特許第6130591号(P6130591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6130591防水、防火、断熱、装飾効果のある一体型発泡ガラス板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130591
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】防水、防火、断熱、装飾効果のある一体型発泡ガラス板
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/15 20060101AFI20170508BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   E04F13/14 104
   E04F13/08 101D
   E04F13/08 101K
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-517486(P2016-517486)
(86)(22)【出願日】2014年12月2日
(65)【公表番号】特表2016-540137(P2016-540137A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】CN2014092848
(87)【国際公開番号】WO2016045194
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2016年3月30日
(31)【優先権主張番号】201410500238.0
(32)【優先日】2014年9月26日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516086266
【氏名又は名称】浙江振申絶熱科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】張 永福
(72)【発明者】
【氏名】張 春華
(72)【発明者】
【氏名】黄 小斌
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−342961(JP,A)
【文献】 特開2013−087491(JP,A)
【文献】 特開平03−039556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/15
E04F 13/21
E04F 13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡ガラス板を含み、前記発泡ガラス板の内側及び側面には接着層が形成され、外側にはコーティング層が形成され、前記発泡ガラス板の内側は前記接着層により壁面に固定され、前記発泡ガラス板の外表面は切断されたレリーフ面であり、前記発泡ガラス板の内表面は壁面の模様にマッチングされた立体面であり、
前記接着層は、急結有機接着剤とアンカーボルト固定部品とから構成され、
前記アンカーボルト固定部品は、互いに隣接する前記発泡ガラス板の間を通され、前記急結有機接着剤は、前記発泡ガラス板の内表面と壁面との間に設けられると共に、前記発泡ガラス板とアンカーボルト固定部品の間にコーティングされ、
前記発泡ガラス板の側面には前記アンカーボルト固定部品の配置に用いる凹部が形成され、前記凹部の内面には硬質の支持部品が接着し、前記アンカーボルト固定部品と硬質支持部品は点状接触構造であり、前記アンカーボルト固定部品は、金属又は硬質プラスチック素材であり、
前記発泡ガラス板の主要原料は産業廃棄物又は建築廃棄物であり、
前記コーティング層は、塗料を前記発泡ガラス板の外表面に直接コーティングすることにより形成され、前記発泡ガラス板の厚さは20〜800mmであり、前記発泡ガラス板の面積は0.01〜10平方メートルであり、
隣接する前記発泡ガラス板間の継ぎ目も前記急結有機接着剤でコーティングされ、
前記急結有機接着剤が耐候性シリコン接着剤又は樹脂類接着剤である
ことを特徴とする防火、防水、断熱装飾効果のある一体型発泡ガラス板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一体型発泡ガラス板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一体型発泡ガラス板は、接着層、発泡ガラス及び仕上層の三部分から構成され、発泡ガラスの表面は通常の平面構造であるため、表面に固定された仕上層を設けることによってのみ装飾効果を得ることができるが、仕上層の固定には中間媒質(網状生地など)が必要であるので、工程が複雑でコストが高い。発泡ガラスを壁に固定する場合は接着層を薄く塗る方法がよく用いられるが、用いられる接着層はセメント基材であるため、コンクリート類の粗い壁面には適するが、ガラス、鉄鋼及びその他構造が緻密で滑りやすい壁面では接着効果がよくなく、欠け落ちることが多い。また、施工工程が非常に複雑であり、壁面の粉塵を除去し、その後仕上モルタル(mortar)と接着モルタルを塗って網状生地を接着しなければならず、リベット(rivet)も装着しなければならないので、同様に工程が複雑でコストが高いという欠点がある。従来の建築用断熱装飾材は、建築物に用いられるため建築物の使用過程で様々な原因により亀裂が発生することがあり、従来の美装方法などにおける無機接着剤の断熱装飾材は欠け落ちたり、建築物と共に亀裂が発生して漏水することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明においては、前記一体型発泡ガラス板の工程が複雑でコストが高いという欠点を解決するために、構造が簡単でコストが低く、装飾効果に優れ、広範囲に用いることができる一体型発泡ガラス板を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明においては次の技術方法を採用した。
【0005】
本発明は、防火、防水、断熱装飾効果のある一体型発泡ガラス板に関し、発泡ガラス板を含み、前記発泡ガラス板の内側には接着層が形成され、外側にはコーティング層が形成され、前記発泡ガラス板は前記接着層により壁面に固定され、前記発泡ガラスの外表面は切断されたレリーフ面である。
【0006】
前記コーティング層は塗料を発泡ガラスの外表面に直接コーティングすることにより形成され、前記発泡ガラス板の厚さは20〜800mmであり、前記発泡ガラスの面積は0.01〜10平方メートルである。
【0007】
前記接着層は、急結有機接着剤とアンカーボルト固定部品とから構成される。
【0008】
前記アンカーボルト固定部品は、金属又は硬質プラスチック素材である。
【0009】
前記発泡ガラス板の縁部の側面には1つ又は複数の前記アンカーボルト固定部品の配置に用いる凹部が形成され、前記凹部の内面には硬質の支持部品が接着する。
【0010】
前記発泡ガラス板とアンカーボルト固定部品の間には前記急結有機接着剤がコーティングされ、隣接する前記発泡ガラス板間の継ぎ目も前記急結有機接着剤でコーティングされる。
【0011】
前記急結有機接着剤は、耐候性シリコン接着剤又は樹脂類接着剤である。
【0012】
前記発泡ガラスの内面は、壁体表面の模様にマッチングされた立体面である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の利点は次の通りである。1.発泡ガラスの生産に用いる主要原料は産業廃棄物又は建築廃棄物であるので、環境にやさしく、経済的で、加工が容易であり、各種パターン及び形状に切削して彫刻することができ、レリーフ面に塗料を直ちにコーティングできるので、工程が簡単で、コストが低く、装飾効果に優れる。2.設置が非常に簡単で、壁面に簡単な粉塵処理さえ行えば直ちに接着させることができ、接着層は急結有機接着剤を用いるため、壁面に簡単な粉塵処理を行えば塗布又はコーティングすることにより直ちに接着させることができるので、工程が簡単で、施工が簡便で、労働強度が低く、効率性が高く、緻密度や材質が異なる壁面に適し、接着強度が高く、耐候性が高い。3.このような一体型発泡ガラス板は、構造が簡単で、重量が軽く、強度が高く、建築壁体の内外の断熱防火装飾に適用することができる。建築物の屋上の断熱防火防水装飾として用いることができるだけでなく、室内の天井の断熱防火装飾として用いることができ、断熱防火効果に優れ、性能が安定している。4.本発明に用いられる耐候性有機接着剤は、建築物に生じる一部の小さな亀裂による引張応力を効果的に遮断することができる。5.本発明は、建築用GRC製品を代替することができ、発泡ガラスの強度が高く、重量が軽く、可塑性と安全性に優れ、施工が便利であるなどの特徴を有するので、建築用装飾造形の材料に非常に適している。6.室内の壁や天井として用いることができ、室内の防火、防水、断熱、騒音遮断、装飾材料として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例1の構造断面図
図2】本発明の実施例2の構造断面図
図3】本発明の実施例3の構造断面図
図4図1のA部分の拡大図
図5図2のB部分の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施例1)
図1及び図4に示すように、本発明は、防水、防火、断熱、装飾効果のある一体型発泡ガラス板に関し、発泡ガラス板1を含み、前記発泡ガラス板の内側には接着層が形成され、外側にはコーティング層2が形成され、前記発泡ガラス板は接着層により壁面3に固定され、前記発泡ガラスの外表面は切断されたレリーフ面である。前記コーティング層は塗料を発泡ガラスの外表面に直接コーティングすることにより形成され、発泡ガラス板の厚さは20mmであり、発泡ガラスの面積は0.01平方メートルである。前記接着層は、急結有機接着剤41とアンカーボルト固定部品42とから構成される。前記アンカーボルト固定部品は金属である。前記発泡ガラス板の縁部の側面には1つ又は複数の前記アンカーボルト固定部品の配置に用いる凹部が形成され、凹部の内面には硬質の支持部品5が接着し、前記アンカーボルト固定部品と硬質支持部品は点状接触構造である。発泡ガラス板とアンカーボルト固定部品の間には前記急結有機接着剤がコーティングされ、隣接する発泡ガラス板間の継ぎ目も急結有機接着剤でコーティングされる。前記急結有機接着剤は耐候性シリコン接着剤である。前記発泡ガラスの内面は、壁体表面の模様にマッチングされた立体面である。
【0016】
(実施例2)
図2及び図5に示すように、本発明は、防水、防火、断熱、装飾効果のある一体型発泡ガラス板に関し、発泡ガラス板1を含み、前記発泡ガラス板の内側には接着層が形成され、外側にはコーティング層2が形成され、前記発泡ガラス板は接着層により壁面3に固定され、前記発泡ガラスの外表面は切断されたレリーフ面である。前記コーティング層は、塗料を発泡ガラスの外表面に直接コーティングすることにより形成され、発泡ガラス板の厚さは800mmであり、発泡ガラスの面積は10平方メートルである。前記接着層は、急結有機接着剤41とアンカーボルト固定部品42とから構成される。前記アンカーボルト固定部品は硬質プラスチックである。前記発泡ガラス板の縁部の側面には1つ又は複数の前記アンカーボルト固定部品の配置に用いる凹部が形成され、前記アンカーボルト固定部品と凹部は面状接触構造である。発泡ガラス板とアンカーボルト固定部品の間には前記急結有機接着剤がコーティングされ、隣接する発泡ガラス板間の継ぎ目も急結有機接着剤でコーティングされる。前記急結有機接着剤は樹脂類接着剤である。前記発泡ガラスの内面は壁体表面の模様にマッチングされた立体面である。
【0017】
(実施例3)
図3に示すように、本発明は、防水、防火、断熱、装飾効果のある一体型発泡ガラス板に関し、発泡ガラス板1を含み、前記発泡ガラス板の内側には接着層が形成され、外側にはコーティング層2が形成され、前記発泡ガラス板は接着層により壁面3に固定され、前記発泡ガラスの外表面は切断されたレリーフ面である。前記コーティング層は、塗料を発泡ガラスの外表面に直接コーティングすることにより形成され、発泡ガラス板の厚さは400mmであり、発泡ガラスの面積は5平方メートルである。接着層4は急結有機接着剤である。隣接する発泡ガラス板間の継ぎ目は前記急結有機接着剤でコーティングされ、前記急結有機接着剤は耐候性シリコン接着剤である。前記発泡ガラスの内面は壁体表面の模様にマッチングされた立体面である。
【0018】
上記実施例は本発明の一実施例であり、本発明の趣旨に基づいて適宜変更可能である。
図1
図2
図3
図4
図5