特許第6130181号(P6130181)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130181
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】導電性高分子組成物及び導電体
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/12 20060101AFI20170508BHJP
   C08K 5/13 20060101ALI20170508BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20170508BHJP
   C08L 25/18 20060101ALI20170508BHJP
   H01B 1/22 20060101ALI20170508BHJP
   B32B 27/42 20060101ALI20170508BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   C08L101/12
   C08K5/13
   C08L101/00
   C08L25/18
   H01B1/22 Z
   B32B27/42 101
   B32B7/02 104
【請求項の数】11
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-63115(P2013-63115)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-185303(P2014-185303A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2015年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000117102
【氏名又は名称】旭有機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100158540
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 博生
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176876
【弁理士】
【氏名又は名称】各務 幸樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177976
【弁理士】
【氏名又は名称】根木 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100184697
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100117167
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 隆嗣
(72)【発明者】
【氏名】小長谷 重次
(72)【発明者】
【氏名】鳥本 司
(72)【発明者】
【氏名】永野 舞
(72)【発明者】
【氏名】俵 由一
【審査官】 久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−244588(JP,A)
【文献】 特開2009−084554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/14
H01B 1/00−1/24
C08K 5/00−5/59
B32B 1/00−43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性高分子、及び
下記式(1)で表される多価フェノール化合物を含有する導電性高分子組成物。
【化1】
(式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基又はアルコキシカルボニル基である。
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はフェニル基である。
Xは、アルキレン基、シクロアルキレン基又は下記式(2)で表される基である。
及びYは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、フルオレン基、アダマンチル基又は下記式(3)で表される基である。
とRとは互いに、又はYとRとは互いに結合してシクロアルカン構造又はフルオレン構造を形成していてもよい。
a及びbは、それぞれ独立して2又は3、mは、0又は1、nは、0又は1である。)
【化2】
(式(2)中、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はシクロアルキル基である。cは、0以上3以下の整数である。)
【化3】
(式(3)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はシクロアルキル基であり、dは、0以上3以下の整数である。)
【請求項2】
上記式(1)におけるR〜Rが、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基、Yが、水素原子、アルキル基又は上記式(3)で表される基、Yが、水素原子又はアルキル基、Xが、上記式(2)で表される基であり、
上記式(2)におけるR及びR10が、それぞれ独立して水素原子又はアルキル基、cが0以上2以下の整数であり、
上記式(3)におけるR11及びR12が、それぞれ独立して水素原子又はアルキル基、dが0以上2以下の整数である請求項1に記載の導電性高分子組成物。
【請求項3】
上記多価フェノール化合物が、下記式(4)で表される2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノールである請求項2に記載の導電性高分子組成物。
【化4】
【請求項4】
上記多価フェノール化合物が下記式(5)で表される[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]ベンゼンである請求項2に記載の導電性高分子組成物。
【化5】
【請求項5】
上記導電性高分子を酸化又は還元させるドーパントをさらに含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
【請求項6】
上記導電性高分子と上記ドーパントとが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)複合体を形成している請求項5に記載の導電性高分子組成物。
【請求項7】
溶媒をさらに含有し、
上記溶媒が水及びアルコールの混合溶媒である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
【請求項8】
バインダー樹脂をさらに含有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物から形成された導電体。
【請求項10】
複数の導電層が積層された積層体である請求項9に記載の導電体。
【請求項11】
導電性膜として形成された請求項9に記載の導電体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性高分子組成物及びこの導電性高分子組成物から形成された導電体に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性化合物としては、有機系及び無機系の多くのものが知られている。
【0003】
無機系の導電性化合物の代表的なものとしては、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)が知られている。このITOは、液晶ディスプレイ、透明タッチパネル、太陽電池等の電気機器における透明電極、電磁波シールド材等として広く使用されている。このような透明電極、電磁波シールド材等は、ガラス、プラスチックフィルム等の基材表面に、真空蒸着法、スパッタリング法等でITO膜を成膜することで形成されている。
【0004】
しかし、真空蒸着法、スパッタリング法等により形成したITO膜は、生産性が悪いため製造コストが高くなる。また、ITO膜は可撓性に劣るため、曲げによるクラックが生じやすい。さらに、ITO膜に使用されるインジウムは希少金属であるため、コスト的に不利である。
【0005】
一方、有機系の導電性化合物としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等のπ共役系高分子が知られている。このようなπ共役系高分子は、これを適当な溶媒に溶解又は分散させた塗液とし、これを塗布、印刷等によって成膜することで、可撓性を有する導電性高分子膜を形成することができる(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、導電性高分子膜は、真空成膜法等によるITO膜に比べると、生産性、可撓性に優れるものの、導電性が低い。
【0007】
そのため、導電性高分子膜の導電性を向上させる手法として、分子内にヒドロキシ基を2個以上含有する有機化合物を添加した導電性高分子組成物を用いる方法が提案されている。例えば、エチレングリコール等のグリコール含有化合物を溶媒とした導電性高分子の分散液を用いる方法(特許文献2参照)、あるいは導電性高分子の分散液に、少量のエチレングリコールを添加する方法(非特許文献1参照)が提案されている。
【0008】
分散液により導電性高分子膜を形成する場合、基材上に形成した塗膜を乾燥させて溶媒を蒸発させる必要がある。しかし、エチレングリコール等の溶媒は比較的高沸点で極性を有することから、このような極性溶媒を含んだ状態で乾燥させた場合には、十分な膜硬度が得られず、結局、導電性能が低下するという不都合がある。
【0009】
そこで、有機系の導電性化合物により導電性膜を形成する利点、すなわち製造コスト的に有利に可撓性を有する導電性膜を形成することができるという利点を享受しつつ、より高い導電性を発現できることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−273964号公報
【特許文献2】特表2005−529474号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】S.Ashizawa,R.Hirokawa,H.Okuzaki,“Synthetic Metals”,2005,Vol.153,p.5〜p.8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、高い導電性を発現できる導電性高分子組成物及び導電体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するためになされた発明は、
導電性高分子、及び
下記式(1)で表される多価フェノール化合物を含有する導電性高分子組成物である。
【化1】

(式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基又はアルコキシカルボニル基である。
及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。
Xは、アルキレン基、シクロアルキレン基又は下記式(2)で表される基である。
及びYは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、フルオレン基、アダマンチル基又は下記式(3)で表される基である。
とRとは互いに、又はYとRとは互いに結合してシクロアルカン構造又はフルオレン構造を形成していてもよい。
a及びbは、それぞれ独立して1以上3以下の整数、mは、0以上3以下の整数、nは、0又は1である。)
【化2】

(式(2)中、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はシクロアルキル基であり、cは、0以上3以下の整数である。)
【化3】

(式(3)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はシクロアルキル基であり、dは、0以上3以下の整数である。)
【0014】
当該導電性高分子組成物は、上記式(1)で表される多価フェノール化合物を含有する。そのため、当該導電性高分子組成物は、高い導電性を発現できる導電性膜等の導電体を提供できる。
また、当該導電性高分子組成物が高い導電性を発現できることから、少ない添加量で目的とする導電性を実現できる。そのため、導電体の製造コストを抑制することができる。
さらに、当該導電性高分子組成物は、インジウム等の希少金属を使用することがないため、製造コスト的に有利に可撓性を有する導電性膜を形成することができる。
【0015】
上記式(1)におけるa及びbとしては2又は3、mとしては0又は1が好ましい。このような多価フェノール化合物を含有することで、高い導電性を発現できる導電性膜等の導電体をより確実に提供できる。特に、mを0又は1とすることで、溶媒への溶解性が高くなり、取り扱いが容易となる。また、a及びbを2又は3とすることで、溶媒への溶解性が高くなることに加えて、さらに効果的に、より高い導電性を発現することが可能となる。
【0016】
上記式(1)におけるR〜Rが、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基、Yが、水素原子、アルキル基又は上記式(3)で表される基、Yが、水素原子又はアルキル基、Xが、上記式(2)で表される基であり、
上記式(2)におけるR及びR10が、それぞれ独立して水素原子又はアルキル基、cが0以上2以下の整数であり、
上記式(3)におけるR11及びR12が、それぞれ独立して水素原子又はアルキル基、dが0以上2以下の整数であるのが好ましい。
【0017】
上記式(1)、上記式(2)及び上記式(3)が上記条件を満たすことで、溶媒への溶解性が高くなって取り扱い性を向上でき、高い導電性を発現できる導電性膜等の導電体を製造コスト的に有利に提供できることに加えて、空気中及び溶媒中の色相変化が少なく、安定した組成物を提供できる。
【0018】
上記多価フェノール化合物としては、下記式(4)で表される2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノールが好ましく、また、下記式(5)で表される[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]ベンゼンが好ましい。このような多価フェノール化合物を含有することで、安定性及び溶解性の高い組成物を提供でき、高い導電性を発現できる導電体を製造コスト的に有利に提供できる。
【化4】

【化5】
【0019】
当該導電性高分子組成物は、上記導電性高分子を酸化又は還元させるドーパントをさらに含有するとよい。このようなドーパントを含有することで、当該導電性高分子組成物により形成される導電体の導電性をより向上させることができる。
【0020】
上記導電性高分子と上記ドーパントとが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)複合体(以下、「PEDOT/PSS」と略記することがある)を形成しているのが好ましい。このような複合体を含有することで、高い導電性を発現できる導電体を製造コスト的に有利に提供できる。
【0021】
当該導電性高分子組成物は、溶媒をさらに含有し、上記溶媒がアルコール及び水の混合溶媒であることが好ましい。このような溶媒は、揮発性が比較的に高い上、極性が比較的に低い。そのような溶媒を含有することで、十分な硬度が得られるため、高い導電性を発現できる導電体をより確実に提供できる。
【0022】
当該導電性高分子組成物は、バインダー樹脂をさらに含有するとよい。このようなバインダー樹脂を含有することで十分な膜硬度が得られるため、高い導電性を発現できる導電体を提供できる。また、基材等の表面に導電体を形成する場合に、十分な強度を達成しつつ、基材等との密着性を高めることができる。
【0023】
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
当該導電性高分子組成物から形成された導電体である。
【0024】
当該導電体は、当該導電性高分子組成物から形成されたものであるので、高い導電性及び可撓性を有し、コスト的に有利に製造できる。
【0025】
当該導電体は、複数の導電層が積層された積層体であるとよい。このような積層体は、回路基板、配線基板等の電極、配線、パッド等に適用されるものである。そのため、高い導電性を有する電極等の導電体を、コスト的に有利に提供することができる。
【0026】
当該導電体は、導電性膜として形成されるとよい。このような導電性膜は、回路基板、配線基板等の電極、配線、パッド等に適用されるものである。そのため、高い導電性を有する電極等の導電体を、コスト的に有利に提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、高い導電性及び可撓性を有する導電体をコスト的に有利に製造できる導電性高分子組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の導電体の一例である積層体を説明するための模式的断面図である。
図2】本発明の導電体の他の例である導電性膜及びビア導体を説明するための模式的断面図である。
図3】本発明の導電体のさらに他の例であるビア導体を説明するための模式的断面図である。
図4】X軸として成分(B)/成分(A)の配合モル比、Y軸として導電性膜の表面抵抗値(Ω/□)をプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の導電性高分子組成物(X)及び導電体について詳説する。
【0030】
[導電性高分子組成物(X)]
導電性高分子組成物(X)は、導電性高分子(A)及び上記式(1)で表される多価フェノール化合物(B)を含有する。導電性高分子組成物(X)は、本発明の趣旨を損なわない限り、ドーパント、溶媒、バインダー樹脂等の好適成分、及びその他の任意成分を含有していてもよい。以下、これらの成分について詳述する。
【0031】
<導電性高分子(A)>
導電性高分子(A)は、分子鎖中に共役二重結合を有する共役系高分子から構成されたものである。
【0032】
(共役系高分子)
共役系高分子としては、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフルオレン、ポリアズレン、ポリパラフェニレンサルファイド、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)、複鎖型共役系高分子(ポリペリナフタレン等)、金属フタロシアニン系高分子、その他共役系高分子(ポリパラキシリレン等)、これらの共重合体等が挙げられる。
【0033】
共役系高分子は、無置換のままでも使用できるが、導電性及びバインダー樹脂への分散性又は溶解性をより高めるために、共役系高分子に官能基を導入することが好ましい。この場合の官能基としては、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基等が挙げられる。
【0034】
このような官能基を導入した共役系高分子としては、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブテンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
【0035】
上記共役系高分子の中でも、導電性、反応性の点から、ポリチオフェン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリンからなる群より選択される少なくとも1種を含む重合体が好ましい。上記共役系高分子としては、導電性がより高く、耐熱性が向上させる点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリピロールがより好ましく、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
【0036】
<多価フェノール化合物(B)>
多価フェノール化合物(B)は、下記式(1)で表される化合物である。
【0037】
【化6】
【0038】
上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基又はアルコキシカルボニル基であり、水素原子又はアルキル基が好ましい。
及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基である。
Xは、アルキレン基、シクロアルキレン基又は下記式(2)で表される基であり、上記式(2)で表される基が好ましい。
及びYは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、フルオレン基、アダマンチル基又は下記式(3)で表される基である。但し、YとRとは互いに、又はYとRとは互いに結合してシクロアルカン構造、又はフルオレン構造を形成していてもよい。Yとしては、水素原子、アルキル基又は上記式(3)で表される基が好ましく、Yとしては、水素原子又はアルキル基が好ましい。
a及びbは、それぞれ独立して1以上3以下の整数、mは0以上3以下の整数、nは0又は1である。a及びbとしては2又は3、mとしては0又は1が好ましい。a及びbが2又は3であれば、溶媒への溶解性が高くなることに加えて、より高い導電性向上の効果を発現することができる。一方、mが0又は1であれば、溶媒への溶解性が高くなり、取り扱いが容易である。
【0039】
【化7】
【0040】
上記式(2)中、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はシクロアルキル基である。R及びR10としては、水素原子、アルキル基が好ましい。cは、0以上3以下の整数である。cとしては、0以上2以下の整数が好ましい。
【0041】
【化8】
【0042】
上記式(3)中、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基又はシクロアルキル基である。R11及びR12としては、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基が好ましい。dは、0以上3以下の整数である。dとしては、0以上2以下の整数が好ましい。
【0043】
〜Rで表されるハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素原子数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−
ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基が挙げられる。
【0044】
及びRで表されるアルキル基としては、R〜Rと同様なものが挙げられる。
【0045】
Xで表されるアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数1〜4のアルキレン基が挙げられる。
シクロアルキレン基としては、例えばシクロヘキシレン基等が挙げられる。
【0046】
及びYで表されるアルキル基としては、R〜Rと同様なものが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えばシクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
【0047】
及びR10で表されるアルキル基及びアルコキシ基としては、R〜Rと同様なものが挙げられる。
シクロアルキル基としては、Y及びYと同様なものが挙げられる。
【0048】
11及びR12におけるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基としては、R〜Rと同様なものが挙げられる。
シクロアルキル基としては、Y及びYと同様なものが挙げられる。
【0049】
上記式(1)で表される多価フェノール化合物(B)としては、例えば
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)ブタン、[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]シクロヘサン、[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]シクロヘキサン、[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、2−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、2−[ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、3−[ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]フェノール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]レゾルシノール、トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、4−[ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]レゾルシノール、4−[ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]レゾルシノール、4−[ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]レゾルシノール、4−[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]レゾルシノール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]レゾルシノール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]レゾルシノール、4−[ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]レゾルシノール、4−[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]レゾルシノール、4−[ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]レゾルシノール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]カテコール、トリス(3,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、4−[ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、4−[ビス(3−カルボキシ−2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−2−メトキシフェノール、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−p−キシレン、α,α−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−α’,α’−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−p−キシレン、α,α−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−α’,α’−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−p−キシレン、α,α−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−α’,α’−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−p−キシレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−フェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9H−フルオレン、9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−9H−フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−アダマンチルエタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−1−アダマンチルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,4−ジヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)エタン、2,4−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,6−ビス[(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−tert−ブチルフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−シクロヘキシルフェノール、ビス[4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル−5−メチルフェニル]メタン、1,4−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシフェニル)メチル]ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3,4−ジヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(2,5−ジヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(2,3,4−トリヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチル−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチル−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチル−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシ−α,
α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(2,4−ジヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3,4−ジヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(2,5−ジヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(2,3,4−トリヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチル−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチル−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチル−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヘキシル−4,6−ジヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−クロロ−4,6−ジヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
【0050】
中でも、着色が少なく、溶媒への溶解性が高いため、
ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]ベンゼン、4−[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]カテコール、4−[ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]カテコール、2,2−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノールが好ましい。
【0051】
多価フェノール化合物(B)としては、下記式(4)で表される2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、下記式(5)で表される[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]ベンゼンがさらに好ましい。これらの多価フェノール化合物(B)は、上記の特性に加えて、空気中及び溶液中での色相の変化が少なく、安定性が高いため好ましい。
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】
(多価フェノール化合物(B)の製造方法)
多価フェノール化合物(B)は、例えばフェノール類とアルデヒド類との縮合反応により製造することができる。このような縮合反応は公知であり、酸触媒又は塩基触媒の存在下で行われる。
【0055】
例えば、アルデヒド類1モルに対しフェノール類1モル以上30モル以下の範囲の過剰量を、水、有機溶剤(アルコール、エーテル等)等の溶媒に溶解し、酸触媒(塩酸、硫酸、燐酸等)及び副生成物を抑制する助触媒(メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸など)又は塩基触媒(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミンなど)の存在下、30℃以上150℃以下で0.5時間以上48時間以下反応させる。アルデヒド類又はフェノール類の残存量を、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、IR分析等の公知の方法で追跡し、残存量を示すピーク面積が減少しなくなった時点を以って反応の終点と判断する。
【0056】
反応終了後、室温程度まで冷却し、中和剤を用いて触媒を中和し、水、有機溶剤(トルエン、キシレン等)等の貧溶媒を適量加えて反応生成物を析出させる。濾過により析出物を分離し、必要に応じて水洗、再結晶等によって精製し、乾燥することによって多価フェノール化合物(B)が得られる。
【0057】
上記フェノール類としては、
フェノール、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、カテコール、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、4−ヘキシルレゾルシノール、4−メトキシレゾルシノール、4−クロロレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、5−メトキシレゾルシノール、ピロガロール、5−メチルピロガロール、フロログリシドール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸メチル、2,6−ジヒドロキシ安息香酸メチル、3,4−ジヒドロキシ安息香酸メチル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル、2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸メチル、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸メチル
等が挙げられる。
【0058】
中でも、アルデヒド類との反応性が高く、溶媒への溶解性が高い多価フェノール化合物(B)が得られることから、フェノール、ヒドロキノン、カテコール、4−メチルカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノール、ピロガロールが好ましい。上記フェノール類は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0059】
上記アルデヒド類としては、
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、シクロヘキサンカルボアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド等の脂肪族アルデヒド;
ベンズアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒド、4−tert−ブチルベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、バニリン、シンナミルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド等の芳香族アルデヒド;
等が挙げられる。
【0060】
中でも、上記フェノール類との反応において、着色の少ない生成物を得ることができることから、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドが好ましい。
【0061】
また、上記アルデヒド類の代わりにケトン類を用いることもできる。
この場合のケトン類としては、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、1−アセチルアダマンタン等の脂肪族ケトン;
アセトフェノン、4−ヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、3,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノン、2,4,5−トリヒドロキシアセトフェノン、2,4,6−トリヒドロキシアセトフェノン、フルオレノン、1,4−ジアセチルベンゼン等の芳香族ケトン;
等が挙げられる。
【0062】
中でも、上記フェノール類との反応において、溶剤への溶解性が高い生成物を得ることができることから、アセトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、4−ヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノンが好ましい。
【0063】
さらに、上記アルデヒド類又は上記ケトン類の代わりに、メチロール化フェノール類を用いることもできる。
この場合のメチロール化フェノール類としては、
2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール、2,4−ジヒドロキシメチル−6−メチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−3,4−ジメチルフェノール、2,4−ジヒドロキシメチル−5,6−ジメチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ジヒロキシメチルフェノール、4−シクロヘキシル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−シクロヘキシル−4,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−エチル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−エチル−4,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−イソプロピル−4,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−シクロヘキシル−4,6−ジヒドロキシメチル−3−メチルフェノール、ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5,6−ジメチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン
等が挙げられる。
【0064】
中でも、上記フェノール類との反応において、着色が少なく、溶媒への溶解性が高い生成物を得ることができることから、2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール、2,4−ジヒドロキシメチル−6−メチルフェノールが好ましい。
【0065】
上記アルデヒド類、上記ケトン類及び上記メチロール化フェノール類の外に、パラキシレングリコール、1,4−ビス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼン等の芳香族メタノール類を使用してもよい。
【0066】
導電性高分子組成物(X)における多価フェノール化合物(B)の含有量としては、導電性高分子(A)1モルに対して0.001モル以上10モル以下が好ましく、0.01モル以上5モル以下がより好ましい。含有量が上記範囲であることで、導電性を適切に向上させることができる。
【0067】
<ドーパント>
ドーパントは、導電性高分子組成物(X)において好適成分であり、導電性をより向上させる目的で添加される。このドーパントは、導電性高分子(A)を酸化又は還元させるものであるため、共役系高分子の溶媒への分散性が改善される。導電性膜等の導電体は、塗布、乾燥によりに形成されることが多いため、溶媒への共役系高分子の分散性が改善されることで、均一な導電性を有する導電性膜等を形成することが可能となる。
【0068】
ドーパントとしては、導電性高分子(A)を酸化又は還元できる限りは、ドナー性ドーパント及びアクセプタ性ドーパントのいずれも使用することができる。
【0069】
ドナー性ドーパントとしては、アルカリ金属(Li、Na、K等)、アルカリ土類金属(Ca、Mg等)、4級アミン化合物(テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等)等が挙げられる。
【0070】
アクセプタ性ドーパントとしては、ハロゲン化合物(Cl、Br、I、ICl、IBr、IF等)、ルイス酸(PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等)、プロトン酸(HF、HCl、HNO、HSO、HClO、FSOH,CISOH、CFSOH、有機カルボン酸、有機スルホン酸、有機スルホン酸金属塩、フェノール類、アミノ酸等)、遷移金属化合物(FeCl、FeOCl、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、MoCl、WF、WCl等)、電解質アニオン(Cl、Br、I,ClO、PF、AsF、SbF、BF、無機スルホン酸アニオン、有機スルホン酸アニオン等)、フラーレン(水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレン等)、有機シアノ化合物(テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン等)等が挙げられる。
【0071】
ドーパントの含有量としては、特に限定されないが、導電性高分子(A)100質量部に対して0.00001質量部以上1000質量部以下が好ましく、ドープ状態の安定性と導電性を両立させるという点から、0.001質量部以上500質量部以下がより好ましい。
【0072】
ドーパントを添加する場合、導電性高分子(A)としては、ドープ状態の安定性が高いことから、ポリチオフェン類(ポリチオフェン及びその誘導体)と、有機スルホン酸、有機スルホン酸金属塩、有機スルホン酸アニオン等のスルホン酸化合物との組み合わせが好ましい。中でも、水分散液が調整可能であり、塗布により簡便に導電性薄膜が調整でき、さらに塗膜形成後の透明性が高いことから、ポリ(4−スチレンスルホン酸)をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下「PEDOT/PSS」と称する)がより好ましい。また、PEDOT/PSSとしては、PEDOT/PSSポリマーを1.3重量%含有する水分散体の市販品(例えばアルドリッチ社製の製品番号「483095」)を入手することができる。
【0073】
<溶媒>
溶媒は、導電性高分子組成物(X)において好適成分であり、例えば導電性高分子組成物(X)中に、導電性高分子(A)を溶解又は分散させ、多価フェノール化合物(B)を溶解させる目的で使用される。
【0074】
溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合溶媒等が挙げられ、水と有機溶媒との混合溶媒が好ましい。この混合溶媒によれば、多価フェノール化合物(B)の溶解性に優れ、良好な導電性膜を得ることができる。
【0075】
有機溶媒は、水に可溶なものが好ましい。水に可溶な有機溶媒としては、水と混合した際に均一な溶液となるものであればよく、例えば、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;
アセトン等のケトン類;
エチレングリコールメチルエーテル等のエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のプロピレングリコール類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;
N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のピロリドン類;等が挙げられる。これらの水に可溶な有機溶媒は2種類以上を併用してもよい。中でも、導電性高分子組成物の乾燥、及び安全性の観点から、イソプロピルアルコールが好ましい。
【0076】
水とアルコール類との混合溶媒を使用する場合、水とアルコール類の比率は、特に限定されないが、導電性高分子(A)を溶解又は分散させ、多価フェノール化合物(B)を溶解させることを両立するという点から、アルコール類を水100質量部に対して5質量部以上500質量部以下とすることが好ましく、10質量部以上200質量部以下がより好ましい。
【0077】
導電性高分子組成物(X)における導電性高分子(A)の含有量としては、溶媒100質量部に対して0.001質量部以上20質量部以下が好ましく、0.005質量部以上10質量部以下がより好ましい。この含有量が0.001質量部以上であると十分な導電性が発現され、20質量部以下であると樹脂組成物の粘度が高くなりすぎるのを防止でき、取り扱いが容易である。
【0078】
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、導電性高分子組成物(X)において好適成分であり、例えば導電性高分子組成物(X)から形成される導電性膜等の導電体の耐傷性、表面硬度等を高めるために添加される。また、バインダー樹脂は、導電体を基材上等に形成する場合において、導電体と基材との密着性を向上させる役割を果たし得る。
【0079】
バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であってもよい。バインダー樹脂としては、例えば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリイミドシリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル/スチレン樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、スチレン/マレイン酸共重合樹脂、フッ素樹脂、これらの共重合体等が挙げられる。
【0080】
バインダー樹脂は、導電性高分子組成物(X)を調製する場合に、そのまま添加してもよいが、有機溶剤に溶解した状態、スルホン酸基、カルボン酸基等の官能基を付与して水溶液化した状態、エマルジョン等のように水に分散した状態で添加すればよい。
【0081】
上記バインダー樹脂の中でも、容易に混合できることから、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂及びウレタン樹脂のうちのいずれか1種以上が好ましい。
【0082】
導電性高分子組成物(X)にバインダー樹脂及び溶媒を含有させる場合、バインダー樹脂の含有量としては、溶媒100質量部に対して1質量部以上50質量部以下が好ましく、1質量部以上30質量部以下がより好ましい。バインダー樹脂の含有量が1質量以上であると、得られる導電性膜の強度が向上し、50質量部以下であるとバインダー樹脂による導電性高分子組成物(X)の高粘度化を防止でき、取り扱いが容易となる。
【0083】
<導電性高分子組成物(X)の製造方法>
導電性高分子組成物(X)は、導電性高分子(A)、多価フェノール化合物(B)、必要に応じて、ドーパント及びバインダー樹脂等を任意の順序で溶媒と混合することにより製造できる。各成分の混合には公知の撹拌機を用いることができる。
【0084】
導電性高分子組成物(X)には、ドーパント、溶媒及びバインダー樹脂以外に、任意成分として、公知の添加剤、公知の導電性向上成分等を混合してもよい。
【0085】
上記公知の添加剤としては、界面活性剤、増粘剤、染料、硬化触媒、レオロジーコントロール剤、樹脂微粒子、無機微粒子、シランカップリング剤、消泡剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防カビ剤、可塑剤等が挙げられる。
【0086】
上記公知の導電性向上成分としては、公知のものを使用することができ、例えば分子内にヒドロキシ基を2個以上含有する化合物を使用することができる。このような導電性向上成分としては、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、糖(フルクトース等)、ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、没食子酸等が挙げられる。
【0087】
上記導電性向上成分の含有量としては、導電性高分子(A)1モルに対し0.01モル以上10モル以下が好ましく、0.1モル以上5モル以下がより好ましい。
【0088】
導電性高分子組成物(X)は、多価フェノール化合物(B)を含有するため、高い導電性を発現できる。この理由については、以下のように推察される。
【0089】
多価フェノール化合物(B)は、公知の導電性向上成分であるエチレングリコール等と同様に、分子内にヒドロキシル基を2個以上含有するため、導電性高分子(A)と水素結合を形成する。これにより、導電性高分子(A)同士が接近するようになり、電気伝導に必要なエネルギーが小さくなる。そのため、導電性膜の電気抵抗が小さくなり、導電性が高くなると考えられる。多価フェノール化合物(B)は、導電性高分子(A)とより強く相互作用するため、より高い導電性向上効果を発現すると考えられる。
【0090】
また、多価フェノール化合物(B)は、ヒドロキシ基を2個以上含有するため、ラジカル捕捉能力を持ち、酸化防止剤として作用する。そのため、導電性高分子(A)の酸化劣化により生じたラジカルを失活させることができ、劣化の進行を抑制することができるため、導電性膜の耐熱性及び安定性が高くなると考えられる。
【0091】
さらに、多価フェノール化合物(B)は、分子内に芳香環を2個以上含有する構造でありながら、着色が少なく、溶媒への溶解性が高い。そのため、コーティング特性に優れており、また導電性膜等の導電体の硬度が高くなると考えられる。
【0092】
[導電体]
本発明の導電体は、導電性高分子組成物(X)から形成されたものである。当該導電体は、例えば複数の導電層からなる積層体、導電膜等として、基材の表面に形成される。もちろん、当該導電体は、後述するビア導体のように基材の表面以外にも形成され得る。
【0093】
上記基材としては、特に限定されず、用途に応じて選択すればよい。この基材としては、例えば高分子化合物、木材、紙材、セラミックス、ガラス等が挙げられる。
【0094】
上記高分子化合物としては、例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルニトリル、ポリアミドイミド、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン等が挙げられる。
【0095】
基材の形態としては、例えばフィルム状、板状、ブロック状等が挙げられ、また発泡体、エラストマー等として構成することもできる。これらの基材は、導電性膜等の導電体を形成する表面に、導電体の密着性を向上させる目的で、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理を施しておいてもよい。
【0096】
基材に対する導電性高分子組成物(X)の塗布方法としては、一般の塗工に用いられる方法が利用できる。塗布方法としては、例えばグラビアコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター、スピンコーター、バーコーター、リバースコーター、キスコーター、ファンテンコーター、ロッドコーター、エアドクターコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、キャストコーター、スクリーンコーター等の塗布、スプレーコーティング等の噴霧、ディップ等の浸漬等が用いられる。
【0097】
基材に導電性高分子組成物(X)を塗布した後の乾燥は、室温で放置することによって行ってもよく、加熱処理を行うことによって行ってもよい。加熱処理としては、例えば、熱風加熱、赤外線加熱等の通常の方法が用いられる。加熱処理を行う場合の温度は、40℃以上250℃以下が好ましい。加熱温度が40℃未満の場合は、導電性高分子組成物(X)が溶媒を含む場合において、その溶媒が多く残存して導電性が充分に発揮できないおそれがある。また、加熱温度が250℃を超える場合は、導電性高分子(A)の劣化が生じて導電性が低下するおそれがある。
【0098】
さらに、乾燥後に紫外線照射を行い、塗膜を硬化してもよい。紫外線照射処理としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から紫外線を照射する方法が用いられる。
【0099】
本発明の導電体は、導電性に優れるため、回路基板、配線基板、電子部品等の配線、パッド等として好適に用いることができる。また、本発明の導電体は塗布によって形成することが可能であることから、大面積の電極を作製しやすく、各種基板の電極への応用に適している。その結果、本発明の導電性高分子組成物(X)及び導電体は、フレキシブルエレクトロルミネッセンス装置(有機EL)、タッチスクリーン、タッチパネル、有機TFT、アクチュエーター、センサー、電子ペーパー、フレキシブル調光材料、太陽電池等の各種デバイスに好適に使用することができる。
【0100】
次に、当該導電体の具体例を、図1図3を参照しつつ説明する。
【0101】
当該導電体は、例えば図1に示した積層体1、図2に示した配線基板2における配線20,21、パッド22及びビア導体23として形成される。配線20,21及びパッド22は、導電性膜の一例に相当する。
【0102】
図1の積層体1は、基材12上に形成されたものであり、複数の導電層10,11を積層したものである。このような積層体1は、例えば回路基板、配線基板、電子部品等の配線、パッド等に適用され、液晶ディスプレイ、透明タッチパネル、太陽電池等の電磁波シールド材として適用される。
【0103】
積層体1は、導電性高分子組成物(X)から作製した塗液を基材12上に塗布し、それを乾燥させて1つの導電層10,11を形成する作業を、積層数に応じて複数回繰り返し行うことで形成することができる。積層体1は、2層であるから、2回の塗布、乾燥により形成することができる。
【0104】
なお、図1の積層体1は2層あるが、積層体は3層以上であってもよく、積層体を構成する複数の導電層のうちの一部の導電層が導電性高分子組成物(X)以外の組成物や金属により形成されたものであってもよい。
【0105】
図2の配線基板2は、2つの絶縁層24,25の間に配線20が形成され、絶縁層25上に配線21及びパッド22が形成されたものである。配線20とパッド22とは、ビア導体23を介して導通接続されている。配線20,21、パッド22及びビア導体23は、導電性高分子組成物(X)から形成されたものである。
【0106】
配線20,21及びパッド22は、導電性高分子組成物(X)から形成された塗液を塗布し、それを乾燥させることで形成することができる。この場合の塗布は、所定の開口がパターン形成されたマスクを用いた印刷等により行われる。一方、ビア導体23は、スキージ等を用いた塗工によりスルーホール26に導電性高分子組成物(X)を充填した後に、乾燥させることで形成することができる。
【0107】
ビア導体は全体が導電性高分子組成物(X)から形成されたものである必要はなく、ビア導体の一部が、導電性高分子組成物(X)により形成された導電体を構成するものであってもよい。具体的には、図3に示すように、ビア導体3は、無電解めっき等によってスルーホール30の内面に金属層31を形成した後に、金属層31の内面により形成される空間32を埋めるように導電性高分子組成物(X)により導電体33を形成したものであってもよい。
【実施例】
【0108】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0109】
[実施例1〜10、比較例1〜11]
<導電性高分子組成物の調製>
導電性高分子組成物は、表1に示す多価フェノール化合物又は多価アルコール(表1中に成分(B)と記載)を溶媒に加えて室温(25℃)にて成分(B)溶解し、これに導電性高分子(表1中に成分(A)と記載)を加えて室温で混合することで調製した。
【0110】
(導電性高分子)
導電性高分子としては、ポリ(4−スチレンスルホン酸)をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDOT/PSS 1.3wt%dispersion in HO,conductive grade(製品番号:483095)」;アルドリッチ社製)(表1中に「PEDOT/PSS」と記載)を使用した。
このPEDOT/PSSは、PEDOT/PSSポリマーを1.3質量%(PEDOTを0.5質量%、PSSを0.8質量%)含有する水分散体である。PEDOT/PSSのモル数はPEDOT含有量を基準とし、PEDOT最小単位の分子量を142として、以下の式から算出した。
PEDOT/PSSのモル数(mol)=PEDOT含有量(g)/PEDOT最小単位の式量142(g/mol)
【0111】
(多価フェノール化合物(B))
多価フェノール化合物としては、2,6−ビス[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール(「BIR−PC」(分子量352);旭有機材工業製)(表1中に「BIR−PC」と記載)、又は[ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)メチル]ベンゼン(「BI4MC−BZ」(分子量336);旭有機材工業製)(表1中に「BI4MC−BZ」と記載)を使用した。
【0112】
比較例では、多価フェノール化合物(B)の代わりに、エチレングリコール(和光純薬工業社製、分子量62)(表1中に「EG」と記載)、又はピロガロール(和光純薬工業社製、分子量126)(表1中に「PyG」と記載)を用いた。
【0113】
(溶媒)
溶媒としては、水(PEDOT/PSSを分散している水を含む)、又は水とイソプロピルアルコール(和光純薬工業製、沸点82.5℃)(表1中に「IPA」と記載)との混合溶媒を使用した。
【0114】
<導電性膜の形成>
導電性膜は、先に調製した導電性高分子組成物を、それぞれガラス基材(2.5cm×2cm)上に750μLを塗布し、70℃にて30分間乾燥した後、さらに100℃で30分間乾燥することにより形成した。
【0115】
[評価]
<表面抵抗値>
導電性膜の表面抵抗値は、「Loresta−GP MCP−T610」(三菱化学社製)を用いて室温にて測定した。その結果を、表1に示す。また、X軸に成分(B)/成分(A)の配合モル比、Y軸に導電性膜の表面抵抗値(Ω/□)をプロットしたグラフを図4に示す。
【0116】
【表1】
【0117】
表1の結果から分かるように、実施例1〜10の導電性組成物を用いて得られた導電性膜は、比較例1〜11と比較して表面抵抗値が低くなり、導電性が向上した。
【0118】
また、図4の結果から、成分(B)として多価フェノール化合物(「BIR−PC」又は「BI4MC−BZ」)を使用した実施例1〜10は、従来の導電性向上成分である「EG」又は「PyG」を使用した比較例1〜11と比較して、同じモル量を添加した場合の導電性向上効果が優れていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明によれば、高い導電性及び可撓性を有する導電体をコスト的に有利に製造できる導電性高分子組成物を提供することができる。
【符号の説明】
【0120】
1 積層体(導電体の一例)
10,11 導電層
12 基材
2 配線基板
20,21 配線(導電体としての導電性膜の一例)
22 パッド(導電体としての導電性膜の一例)
23 ビア導体(導電体の一例)
24,25 絶縁層
3 ビア導体
30 スルーホール
31 金属層
32 空間
33 導電体
図1
図2
図3
図4