特許第6130351号(P6130351)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プロドル メディテック,ソシエダッド.アノニマの特許一覧

<>
  • 特許6130351-照明付光学喉頭鏡 図000002
  • 特許6130351-照明付光学喉頭鏡 図000003
  • 特許6130351-照明付光学喉頭鏡 図000004
  • 特許6130351-照明付光学喉頭鏡 図000005
  • 特許6130351-照明付光学喉頭鏡 図000006
  • 特許6130351-照明付光学喉頭鏡 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130351
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】照明付光学喉頭鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/267 20060101AFI20170508BHJP
   A61B 1/273 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   A61B1/26
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-501673(P2014-501673)
(86)(22)【出願日】2012年3月20日
(65)【公表番号】特表2014-509911(P2014-509911A)
(43)【公表日】2014年4月24日
(86)【国際出願番号】ES2012000065
(87)【国際公開番号】WO2012131118
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2015年1月21日
(31)【優先権主張番号】P201100354
(32)【優先日】2011年3月28日
(33)【優先権主張国】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】513244384
【氏名又は名称】プロドル メディテック,ソシエダッド.アノニマ
【氏名又は名称原語表記】PRODOL MEDITEC,S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アチャ ガンダリアス,ペドロ
【審査官】 佐藤 高之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/102770(WO,A1)
【文献】 国際公開第99/039762(WO,A1)
【文献】 国際公開第98/019589(WO,A1)
【文献】 国際公開第96/025875(WO,A1)
【文献】 米国特許第05846183(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0261967(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/114621(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0261968(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/049694(WO,A1)
【文献】 特開2002−000732(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/120950(WO,A1)
【文献】 国際公開第01/078582(WO,A1)
【文献】 米国特許第06251069(US,B1)
【文献】 米国特許第06053166(US,A)
【文献】 国際公開第93/011700(WO,A1)
【文献】 米国特許第04884558(US,A)
【文献】 米国特許第04384570(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0249370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の口に適合させるための第1直管部と第2曲管部とを有する管状構造を備えた照明付光学喉頭鏡であって、
内部に光学システムを有し、上記曲管部にヒンジ構造を有する本体部(1)と
一端側が開口した管状構造を有し、内部に上記本体部(1)が挿入される、保護手段としてのケース(2)とを備え、
上記本体部(1)は上記ケース(2)に挿入されたときに上記曲管部の湾曲形状に適合することを特徴とする照明付光学喉頭鏡。
【請求項2】
上記本体部(1)の上記曲管部は、湾曲の外側部分に形成されたヒンジ(3)によって連結された複数の管部からなることを特徴とする請求項1に記載の照明付光学喉頭鏡。
【請求項3】
上記ケース(2)は、上記一端側に対して長手方向の反対側の端部に、患者の喉頭内への挿入を案内するためのタブ(4)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明付光学喉頭鏡。
【請求項4】
上記ケース(2)は、上記一端側に対して反対側の端部に透明領域を有していることを特徴とする請求項1に記載の照明付光学喉頭鏡。
【請求項5】
上記本体部(1)と上記ケース(2)との間に、上記ケース(2)が曇ることを防止するための加熱システムが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の照明付光学喉頭鏡。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、気管内への挿管の実施に関するものである。本発明は、気管内への挿管を有利な条件で行うことができ、かつ他の挿管のための機能的な装置に再利用可能な喉頭鏡を提供する。
【0002】
〔背景技術〕
気道の閉塞は意識障害を受けた患者に最もよく起こる回避可能な死の原因であり、そのような状況の影響を受けている人の回復のためには気道の確保が最も重要である。
【0003】
この目的のために、呼吸器系を遮るものがない状態にして機械的な呼吸を可能にするためのチューブを挿管可能にするために、舌の下部を保持する器具が用いられる。
【0004】
しかしながら、気道においていかなる行為を行う場合にも危険性を伴い、例えば患者の意識がない場合には、不適切な処置が重大な障害を引き起こし得るということを想定して頸部の損傷の可能性を考慮する必要がある。
【0005】
このため、気道への挿管は、適切な身体検査および放射線検査を行った後に実施することが理想的であるが、患者の状態が、その場で利用可能な手段によって即座に実行しなければならない状態である場合が多い。
【0006】
そのために、喉頭鏡と呼ばれる装置が利用される。喉頭鏡は、サイズが小さく、経口気管に挿管することを意図されている。医療専門家は、緊急時に備えて喉頭鏡をツールキットに入れて持ち運んでいる場合が多い。
【0007】
本願と出願人が同一である特許ES2160551には、直管部と曲管部とを有する管状体によって構成された喉頭鏡であって、上記管状体の一端側から他端側を観察するためのレンズおよび鏡からなる光学系を内部に有し、上記曲管部の上記他端側が透明部材によって閉止され、かつ照明される構成の喉頭鏡が開示されている。
【0008】
上記喉頭鏡は口を介して喉頭に容易に挿管可能な形状になっており、光学システムおよび照明システムが組み込まれているので、ミスのない挿管を容易にして喉頭内を観察できるようになっている。
【0009】
しかしながら、使用中に上記喉頭鏡の本体が患者の組織の直接触れるので、衛生上、上記本体部をその後に再利用することができず、廃棄しなければならない。
【0010】
〔発明の目的〕
本発明では、気管内への挿管の実施に好適であり、かつ当該喉頭鏡の本体部を再利用可能である、建設的かつ機能的な喉頭鏡を提案する。
【0011】
本発明の目的にかかる喉頭鏡は、当該喉頭鏡自体と保護手段としてのケースとを構成する本体部を有しており、これらの組立体は直管部と曲管部とを有している。上記本体部の上記曲管部は、ヒンジ部で連結され、一端側が開口し、他端側が閉止された管構造を構成する保護手段としてのケースを有している。また、上記他端部は透明であり、上記ケース内には上記本体部が挿入されている。
【0012】
上記本体部は、その内部に、後端部に配置されたレンズと、当該内部構造に沿って長手方向に連続して配置されたミラーおよびレンズと、前端部に配置された発光部とを有する光学システムを備えている。また、上記ケースには、上記閉止端から前方に向けて突出するタブが備えられている。
【0013】
これにより、以下に示す利点を有する喉頭鏡が得られる。
−口の内部に自動的に適合し、喉頭を視覚的に観察可能であり、挿管中に挿管作業を視覚的に確認でき、気管内への挿管を容易に行うことができる。
−意識のない患者の経口気管への挿管を患者の頸部に負荷をかけることなく行うことができる。
−特別なトレーニングを行うことなく、容易かつ迅速に用いることができる。
−喉頭内および気管内の異常の診断および矯正を行うことができる。
−上記喉頭鏡自体を構成する上記本体部は、保護ケース内に挿入されているので、上記本体部は挿管中に汚染されず、再利用可能であり、その後の挿管時には保護ケースのみを廃棄すればよい。
【0014】
したがって、本発明の目的にかかる上記喉頭鏡によれば、数々の有利な特徴が得られる。
【0015】
〔図面の説明〕
図1は、本発明に係る喉頭鏡の本体部における曲管部の側面図である。
【0016】
図2は、本発明に係る喉頭鏡の本体部における直管部の側面図である。
【0017】
図3は、保護ケース内に本体部を挿入する際の上記喉頭鏡における上記組立体の側面図である。
【0018】
図4は、保護ケース内に本体部が収容された時の上記喉頭鏡における上記組立体の側面図である。
【0019】
図5は、上記前端部の周りに設けられた環状体を有する上記喉頭鏡の上記組立体の側面図である。
【0020】
図6は、他の実施例にかかる光学システムを内部に組み込まれた喉頭鏡における本体部の側面図である。
【0021】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、本体部(1)あるいは喉頭鏡自体と、外部保護手段としてのケース(2)とを有し、これらの組立体が後端側に配置された直管部と前端側に配置された曲管部とを有する照明付光学喉頭鏡に関するものである。
【0022】
本体部(1)は、直管部の後端側が開口し、曲管部の前端側が透明部材で閉止された管状構造を有しており、上記開口端に配置されたレンズ(1.1)と曲管部に分散配置された鏡(1.2)とによって内部を目視可能にする光学システムと、図1に示す光源(5)を備えた照明システムとが組み込まれている。なお、図6に示すように、上記光学システムが、本体部(1)の内側に沿って配置された一連の相補型レンズ(1.3)と本体部(1)の前端部に配置されたプリズム(1.4)とをさらに備えていてもよい。
【0023】
本発明では、本体部(1)が、曲管部の外側部分に配置された複数のヒンジ(3)によって規定された湾曲を有している。これにより、直管部から挿入された本体部(1)はケース(2)の湾曲形状に適合し、喉頭鏡自身が本来有する機能、内部に配置された光学システムの機能、および喉頭鏡自身の他の機能に影響を及ぼさずに、図1に示す曲管部と図2に示す直管部とに適合する。
【0024】
ケース(2)は、直管部の後端側が解放され、曲管部の前端側が透明部材で閉止された、連続する管状構造を有している。これにより、本体部(1)はケース(2)の上記後端部から挿入され、上記組立体は一般的な喉頭鏡と同様に用いられるが、上記組立体における最も高価な部分である本体部(1)は、ケース(2)による保護が継続されるので、再利用することができる。本体部(1)は上記喉頭鏡の利用中に汚染されず、ケース(2)のみが廃棄される。
【0025】
ケース(2)は曲管部にヒンジ構造を有しており、上記ヒンジ構造はヒンジ部の間に当該領域から汚染されて本体部(1)に影響を及ぼすことを防止するための蛇腹形状からなる密閉手段を備えている。
【0026】
本体部(1)の光学システムを介して喉頭鏡の前方を見ることができなくなったり、見にくくなったりすることを防止するために、本体部(1)の前端部に本体部(1)の透明な端部およびケース(2)の透明な端部が曇ることを防止するための防曇加熱システム(6)を設けてもよい。
【0027】
防曇機能を実行するために、喉頭鏡を、防曇加熱システムによって生成された熱が近接あるいは接触して配置されたケース(2)に拡散する構成にしてもよい。
【0028】
また、上記ケース(2)の閉止された前端部から前方に突出するタブ(4)を備え、このタブ(4)により、患者の気管を介した喉頭鏡の挿管を容易にするとともに、喉頭蓋の下部を押し上げて保持し、気管への入口の視界を良好にするようにしてもよい。
【0029】
ケース(2)は、気管内チューブを挿入するための長手方向の通路を有していてもよい。図5に示すように、外部から効果的な方法で気管内の通気を確立し、喉頭鏡の周囲の患者の気道を密閉するために、ケース(2)の摺動位置の前部の周りに固体あるいは膨張可能な環状体を設けてもよい。環状体(7)は、チューブを介して気管内の通気の行わせるために、チューブを開かせる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る喉頭鏡の本体部における曲管部の側面図である。
図2】本発明に係る喉頭鏡の本体部における直管部の側面図である。
図3】保護ケース内に本体部を挿入する際の上記喉頭鏡における上記組立体の側面図である。
図4】保護ケース内に本体部が収容された時の上記喉頭鏡における上記組立体の側面図である。
図5】上記前端部の周りに設けられた環状体を有する上記喉頭鏡の上記組立体の側面図である。
図6】他の実施例にかかる光学システムを内部に組み込まれた喉頭鏡における本体部の側面図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6