(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a)
i.1つ又は複数の第四級基と、
ii.200個超のシロキサン単位を含む、少なくとも1つのシリコーンブロックと、
iii.少なくとも1つのポリアルキレンオキシド構造単位と、
iv.少なくとも1つの末端エステル基と、
を含むシリコーンポリマーであって、最大
20,000mPa・sの粘度を有する、シリコーンポリマーであって、該シリコーンポリマーが下記化学構造(Ia)又は(Ib)によって定められる、
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(NR
2−A−E−A’−NR
2)−Y−]
k−M (Ia)
(式中、
mが、0.1〜100の平均値であり、
kが、1〜50の平均値であり、
Mが、
−OC(O)−Z
−OS(O)
2−Z
−OS(O
2)O−Z
−OP(O)(O−Z)OH
−OP(O)(O−Z)
2
から選択される末端エステル基を含む末端基を表し、
Zが、最大40個の炭素原子を有する一価有機残基から選択され、
A及びA’がそれぞれ独立して、単結合、又は最大10個の炭素原子及び1つ又は複数のヘテロ原子を有する二価有機基から選択され、
Eが、次の一般式のポリアルキレンオキシド基であり、
−[CH
2CH
2O]
q−[CH
2CH(CH
3)O]
r−[CH
2CH(C
2H
5)O]
s−
ただし、
q=0〜200であり、
r=0〜200であり、
s=0〜200であり、及び
q+r+s=1〜600であり、
Rが、最大22個の炭素原子の一価有機基から選択され、該一価有機基は1つ又は複数のヘテロ原子を有する一価有機基であってよく、窒素原子における遊離原子価は、炭素原子に結合され、R
2が、水素又はRから選択され、
Yが、次式の基であり、
−K−S−K−及び−A−E−A’−又は−A’−E−A−
ただし、
S=
【化1】
であり、式中、R
1=C
1〜C
22−アルキル、C
1〜C
22−フルオロアルキル又はアリールであり、
n=200〜1000であり、
Kが、二価又は三価の、直鎖、環状及び/又は分枝状のC
2〜C
40炭化水素残基であり、該炭化水素残基は、−O−、−NH−、三価N、−NR
1−、−C(O)−、−C(S)−に割り込まれてもよく、及び、−OHで置換されてもよく、
Tが、最大20個の炭素原子及び1つ又は複数のヘテロ原子を有する二価有機基から選択される)、
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(N
+R
22−A−E−A’−N
+R
22)−Y−]
k−M (Ib)
(式中、
mが、0.1〜100の平均値であり、
kが、1〜50の平均値であり、
Mが、
−OC(O)−Z
−OS(O)
2−Z
−OS(O
2)O−Z
−OP(O)(O−Z)OH
−OP(O)(O−Z)
2
から選択される末端エステル基を含む末端基を表し、
Zが、最大40個の炭素原子を有する一価有機残基から選択され、
A及びA’がそれぞれ独立して、単結合、又は最大10個の炭素原子及び1つ又は複数のヘテロ原子を有する二価有機基から選択され、
Eが、次の一般式のポリアルキレンオキシド基であり、
−[CH
2CH
2O]
q−[CH
2CH(CH
3)O]
r−[CH
2CH(C
2H
5)O]
s−
ただし、
q=0〜200であり、
r=0〜200であり、
s=0〜200であり、及び
q+r+s=1〜600であり、
Rが、最大22個の炭素原子を有する一価有機基から選択され、該一価有機基は1つ又は複数のヘテロ原子を有してもよく、窒素原子における遊離原子価は、炭素原子に結合され、R
2が、水素又はRから選択され、
Yが、次式の基であり、
−K−S−K−及び−A−E−A’−又は−A’−E−A−
ただし、
S=
【化2】
であり、式中、R
1=C
1〜C
22−アルキル、C
1〜C
22−フルオロアルキル又はアリールであり、
n=200〜1000であり、
Kが、二価又は三価の、直鎖、環状及び/又は分枝状のC
2〜C
40炭化水素残基であり、該炭化水素残基は、−O−、−NH−、三価N、−NR
1−、−C(O)−、−C(S)−に割り込まれてもよく、及び、−OHで置換されてもよく、
Tが、最大20個の炭素原子及び1つ又は複数のヘテロ原子を有する二価有機基から選択される)、
b)
i.カチオン性界面活性剤と、
ii.25℃以上の融点を有する高融点脂肪族化合物と、
iii.水性キャリアと、
を含む、ゲルマトリックスと、
を含む、ヘアコンディショニング組成物。
前記−K−S−K−部分中のK残基が同一であるか又は異なっており、C−Si結合を介して残基Sのケイ素原子に結合する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
パーソナルケア組成物(例えば、ヘアコンディショニング組成物)の構成成分を以下に説明する。本発明の実施形態で有用な、様々な任意のかつ好ましい構成成分の非限定的な説明も含める。本明細書は、本発明を具体的に指摘しかつ明確に主張する「特許請求の範囲」を結論とするが、以下の説明により、本発明がよりよく理解されるであろうと考えられる。
【0009】
百分率、部及び比はすべて、特に記述しない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。記載の成分に関する、このような全ての重量は、その活性物質の濃度に基づくものであり、そのため特に指示のない限り、市販材料に含まれ得る溶媒、又は副生成物を含まない。「重量パーセント」という用語は、本明細書では「重量%」として表示し得る。
【0010】
特に記述しない限り、本明細書で用いるとき、全ての分子量は、グラム/モルで表される重量平均分子量である。
【0011】
本発明の組成物及び本発明の方法/プロセスは、本明細書に記載した本発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載した追加又は任意の成分、構成成分、工程、又は制限事項のいずれをも含むことができ、これらからなることができ、及びこれらから本質的になることができる。
【0012】
本明細書において、「混合物」は、複数種類の材料の単純な組み合わせと、結果としてそのような組み合わせから生じることがあるあらゆる化合物とを包含するように意図されている。
【0013】
本明細書で用いるとき、「しるし」は、テキスト及び/又は図を含む識別マークを意味する。
【0014】
本明細書で用いるとき、「画像」は、物体の写真、図、及び/又はその他画像表示を意味する。
【0015】
本発明のヘアコンディショニング組成物の実施形態は、最大100,000mPa・sの粘度を有するシリコーンポリマーを含む。これらの組成物は、第四級基を含有するシリコーンポリマーをゲルマトリックスと混合する工程を含む方法によって調製される。
【0016】
傷んだ毛髪は、傷んでいない及び/又は傷みが少ない毛髪と比較して、疎水性が低い。毛髪の疎水性を改善することによって、ヘアコンディショニング組成物は、毛髪に改善された滑らかな感触と摩擦の軽減をもたらすことができると考えられる。また、毛髪の疎水性の改善を、例えば、シリコーン、及び/又はカチオン性界面活性剤等の追加の材料の使用といった、本発明の他の何らかの好ましい特徴によってもたらすことができるとも考えられる。更に、理論に制限されることなく、疎水性の改善により、周囲環境の湿度に対する毛髪の許容度が改善され、それによって、雨及び/又は湿度の高い日の縮れ及び/又ははね上がりが軽減されると考えられる。
【0017】
本発明のヘアコンディショニング組成物は、好ましくは約2〜約9、又はより好ましくは約3〜約7のpHを有する。
【0018】
A.第四級基を含有するシリコーンポリマー
本発明の組成物は、最大100,000mPa・sの粘度を有する低粘度シリコーンポリマーを含む。理論によって束縛されることなく、この低粘度シリコーンポリマーは、シリコーン配合物の必要性をなくす一方で、滑らかな感触、摩擦の軽減、及び毛髪の傷みの防止等の改善されたコンディショニング効果を提供する。
【0019】
構造的には、シリコーンポリマーは、1つ又は複数の第四級アンモニウム基と、200個超のシロキサン単位を含む少なくとも1つのシリコーンブロックと、少なくとも1つのポリアルキレンオキシド構造単位と、少なくとも1つの末端エステル基と、を含む、ポリオルガノシロキサン化合物である。1つ又は複数の実施形態では、シリコーンブロックは、300〜500のシロキサン単位を含んでよい。
【0020】
シリコーンポリマーは、組成物の約0.05重量%〜約15重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.15重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.2重量%〜約4重量%の量で存在する。
【0021】
好ましい実施形態では、本発明によるポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(Ia)及び(Ib)を有する。
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(NR
2−A−E−A’−NR
2)−Y−]
k−M (Ia)
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(N
+R
22−A−E−A’−N
+R
22)−Y−]
k−M (Ib)
式中、
mは>0、好ましくは0.01〜100、より好ましくは0.1〜100、更により好ましくは1〜100、具体的には1〜50、より具体的には1〜20、更により具体的には1〜10であり、
kは0、又は平均値が>0〜50、又は好ましくは1〜20、又は更により好ましくは1〜10であり、
Mは、
−OC(O)−Z
−OS(O)
2−Z
−OS(O
2)O−Z
−OP(O)(O−Z)OH
−OP(O)(O−Z)
2から選択される末端エステル基を含む末端基を表し、
Zは、最大40個の炭素原子を有し、任意選択的に1つ又は複数のヘテロ原子を含む一価有機残基から選択される。
【0022】
A及びA’はそれぞれ互いに独立して、単結合、又は最大10個の炭素原子及び1つ又は複数のヘテロ原子を有する二価有機基から選択され、
Eは、次の一般式のポリアルキレンオキシド基であり、
−[CH
2CH
2O]
q−[CH
2CH(CH
3)O]
r−[CH
2CH(C
2H
5)O]
s−
式中、q=0〜200、r=0〜200、s=0〜200、及びq+r+s=1〜600である。
【0023】
R
2は、水素又はRから選択され、
Rは、最大22個の炭素原子及び任意選択的に1つ又は複数のヘテロ原子を有する一価有機基から選択され、窒素原子における遊離原子価は、炭素原子に結合され、
Yは、次式の基であり、
−K−S−K−及び−A−E−A’−又は−A’−E−A−
ただし、S=
【0024】
【化1】
であり、
式中、R1=C
1〜C
22−アルキル、C
1〜C
22−フルオロアルキル(fluoralkyl)又はアリールであり、n=200〜1000であり、いくつかのS基がポリオルガノシロキサン化合物中に存在する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
【0025】
Kは、二価又は三価の、直鎖、環状及び/又は分枝状のC
2〜C
40炭化水素残基であり、この炭化水素残基は、任意選択的に−O−、−NH−、三価N、−NR
1−、−C(O)−、−C(S)−に割り込まれてもよく、及び、任意選択的に−OHで置換されてもよく、R
1は上記定義の通りであり、
Tは、最大20個の炭素原子及び1つ又は複数のヘテロ原子を有する二価有機基から選択される。
【0026】
残基Kは、互いに同一であっても異なっていてもよい。−K−S−K−部分において、残基Kは、残基Sのケイ素原子に、C−Si結合を介して結合される。
【0027】
ポリオルガノシロキサン化合物中にアミン基(−(NR
2−A−E−A’−NR
2)−)が存在する可能性があるため、そのポリオルガノシロキサン化合物は、かかるアミン基の有機酸又は無機酸によるプロトン化の結果、プロトン化したアンモニウム基を有する場合がある。このような化合物は、本発明によるポリオルガノシロキサン化合物の酸付加塩と称される場合がある。
【0028】
好ましい実施形態では、第四級アンモニウム基b)と末端エステル基c)とのモル比は、100:20未満、更により好ましくは100:30未満、最も好ましくは100:50未満である。この比は、
13C−NMRによって求めることができる。
【0029】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサン組成物は、
A)a)少なくとも1つのポリオルガノシロキサン基、b)少なくとも1つの第四級アンモニウム基、c)少なくとも1つの末端エステル基、及びd)少なくとも1つのポリアルキレンオキシド基(上記定義の通り)、を含む、少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、
B)少なくとも1つの末端エステル基を含み、化合物A)とは異なる、少なくとも1つのポリオルガノシロキサン化合物と、を含んでよい。
【0030】
構成成分A)の定義において、本発明のポリオルガノシロキサン化合物の説明を参照できる。ポリオルガノシロキサン化合物B)は、好ましくは第四級アンモニウム基を含まないという点で、ポリオルガノシロキサン化合物A)と異なる。好ましいポリオルガノシロキサン化合物B)は、一官能性有機酸、特にカルボン酸と、ビスエポキシドを含有するポリオルガノシロキサンとの反応により得られる。
【0031】
本発明によるポリオルガノシロキサン組成物において、化合物A)と化合物B)との重量比は、好ましくは90:10未満である。すなわち換言すれば、構成成分B)の含量は、少なくとも10重量パーセントである。本発明によるポリオルガノシロキサン組成物の更に好ましい実施形態では、化合物A)において、第四級アンモニウム基b)と末端エステル基c)とのモル比は、100:10未満、更により好ましくは100:15未満、最も好ましくは100:20未満である。
【0032】
シリコーンポリマーは、20℃及び剪断速度0.1s
-1(プレート−プレートシステム、プレート直径40mm、間隙幅0.5mm)において、100,000mPa・s(100Pa・s)未満の粘度を有する。更なる実施形態では、未希釈シリコーンポリマーの粘度は、500〜100,000mPa・s、又は好ましくは500〜70,000mPa・s、又はより好ましくは500〜50,000mPa・s、又は更により好ましくは500〜20,000mPa・sの範囲であってよい。更なる実施形態では、未希釈ポリマーの粘度は、20℃及び剪断速度0.1s
-1で測定されるとき、500〜10,000mPa・s、又は好ましくは500〜5000mPa・sの範囲であってよい。
【0033】
上記シリコーンポリマーに加えて、下記の好ましい組成物を以下に記載する。例えば、次の一般式のポリアルキレンオキシド基Eにおいて、
−[CH
2CH
2O]
q−[CH
2CH(CH
3)O]
r−[CH
2CH(C
2H
5)O]
s−
式中、q、r、及びsの数字は、次の通り定義してよく、
q=0〜200、又は好ましくは0〜100、又はより好ましくは0〜50、又は更により好ましくは0〜20、
r=0〜200、又は好ましくは0〜100、又はより好ましくは0〜50、又は更により好ましくは0〜20、
s=0〜200、又は好ましくは0〜100、又はより好ましくは0〜50、又は更により好ましくは0〜20、
かつq+r+s=1〜600、又は好ましくは1〜100、又はより好ましくは1〜50、又は更により好ましくは1〜40である。
【0034】
次の一般式Sのポリオルガノシロキサン構造単位では、
【0036】
R
1=C
1〜C
22−アルキル、C
1〜C
22−フルオロアルキル又はアリールであり、n=200〜1000、又は好ましくは300〜500であり、K(基−K−S−K−中)は、好ましくは二価又は三価の、直鎖、環状又は分枝状のC
2〜C
20炭化水素残基であり、この炭化水素残基は、任意選択的に−O−、−NH−、三価N、−NR
1−、−C(O)−、−C(S)−に割り込まれてもよく、及び、任意選択的に−OHで置換されてもよい。
【0037】
特定の実施形態では、R
1は、C
1〜C
18アルキル、C
1〜C
18フルオロアルキル及びアリールである。更に、R
1は、好ましくはC
1〜C
18アルキル、C
1〜C
6フルオロアルキル及びアリールである。更に、R
1は、より好ましくはC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6フルオロアルキル、更により好ましくはC
1〜C
4フルオロアルキル、及びフェニルである。最も好ましくは、R
1は、メチル、エチル、トリフルオロプロピル及びフェニルである。
【0038】
本明細書で用いるとき、用語「C
1〜C
22アルキル」は、直鎖又は分枝鎖であってよい、1〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を意味する。メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ノニル、デシル、ウンデシル、イソプロピル、ネオペンチル及び1,2,3−トリメチルヘキシル部分が例である。
【0039】
更に本明細書で用いるとき、用語「C
1〜C
22フルオロアルキル」は、直鎖又は分枝鎖であってよく、少なくとも1つのフッ素原子で置換される、1〜22個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素化合物を意味する。モノフルオロメチル(Monofluormethyl)、モノフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル(trifluorethyl)、ペルフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロプロピル、1,2,2−トリフルオロブチルは、好適な例である。
【0040】
更に、用語「アリール」は、未置換の、又は、OH、F、Cl、CF
3、C
1〜C
6アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、C
3〜C
7シクロアルキル、C
2〜C
6アルケニル若しくはフェニルで、1回若しくは数回フェニル置換されたものを意味する。アリールは、ナフチルも意味し得る。
【0041】
ポリオルガノシロキサンの実施形態において、アンモニウム基による正電荷は、塩化物、臭化物、硫酸水素塩、硫酸塩等の無機アニオン、又は、C
1〜C
30カルボン酸由来のカルボン酸塩、例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、オクタン酸塩、特にC
10〜C
18カルボン酸、例えばデカン酸塩、ドデカン酸塩、テトラデカン酸塩、ヘキサデカン酸塩、オクタデカン酸塩及びオレイン酸塩、アルキルポリエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルポリエーテル硫酸、リン酸モノアルキル/アリールエステル及びリン酸ジアルキル/アリールエステル由来のリン酸塩等の有機アニオンで中和される。ポリオルガノシロキサン化合物の特性は、とりわけ、用いた酸の選択に基づいて修飾されることがある。
【0042】
第四級アンモニウム基は通常、モノカルボン酸及び二官能性ジハロゲンアルキル化合物の存在下で、特にジエポキシド(ビスエポキシドと称されることもある)から選択されるアルキル化剤とジ−第三級アミンを反応させることによって、生成される。
【0043】
好ましい実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(Ia)及び(Ib)のものである。
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(NR
2−A−E−A’−NR
2)−Y−]
k−M (Ia)
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(N
+R
22−A−E−A’−N
+R
22)−Y−]
k−M (Ib)
式中、各基は上記で定義した通りであるが、繰り返し単位は統計的配列である(すなわち、ブロック的配列ではない)。
【0044】
更に好ましい実施形態では、ポリオルガノシロキサン化合物は、一般式(IIa)又は(IIb)のものであってもよい。
M−Y−[−N
+R
2−Y−]
m−[−(NR
2−A−E−A’−NR
2)−Y−]
k−M (IIa)
M−Y−[−N
+R
2−Y−]
m−[−(N
+R
22−A−E−A’−N
+R
22)−Y−]
k−M (IIb)
式中、各基は上記で定義した通りである。またこのような式中、繰り返し単位は通常統計的配列である(すなわち、ブロック的配列ではない)。
【0045】
式中、上記で定義した通り、Mは、
−OC(O)−Z、
−OS(O)
2−Z
−OS(O
2)O−Z
−OP(O)(O−Z)OH
−OP(O)(O−Z)
2である。
【0046】
Zは、直鎖、環状又は分枝状、飽和又は不飽和のC
1〜C
20、又は好ましくはC
2〜C
18、又は更により好ましくは、1つ又は複数の−O−、又は−C(O)−に割り込まれてもよく、及び、−OHで置換されてもよい炭化水素ラジカルである。特定の実施形態では、Mは、特に、例えばドデカン酸等の10個超の炭素原子を有する直鎖カルボン酸から得られる−OC(O)−Zである。
【0047】
更なる実施形態では、ポリオルガノシロキサン含有反復基−K−S−K−とポリアルキレン反復基−A−E−A’−又は−A’−E−A−とのモル比は、100:1〜1:100、又は好ましくは20:1〜1:20、又はより好ましくは10:1〜1:10である。
【0048】
基−(N
+R
2−T−N
+R
2)−において、Rは、1つ又は複数の−O−、−C(O)−に割り込まれてもよく、及び、−OHで置換されてもよい、一価直鎖、環状又は分枝状のC
1〜C
20炭化水素ラジカルを表してよく、Tは、−O−、−C(O)−に割り込まれてもよく、及び、ヒドロキシルで置換されてもよい、二価直鎖、環状、又は分枝状のC
1〜C
20炭化水素ラジカルを表してよい。
【0049】
第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む上記ポリオルガノシロキサン化合物はまた、1)第四級アンモニウム官能基を含み、エステル官能基を含まない個々の分子、2)第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む分子、並びに3)エステル官能基を含み、第四級アンモニウム官能基を含まない分子も含有してよい。構造に限定されないが、第四級アンモニウム官能基及びエステル官能基を含む上記ポリオルガノシロキサン化合物は、両方の部分をある平均量と割合で含む分子の混合物であると理解される。
【0050】
様々な一官能性有機酸を使用して、エステルを得ることができる。代表的な実施形態として、C
1〜C
30カルボン酸、例えばC
2、C
3、C
8酸、C
10〜C
18カルボン酸、例えばC
12、C
14、C
16酸、飽和、不飽和、及びヒドロキシル官能化C
18酸、アルキルポリエーテルカルボン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルポリエーテル硫酸、リン酸モノアルキル/アリールエステル及びリン酸ジアルキル/アリールエステルが挙げられる。
【0051】
B.ゲルマトリックス
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤と、高融点脂肪族化合物と、水性キャリアと、を含むゲルマトリックスを含む。カチオン性界面活性剤は、高融点脂肪族化合物及び水性キャリアと共に、様々なコンディショニング効果、特に濡れた毛髪での滑りやすくツルツルした感触を提供するのに好適なゲルマトリックスをもたらす。したがって、第四級基(上記)及びゲルマトリックスの両方を含有するシリコーンポリマーはコンディショニング効果をもたらし、組み合わせると、個々の構成成分と比較して、増大された機能性を付与できるようになる。
【0052】
上記ゲルマトリックスを提供することを考慮すると、カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、上記コンディショニング効果、特に濡れた毛髪での滑りやすくツルツルした感触を提供するという観点から、カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物とのモル比が、好ましくは約1:1〜約1:10、より好ましくは約1:2〜約1:6、又は約1:1〜約1:4の範囲となるような濃度で含まれる。代表的な本発明の組成物は、組成物の約60重量%〜約99重量%、好ましくは約70重量%〜約95重量%、より好ましくは約80重量%〜約95重量%の、層状ゲルマトリックスを含むゲルマトリックスを含み、ゲルマトリックスには任意成分を添加してよい(例えば、シリコーン)。
【0053】
1.カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤を含む。カチオン性界面活性剤は、次式(XIII)を有するモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩である。
【0054】
【化3】
式中、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうち1つは、約16〜約30個の炭素原子の脂肪族基、又は最大約30個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール若しくはアルキルアリール基から選択され、残りのR
71、R
72、R
73、及びR
74は、独立して、約1〜約8個の炭素原子の脂肪族基、又は最大約8個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール若しくはアルキルアリール基から選択され、X
-は、塩形成アニオン、例えばハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、グルタミン酸塩、及びアルキルスルホン酸塩ラジカルから選択されるものである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基のような他の基を含有することができる。より長鎖の脂肪族基、例えば、約16個以上の炭素のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。好ましくは、R
71、R
72、R
73、及びR
74のうち1つは、約16〜約30個の炭素原子、より好ましくは約18〜約26個の炭素原子、更により好ましくは約22個の炭素原子のアルキル基から選択され、残りのR
71、R
72、R
73、及びR
74は、独立して、CH
3、C
2H
5、C
2H
4OH、CH
2C
6H
5、及びこれらの混合物からなる群から選択され、(X)は、Cl、Br、CH
3OSO
3、及びこれらの混合物からなる群から選択される。そのようなモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、マルチ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩と比較して、濡れた毛髪での改善された滑りやすくツルツルした感触を与えることができると考えられる。また、モノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩は、アミン又はアミン塩カチオン性界面活性剤と比較して、乾燥した毛髪での改善された疎水性及び平滑な感触を与えることができるとも考えられる。
【0055】
このようなモノ長鎖アルキル四級化アンモニウム塩のカチオン性界面活性剤の非限定例として、例えば、Clariantから商標名Genamine KDMPで、Crodaから商標名INCROQUAT TMC−80で、及びSanyo KaseiからECONOL TM22で入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド;例えば、Nikko Chemicalsから商標名CA−2450で入手可能なステアリルトリメチルアンモニウムクロリド;例えば、Nikko Chemicalsから商標名CA−2350で入手可能なセチルトリメチルアンモニウムクロリド;FeiXiangから入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート;水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド;ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;並びにステアロイルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0056】
これらのうち、より好ましいカチオン性界面活性剤は、より長鎖のアルキル基、すなわちC
22アルキル基を有するものである。このようなカチオン性界面活性剤として、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド及びベヘニルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートが挙げられる。より長鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤は、より短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、乾いた毛髪での疎水性を改善すると考えられる。また、より短鎖のアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、長鎖アルキル基を有するカチオン性界面活性剤は、本発明のポリオールエステルと組み合わせるとき、毛髪、特に傷んだ毛髪の疎水性を改善できるとも考えられる。あるいはまた、十分な長さのアルキル基を有するカチオン性界面活性剤は、長すぎるアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、濡れた毛髪での滑りやすくツルツルした感触を改善すると考えられる。したがって、長鎖アルキル基のうちC
22アルキル基を選択することで、乾いた毛髪での疎水性の改善と、濡れた毛髪での滑りやすくツルツルした感触の改善とのバランスがとれた効果をもたらすと考えられる。
【0057】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約8重量%、更により好ましくは約1.5重量%〜約5重量%の量のカチオン性界面活性剤を含む。
【0058】
2.高融点脂肪族化合物
本発明のヘアコンディショニング組成物は、高融点脂肪族化合物を含む。本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。当業者は、本明細書のこの項に開示されている化合物が、場合によっては2つ以上の分類に属することがある(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体が脂肪酸誘導体としても分類されることがあり得る)ということを理解している。しかしながら、示されている分類は、その特定の化合物を限定することを意図するものではなく、分類及び命名法の便宜上そのようになされている。更に、当業者は、二重結合の数と位置、及び分枝の長さと位置によっては、特定の所要炭素原子を有する特定の化合物の融点が約25℃未満である場合があることを理解している。そのような低融点の化合物は、この項には含まれないものとする。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary(Fifth Edition,1993)及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook(Second Edition,1992)に記載されている。
【0059】
高融点脂肪族化合物は、組成物の約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、更により好ましくは約2重量%〜約8重量%の濃度で、組成物中に含むことができる。
【0060】
本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14〜約30個の炭素原子、好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和しており、直鎖又は分枝鎖のアルコールであることができる。脂肪族アルコールの非限定例として、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0061】
本明細書で有用な脂肪酸は、約10〜約30個の炭素原子、好ましくは約12〜約22個の炭素原子、より好ましくは約16〜約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪酸は飽和であり、直鎖又は分枝鎖の酸であり得る。また、本明細書の要件を満たす、二酸、三酸、及び他の多酸も包含される。また本明細書には、これらの脂肪酸の塩も包含される。脂肪酸の非限定例として、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セバシン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0062】
本明細書で有用な脂肪族アルコール誘導体及び脂肪酸誘導体として、脂肪族アルコールのアルキルエーテル、アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコールのアルキルエーテル、脂肪族アルコールのエステル、エステル化が可能なヒドロキシ基を有する化合物の脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪族アルコール誘導体及び脂肪酸誘導体の非限定例として、メチルステアリルエーテル等の物質;セチルアルコールのエチレングリコールエーテルである、セテス−1〜セテス−45等のセテスシリーズの化合物(ここで、数の呼び名は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルである、ステアレス−1〜ステアレス−10等のステアレスシリーズの化合物(ここで、数の呼び名は存在するエチレングリコール部分の数を示す);セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテル、すなわち、セチル及びステアリルアルコールを主に含有する脂肪族アルコールの混合物である、セテアレス1〜セテアレス−10(ここで、数の呼び名は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);前述のセテス、ステアレス、及びセテアレス化合物のC
1〜C
30アルキルエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;エチルステアレート、セチルステアレート、セチルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチルミリステート、ポリオキシエチレンセチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、ソルビタンステアレート、ポリグリセリルステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0063】
高純度の単一化合物の高融点脂肪族化合物が好ましい。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールの群から選択される、純粋な脂肪族アルコールの単一化合物が極めて好ましい。本明細書では、「純」により、少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の純度を有する化合物を意味する。これらの高純度の単一化合物は、消費者が組成物をすすぎ落とす際に、毛髪からの良好な洗い流しやすさを提供する。
【0064】
本明細書に有用な市販の高融点脂肪族化合物として、Shin Nihon Rika(Osaka,Japan)から入手可能な商標名KONOLシリーズ、及びNOF(Tokyo,Japan)から入手可能なNAAシリーズを有する、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコール;WAKO(Osaka,Japan)から入手可能な商標名1−DOCOSANOLを有する高純度ベヘニルアルコール、Akzo(Chicago,Illinois USA)から入手可能な商標名NEO−FAT、Witco Corp.(Dublin,Ohio USA)から入手可能なHYSTRENE、及びVevy(Genova,Italy)から入手可能なDERMAを有する様々な脂肪酸が挙げられる。
【0065】
3.水性キャリア
本発明のヘアコンディショニング組成物は、水性キャリアを含む。このキャリアのレベル及び種は、他の構成成分との適合性及び製品の他の所望の特性により選択される。
【0066】
本発明で有用なキャリアとして、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、約1〜約6の炭素の一価アルコール、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコールとして、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0067】
好ましくは、水性キャリアは実質的に水である。脱イオン水が使用されるのが好ましい。ミネラルカチオンを包含する天然源からの水も、製品の所望の特性に応じて使用することができる。一般的に、本発明の組成物は約20%〜約95%、好ましくは約30%〜約92%、より好ましくは約50%〜約90%の水を含む。
【0068】
C.追加の構成成分
本発明の組成物は他の追加的な構成成分を含んでもよく、それは最終的な製品の所望の特性によって当業者により選択されてもよく、また組成物をより美容的又は審美的に許容可能なものにしたり、付加的な使用による利益を組成物に提供したりするのに好適なものである。このようなその他の追加成分は、一般に、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約5重量%以下の濃度で個々に使用される。
【0069】
多種多様な他の追加的な成分が本組成物に配合可能である。これらとしては、Hormelから入手可能な商標名Peptein 2000の加水分解コラーゲン、ビタミンA、D、B
1、B
2、B
6、B
12、C、ビオチン、Eisaiから入手可能な商標名Emix−dのビタミンE、Rocheから入手可能なパンテノール、パントテン酸、Rocheから入手可能なパンテニルエチルエーテル、及びこれらの誘導体等の水溶性及び非水溶性ビタミン等の他のコンディショニング剤;加水分解ケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素;Goldschmidtから入手可能な商標名Varonic APMのPPG−3ミリスチルエーテル、トリメチルペンタノールヒドロキシエチルエーテル、Goldschmidtから入手可能な商標名Varonic APSのPPG−11ステアリルエーテル、Goldschmidtから入手可能な商標名Tegosoft SHのステアリルヘプタノエート、Goldschmidtから入手可能なLactil(乳酸ナトリウム、PCAナトリウム、グリシン、フルクトース、尿素、ナイアシンアミド、グルコサミン、イノシトール、安息香酸ナトリウム、及び乳酸の混合物)、乳酸ナトリウム、PCAナトリウム、グリシン、フルクトース、尿素、ナイアシンアミド、グルコサミン、イノシトール、安息香酸ナトリウム、乳酸、Nishin Seiyuから入手可能な商標名Saracos、及びGoldschmidtから入手可能な商標名Tegosoft OPのエチルヘキシルパルミテート等の皮膚軟化剤;両性固定ポリマー、カチオン性固定ポリマー、アニオン性固定ポリマー、非イオン性固定ポリマー、及びシリコーングラフトコポリマー等の毛髪固定ポリマー;ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニル尿素等の防腐剤;クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のpH調整剤;一般に、酢酸カリウム及び塩化ナトリウム等の塩;任意のFD&C又はD&C染料、酸化染料及び干渉顔料等の着色剤;過酸化水素、過ホウ酸塩及び過硫酸塩、炭酸塩等の毛髪酸化(漂白)剤;チオグリコール酸塩等の毛髪還元剤;香料;並びに、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム等の金属イオン封鎖剤;サリチル酸オクチル等の紫外線及び赤外線遮断及び吸収剤;抗菌剤;懸濁化剤;粘度調整剤;不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び不溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、追加の界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、殺シラミ剤(pediculocides)、キレート剤、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、並びに、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸、チロシン、トリプタミン、及びこれらの塩等の水溶性及び不溶性アミノ酸;並びに、ジンクピリチオン、ピリジンチオン塩、アゾール、クリンバゾール、オクトピロックス、サリチル酸、硫化セレン、粒子状イオウ、これらの混合物等の抗ふけ剤が挙げられる。
【0070】
1.シリコーン
本発明の組成物は、第四級基を含有するシリコーンポリマーに加えて、シリコーン化合物を更に含んでよい。シリコーン化合物は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.25重量%〜約8重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約3重量%の量で含まれてよい。
【0071】
本明細書のシリコーン化合物は、揮発性可溶性若しくは不溶性、又は不揮発性可溶性若しくは不溶性のシリコーンコンディショニング剤を含んでよい。可溶性とは、シリコーン化合物が組成物のキャリアと、同一相の一部を形成するように、混和性であることを意味する。不溶性とは、シリコーンが、キャリアから分離した不連続相を、例えば、シリコーンの液滴の乳濁液又は懸濁液の形態で形成することを意味する。本明細書のシリコーン化合物は、従来の重合、つまり乳化重合によって調製されてよい。
【0072】
本明細書で用いるシリコーン化合物は、好ましくは、25℃において、約1,000mm
2/s〜約2,000,000mm
2/s(約1,000〜約2,000,000センチストークス)、より好ましくは約10,000mm
2/s〜約1,800,000mm
2/s(約10,000〜約1,800,000センチストークス)、更により好ましくは約25,000mm
2/s〜約1,500,000mm
2/s(約25,000〜約1,500,000センチストークス)の粘度を有する。この粘度は、Dow Corning Corporate試験法CTM0004(1970年7月20日)に示されるガラスキャピラリー粘度計を用いて測定することができ、その記載の全てが本明細書に参照により組み込まれる。高分子量のシリコーン化合物は、乳化重合によって調製されてよい。
【0073】
本明細書で有用なシリコーン化合物として、ポリアルキルポリアリールシロキサン、ポリアルキレンオキシド変性シロキサン、シリコーン樹脂、アミノ置換シロキサン、及びこれらの混合物が挙げられる。シリコーン化合物は、好ましくは、ポリアルキルポリアリールシロキサン、ポリアルキレンオキシド変性シロキサン、シリコーン樹脂、及びこれらの混合物、より好ましくは1つ又は複数のポリアルキルポリアリールシロキサンからなる群から選択される。
【0074】
本明細書で有用なポリアルキルポリアリールシロキサンとして、下記構造(XIV)を有するものが挙げられる。
【0075】
【化4】
式中、Rは、アルキル又はアリールであり、xは、約7〜約8,000の整数である。Aは、シリコーン鎖の末端を封鎖する基を表す。シロキサン鎖(R)上又はシロキサン鎖(A)の末端において置換されるアルキル又はアリール基は、得られるシリコーンが室温で流体のままであり、分散性があり、毛髪に適用されたときに刺激性がなく、毒性もその他の害もなく、組成物の他の構成成分と相溶性があり、通常の使用及び保管条件下で化学的に安定であり、毛髪に付着して毛髪の状態を整える限り、いかなる構造をも有することができる。好適なA基として、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリールオキシが挙げられる。ケイ素原子上の2つのR基は、同一の基又は異なる基を表してもよい。好ましくは、2つのR基は同一の基を表す。好適なR基として、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが挙げられる。好ましいシリコーン化合物は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンである。ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサンが、特に好ましい。使用され得るポリアルキルシロキサンとして、例えば、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらのシリコーン化合物は、例えば、Momentive Performance MaterialsからElement 14(登録商標)シリーズで、及びDow CorningからDow Corning 200シリーズで入手可能である。例えば、Momentive Performance MaterialsからのSF 1550メチルフェニル流体、又はDow Corningからの556 Cosmetic Grade Fluidのポリメチルフェニルシロキサンが、本明細書で有用である。
【0076】
毛髪の光沢特性を増強するために更に好ましいのは、高度にアリール化されたシリコーン化合物、例えば約1.46以上、特に約1.52以上の屈折率を有する高度にフェニル化されたポリエチルシリコーンである。これらの高屈折率シリコーン化合物を使用するとき、これらは、以下に記載するようにして展着剤、例えば界面活性剤又はシリコーン樹脂と混合して表面張力を低下させ、この物質の膜形成能を高めなくてはならない。
【0077】
特に有用であり得る別のポリアルキルポリアリールシロキサンは、シリコーンゴムである。用語「シリコーンゴム」は、本明細書で用いるとき、25℃において、1m
2/s(1,000,000センチストークス)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載のシリコーンゴムはまた、上に開示したシリコーン化合物と一部重複する部分も有り得るとみなされる。この重複は、これらの物質のいずれにおいても限定を意図しない。シリコーンゴムは、Petrarchらによって説明されており、1979年5月1日に発行されたSpitzerらの米国特許第4,152,416号、及びNoll,Walter,Chemistry and Technology of Silicones,New York:Academic Press 1968を含む。記載のシリコーンゴムは、Momentive Performance Materialsのシリコーンゴム製品データシートSE 30、SE 33、SE 54、及びSE 76でもある。これら記載の参照文献は全て、それらの全体が本明細書に参考として組み込まれる。「シリコーンゴム」は、典型的に、約200,000を超え、一般的に約200,000〜約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例として、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0078】
本明細書で有用なポリアルキレンオキシド変性シロキサンとして、例えば、ポリプロピレンオキシド変性及びポリエチレンオキシド変性ポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらの材料は、ジメチコンコポリオールとしても知られる。
【0079】
高度に架橋されたポリマーシロキサン系であるシリコーン樹脂は、本明細書で有用である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に、三官能性シラン及び四官能性シランを、一官能性シラン若しくは二官能性シラン、又は一官能性シラン及び二官能性シランと共に組み込むことによって導入される。当該技術分野において十分に理解されるように、シリコーン樹脂をもたらすために要求される架橋の程度は、シリコーン樹脂に組み込まれる特定のシラン単位によって異なる。概して、シリコーン材料が乾燥して剛性又は硬質膜になるように、十分なレベルの三官能性及び四官能性シロキサンモノマー単位(したがって、十分なレベルの架橋)を有するシリコーン材料は、シリコーン樹脂とみなされる。酸素原子とケイ素原子との比率は、特定のシリコーン材料における架橋レベルを示す。1個のケイ素原子につき少なくとも約1.1個の酸素原子を有するシリコーン材料が、概して、本明細書のシリコーン樹脂である。好ましくは、酸素原子:ケイ素原子の比は少なくとも約1.2:1.0である。シリコーン樹脂の製造時に使用されるシランには、モノメチル−、ジメチル−、トリメチル−、モノフェニル−、ジフェニル−、メチルフェニル−、モノビニル−、及びメチルビニルクロロシラン、並びにテトラクロロシランが挙げられ、メチル置換シランが最も一般的に利用されている。好ましい樹脂は、Momentive Performance MaterialsよりSS4230及びSS4267として提供される。市販のシリコーン樹脂は、概して、溶解形態で、低粘度の揮発性又は不揮発性シリコーン流体中に供給される。本明細書で用いるシリコーン樹脂は、当業者にとって容易に明らかであるように、そのような溶解形態で、本組成物に供給され、本組成物に組み込まれなければならない。理論によって束縛されることなく、シリコーン樹脂は、他のシリコーン化合物の毛髪への付着を促進することができ、屈折率が高いボリュームによって毛髪の光沢度を高めることができると考えられる。
【0080】
その他有用なシリコーン樹脂は、CTFA名がポリメチルシルセスキオキサン(polymethylsilsequioxane)である材料等のシリコーン樹脂粉末であり、Momentive Performance MaterialsからTospearl(商標)として市販されている。
【0081】
シリコーン樹脂を、当業者に「MDTQ」命名法として知られている簡便な命名法システムに従って好都合に識別することができる。このシステム下では、シリコーンは、シリコーンを構成する種々のシロキサンモノマー単位の存在によって記載される。つまり、記号Mは一官能性単位(CH
3)
3SiO
0.5を示し、Dは二官能性単位(CH
3)
2SiOを示し、Tは三官能性単位(CH
3)SiO
1.5を示し、Qは四官能性単位SiO
2を示す。ダッシュ記号の付いた単位記号、例えば、M’、D’、T’、及びQ’は、メチル以外の置換基を表しており、出てくる度に具体的に定義されなければならない。典型的な代替置換基として、ビニル、フェニル、アミノ、ヒドロキシル等の基が挙げられる。様々な単位のモル比は、シリコーン単位のそれぞれの種類の総数(若しくはその平均)を示す記号への下付き文字に関して、又は分子量と組み合わせて具体的に示された比率としてのいずれかで、MDTQシステム下でのシリコーン材料の説明を完結する。シリコーン樹脂中のD、D’、M、及び/又はM’に対するT、Q、T’、及び/又はQ’の相対モル量が高いほど、架橋のレベルが高いことを示す。しかしながら、先に論じられたように、架橋の全体的なレベルは、酸素とケイ素との比率によっても示される。
【0082】
本明細書で用いる好ましいシリコーン樹脂は、MQ、MT、MTQ、MQ、及びMDTQ樹脂である。したがって、好ましいシリコーン置換基は、メチルである。MQ樹脂が特に好ましく、M:Q比は、約0.5:1.0〜約1.5:1.0であり、樹脂の平均分子量は、約1000〜約10,000である。
【0083】
本明細書で有用なアミノ置換シロキサンとして、下記構造(XV)によって表されるものが挙げられる。
【0084】
【化5】
式中、Rは、CH
3又はOHであり、x及びyは、分子量に依存する整数であり、平均分子量は、好ましくは約5,000〜10,000であり、a及びbの両方が2〜8の整数を示す。このポリマーは、「アモジメチコン」としても知られる。
【0085】
好適なアミノ置換シロキサン流体として、次式(XVI)によって表されるものが挙げられる。
【0086】
(R
1)
aG
3-a−Si−(−OSiG
2)
n−(−OSiG
b(R
1)
2-b)m−O−SiG
3-a(R
1)
a(XVI)
式中、Gは、水素、フェニル、OH、C
1〜C
8アルキルからなる群から選択され、好ましくはメチルであり、aは0、又は1〜3の値を有する整数、好ましくは1であり、bは0、1又は2、好ましくは1であり、nは0〜1,999の整数であり、mは0〜1,999の整数であり、nとmとの合計は1〜2,000の数であり、a及びmは両方とも0ではなく、R
1は、式CqH
2qLの一価ラジカルであり、ここでqは2〜8の整数であり、Lは、次の基から選択され、
−N(R
2)CH
2〜CH
2−N(R
2)
2;
−N(R
2)
2;
−N(R
2)
+3A
-;及び
−N(R
2)CH
2〜CH
2−NR
2H
+A
-
式中、R
2は、水素、フェニル、ベンジル、飽和炭化水素ラジカルからなる群から選択され、好ましくは1〜20個の炭素原子を含有するアルキルラジカルであり、A
-はハロゲン化物イオンを示す。
【0087】
極めて好ましいアミノシリコーンは、式(XVI)に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは好ましくは約1500〜約1700、より好ましくは約1600であり、Lは−N(CH
3)
2又は−NH
2、より好ましくは−NH
2である。別の極めて好ましいアミノシリコーンは、式(XVI)に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは好ましくは約400〜約600、より好ましくは約500であり、Lは−N(CH
3)
2又は−NH
2、より好ましくは−NH
2である。このような非常に好ましいアミノシリコーンは、末端アミノシリコーンと呼ばれることがあるが、これはシリコーン鎖の一端又は両端が、窒素含有基によって末端処理されているためである。
【0088】
式(XVI)に対応する特に好ましいアミノ置換シロキサンは、「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られる、式(XVII)のポリマーである。
【0089】
【化6】
この式中、n及びmは、所望の化合物の分子量に依存して選択され、a及びbの両方は、2〜8の整数を示す。
【0090】
本発明の一実施形態では、シリコーン化合物は、シリコーンエマルションの形態の組成物中に含有される。本明細書のシリコーンエマルションは、少なくとも界面活性剤と、シリコーン化合物と、水とを含む、予め分散された安定なエマルションである。本明細書で有用な界面活性剤は、当業者に既知の任意のものである。内相粘度が高いシリコーンエマルションが好ましい。1つの好ましい例は、Dow Corningから入手可能な、120m
2/s(120,000,000センチストークス)超の内相粘度を有するHMW2220である。
【0091】
他の変性シリコーン又はシリコーンコポリマーもまた本明細書では有用である。これらの例として、米国特許第6,607,717号及び同第6,482,969号に開示されているシリコーン系第四級アンモニウム化合物(ケナン第四級化合物(Kennan quats));ドイツ特許第10036533号に開示されている末端四級シロキサン(end-terminal quaternary siloxanes);米国特許第5,807,956号及び同第5,981,681号に開示されているシリコーンアミノポリアルキレンオキシドブロックコポリマー;米国特許第6,207,782号に開示されている親水性シリコーンエマルション;並びに国際公開特許第2004/062634号に開示されている、1個又は複数の架橋した熊手又は櫛型シリコーンコポリマーセグメントから構成されるポリマーが挙げられる。
【0092】
本発明の代替実施形態では、上で述べられたシリコーン系第四級アンモニウム化合物は、本明細書の項目A(表題:第四級基を含有するシリコーンポリマー)に記載されているシリコーンポリマーと組み合わされてもよい。
【0093】
2.ポリソルベート
本発明のヘアコンディショニング組成物は、レオロジー調節の観点からポリソルベートを含有してよい。本明細書で有用な好ましいポリソルベートとして、例えば、ポリソルベート−20、ポリソルベート−21、ポリソルベート−40、ポリソルベート−60、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリソルベート−20が極めて好ましい。
【0094】
ポリソルベートは、好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.05%〜約2重量%のレベルで組成物中に含まれてよい。
【0095】
3.ポリプロピレングリコール
本明細書で有用なポリプロピレングリコールは、約200g/モル〜約100,000g/モル、好ましくは約1,000g/モル〜約60,000g/モルの重量平均分子量を有するものである。理論によって制限されるものではないが、本明細書のポリプロピレングリコールは、毛髪上に付着し、若しくは毛髪内に吸収されて保湿緩衝剤として作用する、及び/又は、1つ又は複数のその他所望の毛髪コンディショニング効果をもたらすと考えられる。
【0096】
本明細書で有用なポリプロピレングリコールは、重合度及び他の部分が付着しているか否かによって、水可溶性、水不溶性のいずれかであってよく、又は水への制限された溶解度を有してもよい。ポリプロピレングリコールの水中への所望の溶解度は、ヘアケア組成物の形態(例えば、リーブオン又はリンスオフ形態)に大部分依存する。例えば、リンスオフヘアケア組成物では、本明細書のポリプロピレングリコールは、約25℃において、水への溶解度が約1g/水100g未満、より好ましくは水への溶解度が約0.5g/水100g未満、更により好ましくは水への溶解度が約0.1g/水100g未満であることが好ましい。
【0097】
ポリプロピレングリコールは、組成物の、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約6重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約3重量%のレベルで、本発明のヘアコンディショニング組成物中に含まれ得る。
【0098】
4.低融点油
本明細書で有用な低融点油は、約25℃未満の融点を有するものである。本明細書で有用な低融点油は、約10〜約40個の炭素原子を有する炭化水素;オレイルアルコール等の、約10〜約30個の炭素原子を有する不飽和脂肪族アルコール;約10〜約30個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸;脂肪酸誘導体;脂肪族アルコール誘導体;ペンタエリスリトールエステル油、トリメチロールエステル油、クエン酸エステル油及びグリセリルエステル油等のエステル油;ポリα−オレフィン油;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書で好ましい低融点油は、ペンタエリスリトールエステル油、トリメチロールエステル油、クエン酸エステル油、及びグリセリルエステル油等のエステル油;ポリα−オレフィン油;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0099】
本明細書で特に有用なペンタエリスリトールエステル油及びトリメチロールエステル油として、ペンタエリスリトールテトライソステアレート、ペンタエリスリトールテトラオレエート、トリメチロールプロパントリイソステアレート、トリメチロールプロパントリオレエート、及びこれらの混合物が挙げられる。このような化合物は、Kokyo Alcoholから商標名KAKPTI、KAKTTIとして、及びShin−nihon Rikaから商標名PTO、ENUJERUBU TP3SOとして入手可能である。
【0100】
本明細書で特に有用なクエン酸エステル油として、Bernelから商標名CITMOL 316として入手可能なクエン酸トリイソセチル、Phoenixから商標名PELEMOL TISCとして入手可能なクエン酸トリイソステアリル、及びBernelから商標名CITMOL 320として入手可能なクエン酸トリオクチルドデシルが挙げられる。
【0101】
本明細書において特に有用なグリセリルエステル油として、Taiyo Kagakuから商標名SUN ESPOL G−318として入手可能なトリイソステアリン、Croda Surfactants Ltd.から商標名CITHROL GTOとして入手可能なトリオレイン、Vevyから商標名EFADERMA−F、又はBrooksから商標名EFA−GLYCERIDESとして入手可能なトリリノレインが挙げられる。
【0102】
本明細書で特に有用なポリα−オレフィン油として、Exxon Mobil Co.から入手可能な、数平均分子量約500の商標名PURESYN 6、数平均分子量約3000の商標名PURESYN 100、及び数平均分子量約6000の商標名PURESYN 300のポリデセンが挙げられる。
【0103】
5.カチオン性ポリマー
本明細書で有用なカチオン性ポリマーは、少なくとも約5,000、典型的には約10,000〜約10百万、好ましくは約100,000〜約2百万の重量平均分子量を有するものである。
【0104】
好適なカチオン性ポリマーとして、例えば、カチオン性アミン又は四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、並びにビニルピロリドンのような水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーが挙げられる。その他の好適なスペーサーモノマーとして、ビニルエステル、ビニルアルコール(ポリビニルアセテートの加水分解によって作られる)、無水マレイン酸、プロピレングリコール及びエチレングリコールが挙げられる。本明細書で有用な他の好適なカチオン性ポリマーとして、例えば、カチオン性セルロース、カチオン性デンプン、及びカチオン性グアーガムが挙げられる。
【0105】
6.ポリエチレングリコール
ポリエチレングリコールも追加の構成成分として使用できる。特に好ましい本明細書で有用なポリエチレングリコールは、nが約2,000の平均値を有するPEG−2M(PEG−2Mは、Union CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−10として、及びPEG−2,000としても知られる);nが約5,000の平均値を有するPEG−5M(PEG−5Mは、両方ともUnion CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−35及びPolyox WSR(登録商標)N−80、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール300,000としても知られる);nが約7,000の平均値を有するPEG−7M(PEG−7Mは、Union CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−750としても知られる);nが約9,000の平均値を有するPEG−9M(PEG−9Mは、Union CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−3333としても知られる);並びに、nが約14,000の平均値を有するPEG−14M(PEG−14Mは、Union CarbideのPolyox WSR(登録商標)N−3000としても知られる)である。本明細書で用いるとき、「n」は、ポリマー中のエチレンオキシド単位の数を指す。
【0106】
使用方法
本発明のヘアコンディショニング組成物は、従来の方法で用いられ、コンディショニング効果及びその他効果をもたらす。このような使用方法は、使用する組成物の種類に依存するが、一般に、有効量の製品を毛髪又は頭皮に塗布することを伴い、その後、毛髪若しくは頭皮からすすぐ(ヘアリンスの場合)又は毛髪若しくは頭皮に残したままにしてよい(ジェル、ローション、クリーム、及びスプレーの場合)。「有効量」は、乾燥コンディショニング効果をもたらすのに十分な量を意味する。一般に、約1g〜約50gが毛髪又は頭皮に塗布される。
【0107】
組成物を、毛髪の乾燥前の濡れた毛髪又は湿った毛髪に塗布してよい。典型的には、組成物を毛髪のシャンプー後に用いる。典型的には毛髪若しくは頭皮に擦りこむ、又は毛髪若しくは頭皮をマッサージすることによって、組成物を毛髪又は頭皮全体に広げる。このような組成物を毛髪に塗布した後、毛髪を乾燥させ、ユーザーの嗜好に従ってスタイリングする。あるいはまた、組成物を乾いた毛髪に塗布し、その後ユーザーの嗜好に従って、毛髪を梳かすか又はスタイリングする。
【0108】
製品形態
本発明のヘアコンディショニング組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であってよく、不透明であってよく、またクリーム、ジェル、エマルション、ムース、及びスプレーが挙げられるが、これらに限定されない多種多様な製品形態で配合されてよい。
【0109】
本発明は更に、上記で定義した通り、少なくとも1種のポリオルガノシロキサン化合物及び/又は少なくとも1種のポリオルガノシロキサン組成物を含む、水性エマルションに関する。このような水性エマルションは、エマルションの総重量に基づき、好ましくは少なくとも30重量パーセント、好ましくは少なくとも50重量パーセント、更により好ましくは少なくとも80重量パーセントの水を含む。
【0110】
本発明の組成物は、リンスオフ製品及びリーブオン製品に好適であり、リンスオフコンディショナー形態の製品の製造に特に有用である。
【0111】
非限定的実施例
以下の実施例及び表に示される組成物は、本発明の組成物の具体的な実施形態を例示したものであるが、これらに限定することを意図しない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者はその他の変更を実行することができる。
【0112】
下記実施例に示された組成物は、従来の配合及び混合方法により調製され、その実施例は以下に記載される。特に規定のない限り、例示した全ての量は、重量パーセントで列記され、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、イメージ成分、植物等の微量物質は除外する。
【0113】
以下の代表的なシリコーンポリマーA〜Cは全て、下記構造及び表1に示す置換基を含む。
M−Y−[−(N
+R
2−T−N
+R
2)−Y−]
m−[−(N
+R
22−A−E−A’−N
+R
22)−Y−]
k−M
【0115】
以下の表2に示す代表的な製品組成には、上記表1に示すシリコーン第四級ポリマーA〜Cが含まれる。
【0117】
「好ましくは」、「通常」、「一般に」、「一般的に」及び「典型的に」等の用語は、本明細書では、請求される本発明の範囲を限定するために、又は特定の特長が、請求される本発明の構造若しくは機能にとって重大、必須、若しくは更には重要であることを示唆するように用いられていないことに更に注意されたい。むしろこれらの用語は、本発明の特定の実施形態の中で使用されても使用されなくてもよい、代替的又は追加的特長を強調することを単に意図している。
【0118】
本発明の説明及び定義の目的のために、「実質的に」という用語は、本明細書において、任意の定量的な比較、値、測定、又は他の表現に帰属される場合がある、不確定の固有度を表すために利用されることに更に注意されたい。「実質的に」という用語はまた、本明細書においては、定量的表現が、意図する対象物の基本的機能に変化をもたらさない程度に、記載の基準から変動し得ることを表すためにも利用される。
【0119】
本発明の詳細説明及びその特定の実施形態への参照により、添付の「特許請求の範囲」に定義される本発明の範囲を逸脱することなく、修正及び変化が可能であることが明らかであろう。より具体的には、本発明の一部の態様は、本明細書において、好ましい又は特に有利であると特定されていても、本発明は、本発明のこれらの好ましい態様に必ずしも制限されないと考えられる。
【0120】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。