特許第6130213号(P6130213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130213
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】バッグインボックス用投入装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/04 20060101AFI20170508BHJP
   B65B 35/24 20060101ALI20170508BHJP
   B65G 15/22 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   B65B5/04
   B65B35/24
   B65G15/22
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-106411(P2013-106411)
(22)【出願日】2013年5月20日
(65)【公開番号】特開2014-227178(P2014-227178A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】512159579
【氏名又は名称】有限会社友澤機工
(73)【特許権者】
【識別番号】512159269
【氏名又は名称】エコテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121773
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 正
(72)【発明者】
【氏名】友澤 正和
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−086882(JP,A)
【文献】 特開2002−361761(JP,A)
【文献】 特開2010−280405(JP,A)
【文献】 実開昭56−107305(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/00− 5/12
B65B 35/00−35/58
B65B 43/00−43/62
B65G 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填されたフレキシブルな内袋を上方開口から外装箱内に投入して収納するバッグインボックス用投入装置において、
前記外装箱を前記内袋が投入される投入位置まで搬送する外装箱搬送装置と、
前記内袋を上下から挟んで搬送する上側ベルトコンベア及び下側ベルトコンベアを備え、投入位置にある前記外装箱に向けて前記内袋を搬送する内袋搬送装置であって、前記上側ベルトコンベアは所定の間隔を空けて並列に設置された第一ベルトコンベア及び第二ベルコンベアを有する内袋搬送装置と、
を備え
前記内袋搬送装置は、前記内袋が投入位置に近づいたことを検知する近接センサを備え、前記内袋が投入位置に近づいたことを検知すると、前記上側ベルトコンベア及び前記下側ベルトコンベアの搬送速度を相対的に変化させ、前記内袋搬送装置から放出される際の前記内袋の姿勢を調整することを特徴とするバッグインボックス用投入装置。
【請求項2】
前記内袋搬送装置の下流端近傍に位置し、前記内袋を前記外装箱内に滑らかに投入して収納させるための内袋案内装置であって、投入時に前記内袋の下面側を支持して案内する下側案内ボードと、前記下側案内ボードの先端が投入位置にある前記外装箱の内部底面付近に位置して前記内袋を案内する案内位置と、前記下側案内ボードの先端が投入位置にある前記外装箱の外にある退避位置との間で、前記下側案内ボードを進退移動させる下側ボード進退部材と、を有する内袋案内装置をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のバッグインボックス用投入装置。
【請求項3】
前記外装箱搬送装置は、前記外装箱の搬送路に突出することで投入位置にある前記外装箱の側面を前記内袋搬送装置側へ押す側方突出部材を有する、投入位置にある前記外装箱を前記内袋搬送装置側へ傾斜させる外装箱傾斜部材をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載のバッグインボックス用投入装置。
【請求項4】
前記外装箱搬送装置は、前記外装箱が投入位置にあるときに、上方開口が真上に位置する垂直状態から前記内袋搬送装置側に傾斜させた状態となるように搬送する装置であり、前記外装箱傾斜部材は、投入位置において傾斜した状態の前記外装箱を前記側方突出部材によりさらに前記内袋搬送装置側へ傾斜させることを特徴とする請求項3記載のバッグインボックス用投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグインボックスの内袋を外装箱内に収納するためのバッグインボックス用投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体物が充填された樹脂製の内袋(フレキシブルバッグ)を外装のダンボール箱内に収納したバッグインボックスは、使用後に内袋と外装箱とを容易に分離してリサイクルできるなどの理由から、広く普及している。
【0003】
また、流体物が充填されたフレキシブルな内袋を外装箱内に自動的に投入して収納するバッグインボックス用の投入装置も従来から提供されている。従来の投入装置は、内袋をベルトコンベアで搬送し、外装箱内に自重により落下させて収納するように構成されており、例えば、下記特許文献1乃至3に開示されている。
【0004】
ここで、内袋には流体物を充填したり取り出したりするためのキャップが形成されており、外装箱には、このキャップに外からアクセスするためのキャップ用開口等が形成されている。よって、内袋を外装箱内に投入する際には、このキャップが外装箱内の所望の場所(キャップ用開口等の位置)に位置するように、所望の姿勢で内袋を投入する必要がある。特許文献3に係る投入装置は、外装箱へ投入される直前の内袋を上下のベルトコンベアで挟み込んで搬送することで、内袋を所望の姿勢にして外装箱内に投入するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−135406号公報
【特許文献2】特開2002−361761号公報
【特許文献3】特開2012−86882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内袋を安定して外装箱へと搬送しながら投入時に所望の姿勢にするためには、内袋を上下の搬送装置で挟み込んで搬送することが有効である。しかし、上下のベルトコンベアにより内袋が挟まれた状態で搬送すると、内袋から突出したキャップが上下何れかのベルトコンベアと衝突してしまい、内袋の姿勢が乱れて所望の姿勢を維持できなくなったり、キャップにより内袋にピンホールが形成されてしまうといった問題が生じてしまう。
【0007】
外装箱内に所望の姿勢で収納を投入できない場合には、内袋のキャップが所望の位置から離れた場所に位置してしまい、内袋の内容物を取り出す際に、キャップが所望の位置に来るように内袋を動かす必要があり、非常に手間がかかる。特に、バッグインボックスが立方体に近い形状の場合には、外装箱への落下投入時に内袋が回転しやすいため、内袋を所望の姿勢で外装箱に収納するのが困難である。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、内袋を上下の搬送装置で挟み込んで搬送する場合にも安定した搬送が可能であり、外装箱へ所望の姿勢で内袋を収納することの可能なバッグインボックス用投入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るバッグインボックス用投入装置は、内容物が充填されたフレキシブルな内袋を上方開口から外装箱内に投入して収納するバッグインボックス用投入装置において、前記外装箱を前記内袋が投入される投入位置まで搬送する外装箱搬送装置と、前記内袋を上下から挟んで搬送する上側ベルトコンベア及び下側ベルトコンベアを備え、投入位置にある前記外装箱に向けて前記内袋を搬送する内袋搬送装置であって、前記上側ベルトコンベアは所定の間隔を空けて並列に設置された第一ベルトコンベア及び第二ベルコンベアを有する内袋搬送装置と、を備え、前記内袋搬送装置は、前記内袋が投入位置に近づいたことを検知する近接センサを備え、前記内袋が投入位置に近づいたことを検知すると、前記上側ベルトコンベア及び前記下側ベルトコンベアの搬送速度を相対的に変化させ、前記内袋搬送装置から放出される際の前記内袋の姿勢を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るバッグインボックス用投入装置によれば、内袋を安定して搬送することができ、外装箱へ所望の姿勢で収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る投入装置の側面図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るバッグインボックスの構成を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る投入装置の部分拡大平面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る投入装置の側面図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る投入装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るバッグインボックス用の投入装置について説明する。図1は、本実施形態に係る投入装置の側面図である。図2は、本実施形態に係るバッグインボックスの構成を示す図であり、図2(a)が正面図、図2(b)が平面図を示している。
【0013】
図3は、本実施形態に係る投入装置の内袋搬送装置の部分を拡大して示す部分拡大平面図である。図4は、本実施形態に係る投入装置の側面図であり、外装ダンボール箱が投入位置にある状態を示す図である。図5は、本実施形態に係る投入装置の側面図であり、外装ダンボール箱が投入位置にあり、さらに傾斜した状態で内袋が投入されているところを示す図である。
【0014】
本実施形態に係る投入装置1は、内容物の充填された内袋(フレキシブルバッグ)4を空の外装ダンボール箱3内に投入し、図2に示すように、キャップ4Aがほぼ上面中央付近に位置する姿勢で、内袋4を外装ダンボール箱3内に収納する作業を行う。
【0015】
なお、同図に示すように、本実施形態に係るバッグインボックス2の外装ダンボール箱3は、上面に略正方形状の開口を備えた直方体形状であり、縦方向の長さが短くて開口の狭い外装箱の場合と比べて、内袋4を投入する際に内袋4が回転しやすく、従来の投入装置では、内袋4を外装ダンボール箱3内に所望の姿勢で収納するのが難しい。
【0016】
図1に示すように、投入装置1は、筐体6と、内袋搬送装置10と、内袋案内装置20と、外装箱搬送装置30とを備えている。筐体6は、フレーム構造であり、投入装置1を構成する各部材を所定の位置に支持している。なお、図1において、筐体6は、破線で示している。
【0017】
内袋搬送装置10は、流体物が充填された状態のフレキシブルな内袋4を、キャップ4Aが上方側中央に位置するように寝かせた状態で外装ダンボール箱3へ向けて搬送する装置である。内袋搬送装置10は、内袋4が搬送される経路である内袋搬送路60の上側に位置する上側搬送装置11と、内袋搬送路60の下側に位置する下側搬送装置13と、内袋4が投入位置に近づいてきたことを検知する近接センサ15とを備え、上側搬送装置11と下側搬送装置13のとの間に内袋4を挟んで搬送する。
【0018】
内袋搬送路60は、投入位置側である下流側が低い傾斜路となっており、本実施形態での傾斜角は20°である。よって、上側搬送装置11及び下側搬送装置13も20°傾斜して設置されている。
【0019】
上側搬送装置11及び下側搬送装置13は、ベルトコンベアである。上側搬送装置11は、所定の間隔を空けて並列に設置された第一ベルトコンベア11Aと第二ベルトコンベア11Bとを備えている。
【0020】
ベルトコンベア11A,11Bは、それぞれ複数のローラー112A,112Bによって巡回可能に張架された無端ベルト111A,111Bを備えると共に、無端ベルト111A,111Bを巡回させる駆動力を生成する共用の駆動モータ115を備えている。
【0021】
下側搬送装置13は、複数のローラー132によって巡回可能に張架された無端ベルト131と、無端ベルト131を巡回させる駆動力を生成する駆動モータ135とを備えている。近接センサ15は、内袋搬送路60の下流端よりも所定の距離上流側において、第二ベルトコンベア11Bに固定設置されており、レーザ光線により光学的に内袋4の接近を検知する。
【0022】
ベルトコンベア11A,11Bの横幅は、下側搬送装置13のベルトコンベアの3分の1程度の幅であり、第一ベルトコンベア11A及び第二ベルトコンベア11Bは、その横幅と同じ程度の間隔を空けて並列に設置されている。つまり、上側搬送装置11と下側搬送装置13は、ほぼ同じ幅で上下に対向して設置されているが、上側搬送装置11の中央の幅3分の1程度の部分は、ベルトコンベアが設置されていない空白部分になっている。
【0023】
内袋4の搬送時には、キャップ4Aを上方に位置させて、このベルトコンベアの存在しない空白部分を通過させることで、キャップ4Aをベルトコンベアに接触させることなく内袋4を所望の姿勢で安定して搬送することができる。
【0024】
本実施形態では、上側搬送装置11及び下側搬送装置13の搬送速度はそれぞれ独立して変更可能に構成されている。よって、内袋4及び外装ダンボール箱3のサイズや形状、内袋4のキャップ4Aの位置、外装ダンボール箱3のキャップ用開口の位置などに合わせて、外装ダンボール箱3内に内袋4が投入される際の姿勢を所望の姿勢となるように、適宜上下の搬送速度を調整することで、良好な収納を実現することができる。
【0025】
本実施形態では、近接センサ15が、内袋4が投入位置に近づいて来たこと、すなわち近接センサ15の位置まで内袋4が搬送されてきたことを検知すると、内袋搬送装置10は、上側搬送装置11の搬送速度が遅くなる(例えば、10%程度)ように制御する。
【0026】
これにより、内袋4は、キャップ4Aの反対側である底面側が先に外装ダンボール箱3に入るように、図1において時計回りに若干回転し、キャップ4Aが上方に位置する所望の姿勢で外装ダンボール箱3内に収納されるように、安定して投入される。
【0027】
もちろん、上側搬送装置11と下側搬送装置13との搬送速度の相対的な調整は、何れを遅くするようにしても良く、内袋搬送装置10から放出される際の内袋4の所望の姿勢に応じて、適宜調整すれば良い。
【0028】
なお、上側搬送装置11は、内袋搬送路60に垂直な方向に移動可能に構成されており、上側搬送装置11を移動させることで、上側搬送装置11と下側搬送装置13との間隔を可変し、種々の形状や大きさの内袋4を安定して搬送可能である。
【0029】
内袋案内装置20は、内袋搬送装置10によって運ばれてきた内袋4が下流側端部から自重により落下して外装ダンボール箱3内に投入される際に、内袋4が滑らかに安定して外装ダンボール箱3内に収納されるように案内する部材である。
【0030】
内袋案内装置20は、内袋搬送装置10の下側に位置する下側案内装置25と、内袋搬送路60の両脇に設置され、内袋4の横幅を狭めるためのシューター29とを備えている。
【0031】
下側案内装置25は、内袋4と外装ダンボール箱3との間に介在して、内袋4の外装ダンボール箱3内への収納が安定した姿勢で行われるように案内すると共に、内袋4の表面と外装ダンボール箱3の内面との接触を減らし、両者の接触摩擦によるピンホールの発生を大きく抑えるように機能する。
【0032】
下側案内装置25は、内袋4の投入時に内袋4の下面側に突出し、落下する内袋4を支持して案内する下側案内ボード26と、下側案内ボード26を案内位置と退避位置との間で進退移動させる下側ボード進退部材27とを備えている。
【0033】
下側案内ボード26は、摩擦係数の小さいポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))製の長方形状の固い板である。下側案内ボード26の幅は、下側搬送装置13の無端ベルト131の幅とほぼ同じである。
【0034】
下側ボード進退部材27は、スライド機構271を備えており、内袋4の投入落下経路に突出した案内位置と、案内位置から内袋搬送路60の上流方向へ退避した位置である退避位置との間で、下側案内ボード26をスライド移動させる。
【0035】
このスライド移動は、下側搬送装置13の下側において内袋搬送路60と略平行に行われる。下側案内ボード26が案内位置にあるときは、図4等に示すように、下側案内ボード26は、内袋搬送路60の下側において下流側に飛び出した状態となっている。
【0036】
このとき、下側案内ボード26の先端は、投入位置にある外装ダンボール箱3の底面近くまで到達している。一方、下側案内ボード26が退避位置にあるときは、図1に示すように、その先端が内袋4の投入落下経路から退き、下側搬送装置13の下側に位置した状態となっている。
【0037】
シューター29は、内袋搬送路60を搬送される内袋4の横幅を規制する案内部材であり、内袋搬送路60の両側に立設する側壁を備えている。図1図4及び図5では、シューター29を破線で示している。シューター29は、内袋4が投入位置に近づくにつれて横幅が狭くなるように規制しており、シューター29の両側壁の間隔が投入位置に近づくにつれて狭くなるように、上方から見ると逆ハの字形状になっている(図3参照)。
【0038】
シューター29の下流端の両側壁の間隔は、外装ダンボール箱3の開口横幅よりも若干狭くなっており、シューター29によって内袋4の横幅をいったん縮めてから投入することで、滑らかに内袋4を外装ダンボール箱3内に収納させることができる。
【0039】
外装箱搬送装置30は、外装ダンボール箱3を内袋4の投入位置へと搬送する装置であり、図1において、紙面に垂直な方向、すなわち手前側から奥側へと順次外装ダンボール箱3を搬送する。
【0040】
外装箱搬送装置30は、外装ダンボール箱3の下面に当接する複数の下面搬送ローラー31と、下面搬送ローラー31を回転駆動させる駆動モータと、外装ダンボール箱3の側面に当接する複数の側面搬送ローラー33と、側面搬送ローラー33を回転駆動させる駆動モータと、突上部材35と、傾斜部材36とを備えている。
【0041】
下面搬送ローラー31は、外装箱搬送経路に沿って多数設置されており、側面搬送ローラー33も外装箱搬送経路に沿って多数設置されている。本実施形態では、開口部を真上にして外装ダンボール箱3を垂直に立てた状態ではなく、垂直状態から内袋搬送装置10側(図1において右側)に40°寝かせた傾斜状態で外装ダンボール箱3を搬送している。
【0042】
このため、下面搬送ローラー31も水平状態から40°傾斜させた状態、側面搬送ローラー33も垂直状態から40°傾斜させた状態で設置されている。このように、外装ダンボール箱3を40°寝かせることで、外装ダンボール箱3と内袋4との接触の際の衝撃を抑えることができる。
【0043】
突上部材35は、下面搬送ローラー31に下面が接した状態の外装ダンボール箱3を、内袋4が投入される投入位置に位置するように、側面搬送ローラー33に沿って斜め上方に突き上げる部材である。突上部材35は、突き上げ方向にスライドするスライド機構351を備えており、空の外装ダンボール箱3を投入位置まで突き上げ、内袋4が収納されると、下面搬送ローラー31の位置まで外装ダンボール箱3を引き下げる。
【0044】
傾斜部材36は、突上部材35により投入位置まで突き上げられた外装ダンボール箱3を、さらに内袋搬送装置10側に若干傾けるための部材であり、側面搬送ローラー33の隙間から突出して外装ダンボール箱3の側面を押す側方突出部材361と、側方突出部材361により側面を押されてさらに傾斜した外装ダンボール箱3の下面を支える下方支持部材362とを備えている。
【0045】
側方突出部材361は、外装ダンボール箱3の側面に接触する面が、40°傾斜した当該側面よりもさらに10°程度内袋搬送装置10側に傾斜した面となっており、側方突出部材361が側面搬送ローラー33の隙間から突出して外装ダンボール箱3の側面に押し付けられると、外装ダンボール箱3がさらに10°程度内袋搬送装置10側に傾斜する。
【0046】
下方支持部材362は、回動可能な二本の棒状部材と駆動モータとを備えており、外装ダンボール箱3が側方突出部材361により傾斜させられた後に、棒状部材が回動して外装ダンボール箱3の下面を当該傾斜状態で支持する。外装ダンボール箱3内に内袋4が投入された後は、側方突出部材361と下方支持部材362とが退避し、外装ダンボール箱3は40°傾斜した状態に戻り、下降可能となる。
【0047】
もちろん、傾斜部材36による傾斜角度は適宜変更可能であり、側方突出部材361や下方支持部材362の形状を変更したりすることで、容易に変更することができる。
【0048】
このように、傾斜部材36により投入位置にある外装ダンボール箱3の傾斜角度を微調整できるように構成すれば、外装箱搬送装置30による搬送の際の外装ダンボール箱3の傾斜角度を変えることなく、投入時の外装箱の傾斜角度を微調整し、種々のサイズや形状のバッグインボックスに対応することができる。
【0049】
なお、外装箱搬送経路上には、搬送されてくる空の外装ダンボール箱3を突上部材35の位置で停止させるための停止部材が設置されている。停止部材は、当接部材を外装箱搬送経路に飛び出させて、外装ダンボール箱3に接触させることで停止させる。内袋4が収納された外装ダンボール箱3が引き下げられてくると、停止部材は外装箱搬送経路から退避して、外装ダンボール箱3は下流側に搬送される。
【0050】
以上、本実施形態に係る投入装置1の構成について説明したが、続いて、フレキシブルな内袋4が外装ダンボール箱3内に投入される際の作用について説明する。まず、図1図4及び図5における投入装置1の状態について説明する。
【0051】
図1は、外装ダンボール箱3が投入位置に突き上げられておらず、下側案内ボード26が退避位置にある状態を示している。この状態では、外装ダンボール箱3は、フラップ3Aを含めて下側案内ボード26と接触しない位置にある。このため、外装ダンボール箱3は、下面搬送ローラー31上を自在に搬送させることができる。
【0052】
図4は、外装ダンボール箱3が突上部材35により投入位置に突き上げられ、下側案内ボード26が案内位置にある状態を示している。この状態では、下側案内ボード26は、その先端が外装ダンボール箱3内の下面近くまで挿入された状態となっている。
【0053】
図5は、図4に示す状態から、投入位置にある外装ダンボール箱3が傾斜部材36によりさらに内袋案内装置20側に傾斜させられ、内袋4が外装ダンボール箱3内に投入されている状態を示している。
【0054】
フレキシブルな内袋4が外装ダンボール箱3内に投入される際には、まず、図1に示す状態において、空の外装ダンボール箱3が外装箱搬送装置30により、投入位置の下方まで搬送された後、図4に示すように、突上部材35により外装ダンボール箱3が投入位置まで突き上げられる。続いて、図5に示すように、傾斜部材36により外装ダンボール箱3がさらに傾斜させられた状態で内袋4が投入される。
【0055】
内袋4は、内袋搬送装置10において、上側搬送装置11と下側搬送装置13との間に挟まれて投入位置へと搬送される。内袋4のキャップ4Aは、第一ベルトコンベア11Aと第二ベルトコンベア11Bとの間に位置して搬送されてくるので、内袋4から突出したキャップ4Aが上側搬送装置11や下側搬送装置13と衝突することはない。
【0056】
内袋4が投入位置に近づいたことを近接センサ15が検出すると、内袋搬送装置10は、上側搬送装置11の搬送速度を下げて、下側搬送装置13よりも遅くなるように制御し、内袋搬送装置10の下流端から放出される際、内袋4は、その下面側が前方に、その上面側が後方に向かうように、若干回転しながら自重により下側案内ボード26上を滑り落ちる。
【0057】
これにより、投入位置において内袋搬送装置10側に傾斜している外装ダンボール箱3の底面に内袋4の底面が位置し、上方開口にキャップ4Aが位置する所望の姿勢となるように内袋4を外装ダンボール箱3内に投入することができる。
【0058】
回転しながら放出された内袋4は、自重により外装ダンボール箱3内へと落下しようとするが、このとき、内袋4の下方には、案内位置にあり、内袋搬送路60と平行に外装ダンボール箱3内へと延在する下側案内ボード26が位置している。このため、内袋4は、摩擦係数の小さい下側案内ボード26上を滑りながら落下して外装ダンボール箱3の底面に到達する。
【0059】
内袋4が外装ダンボール箱3内に入ると、内袋案内装置20の下側案内ボード進退部材27は、下側案内ボード26を退避位置へと退避させるので、内袋4は、図2に示すように、キャップ4Aが上方中央付近に位置した状態で外装ダンボール箱3内に収納される。
【0060】
以上、詳細に説明した本実施形態によれば、内袋4を上下から挟んで搬送する内袋搬送装置10の上側搬送装置11を、所定の間隔を空けて設置されたベルトコンベア11A,11Bから構成し、キャップ4Aがこれらの間を通過するように内袋4を搬送することで、キャップ4Aが設置された内袋4を所望の姿勢で安定して投入位置へと搬送することができる。
【0061】
また、内袋4を外装ダンボール箱3内に投入する際には、内袋4は下側案内ボード26によって案内されながら外装ダンボール箱3内に落下するため、内袋4と外装ダンボール箱3の内面との接触摩擦による引っ掛かりを防止し、キャップ4Aが上方に位置する所望の姿勢で内袋4を外装ダンボール箱3内に収納することができると共に、内袋4へのピンホールの発生も防ぐことができる。
【0062】
また、下側案内ボード26は、下側ボード進退部材27により内袋4を外装ダンボール箱3内に投入する度に案内位置と退避位置との間を進退移動させられるので、外装ダンボール箱3の搬送の障害になることなく、投入装置1における投入速度を低下させずに高速で滑らかな投入が可能となる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、投入装置を構成する各部材の形状やサイズ、材料等は適宜変更できることは言うまでもない。
【0064】
また、上記実施形態では、投入時の外装ダンボール箱が垂直状態から内袋搬送装置側に50°傾斜した状態となるように構成しているが、この傾斜角度も適宜変更可能である。但し、傾斜角度が小さくなると内袋がより垂直方向に落下することになるので望ましくない。また、傾斜角度が大きくなると、内袋が外装ダンボール箱の途中で引っ掛かって底面まで到達できなくなる。よって、バッグインボッグスの形状やサイズ、キャップの位置等に応じて所望の傾斜角度に調整すれば良い。
【0065】
また、上記実施形態では、案内ボードの材料としてポリテトラフルオロエチレンを用いているが、低摩擦係数の他の材料を適宜用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン以外のナフロン(登録商標)等のフッ素系樹脂や他の合成樹脂を用いることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 投入装置
6 筐体
10 内袋搬送装置
11 上側搬送装置
11A ベルトコンベア
11B ベルトコンベア
13 下側搬送装置
15 近接センサ
20 内袋案内装置
25 下側案内装置
26 下側案内ボード
27 下側ボード進退部材
29 シューター
30 外装箱搬送装置
31 下面搬送ローラー
33 側面搬送ローラー
35 突上部材
36 傾斜部材
361 側方突出部材
362 下方支持部材
60 内袋搬送路
2 バッグインボックス
3 外装ダンボール箱
3A フラップ
4 内袋
4A キャップ
図1
図2
図3
図4
図5