【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、コールドシアーとストッパーの間で定尺長さに切断された条鋼に短尺が発生することがあり、このような短尺条鋼が製品として出荷されることを防止するために、条鋼の短尺を検出する必要があった。
従来の条鋼の短尺検出方法として、搬送テーブルローラーで搬送された複数本並列に配列された長尺条鋼の先端部が全てストッパーに当接していることの確認を、搬送テーブルローラーの回転数を計測する事などで行っている。
しかしながら、搬送テーブルローラーと搬送される長尺条鋼との間にスリップが発生することがあり、複数本並列に配列された全ての条鋼が正しくストッパーに搬送されて当接していないことがある。この時の上記ストッパーと条鋼の先端部との間に許容寸法を超える隙間が発生したままで後端部をコールドシアーで切断すると、短尺条鋼が発生する問題がある。
また、長尺条鋼切断の最終切断工程での問題点として、圧延工程で全長が不足している条鋼が冷却床から搬送され、この条鋼を前端側から後端側に向かって順次定尺で切断すると、条鋼の後端側に定尺に対して不足する短尺条鋼が発生する問題がある。
さらに、複数本並列に配列された条鋼が重なり合ってストッパーに搬送され、重なり合ったままの状態でコールドシアーによって切断されると、重なり合った条鋼が短尺で切断されることがある。
このように、短尺条鋼がそのまま製品として出荷されると、長さ不足の問題が発生するために、短尺条鋼を正確に検出して、出荷する製品に短尺条鋼が含まれないようにする必要がある。
本発明の目的は、短尺条鋼を確実に検出可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の特徴は、冷却ラインにおける冷却床で冷却された後の長尺条鋼を複数本並列に配列して搬送し、上記各長尺条鋼の先端部を下流側に配置してあるストッパーに当接させた後に、上記ストッパーの上流側に配置してあるコールドシアーで上記各長尺条鋼を切断することにより、所要長さに切断された条鋼である定尺寸法の定尺条鋼を得る工程において、予め、上記コールドシアーと上記ストッパーとの間であって上記コールドシアー下流側近傍位置に第1カメラ及び上記ストッパー上流側近傍位置に第2カメラをそれぞれ配置しておき、上記コールドシアーと上記ストッパーとの間で、切断された条鋼について下記の撮影データ(D1),(D2)を得てから、
・上記条鋼先端部と上記ストッパーとの先端側距離(Kst)を上記第2カメ
ラで撮影した撮影データ(D1)
・上記条鋼後端部と上記コールドシアーとの後端側距離(Kcs)を上記第1
カメラで撮影した撮影データ(D2)
上記撮影データ(D1),(D2)を演算装置に送り、上記第2カメラの撮影データ(D1)と、上記第1カメラの撮影データ(D2)を基に先端側距離(Kst)及び後端側距離(Kcs)をそれぞれ演算し、これらの演算により得た結果が下記の判定条件式1に示すように上記演算装置に予め入力してある閾値を越えた場合に「短尺条鋼有り」の警報を出力することにある。
判定条件式1:(Kst+Kcs)>Kth
ただし、K≧Kth
K:コールドシアーとストッパーとの間の距離
Kth:「コールドシアーとストッパーとの間の距離」の閾値
本発明の第2の特徴は、上記第1の特徴に記載の工程を前提としており、予め、上記コールドシアーと上記ストッパーとの間であって上記コールドシアー下流側近傍位置に第1カメラ及びストッパー上流側近傍位置に第2カメラをそれぞれ配置しておき、
上記コールドシアーと上記ストッパーとの間で、切断された条鋼について下記の撮影データ(D3),(D4)を得てから、
・上記ストッパー近傍の条鋼先端部の条鋼の本数(Kstn)を上記第2カメ
ラで撮影した撮影データ(D3)
・上記コールドシアー近傍の条鋼後端部の条鋼の本数(Kcsn)を上記第1
カメラで撮影した撮影データ(D4)
上記撮影データ(D3),(D4)を演算装置に送り、上記第2カメラの撮影データ(D3)と、上記第1カメラの撮影データ(D4)を基に上記条鋼先端部の条鋼の本数(Kstn)及び上記条鋼後端部の条鋼の本数(Kcsn)をそれぞれ演算して、下記の判定条件式2に示すように演算により得た上記条鋼先端部の条鋼の本数と上記条鋼後端部の条鋼の本数が一致しない場合に、「短尺条鋼有り」の警報を出力することにある。
判定条件式2:Kstn≠Kcsn
本発明の第3の特徴は、上記第1の特徴に記載の工程を前提としており、予め、上記コールドシアーと上記ストッパーとの間であって上記コールドシアー下流側近傍位置に第1カメラ、上記ストッパー上流側近傍位置に第2カメラ及び上記コールドシアーとストッパーとの中間位置に第3カメラをそれぞれ配置しておき、
上記コールドシアーとストッパーとの間で、切断された条鋼について下記の撮影データ(D3),(D4),(D5)を得てから、
・上記ストッパー近傍の条鋼先端部の条鋼の本数(Kstn)を上記第2カメ
ラで撮影した撮影データ(D3)
・上記コールドシアー近傍の条鋼後端部の条鋼の本数(Kcsn)を上記第1
カメラで撮影した撮影データ(D4)
・上記コールドシアーと上記ストッパーとの間で切断された条鋼の本数(Km
in)を上記第3カメラで撮影した撮影データ(D5)
上記撮影データ(D3),(D4),(D5)を演算装置に送り、下記の判定条件式3に示すように演算により得た上記条鋼の本数(Kmin)が上記条鋼先端部の条鋼の本数(Kstn)又は上記条鋼後端部の条鋼の本数(Kcsn)のいずれかに一致しない場合に、上記コールドシアーと上記ストッパーとの間に上記条鋼の重畳があると判定し、「短尺条鋼有り」の警報を出力することにある。
判定条件式3:Kstn≠Kmin
又は
Kcsn≠Kmin
本発明の第4の特徴は、上記第1の特徴に記載の工程を前提としており、予め、上記コールドシアーと上記ストッパーとの間であって上記コールドシアー下流側近傍位置に第1カメラ、上記ストッパー上流側近傍位置に第2カメラ及び上記コールドシアーと上記ストッパーとの中間位置に第3カメラをそれぞれ配置しておき、上記コールドシアーと上記ストッパーとの間で、切断された条鋼について下記の撮影データ(D1),(D2),(D3),(D4),(D5)を得てから、
・上記条鋼先端部と上記ストッパーとの先端側距離(Kst)を上記第2カメ
ラで撮影した撮影データ(D1)
・上記条鋼後端部と上記コールドシアーとの後端側距離(Kcs)を上記第1
カメラで撮影した撮影データ(D2)
・上記ストッパー近傍の条鋼先端部の条鋼の本数(Kstn)を上記第2カメ
ラで撮影した撮影データ(D3)
・上記コールドシアー近傍の条鋼後端部の条鋼の本数(Kcsn)を上記第1
カメラで撮影した撮影データ(D4)
・上記コールドシアーと上記ストッパーとの間で切断された条鋼の本数(Km
in)を上記第3カメラで撮影した撮影データ(D5)
上記撮影データ(D1),(D2),(D3),(D4),(D5)を演算装置に送り、演算結果が下記(1),(2),(3)のいずれかに該当する場合に「短尺条鋼有り」の警報を出力することにある。
(1)上記第2カメラの撮影データ(D1)と、上記第1カメラの撮影データ
(D2)を基に先端側距離(Kst)及び後端側距離(Kcs)をそれぞ
れ演算し、演算により得た結果が下記の判定条件式1に示すように上記演
算装置に予め入力してある閾値を越えた場合。
判定条件式1:(Kst+Kcs)>Kth
ただし、K≧Kth
K:コールドシアーとストッパーとの間の距離
Kth:「コールドシアーとストッパーとの間の距離」の閾値
(2)上記第2カメラの撮影データ(D3)と、上記第1カメラの撮影データ
を基に上記条鋼先端部の条鋼の本数(Kstn)及び上記条鋼後端部の条
鋼の本数(Kcsn)をそれぞれ演算して、演算により得た結果が下記の
判定条件式2に示すように上記条鋼先端部の条鋼の本数と上記条鋼後端部
の条鋼の本数が一致しない場合。
判定条件式2:Kstn≠Kcsn
(3)下記の判定条件式3に示すように演算により得た上記条鋼の本数(Km
in)が、上記条鋼先端部の条鋼の本数(Kstn)又は上記条鋼後端
部の条鋼の本数(Kcsn)のいずれかに一致しない場合。
判定条件式3:Kstn≠Kmin
又は
Kcsn≠Kmin