼクタ式真空ポンプでは、エゼクタでの吸引力を所定値に維持するために大量の冷却水を補給しなければならない問題があった。エゼクタで発生することのできる吸引力は、エゼクタを通過する液体の温度によって決まるために、特に、液体温度を下げる場合には、大量の冷却水を補給しなければならないのである。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、循環流体を放熱させることによって、補給する冷却流体の量を少なくすることのできるエゼクタ式真空ポンプを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エゼクタの入口側に液体圧送ポンプ手段を介して循環通路でタンクと接続したものにおいて、エゼクタの出口側でタンクの上部側壁部に循環流体をタンクの側壁内周面の接線方向に且つ斜め上方向に噴射・噴霧するスプレーノズルを取り付けて、当該スプレーノズル近傍のタンク内の空気を吸引するブロワ通路を設けると共に、タンク内へ外気を吸引する外気吸引通路を設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、エゼクタの出口側でタンクの上部側壁部に循環流体をタンクの側壁内周面の接線方向に且つ斜め上方向に噴射・噴霧するスプレーノズルを取り付けて、当該スプレーノズル近傍のタンク内の空気を吸引するブロワ通路を設けると共に、タンク内へ外気を吸引する外気吸引通路を設けたことにより、タンクの側壁内周面乃至上壁内面の全体へスプレーノズルから循環流体を噴射・噴霧して放熱により循環流体を冷却することができると共に、タンク内へ吸引された外気をブロワ通路から吸引することで、タンク内で噴射・噴霧された循環流体が蒸発気化することによって、その蒸発潜熱により循環流体を更に冷却することができる。このように、循環流体を冷却することで、補給する冷却流体の量を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係わるエゼクタ式真空ポンプの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、
図1乃至
図2を参照して説明する。
図1において、エゼクタ1と循環通路2,5と液体圧送ポンプ3、及び、循環通路2,5に介在したタンク4とでエゼクタ式真空ポンプを構成する。
【0010】
エゼクタ1の出口側でタンク4の上部側壁部に循環流体をタンク4の側壁内周面の接線方向に且つ斜め上方向に噴射・噴霧するスプレーノズル10を取り付ける。スプレーノズル10は、エゼクタ1の出口側の循環流体をタンク4の側壁内周面乃至上壁内面の全体へ噴射・噴霧して放熱により循環流体を冷却することができるものである。スプレーノズル10近傍のタンク4内の空気を吸引するブロワ通路13を設けて、ブロワ14と接続すると共に、タンク4の上部にタンク4内へ外気を吸引する外気吸引通路15を開口する。外気吸引通路15からタンク4内へ吸引された外気をブロワ通路13からブロワ14で吸引することで、タンク4の側壁内周面乃至上壁内面の全体へ噴射・噴霧された循環流体が蒸発気化することによって、その蒸発潜熱により循環流体を更に冷却することができる。
【0011】
タンク4の右側面下部には、タンク4内へ冷却水を補給する冷却水補給管6を接続する。また、エゼクタ1の吸込室12には吸引通路9を接続する。吸引通路9の左端部を低圧蒸気使用装置等などの復水発生源と接続する。
【0012】
液体圧送ポンプ3の吐出口からエゼクタ1へタンク4内の液体が吐出されてエゼクタ1で吸引力を発生し、吸引通路9から所定の流体、例えば、蒸気の凝縮した復水等を吸引するものである。スプレーノズル10でエゼクタ1の出口側の循環流体をタンク4の側壁内周面乃至上壁内面の全体へ噴射・噴霧して放熱により循環流体を冷却することができる。また、外気吸引通路15からタンク4内へ吸引された外気をブロワ通路13からブロワ14で吸引することで、タンク4の側壁内周面乃至上壁内面の全体へ噴射・噴霧された循環流体が蒸発気化することによって、その蒸発潜熱により循環流体を更に冷却することができる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、低圧蒸気使用装置等からの復水を吸引回収するエゼクタ式真空ポンプとして利用することができる。
【符号の説明】
【0014】
1 エゼクタ
2 循環通路
3 液体圧送ポンプ
4 タンク
5 循環通路
9 吸引通路
10 スプレーノズル
12 吸込室
13 ブロワ通路
14 ブロワ
15 外気吸引通路