(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130452
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】水ろ過材空気浄化装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/16 20060101AFI20170508BHJP
B01D 47/02 20060101ALI20170508BHJP
B01D 53/18 20060101ALI20170508BHJP
B01F 5/18 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
A61L9/16 Z
B01D47/02 B
B01D53/18 110
B01F5/18
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-167401(P2015-167401)
(22)【出願日】2015年8月27日
(65)【公開番号】特開2017-42381(P2017-42381A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2015年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】515236145
【氏名又は名称】蔡 宗信
(73)【特許権者】
【識別番号】515235872
【氏名又は名称】蔡 易達
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】蔡 宗信
(72)【発明者】
【氏名】蔡 易達
【審査官】
小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−330188(JP,A)
【文献】
実開平04−051954(JP,U)
【文献】
特開2012−139644(JP,A)
【文献】
特開2009−028579(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/157202(WO,A1)
【文献】
特開2011−083519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00− 9/22
B01D 53/34−53/85
B01D 53/14−53/18
B01D 47/00−47/18
B01F 1/00− 5/26
A47L 5/18
A47L 9/10− 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水タンク、水ポンプ、均圧装置、複数の吸気管、ハウジング及び溢水容器を包括する水ろ過材空気浄化装置であって、
前記水タンク内は、上方に開口を有して水を収容する収容空間を設け、前記水タンクの上部周辺は、前記収容空間と連通し合う複数の吸気孔と複数の排気孔とを分布するように設け、また、同じ前記水タンクの上方周辺は、前記水タンク上において、これ等吸気孔及びこれ等排気孔より低い位置に位置して前記収容空間と連通し合う排水孔を設け、
前記水ポンプは、前記水タンクの前記収容空間下方に設けられ、
前記均圧装置は、前記水ポンプと接続し、その周辺は、複数の噴流管を設け、且つその内部は、前記水ポンプ及びこれ等噴流管とそれぞれ連通し合う均圧チャンバを有し、
前記複数の吸気管の両端は、前記吸気孔及び前記噴流管とそれぞれ連通し合い、
前記ハウジングは、前記開口に対応するように前記水タンクの上端に設けられ、且つ前記ハウジング上に、前記水タンクと同じ複数の吸気孔と、貯水槽とが設けられ、これ等吸気孔は、これ等吸気管を介してこれ等噴流管とそれぞれ連通し合い、前記貯水槽の下端は、前記収容空間内にある水まで延在する入水管を接続し、
前記溢水容器は、前記排水孔に対応するように設置することで、前記排水孔から溢れ出した水を受けることを特徴とする水ろ過材空気浄化装置。
【請求項2】
これ等吸気孔のうちの一つの外側に設置するように接続する少なくとも一つの延伸管をさらに包括することを特徴とする請求項1に記載の水ろ過材空気浄化装置。
【請求項3】
前記吸気管が前記吸気孔に接続する一端の孔径内は、メネジを設け、前記延伸管の一端は、オネジを設け、前記延伸管の一端は、前記オネジを介して前記吸気管の前記メネジと螺設することを特徴とする請求項2に記載の水ろ過材空気浄化装置。
【請求項4】
前記収容空間の底部は、前記水ポンプを架設し且つ接続するように固定するための複数の支持部を凸設することを特徴とする請求項1に記載の水ろ過材空気浄化装置。
【請求項5】
前記貯水槽の上端は、貯水用開口及び前記貯水用開口の上方に設置する外蓋を設け、前記外蓋の上面は、これを貫通する気孔を設けることを特徴とする請求項1に記載の水ろ過材空気浄化装置。
【請求項6】
前記溢水容器の下方に、連通し合う排水管を設けることを特徴とする請求項1に記載の水ろ過材空気浄化装置。
【請求項7】
前記水タンク下部周辺の一方に、前記収容空間の底部に連通し合う排水弁を設けることを特徴とする請求項1に記載の水ろ過材空気浄化装置。
【請求項8】
前記排水弁から離れた前記水タンクの一側に、凹溝を内側に向かうように凹設し、前記排水孔を前記凹溝の上端に設け、前記溢水容器を前記水タンクの前記凹溝内に設置し、溢水用開口を前記排水孔に対応するように設置することを特徴とする請求項7に記載の水ろ過材空気浄化装置。
【請求項9】
前記水タンクの下方に、前記水タンクを移動させるための複数のローラを設けることを特徴とする請求項1に記載の水ろ過材空気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化装置、特に水を利用して空気をろ過する、水ろ過材空気浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境団体の調査によると、多くの家は、室内の空気が室外の空気より数倍から数十倍という極めて高い程度で汚染されていると指摘しており、このため、人体の肺やアレルギー、又はぜんそくなどの悪影響を引き起こし易く、環境衛生を重視する家庭では空気浄化機を購入して、室内の空気品質の改善を図っている。
【0003】
通常、ファンを利用して吸入/排出を行う空気浄化機は、モータを利用してファンを回転させており、ファンの継続的な高速回転によって空気を吸入し、且つファン前端に設置された複数のフィルタを利用して空気中の懸濁粒子をろ過し、空気を浄化する目的を達しているが、フィルタは空気中にあるさらに細かい微粒子状物質を完全にろ過することはできず、空気に敏感な人にとって緩和はできるものの解決はされておらず、さらに、空気のろ過効率を最大限にするため、常時フィルタの交換を余儀なくしており、このことから、空気中の微粒子状物質の問題は依然と存在し、且つフィルタ及びファンに塵埃や不純物が継続に付着する際、消費電力及び騒音が大きくなるだけでなく、吸引する空気の範囲を低下させたり、フィルタの交換によって家庭内の支出を増加させて負担を大きくしている。
【0004】
現在、市販されている、水ろ過を利用して気体を浄化する装置として、例示する特許文献1に記載の水循環吸収型硫化水素空気浄化機1は、
図1のように、貯水槽10、ポンプ11、ベンチュリ管12、側管13、ろ過及び流れ案内装置14、イオン濃度モニタリング装置及びタイムスイッチを包括し、ポンプ11によって水W3を送出し、ベンチュリ管12に流れ込むことによって加速し、ベンチュリ管12において圧力差を形成し、側管13より気体A3を吸入して水W3に混入させ、気体/液体の混合を完成させることで、気体A3中の硫化水素成分を溶解して取除き、空気A31の浄化を図っているが、これには、ベンチュリ管12が導入した気体A3/水W3の混合によって得られた清浄な空気A31は貯水槽10内から放出することができないという重大な構造的欠陥を有しており、空気A31が貯水槽10内で過剰に累積すると、空気A31の圧力によって、ポンプ11が汲み上げた水W3は徐々に減少し、最終的には、ベンチュリ管12は、気体/液体の混合及び浄化の効果を達することができなくなる。
【0005】
また、水ろ過を利用して気体を浄化する装置として、さらに例示する特許文献2に記載のベンチュリ気泡型スクラブ塔排気ガス処理装置2は、
図2のように、循環ポンプ21によってスクラブ塔吸収液W4を循環的に揚水すると同時に、揚水メイン管22の横にあるベンチュリ真空吸入器23を利用して排気ガスA4を吸入することで、排気ガスA4はスクラブ塔吸収液W4と混合するように接触して霧化することで気泡混合液にし、さらに、静的撹拌管24によって再度、気体と液体の混合を徹底的に行い、最後に、循環水槽20内にある散気管25によって噴出することで、排気ガスA4中の粉塵がスクラブ塔吸収液W4に充分に捕捉される上、循環水槽20内に浸漬し、浄化した空気A41は排気管26より排出することから、排気ガスA4の処理及び空気の浄化という効果を達しているが、一組のベンチュリ真空吸入器23で吸い取った排気ガスA4の浄化効率は好ましくない上、常時、スクラブ塔吸収液W4を手動で交換しなければ、最も好ましい排気ガスA4の浄化効果を達することができない等という点があることから、家庭用としては不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾専利公開第201041642号
【特許文献2】台湾専利公告第352007号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、噴流の原理を利用し、水が複数の噴流管を通過する際、水タンク上にある様々な方向に向いている複数の吸気孔外部の空気を吸入且つろ過を行うことで、迅速且つ広範囲にわたる空気の浄化効果及び空気対流の高い置換率を達する水ろ過材空気浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するため、本発明は、水タンク、水ポンプ、均圧装置、複数の吸気管、ハウジング及び溢水容器を包括する水ろ過材空気浄化装置を提供するものであって、前記水タンク内には、上方に開口を有して水を収容する収容空間が設けられ、前記水タンクの上部周辺には、前記収容空間と連通し合う複数の吸気孔と複数の排気孔とが分布するように設けられ、また、同じ前記水タンクの上方周辺には、前記水タンク上において、これ等吸気孔及びこれ等排気孔より低い位置に位置して前記収容空間と連通し合う排水孔が設けられ、前記水ポンプは、前記水タンクの前記収容空間下方に設けられ、前記均圧装置は、前記水ポンプと接続し、その周辺には、複数の噴流管が設けられ、且つその内部には、前記水ポンプ及びこれ等噴流管とそれぞれ連通し合う均圧チャンバがあり、前記複数の吸気管の両端は、前記吸気孔及び前記噴流管とそれぞれ連通し合っており、前記ハウジングは、前記開口に対応するように前記水タンクの上端に設けられ、且つ前記ハウジング上には、前記水タンクと同じ複数の吸気孔と、貯水槽とが設けられ、また、前記ハウジングのこれ等吸気孔は、これ等吸気管を介してこれ等噴流管とそれぞれ連通し合い、前記貯水槽の下端には、前記収容空間内にある水まで延在する入水管が接続され、前記溢水容器は、前記排水孔に対応するように設置することで、前記排水孔から溢れ出した水を受けている。
【発明の効果】
【0009】
上述したことから、本発明に係る水ろ過材空気浄化装置は、周知技術と比べて以下のような利点を有している。
【0010】
第一に、本発明は、水の混合及びろ過を利用して空気中にある細菌、病原菌或いは微粒子状物質を一方的に水の中に遮断することで、空気の品質を改善するだけでなく、感染性疾患の蔓延を阻止するという目的も達成でき、且つ空気中にある二酸化炭素を水の中に吸収して混合することで、二酸化炭素の削減という効果を相対的に達することができる。
【0011】
第二に、本発明は、水と空気とがこれ等噴流管内において激しく衝突して分解及び混合することで、空気中に天然のマイナスイオンを放出し、空気中のマイナスイオンがこれ等排気孔より異臭や煤煙粒子、さらには塵埃や細菌が存在する外気に放出されて対流し、吸収及び混合を繰り返すと、空気の浄化という効果を達成し、不快感を低減し、身体を健康的な状態に回復することができる。
【0012】
第三に、本発明は、潜液式の水ポンプを用いることから、長期的な稼働でも水の冷却によってオーバーヒートや自然燃焼等の現象が起こり難く、且つ水によって稼働の際に発生する騒音を低減することができる。
【0013】
第四に、本発明に係る前記排水孔は、前記収容空間内にある水面と揃えるような形を呈し、水ポンプの稼働を介する際、水が前記収容空間内において波動を発生することで、一部の水が排水口から溢れ出し、溢水容器によって受け止められ、前記貯水槽は、水圧センサによって清浄な水を前記収容空間内に補充し、自動的に水を補充する流動循環を形成することで、水ろ過材の清浄を保持し、且つ状況に応じて真水、塩水或いは水溶液等を水ろ過材に用いることができるため、ろ過材の入手が容易で、費用が低減できる上、環境的利益に符合している。
【0014】
第五に、本発明は、複数の噴流管の設置を用いており、たとえそのうちの一つが詰まったり、損傷したりしたとしても、その他の噴流管が継続的に稼動してその効果を発揮している。
【0015】
第六に、本発明に係る水ろ過材空気浄化装置は、その下方にローラが設けられており、随時、水ろ過材空気浄化装置を移動させて空気の浄化を行うことができ、且つ前記吸気孔に掃除機のように延伸管を挿入することで、延伸管の延伸を利用して広範囲且つ重点的に空気及び塵埃の吸引を行うことができ、例えば、浴室内で用いると、水ろ過材空気浄化装置を利用して浴室内の蒸気を吸引し、且つ延伸管は、床にたまった水を吸収することができるため、浴室内の湿気を低減して環境の安全を向上させている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】周知技術である水循環吸収型硫化水素空気浄化機を示す模式図である。
【
図2】周知技術であるベンチュリ気泡型スクラブ塔排気ガス処理装置を示す模式図である。
【
図3】本発明に係る水ろ過材空気浄化装置を示す分解図である。
【
図4】本発明に係る水ろ過材空気浄化装置を示す断面図である。
【
図6】本発明に係る延伸管が吸気孔と接続する箇所を示す局部拡大図である。
【
図7】本発明に係る噴流管にある水と吸気管にある気体とが流動して混合する様を示す模式図である。
【
図8】本発明に係る収容空間内にある水が震動して排水孔から溢れ出す様を示す模式図である。
【
図9】本発明に係る貯水槽が清浄な水を収容空間に補充して循環する様を示す模式図である。
【
図10】本発明に係る水ろ過材空気浄化装置にローラ及び複数の延伸管を設置する実施例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照しつつ、具体的な実施例により、以下において詳細な説明するすることで、本発明に係る目的、技術内容、技術的特徴及びそれが達成できる効果をより理解することができると思料する。なお、本発明を詳細に説明する前に、以下の説明内容において、類似する部材は同じ符号を付して表示していることを注意してほしい。
本発明は、
図3及び
図4で図示されているように、水タンク4、水ポンプ5、均圧装置6、複数の吸気管7、少なくとも一つの延伸管71、ハウジング8及び溢水容器9を包括する水ろ過材空気浄化装置3であって、
前記水タンク4は、前記水タンク4内部に、水W1を収容し且つその上方に開口42を有して底部に複数の支持部411を凸設する収容空間41を設け、前記水タンク4上部周辺に、前記収容空間41と連通し合う複数の吸気孔43と複数の排気孔44とを分布するように設け、前記水タンク4の一方に、凹溝40を内側に向かうように凹設し、前記水タンク4は、前記凹溝40の上端にこれ等吸気孔43及びこれ等排気孔44より低い位置に位置する排水孔45を設け、前記水タンク4下部周辺の一方に、前記収容空間41の底部に連通し合う排水弁46を設けており、
前記水ポンプ5は、前記水タンク4の前記収容空間41下方に設けられ、ネジ等の固定ユニット50により前記水ポンプ5の下端にある固定部51を前記収容空間41のこれ等支持部411に対応するように接続して固定し、前記水ポンプ5は、さらに前記排水孔45から離れて設置する吸引側52と、前記排水孔45に近接して設置する排出側53とを包括しており、
前記均圧装置6は、前記水ポンプ5と接続し、前記均圧装置6周辺に複数の噴流管62を設け、前記均圧装置6の内部に前記水ポンプ5の前記排出側53及びこれ等噴流管62とそれぞれ連通し合う均圧チャンバ61を有し、
図5を参照すると、前記噴流管62は、前端621と後端622に分かれ、前記噴流管62の前記前端621と前記後端622との間に、次第に縮小するように形成する第一縮小孔623及び第二縮小孔624をそれぞれ間隔を置いて設置し、且つ前記噴流管62の前記第一縮小孔623と前記第二縮小孔624との間に水及び気体の混合空間625を形成し、また、これ等噴流管62の前記前端621は前記均圧チャンバ61とそれぞれ連通し合うように接続し、これ等噴流管62の前記後端622は水W1の排出口であって、これ等噴流管62の前記水及び気体の混合空間625がある一方に、連通し合う吸気口63をそれぞれ設けており、
これ等吸気管7の両端は、これ等吸気孔43及びこれ等噴流管62のこれ等吸気口63に連通し合うようにそれぞれ対応し、これ等吸気管7のこれ等吸気孔43に近接する一端の孔径内にメネジ70をそれぞれ設け、
図6のように、前記延伸管71の一端にオネジ711を設け、前記延伸管71は、前記オネジ711を利用してこれ等吸気孔43のうちの一つの外側より前記吸気管7の前記メネジ70に対応するように螺接しており、
前記ハウジング8は、前記開口42に対応するように、前記水タンク4の上部に設け、前記ハウジング8は、その上面に前記水タンク4と同じ複数の吸気孔43と、前記排水孔45から離れるように設ける貯水槽81とを設け、これ等吸気孔43はこれ等吸気管7を介してこれ等噴流管62のこれ等吸気口63とそれぞれ連通し合い、前記貯水槽81の上端は貯水用開口811及び前記貯水用開口811の上方に設置する外蓋812を設け、前記外蓋812の上面はこれを貫通する気孔813を設け、前記貯水槽81の下端はこれと連通し合う入水管814を接続し、前記入水管814の末端は前記水ポンプ5の吸引側52に対応し且つ前記収容空間41にある水W1内まで延在しており、
前記溢水容器9は、前記水タンク4の前記凹溝40内に設置し、溢水用開口91を前記排水孔45に対応するように設置している。
【0018】
本発明に係る前記水ろ過材空気浄化装置3は、上述したことから分かるとおり、前記ハウジング8は、前記水タンク4上に設けられ、前記水タンク4のこれ等吸気孔43と前記ハウジング8のこれ等吸気孔43とは、これ等吸気管7及び前記延伸管71を介してこれ等噴流管62のこれ等吸気口63と連通し合っており、本発明に係る実施例において、
図4及び
図7のように、前記収容空間41内にある水W1の最高水位が前記排水孔45の位置と揃った場合、前記水ポンプ5を起動して前記吸引側52から前記収容空間41内にある水W1を吸引し、前記排出側53から高圧で水W1を排出して前記均圧装置6内に流し込むことで、水W1は前記均圧チャンバ61内で均圧化されてこれ等噴流管62からそれぞれ排出し、そのうち、これ等噴流管62は、噴流の原理を利用し、水W1がこれ等噴流管62の前記前端621から前記第一縮小孔623を通過すると、水W1は前記第一縮小孔623の断面積の縮小を受けることにより、さらに大きな水圧を発生させて前記水及び気体の混合空間625に流れ込み、これによって、水W1は前記水及び気体の混合空間625において前記吸気口63を通過して負圧式の吸引力を発生し、この吸引力を介してこれ等吸気口63及びこれ等吸気管7からこれ等吸気孔43周囲にある気体A1をそれぞれ取込み、細菌、病原菌或いは微粒子状物質を含有する気体A1を前記水及び気体の混合空間625内まで取込んで水W1と混合して微小な気泡を有する気泡液AWを形成し、気泡液AWは前記第二縮小孔624を通過して加圧された後前記後端622から前記収容空間41内に排出されている。
【0019】
次に、
図7及び
図8をさらに参照すると、本発明に係る前記水ろ過材空気浄化装置3は、これ等吸気孔43及び前記延伸管71から周囲にある気体A1を取込んだ後、気体A1は、前記水及び気体の混合空間625において、水W1と激しく衝突して分解及び混合することで、気体A1から天然のマイナスイオンを含む清浄気体A2及び水W1と混合してなる気泡液AWを分解し、清浄気体A2がこれ等排気口44より放出され且つ空気中にある異臭や煤煙粒子、さらには塵埃や細菌等の気体A1と対流し、吸収及び混合を繰り返すことで、空気の浄化という効果を達成し、不快感を低減し、身体を健康的な状態に回復させている。水W1と気体A1とが前記水及び気体の混合空間625において、激しく衝突し且つ混合することでできる気泡液AWは、前記収容空間41内に流れ込み、単一方向の遮断を形成して気体A1にある細菌、病原菌或いは微粒子状物質を水W1にろ過することで、伝染性疾患の蔓延を阻止し、気体A1に含まれている二酸化炭素は、水W1と混合して水W1に溶け込むことで、二酸化炭素の削減という効果を相対的に達成し、油煙や大きな塵埃等の異物Oを含む一部の気体A1は水W1と混合することができず、且つ前記水ポンプ5による吸引/排出の循環によって、水W1は前記収容空間41内において波動が発生し、軽量な異物Oは、水面に浮上して水W1と共に前記排出孔45から溢れ出し、前記溢水容器9の前記溢水用開口91によってそれを受けている。
【0020】
以上のことから、本発明に係る水ろ過材空気浄化装置3は、さらに以下のような利点を有している。
【0021】
第一に、本発明に係る水ろ過材空気浄化装置3を使用する場合、
図9のように、前記外蓋812を開けて清浄水W2を補充し、前記気孔813を利用し、清浄水W2を前記貯水槽81において前記収容空間41にある水W1の水圧と同じにし、前記収容空間41にある水W1が前記排水孔45から溢れ出すと、水圧が低下し、前記貯水槽81は前記入水管814によって前記収容空間41内の水圧が低下していることを感知して清浄水W2を前記収容空間41内に補充し、前記入水管814は前記水ポンプ5の前記吸引側52として吸引及び循環を直接行っており、且つ本発明は、前記排水管92を介して前記溢水容器9の下方に間接的に設置するか、或いは前記排水孔45と直接接続することができ、なお、図面では前記排水管92は前記溢水容器9の下方に間接的に設置し、前記排水管92を利用して異物Oが混入する水W1を容易に放出しており、本発明に係る水ろ過材空気浄化装置3は、異物Oが混入する水W1が前記収容空間41内で死水の循環を形成して気体A1の浄化効果を低減しないように、前記収容空間41内で流出した水W1を自動的に補充し、流動する水W1によって清浄度を継続的に保持して気体A1と混合・ろ過を行うことから、本発明に係る水ろ過材空気浄化装置3は好ましい空気の浄化効果を有している。
【0022】
第二に、前記貯水槽81の清浄水W2は、状況に応じて真水或いは殺菌効果のある塩水や水溶液を用いることができ入手が容易で、費用が低減できる上、環境的利益に符合している。
【0023】
第三に、本発明に係る前記水ポンプ5は、揚水ポンプ或いは潜液式ポンプを用いており、実施では、潜液式ポンプが好ましく、前記水ポンプ5は、長期的な稼働でも水W1の冷却によってオーバーヒートや自然燃焼等の現象が起こり難く、且つ水W1によって前記水ポンプ5が稼働の際に発生する騒音を低減することができ、また、前記水ポンプ5は、前記収容空間41内に架設されることから、広い水W1の吸引範囲を有することができる。
【0024】
第四に、本発明に係るこれ等噴流管62は、これ等吸気管7を利用して前記水タンク4及びハウジング8上にあるこれ等吸気孔43に対応するように接続することから、これ等吸気孔43の周囲にある気体A1を多方向且つ広範囲に取込むことができ、気体A1が清浄気体A2と対流する高い交換率及び浄化効果を達している。
【0025】
第五に、本発明に係る水ろ過材空気浄化装置3のこれ等噴流管62のうちの一つが詰まったり、損傷したりしたとしても、その他の噴流管62が継続的に稼動してその効果を発揮している。
【0026】
第六に、本発明に係る水ろ過材空気浄化装置3は、
図10のように、前記水タンク4の下方に複数のローラ47が設けられており、随時、水ろ過材空気浄化装置3を移動させて異なる空間の気体A1を対流して浄化し、且つ本発明に係る水ろ過材空気浄化装置3の前記延伸管71は、掃除機のように重点的に空気及び塵埃の吸引し、浴室内で用いた場合、気体A1にある蒸気を吸引するだけでなく、ガスの不完全燃焼で発生する一酸化炭素も人体に取り込まれないように吸収し、さらに前記延伸管71は、床にたまった水や不用意に溢した水W1を対象として吸収することができるため、浴室内の湿気を低減して環境の安全を向上させており、さらにまた、本発明に係る水ろ過材空気浄化装置3は、状況に応じて複数の延伸管71を設けることができ、例えば、病院施設では、前記複数の延伸管71の延伸を利用して広範囲にわたって気体A1の吸引を行い、空気を高い交換率で対流させ、病原菌の感染率を低減することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 水循環吸収型硫化水素空気浄化機
10 貯水槽
11 ポンプ
12 ベンチュリ管
13 側管
14 ろ過及び流れ案内装置
A3 気体
A31 空気
W3 水
2 ベンチュリ気泡型スクラブ塔排気ガス処理装置
20 循環水槽
21 循環ポンプ
22 揚水メイン管
23 ベンチュリ真空吸入器
24 静的撹拌管
25 散気管
26 排気管
A4 排気ガス
A41 空気
W4 スクラブ塔吸収液
3 水ろ過材空気浄化装置
4 水タンク
40 凹溝
41 収容空間
411 支持部
42 開口
43 吸気孔
44 排気孔
45 排水孔
46 排水弁
47 ローラ
5 水ポンプ
50 固定ユニット
51 固定部
52 吸引側
53 排出側
6 均圧装置
61 均圧チャンバ
62 噴流管
621 前端
622 後端
623 第一縮小孔
624 第二縮小孔
625 水及び気体の混合空間
63 吸気口
7 吸気管
70 メネジ
71 延伸管
711 オネジ
8 ハウジング
81 貯水槽
811 貯水用開口
812 外蓋
813 気孔
814 入水管
9 溢水容器
91 溢水用開口
92 排水管
A1 気体
A2 清浄気体
AW 気泡液
O 異物
W1 水
W2 清浄水