特許第6130830号(P6130830)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6130830触媒微粒子フィルター及び微粒子フィルターの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130830
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】触媒微粒子フィルター及び微粒子フィルターの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 37/02 20060101AFI20170508BHJP
   B01J 29/85 20060101ALI20170508BHJP
   B01J 37/08 20060101ALI20170508BHJP
   B01D 53/86 20060101ALI20170508BHJP
   F01N 3/022 20060101ALI20170508BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20170508BHJP
   F01N 3/02 20060101ALI20170508BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20170508BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20170508BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   B01J37/02 101C
   B01J29/85 AZAB
   B01J37/08
   B01D53/86 222
   B01D53/86 100
   F01N3/022 C
   F01N3/035
   F01N3/02 201
   F01N3/08 B
   F01N3/10 A
   F01N3/10 Z
   F01N3/28 301P
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-519478(P2014-519478)
(86)(22)【出願日】2012年6月14日
(65)【公表番号】特表2014-525825(P2014-525825A)
(43)【公表日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】EP2012061329
(87)【国際公開番号】WO2013007467
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2015年6月12日
(31)【優先権主張番号】PA201100538
(32)【優先日】2011年7月13日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】590000282
【氏名又は名称】ハルドール・トプサー・アクチエゼルスカベット
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエルソン・ペル・エル
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンセン・ケル
【審査官】 岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−104524(JP,A)
【文献】 特表2007−501107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00−38/74
B01D 53/73
B01D 53/86−90
B01D 53/94−96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス透過性多孔質隔壁によって隔てられた複数の長手入口流路及び出口流路からなり、各入口流路は開放入口端および閉鎖出口端を有し、各出口流路は閉鎖入口端および開放出口端を有する触媒壁流フィルターであって、
ここで、各入口流路は、窒素酸化物と一酸化炭素及び水素とを反応させてアンモニアにするのに活性のある第1触媒を有し;
各出口流路は、アンモニアと反応することにより窒素酸化物を窒素に選択的還元するのに活性のある第2触媒を有し;
そして、ここで、第1または第2触媒のいずれかのモード粒径が、ガス透過性多孔質隔壁の平均孔径よりも小さく、かつ、小さくないモード粒径を有する触媒のモード粒径がガス透過性隔壁の平均孔径よりも大きいことを特徴とする前記フィルターを製造する方法であって、以下の工程を含む:
(a)壁流フィルター本体に、ガス透過性隔壁によって隔てられた複数の長手入口流路及び出口流路を与え;
(b)窒素酸化物と一酸化炭素及び水素とを反応させてアンモニアにするのに活性のある第1触媒組成物を含む第1触媒ウォッシュコートを与え;
(c)アンモニアと反応することにより窒素酸化物を窒素に選択的還元するのに活性のある第2触媒組成物を含む第2触媒ウォッシュコートを与え;
(d)該フィルター本体の入口流路に該第1触媒ウォッシュコートを被覆し;
(e)該フィルター本体の出口流路に該第2触媒ウォッシュコートを被覆し;
(f)上記のように被覆された入口流路の出口端を封入し、および、上記のように被覆された出口流路の入口端を封入し;そして
(g)該被覆フィルター本体を乾燥させ熱処理して触媒壁流フィルターを得る、ここで、ウォッシュコート中の第1または第2触媒のいずれかのモード粒径が、ガス透過性隔壁の平均孔径よりも小さく、かつ、小さくないモード粒径を有するウォッシュコート中の触媒のモード粒径がガス透過性隔壁の平均孔径よりも大きい、
前記製造方法。
【請求項2】
ガス透過性多孔質隔壁によって隔てられた複数の長手入口流路及び出口流路からなり、各入口流路は開放入口端および閉鎖出口端を有し、各出口流路は閉鎖入口端および開放出口端を有する触媒壁流フィルターであって、
ここで、各入口流路は、窒素酸化物と一酸化炭素及び水素とを反応させてアンモニアにするのに活性のある第1触媒を有し;
各出口流路は、アンモニアと反応することにより窒素酸化物を窒素に選択的還元するのに活性のある第2触媒を有し;
そして、ここで、第1または第2触媒のいずれかのモード粒径が、ガス透過性多孔質隔壁の平均孔径よりも小さく、かつ、小さくないモード粒径を有する触媒のモード粒径がガス透過性隔壁の平均孔径よりも大きいことを特徴とする前記フィルターを製造する方法であって、以下の工程を含む:
(a)壁流フィルター本体に、ガス透過性隔壁によって隔てられた複数の長手入口流路及び出口流路を与え;
(b)窒素酸化物と一酸化炭素及び水素とを反応させてアンモニアにするのに活性のある第1触媒組成物を含む第1触媒ウォッシュコートを与え;
(c)アンモニアと反応することにより窒素酸化物を窒素に選択的還元するのに活性のある第2触媒組成物を含む第2触媒ウォッシュコートを与え;
(d)該フィルター本体の入口流路に該第1触媒ウォッシュコートを被覆し;
(e)該フィルター本体の出口流路に該第2触媒ウォッシュコートを被覆し;
(f)上記のように被覆された入口流路の出口端を封入し、および、上記のように被覆された出口流路の入口端を封入し;そして
(g)該被覆フィルター本体を乾燥させ熱処理して触媒壁流フィルターを得る、ここで、ウォッシュコート中の第1または第2触媒ウォッシュコートのいずれかのモード粒径が、ガス透過性隔壁の平均孔径よりも小さく、かつ、小さくないモード粒径を有するウォッシュコート中の触媒のモード粒径がガス透過性多孔質隔壁の平均孔径よりも大きい、
前記製造方法。
【請求項3】
前記窒素酸化物をアンモニアに転化させるのに活性な触媒がパラジウム、白金、パラジウムとロジウムとの混合物、又はパラジウムと白金とロジウムとの混合物を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記窒素酸化物をアンモニアに転化させるのに活性な触媒がパラジウムからなる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記窒素酸化物の選択的還元に活性な触媒がゼオライト、シリカアルミニウムホスフェート、イオン交換ゼオライト、鉄及び/又は銅で活性の高められたシリカアルミニウムホスフェート、および1種以上の卑金属酸化物、のうちの少なくとも一つを含む、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
さらなる工程:
アンモニアの選択的酸化に活性な第3触媒を含有する第3ウォッシュコートを与え;そして
出口流路の少なくとも一部分に該第3ウォッシュコートを被覆し、その後第2触媒ウォッシュコートを被覆すること、
を含む、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
各出口流路内に配置されるアンモニア酸化触媒をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記アンモニア酸化触媒が、パラジウム、白金又はそれらの混合物を含む、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能触媒エンジン排気微粒子フィルターに関する。特に、本発明は、残留炭化水素及び一酸化炭素を除去する際に活性を有しかつリッチ燃焼エンジン動作条件で窒素酸化物と水素及び/又は一酸化炭素とのアンモニアへの反応を触媒する三元触媒(TWC)によりその入口側で触媒され、壁流微粒子フィルターである。その出口側においては、フィルターは、NH3−選択接触還元(SCR)方法により窒素酸化物を除去する触媒、及び随意に過剰のアンモニアを窒素に酸化する際に活性を有する触媒に被覆される。
【0002】
さらに、本発明は、本発明の多機能触媒微粒子フィルターの触媒粒子フィルターを製造する方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
多機能触媒フィルターは、特に、直噴ガソリン(GDI)エンジンなどのリーンバーンガソリンエンジンからの排気ガスを浄化するのに有用である。
【0004】
GDIエンジンは、ガソリン予備混合噴射エンジンよりも多い炭素状すすを発生する。欧州では、ユーロ5+ディーゼル法は、将来的に、4.5mg/kmの微粒子質量限度を有するGDIについて採用されることが見込まれるところ、これは、上記限度を達成するためにエンジンの濾過を必要とする。
【0005】
典型的には、壁流タイプのフィルターは、粒状物質をハニカムフィルターの隔壁上又は隔壁中に捕捉する、ハニカム壁流フィルターである。これらのフィルターは、ガス透過性隔壁によって隔てられた複数の長手方向流路を有する。ガス入口チャネルは、それらのガス入口側で開き、かつ、反対側の出口端で閉鎖され、ガス出口チャネルは、出口端で開き、かつ、入口端で閉鎖され、それにより、壁流フィルターに入るガス流は、出口チャネルに入る前に隔壁に集中する。
【0006】
すす粒子の他に、希薄燃焼のガソリンエンジンからの排気ガスは、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素及び未燃焼炭化水素を含有することろ、これらは、健康及び環境リスクを示す化学化合物であり、エンジン排気ガスから減少又は除去されなければならない。
【0007】
NOx、一酸化炭素及び未燃の炭化水素を除去する又は無害に還元するのに活性な触媒は、それ自体当該技術分野において知られている。
【0008】
特許文献には、エンジン排気ガスから有害な化合物を除去するための別個の触媒単位を含む多数の浄化システムが開示されている。
【0009】
また、当該技術分野においては、未燃の炭化水素及び粒状物質の酸化を触媒すると共に、そのまま又は先駆物質として添加されるアンモニアとの反応によりNOxを選択接触還元(SCR)する触媒が被覆された排気ガス微粒子フィルターも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、アンモニアSCRを組み合わせる炭化水素および不燃の炭化水素との反応によるアンモニアを形成し、ガソリンエンジンから粒子排気ガスを除去できる能力のある特定の触媒の使用方法を作成する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明は、触媒壁流フィルターを提供し、ここで当該フィルターは、
ガス透過性多孔質隔壁によって隔てられた複数の長手入口流路及び出口流路からなり、各入口流路は開放入口端および閉鎖出口端を有し、各出口流路は閉鎖入口端および開放出口端を有し、
ここで、各入口流路は、窒素酸化物と一酸化炭素及び水素とを反応させてアンモニアにするのに活性のある第1触媒を有し;
各出口流路は、アンモニアと反応することにより窒素酸化物を窒素に選択的還元するのに活性のある第2触媒を有し;
そして、ここで、第1または第2触媒のいずれかのモード粒径が、ガス透過性多孔質隔壁の平均孔径よりも小さく、かつ、小さくないモード粒径を有する触媒のモード粒径がガス透過性隔壁の平均孔径よりも大きい。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1または第2触媒が隔壁の平均孔径よりも小さな粒径を有し、他方の触媒粒子が隔壁の平均孔径よりも大きな粒径を有することの利点は、触媒のうちの片方の粒子が隔壁に効果的に分散されること、そして他方の触媒が、特定の触媒活性が望まれない流路に分散するのを防ぐことである。
【0013】
次の反応:
NO+H/CO=NH+CO+H
によってNOをアンモニアにする反応に有用な触媒は、パラジウム、白金、パラジウムとロジウムとの混合物及びパラジウムと白金とロジウムとの混合物である。
【0014】
これらの触媒は、ガソリンエンジンのリッチ燃焼動作条件下、すなわちλ<1でアンモニア形成を触媒する。パラジウムは、アンモニア形成が最も高い、好ましい触媒である。
【0015】
このようにして上記反応により入口流路内に形成されるアンモニアは、フィルターの隔壁を通して出口流路に透過し、かつ、リッチ動作状態中に出口流路内のSCR触媒に吸収される。
【0016】
アンモニア形成触媒及びSCR触媒の両方は、好ましくは、それぞれ入口流路及び出口流路に面した側の隔壁に被着される。
【0017】
エンジンのその後のリーン燃焼動作サイクルにおいて、排気ガス中に存在するNOは、次の反応によりSCR触媒中に保存されたアンモニアと反応する
NO+NH=N+H
【0018】
既に上で述べたように、SCR触媒は、それ自体当該技術分野において知られているものである。本発明で使用するために、窒素酸化物の選択的還元に活性な好ましい触媒は、ゼオライト、シリカアルミニウムホスフェート、イオン交換ゼオライト、鉄及び/又は銅により活性が高められたシリカアルミニウムホスフェート、1種以上の卑金属酸化物の少なくとも一つを含む。
【0019】
本発明で使用するのにさらに好ましいSCR触媒は、銅及び/又は鉄で活性が高められた、SAPO34などのチャバサイト構造を有するシリカアルミニウムホスフェートである。
【0020】
NOxとは反応しなかった過剰のアンモニアを除去するために、壁流フィルターは、本発明の実施形態では、少なくともフィルターの出口端の領域内にある各出口流路内に配置されるアンモニア酸化触媒をさらに含む。
【0021】
好ましいアンモニア酸化触媒は、パラジウム、白金又はそれらの混合物を含む。
【0022】
アンモニアは、SCR触媒の部分上に被覆されたアンモニア酸化触媒との接触により、選択的に窒素と水に酸化される。
【0023】
アンモニア酸化触媒は、出口領域内にあるフィルターの出口流路内の隔壁上に直接被着され、又は隔壁から離れて面するSCR触媒相の上側表面上に表層として設けられることができる。
【0024】
本発明は、さらに、触媒壁流フィルターの製造方法を提供する。
【0025】
その広い実施形態では、本発明の方法は、次の工程:
(a)壁流フィルター本体に、ガス透過性隔壁によって隔てられた複数の長手入口流路及び出口流路を与え、その際、各入口流路は開放入口端および閉鎖出口端を有し、各出口流路は閉鎖入口端および開放出口端を有し;
(b)窒素酸化物と一酸化炭素及び水素とを反応させてアンモニアにするのに活性のある第1触媒組成物を含む第1触媒ウォッシュコートを与え;
(c)アンモニアと反応することにより窒素酸化物を窒素に選択的還元するのに活性のある第2触媒組成物を含む第2触媒ウォッシュコートを与え;
(d)該フィルター本体の入口流路に該第1触媒ウォッシュコートを被覆し;
(e)該フィルター本体の出口流路に該第2触媒ウォッシュコートを被覆し;
そして
(f)該被覆フィルター本体を乾燥させ熱処理して触媒壁流フィルターを得る、ここで、第1または第2触媒ウォッシュコートのいずれかのモード粒径が、ガス透過性隔壁の平均孔径よりも小さく、かつ、小さくないモード粒径を有する触媒ウォッシュコートのモード粒径がガス透過性隔壁の平均孔径よりも大きい、
を含む方法を提供する。
【0026】
さらなる広い実施形態例においては、入口流路および出口流路の出口端および入口端の封入(plugging)は、各々、流路の被覆の後に、行うことができる。
【0027】
したがって、さらに本発明は、触媒壁流フィルターの製造方法であり、以下の工程を含む:
(a)壁流フィルター本体に、ガス透過性隔壁によって隔てられた複数の長手入口流路及び出口流路を与え;
(b)窒素酸化物と一酸化炭素及び水素とを反応させてアンモニアにするのに活性のある第1触媒組成物を含む第1触媒ウォッシュコートを与え;
(c)アンモニアと反応することにより窒素酸化物を窒素に選択的還元するのに活性のある第2触媒組成物を含む第2触媒ウォッシュコートを与え;
(d)該フィルター本体の入口流路に該第1触媒ウォッシュコートを被覆し;
(e)該フィルター本体の出口流路に該第2触媒ウォッシュコートを被覆し;
(f)上記のように被覆された入口流路の出口端を封入し、および、上記のように被覆された出口流路の入口端を封入し;そして
(g)該被覆フィルター本体を乾燥させ熱処理して触媒壁流フィルターを得る、ここで、ウォッシュコート中の第1または第2触媒のいずれかのモード粒径が、ガス透過性隔壁の平均孔径よりも小さく、かつ、小さくないモード粒径を有するウォッシュコート中の触媒のモード粒径がガス透過性隔壁の平均孔径よりも大きい。
【0028】
本発明に使用するための特定の触媒は、上で言及しており、またさらに請求項9〜11に開示されている。
【0029】
本発明のさらなる実施形態では、フィルターは、アンモニアの過剰分を窒素と水に酸化するのに活性な触媒である、いわゆるアンモニアスリップ触媒でさらに被覆される。
【0030】
したがって、この実施形態では、本発明の方法は、次の工程:
アンモニアの酸化に活性な第3触媒を含有する第3ウォッシュコートを与え;そして
出口流路の少なくとも一部分に該第3ウォッシュコートを被覆し、その後第2触媒ウォッシュコートを被覆することを含む。
【0031】
本発明で使用するためのウォッシュコートを製造する場合、通常は粒子の形態である触媒を必要な粒径まで磨砕又は凝集させ、そして水又は有機溶媒に、随意にバインダー、粘度調節剤、発泡剤その他の加工助剤を添加して懸濁する。
【0032】
その後、フィルターを、フィルターに真空を加え、ウォッシュコートを加圧し又は浸漬被覆することを含めて、一般的な方法に従ってウォッシュコートする。
【0033】
隔壁の平均孔径よりも小さいモード粒径を有する触媒の量は、典型的には20〜140g/lであり、より大きいモード粒径を有する触媒の量は、典型的には10〜100g/lである。フィルター上の全触媒添加量は、典型的には40〜200g/lの範囲である。
【0034】
本発明で使用するのに好適なフィルター材料の例は、炭化ケイ素、チタン酸アルミニウム、コーディエライト、アルミナ、ムライト又はそれらの組み合わせである。
【実施例】
【0035】

第1触媒組成物の懸濁液を、第1工程で、フィルター壁の平均孔径よりも大きいモード粒径を有する酸化セリウム及びアルミナ粒子上に被着されたパラジウムロジウムの粉末混合物から調製する。
【0036】
混合第1触媒の懸濁液を、リットルフィルターにつき40mlの脱イオン水にこれらの粉末20gを混合させることによって調製する。分散剤のZephrym PD−7000及び消泡剤を添加する。最終懸濁液の粒径は、壁流フィルターの壁部内の孔の平均孔径よりも大きくなければならない。
【0037】
第2触媒の懸濁液を、2%の銅で活性が高められたシリカアルミニウムホスフェートSAPO−34の100gをリットルフィルターにつき200mlの脱イオン水に混合分散させることによって作製する。分散剤Zephrym PD−7000及び消泡剤を添加する。この懸濁液をビーズミルで磨砕する。粒径は、壁流フィルターの壁部内の孔の平均孔径よりも小さくなければならない。
【0038】
従来の高い多孔度(約60%及び壁平均孔径約18μm)のプラグSiC壁流フィルターを使用する。
【0039】
第1触媒の懸濁液を、標準的なウォッシュコート方法によってフィルターの分散側のフィルター入口端からウォッシュコートし(100g/ft3)、乾燥させ、そして750℃で焼結させる。
【0040】
第2触媒の懸濁液を、標準的なウォッシュコート方法によってフィルターの透過側のフィルター出口端からウォッシュコートし、乾燥させ、そして750℃で焼結させる。