【実施例】
【0206】
略語の一覧:
1M 1モル濃度
APCI 大気圧化学イオン化
aq 水性
AR アドレナリン受容体
atm 気圧
br 幅広い
cm センチメートル
d 二重線
dd 二重二重線
ddd 二重二重二重線
(DHDQ)
2PHAL ヒドロキニジン1,4−フタラジンジイルジエーテル
DMAC ジメチルアセトアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DSC 示差走査熱量測定
ee 鏡像体過剰率
equiv 当量
ES 電子スプレー
g グラム
h 時間
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HRMS 高分解能質量分析
m 多重線
MC メチルセルロース
mbar ミリバール
MeOH メタノール
min 分
ml ミリリットル
MS 質量分析法
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
nm ナノメートル
NMR 核磁気共鳴
RT 保持時間
r.t. 室温
s 一重線
sat. 飽和
sept 七重線
t 三重線
TFA トリフルオロ酢酸
μm マイクロメートル
w/v 重量/容量
XRPD X線粉末回折
【0207】
他に示さない限り、HPLC/MSスペクトルは、Agilent1100シリーズLC/Agilent MS6210四重極で記録した。Waters Symmetry C8カラム(3.5um;2.1×50mm)(WAT200624)を使用した。下記の勾配法を適用した(%=容量パーセント):A=水+0.1%TFA/B=アセトニトリル+0.1%TFA;0.0〜2.0min 90A:10B〜5A:95B;2.0〜3.0min 5A:95B;3.0〜3.3min 5A:95B〜90A:10B;流量1.0ml/min;カラム温度50℃。全ての化合物を、APCIモードでイオン化した。
【0208】
1H−NMRスペクトルを、Varian Mercury(400MHz)またはBruker Advance(600MHz)機器で記録した。
【0209】
旋光度は、Perkin Elmer旋光計341で測定した。
【0210】
実施例2b、2c、2d、2e、2gについてのLCMS条件:
質量スペクトルステーション:Agilent1200HPLCを有するAgilent6130四重極LC/MS;カラム:Agilent Zorbax SB−C18(急速な分割)、2.1
*30mm、3.5μm;移動相:B:水中の0.1%ギ酸;C:MeCN中の0.1%ギ酸;1.0min〜6.0min、95%Bから5%B、および5%Cから95%C;6.0min〜9.0min、5%Bおよび95%C;ポスト時間:2.0min;流量:0.8ml/min;カラム温度:30℃;UV検出:210nmおよび254nm;MSスキャンポジティブおよびネガティブ:80〜1000;イオン化法:API−ES。
【0211】
実施例2fのためのHRMS条件:
機器:Synapt Q−TOF MSとカップリングしたWaters Acquity UPLC;カラム:Waters Acquity UPLC BEH C18、2.1
*50mm、1.7μm移動相:A:水中の0.1%ギ酸、B:アセトニトリル中の0.1%ギ酸;カラム温度:室温;UV検出:190nm〜400nmのスキャン;流量:0.5mL/min;
勾配条件:
【0212】
【表4】
【0213】
中間体A:2−(4−ブトキシフェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミン
a)4−(2−メチル−2−ニトロプロピル)フェノール
4−(ヒドロキシメチル)フェノール(20g)、KOtBu(27.1g)およびDMAC(200mL)の混合物を、磁気撹拌子で撹拌した。2−ニトロプロパン(21.5g)を20min以内でゆっくりと加えた。混合物を、r.t.に冷却する前に、140℃に5時間加熱した。混合物を冷たいHCl水溶液(3.0%、600mL)にゆっくりと加え、次いで、MTBE(300ml
*1、200ml
*1)で抽出した。有機層を合わせ、水(300ml
*2)および飽和NaCl水溶液(50ml
*1)で洗浄し、次いで、無水Na
2SO
4で脱水した。混合物を濾過し、真空下で濃縮し、淡黄色の固体(28.5g)を得て、これをそれ以上精製することなく次のステップのために使用した。
[M−H]
+=194.2;RT=5.3分
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) ppm 6.96(d, J=8.5Hz, 2H), 6.75(d, J=8.5Hz, 2H), 3.11(s, 2H), 1.56(s, 6H).
【0214】
b)1−ブトキシ−4−(2−メチル−2−ニトロプロピル)ベンゼン
4−(2−メチル−2−ニトロプロピル)フェノール(20.4g)、1−ブロモブタン(28.7g)、DMAC(200ml)、K
2CO
3(21.6g)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(38.7g)の混合物を、磁気撹拌子で撹拌し、85℃に17h加熱した。混合物を0〜10℃に冷却し、水(700ml)を加えた。混合物を、MTBE(300ml
*1、200ml
*1)で抽出した。合わせた有機相を水(250ml
*2)で洗浄し、次いで、真空下で濃縮し、赤褐色の油(27.8g)を得て、これをそれ以上精製することなく次のステップで使用した。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3) ppm 7.0(d, J=8.8Hz, 2H), 6.81(d, J=8.8Hz, 2H), 3.93(t, J=6.6Hz, 2H), 3.12(s, 2H), 1.74(m, 2H), 1.56(s, 6H), 1.48(m, 2H), 0.97(t, 3H).
【0215】
c)2−(4−ブトキシフェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミン
水素付加反応器(1L)において、1−ブトキシ−4−(2−メチル−2−ニトロプロピル)ベンゼン(27.8g)のAcOH(270ml)溶液、続いて湿ったラネーNi(7.0g)を加えた。混合物をH
2で3回パージし、次いで、60℃に加熱し、5.0atm未満で16h撹拌し続けた。混合物を濾過し、全ての濾液を真空下で濃縮した。このように得られた残渣を水(150ml)/n−ヘプタン(80ml)で希釈し、水層をn−ヘプタン(80ml)で再び洗浄した。水層をNaOH(約20%)でpH約11に調節し、次いで、MTBE(100ml
*1)およびEtOAc(150ml
*2)で抽出した。中間層を廃棄した。全ての上層を合わせ、飽和NaHCO
3(100ml)および飽和NaCl(100ml)で洗浄し、その後、無水Na
2SO
4で脱水した。濾過後、混合物を濃縮した。このように得られた残渣を撹拌し、イソプロピルアルコール(2M、40ml)中のHCl溶液を加えた。スラリーを60℃に加熱し、n−ヘプタン(120ml)を加えた。混合物を20℃に冷却し、次いで濾過し、ケークをいくらかのn−ヘプタンで洗浄した。白色の固体を空気中で2日間乾燥させ、10gの純粋な生成物のHCl塩を得た。収率:35.2%。
[MH]+=222.2;RT=5.0分
1H-NMR(400MHz, d-DMSO) ppm 8.13(s, 3H), 7.12(d, J=8.6Hz, 2H), 6.88(d, J=8.5Hz, 2H), 3.93(t, J=6.4Hz, 2H), 2.80(s, 2H), 1.67(m, 2H), 1.42(m, 2H), 1.18(s, 6H), 0.92(t, 3H).
【0216】
実施例1:(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン
【0217】
【化20】
a)1−tert−ブトキシ−3−フルオロ−5−イソチオシアナトベンゼン
CHCl
3(250ml)中のチオホスゲン(33.6g)、およびH
2O(450ml)中のK
2CO
3(64.7g)を、別々におよび同時に、3−tert−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル−アミン(42.9g)のCHCl
3(350ml)溶液に0℃にて滴下で添加する。反応混合物を室温に一晩温める。有機物を分離し、水(3×)、ブライン(1×)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去する。表題化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、ジクロロメタン/イソ−ヘキサン1:3)によって得る。
1H NMR(CDCl
3, 400MHz); 6.70(m, 3H), 1.40(s, 9H).
【0218】
b)(3−tert−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−チオカルバミン酸O−イソプロピルエステル
1−tert−ブトキシ−3−フルオロ−5−イソチオシアナトベンゼン(24.0g)およびトリエチルアミン(10.9g)を、イソ−プロパノール(150ml)に溶解する。反応混合物を18時間還流し、溶媒を真空によって除去する。粗生成物をヘキサン:ジエチルエーテル(19:1)に溶解する。ジエチルエーテルを真空中で除去し、溶液を0℃に3時間冷却する。溶液を濾過し、表題化合物を得る。
1H NMR(CDCl
3, 400MHz); 8.10(br s, 1H), 6.65(br s, 2H), 6.45(ddd, 1H) 5.60(七重線, 1H), 1.35(d, 6H), 1.30(s, 9H).
【0219】
c)5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−ベンゾチアゾール−7−カルバルデヒド
(3−tert−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−チオカルバミン酸O−イソプロピルエステル(2.2g)を、乾燥テトラヒドロフラン(20ml)に溶解する。反応混合物を−78℃に冷却し、tert−ブチルリチウム(15.2ml、1.5M溶液)を20分に亘り加える。次いで、反応混合物を−10℃に75分間温める。次いで、反応混合物を−78℃に再冷却し、N,N−ジメチル−ホルムアミド(1.5g)を加え、反応混合物を室温にゆっくりと温め、次いで、−10℃で1時間撹拌する。反応混合物をHCl
(aq)(5ml、2M溶液)でクエンチし、有機物を酢酸エチル/水の間で分離し、真空中で除去する。表題化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液 酢酸エチル/イソ−ヘキサン1:9)によって得る。
MS(ES+)m/e294(MH
+)。
【0220】
d)5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−7−ビニルベンゾチアゾール
Ph
3PMe.Br(5.0g)を、アルゴン下で乾燥テトラヒドロフラン(100ml)に溶解する。N−ブチルリチウム(8.8ml、1.6M溶液)を室温で10分に亘り撹拌し、反応混合物をさらに30分間撹拌する。5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−ベンゾチアゾール−7−カルバルデヒド(1.25g)のジクロロメタン(40ml)溶液を、反応混合物に滴下で添加し、反応混合物を室温で4.5時間撹拌する。溶媒を真空中で除去し、酢酸エチルに再溶解し、水(3×)、ブライン(1×)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去する。表題化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソ−ヘキサン1:9)によって得る。
MS(ES+)m/e292(MH
+)。
【0221】
e)(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−ベンゾチアゾール−7−イル)−エタン−1,2−ジオール
K
3Fe(CN)
6(1.2g)、K
2CO
3(0.5g)、(DHQD)
2PHAl(19mg)を、アルゴン下でtert−ブタノール/水(15ml、1:1のミックス)に溶解し、15分間撹拌する。反応混合物を0℃に冷却し、OsO
4(3.1mg)、続いて5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−7−ビニルベンゾチアゾール(0.35g)を加える。反応混合物を室温で一晩撹拌する。反応混合物をメタ重硫酸ナトリウム(1g)でクエンチし、1.5時間撹拌する。酢酸エチルを加え、有機物を分離し、(2×)水、(1×)ブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、濾過し、溶媒を真空中で除去する。表題化合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、溶離液、酢酸エチル/イソ−ヘキサン2:5)によって得る。
MS(ES+)m/e326(MH
+)。
【0222】
f)(R)−2−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−ヒドロキシエチル−4−メチルベンゼンスルホネート
500mlの3つ口丸底フラスコ(窒素の不活性雰囲気でパージし、維持する)中に、(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−ベンゾ[d]チアゾール−7−イル)エタン−1,2−ジオール(20g、59.05mmol)のピリジン(240ml)溶液、および4Å分子篩(5g)を入れた。これに続いて、0℃で撹拌しながらトルエンスルホン酸クロリド(塩化トシル)(15.3g、79.73mmol)のピリジン(60ml)溶液を滴下で添加した。このように得られた溶液を室温で4h撹拌した。次いで、反応物を1000mlの塩化水素(1M)を加えることによってクエンチした。このように得られた溶液を2×300mlの酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせた。有機層を、1×500mlの塩化水素(1M)、1×500mlの10%炭酸水素ナトリウムおよび300mlのブラインで洗浄した。混合物を無水硫酸ナトリウム上で脱水し、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/石油エーテル(1:10)を有するシリカゲルカラム上に加えた。これによって、26g(87%)の(R)−2−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−ヒドロキシエチル4−メチルベンゼンスルホネートが黄色の油として得られた。
LC/MS R
T=2.47min;(m/z):480[M+H]
+
1H-NMR:(400MHz, DMSO-d
6): δ(ppm) 7.57(d, 2H); 7.36(d, 2H); 7.17(d, 1H); 6.79(d, 1H); 6.32(d, 1H); 5.37-5.26(m, 1H); 4.97-4.90(m, 1H); 4.12-4.00(m, 2H); 2.40(s, 3H); 1.45-1.38(m, 6H); 1.32(s, 9H).
【0223】
g)(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)エタノール
1000mLmlの4つ口丸底フラスコ中に、(R)−2−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−ヒドロキシエチル−4−メチルベンゼンスルホネート(26g、51.55mmol、1.00当量)のトルエン(320mLml)溶液、および2−(4−ブトキシフェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミン(中間体A)(22g、99.47mmol、1.93当量)を入れた。油浴において、溶液を90℃にて24h撹拌した。このように得られた混合物を、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル/石油エーテル(1:8)を有するシリカゲルカラム上に加える。これによって、16g(58%)の(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)エタノールが淡黄色の油として得られた。
LC/MS:R
T=2.24min(m/z):529[M+H]
+
1H-NMR:(600MHz, DMSO-d
6): δ(ppm) 7.12(s, 1H); 6.83(d, 2H); 6.77(s, 1H); 6.63(d, 2H); 5.80(br. s, 1H); 5.38-5.30(m, 1H); 4.70-4.66(m, 1H); 3.90(t, 2H); 2.81-2.61(m, 2H); 2.50-2.39(m, 2H); 1.71-1.62(m, 2H); 1.47-1.41(m, 2H); 1.41(d, 6H); 1.22(s, 9H); 0.91(q, 3H); 0.88(s, 3H); 0.83(s, 3H).
【0224】
h)(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン
(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)エタノール(3.5g)のギ酸(40ml)溶液を、周囲温度で68h撹拌した。50mlの水を加え、このように得られた混合物を蒸発乾固(ロータリーエバポレーター、15mbar、40℃)し、3.8gの粗生成物を得た。ギ酸を除去するために、この材料を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)および酢酸エチル(50ml)の間に分配した。水層を酢酸エチル(それぞれ30ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、3gの粗遊離塩基を得た。この材料をフラッシュクロマトグラフにかけた(シリカゲル;勾配、ジクロロメタン中0〜60%メタノール)。純粋な画分を集め、蒸発乾固し、1.74gのアモルファス半固体を得た。
【0225】
この材料を、キラル分取クロマトグラフィー[カラム:Chiralpak IC(20um)7.65×37.5cm;溶離液:n−ヘプタン/ジクロロメタン/エタノール/ジエチルアミン50:30:20(+0.05ジエチルアミン);流量=70ml/min;濃度:2.5g/50mlの溶離液;検出:UV、220nm]に供し、純粋なエナンチオマー(100%ee)を得た。
【0226】
この材料を、60℃にて45mlのアセトニトリルに溶解した。溶液を周囲温度に18hに亘り冷却し、それによって沈殿が起こった。混合物を5mlの冷たい(4℃)アセトニトリルで希釈し、ブフナー漏斗を通して濾過した。濾過ケークを冷たいアセトニトリルで2回洗浄した。次いで、湿った固体を集め、真空(0.2mbar)中で周囲温度にて一晩乾燥させ、1.42gの(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを無色の粉末として得た。
LC/MS:R
T=1.81min(m/z):431[M+H]
+
1H-NMR:(600MHz, DMSO-d
6): δ(ppm) 11.5(br. s, 1H); 9.57(br. s, 1H); 6.99(d, 2H); 6.76(d, 2H); 6.52(s, 1H); 6.47(s, 1H); 5.63(br. s, 1H); 4.53-4.48(m, 1H); 3.90(t, 2H); 2.74-2.63(m, 2H); 2.54-2.45(m, 2H); 1.71-1.62(m, 2H); 1.49-1.40(m, 2H); 0.93(q, 3H); 0.89(s, 6H).
旋光度:[α]
D22=−43°(c=1.0g/100mlのMeOH)。
【0227】
実施例2:(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンへの代替経路
【0228】
【化21】
a)1−tert−ブトキシ−3−フルオロ−5−イソチオシアナト−ベンゼン
1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(423g、2.37mol)を、ジクロロメタン(3200ml)に溶解した。混合物をN
2雰囲気下で撹拌し、一方、3−tert−ブトキシ−5−フルオロアニリン(435g、2.37mol)のジクロロメタン(800ml)溶液を2h以内でゆっくり加えた。次いで、混合物を20℃にて16h撹拌し続けた。混合物を、水(3000ml)で希釈した。分離したジクロロメタン相を、水(3000ml)で再び洗浄し、その後、無水Na
2SO
4で2h脱水した。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮し、溶媒を除去し、1−tert−ブトキシ−3−フルオロ−5−イソチオシアナト−ベンゼン(499g)を得た。
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): 6.63-6.68(m, 3 H), 1.37(s, 9H).
【0229】
b)(3−tert−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−チオカルバミン酸O−イソプロピルエステル
1−tert−ブトキシ−3−フルオロ−5−イソチオシアナトベンゼン(460g、2.04mol)の無水イソプロピルアルコール(3250ml)溶液に、トリエチルアミン(315g、3.06mol)を加えた。混合物を、N
2雰囲気下で16h加熱還流させ、温度を40〜50℃に冷却した。濃縮後、このように得られた色の濃い残渣をn−ヘプタン(1000ml)で希釈し、60℃に加熱した。混合物を25℃にゆっくり冷却し、同時にシード添加を行った。スラリーが観察され、25℃で16h撹拌し、その後、2h以内で0〜10℃にゆっくりと冷却した。濾過およびn−ヘプタン(200ml)による洗浄の後、集めた固体をオーブン中で真空下にて40〜45℃で18h乾燥させ、(3−tert−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−チオカルバミン酸O−イソプロピルエステル(453.1g)を得た。
LCMS:[M+H]
+=286.1;RT=7.2分
1H-NMR(400MHz, CDCl
3): 8.18(s, 1H), 6.81(m, 2H), 6.51(dt, J=10.2Hz, 1H), 5.66(七重線, J=6.3Hz, 1H), 1.42(d, J=6.2Hz, 6H), 1.37(s, 9H).
【0230】
c)1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−ベンゾチアゾール−7−イル)−2−クロロ−エタノン
窒素雰囲気下にて、tert−ブチルリチウムの溶液(481ml、737.6mmol、1.6M)を、(3−tert−ブトキシ−5−フルオロ−フェニル)−チオカルバミン酸O−イソプロピルエステル(200g、700.83mmol)の2−Me−THF(1600ml)溶液に−65℃未満の温度にて滴下で添加した。反応温度を−35℃に温め、tert−ブチルリチウムの第2のポーション(388ml、737.6mmol、1.9M)をゆっくりと加え、一方、−35℃未満の温度を保った。次いで、反応混合物をこの温度で3h撹拌し、−70℃に冷却した。N−メチル−N−メトキシクロロアセトアミド(96.4g、700.83mmol)の2−MeTHF(300ml)溶液を、反応混合物に加え、一方、温度を−70℃未満に保った。次いで、混合物を−30℃に温め、45分間撹拌した。冷たい反応混合物を、イソプロパノール(240g)中の30%HClの滴下の添加、それに続く1500mlの水の添加によってクエンチした。有機層を、1000mlの水、1500mlの飽和NaHCO
3水溶液および1500mlのブラインで逐次的に洗浄した。濃縮後、このように得られた薄茶色の残渣を、イソプロパノール(135ml)に加えた。混合物を50℃に温め、25℃にゆっくりと冷却した。n−ヘプタン(135ml)を溶液に滴下で添加し、混合物を一晩撹拌した。スラリーを濾過し、濾過ケークをn−ヘプタン(40ml)、続いて別のポーションのn−ヘプタン(20ml)で洗浄した。ケークを真空下で乾燥させ、1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−ベンゾチアゾール−7−イル)−2−クロロ−エタノンをオフホワイトの粉末として得た(42.8g、17.9%収率)。
1H NMR(400MHz, CDCl
3): 7.60(d, J=2.0Hz, 1H), 7.45(d, J=2.0Hz, 1H), 5.40(七重線, J=6.3Hz, 1H), 4.77(s, 2H), 1.47(d, J=6.3Hz, 6H), 1.40(s, 9H).
LCMS:[M+H]
+=342.1、RT=7.29min
【0231】
d)(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−ベンゾチアゾール−7−イル)−2−クロロ−エタノール
1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−クロロ−エタノン(70g、204.8mmol)およびRuCl(p−シメン)[(S,S)−Ts−DPEN](1.954g、3.07mmol)のメタノール/DMF(1330ml/70ml)懸濁液を脱気し、N
2で3回再充填した。Et
3N(124.3g)中のギ酸(28.3g)の脱気した事前形成された混合物を、ゆっくりと加え、一方、内部温度を15〜20℃に保った。このように得られた黄色の懸濁液を、30℃まで温めた。2h後、反応混合物を25℃に冷却し、次いで、水(750ml)を反応混合物中に加え、続いて酢酸(56ml)を1つのポーションで加えた。混合物を濃縮し、次いで、TBME(1000ml)で希釈した。水相を分離し、TBME(1000ml)で抽出した。合わせた有機相を水およびブラインで逐次的に洗浄し、次いでNa
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮し、(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−ベンゾチアゾール−7−イル)−2−クロロ−エタノール(72g)を得た。
LCMS(方法A):[M+H]
+=343.1、RT=5.67min
1H NMR(400MHz, CDCl
3): 7.29(d, J=2.0Hz, 1H), 6.83(d, J=2.0Hz, 1H), 5.37(七重線, J=6.3Hz, 1H), 4.96(m, 1H), 3.74(m, 2H), 3.01(s, 1H), 1.46(d, J=6.2Hz, 6H), 1.36(s, 9H).
【0232】
e)(R)−5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−7−オキシラニル−ベンゾチアゾール
(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−クロロ−エタノール(140g、407.1mmol)のTBME(420ml)溶液に、NaOH水溶液(2M、420ml)を滴下で添加し、続いてヨウ化テトラブチルアンモニウム(7.52g、20.36mmol)を1つのポーションで加えた。26℃にて4h後、400mlのTBMEを加え、有機層を分離した。水層をTBME(400ml)で抽出した。合わせた有機層を、水(400ml)およびブライン(400ml)で洗浄し、(R)−5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−7−オキシラニル−ベンゾチアゾール(122g)を得た。
LCMS:[M+H]
+=308.0、RT=6.80min
1H NMR(400MHz, CDCl
3) ppm 7.28(d, J=2.0Hz, 1H), 6.85(d, J=2.0Hz, 1H), 5.38(m, 1H), 3.96(m, 1H), 3.15(dd, J=4.3, 5.5Hz, 1H), 2.94(dd, J=4.3, 5.5Hz, 1H), 1.45(d, J=Hz, 6H), 1.37(s, 9H).
【0233】
f)(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)エタノール
(R)−5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシ−7−オキシラニル−ベンゾチアゾール(145g、471.7mmol)および2−(4−ブトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミン(114.8g、518.9mmol)を、DMSO(850ml)に溶解した。反応混合物を80℃に加熱し、27h撹拌した。次いで、混合物を25℃に冷却し、水(1500ml)およびTBME(1500ml)の撹拌した混合物に加えた。水層を分離し、TBME(1000ml)で抽出した。合わせた有機層を、水(1500ml)およびブライン(1000ml)で逐次的に洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水した。濃縮後、残渣を、カラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン中の10%のEtOAcからn−ヘプタン中の33%のEtOAcで溶出)によって精製した。固体生成物(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)エタノールを、オフホワイトの固体(140g)として得た。
HRMS:[M+1]529.2996
1H NMR(400MHz, CDCl
3): 7.26(m, 1H), 7.01(m, 1H), 6.99(m, 1H), 6.78-6.80(m, 3H), 5.39(m, 1H), 4.65(dd, J=3.8, 8.8Hz, 1H), 3.83(t, J=6.4Hz, 2H), 2.96(dd, J=3.8, 12Hz, 1H), 2.74(dd, J=8.8, 12Hz, 1H), 2.60(dd, J=13.6, 17.6Hz, 2H), 1.72-1.79(m, 2H), 1.50(m, 2H), 1.46(d, J=2.0Hz, 3H), 1.45(d, J=2.0Hz, 3H), 1.35(s, 9H), 1.06(s, 3H), 1.04(s, 3H), 0.98(t, J=7.2Hz, 3H).
【0234】
g)(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン
イソプロパノール(30ml)および水(25ml)中の(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)エタノール(7.5g)に、1MのHCl水溶液(43ml)を加えた。次いで、反応混合物を60℃に加熱し、2.5h撹拌した。混合物を50℃に冷却し、次いで2MのNaOH水溶液(18ml)をゆっくり加え、pHを8.2〜8.4に調節した。次いで、反応混合物を30℃に冷却し、続いてTBMEで抽出した(最初は、40mlで、2回目は、25mlで)。2つの有機層を合わせ、水(2回とも38ml)で洗浄し、その後無水Na
2SO
4で脱水した。濾過後、濾液を濃縮し、次いで、MeCN(145ml)に溶解した。溶液を活性炭素(0.6g)で処理し、60℃に加熱した。第2の濾過の後、ケークをMeCN(2回とも10ml)で洗浄し、濾液を60℃にて結晶化し、(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン(3.8g)を得た。e.e.=97.6%。
LCMS(方法A):[M+H]
+=431.2
1H NMR(400MHz, DMSO- d
6): 9.5(br. s, 1H), 6.81(d, J=8.5Hz, 2H), 6.57(d, J=8.6Hz, 2H), 6.33(d, J=2.2Hz, 1H), 6.30(d, J=2.2Hz, 1H), 4.43(br. s, 1H), 3.69(t, J=6.4Hz, 2H), 2.58-2.59(m, 2H), 2.24-2.31(m, 2H), 1.41-1.48(m, 2H), 1.15-1.25(m, 2H), 0.78(s, 6H), 0.70(t, J=7.4Hz, 3H).
【0235】
実施例3:(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン酢酸塩
500mg(1.161mmol)の遊離塩基(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを、50mlの4つ口フラスコにおいて10.0mlのアセトニトリルおよび0.25mlの水に懸濁し、r.t.にてパドルで撹拌した。懸濁液を50℃の内部温度(ジャケット温度75℃)で加熱し、72mgの酢酸(1.161mmol)を加えた(透明な黄色の溶液が形成された)。溶液をr.t.にて30minに亘り冷却し、0.15mlの水を加えた。
【0236】
次いで、溶液に、(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンアセテートを種晶として入れ、r.t.にて一晩(16h)撹拌した。次いで、懸濁液をr.t.にてガラスフィルターを通して濾過し、1mlのアセトニトリルで3回洗浄した。510mgの湿った濾過ケークを、乾燥炉においてr.t.にて一晩(16h)乾燥させて乾固させた。収量:508mgの白色の粉末(89.1%)
【0237】
(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンアセテートシードの調製
57.0mg(0.132mmol)の遊離塩基(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンおよび8.03mg(0.132mmol)の酢酸を、1.0mlのアセトニトリルおよび0.05mlの水に溶解した。溶液をr.t.にて撹拌し、磁気撹拌子で撹拌した。沈殿が一晩で起こった。次いで、溶液をr.t.にてガラスフィルターを通して濾過し、0.5mlのアセトニトリルで3回洗浄した。湿った濾過ケークを、乾燥炉においてr.t.にて一晩(16h)乾燥させて乾固させた。収量:57mgの白色の粉末
【0238】
実施例3a:(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン酢酸塩の形成のための代替手順
(R)−1−(5−tert−ブトキシ−2−イソプロポキシベンゾ[d]チアゾール−7−イル)−2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)エタノール(1当量)を、イソプロパノールに懸濁した。50〜60°で、約30〜60min以内に1Mの塩酸水溶液(3当量)を加えた。完全な反応(60℃にて約2.5時間)の後、溶液を20℃に冷却し、水酸化ナトリウム(2M)(3当量)をこの温度で徐々に加えた。完全に添加した後、乳化した遊離塩基(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを酢酸エチル中に抽出し、有機層を水で洗浄した。有機層を活性炭素で処理し、濾過助剤として微結晶性セルロースを使用して濾過した。濾過ケークを、酢酸エチルで洗浄した。遊離塩基(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを含有する濾液を、55℃のジャケット温度にて減圧下での蒸留によって定義した残留容量まで注意深く濃縮した。次いで、酢酸イソプロピルを加え、55℃のジャケット温度にて減圧下での蒸留によって定義した残留容量まで部分的に除去した。さらなる酢酸イソプロピル、および酢酸の酢酸イソプロピル溶液を加え、蒸留残渣を50〜55℃で温めた。酢酸の添加の間に、バッチに、(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン酢酸塩を種晶として入れ、50〜55℃にて早期に酢酸塩の制御された結晶化を開始させた。0℃に徐々に冷却した後、生成懸濁液を濾過し、冷たい酢酸イソプロピルで2回洗浄した。濾過ケークを50〜90℃にて恒量まで減圧下で乾燥させ、結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン酢酸塩を約80%の典型的な収率で得た。
【0239】
実施例4:(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オングリコール酸塩
500mg(1.161mmol)の遊離塩基(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを、50mLの4つ口フラスコにおいて10.0mlのアセトニトリルおよび0.25mlの水に懸濁させ、r.t.にてパドルで撹拌した。懸濁液を60℃の内部温度(ジャケット温度85℃)で加熱し、90mgの2−ヒドロキシ酢酸(1.161mmol)を溶液に加えた。次いで、60℃の内部温度で0.25mlの水を加えた。溶液に、(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オングリコレートを30℃の内部温度で種晶として入れ、一晩(16h)r.t.にて撹拌した。別の10mlのアセトニトリルを加え、週末にかけてr.t.にて撹拌した。懸濁液をr.t.にてガラスフィルターを通して濾過し、1.0mlのアセトニトリル/水(9:1v/v)で1回、および1.0mlのアセトニトリルで2回洗浄した。320mgの湿った濾過ケークを、乾燥炉において一晩(16h)r.t.にて乾燥させた。
【0240】
(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オングリコレートシードの調製
63.0mg(0.146mmol)の遊離塩基(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンおよび11.24mg(0.146mmol)のグリコール酸を、1.0mlのアセトニトリルおよび0.05mlの水に溶解した。溶液をr.t.にて磁気撹拌子で撹拌した。沈殿は一晩で起こった。ガラスフィルターを通して懸濁液をr.t.にて濾過し、0.5mlのアセトニトリルで3回洗浄した。湿った濾過ケークを、乾燥炉においてr.t.にて一晩(16h)乾燥させて乾固させた。収量:52mgの白色の粉末
【0241】
実施例5、6および7:結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンならびにその酢酸塩およびグリコール酸塩の形態のXRPDおよびDSC分析
遊離塩基結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンならびにその酢酸塩およびグリコール酸塩の形態のXRPD分析を、下記の実験条件下で行った。
【0242】
【表5】
【0243】
下記の実験条件でDSC分析を行った。
【0244】
【表6】
【0245】
実施例5:結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンのXRPD分析
遊離塩基(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを、XRPD分析の前に、下記のように再結晶化した。
【0246】
4.0g(2.232mmol)の(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを、100mlの4つ口フラスコ中で24.0mlの酢酸エチルに懸濁し、r.t.にてパドルで撹拌した。懸濁液を70℃の内部温度(ジャケット温度90℃)で溶解し、透明な黄色の溶液を得た。溶液を30minに亘りr.t.にて冷却し、遊離塩基(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを35℃の内部温度で種晶として入れ(結晶化は非常にゆっくりと起こる)、一晩(16h)r.t.にて撹拌した。次いで、ガラスフィルターを通して溶液をr.t.にて濾過し(急速な濾過、期間:<1min)、2.0mlの酢酸エチル(透明な黄色い母液)で3回洗浄した。5.82gの湿った濾過ケークを、乾燥炉においてr.t.にて一晩16hおよび40℃にて16h乾燥させた。収量:3.63gの白色の粉末(90.75%)
【0247】
結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを、XRPDによって分析したが、特徴的なピークを下記の表に示す(また
図5を参照されたい)。これらの内、8.5、13.3、13.9、14.4、15.2、17.2、17.5、18.1、21.3および22.5°2−シータにおけるピークは、最も特徴的である。
【0248】
【表7】
【0249】
結晶性遊離塩基(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンを、DSCによって分析し、約115℃で融解が開始することを見出した。
【0250】
実施例6:結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン酢酸塩のXRPD分析
結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン酢酸塩をXRPDによって分析したが、特徴的なピークを下記の表において示す(また、
図6を参照されたい)。これらの内、8.8、11.5、16.4、17.6、18.2、19.6、20.1、20.8、および21.1°2−シータにおけるピークは、最も特徴的である。
【0251】
【表8】
【0252】
結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オン酢酸塩をDSCによって分析し、約170℃において広範な吸熱を有することが見出された。
【0253】
実施例7:結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オングリコール酸塩のXRPD分析
結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オングリコール酸塩をXRPDによって分析したが、特徴的なピークを、下記の表において示す(また
図7を参照されたい)。これらの内、8.7、11.6、16.1、18.0、19.8、20.7、および21.1°2−シータにおけるピークは、最も特徴的である。
【0254】
【表9】
【0255】
結晶性(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オングリコール酸塩をDSCによって分析し、約188℃で融解が開始することを見出した。
【0256】
実施例8:酢酸塩の形態の化合物Aの皮下投与に適した医薬製剤の調製方法
1.00リットルの薬品溶液について、注射のための約900gの水を、医薬の配合に適した清浄な容器中に入れる。50gのマンニトール、0.60gの酢酸および10gのベンジルアルコールを加え、注射のために水に溶解する。次いで、1.00gの化合物Aを加え、溶解する。1Nの水酸化ナトリウム溶液で、pHを標的値、例えば、5.0に調節する。次いで、注射用水を、1.016kgの標的製品溶液重量に加える。薬品溶液を、洗浄し非発熱性にしたバイアル中に0.22μmのPVDF膜を通して無菌濾過し、無菌のゴム栓で密封し、圧着する。バイアルをオートクレービングによって最後に無菌化する。
【0257】
実施例8a:酢酸塩の形態の化合物Aの皮下投与に適した医薬製剤の調製のための代替方法
1.00リットルの薬品溶液について、注射のための約900gの水を、医薬の配合に適した清浄な容器中に入れる。50gのマンニトールおよび10gのベンジルアルコールを加え、注射のために水に溶解する。次いで、1.14gの化合物Aの酢酸塩を加え、溶解する。酢酸溶液で、pHを標的値、例えば、5.0に調節する。次いで、注射用水を、1.016kgの標的製品溶液重量に加える。薬品溶液を、洗浄し非発熱性にしたバイアル中に0.22μmのPVDF膜を通して無菌濾過し、無菌のゴム栓で密封し、圧着する。バイアルをオートクレービングによって最後に無菌化する。
【0258】
実施例9:化合物Aの遊離塩基、酢酸塩およびグリコール酸塩の形態の比較溶解度
化合物Aの遊離塩基の形態、ならびに酢酸塩およびグリコール酸塩の形態の相対的溶解度を分析したが、結果を下記の表において示す。溶液を、pH調節のためにHClまたはNaOHを加えて滴定した。化合物Aの遊離塩基の形態に対して、酢酸塩およびグリコール酸塩の形態の改善された水溶解度によって、化合物Aの酢酸塩およびグリコール酸塩は皮下注射または注入により適したものとなる。
【0259】
【表10】
【0260】
実施例10:本発明の化合物(化合物A)、そのエナンチオマー(化合物B)、そのラセミ化合物(化合物A/B)およびホルモテロールのインビトロの細胞プロファイル
本発明の化合物(化合物A)は、本明細書の上記に記載の試験1において下記のEC
50値を示す。
【0261】
【表11】
【0262】
本発明の化合物(化合物A)は、強力および選択的なβ2ARアゴニストであり、β1ARに対する非常に低い固有の有効性を有し、α1A ARに対する活性を有さない。そのエナンチオマー化合物Bは、β2ARに対して非常に弱く、950nMのEC
50を有する。
【0263】
実施例11:インビボでの骨格筋および心臓の重量に対するホルモテロールおよび化合物Aの作用
350〜400gの重量の雄のWistar Han IGS(International Genetic Standard)ラット(Crl:WI(Han))を、Charles River Laboratoriesから購入した。ラットを施設に7日間順応させた。動物を3匹の動物の群で12:12hの明暗サイクルで25℃にて収容した。これらに、15.8MJ/kgのエネルギー含量を伴う18.2%のタンパク質および3.0%の脂肪を含有する標準的な試験施設の食餌を与えた(NAFAG3890、Kliba、Basel、Switzerland)。食物および水を自由に与えた。ホルモテロールまたは化合物Aを、下記に示すビヒクルに溶解し、Alzetモデル2ML4によって28日間、ホルモテロールについて0.003〜0.03mg/kg/日の用量範囲、および化合物Aについて0.01〜0.1mg/kg/日の用量範囲を達成した。ポンプを溶液で充填し、外科的埋込みまでPBS中で37℃にて数時間保持した。手術の少なくとも30分前に、ラットを0.02mg/kgの用量のTemgesicを1ml/kgの容量で皮下処理し、次いで、上記で示した溶液を充填したポンプを、3%の濃度のイソフルランによる麻酔下でラットの背中の皮下に埋め込んだ。手術の24hおよび48h後、Temgesicをラットに皮下投与した。体重を1週間に2回測定した。クリップを麻酔下で手術の10日後に除去した。処理の4週間後、ラットをCO
2で安楽死させ、前脛骨筋、腓腹筋およびヒラメ筋、心臓および脳を解剖し、秤量した。脳の重量を、器官重量の規準化のために使用した。結果を平均+/−SEMとして表す。統計解析を、ダネット多重比較検定、それに続く一元配置分散分析を使用して行い、処理群とビヒクル対照群とを比較した。確率値が<0.05であるとき、差異は有意であると考えた:
*:統計的分析を、GraphPad Prism、バージョン5.0(GraphPad Software、Inc.、La Jolla、CA)によって行った。筋肉重量を0日目における体重(最初の体重)に規準化し、心臓の重量を脳の重量によって規準化した。
【0264】
研究1:ホルモテロール
【0265】
【表12】
研究2:化合物A
【0266】
【表13】
【0267】
図1は、ホルモテロールが、骨格筋肥大および心臓質量増加の両方を同じ程度に誘発し、一方、化合物Aが、心臓質量に対する最小の影響を伴って骨格筋肥大を誘発することを示し、化合物Aが心筋に対してよりも骨格筋に対して選択的作用を示すことをこれは示す。化合物Aは、約0.2nMの定常状態血漿濃度を伴う0.01mg/kg/日にて骨格筋肥大を11%だけ有意に誘発し、一方、約2nMの定常状態濃度を伴う0.1mg/kg/日においてでさえ心臓の病理組織診断に対する知見はなかった。
【0268】
実施例12:単離した器官の機能(左心房収縮、洞房結節拍動速度、および全心臓の自動能)に対するホルモテロールおよび化合物Aの作用
方法
左心房収縮:左心房収縮アッセイを、600+/−80gの体重を有するDunkin Hartleyモルモットからの左心房を使用して、Ricerca Biosciences、LLCにおいて行った(カタログ番号407500、アドレナリン作動性β1)(Arch. Int. Pharmacodyn. 1971:191:133-141)。
【0269】
洞房結節拍動速度:雌のニュージーランド白ウサギを、ケタミン/キシラジンの混合物(i.v.)を使用して深い麻酔の後の全採血によって屠殺した。心臓をすばやく取り出し、タイロード液中に入れた。この溶液に95%のO
2、5%CO
2を連続的に供給し、従前に約36±0.5℃に温めた。右心房を心臓の残りから分離した。調製物を組織浴中に入れ、少なくとも1時間の安定化のために37±0.5℃で保持した。活動電位(AP)を、3MのKClを充填し、高入力インピーダンス中和増幅器(impedance-neutralizing amplifier)(VF−180微小電極増幅器、Bio−Logic)に連結した標準的ガラス管微小電極によって細胞内記録した。APをデジタルオシロスコープ(HM−407オシロスコープ、HAMEG)上に表示し、高分解能データ収集システム(Notocordソフトウェアhem4.2、Notocord SA、Croissy、France)によって分析した。1時間の安定化の後、化合物を増加する濃度でタイロード液に加え、各濃度を30分間維持した。2つの濃度の間に洗い流しはなかった。電気生理学的測定は、30分の潅流期間の終わりに実験プロトコルの間の活動電位を分析することによって行った。SA自発的頻度を、10秒毎に拍動の数を計数することによって評価し、毎分拍動数(bpm)における結果を表した。データは、平均±SEMとして表した。
【0270】
自動能:自動能を、単離したLangendorffウサギの灌流した心臓において調査し、Hondeghem Pharmaceuticals Consulting N.V.、B−8400 Oostende、Belgiumによって行った。試験は、約2.5kgの重量の約3カ月の月齢の雌のアルビノウサギからの心臓で行った。化合物の作用を、Langendorff技術によって灌流した単離したウサギの心臓を使用して完全に自動化されたモデルにおいて測定した。自発的に拍動する心臓を、増加する濃度の試験品で逆行的に灌流する。洞結節自動能のサイクル長を記録するために、1つの電極を左心房上に注意深く置く。
【0271】
図2aおよび2bは、ホルモテロールと本発明の化合物(化合物A)とを比較したときに得られた結果を示す。
【0272】
化合物Aは、ホルモテロールと比較して、10μMまで左心房収縮に対する作用を示さず、ペースメーカー活性に対するより直接ではない作用を示す。
【0273】
【表14】
【0274】
実施例13:インビボでの心拍数に対するホルモテロールおよび化合物Aの作用
Wistar Han(W−H)IGS(International Genetic Standard)ラット(Crl:WI(Han))は、Charles River Laboratoriesから購入した。大腿動脈および静脈カテーテルを、慢性的に埋め込み、スプリングテザー(spring tether)−スイベルシステムを通して露出させ、専用のケージに収容した。動脈カテーテルを圧力トランスデューサーに連結し、デジタルデータ収集システムによって血圧シグナルからもたらされる、脈圧、平均動脈圧および心拍数を連続的に測定した。化合物を、皮膚ボタンを通して埋め込んだs.c.カテーテルによって投与した。値は、平均±SEMとして表す(n=3)。
【0275】
化合物Aは、
図3a、3bおよび3cに示すように、s.c.ボーラス(0.3mg/kgまで)で投与したとき、ホルモテロールと比較してより少ない心拍数の増加を示す。
【0276】
実施例14:インビボでの心拍数に対するホルモテロールおよび化合物Aの作用
アカゲザル(約4〜8kgの体重を有する24匹の雌)を、n=6の4群に無作為化した。化合物の単一の皮下投与後に動物を椅子上に4時間まで拘束し、次いで、畜舎に戻した。Surgivet V3304装置を使用して心拍数を測定した。値を平均±SEM(n=6)として表す。
【0277】
化合物Aは、
図4aおよび4bに示すように、s.c.ボーラス(0.03mg/kgまで)として投与したとき、ホルモテロールと比較してより少ない心拍数の増加を示す。
【0278】
実施例15:セロトニン5−HT
2C受容体に対する化合物A、そのエナンチオマー(化合物B)およびそのラセミ化合物(化合物A/B)の作用
ヒト5−HT
2C受容体に対する化合物の結合親和性を測定するために、ヒト組換えhr5−HT
2CCHO細胞膜(Biosignal Packard、USA)および
3H−メスレルギン(NEN Life Science Products、USA、1nM)を使用する。1μMのメスレルギンの存在下で非特異的結合を評価する。50μLのそれぞれの膜、リガンドおよび化合物(250μLの総容量)を、50mMのTris、0.1%アスコルビン酸、10μMのパルギリン(pH7.7)を含有する緩衝液中で、22℃にて96ウェルプレートにおいて60min間インキュベートする。プレートを濾過し、氷冷の50mMのTris中で3回洗浄し、乾燥し、Topcountで測定する。
【0279】
ミトコンドリアのアポエクオリン、組換えセロトニン5−HT
2Cneおよび異所性Gタンパク質(promiscuous G protein)G
α16(抗生物質を有さない培養培地において対数期の中期まで成長)を同時発現しているCHO−K1細胞を、PBS−EDTAによって剥離し、遠心し、アッセイ緩衝液(DMEM/ハムF12(HEPESを有し、フェノールレッドは有さない)+0.1%BSA(プロテアーゼ非含有))中に1×10
6個の細胞/mlの濃度で再懸濁させた。細胞をセレンテラジンhと共に室温で少なくとも4hインキュベートした。参照アゴニストは、a−メチル−5−HTであった。アゴニスト試験のために、50μLの細胞懸濁液を、96ウェルプレートにおいて50μLの試験または参照アゴニストと共に混合した。このように得られた発光を、Hamamatsu機能的薬物スクリーニングシステム6000(FDSS6000)照度計を使用して記録する。試験化合物のアゴニスト活性は、そのEC
100濃度における参照アゴニストの活性のパーセントとして表した。
【0280】
【表15】
【0281】
化合物Aは、β2ARアゴニスト活性(5.6nM)と比較したときに、5−HT
2Cに対して活性は50分の1であり、一方、そのエナンチオマー化合物Bは、β2ARに対して950nMのEC
50を伴い非常に弱いが、5−HT
2Cに対して19.7nMのEC
50を伴い非常により強力であり、これは標的に対する逆の選択性を示す。
【0282】
化合物Aはまた、ラセミ化合物または(S)エナンチオマーと比較したときに、5−HT
2Cに対して活性は10分の1未満であり、これはこの化合物の副作用プロファイルが有利であることを示唆する。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
【化22】
である、遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物。
[2] 遊離形態の(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンである、[1]に記載の化合物。
[3] 酢酸塩の形態の(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンである、[1]に記載の化合物。
[4] グリコール酸塩の形態の(R)−7−(2−(1−(4−ブトキシフェニル)−2−メチルプロパン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2(3H)−オンである、[1]に記載の化合物。
[5] 治療有効量の[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、および1種以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
[6] 前記薬学的に許容される担体の1つが、ベンジルアルコールである、[5]に記載の医薬組成物。
[7] 治療有効量の[1]から[4]のいずれかに記載の化合物、および1種以上の治療活性助剤を含む組合せ。
[8] 治療有効量の[1]から[4]のいずれかに記載の化合物を、それを必要としている対象に投与することを含む、筋ジストロフィー、廃用に関連する萎縮、悪液質または筋肉減少症を治療または予防する方法。
[9] 前記化合物が、皮下注入または注射によって投与される、[8]に記載の方法。
[10] 医薬として使用するための、[1]から[4]のいずれかに記載の化合物。
[11] 筋ジストロフィー、廃用に関連する萎縮、悪液質または筋肉減少症の治療または予防において使用するための、[1]から[4]のいずれかに記載の化合物。
[12] 筋ジストロフィー、廃用に関連する萎縮、悪液質または筋肉減少症を治療または予防するための医薬の製造における、[1]から[4]のいずれかに記載の化合物の使用。
[13] 以下のステップを含む、遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物の製造方法:
a.遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式(IIa)の化合物
【化23】
(式中、RaおよびRbは、保護基である)と、2−(4−ブトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミンとの反応ステップ;
b.残存する保護基の切断ステップ;
c.得られた遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物の回収ステップ。
[14] 前記化合物(IIa)が、遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式(IIIa)の化合物
【化24】
(式中、RaおよびRbは、保護基であり、LGは、脱離基である)と、塩基および任意に相間移動触媒との反応によって得られる、[13]に記載の遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物の製造方法。
[15] 前記化合物(IIIa)が、遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式(IVa−2)の化合物
【化25】
(式中、RaおよびRbは、保護基であり、LGは、脱離基である)の立体選択的還元によって得られる、[14]に記載の遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式(I)の化合物の製造方法。
[16] 前記LGが、クロロである、[15]に記載の方法。
[17] 遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の化合物(IVa’−2)
【化26】
が、強塩基の存在下での、遊離形態または薬学的に許容される塩の形態の式(Va)の化合物
【化27】
(式中、RaおよびRbは、保護基であり、Halは、ハロゲンである)と、2−クロロ−N−メトキシ−N−メチル−アセトアミドとの反応によって得られる、[16]に記載の方法。