(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド部は、前記被ガイド部に係合される際に、前記吸引管の先端の位置よりも前記試薬容器側の位置で前記試薬容器収容具の前記被ガイド部と係合を開始するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の検体分析装置。
前記吸引管保持部の色と、前記吸引管保持部が保持した前記吸引管が進入する前記試薬容器のうち少なくとも一部の色とは、同一または類似である、請求項11に記載の検体分析装置。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態による検体分析システムを模式的に示した図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による検体分析システムの外観を示した斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第1試薬容器設置部および第2試薬容器設置部を示した斜視図である。
【
図4】
図15の500−500線に沿った断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第1試薬容器の斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第1試薬容器の平面図である。
【
図7】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第2試薬容器の斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第2試薬容器の平面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第1試薬容器収容具の平面図である。
【
図10】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第1試薬容器収容具の側面図である。
【
図11】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第1試薬容器収容具をY1側から見た図である。
【
図12】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第2試薬容器収容具の平面図である。
【
図13】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第2試薬容器収容具の側面図である。
【
図14】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第2試薬容器収容具をY1側から見た図である。
【
図15】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第1試薬容器設置部および第2試薬容器設置部をY2側から見た図である。
【
図16】本発明の第1実施形態による検体分析システムの試薬吸引部をX2側から見た図である。
【
図17】本発明の第1実施形態による検体分析システムの試薬吸引部をY2側から見た図である。
【
図19】本発明の第1実施形態による検体分析システムの試薬吸引部をZ2側から見た図である。
【
図20】本発明の第1実施形態による検体分析システムの第1試薬容器設置部に設置した第1試薬容器に試薬吸引部を装着する動作を説明するための図である。
【
図21】本発明の第2実施形態による検体分析システムの第1試薬容器の斜視図である。
【
図22】本発明の第2実施形態による検体分析システムの第1試薬容器の平面図である。
【
図23】本発明の第2実施形態による検体分析システムの第1試薬容器の側面図である。
【
図24】本発明の第2実施形態による検体分析システムの第1試薬容器のY1側から見た図である。
【
図25】本発明の第2実施形態による検体分析システムの第2試薬容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1実施形態)
まず、
図1〜
図20を参照して、本発明の第1実施形態による検体分析システム1の構成について説明する。
【0013】
本発明の第1実施形態による検体分析システム1は、
図1に示すように、検体分析装置2と、白血球分類を行う際に使用される第1試薬容器3aおよび網状赤血球についての分析を行う際に使用される第2試薬容器3bと、第1試薬容器収容具4aおよび第2試薬容器収容具4bとから構成されている。
【0014】
検体分析装置2は、検体である血液の測定を行う。具体的には、検体分析装置2は、サンプル容器150から血液を吸引して、吸引した血液から検出用試料を調製する。そして、検体分析装置2は、検出用試料から血液の白血球分類および網状赤血球についての分析を行う。
【0015】
検体分析装置2は、
図2に示すように、筺体2aにより本体の外形が構成されている。また、検体分析装置2は、筺体2aから試薬容器設置部221(
図3参照)を出し入れするための引出部2bを筺体2aの左側面に備えている。これにより、通常の使用時などの試薬容器を交換しない場合に、試薬容器設置部221を筺体2aに収めておくことができる。また、検体分析装置2は、筺体2aのY2方向側の前面に表示部2cを備えている。また、表示部2cは、検体分析システム1により分析された分析結果などの情報を表示する機能を有する。なお、Y2方向は、検体分析装置2の前側方向である。また、Y1方向は、検体分析装置2の後側方向である。なお、検体分析装置2については、後で詳細に説明する。
【0016】
試薬容器設置部221は、
図3に示すように、第1試薬容器3aを設置する第1試薬容器設置部221aと、第2試薬容器3bを設置する第2試薬容器設置部221bとを含んでいる。第1試薬容器3aは、第1試薬容器収容具4aに収容された状態で第1試薬容器設置部221aに設置される。第2試薬容器3bは、第2試薬容器収容具4bに収容された状態で第2試薬容器設置部221bに設置される。また、第1試薬容器設置部221aは、
図4に示すように、凹部2211を含んでいる。また、第1試薬容器設置部221aは、第1試薬容器3aを収容した第1試薬容器収容具4aが凹部2211に嵌り込むように構成されている。また、第1試薬容器設置部221aと同様、第2試薬容器設置部221bは、図示しない凹部を含んでいる。また、第2試薬容器設置部221bは、第2試薬容器3bを収容した第2試薬容器収容具4bが凹部に嵌り込むように構成されている。なお、第1試薬容器設置部221aおよび第2試薬容器設置部221bについては、後で詳細に説明する。
【0017】
次に、検体分析装置2に設置される第1試薬容器3aおよび第2試薬容器3bの構成について詳細に説明する。
【0018】
図5に示すように、第1試薬容器3aは、白血球分類測定に用いられる白血球核酸を染色する染色液を収容している。第1試薬容器3aは、第1部分31aと、第2部分32aと、第3部分33aと、開口34aと、底部35aとを含んでいる。また、第1試薬容器3aには、試薬情報を表示したラベル36aがY2側の側面を覆うように貼付されている。ラベル36aは、一部が青色である。底部35aは、第1試薬容器3aのY1側がY2側よりも低くなるように傾斜して形成されている。
【0019】
第1部分31aは、
図6に示すように、X方向において、幅W1を有する。また、第2部分32aは、第1部分31aよりも広い幅W2を有する。また、第3部分33aは、第1部分31aと第2部分32aとを接続するように構成されている。また、第1部分31aおよび第2部分32aは、Y方向に平行に形成されている。また、第1試薬容器3aは、Y方向において、長さL1を有している。
【0020】
開口34aは、第1部分31aのZ1側に設けられている。また、開口34aは、第1部分31aのY1側の端部近傍に設けられている。なお、Z1方向は、検体分析装置2の上側方向である。また、Z2方向は、検体分析装置2の下側方向である。
【0021】
図7に示すように、第2試薬容器3bは、網状赤血球測定に用いられる網状赤血球を染色する染色液を収容している。第2試薬容器3bは、本体部31bと、開口32bとを含んでいる。また、本体部31bは、Y1側がY2側よりも低くなるように傾斜した底部33bを含んでいる。また、第2試薬容器3bは、第1試薬容器3aとは異なる形状を有している。また、第2試薬容器3bには、試薬情報を表示したラベル34bがY2側の側面を覆うように貼付されている。ラベル34bは、一部が赤色である。
【0022】
図8に示すように、本体部31bは、X方向において、略一定の幅W1を有している。すなわち、本体部31bは、X方向において、第1試薬容器3aの第1部分31aの幅W1と略等しい幅を有している。また、本体部31bは、Y方向において、長さL2を有している。
【0023】
開口32bは、本体部31bのZ1側に設けられている。また、開口32bは、本体部31bのY1側の端部近傍に設けられている。
【0024】
次に、第1試薬容器収容具4aおよび第2試薬容器収容具4bの構成について詳細に説明する。
【0025】
第1試薬容器収容具4aは、
図9に示すように、上面に開口を有した有底のケース状に形成されている。第1試薬容器収容具4aは、第1部分41aと、第2部分42aと、第3部分43aと、第4部分44aとを含んでいる。また、第1試薬容器収容具4aは、
図10に示すように、第1試薬容器3aの底部35aに対応する形状の底部45aを含んでいる。また、第1試薬容器収容具4aは、被ガイド部46aと、第1試薬容器収容具4aの下端近傍に形成された爪部47aとを含んでいる。また、第1試薬容器収容具4aは、
図11に示すように、第1部分41aのZ1側に形成された切欠48aを含んでいる。
【0026】
図9に示すように、第1部分41aは、X方向において、内面間の幅がW1になるように形成されている。また、第2部分42aは、X方向において、内面間の幅がW2になるように形成されている。また、第3部分43aは、X方向において、内面間の最大幅がW3になるように形成されている。また、第4部分44aは、第1部分41aと第3部分43aとを連結するように形成されている。また、第2部分42aの幅W2は、第1部分41aの幅W1よりも大きい。また、第3部分43aの幅W3は、第2部分42aの幅W2よりも大きい。
【0027】
また、第1部分41aおよび第2部分42aは、第1試薬容器3aの第1部分31aおよび第2部分32aのそれぞれを挟み込むように構成されている。また、第1試薬容器収容具4aは、Y方向において、内面間の長さが第1試薬容器3aの長さL1と略同じになるように形成されている。これにより、第1試薬容器収容具4aは、第1試薬容器3aをX方向およびY方向に固定する。
【0028】
また、第1試薬容器収容具4aは、第1試薬容器収容具4aに収容された第1試薬容器3aの側面と、第1試薬容器収容具4aの第3部分43aの内面および第4部分44aの内面とがクリアランスC1を有するように構成されている。これにより、検体分析システム1が気圧が低い場所で使用された際に第1試薬容器3aがX方向に膨張した場合でも、膨張した体積をクリアランスC1により吸収することが可能である。なお、
図9では、第1試薬容器収容具4aに収容された第1試薬容器3aを点線で示している。
【0029】
図10に示すように、被ガイド部46aは、後述する吸引管223aを第1試薬容器3aに進入させた状態と、吸引管223aを第1試薬容器3aから退出させた状態とを取り得るように、吸引管保持部224aを第1試薬容器3aに対してガイドするように構成されている。被ガイド部46aは、2つの被ガイドレール461aおよび2つの被ガイドレール462aにより構成されている。被ガイドレール461aは、第1部分41aのX1側およびX2側の外側面にそれぞれ設けられている。また、被ガイドレール462aは、第4部分44aのX1側およびX2側の外側面にそれぞれ設けられている。被ガイドレール461aおよび462aは、Z方向に延びる直線状に形成されている。被ガイドレール461aおよび462aは、互いに略平行になるように形成されている。また、被ガイドレール461aの下端は、被ガイドレール462aの下端よりも下方に配置されている。被ガイドレール461aおよび462aの上端は、第1試薬容器収容具4aに収容された第1試薬容器3aの開口34a(
図4参照)よりも上方に設けられている。被ガイド部46aにより、簡易な構成で、吸引管223aの位置と第1試薬容器3aの開口34aの位置とを合わせて吸引管223aを第1試薬容器3aの開口34aに対して正確に進入させることができる。
【0030】
第2試薬容器収容具4bは、
図12に示すように、上面に開口を有した有底のケース状に形成されている。第2試薬容器収容具4bは、第1部分41bと、第2部分42bと、第3部分43bとを含んでいる。また、第2試薬容器収容具4bは、
図13に示すように、第2試薬容器3bの底部33bに対応する形状の底部44bを含んでいる。また、第2試薬容器収容具4bは、被ガイド部45bと、第1部分41bの下端近傍に形成された爪部46bとを含んでいる。また、第2試薬容器収容具4bは、
図14に示すように、第1部分41bのZ1側に切欠47bを含んでいる。
【0031】
図12に示すように、第1部分41bは、X方向において、内面間の幅がW1になるように形成されている。また、第2部分42bは、内面間の幅がW1になるように形成されている。また、第3部分43bは、内面間の最大幅がW4になるように形成されている。第3部分43bの幅W4は、第1部分41bおよび第2部分42bの幅W1よりも大きい。
【0032】
第1部分41bおよび第2部分42bは、第2試薬容器3bの本体部31bを挟み込むように構成されている。また、第2試薬容器収容具4bは、Y方向において、内面間の長さが第2試薬容器3bの長さL2と略同じ長さを有している。これにより、第2試薬容器収容具4bは、第2試薬容器3bをX方向およびY方向に固定する。
【0033】
また、第2試薬容器収容具4bは、第2試薬容器収容具4bに収容された第2試薬容器3bの側面と、第2試薬容器収容具4bの第3部分43bの内面とがクリアランスC2を有するように構成されている。これにより、検体分析システム1が気圧が低い場所で使用された際に第2試薬容器3bがX方向に膨張した場合でも、膨張した体積をクリアランスC2により吸収することが可能である。なお、
図12では、第2試薬容器収容具4bに収容された第2試薬容器3bを点線で示している。
【0034】
被ガイド部45bは、後述する吸引管223bを第2試薬容器3bに進入させた状態と、吸引管223bを第2試薬容器3bから退出させた状態とを取り得るように、吸引管保持部224bを第2試薬容器3bに対してガイドするように構成されている。被ガイド部45bは、
図13に示すように、2つの被ガイドレール451bおよび2つの被ガイドレール452bにより構成されている。被ガイドレール451bは、第1部分41bのX1側およびX2側の外側面にそれぞれ設けられている。また、被ガイドレール452bは、第3部分43bのX1側およびX2側の外側面にそれぞれ設けられている。被ガイドレール451bおよび452bは、Z方向に延びる直線状に形成されている。被ガイドレール451bおよび452bは、互いに略平行になるように形成されている。また、被ガイドレール451bの下端は、被ガイドレール452bの下端よりも下方に配置されている。また、第1試薬容器収容具4aの被ガイドレール461aおよび462aの上端が第1試薬容器収容具4aに収容された第1試薬容器3aの開口34aよりも上方に設けられているのと同様に、被ガイドレール451bおよび452bの上端は、第2試薬容器収容具4bに収容された第2試薬容器3bの開口32bよりも上方に設けられている。被ガイド部45bにより、簡易な構成で、吸引管223bの位置と第2試薬容器3bの開口32bの位置とを合わせて吸引管223bを第2試薬容器3bの開口32bに対して正確に進入させることができる。
【0035】
次に、検体分析装置2の構成について詳細に説明する。
【0036】
図1に示すように、検体分析装置2は、検体吸引部21と、試料調整部22と、検出部23と、排出部24と、制御装置25とを含んでいる。
【0037】
検体吸引部21は、検体用吸引管211によりサンプル容器150から血液を吸引して、流路を介して反応チャンバ231に排出するように構成されている。
【0038】
試料調整部22は、試薬容器設置部221と、試薬吸引部222と、反応チャンバ231とを主に含んでいる。なお、試薬容器設置部221は、第1試薬容器設置部221aおよび第2試薬容器設置部221bを含み、反応チャンバ231は、反応チャンバ231aおよび231bを含むが、
図1では簡略化して図示している。
【0039】
第1試薬容器設置部221aは、
図15に示すように、試薬容器取り出し側であるY2側の上端部の高さh1が、第1試薬容器設置部221aに第1試薬容器3aを設置した際の第1試薬容器3aの上端部の高さhの半分以下になるように構成されている。これにより、第1試薬容器設置部221aは、第1試薬容器3aをY2側に露出させることが可能である。また、第1試薬容器設置部221aは、第1試薬容器設置部221aの内壁面のうちY1側へ向かう途中から奥側の領域の上端部の高さh2が第1試薬容器設置部221aに第1試薬容器3aを設置した際の第1試薬容器3aの上端部の高さhよりも高い。これにより、より安定した状態で第1試薬容器3aを第1試薬容器収容具4aに設置することができる。また、第1試薬容器設置部221aは、吸引管保持部224aが第1試薬容器3aに装着された状態で、第1試薬容器3aを所定位置に転倒することなく設置可能なように構成されている。なお、高さの基準位置は、第1試薬容器設置部221aに設置された第1試薬容器3aの最も低い位置である。
【0040】
同様に、第2試薬容器設置部221bは、試薬容器取り出し側であるY2側の高さh1が、第2試薬容器設置部221bに第2試薬容器3bを設置した際の第2試薬容器3bの高さhの半分以下になるように構成されている。これにより、第2試薬容器設置部221bは、第2試薬容器3bをY2側に露出させることが可能である。また、第2試薬容器設置部221bは、第2試薬容器設置部221bの内壁面のうちY1側へ向かう途中から奥側の領域の高さh2が第2試薬容器設置部221bに第2試薬容器3bを設置した際の第2試薬容器3bの高さhよりも高い。また、第2試薬容器設置部221bは、吸引管保持部224bが第2試薬容器3bに装着された状態で、第2試薬容器3bを所定位置に転倒することなく設置可能なように構成されている。
【0041】
試薬吸引部222は、
図16に示すように、第1試薬容器3aから試薬を吸引する試薬吸引部222aと、第2試薬容器3bから試薬を吸引する試薬吸引部222bとから構成されている。
【0042】
試薬吸引部222aは、
図17に示すように、吸引管223aと、吸引管保持部224aと、側面225aと、開口部226aと、被ガイドレール461aおよび462aに係合するガイド部227a(
図19参照)とを含んでいる。また、Y2側以外の側面225aは、吸引管223aの側方を覆うカバー部230aとして機能する。カバー部230aによりユーザの手が吸引管223aに接触するのを抑制することができる。また、吸引管保持部224aは、
図18に示すように、爪部47aと嵌合する孔部228aと、吸引管223aを保持する部分の下側にパッキン229aとを含んでいる。
【0043】
試薬吸引部222aと同様に、試薬吸引部222bは、
図17に示すように、吸引管223bと、吸引管保持部224bと、側面225bと、開口部226bと、被ガイドレール451bおよび452bに係合するガイド部227b(
図19参照)とを含んでいる。また、Y2側以外の側面225bは、吸引管223bの側方を覆うカバー部230bとして機能する。カバー部230bによりユーザの手が吸引管223bに接触するのを抑制することができる。また、吸引管保持部224bは、
図18に示すように、爪部46bと嵌合する孔部228bと、吸引管223bを保持する部分の下側にパッキン229bとを含んでいる。また、吸引管保持部224aは青色である。また、試薬吸引部222bは赤色である。吸引管保持部224aの色と、第1試薬容器3aの試薬表示ラベルの一部の色とは、同一の色(青色)である。また、吸引管保持部224bの色と、第2試薬容器3bの試薬表示ラベルの一部の色とは、同一の色(赤色)である。これにより、対応する吸引管保持部224aおよび第1試薬容器3a、または、吸引管保持部224bおよび第2試薬容器3bの一致を目視により確認することができる。なお、試薬吸引部222aの吸引管223aおよび試薬吸引部222bの吸引管223bは、チューブ20(
図3参照)を介して、反応チャンバ231aおよび231bにそれぞれ接続されている。チューブ20は、試薬吸引部222aおよび222bを容易に第1試薬容器収容具4aおよび第2試薬容器収容具4bから取り出せる長さを有している。
【0044】
また、吸引管保持部224aおよび224bは、電波を透過可能な樹脂により形成されている。また、試薬吸引部222aおよび222bは、吸引管保持部224aおよび224bの色が異なる点を除いて、同様の構成を有している。このため、以下では、試薬吸引部222aについてのみ説明し、試薬吸引部222bの説明は省略する。
【0045】
吸引管223aは、
図17に示すように、第1試薬容器3a内の試薬を吸引するように構成されている。吸引管223aは、Z方向に延びるように形成されている。また、吸引管223aは、第1試薬容器3aの最深部近傍(
図4参照)に到達する長さを有している。
【0046】
吸引管保持部224aは、略直方体形状に形成されている。吸引管保持部224aは、内部に略直方体形状の空洞が形成されている。吸引管保持部224aは、吸引管223aを保持するように構成されている。
【0047】
開口部226aは、吸引管保持部224aのY2側の側面225aに設けられている。具体的には、開口部226aは、吸引管保持部224aが装着された第1試薬容器3aが第1試薬容器設置部221aに設置された状態で、Y2側の側面225aに設けられている。これにより、開口部226aを介して吸引管223aを視認することができるので、被ガイド部46aにより吸引管223aが第1試薬容器3aの開口34aに進入されたことを視認することができる。
【0048】
図19に示すように、ガイド部227aは、被ガイドレール461aおよび462aに係合して吸引管保持部224aを直線状にスライド移動させる機能を有する。また、ガイド部227aは、吸引管保持部224aの側面225aのうち被ガイドレール461aおよび462aの各々に当接する部分により構成されている。また、ガイド部227aは、X1側とX2側のそれぞれに設けられている。また、ガイド部227aは、Y1側とY2側のそれぞれに設けられている。また、ガイド部227aは、Z方向に沿って直線状に延びるように形成されている。また、Y2側のガイド部227aは、被ガイドレール462aに係合するように構成されている。また、Y1側のガイド部227aは、被ガイドレール461aに係合するように構成されている。また、吸引管保持部224aのガイド部227aは、被ガイドレール461aおよび462aに係合される際に、吸引管223aのZ側の先端よりも第1試薬容器3a側の位置で第1試薬容器収容具4aの被ガイドレール461aおよび462aと係合を開始するように構成されている。これにより、第1試薬容器収容具4aの被ガイド部46aと、吸引管保持部224aのガイド部227aとを係合させる際に、吸引管223aの先端が第1試薬容器収容具4aに接触するのを抑制することができる。また、ガイド部227aは、第1試薬容器3aの被ガイド部46aおよび第2試薬容器3bの被ガイド部45bの両方に係合可能な形状に形成されている。これにより、検体分析システム1を製造する際の部品の種類を削減することができる。
【0049】
また、孔部228aと第1試薬容器収容具4aの爪部47aとが嵌合することによって、吸引管保持部224aが第1試薬容器3aを収容した第1試薬容器収容具4aにセットされる。
【0050】
反応チャンバ231は、
図1に示すように、白血球分類用の試料を調整する反応チャンバ231aと、網状赤血球用の試料を調整する反応チャンバ231bとを含む。反応チャンバ231aは、白血球分類用試薬および検体の混合液を所定温度で加温するように構成されている。反応チャンバ231bは、網状赤血球用試薬および検体の混合液を所定温度で加温するように構成されている。
【0051】
検出部23は、反応チャンバ231aおよび231bから送液された検出用試料をフローサイトメトリー法により測定する機能を有する。検出部23で得られた検出結果は、制御装置25に送信される。検出処理が終了すると、検出部23に送られた検出用試料は、排出部24に送られる。
【0052】
排出部24は、測定済みの試料を排出するように構成されている。
【0053】
制御装置25は、パーソナルコンピュータからなり、CPU、記憶部などを含んでいる。制御装置25は、検出部23から送信された測定データを分析して、白血球分類と網状赤血球についての分析結果を生成する。
【0054】
次に、
図3および
図20を参照して、第1試薬容器3aおよび第2試薬容器3bを検体分析装置2に設置する設置方法について説明する。なお、第2試薬容器3bの設置方法は、第1試薬容器3aの設置方法と同様であるので、ここでは、第1試薬容器3aの設置方法について説明し、第2試薬容器3bの設置方法は省略する。
【0055】
まず、
図20に示すように、第1試薬容器3aを第1試薬容器収容具4aにセットする。
【0056】
次に、第1試薬容器3aがセットされた第1試薬容器収容具4aに試薬吸引部222aを取り付ける。この際、吸引管保持部224aのガイド部227aが、吸引管223aの先端の位置よりも第1試薬容器3a側の位置で第1試薬容器収容具4aの被ガイドレール461aおよび462aと係合を開始する。また、第1試薬容器収容具4aの切欠48aにより、吸引管223aが第1試薬容器収容具4aと接触するのを抑制することが可能である。
【0057】
この状態で、吸引管保持部224aをZ2側に移動する。これにより、第1試薬容器3aがセットされた第1試薬容器収容具4aへの試薬吸引部222aの装着が完了する。この際、孔部228aと第1試薬容器収容具4aの爪部47aとが嵌合することによって、吸引管保持部224aが第1試薬容器3aを収容した第1試薬容器収容具4aに固定された状態でセットされる。
【0058】
次に、
図3に示すように、第1試薬容器3aが収容され、試薬吸引部222aがセットされた第1試薬容器収容具4aを第1試薬容器設置部221aに配置する。以上の設置作業により、第1試薬容器3aが検体分析装置2に設置される。
【0059】
(第2実施形態)
以下、
図21〜
図25を参照して、本発明の第2実施形態による検体分析システム1aの構成について説明する。
【0060】
この第2実施形態では、第1試薬容器3aおよび第2試薬容器3bを、第1試薬容器収容具4aおよび第2試薬容器収容具4bのそれぞれに収容して検体分析装置2に設置した第1実施形態と異なり、第1試薬容器303aおよび第2試薬容器303bを、直接、第1試薬容器設置部221aおよび第2試薬容器設置部221bに収容する検体分析システム1aについて説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同じ符号を用いるとともに、説明を省略する。
【0061】
図21に示すように、第1試薬容器303aは、本体部331aと、開口332aと、被ガイド部333aと、下端近傍に形成された爪部334aとを含んでいる。また、第1試薬容器303aは、本体部331aのY1側かつZ1側に形成された切欠335aを含んでいる。また、第1試薬容器303aには、試薬情報を表示したラベル336aがY2側の側面を覆うように貼付されている。ラベル336aは、一部が青色である。
【0062】
開口332aは、
図22に示すように、本体部331aのZ1側に設けられている。また、開口332aは、本体部331aのY1側の端部近傍に設けられている。
【0063】
被ガイド部333aは、吸引管223aを第1試薬容器303aに進入させた状態と、吸引管223aを第1試薬容器303aから退出させた状態とを取り得るように、吸引管保持部224aを第1試薬容器303aに対してガイドするように構成されている。被ガイド部333aは、
図23に示すように、本体部331aのX1側およびX2側の外側面にそれぞれ設けられている。
【0064】
第2試薬容器303bは、
図25に示すように、本体部331bと、開口332bと、被ガイド部333bと、下端近傍に形成された爪部334bとを含んでいる。また、第2試薬容器303bは、本体部331bのZ1側に形成された切欠335bを含んでいる。また、第2試薬容器303bには、試薬情報を表示したラベル336bがY2側の側面を覆うように貼付されている。ラベル336bは、一部が赤色である。
【0065】
開口332bは、本体部331bのZ1側に設けられている。また、開口332bは、本体部331bのY1側の端部近傍に設けられている。
【0066】
被ガイド部333bは、吸引管223bを第2試薬容器303bに進入させた状態と、吸引管223bを第2試薬容器303bから退出させた状態とを取り得るように、吸引管保持部224bを第2試薬容器303bに対してガイドするように構成されている。被ガイド部333bは、本体部331bのX1側およびX2側の外側面にそれぞれ設けられている。
【0067】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0068】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0069】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明を血液などの検体を検査する検体分析装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、尿や遺伝子などの検体を検査する検体分析装置にも適用可能ある。
【0070】
また、上記第1および第2実施形態では、吸引管保持部がY2側に開口を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、吸引管保持部がY2側に開口を含まなくてもよい。
【0071】
また、上記第1および第2実施形態では、2種類の第1試薬容器と第2試薬容器とが検体分析システムに設置される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、1種類、または、3種類以上の試薬容器が検体分析システムに設置されてもよい。
【0072】
また、上記第1および第2実施形態では、吸引管保持部の色と試薬容器の一部の色とが同一である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、吸引管保持部の色と試薬容器の一部の色とが類似であってもよい。なお、類似する色とは、たとえば、青色、水色、および、紫色などの青系統の色や、赤色、橙色および桃色など赤系統の色など、視覚的に2つの色が同系統の色と認識される色を示す概念である。