(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
【0010】
本発明の油性毛髪化粧料に使用される成分(A)は脂肪酸組成がリノール酸20〜60%、オレイン酸20〜60%のトリグリセライドである。トリグリセライドとは、脂肪酸とグリセリンのトリエステルを主成分とする油脂であり、天然の動植物界に広く存在している。これらトリグリセライドは、食用をはじめとして、種々の工業に利用されているが、最近ではにおいや色の少ない植物由来のトリグリセライドが多用される傾向がある。植物からトリグリセライドを採取する方法としては、種子や果実を圧搾したり、溶媒抽出する方法が一般的である。トリグリセライドの脂肪酸組成は、オレイン酸やリノール酸のような不飽和脂肪酸、ミリスチン酸やパルミチン酸、ステアリン酸のような飽和脂肪酸などが混合しており、植物の種類によって異なる組成となっている。なお、トリグリセライドの脂肪酸組成は、ここでは「基準油脂分析法」2.4.2 脂肪酸組成(日本油化学会)によるピーク面積百分率である。
【0011】
本発明に使用される成分(A)のトリグリセライドは、脂肪酸組成がリノール酸20〜60%、オレイン酸20〜60%のものであり、こうしたトリグリセライドとしてコメヌカ油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ種子油、コーン油、サフラワー油、綿実油、落花生油等が挙げられる。このうち、コメヌカ油、コーン油、ゴマ油が好適に使用でき、さらにコメヌカ油が特に好適である。コメヌカ油としては、例えば、築野食品工業社製のこめサラダ油等、コーン油としては、例えば、日光ケミカルズ社製のNIKKOLトウモロコシ胚芽油等、またゴマ油としては、例えば、池田物産株式会社製のベダカルム等が例示される。
リノール酸が60%以上となると、仕上がりが軽くてしっとり感が物足りないものとなり、オレイン酸が60%以上となると、重たく束づきする仕上がりとなってしまうため、いずれも適当ではない。
【0012】
本発明の油性毛髪化粧料において成分(A)のトリグリセライドは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は30〜80質量%(以下、単に「%」とする)が好ましく、40〜70%がより好ましい。この範囲であれば、仕上がりのべたつきを抑え、自然な指通り感に非常に優れた油性毛髪化粧料を得ることができる。
【0013】
本発明の油性毛髪化粧料に使用される成分(B)の非揮発性炭化水素油は、37.8℃における動粘度が10〜100mm
2/Sのものである。なお、動粘度はJIS K−2283により測定される。このような非揮発性炭化水素油としては、通常化粧料に使用できる非揮発性炭化水素油であれば特に限定されないが、例えば、流動パラフィン、スクワラン、植物性スクワラン、スクワレン、α−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。
【0014】
本発明の油性毛髪化粧料において成分(B)の非揮発性炭化水素油は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は10〜50%が好ましく、20〜40%がより好ましい。この範囲であれば、束づきを抑え、自然な指通り感に非常に優れた油性毛髪化粧料を得ることができる。
【0015】
本発明の油性毛髪化粧料に使用される成分(C)の沸点が300℃以下の揮発性炭化水素油は、通常化粧料に使用できるもので、毛髪上で速やかに揮散し、乾燥する性質を有するものであれば特に制限はない。こうした揮発性炭化水素油としては揮発性イソパラフィン系炭化水素、水添ポリイソブテン、イソヘキサデカン、イソドデカンなどが挙げられる。
揮発性イソパラフィン系炭化水素としては、例えば、出光興産社製のIPソルベント1620、同2028等が挙げられる。
【0016】
本発明の油性毛髪化粧料において成分(C)の揮発性炭化水素油は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は5〜20%が好ましく、3〜15%がより好ましい。この範囲であれば、塗布時のきしみ感を抑え、仕上がりのべたつきが抑えられた油性毛髪化粧料を得ることができる。
【0017】
本発明の油性毛髪化粧料に使用される成分(D)HLB3〜9の非イオン性界面活性剤は、例えば以下のものが例示されるが、これに限定されるものではない。
ポリオキシエチレン(以下「POE」と記す)セチルエーテル(ポリオキシエチレン付加モル数3(以下「(POE3)」と記す))、POEセチルエーテル(POE5)、POEオレイルエーテル(POE3)、POEオレイルエーテル(POE6)、POEステアリルエーテル(POE6)、POEステアリルエーテル(POE8)、POEラウリルエーテル(POE3)、POEイソセチルエーテル(POE5)、POEイソステアリルエーテル(POE5)、POEオクチルドデシルエーテル(POE5)、POEデシルペンタデシルエーテル(POE10)、POEベヘニルエーテル(POE10)、POEデシルテトラデシルエーテル(POE5)、POEコレステリルエーテル(POE5)等のPOEアルキルエーテル、POEノニルフェニルエーテル(POE5)、POEオクチルフェニルエーテル(POE5)等のPOEアルキルフェニルエーテル、ステアリン酸POEステアリルエーテル(POE12)、ステアリン酸POEラウリルエーテル(POE5)、ステアリン酸POEラウリルエーテル(POE15)、イソステアリン酸POEラウリルエーテル(POE10)等のステアリン酸POEアルキルエーテル、ジラウリン酸エチレングリコール・ポリエチレングリコール(POE8)、ジラウリン酸エチレングリコール・ポリエチレングリコール(POE12)、モノステアリン酸エチレングリコール・ポリエチレングリコール(POE5)、ジステアリン酸エチレングリコール・ポリエチレングリコール(POE12)、ジオレイン酸エチレングリコール・ポリエチレングリコール(POE12)等の脂肪酸エチレングリコール・ポリエチレングリコール、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(POE6)、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール(POE12)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(POE6)等の脂肪酸ポリエチレングリコール、イソステアリン酸POEグリセリル(POE5)、イソステアリン酸POEグリセリル(POE6)、イソステアリン酸POEグリセリル(POE8)等の脂肪酸POEグリセリル、トリイソステアリン酸POEグリセリル(POE20)、トリオレイン酸POEグリセリル(POE20)、トリイソステアリン酸POEグリセリル(POE7)等のトリ脂肪酸POEグリセリル、POEトリミリスチン酸トリメチロールプロパン(POE20)、POEトリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(POE20)、POEトリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(POE25)、POEトリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(POE30)等のPOEトリ脂肪酸トリメチロールプロパン、POE硬化ヒマシ油(POE5)、POE硬化ヒマシ油(POE20)、ラウリン酸POE硬化ヒマシ油(POE20)、イソステアリン酸POE硬化ヒマシ油(POE20)、イソステアリン酸POE硬化ヒマシ油(POE30)、イソステアリン酸POE硬化ヒマシ油(POE40)、イソステアリン酸POE硬化ヒマシ油(POE50)、等のPOE硬化ヒマシ油およびその誘導体、モノステアリン酸POEグリセリン(POE5)、モノイソステアリン酸ソルビタン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ジグリセリル、セトステアリルグルコシド、オレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル等が挙げられる。このうち、モノステアリン酸ジグリセリル、セトステアリルグルコシド、オレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、オレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリルが好適に使用でき、さらにジイソステアリン酸ポリグリセリルが特に好適である。
【0018】
本発明の油性毛髪化粧料において成分(D)HLB3〜9の非イオン性界面活性剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は0.05〜1%が好ましく、0.1〜0.5%がより好ましい。この範囲であれば、べたつきを抑えられ、相分離などがなく安定性に優れた油性毛髪化粧料を得ることができる。
【0019】
本発明の油性毛髪化粧料は、連続相が油性成分で、水を含まないか、含有した場合でも1%未満である。好ましくは無水形態であるが、上記成分(A)〜(D)の他に、本発明の効果を損なわない質的量的範囲で、通常の毛髪化粧料に用いられる成分を水性、非水性の区別なく含有してもよい。例えば、成分(A)、(B)以外の炭化水素油、エステル油、シリコーン油、動物油、植物油、鉱物油などの油性成分、成分(C)以外の揮発性油分、成分(D)以外の界面活性剤、多価アルコール、キレート化剤、殺菌剤、粉体、酸化防止剤、粘度調整剤、収斂剤、抗フケ剤、紫外線吸収剤、染料・色素等の着色剤、香料、ビタミン等の美容成分、エアゾール噴射剤を適宜含有することができる。
【0020】
本発明の油性毛髪化粧料に配合可能な上記必須成分以外の油性成分としては、通常化粧料に使用できる油性成分であれば特に限定されないが、固形状の炭化水素油やロウ類、シリコーン油、油脂、高級アルコール、脂肪酸類などの油性成分を使用できる。例えば、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、合成炭化水素ワックス、エチレンプロピレンコポリマー、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、オゾケライト等の固形状の炭化水素油、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン等のシリコーン油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロール、ラノステロール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール類、牛脂、硬化牛脂、硬化油、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸等の脂肪酸類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0021】
本発明の油性毛髪化粧料に、ポリシロキサン骨格を有するシリコ−ン油、例えば、25℃における粘度が、1〜100,000mm
2/Sのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、あるいはデカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状シリコーン油を含有すると、きしみ感や人工的ななめらかさを違和感として感じてしまうため、シリコーン油の含有量は1%未満が好ましい。
【0022】
本発明の油性毛髪化粧料に含有可能な界面活性剤としては、通常化粧料に使用できる界面活性剤であれば特に限定されず、成分(D)以外のノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
より具体的には、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、POEアルキルエーテル、脂肪酸グリセリル、POE脂肪酸グリセリル、脂肪酸ポリグリセリル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビトール脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリンアルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、POE硬化ヒマシ油、、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0023】
本発明の油性毛髪化粧料に含有可能な粉体としては、通常化粧料に使用できる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等を用いることができる。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0024】
本発明の油性毛髪化粧料に含有可能な紫外線吸収剤としては、通常化粧料に使用できる紫外線吸収剤であれば、特に限定されないが、例えばベンゾフェノン系、パラアミノ安息香酸系、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル等のケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等を挙げることができる。
多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、ヒアルロン酸、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液、生薬等、防腐剤としては、例えばp−オキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、1,2−アルカンジオール類等が挙げられる。
【0025】
本発明の油性毛髪化粧料は常法により製造することができ、液状、ジェル状、ワックス状、多層状等のヘアオイル、ポマード、チック等とすることができ、また容器との組合せによりミストタイプ、ヘアスプレー、泡沫エアゾール等とすることができる。
【実施例】
【0026】
次に実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0027】
実施例1〜11及び比較例1〜10:油性毛髪化粧料(ヘアオイル)
表1、表2に示す処方及び下記製造方法によりヘアオイルを調製し、「a.束感のなさ」、「b.べたつきのなさ」、「c.自然な指通り感(きしみのなさ)」、及び「d.外観性状」について評価した。特定の成分量を増量または減量する際には、成分(1)〜(9)の合計量が近似した値となるように、その他の成分を同比率で減量または増量し補正を行った。
「d.外観性状」は、50℃の恒温槽に各ヘアオイルを一週間保存した後の経時安定性において、均一溶解した性状を○、濁りがあるものを△、分離や沈殿を生じたものを×と判定し、その他a〜cについては、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定した。a〜dの評価結果を併せて表1、表2に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
(製造方法)
成分(1)〜(13)を室温にて均一混合して、ヘアオイルを得た。
【0031】
〔評価方法(官能評価)〕
10名の官能検査専門パネルにより、市販のシャンプーで洗髪し、ドライヤーで半乾きにした後、本発明品及び比較品のヘアオイルを適量取り、髪に馴染ませ、下記a〜cの評価項目について、(1)の絶対評価基準を用いて7段階に官能評価し、実施品及び比較品の評点の平均値を、更に(2)の4段階判定基準を用いて判定した。
(評価項目)
a.束感のなさ
b.べたつきのなさ
c.自然な指通り感(きしみのなさ)
【0032】
(1)絶対評価基準
評点:評 価
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
【0033】
(2)4段階判定基準
評点の平均値 :判 定
5点を超える :◎
3.5点を超えて5点以下 :○
2.5点を超えて3.5点以下 :△
2点以下 :×
【0034】
表1及び表2の結果から明らかなように、実施例1〜11のヘアオイルは、「束感のなさ」、「べたつきのなさ」、「自然な指通り感(きしみのなさ)」、及び「外観性状」の全てにおいて優れた油性毛髪化粧料であった。
これに対して成分(A)を80%超含有した比較例1は、「べたつきのなさ」、「自然な指通り感」が劣るものであり、成分(A)を30%未満含有した比較例2は「束感のなさ」、「自然な指通り感」が劣るものであった。成分(A)を含有せず、脂肪酸組成の異なるトリグリセライドを含有した比較例3は、「べたつきのなさ」が特に劣るものであった。成分(B)を50%超含有した比較例4は「束感のなさ」が劣るものであり、成分(B)を10%未満含有した比較品5は「自然な指通り感」が劣るものであった。成分(B)を含有せず、動粘度100mm
2/Sを超える流動パラフィンを含有した比較例6は、「束感のなさ」が特に劣るものであった。成分(C)を20%超含有した比較例7は「自然な指通り感」が劣るものであり、成分(C)を5%未満含有した比較例8は「べたつきのなさ」が劣るものであった。また、成分(D)を1%超含有した比較例9は「べたつきのなさ」が劣り、成分(D)を0.05%未満含有した比較例10は経時で相分離が生じ、実施例2と比較しても「外観性状」が劣るものであった。
【0035】
実施例12:油性毛髪化粧料(ヘアワックス)
(成分) (%)
1.ワセリン 残量
2.ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 5
3.プロピレングリコール 8
4.メチルパラベン 0.2
5.コメヌカ油 30
6.流動パラフィン 10
7.フィッシャートロプシュワックス(注4) 3
8.マイクロクリスタリンワックス 5
9.ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.5
10.ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
11.タルク 5
12.水添ポリイソブテン 5
13.香料 0.1
14.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 0.5
(注4)CIREBELLE 108(CIREBELLE社製)
(製造方法)
A:成分1〜4を加温して均一混合する。
B:Aに成分5〜10を均一に混合する。
C:Bに成分11を加え、均一に分散する。
D:Cに成分12〜14を加え、均一に混合した後、容器に充填してヘアワックスを得た。
【0036】
実施例12のヘアワックスは、実施例1に倣って評価したところ、べたつきのなさ、自然な指通り感及び、外観性状の全てにおいて優れた油性毛髪化粧料であった。
【0037】
実施例13:ヘアオイルミスト
(成分) (%)
1.水添ポリイソブテン 20
2.ゴマ油 30
3.セスキオレイン酸ソルビタン 0.8
4.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
5.メチルフェニルポリシロキサン 0.5
6.流動パラフィン 10
7.メチルシロキサン網状重合体 0.3
8.シリル化処理無水ケイ酸 0.1
9.パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.2
10.ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
11.フェノキシエタノール 0.2
12.ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル 0.1
13.香料 0.2
(製造方法)
A:成分1〜13を均一に混合溶解する。
B:Aをエアゾール原液とし、Aと噴射剤(液化石油ガス)の質量比が6:4になるようにエアゾール缶に充填し、ヘアオイルミストを得た。
【0038】
実施例13のヘアオイルミストは、実施例1に倣って評価したところ、束感のなさ、べたつきのなさ、自然な指通り感及び、外観性状(エアゾール充填前)の全てにおいて優れた油性毛髪化粧料であった。