特許第6130639号(P6130639)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130639
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】枯渇型電荷増倍CCD画像センサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/148 20060101AFI20170508BHJP
   H04N 5/357 20110101ALI20170508BHJP
   H04N 5/372 20110101ALI20170508BHJP
【FI】
   H01L27/14 B
   H04N5/335 570
   H04N5/335 720
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-211191(P2012-211191)
(22)【出願日】2012年9月25日
(65)【公開番号】特開2013-93562(P2013-93562A)
(43)【公開日】2013年5月16日
【審査請求日】2015年9月11日
(31)【優先権主張番号】61/539,123
(32)【優先日】2011年9月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/623,316
(32)【優先日】2012年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】300057230
【氏名又は名称】セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー パークス
【審査官】 今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−177587(JP,A)
【文献】 特開平04−260370(JP,A)
【文献】 特開平03−181139(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/053485(WO,A1)
【文献】 特開昭60−244068(JP,A)
【文献】 特開2003−333605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/14
H04N 5/335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電荷結合デバイス(CCD)であって、該CCDは、
電荷キャリアの移送のためのチャネルであって、該チャネルは、第1の導電性型を有する、チャネルと、
該チャネルの上に配置され、該チャネル内の電荷キャリアの移送を制御する複数のゲート電極と、
該チャネルの相対する側面から横方向に離して置かれ、該第1の導電性型と反対の第2の導電性型を有する第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップと、
該チャネルと該第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップの各々との間に配置された完全に枯渇している複数の領域と、
複数の制御ワイヤであって、各制御ワイヤは、ゲート電極に電気的に接続され、該チャネルと該第2のチャネルストップとの間の水平方向の距離は、該チャネルと該チャネルから最も遠くに配置された該制御ワイヤとの間の水平方向の距離よりも大きい、複数の制御ワイヤと
を備えている、CCD
【請求項2】
前記完全に枯渇している複数の領域のうちの少なくとも1つは、前記チャネルの下に延びている、請求項1に記載のCCD。
【請求項3】
(i)前記CCDは、複数の相で電荷キャリアを移送し、(ii)前記複数のゲート電極は、各相に対するただ1つの独立的に制御可能なゲート電極を備えている、請求項1に記載のCCD。
【請求項4】
前記複数のゲート電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他のゲート電極によって印加される電圧よりも大きな電圧の印加によって前記チャネル内の電荷を増倍するように構成されている、請求項1に記載のCCD。
【請求項5】
前記第1のチャネルストップまたは前記第2のチャネルストップのうちの少なくとも1つは、実質的に前記チャネルの全長に沿って延びている連続性のドープされた領域である、請求項1に記載のCCD。
【請求項6】
前記第1のチャネルストップまたは前記第2のチャネルストップのうちの少なくとも1つは、複数の離散かつ分離されたドープされた領域を備えている、請求項1に記載のCCD。
【請求項7】
前記チャネルは、前記第2の導電性型のドープされたウェル内に配置されている、請求項1に記載のCCD。
【請求項8】
前記複数のゲート電極の各々は、前記チャネルの幅よりも大きな幅を有する、請求項1に記載のCCD。
【請求項9】
電荷結合デバイス(CCD)を形成する方法であって、該方法は、
基板内に配置されたチャネルを形成することであって、該チャネルは、第1の導電性型を有する、ことと、
該チャネル内における電荷キャリアの移送を制御するための複数のゲート電極を該チャネルの上に形成することと、
該第1の導電性型と反対の第2の導電性型を有する第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップを該チャネルの相対する側面から横方向に離して形成することであって、該第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップは各々、該チャネルと該チャネルストップとの間の完全に枯渇している複数の領域によって該チャネルから離して置かれる、ことと、
複数の制御ワイヤを形成することであって、各制御ワイヤは、ゲート電極に電気的に接続され、該チャネルと該第2のチャネルストップとの間の水平方向の距離は、該チャネルと該チャネルから最も遠くに配置された該制御ワイヤとの間の水平方向の距離よりも大きい、ことと
を含む、方法。
【請求項10】
前記チャネルを形成することは、前記第1の導電性型のドーパントのイオン注入を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップを形成することは、前記第2の導電性型のドーパントのイオン注入を含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のゲート電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他のゲート電極によって印加される電圧よりも大きな電圧の印加によって前記チャネル内の電荷を増倍するように構成される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2011年9月26日に出願され、その開示全体が参考として本明細書に援用された米国仮特許出願第61/539,123号の利益および優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、様々な実施形態において、電荷結合デバイス(CCD)画像センサの構造、作成、および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
電荷結合デバイス(CCD)画像センサは通常、照明に応答して電荷キャリアを集める感光性エリアのアレイを含む。集められた電荷は次に、感光性エリアのアレイから移送され、そして電圧に変換され、この電圧から画像が関連する回路によって再構成され得る。図1は従来のインタラインCCD画像センサ100を示し、従来のインタラインCCD画像センサ100は、列状に配列された感光性エリア102(これらの各々は、光ダイオード、光検出器、フォトキャパシタ(photocapacitor)、または光導電体を含み得るか、または本質的にこれらから成り得る)のアレイを含み、撮像エリア104を形成する。垂直CCD(VCCD)106は、感光性エリア102の各列の隣に配置される。(明快さのために感光性エリア102の1つの列だけに対する)図1に概略示されるように、(その間に電荷パケット108が感光性エリア102に蓄積する)露光期間に続いて、電荷パケット108は、感光性エリア102からVCCD106におけるそれぞれのシフトレジスタ素子110の中に移送され、シフトレジスタ素子110は次に、並列に行ごとに、電荷を水平CCD(HCCD)112の中にシフトする。HCCD112は次に、電荷パケット108を出力回路114に連続して移送し、出力回路114は、例えば出力電荷感知増幅器を含み得る。結果として生じるデータは次に、通常デジタル化され、そしてデジタル化された画像は、ディスプレイに表示されるか、または格納ユニットに格納される。以下に詳述されるように、HCCD112は、HCCD112におけるシフト素子116と重なる移送ゲート電極(図1には示されず)の一部分により大きな電圧レベルを印加することにより、HCCD112の中の電荷を増倍させ得る。
【0004】
図2は、図1のラインA−Aに沿う拡大平面図である。図示されるように、HCCD112は、4相HCCDシフトレジスタとして構成される。すなわち、HCCD112は、各シフト素子116と重なる4つの移送ゲート電極H1S、H1B、H2S、H2Bを特徴とする。図3Aは、図2のラインB−Bに沿った断面図であり、図3A図3Cは、HCCD112内における電荷増倍動作を示す。移送ゲート電極H1S、H1B、H2S、H2Bは、薄いゲート誘電体300の上に配置される。CCD電荷移送チャネル302は通常、p型基板304におけるn型埋め込みチャネルである。図3Bに示されるように、電荷増倍プロセスは、移送ゲート電極H1B、H2S、およびH2Bが低圧レベルに保持され、大きな正電圧レベルが移送ゲート電極H1Sに印加されるときの時間T1で始まる。移送ゲート電極H1BおよびH2Bの下に形成された閾値調節バリアインプラント306は、移送ゲート電極H1B、H2SおよびH2Bがすべて等しい低圧に保持されるとき、電荷パケット308を閉じ込める。図3Cに示されるように、次の時間T2では、移送ゲート電極H1Bに対する電圧レベルが高められ、電荷が移送ゲート電極H1Sの下の深い電位ウェルの中に流れ込むことを可能にする。その開示全体が本明細書に参考として援用されている特許文献1に説明されているように、深い電位ウェルは、二次電子を衝撃イオン化によって埋め込みチャネル材料から遊離させるために、十分な量のエネルギーを電子に与える。衝撃イオン化プロセスは、元の電荷パケット308における電子の数を増倍させる(すなわち、増幅する)。より大きな増倍させられた電荷パケット(またはそれに対応する信号)は、元の電荷パケットよりも検出することが容易であり、画像センサの性能を高める。
【0005】
図4は、図2のラインC−Cに沿った断面図であり、移送ゲート電極H1Sに対する(図2にも示されている)p型チャネルストップインプラント400の構造および位置を示す。大きな電圧が移送ゲート電極H1Sに印加されるとき、正に荷電させられた正孔402は、重くドープされたチャネルストップ400の方に押される。丁度、電子が衝撃イオン化によって増倍させられたように、正孔402もそのようにして増倍させられる。正孔の増倍は、CCD電荷移送チャネル302に残される過剰な電子を結果として生じる(図3も参照のこと)。これらの過剰な電子が電荷パケット308と組み合わさるとき、スプリアスノイズが生成される。
【0006】
図5は、別の従来の電荷増倍HCCDの1つの相の断面図であり、この従来の電荷増倍HCCDは、スプリアス電荷生成を防止するために、さらなるゲート電極を利用する。図示されるように、さらなるゲート電極500は、CCDチャネル移送チャネル502のエッジを高圧移送ゲート電極504からシールドするために利用される。このような設計は、HCCD構造内のさらなるゲート電極500およびゲート誘電体506および508により、製造するには複雑であり、かつ費用が掛かる。
【0007】
図6は、別の従来の4相電荷増倍HCCDの2つのシフト素子の上面図であり、スプリアス電荷生成は、(高圧が印加される)移送ゲート電極600を低圧ゲート602および604で取り囲むことによって回避される。従って、高圧ゲート600は、チャネルストップ606から分離され、この空間的分離は、スプリアス電荷生成を抑制する。しかしながら、図5の構造に対すると同様に、ゲート600、602、604を作成する製造プロセスは複雑であり、かつ費用が掛かる傾向がある。さらに、ゲート600の必然的なより小さいエリアは、CCDに保持され得る電荷の量を制限する。従って、容易に製造され(すなわち、さらなるまたは特殊な形状のゲート電極の利用を必要とせず)、そして、衝撃イオン化によるスプリアス電荷生成を低減するか、またはこれをなくする電荷増倍HCCDに対する設計の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,337,340号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、(チャネルドーピングと比較して)反対にドープされた1つ以上のチャネルストップをチャネルから離して置くことによって、電荷増倍CCDチャネルにおける衝撃イオン化によるスプリアス電荷生成を大きく低減するか、またはこれを実質的になくする。(当該技術分野において公知であるように、チャネルストップは、チャネルの横方向の範囲を画定し、かつ/またはチャネルと平行な寄生チャネルの形成を防止することに役立つ、チャネルに対して反対にドープされた領域である。)チャネルストップおよびチャネルは好ましくは、電荷キャリア(すなわち電子および/または正孔)が実質的に完全に枯渇している領域によって互いから分離される。チャネルストップは好ましくは、CCD内における電荷の流れを制御するCCDゲート電極の下には配置されない。このような構成は、電荷増倍のためのさらなるゲート電極を実装する複雑なスキームに対する必要性をなくし、従って、より容易かつ安価な製造を可能にする。本発明の実施形態によるCCDは複数(例えば4つ)の相(すなわち、CCD内における電荷の動きに対する複数の独立的に作動させられる制御ゲート)およびCCDの1つの相につきただ1つの制御ゲートを有する。様々な実施形態において、CCDゲート電極の全ては、少なくともそれらの下のCCDチャネルの幅全体にわたり、そして、チャネルの横方向(すなわち、電荷の流れの方向に対して垂直)のエッジを越えて延びることさえあり得、それによって、CCDができるだけ多くの電荷を保持および操作することを可能にする。
【0010】
一局面において、本発明の実施形態は、電荷結合デバイス(CCD)を特徴としており、この電荷結合デバイスは、その中の電荷キャリアの移送のためのチャネルと、チャネル内の電荷キャリアの移送を制御するための複数のゲート電極と、第1および第2のチャネルストップと、完全に枯渇している領域とを含むか、または本質的にこれらから成り得る。チャネルは、第1の導電性型を有し、第1および第2のチャネルストップは、第1の導電性型と反対の第2の導電性型を有する。複数のゲート電極は、チャネルの上に配置され、第1および第2のチャネルストップは、チャネルの相対する側面から横方向に離して置かれる。完全に枯渇している領域が、チャネルと第1および第2のチャネルストップの各々との間に配置される。
【0011】
本発明の実施形態は、以下のうちの1つ以上を様々な組み合わせのうちの任意の組み合わせで含み得る。完全に枯渇している領域のうちの少なくとも一方(例えば両方)は、チャネルの下に延び得る。CCDは、複数の相で電荷キャリアを移送し得、そして、複数のゲート電極は、各相に対するただ1つの独立的に制御可能なゲート電極を含み得る。複数のゲート電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他のゲート電極によって印加される電圧よりも大きな電圧の印加によってチャネル内の電荷を増倍するように構成され得る。第1のチャネルストップおよび/または第2のチャネルストップは、実質的にチャネルの全長に沿って延びる連続性のドープされた領域であり得る。第1のチャネルストップおよび/または第2のチャネルストップは、複数の離散かつ分離されドープされた領域を含み得るか、または本質的にこれらから成り得る。複数の制御ワイヤは各々、ゲート電極に電気的に接続され得る。チャネルと第2のチャネルストップとの間の水平方向の距離は、チャネルと制御ワイヤのうちの少なくとも1つとの間の水平方向の距離よりも小さくあり得る。チャネルと第2のチャネルストップとの間の水平方向の距離は、チャネルとチャネルから最も遠くに配置された制御ワイヤとの間の水平方向の距離よりも大きくあり得る。チャネルは、第2の導電性型のドープされたウェル内に配置され得る。ゲート電極の各々は、チャネルの幅よりも大きな幅を有し得る。
【0012】
別の局面において、本発明の実施形態は、電荷結合デバイス(CCD)を形成する方法を特徴とする。第1の導電性型を有するチャネルは、基板内に形成される。チャネル内における電荷キャリアの移送を制御するための複数のゲート電極は、チャネルの上に形成される。第1の導電性型と反対の第2の導電性型を有する第1および第2のチャネルストップは、チャネルの相対する側面から横方向に離して形成される。第1および第2のチャネルストップは各々、完全に枯渇している領域によってチャネルから離して置かれる。
【0013】
本発明の実施形態は、以下のうちの1つ以上を様々な組み合わせのうちの任意の組み合わせで含み得る。チャネルを形成することは、第1の導電性型のドーパントのイオン注入を含み得るか、または本質的にこれから成り得る。第1および第2のチャネルストップを形成することは、第2の導電性型のドーパントのイオン注入を含み得るか、または本質的にこれから成り得る。複数のゲート電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他のゲート電極によって印加される電圧よりも大きな電圧の印加によってチャネル内の電荷を増倍するように構成され得る。
【0014】
これらの目的および他の目的は、本明細書に開示された本発明の利点および特徴と共に、以下の説明、添付の図面、および請求項を参照することによってより明らかとなる。さらに、本明細書に説明された様々な実施形態の特徴は、相互に排他的ではなく、様々な組み合わせおよび置換により存在し得ることが理解されるべきである。本明細書に使用される場合、用語「約」および「実質的に」は、±10%を意味しており、一部の実施形態では、±5%を意味している。用語「本質的に〜から成る」は、本明細書において別に規定されない限り、機能に寄与する他の材料を除外することを意味する。
【0015】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
電荷結合デバイス(CCD)であって、該電荷結合デバイスは、
電荷キャリアの移送のためのチャンネルであって、第1の導電性型を有するチャネルと、
該チャネルの上に配置され、該チャネル内の電荷キャリアの移送を制御する複数のゲート電極と、
該チャネルの相対する側面から横方向に離して置かれ、該第1の導電性型と反対の第2の導電性型を有する第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップと、
該チャネルと該第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップの各々との間に配置される完全に枯渇している領域と
を備えている、電荷結合デバイス。
(項目2)
上記完全に枯渇している領域のうちの少なくとも1つは、上記チャネルの下に延びる、上記項目のいずれか一項に記載のCCD。
(項目3)
(i)上記CCDは、複数の相で電荷キャリアを移送し、(ii)上記複数のゲート電極は、各相に対するただ1つの独立的に制御可能なゲート電極を備えている、上記項目のいずれか一項に記載のCCD。
(項目4)
上記複数のゲート電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他のゲート電極によって印加される電圧よりも大きな電圧の印加によって上記チャネル内の電荷を増倍するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のCCD。
(項目5)
上記第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップのうちの少なくとも1つは、実質的に上記チャネルの全長に沿って延びる連続性のドープされた領域である、上記項目のいずれか一項に記載のCCD。
(項目6)
上記第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップのうちの少なくとも1つは、複数の離散かつ分離されドープされた領域を備えている、上記項目のいずれか一項に記載のCCD。
(項目7)
複数の制御ワイヤをさらに備え、各ワイヤはゲート電極に電気的に接続され、上記チャネルと上記第2のチャネルストップとの間の水平方向の距離は、該チャネルと該制御ワイヤのうちの少なくとも1つとの間の水平方向の距離よりも小さい、上記項目のいずれか一項に記載のCCD。
(項目8)
複数の制御ワイヤをさらに備え、各ワイヤはゲート電極に電気的に接続され、上記チャネルと上記第2のチャネルストップとの間の水平方向の距離は、該チャネルと該チャネルから最も遠くに配置された該制御ワイヤとの間の水平方向の距離よりも大きい、上記項目のいずれか一項に記載のCCD。
(項目9)
上記チャネルは、上記第2の導電性型のドープされたウェル内に配置される、上記項目のいずれか一項に記載のCCD。
(項目10)
上記複数のゲート電極の各々は、上記チャネルの幅よりも大きな幅を有する、上記項目のいずれか一項に記載のCCD。
(項目11)
電荷結合デバイス(CCD)を形成する方法であって、該方法は、
基板内に配置されるチャネルを形成することであって、該チャネルは、第1の導電性型を有する、ことと、
該チャネル内における電荷キャリアの移送を制御するための複数のゲート電極を該チャネルの上に形成することと、
該第1の導電性型と反対の第2の導電性型を有する第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップを該チャネルの相対する側面から横方向に離して形成することと
を含み、
該第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップは各々、完全に枯渇している領域によって該チャネルから離して置かれる、方法。
(項目12)
上記チャネルを形成することは、上記第1の導電性型のドーパントのイオン注入を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
上記第1のチャネルストップおよび第2のチャネルストップを形成することは、上記第2の導電性型のドーパントのイオン注入を含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
上記複数のゲート電極のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの他のゲート電極によって印加される電圧よりも大きな電圧の印加によって上記チャネル内の電荷を増倍するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
【0016】
(摘要)
様々な実施形態において、電荷結合デバイスは、完全に枯渇している領域によってチャネルから横方向に離して置かれるチャネルストップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面においては、同様な参照文字は概して、様々な図面全体にわたって同じ部品を指す。また、図面は必ずしもスケールに合ってはおらず、重点が概して、本発明の原理を例示することに置かれている。以下の説明において、本発明の様々な実施形態が、次の図面を参照して説明される。
図1図1は、従来のインタラインCCD画像センサのブロック図である。
図2図2は、図1のラインA−Aに沿った画像センサの一部分の拡大平面図である。
図3図3Aは、図2のラインB−Bに沿った概略的な断面図である。図3Bおよび図3Cは、図3Aに示された画像センサの部分の動作中における異なる時間での例示的な電位図である。
図4図4は、図2のラインC−Cに沿った概略的な断面図である。
図5図5は、従来の電荷増倍HCCDの一部分の概略的な断面図である。
図6図6は、従来の電荷増倍HCCDのシフト素子の概略的な平面図である。
図7図7は、本発明の様々な実施形態による画像捕捉デバイスのブロック図である。
図8図8は、本発明の様々な実施形態による電荷増倍HCCDの概略的な平面図である。
図9図9は、図8のラインB−Bに沿った概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
図7は、本発明の様々な実施形態による画像捕捉デバイス700の簡略ブロック図である。画像捕捉デバイス700は、図7ではデジタルカメラとして実装される。当業者は、デジタルカメラは、本発明の実施形態を組み込む画像センサを利用することができる画像捕捉デバイスの一例に過ぎないことを認識する。画像捕捉デバイスの他の型、例えば携帯電話カメラおよびデジタルビデオカムコーダーも、本発明の実施形態に従って利用され得る。
【0019】
デジタルカメラ700において、対象場面からの光702が、撮像段階704に入力される。撮像段階704は、例えばレンズ、減光フィルタ、アイリス、およびシャッターのような従来の素子を含み得る。光702は、撮像段階704によって焦点が合わされて、画像センサ706上に画像を形成する。画像センサ706は、入射光を電気信号に変換することによって1つ以上の画像を捕捉する。画像センサ706は、CCD画像センサとして実装される。クロックドライバ708は、画像センサ706によって使用されるクロック信号を生成する。本発明の様々な実施形態に関して、クロックドライバ708は、画像を読み出すために、および1つ以上の電荷倍増動作のために画像センサ706によって使用されるクロック信号を生成する。
【0020】
デジタルカメラ700は、プロセッサ710と、メモリ712と、ディスプレイ714と、1つ以上のさらなる入力/出力(I/O)素子716とをさらに含む。図7の実施形態には別個の素子として示されているが、撮像段階704は、画像センサ706および可能性としてデジタルカメラ700の1つ以上のさらなる素子と一体構造とされ、小型のカメラモジュールを形成し得る。
【0021】
プロセッサ710は、例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、アプリケーション特定集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)もしくは他の処理デバイス、または複数のそのようなデバイスの組み合わせとして実装され得る。撮像段階704および画像センサ706の様々な素子は、タイミング信号またはプロセッサ710から供給される他の信号によって制御され得る。本発明による一部の実施形態においては、クロックドライバ708の機能は、プロセッサ710によって実行される。本発明による他の実施形態においては、クロックドライバ708またはクロックドライバ708の機能を実行するプロセッサは、画像センサ706と一体構造とされる。
【0022】
メモリ712は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ディスクベースメモリ、取外し可能なメモリのような任意の型のメモリ、または他の型の格納素子を任意の組み合わせで含み得るか、または本質的にこれらから成り得る。画像センサ706によって捕捉された所与の画像は、プロセッサ710によってメモリ712に格納され、そしてディスプレイ714上に提示され得る。さらに、本発明による別の実施形態においては、クロックドライバ708の機能は、メモリ712およびプロセッサ710によって実行される。電荷倍増動作のためのクロック信号は、メモリ712に格納され、そしてプロセッサ710によって読出され得る。本発明による実施形態において、メモリ712、プロセッサ710、またはメモリ712とプロセッサ710との両方は、画像センサ706と一体構造とされ得る。
【0023】
ディスプレイ714は通常、アクティブマトリクスカラー液晶ディスプレイ(LCD)であるが、しかし、他の型のディスプレイが利用され得る。さらなるI/O素子716は、例えば、様々なオンスクリーン制御部、ボタンもしくは他のユーザインターフェース、ネットワークインターフェース、またはメモリカードインターフェースを含み得る。
【0024】
図7に示されるデジタルカメラは、当業者に公知のさらなるまたは代替の素子を特徴とし得ることが理解されるべきである。本明細書に詳細に示されず、説明もされていない素子が、当該技術分野において公知の素子から選択され得る。既に述べられたように、本発明の実施形態は、広く様々な画像捕捉デバイスにおいて実装され得る。また、本明細書において説明された実施形態の特定の局面は、少なくとも部分的に、画像捕捉デバイスの1つ以上の処理素子によって実行されるソフトウェアの形式で実装され得る。当業者によって理解されるように、そのようなソフトウェアは、本明細書において提供された教示を所与として、直截的な態様で実装され得る。
【0025】
ここで図8を参照すると、本発明の実施形態によるCCD800は、(実施形態においてはドープされたn型である)埋め込みチャネル802の上に配置されたゲート電極H1S、H1B、H2S、およびH2Bを含む。本発明による実施形態において、H1SおよびH2Sゲート電極は、高圧電荷増倍電極である。チャネル802は、例えばイオン注入によって形成され得る。(n型埋め込みチャネル802に対してはp型である)重くドープされたチャネルストップ804は、CCDゲート電極から離して置かれ、好ましくは、制御クロック信号をCCDゲート電極へ導くワイヤ806、808、810、812からも離して置かれる。例示される実施形態において、高圧を伝え得る全てのワイヤおよびゲート電極は、チャネルストップがスプリアス電荷を生成することを防止するために十分な距離だけチャネルストップ804から離して配置される。チャネルストップ804自体は、CCD800内に電荷を直接的には閉じ込めず、むしろ、埋め込みチャネル802が、CCD800内にそのような電荷を閉じ込める。さらに、CCDゲート電極H1S、H1B、H2S、およびH2Bも、任意の他のゲート電極も、チャネルストップ804の上に直接的には配置されない。チャネル802内でのスプリアス電荷の生成を実質的に防止するために、チャネルストップ804とチャネル802との間の横方向距離は、約1μm以上であり得る。
【0026】
図8に示されるように、チャネルストップ804は、電荷が枯渇している領域814によってチャネル802から離して置かれ、電荷が枯渇している領域814では、少なくともCCD800の動作中、電荷キャリアが完全に枯渇している。本明細書に使用される場合、「完全に枯渇している」とは、少なくとも通常の動作中に、電荷キャリア(上記の例示的実施形態における正孔)が実質的にないことおよび/または電気的絶縁材料(例えば誘電体)を含むかもしくは本質的にこれから成ることを意味する。完全に枯渇している領域は、動作中ではないとき、比較的低いドーピングレベル(従って低いレベルの電荷キャリア)を有し得るが、しかし、そのようなキャリアは、例えば適度な電圧の印加によって容易にこの領域から除去される。電荷が枯渇している領域814は、完全に枯渇しているので、チャネル802と電荷が枯渇している領域814とのインターフェースにおける衝撃イオン化によるスプリアス電荷生成は実質的になくなる。完全に枯渇している領域はまた、チャネル802の下に延び得る。チャネルストップ804は、例えばイオン注入によって形成され得る。本明細書に使用される場合、「チャネルストップ」は、チャネルの導電性型とは反対の導電性型によってドープされ、完全には枯渇していない領域である。例えば、チャネルストップは、チャネル(例えば非枯渇pウェル)の導電性型とは反対の導電性型を有する注入されたドーパントまたはドープされた非枯渇ウェルの一部分を含む明瞭に画定された領域を含み得るか、または本質的にこれから成り得る。本発明の実施形態により、チャネルストップはまた、接地電圧(例えば0V GND)に対する電圧基準として利用され得、この電圧基準に対して他の動作電圧が測定および規定される。
【0027】
図9は、図8のラインB−Bに沿った断面図である。p型チャネルストップ804およびn型CCD埋め込みチャネル802は、p型ウェル900に配置されており、p型ウェル900は、n型基板902の上に形成されている。少なくともウェル900が0Vに保持され、そして正電圧がn型基板902に印加されるとき、ウェル900(少なくともその電荷枯渇領域814)が完全に枯渇されるように、p型ウェル900のドーピングレベルは十分に低い。上述のように、電荷キャリアの欠乏(この例においては正孔)は、高圧がゲートH1Sに印加されるときのCCDチャネル802におけるスプリアス電荷生成を実質的になくする。CCDチャネル802における電荷は、CCDチャネル802のn型ドーピングによってゲートH1Sの下に閉じ込められる。すなわち、チャネル802は、チャネル802におけるドーピングによって画定される。本発明の好ましい実施形態において、チャネルストップ804は、n型CCDチャネル802と接触していない。
【0028】
本発明の実施形態において、ワイヤ806および808は、高圧信号(例えば、約13Vよりも大きいクロック振幅)を伝え、そしてワイヤ810および812は、高圧信号よりも低い低圧信号(例えば、約10Vよりも小さなクロック振幅)を伝えるように、配線が構成される。実施形態において、この低圧信号は、衝撃イオン化によってスプリアス電荷を生成するためには不十分であり、従って、チャネルストップ804は、ワイヤ810および/または812の下に配置され得る。本発明の様々な実施形態において、チャネルストップ804は、連続性のドープされた領域ではなく、むしろ、チャネルストップは、図8において低い方のチャネルストップ804に対して示されているように、ドープされていないか、または完全に枯渇した領域818によって分離された複数のドープされたアイランド816として形成され得る。
【0029】
本明細書において使用された用語および表現は、説明のための用語および表現として使用されており、限定のための用語および表現としては使用されていない。そして、そのような用語および表現の使用に際して、図示および説明された特徴およびその一部分のいかなる均等物をも除外する意図はない。さらに、本発明の特定の実施形態を説明したが、本明細書に開示されたコンセプトを組み込む他の実施形態が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく使用され得ることが当業者には明らかである。従って、説明された実施形態は、あらゆる点において、例示するだけであるとしてみなされるべきであり、限定するものとしてみなされるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9