(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ゲートウェイの配下に無線リンクを介してメッシュ状に接続された複数の無線機器を有する無線ネットワークで用いられて、前記無線機器および前記無線リンクを介して、任意の対象無線機器と前記ゲートウェイとの間を結ぶ対象通信経路を画面表示する通信経路表示装置であって、
前記各無線リンクを介した前記各無線機器の接続関係、および前記無線リンクごとに付与されたリンク種別を含む通信状態情報を、前記ゲートウェイから取得する通信状態情報取得部と、
前記通信状態情報に基づいて、前記無線リンクのうちから、前記対象無線機器と前記ゲートウェイとの間を結ぶ前記対象通信経路を構成し、かつ、指定された表示条件に応じたリンク種別の無線リンクを、表示無線リンクとして選択する無線リンク選択部と、
前記通信状態情報に基づいて、前記無線機器のうちから、前記表示無線リンクに接続されている無線機器を表示無線機器として選択する無線機器選択部と、
前記対象無線機器と前記ゲートウェイとの間を結ぶ対象通信経路として、前記表示無線リンクおよび前記表示無線機器から構成される表示通信経路を画面表示する通信経路表示部とを備え、
前記無線リンク選択部は、前記表示無線リンク以外の前記無線リンクのうちから、前記表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続され、かつ、前記表示条件と一致するリンク種別の無線リンクを、省略無線リンクとして選択し、
前記無線機器選択部は、前記無線機器のうちから、前記表示無線機器ごとに、前記省略無線リンクを介して前記表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を選択し、
前記通信経路表示部は、前記表示通信経路を画面表示する際、前記表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続されている前記省略無線機器を当該機器数で省略表示する
ことを特徴とする通信経路表示装置。
ゲートウェイの配下に無線リンクを介してメッシュ状に接続された複数の無線機器を有する無線ネットワークで用いられて、前記無線機器および前記無線リンクを介して、任意の対象無線機器と前記ゲートウェイとの間を結ぶ対象通信経路を画面表示する通信経路表示装置で用いられる通信経路表示方法であって、
通信状態情報取得部が、前記各無線リンクを介した前記各無線機器の接続関係、および前記無線リンクごとに付与されたリンク種別を含む通信状態情報を、前記ゲートウェイから取得する通信状態情報取得ステップと、
無線リンク選択部が、前記通信状態情報に基づいて、前記無線リンクのうちから、前記対象無線機器と前記ゲートウェイとの間を結ぶ前記対象通信経路を構成し、かつ、指定された表示条件に応じたリンク種別の無線リンクを、表示無線リンクとして選択する無線リンク選択ステップと、
無線機器選択部が、前記通信状態情報に基づいて、前記無線機器のうちから、前記表示無線リンクに接続されている無線機器を表示無線機器として選択する無線機器選択ステップと、
通信経路表示部が、前記対象無線機器と前記ゲートウェイとの間を結ぶ対象通信経路として、表示無線リンクおよび表示無線機器から構成される表示通信経路を画面表示する通信経路表示ステップと
を備え、
前記無線リンク選択ステップは、前記表示無線リンク以外の前記無線リンクのうちから、前記表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続され、かつ、前記表示条件と一致するリンク種別の無線リンクを、省略無線リンクとして選択し、
前記無線機器選択ステップは、前記無線機器のうちから、前記表示無線機器ごとに、前記省略無線リンクを介して前記表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を選択し、
前記通信経路表示ステップは、前記表示通信経路を画面表示する際、前記表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続されている前記省略無線機器を当該機器数で省略表示する
ことを特徴とする通信経路表示方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[発明の原理]
まず、本発明の原理について説明する。
工場やプラントなどの施設で用いられる施設管理システムでは、施設内に設置した各フィールド機器からデータを収集するための通信ネットワークとして、国際規格ISA100.11aに代表されるような、ゲートウェイの配下に無線リンクを介して、フィールド機器や中継器などからなる複数の無線機器がメッシュ状に接続された無線ネットワークが用いられる。
【0019】
このような無線ネットワークでは、各無線リンクの通信状況をゲートウェイが収集し、これら通信状況に応じて、各無線機器が送信時に使用する無線リンクを選択して各無線機器に指示するものとなっている。この際、ゲートウェイは各無線リンクに、それぞれの無線リンクの通信品質に応じて無線リンクの使用優先順位を示すリンク種別を付与して管理している。例えば、国際規格ISA100.11aでは、任意の無線機器が送信時に使用する無線リンクのうち、最も通信品質の高い無線リンクに対してプライマリというリンク種別を付与し、その次に通信品質の高い無線リンクに対してセカンダリというリンク種別を付与し、プライマリの無線リンクから優先して通信経路に使用するものとなっている。
【0020】
本発明は、このような各無線リンクを介した各無線機器の接続関係と、これら無線リンクに対して付与されたリンク種別とを含む通信状態情報が、ゲートウェイで管理されていることに着目したものである。そして、ゲートウェイから取得した通信状態情報に基づいて、評価対象となる無線機器とゲートウェイとを結ぶ対象通信経路を構成する無線リンクであって、かつ、指定された表示条件に応じたリンク種別の無線リンクを表示無線リンクとして選択し、これら表示無線リンクに接続されている無線機器を表示無線機器として選択し、これら表示無線リンクおよび表示無線機器から構成される表示通信経路を画面表示するようにしたものである。
【0021】
これにより、ゲートウェイの配下に無線リンクを介して複数の無線機器がメッシュ状に接続された無線ネットワークにおいて、任意の無線機器とゲートウェイとを結ぶ通信経路が冗長的に複数存在する場合でも、現用系の通信経路、さらには予備系として使用される可能性が高い通信経路を正確に画面表示することができる。これにより、作業者は、通信ネットワーク全体が画面表示された煩雑な表示画面として比較して、評価対象となる無線機器の通信経路の形成状況を表示画面で容易に確認することが可能となる。
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる通信経路表示装置10について説明する。
図1は、第1の実施の形態にかかる通信経路表示装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
この通信経路表示装置10は、全体としてパーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなり、ゲートウェイGWの配下に無線リンクを介してメッシュ状に接続された複数の無線機器を有する無線ネットワーク1で用いられて、これら無線機器および無線リンクを介して、任意の対象無線機器とゲートウェイとの間を結ぶ対象通信経路を画面表示する機能を有している。
【0024】
無線ネットワーク1は、ゲートウェイGWと、このゲートウェイGWの配下に無線リンクを介してメッシュ状に接続された複数の無線機器および中継器APからなる無線機器群20から構成されており、無線機器から送信されたデータが、各無線機器および中継器を介してゲートウェイGWまで転送され、ホストシステムHSへ出力されて当該データを用いた処理が実行される。
工場やプラントなどの施設で用いられる施設管理システムで無線ネットワーク1が用いられる場合、施設に設置されたフィールド機器が無線機器として動作し、フィールド機器で得られたデータがゲートウェイGWまで転送されて、ホストシステムHSに相当する施設管理システムの管理装置で、これらデータに基づく施設の動作状況が管理される。
【0025】
本発明は、通信経路表示装置10が、通信回線Lを介してゲートウェイGWから取得した通信状態情報に基づいて、各無線リンクのうちから、評価対象である対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ対象通信経路を構成し、かつ、指定された表示条件に応じたリンク種別の無線リンクを、表示無線リンクとして選択し、各無線機器のうちから、表示無線リンクに接続されている無線機器を表示無線機器として選択し、対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ対象通信経路として、表示無線リンクおよび表示無線機器から構成される表示通信経路を画面表示するようにしたものである。
【0026】
[通信経路表示装置]
次に、
図1を参照して、本実施の形態にかかる通信経路表示装置10の構成について詳細に説明する。
通信経路表示装置10には、主な機能部として、通信I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。
【0027】
通信I/F部11は、通信回線Lを介して接続したゲートウェイGWなどの外部装置との間でデータ通信を行うことにより、無線状態情報などの各種データをやり取りする機能を有している。
操作入力部12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、作業者の操作を検出して演算処理部15へ出力することにより、評価対象となる無線機器や表示条件などの各種情報の操作入力を受け付ける機能を有している。
画面表示部13は、LCDなどの画面表示装置からなり、演算処理部15から出力された表示通信経路などの各種情報を画面表示する機能を有している。
【0028】
記憶部14は、半導体メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、演算処理部15での通信経路表示処理に用いる各種処理情報やプログラム14Pを記憶する機能を有している。
プログラム14Pは、演算処理部15のCPUで実行されることにより、通信経路表示処理のための処理部を実現するプログラムであり、通信I/F部11を介して接続された外部装置や記録媒体から読み込まれて予め記憶部14に格納される。
【0029】
記憶部14で記憶される主な処理情報として、通信状態情報14Aがある。通信状態情報14Aは、各無線リンクを介した各無線機器の接続関係、各無線リンクのリンク状態、および無線リンクごとに予め付与された当該無線リンクの使用優先順位を示すリンク種別が含まれている。この通信状態情報14Aは、ゲートウェイGWがISA100.11aなどで規定されている標準機能を利用して、各無線機器から収集し生成したものである。
【0030】
図2は、通信状態情報の構成例である。ここでは、無線リンクを識別するためのリンクIDごとに、当該無線リンクの送信側無線機器と受信側無線機器、リンク状態(有効/無効)、リンク種別(プライマリ/セカンダリ)の組が登録されている。このうち使用優先順位が最も高いプライマリの無線リンクが現用系の通信経路として使用されており、プライマリの次に使用優先順位が高いセカンダリの無線リンクが予備系の通信経路として使用される可能性が高いことを表している。
【0031】
演算処理部15は、CPUおよびその周辺回路を有し、記憶部14のプログラムを読み出して実行することにより、通信経路表示処理を行う各種処理部を実現する機能を有している。
演算処理部15には、主な処理部として、表示条件入力部15A、通信状態情報取得部15B、無線リンク選択部15C、無線機器選択部15D、および通信経路表示部15Eが設けられている。
【0032】
表示条件入力部15Aは、操作入力部12により検出された作業者操作に応じて、評価対象となる対象無線機器および表示条件を取得する機能を有している。表示条件は、無線リンクのうち表示すべき無線リンクを指定するための条件であり、各無線リンクに付与されたリンク種別で指定される。例えば、表示条件としてプライマリが指定された場合、リンク種別がプライマリの無線リンクからなる通信経路のみが画面表示される。また、表示条件としてセカンダリが指定された場合、リンク種別がセカンダリ以上の使用優先順位の無線リンク、すなわちプライマリまたはセカンダリの無線リンクからなる通信経路のみが画面表示される。
【0033】
通信状態情報取得部15Bは、通信I/F部11から通信回線Lを介してゲートウェイGWとデータ通信を行うことにより、ゲートウェイGWから最新の通信状態情報14Aを取得して記憶部14に保存する機能を有している。
【0034】
無線リンク選択部15Cは、記憶部14の通信状態情報14Aに基づいて、表示条件入力部15Aで取得した評価対象となる対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ各対象通信経路を特定する機能と、各無線リンクのうちから、これら対象通信経路を構成し、かつ、指定された表示条件に応じたリンク種別の無線リンクを、対象無線機器からの無線リンクの接続順(到達性)に従って、表示無線リンクとして選択する機能を有している。対象通信経路については、各無線リンクの接続関係を対象無線機器からゲートウェイGWまで探索することにより特定できる。
【0035】
無線機器選択部15Dは、記憶部14の通信状態情報14Aに基づいて、各無線機器のうちから、無線リンク選択部15Cで選択された表示無線リンクに接続されている無線機器を表示無線機器として選択する機能を有している。
【0036】
通信経路表示部15Eは、対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ各対象通信経路のうち、無線リンク選択部15Cで選択された表示無線リンクおよび無線機器選択部15Dで選択された表示無線機器から構成される表示通信経路を、画面表示部13で画面表示する機能を有している。
【0037】
[第1の実施の形態の動作]
次に、
図3を参照して、本実施の形態にかかる通信経路表示装置10の通信経路表示動作について説明する。
図3は、第1の実施の形態にかかる通信経路表示処理を示すフローチャートである。
通信経路表示装置10は、操作入力部12で検出された作業者による通信経路表示指示に応じて、
図3の通信経路表示処理を開始する。
【0038】
まず、表示条件入力部15Aは、操作入力部12により検出された作業者操作に応じて、評価対象となる対象無線機器および表示条件を取得する(ステップ100)。
続いて、通信状態情報取得部15Bは、通信I/F部11から通信回線Lを介してゲートウェイGWとデータ通信を行うことにより、ゲートウェイGWから最新の通信状態情報14Aを取得して記憶部14に保存する(ステップ101)。
【0039】
次に、無線リンク選択部15Cは、記憶部14の通信状態情報14Aに基づいて、表示条件入力部15Aで取得した評価対象となる対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ各対象通信経路を特定し(ステップ102)、各無線リンクのうちから、これら対象通信経路を構成し、かつ、指定された表示条件に応じたリンク種別の無線リンクを、表示無線リンクとして選択する(ステップ103)。
【0040】
続いて、無線機器選択部15Dは、記憶部14の通信状態情報14Aに基づいて、各無線機器のうちから、無線リンク選択部15Cで選択された表示無線リンクに接続されている無線機器を表示無線機器として選択する(ステップ104)。
【0041】
この後、通信経路表示部15Eは、対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ各対象通信経路のうち、無線リンク選択部15Cで選択された表示無線リンクおよび無線機器選択部15Dで選択された表示無線機器から構成される表示通信経路を、画面表示部13で画面表示し(ステップ105)、一連の通信経路表示処理を終了する。
【0042】
[第1の実施の形態の動作例]
次に、
図4および
図5を参照して、本実施の形態にかかる通信経路表示動作の動作例について説明する。
図4は、無線ネットワークの構成例であり、
図2の通信状態情報に基づくものである。
図5は、第1の実施の形態にかかる対象通信経路の画面表示例である。
ここでは、対象無線機器として無線機器Gが指定されるとともに、表示条件としてセカンダリが指定された場合を例として説明する。
【0043】
図4に示す無線ネットワークのうち、対象無線機器として無線機器Gが指定された場合、まず、無線リンク選択部15Cは、記憶部14の通信状態情報14Aに基づいて、無線機器GからゲートウェイGWまでの対象通信経路が特定される。この例では、無線機器G→無線リンクL11→無線機器A→無線リンクL2→中継器AP→無線リンクL1→ゲートウェイGWという通信経路と、無線機器G→無線リンクL12→無線機器B→無線リンクL3→無線機器A→無線リンクL2→中継器AP→無線リンクL1→ゲートウェイGWという通信経路とが存在している。
【0044】
次に、無線リンク選択部15Cは、通信状態情報14Aに含まれる各無線リンクのうちから、これら対象通信経路を構成する無線リンクであって、かつ、リンク種別がセカンダリ以上、すなわちプライマリまたはセカンダリの無線リンクを、対象無線機Gから無線リンクの接続順に従って、表示無線リンクとして選択する。これにより、無線リンクL11,L12,L3,L2,L1が表示無線リンクとして選択される。
【0045】
続いて、無線機器選択部15Dは、表示無線リンクL11,L12,L3,L2,L1に接続されている無線機器G,B,A,AP,GWを表示無線機器として選択する。
この後、通信経路表示部15Eは、
図5に示すように、これら表示無線リンクL11,L12,L3,L2,L1および無線機器G,B,A,AP,GWからなる表示通信経路を画面表示部13で画面表示する。
【0046】
また、表示条件としてプライマリが指定された場合、表示無線リンクとして無線リンクL12,L3が選択されなくなり、表示無線機器として無線機器Bも選択されなくなる。これにより、表示無線リンクL11,L2,L1および無線機器G,A,AP,GWからなる表示通信経路が画面表示部13で画面表示される。
【0047】
したがって、
図4に示す通信ネットワーク1全体が画面表示された煩雑な表示画面として比較して、
図5では、評価対象である無線機器GとゲートウェイGWとを結ぶ対象通信経路のうち、表示条件に応じた表示通信経路のみが選択表示されており、評価対象である無線機器GとゲートウェイGWとを結ぶ通信経路の形成状況を容易に確認することが可能となる。
【0048】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、通信状態情報取得部15Bが通信回線Lを介してゲートウェイGWから取得した通信状態情報14Aに基づいて、無線リンク選択部15Cが、各無線機器間の無線リンクのうちから、評価対象である対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ対象通信経路を構成し、かつ、指定された表示条件に応じたリンク種別の無線リンクを、表示無線リンクとして選択し、無線機器選択部15Dが、これら無線機器のうちから、表示無線リンクに接続されている無線機器を表示無線機器として選択し、通信経路表示部15Eが、対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ対象通信経路として、表示無線リンクおよび表示無線機器から構成される表示通信経路を画面表示するようにしたものである。
【0049】
これにより、評価対象である無線機器GとゲートウェイGWとを結ぶ対象通信経路だけでなく、これら対象通信系のうち、表示条件に応じた表示通信経路のみが選択されて画面表示される。したがって、ゲートウェイGWの配下に無線リンクを介して複数の無線機器がメッシュ状に接続された無線ネットワーク1において、任意の無線機器とゲートウェイとを結ぶ通信経路が冗長的に複数存在する場合でも、現在使用されている現用系の通信経路、さらには予備系として使用される可能性が高い通信経路を正確に画面表示することができる。
【0050】
このため、作業者は、通信ネットワーク1全体が画面表示された煩雑な表示画面として比較して、評価対象となる無線機器の通信経路の形成状況を表示画面で容易に確認することが可能となる。したがって、無線機器の移設・新規設置やメンテナンスによる無線機器の一時停止などの作業時において、極めて正確に評価対象となる無線機器の通信経路の形成状況を把握することができ、作業負担の軽減や作業品質の向上を実現することが可能となる。
【0051】
また、本実施の形態において、各無線リンクのリンク種別として、当該無線リンクの通信品質に応じてゲートウェイGWにより付与された当該無線リンクの使用優先順位を用い、無線リンク選択部15Cが、表示無線リンクを選択する際、無線リンクのうちから、対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ対象通信経路を構成し、かつ、表示条件で指定された順位以上の使用優先順位を示すリンク種別の無線リンクを、表示無線リンクとして選択するようにしてもよい。
これにより、無線リンクの使用優先順位に応じた表示条件を指定することにより、画面表示で確認したい対象通信経路を容易に選択でき、作業状況に応じた適切な通信経路表示を実現できる。
【0052】
また、本実施の形態では、無線リンク選択部15Cにおいて、表示条件に基づき表示無線リンクを選択する際、表示条件で指定された使用優先順位以上の無線リンクを表示無線リンクとして選択する場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、表示条件と同じ使用優先順位の無線リンクを表示無線リンクとして選択するようにしてもよい。これにより、例えば表示条件がセカンダリの場合、前述のようにプライマリとセカンダリの無線リンクが選択されるのではなく、セカンダリのみが選択される。これにより、冗長経路として使用される可能性が高い通信経路のみを正確に画面表示することができる。
【0053】
また、本実施の形態において、通信経路表示部15Eが、表示通信経路を画面表示する際、当該表示無線リンクのリンク種別に基づいて、表示無線リンクを区別して画面表示するようにしてもよい。例えば、
図5の画面表示例では、プライマリの無線リンクが実線矢印で表示され、セカンダリの無線リンクが破線矢印で表示されている。これにより、各無線リンクのリンク種別を容易に視認することができる。区別表示の方法については、表示線のスタイルだけでなく、線色や線の太さなどで区別表示してもよい。
【0054】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる通信経路表示装置10について説明する。
一般に、無線機器の移設・新規設置やメンテナンスによる無線機器の一時停止などの作業時において、流入する通信トラヒックにより変化する無線機器の処理負荷も考慮する必要がある。例えば、対象通信経路の通信品質改善のため新たな無線機器を新規設置する場合、対象通信経路上に位置する各無線機器の処理負荷を推定できれば、処理負荷が高い無線機器を容易に特定して、その迂回経路を新たな無線機器で形成することができる。
【0055】
第1の実施の形態では、評価対象である対象無線機器とゲートウェイGWとを結ぶ評価対象経路のみを画面表示する場合を例として説明した。本実施の形態では、対象通信経路上に位置する各無線機器の配下に接続された無線機器を、その機器数で省略表示するようにしたものである。
【0056】
本実施の形態において、無線リンク選択部15Cは、表示無線リンク以外の無線リンクのうちから、表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続され、かつ、表示条件と一致するリンク種別の無線リンクを、当該表示無線機器からの無線リンクの接続順(到達性)に従って、省略無線リンクとして選択する機能を有している。
無線機器選択部15Dは、表示無線機器ごとに、省略無線リンクを介して表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を選択する機能を有している。
【0057】
通信経路表示部15Eは、表示通信経路を画面表示する際、表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を当該機器数で省略表示する機能を有している。
本実施の形態にかかる他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0058】
[第2の実施の形態の動作]
次に、
図6を参照して、本実施の形態にかかる通信経路表示装置10の通信経路表示動作について説明する。
図6は、第2の実施の形態にかかる通信経路表示処理を示すフローチャートである。
通信経路表示装置10は、操作入力部12で検出された作業者による通信経路表示指示に応じて、
図6の通信経路表示処理を開始する。
【0059】
まず、表示条件入力部15Aは、操作入力部12により検出された作業者操作に応じて、評価対象となる対象無線機器および表示条件を取得する(ステップ200)。
続いて、通信状態情報取得部15Bは、通信I/F部11から通信回線Lを介してゲートウェイGWとデータ通信を行うことにより、ゲートウェイGWから最新の通信状態情報14Aを取得して記憶部14に保存する(ステップ201)。
【0060】
次に、無線リンク選択部15Cは、記憶部14の通信状態情報14Aに基づいて、表示条件入力部15Aで取得した評価対象となる対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ各対象通信経路を特定し(ステップ202)、各無線リンクのうちから、これら対象通信経路を構成し、かつ、指定された表示条件に応じたリンク種別の無線リンクを、表示無線リンクとして選択する(ステップ203)。
【0061】
続いて、無線機器選択部15Dは、記憶部14の通信状態情報14Aに基づいて、各無線機器のうちから、無線リンク選択部15Cで選択された表示無線リンクに接続されている無線機器を表示無線機器として選択する(ステップ204)。
【0062】
この後、通信経路表示部15Eは、対象無線機器とゲートウェイGWとの間を結ぶ各対象通信経路のうち、無線リンク選択部15Cで選択された表示無線リンクおよび無線機器選択部15Dで選択された表示無線機器から構成される表示通信経路を、画面表示部13で画面表示する(ステップ205)。
【0063】
次に、無線リンク選択部15Cは、表示無線リンク以外の無線リンクのうちから、表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続され、かつ、表示条件と一致するリンク種別の無線リンクを、省略無線リンクとして選択する(ステップ206)。
続いて、無線機器選択部15Dは、表示無線機器ごとに、省略無線リンクを介して表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を選択する(ステップ207)。
この後、通信経路表示部15Eは、表示通信経路を画面表示する際、表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を当該機器数で省略表示し(ステップ208)、一連の通信経路表示処理を終了する。
【0064】
[第2の実施の形態の動作例]
次に、
図7および
図8を参照して、本実施の形態にかかる通信経路表示動作の動作例について説明する。
図7は、第2の実施の形態にかかる対象通信経路の画面表示例である。
図8は、第2の実施の形態にかかる対象通信経路の他の画面表示例である。
ここでは、対象無線機器として無線機器Gが指定されるとともに、表示条件としてセカンダリが指定された場合を例として説明する。
【0065】
図4に示す無線ネットワークのうち、対象無線機器として無線機器Gが指定された場合、まず、無線リンク選択部15Cは、記憶部14の通信状態情報14Aに基づいて、無線機器GからゲートウェイGWまでの対象通信経路が特定される。この例では、無線機器G→無線リンクL11→無線機器A→無線リンクL2→中継器AP→無線リンクL1→ゲートウェイGWという通信経路と、無線機器G→無線リンクL12→無線機器B→無線リンクL3→無線機器A→無線リンクL2→中継器AP→無線リンクL1→ゲートウェイGWという通信経路とが存在している。
【0066】
次に、無線リンク選択部15Cは、通信状態情報14Aに含まれる各無線リンクのうちから、これら対象通信経路を構成する無線リンクであって、かつ、リンク種別がセカンダリ以上、すなわちプライマリまたはセカンダリの無線リンクを、対象無線機Gから無線リンクの接続順に従って、表示無線リンクとして選択する。これにより、無線リンクL11,L12,L3,L2,L1が表示無線リンクとして選択される。
【0067】
続いて、無線機器選択部15Dは、表示無線リンクL11,L12,L3,L2,L1に接続されている無線機器G,B,A,AP,GWを表示無線機器として選択する。
この後、通信経路表示部15Eは、
図5に示すように、これら表示無線リンクL11,L12,L3,L2,L1および無線機器G,B,A,AP,GWからなる表示通信経路を画面表示部13で画面表示する。
【0068】
次に、無線リンク選択部15Cは、表示無線リンクL11,L12,L3,L2,L1以外の無線リンクから、表示無線機器G,B,A,AP,GWごとに、これらの配下に接続され、かつ、表示条件と一致するリンク種別の無線リンクを、表示無線機器からの無線リンクの接続順に従って、省略無線リンクとして選択する。これにより、ゲートウェイGWの省略無線リンクとして、ゲートウェイGWからの無線リンクの接続順に従って、無線リンクL4,L9,L6,L7,L8,L13,L14,L15,L17が選択される。また、表示無線機器Aの省略無線リンクとして、表示無線機器Aからの無線リンクの接続順に従って、無線リンクL5,L14,L15,L17が選択される。また、表示無線機器Gの省略無線リンクとして、無線リンクL16が選択される。
【0069】
続いて、無線機器選択部15Dは、表示無線機器G,B,A,AP,GWごとに、それぞれの省略無線リンクを介して接続されている無線機器を省略無線機器として選択する。これにより、ゲートウェイGWの省略無線機器として、無線機器C,F,D,E,H,I,Jが選択される。また、無線機器Aの省略無線機器として、無線機器D,H,I,Jが選択される。また、無線機器Gの省略無線機器として、無線機器Iが選択される。
【0070】
この後、通信経路表示部15Eは、表示通信経路を画面表示する際、表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を当該機器数で省略表示する。これにより、ゲートウェイGWの省略無線機器C,F,D,E,H,I,Jが機器数「7」で省略表示され、無線機器Aの省略無線機器D,H,I,Jが機器数「4」で省略表示され、無線機器Gの省略無線機器Iが機器数「1」で省略表示される。
【0071】
また、表示条件としてプライマリが指定された場合、ゲートウェイGWの省略無線リンクとして、ゲートウェイGWからの無線リンクの接続順に従って、無線リンクL4,L9,L7,L13,L15,L17が選択される。また、表示無線機器Aの省略無線リンクとして、表示無線機器Aからの無線リンクの接続順に従って、無線リンクL5が選択される。また、表示無線機器Gの省略無線リンクがなくなる。これにより、ゲートウェイGWの省略無線機器として、無線機器C,F,E,H,I,Jが選択される。また、無線機器Aの省略無線機器として、無線機器Dが選択される。また、無線機器Gの省略無線機器がなくなる。
【0072】
これにより、
図8に示すように、ゲートウェイGWの省略無線機器C,F,E,H,I,Jが機器数「6」で省略表示され、無線機器Aの省略無線機器Dが機器数「1」で省略表示される。
【0073】
したがって、
図5の画面表示例と比較して、
図7や
図8の画面表示例によれば、評価対象である無線機器GとゲートウェイGWとを結ぶ対象通信経路だけでなく、対象通信経路を構成する各表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を、表示条件に応じた機器数で把握することができ、各表示無線機器での処理負担を推定することができる。
【0074】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、無線リンク選択部15Cが、表示無線リンク以外の無線リンクのうちから、表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続され、かつ、表示条件と一致するリンク種別の無線リンクを、省略無線リンクとして選択し、無線機器選択部15Dが、表示無線機器ごとに、省略無線リンクを介して表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を選択し、通信経路表示部15Eが、表示通信経路を画面表示する際、表示無線機器ごとに、当該表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器を当該機器数で省略表示するようにしたものである。
【0075】
これにより、対象通信経路を構成する各表示無線機器の配下に接続されている省略無線機器が、表示条件に応じた機器数で、対象通信経路とともに表示画面に省略表示される。したがって、無線機器の移設・新規設置やメンテナンスによる無線機器の一時停止などの作業時において、流入する通信トラヒックにより変化する無線機器の処理負荷を考慮することができる。このため、例えば、対象通信経路の通信品質改善のため新たな無線機器を新規設置する場合、対象通信経路上に位置する各無線機器の処理負荷を推定でき、処理負荷が高い無線機器を迂回する経路を新たな無線機器で形成するなど、より適切かつ効果的な無線ネットワークを構築することが可能となる。
【0076】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。