特許第6130892号(P6130892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6130892動電型アクチュエータ及び動電型加振装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6130892
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】動電型アクチュエータ及び動電型加振装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 7/02 20060101AFI20170508BHJP
   H02K 33/18 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   G01M7/00 G
   H02K33/18 B
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-211790(P2015-211790)
(22)【出願日】2015年10月28日
(62)【分割の表示】特願2011-238849(P2011-238849)の分割
【原出願日】2011年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-35471(P2016-35471A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2015年10月28日
(31)【優先権主張番号】特願2011-98775(P2011-98775)
(32)【優先日】2011年4月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391046414
【氏名又は名称】国際計測器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100169856
【弁理士】
【氏名又は名称】尾山 栄啓
(72)【発明者】
【氏名】松本 繁
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/130953(WO,A1)
【文献】 特開平10−239149(JP,A)
【文献】 特開平08−136392(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/130818(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 7/02
H02K 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略筒状の固定部と、
前記固定部の軸線方向に往復駆動される可動部と、
前記可動部を前記軸線方向に往復移動可能に側方から支持する可動部支持機構と、
を備え、
前記可動部は、
その先端側の略円柱状の部分が前記固定部の中空部外に突出し、
その後端側の部分が前記中空部内に収容され、
前記可動部支持機構がリニアガイドを備え、
前記リニアガイドが
前記可動部の前記略円柱状の部分の側面に固定された、前記軸線方向に延びるレールと、
前記レール上を転動可能な複数の転動体と、
前記固定部に固定された、前記転動体を介して前記レール上を移動可能なランナーブロックと、
を備え、
前記レールの全長が前記略円柱状の部分の側面に支えられた、
動電型アクチュエータ。
【請求項2】
前記可動部が、
略円柱状の可動フレームと、
前記可動フレームの後端部に取り付けられた駆動コイルと、
を備え、
前記可動フレームの後端側の部分が前記固定部の中空部内に収容され、
前記可動フレームの先端側の部分が前記中空部外に突出し、該先端側の部分の側面に前記レールが取り付けられた、
請求項1に記載の動電型アクチュエータ。
【請求項3】
前記固定部が、前記軸線方向に並べて配置された2つの励磁コイルを有し、
前記駆動コイルが、前記軸線方向において、前記2つの励磁コイルの間に配置された、
請求項2に記載の動電型アクチュエータ。
【請求項4】
前記固定部が、
磁性体から形成された筒状体と、
磁性体から形成され、前記筒状体の中空部内に同軸に配置された内側磁極と、を有し、
前記筒状体の内周には、前記2つの励磁コイルがそれぞれ収容された、2つの凹部が形成され、
前記筒状体の前記2つの凹部で挟まれた部分の内周面と内側磁極の外周面とで挟まれた隙間に前記駆動コイルが配置された、
請求項3に記載の動電型アクチュエータ。
【請求項5】
前記可動部支持機構が、
前記固定部の軸線方向における端面と前記リニアガイドとを連結する略L字状のガイドフレームを備えた、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の動電型アクチュエータ。
【請求項6】
前記可動部支持機構が、複数の前記リニアガイドを備え、
前記複数のリニアガイドが、前記可動部の軸線の周囲に、周方向に等間隔に配置された、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の動電型アクチュエータ。
【請求項7】
2対の前記可動部支持機構を備え、
前記可動部は前記2対の可動部支持機構により直交2方向にて両側から挟み込まれた、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の動電型アクチュエータ。
【請求項8】
前記動電型アクチュエータは、前記固定部の軸線が水平方向を向くように横置きされ、
前記可動部支持機構の一つは、前記固定部の軸線の下に配置された、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の動電型アクチュエータ。
【請求項9】
前記可動部は、その端から突出して前記軸線上に延びるロッドを備え、
前記固定部は、前記ロッドを前記軸線方向に移動可能に支持する軸受を備えた、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の動電型アクチュエータ。
【請求項10】
前記リニアガイドが、樹脂製のリテーナを備え、
前記リテーナが、
前記転動体の間にそれぞれ配置される複数のスペーサ部と、
前記複数のスペーサ部を連結する一対のバンドと、を備えた、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の動電型アクチュエータ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の動電型アクチュエータと、
前記動電型アクチュエータの可動部に連結された振動テーブルと、
を備えた動電型加振装置。
【請求項12】
前記動電型アクチュエータを2つ備え、
前記動電型アクチュエータの一方は、第1の方向に駆動軸を有する第1のアクチュエータであり、
前記動電型アクチュエータの他方は、前記第1の方向と直交する第2の方向に駆動軸を有する第2のアクチュエータであり、
前記振動テーブルと前記第1のアクチュエータとを前記第2の方向にスライド可能に連結する第1のスライダと、
前記振動テーブルと前記第2のアクチュエータとを前記第1の方向にスライド可能に連結する第2のスライダと、
を備えた、
請求項11に記載の動電型加振装置。
【請求項13】
前記第1のスライダは第1のリニアガイドを備え、該第1のリニアガイドが、
前記第2の方向に延びる第1のレールと、
前記第1のレール上を転動可能な第1の転動体と、
前記第1の転動体を介して前記第1のレール上を移動可能な第1のランナーブロックと、を備え、
前記第2のスライダは第2のリニアガイドを備え、該第2のリニアガイドが、
前記第1の方向に延びる第2のレールと、
前記第2のレール上を転動可能な第2の転動体と、
前記第2の転動体を介して前記第2のレール上を移動可能な第2のランナーブロックと、を備えた、
請求項12に記載の動電型加振装置。
【請求項14】
前記動電型アクチュエータであって、前記第1の方向及び前記第2の方向と直交する第3の方向に駆動軸を有する第3のアクチュエータと、
前記振動テーブルと前記第3のアクチュエータとを前記第1の方向及び前記第2の方向にスライド可能に連結する第3のスライダと、
を備え、
前記第1のスライダは、前記振動テーブルと前記第1のアクチュエータとを前記第2の方向及び前記第3の方向にスライド可能に連結し、
前記第2のスライダは、前記振動テーブルと前記第2のアクチュエータとを前記第1の方向及び前記第3の方向にスライド可能に連結する、
請求項13に記載の動電型加振装置。
【請求項15】
前記第1のスライダは、
第1の1のリニアガイドと、
第1の2のリニアガイドと、を備え、
前記第1の1のリニアガイドが、
前記第2の方向に延びる第1の1のレールと、
前記第1の1のレール上を転動可能な第1の1の転動体と、
前記第1の1の転動体を介して前記第1の1のレール上を移動可能な第1の1のランナーブロックと、を備え、
前記第1の2のリニアガイドが、
前記第3の方向に延びる第1の2のレールと、
前記第1の2のレール上を転動可能な第1の2の転動体と、
前記第1の2の転動体を介して前記第1の2のレール上を移動可能な第1の2のランナーブロックと、を備え、
前記第2のスライダは、
第2の1のリニアガイドと、
第2の2のリニアガイドと、を備え、
前記第2の1のリニアガイドが、
前記第3の方向に延びる第2の1のレールと、
前記第2の1のレール上を転動可能な第2の1の転動体と、
前記第2の1の転動体を介して前記第2の1のレール上を移動可能な第2の1のランナーブロックと、を備え、
前記第2の2のリニアガイドが、
前記第1の方向に延びる第2の2のレールと、
前記第2の2のレール上を転動可能な第2の2の転動体と、
前記第2の2の転動体を介して前記第2の2のレール上を移動可能な第2の2のランナーブロックと、を備え、
前記第3のスライダは、
第3の1のリニアガイドと、
第3の2のリニアガイドと、を備え、
前記第3の1のリニアガイドが、
前記第1の方向に延びる第3の1のレールと、
前記第3の1のレール上を転動可能な第3の1の転動体と、
前記第3の1の転動体を介して前記第3の1のレール上を移動可能な第3の1のランナーブロックと、を備え、
前記第3の2のリニアガイドが、
前記第2の方向に延びる第3の2のレールと、
前記第3の2のレール上を転動可能な第3の2の転動体と、
前記第3の2の転動体を介して前記第3の2のレール上を移動可能な第3の2のランナーブロックと、を備えた、
請求項14に記載の動電型加振装置。
【請求項16】
前記第1のアクチュエータが、
該第1のアクチュエータの前記可動部を前記第2の方向にて両側から支持する一対の前記可動部支持機構と、
該第1のアクチュエータの前記可動部を前記第3の方向にて両側から支持する一対の前記可動部支持機構と、を備えた、
請求項14又は請求項15に記載の動電型加振装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動電型アクチュエータ及びこれを用いた動電型加振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所謂ボイスコイルモータを駆動源として使用した動電型加振装置が知られている。特許文献1には、駆動軸を互いに直交する方向へ向けた3台の動電型アクチュエータ200、300、400を振動テーブル100に連結した3軸加振装置1が開示されている。特許文献1の加振装置1では、各動電型アクチュエータが駆動軸と直交する2軸方向にスムーズにスライド可能な2軸スライダ(連結部240、340、440)を介して振動テーブル100に連結されている。この2軸スライダは、可動軸が互いに直行するリニアガイドを、中間ステージ245、345、445を介して連結したものである。この構成により、各動電型アクチュエータは、他の動電型アクチュエータによる振動テーブル100の駆動に強く影響されずに(すなわち比較的に少ないクロストークで)、振動テーブル100を駆動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2009/130953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の加振装置1に使用される動電型アクチュエータ200においては、可動部230はその胴体部232の一端から駆動方向に突出する細長いバー234の先端付近で固定部222に支持されている為、可動部230の胴体部232は駆動軸と直交する方向(非駆動方向)には高い剛性で支持されておらず、その為、非駆動方向に振動し易い。この為、可動部230の非駆動方向への振動により、軸間のクロストークが発生し、加振精度が低下する場合があった。
【0005】
本発明は、可動部が非駆動方向に振動し難い動電型アクチュエータ及び該動電型アクチュエータを使用することで加振精度に優れた動電型加振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る動電型アクチュエータは、略筒状の固定部と、固定部の中空部内に少なくとも一部が収容され、固定部の軸線方向に往復駆動される可動部と、可動部を固定部の軸線方向に往復移動可能に側方から支持する複数の可動部支持機構とを備える。可動部支持機構は、可動部の側面に固定された固定部の軸線方向に延びるレールと、固定部に固定された、レールと係合するランナーブロックと、を備えると共に、固定部の軸線を中心とする周方向に略等間隔に配置されている。
この構成により、可動部は、複数の可動部支持機構により非駆動方向への移動が規制される為、非駆動方向に振動し難くなる。
【0007】
可動部は、2対の可動部支持機構により直交2方向にて両側から挟み込まれるように構成してもよい。
これらの構成により、可動部は、直交する2つの非駆動方向で夫々両側から移動が規制される為、非駆動方向に振動し難くなる。
【0008】
動電型アクチュエータは、固定部の軸線が水平方向を向くように横置きされ、可動部支持機構の一つは、固定部の軸線の下に配置される構成としてもよい。
この構成により、可動部が可動部支持機構の一つにより下方から支持されるため、可動部の重量が大きくても可動部の上下方向の振動が効果的に防止される。
【0009】
可動部は、その一端から突出して固定部の軸線上に延びるロッドを備え、固定部は、ロッドを固定部の軸線方向に移動自在に支持する軸受を備えた構成としてもよい。
この構成により、可動部は、可動部支持機構と軸受により、駆動方向における2点で非駆動方向の移動が規制される為、更に非駆動方向に振動し難くなる。
【0010】
ベースと、固定部を支持する固定部支持機構を備え、固定部支持機構は、動電型アクチュエータの固定部に取り付けられた可動ブロックと、可動ブロックとベースとを固定部の軸線方向にスライド自在に連結するリニアガイドと、ベースと可動ブロックとの間に配置され、軸線方向の振動の伝達を防止する緩衝手段と、を備えた構成としてもよい。緩衝手段は、例えば空気ばねである。また、ベースに固定された固定ブロックを備え、リニアガイド及び防振部材の少なくとも一方は、固定ブロックを介してベースに固定された構成としてもよい。
動電型アクチュエータの駆動時に、固定部は反力によって軸線方向に強く振動する。この構成によれば、固定部が固定部支持機構の緩衝手段を介してベースに固定されるため、固定部の強い軸線方向の振動のベースへの伝達が防止される。このような、動電型アクチュエータを多軸加振機に使用すれば、加振軸間のクロストークや、不要な振動ノイズが低減し、精度の良い加振試験が可能になる。
【0011】
可動ブロックを一対備え、一対の可動ブロックは、固定部の軸線を挟む両側面に取り付けられる構成としてもよい。
この構成によれば、可動ブロックが受ける軸線方向の強い反力が、一対の固定部によって軸線の両側から対称的に支持されるため、可動ブロックのピッチングやヨーイングの発生が抑制される。
【0012】
本発明の実施形態に係る動電型加振装置は、上記の動電型アクチュエータと、動電型アクチュエータの可動部の先端に固定された振動テーブルとを備える。
このように、ノイズ要因となる非駆動方向への振動が少ない動電型アクチュエータを使用する構成により、精度の高い加振が可能な動電型加振装置が提供される。
【0013】
尚、動電型アクチュエータを2つ備え、動電型アクチュエータの一方は、第1の方向に駆動軸を有する第1のアクチュエータであり、動電型アクチュエータの他方は、第1の方向と直交する第2の方向に駆動軸を有する第2のアクチュエータであり、振動テーブルと第1のアクチュエータとを第2の方向にスライド自在に連結する第1のスライダと、振動テーブルと第2のアクチュエータとを第1の方向にスライド自在に連結する第2のスライダとを備えた構成としてもよい。
この場合、第1のスライダは、振動テーブルにおける第1のアクチュエータと対向する面に固定され、第2の方向に延びる第1のレールと、第1のアクチュエータにおける可動部の先端に固定された、第1のレールと係合して第1のレールに沿って移動可能な第1のランナーブロックとを備え、第2のスライダは、振動テーブルにおける第2のアクチュエータと対向する面に固定され、第1の方向に延びる第2のレールと、第2のアクチュエータにおける可動部の先端に固定された、第2のレールと係合して第2のレールに沿って移動可能な第2のランナーブロックとを備えた構成としてもよい。
これらの構成により、2つの動電型アクチュエータが互いに干渉せずに独立して振動テーブルを駆動することができるため、正確な加振が可能な2軸の動電型加振装置が実現する。
【0014】
また、上記の動電型アクチュエータであって、第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向に駆動軸を有する第3のアクチュエータと、振動テーブルと第3のアクチュエータとを第1の方向及び第2の方向にスライド自在に連結する第3のスライダと、を備え、第1のスライダは、振動テーブルと第1のアクチュエータとを第2の方向及び第3の方向にスライド自在に連結し、第2のスライダは、振動テーブルと第2のアクチュエータとを第1の方向及び第3の方向にスライド自在に連結した構成としてもよい。
この場合、第1のスライダは、振動テーブルにおける第1のアクチュエータと対向する面に固定された、第2の方向に延びる第1の1のレールと、第1の1のレールと係合して第1の1のレールに沿って移動可能な第1の1のランナーブロックと、第1の1のランナーブロックが一面に固定された第1の連結板と、第1のアクチュエータにおける可動部の先端に固定された、第3の方向に延びる第1の2のレールと、第1の連結板の他面に固定された、第1の2のレールと係合して第1の2のレールに沿って移動可能な第1の2のランナーブロックとを備え、第2のスライダは、振動テーブルにおける第2のアクチュエータと対向する面に固定された、第3の方向に延びる第2の1のレールと、第2の1のレールと係合して第2の1のレールに沿って移動可能な第2の1のランナーブロックと第2の1のランナーブロックが一面に固定された第2の連結板と、第2のアクチュエータにおける可動部の先端に固定された、第1の方向に延びる第2の2のレールと、第2の連結板の他面に固定された、第2の2のレールと係合して第2の2のレールに沿って移動可能な第2の2のランナーブロックとを備え、第3のスライダは、振動テーブルにおける第3のアクチュエータと対向する面に固定された、第1の方向に延びる第3の1のレールと、第3の1のレールと係合して第3の1のレールに沿って移動可能な第3の1のランナーブロックと第3の1のランナーブロックが一面に固定された第3の連結板と、第3のアクチュエータにおける可動部の先端に固定された、第2の方向に延びる第3の2のレールと、第3の連結板の他面に固定された、第3の2のレールと係合して第3の2のレールに沿って移動可能な第3の2のランナーブロックとを備えた構成としてもよい。
これらの構成により、3つの動電型アクチュエータが互いに干渉せずに独立して振動テーブルを駆動することができるため、正確な加振が可能な3軸の動電型加振装置が実現する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態の構成によれば、可動部が非駆動方向に振動し難い動電型アクチュエータ、及び該動電型アクチュエータを使用することで加振精度に優れた動電型加振装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る動電型加振装置の正面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る動電型加振装置の平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る動電型加振装置の駆動システムのブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るZ軸アクチュエータの本体の正面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るZ軸アクチュエータの本体の平面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るZ軸アクチュエータの本体の縦断面図である。
図7】本発明の第1実施形態に係るZ軸アクチュエータの振動テーブル付近を拡大した平面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る動電型加振装置で使用されるリニアガイドの断面図である。
図9図8のI−I断面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る動電型加振装置の正面図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る動電型加振装置の平面図である。
図12】本発明の第2実施形態に係る動電型加振装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る動電型加振装置について説明する。
【0018】
(第1実施形態)
先ず、図1図9を参照して、本発明の第1実施形態に係る動電型3軸加振装置1(以下、「加振装置1」と略記する。)について説明する。図1及び図2は、それぞれ加振装置1の正面図及び平面図である。また、図3は、加振装置1の駆動システムの概略構成を示すブロック図である。以下の第1実施形態の説明において、図1における左右方向をX軸方向(右方向をX軸正方向)、紙面に垂直な方向をY軸方向(紙面表側から裏側へ向かう方向をY軸正方向)、上下方向をZ軸方向(上方向をZ軸正方向)とする。尚、Z軸方向は鉛直方向であり、X軸及びY軸方向は水平方向である。
【0019】
図1及び図2に示すように、加振装置1は、供試体(不図示)が固定される振動テーブル400と、振動テーブル400をX軸、Y軸及びZ軸方向にそれぞれ加振する3つのアクチュエータ(X軸アクチュエータ100、Y軸アクチュエータ200及びZ軸アクチュエータ300)と、各アクチュエータ100、200及び300を支持する装置ベース50を備えている。各アクチュエータ100、200及び300は、それぞれボイスコイルモータを備えた動電型の直動アクチュエータであり、本体101、201及び301と、各本体から突出した可動部(後述)を覆うカバー103、203及び303をそれぞれ備えている。振動テーブル400は、各アクチュエータ100、200及び300と、それぞれ2軸スライダ(YZスライダ160、ZXスライダ260及びXYスライダ360)を介して連結されている。加振装置1は、各アクチュエータ100、200及び300を用いて振動テーブル400を駆動することにより、振動テーブル400上に固定された供試体を直交3軸方向に加振する。
【0020】
装置ベース50は、水平な底板54及び天板56が複数の壁板58によって連結されたものである。各アクチュエータ100、200及び300は、それぞれ一対の固定ブロック110、210及び310によって装置ベース50の天板56上に固定されている。また、天板56には開口57が形成されており、Z軸アクチュエータ300の下部は開口57に通され、装置ベース50内に収容されている。この構成により、加振装置1の低背化が実現している。また、装置ベース50から設置床Fへの振動の伝達を抑制する為、底板54の下面には複数の防振マウント52が取り付けられている。
【0021】
図3に示すように、加振装置1の駆動システムは、装置全体の動作を制御する制御部10、振動テーブル400の振動を計測する計測部20及び制御部10に電力を供給する電源部30、ユーザ入力又は外部機器からのデータ入力を受け付ける入力部40を備えている。計測部20は、振動テーブル400に取り付けられた3軸振動ピックアップ21を備えており、3軸振動ピックアップ21が出力する信号(例えば速度信号)を増幅して制御部10へ送る。尚、3軸振動ピックアップ21は、X軸、Y軸及びZ軸方向の振動を独立に検出する。制御部10は、入力部40より入力された加振波形や計測部20からの信号に基づいて、各アクチュエータ100、200及び300の駆動コイル(後述)に入力する交流電流の大きさ及び周波数を制御することにより、所望の振幅及び周波数で振動テーブル400を加振することができる。また、計測部20は、3軸振動ピックアップ21の信号に基づいて、振動テーブル400の振動状態を示す各種パラメータ(速度、加速度、振幅、パワースペクトル密度等)を計算して、制御部10へ送る。
【0022】
次に、各アクチュエータ100、200及び300の構造を説明する。尚、X軸アクチュエータ100及びY軸アクチュエータ200は、後述する空気ばね330が設けられていない点を除いてはZ軸アクチュエータ300と同様の構成である為、各アクチュエータを代表してZ軸アクチュエータ300について詳細な構成を説明する。
【0023】
図4図5及び図6は、それぞれZ軸アクチュエータの本体301の正面図、平面図及び縦断面図である。本体301は、筒状体322を有する固定部320と、固定部320の筒内に収められた可動部350を備えている。可動部350は、固定部320に対してZ軸方向(図4及び図6における上下方向)に移動可能になっている。可動部350は、略円柱状の可動フレーム356と、可動フレーム356と略同軸に配置された駆動コイル352を備えている。駆動コイル352は、駆動コイル保持部材351を介して、可動フレーム356の下端に取り付けられている。可動フレーム356は、上部は円柱状に形成されているが、下部は側面が緩やかに傾斜した円錐台状に形成されていて、下側ほど外径が大きくなっている。また、図6に示されるように、可動フレーム356は、中心軸上に延びるロッド356aと、中心軸と垂直に配置された天板356b、中間板356c及び底板356dを有している。天板356b、中間板356c及び底板356dは、ロッド356aによって連結されている。ロッド356aは、底板356dから更に下方へ延びている。また、天板356b上には、XYスライダ360を介して振動テーブル400が取り付けられている。
【0024】
また、固定部320の筒状体322の内部には、筒状体322と同軸に配置された略円筒形状の内側磁極326が固定されている。内側磁極326の外径は駆動コイル352の内径よりも小さく、駆動コイル352は内側磁極326の外周面と筒状体322の内周面とで挟まれた隙間に配置されている。筒状体322と内側磁極326は、共に磁性体から形成されている。また、内側磁極326の筒内には、ロッド356aをZ軸方向のみに移動可能に支持する軸受328が固定されている。
【0025】
筒状体322の内周面322aには複数の凹部322bが形成されており、各凹部322bには励磁コイル324が収容されている。励磁コイル324に直流電流(励磁電流)を流すと、筒状体322の内周面322aと内側磁極326の外周面とが接近して対向する箇所において、筒状体322の半径方向に矢印Aで示すような磁界が発生する。この状態で駆動コイル352に駆動電流を流すと、駆動コイル352の軸方向、すなわちZ軸方向にローレンツ力が発生し、可動部350がZ軸方向に駆動される。
【0026】
また、内側磁極326の筒内には、空気ばね330が収納されている。空気ばね330の下端は固定部320に固定されており、上端にはロッド356aが固定されている。空気ばね330は、ロッド356aを介して可動フレーム356を下方から支持する。すなわち、空気ばね330により、可動部350と、可動部350に支持されるXYスライダ360、振動テーブル400及び供試体の重量(静荷重)が支持される。従って、Z軸アクチュエータ300に空気ばね330を設けることにより、Z軸アクチュエータ300の駆動力(ローレンツ力)によって可動部350や振動テーブル400等の重量(静荷重)を支持する必要が無くなり、可動部350等を振動させるための動荷重のみを提供すればよくなるため、Z軸アクチュエータ300に供給される駆動電流(すなわち消費電力)が大幅に低減する。また、必要な駆動力の低減により、駆動コイル352も小型化できるため、可動部350の軽量化により、Z軸アクチュエータ300をより高い周波数で駆動することが可能になる。また、可動部350や振動テーブル400等の重量を支持する為の大きな直流成分を駆動コイルに供給する必要が無くなる為、電源部30も小型で簡単な構成のものを採用することができる。
【0027】
また、Z軸アクチュエータ300の可動部350を駆動すると、固定部320も駆動軸(Z軸)方向に大きな反力(加振力)を受ける。可動部350と固定部320の間に空気ばね330を設けることにより、可動部350から固定部320への伝達される加振力が緩和される。そのため、例えば、可動部350の振動が、固定部320、装置ベース50及びアクチュエータ100、200を介して振動テーブル400へノイズ成分として伝達されることが防止される。
【0028】
次に、可動部350の上部を軸線方向にスライド自在に側方から支持する可動部支持機構340の構成を説明する。本実施形態の可動部支持機構340は、ガイドフレーム342、Z軸ランナーブロック344及びZ軸レール346から構成される。可動部350(可動フレーム356)の円柱状の上部側面には、Z軸方向に延びる4本のZ軸レール346が周方向に等間隔に固定されている。また、固定部320(筒状体322)の上面には、筒状体322の外周面に沿って等間隔(90°間隔)に4つのガイドフレーム342が固定されている。ガイドフレーム342は、リブで補強された断面がL字状の固定部材である。各ガイドフレーム342の直立部342uには、Z軸レール346と係合するZ軸ランナーブロック344が固定されている。Z軸ランナーブロック344は、回転自在な複数のボール344b(後述)を有しており、Z軸レール346と共にボールベアリング式のZ軸リニアガイド345を構成する。すなわち、可動部350は、円柱状の上部において、ガイドフレーム342とZ軸リニアガイド345の対からなる4組の支持構造によって側方から支持され、X軸及びY軸方向には移動できないようになっている。そのため、可動部350がX軸及びY軸方向に振動することによる、クロストークの発生が防止される。また、Z軸リニアガイド345の使用により、可動部350はZ軸方向へスムーズに移動可能になっている。更に、可動部350は、上述のように下部においても軸受328によってZ軸方向のみに移動可能に支持されている為、X軸方向及びY軸方向へは移動できず、X軸方向及びY軸方向の振動がより発生し難くなっている。
【0029】
また、可動フレーム356とガイドフレーム342とをZ軸リニアガイド345で連結する場合、従来は、固定部320に固定されたガイドフレーム342にZ軸レール346を固定し、可動フレーム356に固定したZ軸ランナーブロック344をZ軸レール346上でスライド自在に支持する構成が採用されていた。しかしながら、本実施形態では、従来とは逆に、可動フレーム356にZ軸レール346を取り付け、ガイドフレーム342にZ軸ランナーブロック344を固定している。この固定構成を採用することで、不要な振動の抑制を達成している。これは、Z軸ランナーブロック344よりもZ軸レール346の方が軽量であり、駆動方向(Z軸方向)の寸法が長く(従って単位長さ当たりの質量が小さく)、かつ駆動方向の質量分布が均一である為、可動側にZ軸レール346を固定した方が、Z軸アクチュエータ300を駆動したときの質量分布の変動が少なく、従って、質量分布の変動に伴って生じる振動を抑えることができるからである。また、Z軸ランナーブロック344の重心よりもZ軸レール346の重心の方が低い(すなわち設置面から重心までの距離が短い)為、可動側にZ軸レール346を固定した方が、慣性モーメントが小さくなる。この構成により、可動フレーム356の共振周波数を加振周波数帯(0〜100Hz)よりも高くすることができ、共振による加振精度の低下が防止される。
【0030】
次に、Z軸アクチュエータ300と振動テーブル400とを連結するXYスライダ360の構成を説明する。図7は振動テーブル400付近を拡大した平面図である。図6及び図7に示すように、XYスライダ360は、2本のY軸レール362a、4つのY軸ランナーブロック362b、4つの連結板364、4つのX軸ランナーブロック366b、及び2本のX軸レール366aから構成される。Y軸方向に延びる2本のY軸レール362aは、可動フレーム356の天板356bの上面に固定されている。各Y軸レール362には、Y軸レール362aと係合する2つのY軸ランナーブロック362bが、Y軸レール362aに沿ってスライド自在に取り付けられている。また、X軸方向に延びる2本のX軸レール366aは、振動テーブル400の下面に固定されている。各X軸レール366aには、X軸レール366aと係合する2つのX軸ランナーブロック366bが、X軸レール366aに沿ってスライド自在に取り付けられている。また、X軸ランナーブロック366bは、それぞれ連結板364を介して1つのY軸ランナーブロック362bと固定されている。具体的には、各X軸レール366aと係合するX軸ランナーブロック366bの一方はY軸レール362aの一方と係合するY軸ランナーブロック362bの一つと固定され、他方のX軸ランナーブロック366bは他方のY軸レール362aと係合するY軸ランナーブロック362bの一つと固定される。すなわち、各X軸レール366aは、連結板364によって連結されたX軸ランナーブロック366b及びY軸ランナーブロック362bを介して、各Y軸レール362aと連結されている。この構成により、振動テーブル400は、Z軸アクチュエータ300の可動部350に対してX軸方向及びY軸方向にスライド自在に固定されている。
【0031】
このようにX軸方向及びY軸方向に非常に小さな摩擦抵抗でスライド可能なXYスライダ360を介してZ軸アクチュエータ300と振動テーブル400とを連結することにより、X軸アクチュエータ100及びY軸アクチュエータ200により振動テーブル400をX軸方向及びY軸方向に振動させても、振動テーブル400のX軸方向及びY軸方向の振動成分はZ軸アクチュエータ300へ伝達されることがない。また、X軸アクチュエータ100(Y軸アクチュエータ200)の駆動によって、振動テーブル400がY軸及びZ軸(Z軸及びX軸)方向の力をほとんど受けることが無いため、クロストークの低い加振が可能になる。
【0032】
次に、X軸アクチュエータ100と振動テーブル400とを連結するYZスライダ160の構成を説明する。YZスライダ160は、2本のZ軸レール162a、2つのZ軸ランナーブロック162b、2つの連結板164、2つのY軸ランナーブロック166b、及び1本のY軸レール166aから構成される。Z軸方向に延びる2本のZ軸レール162aは、スペーサ161を介して、X軸アクチュエータ100の可動フレームの天板156bに固定されている。各Z軸レール162aには、Z軸レール162aと係合するZ軸ランナーブロック162bが、Z軸レール162aに沿ってスライド自在に取り付けられている。また、振動テーブル400のX軸アクチュエータ100と対向する側面には、Y軸方向に延びるY軸レール166aが固定されている。Y軸レール166aには、Y軸レール166aと係合する2つのY軸ランナーブロック166bが、Y軸レール166aに沿ってスライド自在に取り付けられている。また、Y軸ランナーブロック166bは、それぞれ連結板164を介してZ軸ランナーブロック162bの1つと固定されている。すなわち、Y軸レール166aは、連結板164によって連結されたY軸ランナーブロック166b及びZ軸ランナーブロック162bを介して、各Z軸レール162aと連結されている。この構成により、振動テーブル400は、X軸アクチュエータ100の可動部150に対してY軸方向及びZ軸方向にスライド自在に固定されている。
【0033】
このようにY軸方向及びZ軸方向に非常に小さな摩擦抵抗でスライド可能なYZスライダ160を介してX軸アクチュエータ100と振動テーブル400とを連結することにより、Y軸アクチュエータ200及びZ軸アクチュエータ300により振動テーブル400をY軸方向及びZ軸方向に振動させても、振動テーブル400のY軸方向及びZ軸方向の振動成分はX軸アクチュエータ100へ伝達されることがない。また、Y軸アクチュエータ200(Z軸アクチュエータ300)の駆動によって、振動テーブル400がZ軸及びX軸(X軸及びY軸)方向の力をほとんど受けることが無いため、クロストークの低い加振が可能になる。
【0034】
また、Y軸アクチュエータ200と振動テーブル400とを連結するZXスライダ260も、YZスライダ160と同一の構成を有しており、振動テーブル400は、Y軸アクチュエータ200の可動部に対してZ軸方向及びX軸方向にスライド自在に固定されている。従って、やはりZ軸アクチュエータ300及びX軸アクチュエータ100により振動テーブル400をZ軸方向及びX軸方向に振動させても、振動テーブル400のZ軸方向及びX軸方向の振動成分はY軸アクチュエータ200へ伝達されることがない。また、Z軸アクチュエータ300(X軸アクチュエータ100)の駆動によって、振動テーブル400がX軸及びY軸(Y軸及びZ軸)方向の力をほとんど受けることが無いため、クロストークの低い加振が可能になる。
【0035】
以上のように、各アクチュエータ100、200及び300は、互いに干渉することなく、振動テーブル400を各駆動軸方向に正確に加振することができる。また、各アクチュエータ100、200及び300は、可動部がガイドフレーム及びリニアガイドにより駆動方向のみに移動可能に支持されている為、非駆動方向へは振動し難くなっている。その為、制御されていない非駆動方向の振動がアクチュエータから振動テーブル400に加わることもない。従って、振動テーブル400の各軸方向の振動は、対応する各アクチュエータ100、200及び300の駆動によって正確に制御される。
【0036】
次に、可動部支持機構340、YZスライダ160、ZXスライダ260及びXYスライダ360において使用されるリニアガイド機構(レール及びランナーブロック)の構成について、可動部支持機構340のZ軸リニアガイド機構345(Z軸ランナーブロック344、Z軸レール346)を例に挙げて説明する。尚、他のレール及びランナーブロックも、Z軸ランナーブロック344及びZ軸レール346と同様に構成されている。
【0037】
図8は、可動部支持機構340のZ軸レール346及びZ軸ランナーブロック344を、Z軸レール346の長軸と垂直な一面(すなわちXY平面)で切断した断面図であり、図9図8のI−I断面図である。図8及び図9に示すように、Z軸ランナーブロック344にはZ軸レール346を囲むように凹部が形成されており、この凹部にはZ軸レール346の軸方向に延びる二対の溝344a、344a’が形成されている。これらの溝344a、344a’には、多数のステンレス鋼製のボール344b及び樹脂製のリテーナ344rが収納されている。リテーナ344rは、ボール344b間に配置される複数のスペーサ部344rsと、複数のスペーサ部344rsを連結する一対のバンド344rbを有している。複数のスペーサ部344rsとバンド344rbとで囲まれた空間にボール344bが保持される。また、Z軸レール346には、Z軸ランナーブロック344の溝344a、344a’と対向する位置にそれぞれ溝346a、346a’が設けられており、ボール344b及びリテーナ344rが、溝344aと溝346a、又は溝344a’と溝346a’との間に挟まれるようになっている。溝344a、344a’、346a、346a’の断面形状は円弧状であり、その曲率半径はボール344bの半径と略等しい。この為、ボール344bは、ほとんどあそびの無い状態で溝344a、344a’、346a、346a’に密着する。
【0038】
Z軸ランナーブロック344の内部には、溝344a、344a’の夫々と略平行に2対のボール退避路344c、344c’が設けられている。図9に示すように、溝344a’と退避路344c’とは、夫々の両端でU字路344d’を介して接続されており、溝344a’、溝346a’、退避路344c’及びU字路344d’によって、ボール344b及びリテーナ344rを循環させる為の循環路が形成される。溝344a、溝346a及び退避路344cによっても、同様の循環路が形成されている。
【0039】
この為、Z軸ランナーブロック344がZ軸レール346に対して移動すると、多数のボール344bが溝344a、346a及び344a’、346a’を転がりながらリテーナ344rと共に循環路を循環する。この為、レール軸方向以外の方向に大荷重が加わっていたとしても、多数のボールでランナーブロックを支持可能であると共にボール344bが転がることによりレール軸方向の抵抗が小さく保たれるので、Z軸ランナーブロック344をZ軸レール346に対してスムーズに移動させることができる。尚、退避路344c、344c’及びU字路344d、344d’の内径は、ボール344bの径よりやや大きくなっている。この為、退避路344c、344c’及びU字路344d、344d’とボール344bとの間に発生する摩擦力はごくわずかであり、それによってボール344bの循環が妨げられることはない。
【0040】
また、ボール344b間に硬度の低いリテーナ344rのスペーサ部344rsを介在させることで、ボール344b同士が略一点で直接接触することによって生じる油膜切れや摩耗が防止され、摩擦抵抗が少なくなり、寿命も大幅に延びる。
【0041】
X軸アクチュエータ100及びY軸アクチュエータ200も可動部支持機構(不図示)を備えている。X軸アクチュエータ100の可動部は、駆動方向(X軸)と垂直な2方向(Y軸及びZ軸方向)において両側からガイドフレームで支持されている。同様に、Y軸アクチュエータ200の可動部は、駆動方向(Y軸)と垂直な2方向(Z軸及びX軸方向)において両側からガイドフレームで支持されている。X軸アクチュエータ100及びY軸アクチュエータ200は、いずれも可動部が長手方向を水平に向けて配置される。その為、可動部支持機構が無い従来のアクチュエータでは、可動部がロッドのみで片持ち支持されることになり、可動部の先端側(振動テーブル400側)が自重により下方に垂れ下がり、これが駆動時のフリクションや不要な振動の増加の原因となった。本実施形態では、X軸アクチュエータ100及びY軸アクチュエータ200の可動部が下方からガイドフレームによって支持される為、このような問題も解消されている。
【0042】
(第2実施形態)
次に、図10図12を参照して、本発明の第2の実施形態に係る動電型2軸加振装置1000(以下、「加振装置1000」と略記する。)について説明する。
【0043】
上述した第1実施形態の加振装置1では、各アクチュエータの本体101、201、301(詳細には固定部)が、それぞれ固定ブロック110、210、310を介して装置ベース50に剛体支持されている。そのため、各アクチュエータの固定部の振動が、装置ベース50及び他のアクチュエータ100、200、300を介して振動テーブル400に伝達され、振動のノイズ成分となる。本実施形態の加振装置1000では、後述するように各アクチュエータの固定部が、強い振動が発生する駆動方向において空気ばねを介して装置ベースに支持される構成を有している。そのため、第1実施形態の加振装置1と比べても、更に高精度の加振が可能になっている。
【0044】
図10図11及び図12は、それぞれ加振装置1000の正面図、平面図及び側面図(図10における左側面を示す図)である。以下の第2実施形態の説明においては、図10における右方向をX軸正方向、紙面表側から裏側へ向かう方向をY軸正方向、上方向をZ軸正方向とする。尚、Z軸方向は鉛直方向であり、X軸及びY軸方向は水平方向である。また、第1実施形態と同一又は類似の構成に対しては類似の参照符号を使用し、共通する構成については詳しい説明を省略する。
【0045】
加振装置1000は、供試体(不図示)をX軸方向及びZ軸方向の2方向に加振可能に構成されており、供試体が固定される振動テーブル1400と、振動テーブル1400をX軸及びZ軸方向にそれぞれ加振する2つのアクチュエータ(X軸アクチュエータ1100及びZ軸アクチュエータ1300)と、各アクチュエータ1100及び1300を支持する装置ベース1050を備えている。振動テーブル1400は、X軸アクチュエータ1100及びZ軸アクチュエータ1300と、それぞれZ軸スライダ1160及び一対のX軸スライダ1360を介して連結されている。また、加振装置1000も、第1実施形態の加振装置1と同様に、図示しない2軸振動ピックアップ、計測部、制御部、入力部及び電源部を備えている。尚、各アクチュエータ1100、1300の内部構造及び装置ベース1050の構成は、第1実施形態の加振装置1の構成と同様のものである。
【0046】
X軸アクチュエータ1100は、支持ユニット1110によって装置ベース1050の天板1056上に固定されている。支持ユニット1110は、天板1056上に取り付けられた一対の逆T字状の固定ブロック1112と、X軸アクチュエータ1100の固定部1120の両側面にそれぞれ取り付けられた一対の矩形板状の可動ブロック1118と、固定ブロック1112と可動ブロック1118とをX軸方向にスライド自在に連結する一対のリニアガイド1114を備えている。各リニアガイド1114は、逆T字状の固定ブロック1112の足部上面に取り付けられたX軸方向に延びるレール1114aと、可動ブロック1118の下面に取り付けられた、レール1114aと係合する一対のランナーブロック1146を備えている。また、逆T字状の固定ブロック1112の足部のX軸正方向側面には、上方に延びる枝部1112aが固定されている。可動ブロック1118のX軸正方向側面は、上下に並べられた一対の空気ばね1116を介して固定ブロック1112の枝部1112aに支持されている。このように、X軸アクチュエータの固定部1120が、リニアガイド1114及び空気ばね1116から成る固定部支持機構により、固定ブロック1112(延いては装置ベース1050)に対して駆動方向(X軸方向)に柔らかく支持されているため、X軸アクチュエータ1100の駆動時に固定部1120に加わるX軸方向の強い反力(加振力)は、装置ベース1050に直接伝達されず、空気ばね1116によって特に高周波成分が大きく減衰されてから装置ベース1050に伝わるため、振動テーブル1400に伝達される振動ノイズが大きく低減される。
【0047】
Z軸アクチュエータ1300は、そのY軸方向両側に配置された一対の支持ユニット1310によって装置ベース1050の天板1056上に固定されている。また、Z軸アクチュエータ1300の下部は、装置ベース1050の天板1056に設けられた開口1057に通され、装置ベース1050内に収容されている。各支持ユニット1310は、可動ブロック1318、一対のアングル1312及び一対のリニアガイド1314を備えている。可動ブロック1318は、Z軸アクチュエータの固定部1320の側面に取り付けられた支持部材である。一対のアングル1312は、可動ブロック1318のX軸方向両端面とそれぞれ対向して配置されており、天板1056上に取り付けられている。可動ブロック1318のX軸方向両端と各アングル1312とは、一対のリニアガイド1314によって、それぞれZ軸方向にスライド自在に連結されている。可動ブロック1318は、アングルブロック1318a、平板ブロック1318b及び一対のT字ブロック1318cを有している。L字状のアングルブロック1318aの一方の取り付け面は、Z軸アクチュエータの固定部1320の側面に固定されている。アングルブロック1318aの上方に向けられた他方の取り付け面には、X軸方向に細長い略矩形板状の平板ブロック1318bが長さ方向中央部で固定されている。平板ブロック1318bのX軸方向両端部の上面には、T字ブロック1318cの足部が取り付けられている。T字ブロック1318cの取り付け面(可動ブロック1318のX軸方向両端面)には、Z軸方向に延びるリニアガイド1314のレール1314aが取り付けられている。また、各アングル1312には、対向するレール1314aと係合するランナーブロック1314bが取り付けられている。また、アングルブロック1318aのX軸方向両側には、装置ベース1050の天板1056と平板ブロック1318bとで挟まれた一対の空気ばね1316が配置されており、可動ブロック1318は一対の空気ばね1316を介して天板1056に支持されている。このように、Z軸アクチュエータ1300も、X軸アクチュエータ1100と同様に、固定部1320がリニアガイド1314及び空気ばね1316から成る固定部支持機構により装置ベース1050に対して駆動方向(Z軸方向)に柔らかく支持されているため、Z軸アクチュエータ1300の駆動時に固定部1320に加わるZ軸方向の強い反力(加振力)は、装置ベース1050には直接伝達されず、空気ばね1316によって特に高周波成分が大きく減衰されるため、振動テーブル1400に伝達される振動ノイズが大きく低減される。
【0048】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施の形態は、上記に説明したものに限定されず、特許請求の範囲の記載により表現された技術的思想の範囲内で任意に変更することができる。
【0049】
例えば、上記の第1実施形態の加振装置1及び第2実施形態の加振装置1000は、それぞれ3軸及び2軸の動電型加振装置の各アクチュエータに本発明を適用した実施例であるが、当然ながら本発明は1軸動電型加振装置に適用することもできる。
【0050】
また、上記の第1実施形態においては、動電型アクチュエータ300の可動部350は、筒状体322の軸線の周囲に略等間隔に配置された4つの可動部支持機構340により側方から支持されているが、本発明の実施形態の構成はこれに限定されない。別の実施形態においては、可動部が筒状体の軸線の周囲に略等間隔に配置された2つ以上(より望ましくは3つ以上)の任意の数の可動部支持機構により側方から支持される構成としてもよい。
【0051】
また、上記の第1実施形態においては、筒状体322の上面に固定したガイドフレーム342を介してランナーブロックを固定しているが、筒状体322の内周面に直接ランナーブロックを固定してもよい。
【0052】
また、上記の第2実施形態では、固定部支持機構の振動を減衰する緩衝手段として空気ばね1116、1316が使用されているが、防振効果のある他の種類のばね(例えば鋼製のコイルばね)や弾性体(防振ゴム等)を使用する構成とすることもできる。
【0053】
また、本発明の実施形態に係る直動アクチュエータは、加振装置以外の装置にも使用することができる。例えば、供試体の引張・圧縮試験を行う万能試験装置(材料試験装置)、精密位置決め装置、ジャッキ装置(扛重機)のアクチュエータとして使用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1、1000 … 動電型加振装置(加振装置)、
10 … 制御部
20 … 計測部
30 … 電源部
40 … 入力部
50 … 装置ベース
100、1100 … X軸アクチュエータ
160、1160 … YZスライダ
200、1200 … Y軸アクチュエータ
260、1260 … ZXスライダ
300、1300 … Z軸アクチュエータ
360、1360 … XYスライダ
400 … 振動テーブル
図1
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