(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
A.第1実施形態:
図1は、本発明の第1実施形態としてのグロープラグ100の概略構成を示す説明図である。
図1(A)は、グロープラグ100の外観構成を示し、
図1(B)は、
図1(A)の一部分を断面に置き換えた図である。以降では、
図1における下側を先端側と定義し、
図1における上側を後端側と定義する。
【0020】
グロープラグ100は、例えば、内燃機関の燃焼室に設置され、補助熱源として使用される。また、グロープラグ100は、燃焼室内の圧力を検出する。グロープラグ100は、ハウジング130と、ヒータ部150と、圧力センサ160と、膜部180とを備えている。
【0021】
ハウジング130は、主体金具110とキャップ部120とを備える。グロープラグ100の軸線ALは、ハウジング130の軸線と一致すると共に、ヒータ部150の軸線および膜部180の軸線とそれぞれ一致する。以降では、軸線ALに沿った方向(すなわち、先端側から後端側に向かう方向、および後端側から先端側に向かう方向)を、軸線方向ADと呼び、軸線方向ADと垂直な方向を径方向RDと呼ぶ。
【0022】
第1実施形態では、主体金具110の材料は炭素鋼であるが、炭素鋼に限らずステンレス鋼など任意の種類の鋼を用いてもよい。主体金具110の形状は、略円筒状である。主体金具110の内部には、圧力センサ160が配置されている。圧力センサ160は、ヒータ部150が受ける力に応じた電気信号を出力する。主体金具110の後端側外周面には、ネジ部114が備えられている。ネジ部114は、グロープラグ100をシリンダヘッドに固定するためのネジ溝(図示せず)を備える。ネジ部114の後端部には、工具取付部112が形成されている。工具取付部112には、グロープラグ100を内燃機関に取り付けるための工具が取り付けられる。
【0023】
工具取付部112の後端部には、複数の配線116が挿入されている。複数の配線116は、ハウジング130内の集積回路166と中軸170(
図2と共に後述する)とに電気的に接続されている。集積回路166は、圧力センサ160からの電気信号を配線116経由で外部に出力する。主体金具110の先端には、キャップ部120が形成されている。第1実施形態では、キャップ部120の材料は炭素鋼であるが、炭素鋼に限らずステンレス鋼など任意の種類の鋼を用いてもよい。
【0024】
図2は、
図1に示すキャップ部120近傍の拡大断面図である。キャップ部120の後端側には、円筒部122が形成されている。キャップ部120の先端側には、テーパ部124が形成されている。テーパ部124の外径は、先端側に向かうにつれて小さくなる。
【0025】
キャップ部120近傍には、センサ固定部材132と、伝達スリーブ134と、膜部180とが設けられている。センサ固定部材132は、圧力センサ160をハウジング130内に固定する。第1実施形態では、センサ固定部材132の材料は、ステンレス鋼である。センサ固定部材132の形状は、略円筒状である。センサ固定部材132は、主体金具110の内周に沿って配置されている。センサ固定部材132の先端近傍には、鍔状のフランジ部133が形成されている。フランジ部133は、主体金具110の先端面とキャップ部120の後端面とに溶接されている。
【0026】
伝達スリーブ134は、軸線ALに沿ったヒータ部150の変位を圧力センサ160に伝達する。第1実施形態では、伝達スリーブ134の材料は、ステンレス鋼である。伝達スリーブ134の形状は、略円筒状である。伝達スリーブ134の先端は、フランジ部133付近において、ヒータ部150の外周に溶接されている。
【0027】
ヒータ部150は、軸線ALに沿った棒状の部材であり、
図1(B)に示すように、ハウジング130に収容されている一端部251と、ハウジング130から露出して(キャップ部120の開口部125から先端側に突出して)配置されている他端部252とを備えている。ヒータ部150は、
図2に示すように、シース管152と発熱コイル154と絶縁粉末155とを備える。第1実施形態では、シース管152の材料は、ステンレス鋼である。シース管152は、先端部が半球状に閉塞し、後端が主体金具110内において開口している。発熱コイル154は、巻線型抵抗である。発熱コイル154は、シース管152の先端側内部に配置されている。ヒータ部150には、中軸170の先端部が挿入される。中軸170は、金属製の棒状部材である。発熱コイル154の後端は、中軸170の先端に固定されている。発熱コイル154には、配線116および中軸170を通じて電力が供給される。
【0028】
発熱コイル154とシース管152の内壁との間の隙間には、絶縁粉末155が充填されている。第1実施形態では、絶縁粉末155は、酸化マグネシウムである。
図1(B)に示すように、シース管152の開口された後端と中軸170との間には、シール部材156(
図1参照)が挿入されている。シール部材156は、絶縁粉末155をシース管152内に密封する。シース管152には、スウェージング加工が施されている。これにより、内部に充填された絶縁粉末155の緻密性が高められ、熱伝導効が向上する。
【0029】
図3は、
図2に示す膜部180近傍の領域Ar1の拡大断面図である。膜部180は、第1層191と、第2層192と、空隙g1とを備えている。第1層191と第2層192とは、空隙g1を除く他の部分において互いに接している。第1層191および第2層192は、いずれも軸線ALと一致する軸線を有する筒状の外観形状を有する。本実施形態では、2つの層191,192は、いずれもSUS(ステンレス)により形成されている。第1実施形態では、2つの層191,192の厚さは互いに同じである。
図3に示すように、空隙g1は、第1層191と、第2層192との間に形成されている。
【0030】
膜部180の構造は、上述した多層構造とは異なる観点から、以下に示す構造として捉えることができる。すなわち、膜部180は、第1筒状部181と、第2筒状部182と、立位部185とを備えている。
【0031】
第1筒状部181は、軸線ALと一致する軸線を有し、軸線方向AD方向に延びる筒状の外観形状を有する。かかる外観形状を換言すると、厚さ方向が径方向RDと一致し、軸線方向AD方向に延びる貫通孔が中央に形成された筒状の外観形状である。第1筒状部181は、膜部180において最も後端側に位置している。第1筒状部181における軸線方向ADに沿った任意の位置において、2つの層191,192は、互いに接している。
【0032】
第2筒状部182は、第1筒状部181と同様な外観形状を有している。但し、第1筒状部181に比べて中央の貫通穴の大きさ(直径)が小さい。したがって、
図2に示すように、軸線ALから第2筒状部182までの径方向RDに沿った距離は、軸線ALから第1筒状部181までの径方向RDに沿った距離よりも短い。第2筒状部182は、膜部180において最も先端側に位置している。第2筒状部182における軸線方向ADに沿った任意の位置において、2つの層191,192は、互いに接している。
【0033】
立位部185は、中央に貫通孔を有し、軸線ALを軸として線対称の断面形状を有する。前述の軸線ALを軸とする線対称の断面形状は、略S字形状の断面形状である。換言すると、立位部185は、径方向RDの成分を含む方向に沿って延びる外観形状を有する。なお、立位部185が有する貫通孔の大きさ(直径)は、第2筒状部182の直径(内径)とほぼ一致する。
【0034】
立位部185は、第1屈曲部188と、第2屈曲部189とを有し、第1屈曲部188と第2屈曲部189とが接続された構成を有する。第1屈曲部188は、径方向RDにおける内周側(軸線ALにより近い側)に位置し、第2筒状部182と接続されている。第1屈曲部188は、軸線方向ADに沿って他端部252から一端部251に向かう方向に見て凹状の外観形状を有する。第1屈曲部188の断面形状は、所定の曲率半径のR形状である。第1屈曲部188において、2つの層191,192は、任意の位置において互いに接している。第1屈曲部188において、第2層192と、第1層191とは、軸線方向ADに沿って他端部252から一端部251に向かう方向に見て、この順序で並んで配置されている。したがって、2つの層191,192において、第2層192は、第1屈曲部188において、軸線方向ADにおける他端部252側に位置する。
【0035】
第2屈曲部189は、径方向RDにおける外周側(軸線ALからより遠い側)に位置し、第1筒状部181と接続されている。第2屈曲部189は、軸線方向ADに沿って他端部252から一端部251に向かう方向に見て凸状の外観形状を有する。第2屈曲部189の断面形状は、所定の曲率半径のR形状である。第2屈曲部189は、第1層191と、第2層192と、空隙g1とにより構成されている。第2屈曲部189において、第2層192と、空隙g1と、第1層191とは、軸線方向ADに沿って他端部252から一端部251に向かう方向に見て、この順序で並んで配置されている。したがって、2つの層191,192において、第2層192は、第2屈曲部189において、軸線方向ADにおける他端部252側に位置する。空隙g1の径方向RDの最大長さは、第1筒状部181における第1層191の厚さよりも大きい。
【0036】
図3に示すように、膜部180は、先端側において、シース管152に接続され、後端側において、センサ固定部材132に接続されている。具体的には、第1筒状部181は溶接部200により、センサ固定部材132と溶接接続されている。センサ固定部材132は、フランジ部133を介して主体金具110と接続されているため、膜部180は、溶接部200により、ハウジング130に接続されている。第2筒状部182は、溶接部212により、シース管152と接続されている。したがって、膜部180は、溶接部212により、ヒータ部150に接続されている。第1実施形態では、前述の2つの溶接部200,212は、第1層191および第2層192を一括打ち抜きするレーザー溶接により形成されている。このようにレーザー溶接とすることで、ハウジング130とヒータ部150との間の気密を確保することができる。
【0037】
ヒータ部150は、軸線ALに沿った外力(例えば、燃焼室内の圧力)が作用すると、軸線ALに沿って変位する。この変位の際に、膜部180が変形する。この変形が弾性変形となるように、膜部180は設計される。上記外力は、燃焼室内の圧力によって生じる。
【0038】
ここで、燃焼室における燃焼によって膨張した燃焼ガスは、開口部125とヒータ部150の外周表面との間の間隙からグロープラグ100内に流入する。このときの燃焼ガスの流れの方向は、軸線方向ADに沿って先端側から後端側に向かう方向が主となる。立位部185の先端側の表面は、先端側を向いているため、立位部185は、燃焼ガスの流れを直接受ける可能性が高い。しかしながら、立位部185において、第1層191よりも先端側には、第2層192と空隙g1とが配置されているので、第2層192および空隙g1による断熱効果によって、第1層191の温度変化に伴う伸縮(熱膨張)を抑制できる。したがって、第1層191と直接接触しているシース管152、および伝達スリーブ134の変位を抑制できるので、燃焼圧力測定の誤差の発生を抑制できる。
【0039】
なお、第1実施形態では、第1筒状部181と、第1屈曲部188と、第2筒状部182とは、請求項における接触部に相当する。また、第1筒状部181は、請求項における延伸部に相当する。
【0040】
以上説明した第1実施形態のグロープラグ100では、膜部180を第1層191および第2層192の二層構造とし、かつ、第1層191と第2層192との間に空隙g1を設けているので、第2層192および空隙g1による断熱効果によって、第1層191の温度変化に伴う伸縮を抑制し、燃焼圧力測定の誤差の発生を抑制できる。
【0041】
また、グロープラグ100では、空隙g1を立位部185に設けているので、空隙g1の断熱効果による第1層191の伸縮の抑制効果を、より顕著に得ることができる。立位部185は、軸線方向ADにおいて図示しない燃焼室と対向するため、開口部125から流入する燃焼ガスが直接当たって昇温され易いからである。
【0042】
また、グロープラグ100では、空隙g1を径方向RDにおける外周側に配置しているので、径方向RDにおける内周側に配置する構成に比べて、空隙g1の大きさ(体積)をより大きくすることができる。したがって、空隙g1の断熱効果による第1層191の伸縮の抑制効果を、より顕著に得ることができる。加えて、第2屈曲部189は、第1屈曲部188に比べて径方向RDにおける外周側に位置しているため、第2屈曲部189の表面積(軸線ALを中心とした回転体の表面積)は、第1屈曲部188の表面積よりも大きい。したがって、第2屈曲部189は、第1屈曲部188に比べて、グロープラグ100内部に流入した燃焼ガスに曝されてより熱を受け易い。このような第2屈曲部189に空隙g1を形成しているので、第1屈曲部188に空隙g1を形成する構成に比べて、空隙g1による断熱効果をより向上できる。
【0043】
また、立位部185は、第1屈曲部188および第2屈曲部189を有するので、第1屈曲部188および第2屈曲部189を有さず、平面状である構成に比べて、膜部180全体としての剛性を向上できる。
【0044】
また、第1屈曲部188および第2屈曲部189の断面形状をR形状としているので、単位体積当たりの表面積を大きくすることができる。このため、第2屈曲部189においてより多くの熱を受けることができ、空隙g1による断熱効果をより顕著に得ることができる。
【0045】
また、第1層191と第2層192とは、第1筒状部181と第1屈曲部188と第2筒状部182とにおいて互いに接触しているので、かかる接触部分において、互いに支え合うことができる。このため、第1層191と第2層192とが、互いに接触せずに配置されている構成に比べて、膜部180全体としての剛性を向上できる。
【0046】
また、空隙g1の径方向RDの最大長さは、第1筒状部181における第1層191の厚さよりも大きいので、かかる最大長さが第1層191の径方向RDの長さよりも小さい構成に比べて、空隙g1を大きくすることができる。このため、空隙の断熱効果による第1層191の伸縮抑制効果を、より顕著に得ることができる。
【0047】
B.第2実施形態:
図4は、第2実施形態のグロープラグの膜部近傍の拡大断面図である。
図4では、
図2に示す第1実施形態における領域Ar1と同じ位置および大きさの領域Ar1の拡大断面図を示している。
【0048】
第2実施形態のグロープラグは、膜部180aの詳細構成において、第1実施形態のグロープラグ100と異なり、他の構成は、第1実施形態のグロープラグ100と同じである。
【0049】
図4に示すように、第2実施形態の膜部180aは、立位部185aを備えている。立位部185aは、第1屈曲部188aと、第2屈曲部189aとを備えている。第1屈曲部188aは、空隙g2を備えている点において、第1実施形態における第1屈曲部188と異なり、他の構成は第1実施形態の第1屈曲部188と同じである。
図4に示すように、空隙g2は、第1層191aと、第2層192aとの間に形成されている。第1屈曲部188aは、径方向RDにおける内周側に位置しているため、空隙g2も径方向RDにおける内周側に位置している。
【0050】
第2屈曲部189aは、空隙g1に代えて空隙g3を備えている点において、第1実施形態の第2屈曲部189と異なり、他の構成は第1実施形態の第2屈曲部189と同じである。
図4に示すように、空隙g3は、第1実施形態の空隙g1よりも大きい。なお、空隙g3の大きさを第1実施形態の空隙g1の大きさ以下としてもよい。
【0051】
第1屈曲部188aと第2屈曲部189aとの接続部分c1において、第1層191aと第2層192aとは互いに接触している。換言すると、立位部185aにおいて、第1層191aと第2層192aとは、接続部分c1においてのみ互いに接触している。なお、
図4に示すように、接続部分c1は、径方向RDにおいて、第1屈曲部188aと第2屈曲部189aとの中間位置よりも、第1屈曲部188a側に位置している。
【0052】
以上の構成を有する第2実施形態のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグ100と同様の効果を有する。加えて、第1屈曲部188aの空隙g3に加えて、第2屈曲部189aの空隙g2が設けられているので、これら2つの空隙g2,g3の断熱効果により、第1層191aの温度変化に伴う伸縮をより抑制できる。
【0053】
また、空隙g2と空隙g3との間において、2つの層191a,192aを互いに接触させているので、空隙の合計体積を大きくしつつ、膜部180a全体としての剛性を向上できる。すなわち、空隙部分は膜部180aの剛性に寄与しないため、空隙g2と空隙g3とを合わせた大きな空隙を1つ設ける構成では、膜部180a全体としての剛性は低い。これに対して、第2実施形態のように、空隙を2つ設けて、その間(接続部分c1)において2つの層191a,192aを互いに接触させる構成では、膜部180a全体としての剛性は高い。
【0054】
また、接続部分c1において、第1層191aと第2層192aとが互いに接触するので、立位部185aの剛性を向上できる。加えて、接続部分c1は、径方向RDにおいて、第1屈曲部188aと第2屈曲部189aとの中間位置よりも、第1屈曲部188a側に位置している。このため、立位部185aにおけるより内周側の剛性を向上できるので、第1層191aのうち、内周側に位置し、シース管152と接触する部分の温度変化に伴う伸縮を抑制できる。
【0055】
なお、上述した第2実施形態において、第1筒状部181と接続部分c1と182とは、請求項における接触部に相当する。また、接続部分c1は請求項における屈曲部間接触部に、空隙g2は請求項における第1空隙部に、空隙g3は請求項における第2空隙部に、それぞれ相当する。
【0056】
C.第3実施形態:
図5は、第3実施形態のグロープラグの膜部近傍の拡大断面図である。
図5では、
図2に示す第1実施形態における領域Ar1と同じ位置および大きさの領域Ar1の拡大断面図を示している。
【0057】
第3実施形態のグロープラグは、膜部180bの詳細構成において、第1実施形態のグロープラグ100と異なり、他の構成は、第1実施形態のグロープラグ100と同じである。
【0058】
図5に示すように、第3実施形態の膜部180bは、立位部185bを備えている。立位部185bは、第1屈曲部188bと、第2屈曲部189bとを備えている。第1屈曲部188bは、第2屈曲部189bとの接続部分において第1層191bと第2層192bとが接触していない点において、第1実施形態の第1屈曲部188と異なり、他の構成は第1実施形態の188と同じである。同様に、第2屈曲部189bは、第1屈曲部188bとの接続部分において第1層191bと第2層192bとが接触しない点において、第1実施形態の第2屈曲部189と異なり、他の構成は、第1実施形態の第2屈曲部189と同じである。したがって、
図5に示すように、立位部185bには、径方向RDにおける内周側から外周側に至る大きな空隙g4が形成されている。
【0059】
以上の構成を有する第3実施形態のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグ100と同様の効果を有する。加えて、立位部185bには、径方向RDにおける内周側から外周側に至る大きな空隙g4が形成されているので、空隙g4の断熱効果により、第1層191bの温度変化に伴う伸縮を大きく抑制できる。なお、上述した第3実施形態において、第1筒状部181および第2筒状部182は、請求項における接触部に相当する。
【0060】
D.第4実施形態:
図6は、第4実施形態のグロープラグの膜部近傍の拡大断面図である。
図6では、
図2に示す第1実施形態における領域Ar1と同じ位置および大きさの領域Ar1の拡大断面図を示している。
【0061】
第4実施形態のグロープラグは、膜部180cの詳細構成において、第1実施形態のグロープラグ100と異なる。加えて、第2筒状部182aが突出部187を備えている点において、第1実施形態のグロープラグ100と異なる。第4実施形態のグロープラグにおける他の構成は、第1実施形態のグロープラグ100と同じである。
【0062】
図6に示すように、第4実施形態の膜部180cは、立位部185cを備えている。立位部185cは、第1屈曲部188cと、第2屈曲部189cとを備えている。第1屈曲部188cは、曲率半径が若干小さい点において、第1実施形態の第1屈曲部188と異なり、他の構成は、第1実施形態の第1屈曲部188と同じである。なお、第1屈曲部188cの曲率半径を、第1実施形態の第1屈曲部188の曲率半径以上としてもよい。
【0063】
第2屈曲部189cは、空隙g1を備えていない点において、第1実施形態の第2屈曲部189と異なり、他の構成は、第1実施形態の第2屈曲部189と同じである。すなわち、第1層191cと、第2層192cとは、第2屈曲部189cの任意の位置において、互いに接触している。
【0064】
図6に示すように、第4実施形態の第2筒状部182aは、突出部187を備えている。突出部187は、第2筒状部182の他の部分に比べて、径方向RDにおいて内周側から外周側に向かって突出している。突出部187は、径方向RDにおいて内周側から外周側に向かって突出している第2層192cによって形成されている。ここで、第1層191cは、突出部187において、径方向RDにおいて内周側から外周側に向かって突出していない。したがって、突出部187において、第1層191cと第2層192cとの間には、空隙g5が形成されている。
【0065】
以上の構成を有する第4実施形態のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグ100と同様の効果を有する。加えて、空隙g5を、開口部125に近い位置に設けているので、第1層191cのうち、燃焼ガスの熱をより受け易い部分における温度変化に伴う伸縮を抑制することができる。このため、第1層191cの温度変化に伴う伸縮をより抑え、燃焼圧力測定の誤差の発生をより抑えることができる。
【0066】
なお、上述した第4実施形態において、第1筒状部181と、立位部185cと、第2筒状部182aのうち突出部187を除いた他の部分とは、請求項における接触部に相当する。上述した第4実施形態からも理解できるように、膜部における任意の位置において、空隙部を設けてもよい。
【0067】
E.第5実施形態:
図7は、第5実施形態のグロープラグの膜部近傍の拡大断面図である。
図7では、
図2に示す第1実施形態における領域Ar1と同じ位置および大きさの領域Ar1の拡大断面図を示している。
【0068】
第5実施形態のグロープラグは、膜部180dが三層構造を有している点と、各層の間に、合計2つの空隙g6,g7を備えている点とにおいて、第1実施形態のグロープラグ100と異なり、他の構成は、第1実施形態のグロープラグ100と同じである。
【0069】
図7に示すように、第5実施形態の膜部180dは、第1層191dと、第2層192dと、第3層193dと、空隙g6と、空隙g7とを備えている。第1層191dは、厚さが若干小さい点を除き、第1実施形態の第1層191と同様の構成を有する。同様に、第2層192dは、厚さが若干小さい点を除き、第1実施形態の第2層192と同様の構成を有する。なお、第1層191dの厚さを第1実施形態の第1層191の厚さ以上としてもよい。同様に、第2層192dの厚さを第1実施形態の第2層192の厚さ以上としてもよい。
【0070】
第3層193dは、第1層191dおよび第2層192dと同様に、SUS(ステンレス)により形成されており、かつ、軸線ALと一致する軸線を有する筒状の外観形状を有する。なお、第3層193dの厚さは、第1層191dの厚さおよび第2層192dの厚さと同じである。
【0071】
第5実施形態の膜部180dは、第1実施形態の膜部180と同様に、第1筒状部181dと、立位部185dと、第2筒状部182dとを備えている。第1筒状部181dは、三層構造を有する点において、第1実施形態の第1筒状部181と異なり、他の構成は、第1実施形態の第1筒状部181と同じである。同様に、第2筒状部182dは、三層構造を有する点において、第1実施形態の第2筒状部182と異なり、他の構成は、第1実施形態の第2筒状部182と同じである。3つの層191d,192d,193dは、第1筒状部181dおよび第2筒状部182dにおいて、径方向RDにおける外周側から内周側に向かって、第3層193d、第2層192d、第1層191dの順序で配置されている。なお、溶接部200aは、3つの層191d,192d,193dを一括打ち抜きするレーザー溶接により形成されている。同様に、溶接部212aは、3つの層191d,192d,193dを一括打ち抜きするレーザー溶接により形成されている。
【0072】
立位部185dは、第1屈曲部188dと、第2屈曲部189dとを備えている。第1屈曲部188dは、三層構造を有する点において、第1実施形態の第1屈曲部188と異なり、他の構成は、第1実施形態の第1屈曲部188と同じである。第1屈曲部188dの任意の位置において、第1層191dと第2層192dとは互いに接触すると共に、第2層192dと第3層193dとは互いに接触する。
【0073】
第2屈曲部189dは、第1層191dと、第2層192dと、第3層193dと、空隙g6と、空隙g7とにより構成されている。空隙g6は、第3層193dと第2層192dとの間に形成されている。空隙g7は、第2層192dと第1層191dとの間に形成されている。第2屈曲部189dにおいて、第3層193dと、空隙g6と、第2層192dと、空隙g7と、第1層191dとは、軸線方向ADに沿って他端部252から一端部251に向かう方向に見て、この順序で並んで配置されている。
【0074】
以上の構成を有する第5実施形態のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグ100と同様の効果を有する。加えて、第2屈曲部189dにおいて、第1層191dよりも先端側には、2つの空隙g6,g7と、2つの層(第3層193dおよび第2層192d)とが配置されている。したがって、これら2つの空隙g6,g7および2つの層193d,192dにより、より高い断熱効果を得ることができる。このため、第1層191dの温度変化に伴う伸縮をより抑え、燃焼圧力測定の誤差の発生をより抑制することができる。
【0075】
上述した第5実施形態において、第1筒状部181dと、第1屈曲部188dと、第2筒状部182dとは、請求項における接触部に相当する。なお、2つの層191d,192dにおいては、第1層191dは請求項における第1層に、第2層192dは請求項における第2層に、それぞれ相当する。また、2つの層192d,193dにおいては、第2層192dは請求項における第1層に、第3層193dは請求項における第2層に、それぞれ相当する。
【0076】
F.第6実施形態:
図8は、第6実施形態のグロープラグの膜部近傍の拡大断面図である。
図8では、
図2に示す第1実施形態における領域Ar1と同じ位置および大きさの領域Ar1の拡大断面図を示している。
【0077】
第6実施形態のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグ100における第1層191に代えて第1層191eを備えている。また、第6実施形態のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグ100における第2層192に代えて第2層192eを備えている。第6実施形態のグロープラグにおける各層191e,192eの形状は、第1実施形態のグロープラグ100における各層191,192の形状と異なる。第6実施形態のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグ100とは異なり、溶接部213aを備えている。なお、第6実施形態のグロープラグの他の構成は、第1実施形態のグロープラグ100と同じである。
【0078】
第1層191eは、第1外側筒状部11eと、第1内側筒状部13eと、第1接続部15eとを備えている。第1外側筒状部11eは、後述する第1筒状部181eの一部を構成する。第1接続部15eは、後述する立位部185eの一部を構成する。第1外側筒状部11eと第1内側筒状部13eとは、いずれも軸線ALと一致する軸線を有し、軸線方向ADに延びる円筒状の外観形状を有している。第1内側筒状部13eは、第1外側筒状部11eと比べて、径方向RDに沿って内周側(内側)に配置されている。第1外側筒状部11eと、第1内側筒状部13eとは、径方向RDに見て互いに重なっている。第1内側筒状部13eは、溶接部213によりシース管152と溶接接続されている。第1接続部15eは、第1外側筒状部11eと第1内側筒状部13eとを接続する。第1接続部15eは、先端側に向かって凸状の外観形状を有する。
【0079】
第2層192eは、第2外側筒状部21eと、第2内側筒状部22eと、第2接続部25eとを備えている。第2外側筒状部21eは、後述する第1筒状部181eの一部を構成する。第2接続部25eは、後述する立位部185eの一部を構成する。第2外側筒状部21eと第2内側筒状部22eとは、いずれも軸線ALと一致する軸線を有し、軸線方向ADに延びる円筒状の外観形状を有している。第2内側筒状部22eは、第2外側筒状部21eに比べて、径方向RDにおける内周側(内側)に配置されている。第2外側筒状部21eと、第2内側筒状部22eとは、径方向RDに見て互いに重なっていない。具体的には、第2内側筒状部22eは、第2外側筒状部21eに対して先端側に配置されている。
【0080】
第2接続部25eは、第2外側筒状部21eと第2内側筒状部22eとを接続する。第2接続部25eは、中央に貫通孔を有し、径方向RDに延びる円盤状の外観形状を有する。かかる外観形状を換言すると、厚さ方向が軸線方向ADと一致し、厚さ方向に形成された貫通孔を中央に有する外観形状である。第2接続部25eが有する貫通孔の大きさ(直径)は、第2内側筒状部22eの直径(内径)とほぼ一致する。第2接続部25eと第2外側筒状部21eとは、略直角に交わる。同様に、第2接続部25eと第2内側筒状部22eとは略直角に交わる。
【0081】
第6実施形態の膜部180eの構造は、上述した多層構造とは異なる観点から、以下に示す構造として捉えることができる。すなわち、膜部180eは、第1筒状部181eと、第2筒状部182eと、第3筒状部183eと、立位部185eとを備えている。
【0082】
第1筒状部181eは、第1実施形態における第1筒状部181と同様な構成を有する。第2筒状部182eは、第2層192eのみ(第2内側筒状部22eのみ)で構成されている点において、第1実施形態の第2筒状部182と異なり、他の構成は、第1実施形態の第2筒状部182と同じである。なお、第2筒状部182eの先端側の端部は、溶接部212bにより、シース管152と溶接接続されている。第3筒状部183eは、前述の第1内側筒状部13eにより構成されている。
【0083】
立位部185eは、第1筒状部181eと第3筒状部183eとを接続する。また、立位部185eは、第1筒状部181eと第2筒状部182eとを、第2筒状部182eと第3筒状部183eとを、それぞれ接続する。立位部185eは、前述の第2接続部25eおよび第1接続部15eと、空隙g8と、空隙g9とを有する。
【0084】
第1接続部15eと、第2接続部25eとは、立位部185eにおける径方向RDに沿った中央点p1で、互いに接している。空隙g8は、中央点p1よりも内周側に配置され、第1接続部15eと第2接続部25eとシース管152の外周面とで囲まれた空隙として形成されている。空隙g9は、中央点p1よりも外周側において、第1接続部15eと第2接続部25eとの間に形成されている。
【0085】
以上説明した第6実施形態のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグ100と同様の効果を有する。なお、上述した第6実施形態においては、第1筒状部181eと中央点p1とが、請求項における接触部に相当する。
【0086】
G.第7実施形態:
図9は、第7実施形態のグロープラグの膜部近傍の拡大断面図である。
図9では、
図2に示す第1実施形態における領域Ar1と同じ位置および大きさの領域Ar1の拡大断面図を示している。
【0087】
第7実施形態のグロープラグでは、膜部180fの構造が、第1層191eに代えて第1層191fを備えている点と、第3層193fを備えている点と、第1筒状部181eに代えて第1筒状部181fを備えている点と、溶接部200に代えて溶接部200bを備えている点と、溶接部201を備えている点と、立位部185eに代えて立位部185fを備えている点とにおいて、
図8に示す第6実施形態のグロープラグと異なり、他の構成は、第6実施形態のグロープラグと同じである。
【0088】
第7実施形態の第1層191fは、第1外側筒状部11eに代えて、第1外側筒状部11fを備えている点において、第6実施形態の第1層191eと異なり、他の構成は、第1層191eと同じである。第7実施形態の第1外側筒状部11fは、軸線方向ADの長さが、第1外側筒状部11eよりも短い。このため、
図9に示すように、第1外側筒状部11fは、センサ固定部材132と溶接接続されていない。
【0089】
第3層193fは、軸線ALと一致する軸線を有し、軸線方向AD方向に延びる筒状の外観形状を有する。第3層193fの後端の軸線方向AD方向の位置は、第2層192e(第2外側筒状部21e)の後端の軸線方向ADの位置と一致する。また、第3層193fの先端の軸線方向ADの位置は、第1外側筒状部11fの後端の軸線方向ADの位置よりも先端側に位置する。第3層193fは、軸線方向ADに沿った任意の位置で第2層192eと接すると共に、先端側において第1層191f(第1外側筒状部11f)と接する。したがって、
図9に示すように、第1筒状部181fの後端側は、第2層192eと第3層193fとの2層構造を有し、第1筒状部181fの先端側は、第2層192eと、第1層191fと、第3層193fとの3層構造を有する。
【0090】
溶接部200bは、第2層192e(第2外側筒状部21e)と第3層193fとをセンサ固定部材132に溶接接続する。溶接部201は、第3層193fの先端部と第1層191f(第1外側筒状部11f)とを溶接接続する。
【0091】
立位部185fは、空隙g9に代えて空隙g10を備えている点において、第6実施形態の立位部185eと異なり、他の構成は、第6実施形態の立位部185eと同じである。
図9に示すように、空隙g10は、第1接続部15eと、第2接続部25eと、第3層193fの端面とで囲まれた空隙として形成されている。
【0092】
以上説明した第7実施形態のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグ100と同様の効果を有する。加えて、第1層191fと、第2層192eとの間に第3層193fを配置し、第3層193fを介して第1層191fと第2層192eとを接合するので、第2外側筒状部21eと第1外側筒状部11fとが、製造バラツキや組み付け誤差等により、互いに軸線方向ADに沿って平行でない場合であっても、互いに接合させることができる。
【0093】
H.変形例:
H1.変形例1:
第1実施形態では、第1屈曲部188と第2屈曲部189とは直接接続されていたが、直接接続されることに代えて、径方向RDに沿って延びる部位(以下、「ストレート部」と呼ぶ)を介して接続される構成を採用してもよい。このようなストレート部は、第1層191と第2層192とが互いに接する二重構造を有し、第6実施形態における第2接続部25eと同様な外観形状を有する。このような構成によれば、膜部180(第1層191および第2層192)の加工を行い易い。なお、第2ないし第5実施形態においても、立位部を構成する2つの屈曲部の間にストレート部を設けてもよい。
【0094】
H2.変形例2:
第1実施形態では、第1層191の厚さと第2層192の厚さとは互いに同じであったが、第1層191の厚さと第2層192の厚さとを互いに異ならせてもよい。
【0095】
H3.変形例3:
第1実施形態では、膜部180は、第1層191および第2層192の二層構造を有し、第5実施形態では、膜部180dは、第1層191d、第2層192dおよび第3層193dの三層構造を有していたが、二層および三層に代えて、四層以上の任意の層数の多層構造を採用してもよい。このような多層構造であっても、隣接する2つの層の間に空隙を設けることにより、かかる空隙の断熱効果により、最も内側に位置する層の温度変化に伴う伸縮を抑えることができる。
【0096】
H4.変形例4:
第1ないし第6実施形態における第2層192,192a,192b,192c,192d,192eは、第1層191,191a,191b,191c,191d,191eと比較して、より小さい熱膨張率を有するとの特徴と、より大きな高温耐性を有するとの特徴とのうち、少なくとも一方を有することが好ましい。高温耐力は、例えば400℃等における0.2%耐力によって定義される。これら2つの特徴のいずれかを有することにより、温度変化に伴う第2層192,192a,192b,192c,192d,192eの伸縮をより抑えることができる。各実施形態では、第1層191,191a,191b,191c,191d,191eは第2層192,192a,192b,192c,192d,192eと溶接接合されているので、第2層192,192a,192b,192c,192d,192eの伸縮をより抑えることによって、第2層の伸縮に起因する(第2層の伸縮に伴って生じる)第1層の伸縮を抑制できる。第1層および第2層における熱膨張率の差異は、例えば、第1層191,191a,191b,191c,191d,191eをINCOLOY(登録商標)またはINCONEL(登録商標)で形成し、第2層192,192a,192b,192c,192d,192eをSUS(ステンレス)で形成することによって実現してもよい。また、上述のような高温耐性の特徴を有することにより、第1層の材料について選択の幅を広げることができる。すなわち、第1層191,191a,191b,191c,191d,191eは第2層192,192a,192b,192c,192d,192eに比べて高温になりにくいので、第1層191,191a,191b,191c,191d,191eの材料として、第2層192,192a,192b,192c,192d,192eに比べて高温耐力が小さい任意の材料を選択できる。
【0097】
H5.変形例5:
第1実施形態では、溶接部200および212は、第1層191および第2層192を一括打ち抜きするレーザー溶接により形成されていたが、本発明はこれに限定されない。
【0098】
図10は、変形例5のグロープラグにおける溶接部を示す説明図である。
図10(a)は、変形例5における溶接部の第1の態様を、
図10(b)は、変形例5における溶接部の第2の態様を、
図10(c)は、変形例5における第3の態様を、それぞれ示す。なお、
図10では、グロープラグ100において、第1層、第2層および溶接部を除く他の構成要素は省略している。
【0099】
図10(a)に示すように、変形例5の第1の態様の膜部180には、溶接部200に代えて、溶接部200cが形成されている。溶接部200cは、溶接部200とは異なり、第1層191および第2層192のうち、第1層191のみを、センサ固定部材132に接続する。
【0100】
図10(b)に示すように、変形例5の第2の態様の膜部180には、溶接部212に代えて溶接部212cが形成されている。溶接部212cは、溶接部212とは異なり、第1層191および第2層192のうち、第1層191のみを、シース管152に接続する。
【0101】
図10(c)に示すように、変形例5の第3の態様の膜部180gは、第1層191に代えて、第1層191gを備えている点と、溶接部200に代えて溶接部203および溶接部200dを備えている点と、溶接部212に代えて、溶接部202および溶接部212dを備えている点とにおいて、第1実施形態の膜部180と異なる。
【0102】
第1層191gは、第1実施形態の第1層191に比べて、軸線方向ADの長さが大きい。このため、
図10(c)に示すように、第1層191gの後端側の一部は、第2層192によって覆われていない。溶接部200dは、第1層191gにおいて第2層192に覆われていない後端部分を、センサ固定部材132に接続する。同様に、第1層191gの先端側の一部は、第2層192によって覆われておらず、溶接部212dは、第1層191gにおいて第2層192に覆われていない先端部分を、シース管152に接続する。以上の構成を有する変形例5のグロープラグは、第1実施形態のグロープラグと同様な効果を有する。なお、第2ないし第7実施形態のグロープラグの膜部を、上述した変形例5の第1ないし第3の態様の膜部と同様な構成としてもよい。
【0103】
なお、各実施形態において、第1筒状部181,181a〜181eをセンサ固定部材132に接続するための溶接箇所は1箇所(溶接部200、200a)であったが、複数個所としてもよい。同様に、各実施形態において、第2筒状部182,182a〜182eをシース管152に接続するための溶接箇所は1箇所(溶接部212、212a、212b)であったが、複数個所としてもよい。なお、これらの構成においては、
図10に示す第1ないし第3の態様とは異なり、複数の溶接箇所のいずれもが、二層または三層を一括打ち抜きするレーザー溶接であってもよい。
【0104】
H6.変形例6:
各実施形態では、多層構造を構成する各層は、いずれもSUS(ステンレス)により形成されていたが、SUS(ステンレス)に代えて、炭素鋼などの任意の金属により形成してもよい。また、各層を、互いに異なる種類の金属により形成してもよい。また、各層のうち、少なくとも一つの層を、金属に代えて、金属間化合物により形成してもよい。
【0105】
H7.変形例7:
各実施形態では、第1筒状部181および第2筒状部182は、軸線方向ADに延びる形状であったが、軸線方向ADの成分を含む任意の方向に沿って延びる形状としてもよい。
【0106】
H8.変形例8:
各実施形態では、ヒータ部150として、シース管152と発熱コイル154と絶縁粉末155とを備えるヒータが用いられていたが、かかるヒータに代えて、セラミックヒータを用いて構成されたヒータを採用してもよい。具体的には、セラミックヒータとセラミックヒータの外周面に固定された筒状の金属製外筒との組立体を、ヒータ部150として用いてもよい。かかる構成においては、膜部の第2筒状部は、金属製外筒に結合される。
【0107】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。