(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シャフトおよび前記ハンドルは、前記ハンドルにおいて印加される衝撃力を受け、前記衝撃力を前記シャフトの遠位端に伝送するように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
エネルギー伝送ユニットは、延長可能要素および前記シャフトの一部を備え、前記延長可能要素は、前記シャフトの遠位端に対して軸方向に延びるように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
前記第1および第2の温度検出要素のうちの少なくとも1つは、前記エネルギー伝送部分から独立して、前記シャフトに沿って軸方向に移動可能である、請求項1に記載の医療デバイス。
前記作動部分と前記第1のスリーブとの間に連結された力限定アセンブリをさらに備え、それにより、閾値の力に到達すると、前記作動部分は、前記第1のスリーブを係合解除する、請求項6に記載の医療デバイス。
前記シャフトの作業端の遠位先端部に位置する鋭利先端をさらに備え、前記鋭利先端は、硬組織を貫通するように適合され、前記鋭利先端の一部は、硬組織の中に前進させられるときに硬組織を係合するようにオフセットされることにより、前記作業端を曲げることを補助する、請求項6に記載の医療デバイス。
前記第1のスリーブは、前記ハンドルに連結された前記作動部分に連結されており、それにより、前記ハンドルに連結された前記作動部分の回転は、前記第1のスリーブの軸方向移動を引き起こして、前記作業端を前記関節運動された構成の中へと変形させる、請求項6に記載の医療デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1から
図5を参照すると、装置または骨刀100が示され、その装置または骨刀は、椎体の内部にアクセスするために、および骨セメントを受け取るために脊椎海綿状骨に通路を作成するために構成される。一実施形態では、装置は、椎弓根を通して導入するための延長部分または部材105で構成され、延長部材の作業端110は、徐々に作動して選択された角度に湾曲され、かつ/または回転され、椎体の正中線の方向に湾曲した通路または空洞を作成し得る。装置は引き抜かれ、骨充填材料が、骨セメント注入カニューレを通して導入され得る。代替的に、装置100自体が、セメント注入器として使用され得、後のセメントの注入は、装置の管腔112を通る。
【0024】
一実施形態では、装置100は、延長部材105の近位端に接続されたハンドル115を含む。延長部材105は、第1の(外側の)スリーブ120と第2の(内側の)スリーブ122とのアセンブリを含み、第1のスリーブ120は、近位端124および遠位端126を有する。第2のスリーブ122は、近位端134および遠位端136を有する。延長部材105は、ハンドル115に接続され、以下で説明されるように、医師が延長部材105を骨の中へ駆動し、同時に、作業端110を作動または湾曲した構成へと作動することを可能にする(
図6参照)。ハンドル115は、ポリマー、金属、またはアセンブリを骨の中へと駆動するために(例えば、ハンドル115上の鎚または類似のデバイスの使用を介して)使用される鎚打ちまたは衝撃力に耐えることに適したあらゆる他の材料で製作され得る。内側および外側スリーブは、ステンレス鋼またはNiTiのような好適な金属合金で作製される。内側および外側スリーブの壁厚は、約0.005インチ〜約0.010インチに及び得、外側スリーブの外径は、約2.5mmから約5.0mmに及び得る。
【0025】
図1、
図3、および
図4を参照すると、ハンドル115は、第1のグリップ部140と、142で示される第2のアクチュエータ部分との両方を含む。グリップ部140は、以下で説明されるように第1のスリーブ120に接続される。アクチュエータ部分142は、以下で説明されるように第2のスリーブ122に動作可能に接続される。アクチュエータ部分142は、グリップ部140に対して回転可能であり、グリップ部140の1つ以上のプラスチック柔軟タブ145が、回転可能なアクチュエータ部分142における切り欠き146を係合するように構成され、回転のある一定の角度において、触覚的指示、およびハンドル部140と142との一時的係止を提供する。柔軟タブ145は、このようにして、切り欠き146を係合および係合解除し、ハンドル部、およびそこに接続された各スリーブが、ラチェット動作(回転および係止)することを可能にする。
【0026】
いずれかのスリーブにおける切り欠きまたはスロットは、作業端の長さに沿って一様な幅を含み得るか、または可変幅を含み得る。代替的に、幅は、特別な湾曲した外形を実現するために特定の範囲において選択され得る。他の変形例において、幅は、作業端に沿って増えるか、または減り、可変半径を有する湾曲を生じさせ得る。明らかに、あらゆる数の変形例が本開示の範囲内にあることが理解される。
【0027】
図4は、ハンドルの断面図であり、第2の内側スリーブ122を第1の外側スリーブ120に対して作動するための機構を示す。ハンドル115のアクチュエータ部分142は、150で示される迅速に先導する(fast−lead)螺旋状の溝で構成され、溝は、ハンドルのグリップ部140の突出したねじ山149と協働する。したがって、作動部142の回転がこの部分を150(想像線図)で示される位置に動かすことが理解され得る。一実施形態では、アクチュエータ部分142が約45°〜約720°、または約90°〜約360°のうち選択された量だけ回転された場合、内側スリーブ122は、グリップ部140および外側スリーブ120に対して近位方向に持ち上げられて、作業端110を作動する。
図4において見られ得るように、アクチュエータ部分142は、内側スリーブ122の近位端132に溶接されたフランジ152を係合する。フランジ152は、フランジ152と、ハンドルのグリップ部140の中に挿入された金属軸受面155との間に配置された玉軸受アセンブリ154により持ち上げられる。したがって、アクチュエータ142の回転は、内側スリーブにトルクを生じることなく、内側スリーブ122を持ち上げることができる。
【0028】
ここで、
図5、
図6Aおよび
図6Bを参照すると、延長部材105の作業端110が、外側スリーブ120の遠位部のスロット付き部と、内側スリーブ122の遠位部のスロット付き部との協働により、関節運動されることが見られ得、従って、その外側および内側スリーブは、両方とも実質的に詰まった半径において曲がることが可能である。外側スリーブ120は、複数のスロットまたは切り欠き162を有し、そこで、そのスロットまたは切り欠きは、スリーブの軸に対して垂直な、または角度が付いた任意のスロットであり得る。内側スリーブ122は、164で示される複数のスロットまたは切り欠きを有し、そのスロットまたは切り欠きは、外側スリーブ120におけるスロット162に対してアセンブリの反対側にあり得る。外側および内側スリーブは、溶接部160で示される遠位領域で一緒に溶接される。したがって、内側スリーブ122が近位方向に並進された場合、外側スリーブが、
図6Bにおいて描写されるように撓むであろうことが理解され得る。選択された量だけアクチュエータハンドル部142を回転することにより、作業端が、選択された角度に関節運動され得ることが理解され得る。
【0029】
図4、
図5、
図6A、および
図6Bは、さらに、近位端171を有する可撓性平坦ワイヤ部材170とフランジ172とを含む、装置の別の要素を図示し、フランジ172は、内側スリーブ122のフランジ152の近位側を係合する。平坦ワイヤ部材170の少なくとも遠位部174が、溶接部175で内側スリーブに溶接される。この平坦ワイヤ部材は、このようにして、内側スリーブがスロット164のうちの1つで故障した場合に作業端を保持する安全上の特徴を提供する。
【0030】
装置の別の安全上の特徴は、トルク制限器および解放システムを含み、システムは、例えば、作業端110が
図6Bにおけるように関節運動されている場合(医師がハンドルを回転するとき、および作業端が強固な海綿状骨において係合されているとき)、ハンドルアセンブリ115全体が自由に回転することを可能にする。
図4を参照すると、ハンドル115のグリップ部142は、外側スリーブ120の近位端124に固定されたつば180を係合している。つば180はさらに、切り欠き185を含み、その切り欠きは、つばの周りに放射状に間隔を置いて配置され、ばね188により切り欠き185内に押される玉部材186によって係合されている。例えば、約0.5インチ・ポンドより大きいが、約7.5インチ・ポンド、約5.0インチ・ポンドまたは約2.5インチ・ポンドより小さい範囲のトルクといった、選択された力で、ハンドル115の回転は、事前に設定された制限を克服する。トルク制限器アセンブリがその係止された位置にある場合、玉軸受186は、つば180における切り欠き185のうちの1つの中に押し込まれる。あまりに大きなトルクがハンドルおよび外側スリーブに提供された場合、玉軸受186は、切り欠き185から係合解除して、つば180が回転することを可能にし、次いで、次の切り欠きに再係合して、0.5インチ・ポンド〜7.5インチ・ポンドの区域でトルクを解放する。
【0031】
図6Aおよび
図6Bを参照すると、内側スリーブ122がどちらかの方向(外側スリーブ120における切り欠きの場所により限定されることが理解され得る)に曲がることを可能にするように、内側スリーブ122は、その遠位端の片側上で弱められる。あらゆる関節運動された構成の湾曲は、切り欠きの間隔、および各切り欠き頂部の間の距離により制御される。内側スリーブ122はまた、椎体の皮質性の骨を通しての進入のために、斜角がついた先端部を有する。内側スリーブまたは外側スリーブのいずれかは、遠位端を形成することができる。
【0032】
図7Aから
図7Cを参照すると、デバイスの使用の一変形例では、典型的には、スタイレット先端部208が皮質性の骨210に向かって椎体の前方1/3部分の中に至るまで、医師は、スタイレット200および導入器スリーブ205を椎体206の中に軽く叩きこむか、または他の方法により駆動する(
図7A)。その後、スタイレット200は取り除かれ、スリーブ205は近位方向に動かされる(
図7B)。
図7Bにおいて見られ得るように、ツールまたは骨刀100は、導入器スリーブ205を通して挿入され、上で説明されたような一連の工程において関節運動される。ハンドル115に駆動力、および必要に応じて回転力を与え、海綿状骨212を通して作業端を前進させ、通路または間隙215を作成しながら、作業端110は、断続的に関節運動され得る。ツールは、次いで、軽く叩きこまれ、さらに、脊椎の正中線へ、脊椎の正中線に向かって、または脊椎の正中線を通り越して作業端110を駆動する。医師は、代替的に、作業端110を関節運動させることができ得、さらに、作業端100が最適な構成の空洞215を作成したことを撮像が示すまで、作業端を駆動および回転することができる。その後、
図7Cにおいて描写されるように、延長部材が椎体206から引き抜かれるとき、医師は、順序を逆転させて作業端110を徐々にまっすぐにする。その後、医師は、骨刀100により作成された通路または空洞215の中に、骨セメント注入器220を挿入し得る。
図7Cは、例えばPMMAセメントといった、骨セメント222を図示し、その骨セメントは、骨セメント源225から注入される。
【0033】
別の実施形態において(図示せず)、装置100は、骨セメントシリンジを接続するためのルアー継手を伴うハンドル115を有し得、骨セメントは、装置の管腔112を通して注入されることができる。このような実施形態
図9において、管腔は、潤滑表面層またはポリマーライニング250を有し、骨セメントが管腔を通して流れるときに、骨セメントに対する抵抗を確実に最小にすることができる。一実施形態では、表面またはライニング250は、TEFLON(登録商標)または四フッ化エチレン(PTFE)のようなふっ素重合体であることができる。FEPおよびPFAのような、他の適したふっ素重合体樹脂が使用されることができる。FEP(フッ化エチレンプロピレン)、ECTFE(エチレンクロロトリフルオロエチレン)、ETFE、ポリエチレン、ポリアミド、PVDF、ポリ塩化ビニルおよびシリコーンのような、他の材料もまた使用されることができる。本発明の範囲は、0.5より小さい、0.2より小さい、または0.1より小さい静止摩擦係数を有するポリマー材料の提供を含むことができる。
【0034】
図9はまた、延長部材またはシャフト105を示し、その延長部材またはシャフトは、255で示される外側の可撓性スリーブで構成されることができる。可撓性スリーブは、あらゆる一般的に既知の生体適合材料であることができ、例えば、スリーブは、直前の段落において説明された材料のいずれかを含むことができる。
【0035】
図9においてまた見られるように、デバイス100の一変形例において、作業端110は、実質的に滑らかな湾曲で、260で示される長さにわたり曲がるように構成されることができる。作業端100の関節運動の角度は、265で示されるように、少なくとも45°、90°、135°、または少なくとも180°であることができる(
図9)。追加の変形例において、外側スリーブ122および内側スリーブ120のスロットは、デバイス100の長さ260の間で変化する曲率半径を有するデバイスを産生するために、変化させられることができる。
【0036】
本発明の別の実施形態において、直線方向に引っ張られたとき、選択されたレベルの力の下で作業端がまっすぐになることを可能にするように、内側スリーブは、外側スリーブに対応したばね荷重をかけられ得る。この特徴は、医師が、ハンドル115の作動部142のさらなる回転なしに、部分的または完全に椎体からアセンブリを引き抜くことを可能にする。いくつかの変形例において、力制限器が提供され得、骨に対し与えられる力を約10インチ・ポンドより小さくすることを可能にする。
【0037】
図8において示される別の実施形態において、作業端110は、先端部240で構成され、その先端部は、骨の中へと駆動されるとき、240’で示される位置にそれる。先端部240は、例えばステンレス鋼またはNiTiのような可撓性金属といった、弾力的な部材242により、スリーブアセンブリに接続される。先端部240の屈曲が、その遠位表面範囲に海綿状骨を係合させ、作業端110が骨の中に鎚打ちされたとき、作業端110のまがりを補助することができることが見出された。
【0038】
本発明の別の実施形態(図示せず)において、アクチュエータハンドルは、作業端を作動するための二次的な(または随意の)機構を含み得る。機構は、鎚打ち可能部材をラチェットとともに含み、鎚の軽い叩きこみのそれぞれが、アセンブリを前進させ、作業端を徐々に作動して湾曲した構成にする。当該分野において既知であるようなラチェット機構は、複数の関節運動された構成の各々にアセンブリを維持する。解放部が、ラチェットの解放を可能にするために提供され、そのラチェットの解放は、延長部材105を椎体から引き抜くためにまっすぐにするための準備をする。
【0039】
図10および
図11は、ハンドル402および延長部材405を有する骨治療デバイス400の別の変形例を図示し、延長部材は、
図1から
図6Bの作業端と同様の構造を有する作業端410まで延びる。デバイス400は、以前に説明されたように、切り欠き付きの第1の(外側の)スリーブ120、および協働する切り欠き付きの第2の(内側の)スリーブ122によって作用する。しかしながら、
図10および
図11において示される変形例はまた、第1のスリーブ120および第2スリーブ122の外側に、第3の同軸の切り欠き付きスリーブ420を含む。作業端410でのスリーブ420における切り欠きまたはスロットは、
図11における265で示されるようなスリーブの曲がりを可能にする。
【0040】
図10はまた、ルアー継手412を含むような治療デバイス400を図示し、そのルアー継手は、デバイス402が充填材料(例えば、骨充填物または骨セメント材料)源に接続されることを可能にする。ルアーは、上で説明されたようなハンドル上への衝撃力の適用を可能にするために、ハンドル402から取り外し可能であり得る。そのうえ、ルアー継手402は、ハンドルの作動部上、ハンドルの静止部分上、またはスリーブに沿ってさえ設置されることができる。あらゆる場合において、デバイス400の変形例は、作業端410で充填材料を堆積させるために、スリーブを通して(または隣接するスリーブの間に)延びる管腔に充填材料が接続することを可能にする。矢印416により示されるように、充填材料は、スリーブの遠位端(鋭い先端部は中実である)を通して堆積され得るか、またはスリーブの側壁における開口部を通して堆積され得る。明らかに、この構成の変形例は、当該分野に通じたものの範囲内にある。
【0041】
いくつかの変形例において、第3の切り欠き付きスリーブ420は、その滑らかな(切り欠きの付いていない)表面424とともに構成され、その滑らかな表面は、関節運動される作業端上で内方向に向いて配置され(
図11)、隙間がない表面が作業端410の湾曲部の内側を形成する。滑らかな表面424は、スロットまたは切り欠きがカニューレ205上で捕捉されるリスクを生じることなく、カニューレまたは導入器205内にデバイス110を引き抜くことを可能にする(例えば、
図7B参照)。
【0042】
図10から
図11において示されるように、第3の(最も外側の)スリーブ420は、延長部材405上の中間の場所から作業端410の遠位端に延びることができる。しかしながら、デバイスの変形例は、ハンドル402まで延びる第3のスリーブ420を含む。しかしながら、第3のスリーブ420は、典型的には、ハンドル402に接続されておらず、ハンドル402により発生させられたあらゆる回転力またはトルクは、第3のスリーブ420に直接的に伝えられない。
【0043】
一変形例において、第3のスリーブ420は、1つのみの軸の場所で第2のスリーブ120に接続される。
図11において示される図示された例において、第3のスリーブ420は、溶接部428により作業端410の遠位端で第2のスリーブ420に取り付けられる。しかしながら、溶接部または他の取り付け手段(例えば、ピン、キー/キースロット、突起部等)が、スリーブ420の中間部分上に設置されることができる。スリーブ420は、あらゆる生体適合材料で製作され得る。例えば、一変形例において、第3のスリーブは、0.007インチの壁厚を有する3.00mm径のステンレス鋼材料から製作される。第1、第2および第3のスリーブは、スリーブの間での滑り嵌めを可能にするような寸法を有する大きさで作られる。
【0044】
図12Aは、別の変形例の延長部材405の断面図であり、その延長部材は、
図10から
図11において示された延長部材に類似する。しかしながら、
図12Aにより描写される変形例は、同軸の滑り可能スリーブ(二重または三重のスリーブデバイス)の非円形の構成を含む。この構成は、スリーブの間の回転を限定または防止し、医師が空洞を生じさせるためにより大きな力を骨に対し与えることを可能にする。
図12Aが長円形の構成を図示する一方で、あらゆる非円形の形状が、本開示の範囲内にある。例えば、断面形状は、
図12Bおよび
図12Cにおいて示されるような四角形、多角形、または他の半径方向にキーの付いた構成を含み得る。
図12Cにおいて示されるように、スリーブは、キー407および受け取りキースロット409を含むことができ、そのキーおよびキースロットは、スリーブの回転を防止するが、スリーブの相対的または軸方向の滑りを可能にする。キーは、受け取りキースロットの内部を滑るあらゆる突起部または部材を含み得る。さらに、キーは、各スリーブの外面または内面の上にピンまたはあらゆる隆起した突起部を含み得る。この図において、第1のスリーブ122および第2のスリーブ120のみが図示されている。しかしながら、スリーブのいずれもが、キー/キースロットとともに構成されることができる。スリーブの間の回転防止は、関節運動された作業端で骨に力を与える能力を改善する。
【0045】
図13から
図14は、骨刀デバイスの作業端410の別の変形例を図示する。この変形例において、作業端410は、1つ以上の板ばね要素450、460a、460b、460c、460dを含み、それらの要素は、アセンブリのスリーブの相対的な回転を防止し、したがって、関節運動された作業端から海綿状骨に大きな回転力が与えられることを可能にする。ばね部材は、さらに、作業端アセンブリが直線状の構成になるよう強いる。スリーブを関節運動させるため、回転力は、上で説明されたようにハンドルに対し与えられ、この回転力が取り除かれると、ばね要素は、作業端が直線状の構成になるよう強いる。
図13において示されるように、ばね要素のうちの1つ以上は、回転を防止するようにハンドルに取り付くために、スリーブを通して延びることができる。さらに、板ばね要素450の遠位端454は、溶接部455によりスリーブアセンブリに固定される。したがって、ばね要素は、その回転を防止するために各端で固定される。代替の変形例は、1つ以上のばね要素を含み、その要素は、スリーブの中間区分で内側スリーブアセンブリに取り付けられる。
【0046】
図13から
図14において示されるように、骨刀の変形例は、任意の数のばね要素460aから460dを含むことができる。これらの追加のばね要素460aから460dは、その近位または遠位端のいずれかで隣接する要素またはスリーブに溶接されることができ、要素が板ばねとして機能することを可能にする。
【0047】
追加の変形例では、骨刀デバイスは、
図15に示されるように、1つ以上の電極310、312を含むことができる。本特定の実施例では、デバイス300は、反対極性を有し、双極様式で機能する、離間電極を含む。しかしながら、デバイスは、単極構成を含むこともできる。さらに、1つ以上の電極は、電極が、必要に応じて、励起され得るように、電力供給源の個々のチャネルに連結されることができる。前述のデバイスのいずれの変形例も、本明細書に説明されるような1つ以上の電極とともに構成されることができる。
【0048】
図16は、前述のように、身体内に前進された後の骨刀デバイス300を図示する。電極間の電流を表す線315によって示されるように、要求に応じて、医師は、電極310と312との間にRF電流を伝導させ、椎体(または、他の硬組織)の骨構造内に凝固または焼灼エネルギーを印加することができる。
図16は、電極310と312との間のRF電流315を図示するが、デバイスの変形例は、適切な治療用エネルギーを印加するために、デバイスに沿って、いくつかの電極を含むことができる。さらに、電極は、電極310によって示されるように、鋭利先端上に設置されるのではなく、骨刀の端部から離間されることができる。いくつかの変形例では、電力供給源は、内側鋭利先端または第1のスリーブの他の作業端に連結される。2つのみのスリーブを伴う、それらの変形例では、電力供給源の第2の極は、第2のスリーブ(デバイスの外部にある)と連結され、戻り電極を形成する。しかしながら、3つのスリーブを有する、それらの変形例では、電力供給源は、代替として、第3の外側スリーブと連結されることができる。さらに追加の変形例では、第2のおよび第3のスリーブは両方とも、戻り電極として機能することができる。しかしながら、単極である、それらのデバイスでは、戻り電極は、大きな皮膚面積上で、身体外に設置されるであろう。
【0049】
図17から20は、関節運動プローブまたは骨刀デバイス500の別の変形例を図示する。本変形例では、デバイス500は、それを通して電流を伝導させるために使用され得る、1つ以上のRF電極を支持する、作業端505を含む。故に、デバイスは、組織のインピーダンスを感知し、神経を特定し、あるいは、単に、電気外科手術エネルギーを組織に印加し、組織を凝固または焼灼するために使用されることができる。ある潜在的使用では、デバイス500は、焼灼エネルギーを脊椎内の腫瘍または他の組織に印加すること、および空洞を生成することができる。
【0050】
図17、18A、18B、および19は、軸512に沿って、関節運動作業端505まで延びる、シャフトアセンブリ510に連結されたハンドル部分506を有するようなデバイス500の変形例を図示する。関節運動作業端505は、前述のように、作動可能であることができる。加えて、
図17は、ハンドル構成要素514aが、前述のように、ハンドル構成要素514bに対して回転され、第1の外側スリーブ520と第2の内側スリーブ522(
図19)との間で相対的軸方向移動を生じさせ、スリーブアセンブリのスロット付き作業端を関節運動させることができることを示す。
図19の作業端505は、作業端を関節運動させるように作動可能な2つのスリーブ520および522を示すが、第3の外側関節運動スリーブが、前述に描写されるように、追加されることができることを理解されたい。一変形例では、関節運動作業端は、1/4回転〜3/4回転、ハンドル構成要素514aを回転させることによって、90°関節運動することができる。回転ハンドル構成要素514aは、種々の回転位置に戻り止めを含み、骨内への作業端の制御された鎚打ちを可能にすることができる。例えば、戻り止めは、45°回転毎に位置することができるか、または任意の他の回転増分で位置することができる。
【0051】
図17は、536に示されるプラグコネクタを用いて、ハンドル構成要素514a内の電気コネクタ532に接続可能なRF発生器530AおよびRFコントローラ530Bを描写する。RF発生器は、電気外科手術焼灼のための当技術分野において公知のタイプである。外側スリーブ520は、540A(+)に示される、第1の極性電極を備えている。しかしながら、任意のエネルギーモダリティが、デバイスとともに採用されることができる。
【0052】
図18Aおよび18Bは、硬組織内に空洞を作成するためのデバイスの作業端のさらに別の変形例を図示する。示されるように、デバイス500は、第1および第2のスリーブ520および522(
図19)のアセンブリの通路554から軸方向に延長可能な鋭利先端552を伴う、中心延長可能スリーブ550を含むことができる。スリーブ550はまた、540B(−)で示される第2の極性電極を含むことができる。明らかに、第1および第2の電極は、互から電気的に絶縁されるであろう。一変形例では、
図19に示されるように、スリーブアセンブリは、PEEKまたはセラミック等の絶縁ポリマーの薄いスリーブ555またはコーティングを支持し、第1の極性電極540A(+)を第2の極性電極540B(−)から電気的に絶縁することができる。電極は、ハンドル構成要素514a(
図17)の打撃面上のノブ558を回転させることによって展開されることができる。中心スリーブ550の延長の程度は、随意に、ハンドル上のスライダタブ557によって示されることができる。図示される変形例では、スライダタブは、ハンドル構成要素514a(
図17)の両側に位置する。スリーブ550は、約5〜15mmの距離にわたって、スリーブ520および522のアセンブリを越えて、遠位に延びるように構成されることができる。
【0053】
図19を参照すると、中心延長可能スリーブ550は、少なくとも、その遠位部分に、一連のスロットを有し、第1および第2のスリーブ520および522のアセンブリと協働して屈曲することを可能にすることができる。
図18Bに示される実施形態では、中心スリーブ550は、随意に、いかなるスロットも含まない、遠位部分を含むことができる。しかしながら、追加の変形例は、スリーブの遠位部分上にスロットを含む。
【0054】
図19はさらに、長さAにわたって延び、第1の極性電極540A(+)を第2の極性電極540B(−)から軸方向に離間させる、絶縁カラー560を描写する。軸方向長Aは、約0.5〜10mmであることができ、通常、1〜5mmである。カラーは、セラミックまたは耐熱ポリマーであることができる。
【0055】
図19はまた、電極スリーブ550の中心内の管腔を通して延びる、ポリマースリーブ565を描写する。ポリマースリーブ565は、生理食塩浸出液または他の流体を作業端に提供することができ、および/または使用時、作業端から吸引するために使用されることができる。スリーブ550の遠位部分は、流体を送達する、または部位から吸引するための1つ以上のポート566をその中に含むことができる。
【0056】
全てのその他の点では、骨刀システム500は、前述のように、骨内に駆動され、関節運動される。電極540Aおよび540Bは、凝固または焼灼電気外科手術エネルギーを組織に印加するために、当技術分野において公知のような高周波発生器に動作可能に連結される。
図20では、RF電流575が、線575によって示されるように、電極540Aと540Bとの間の経路内に示されることが分かる。本明細書に説明されるデバイスとの使用のためのRF発生器530Aおよびコントローラ530Bは、標的凝固または焼灼区域のサイズを制御するための任意の数の電力設定を含むことができる。例えば、RF発生器およびコントローラは、低または電力レベル1(5ワット)、中または電力レベル2(10ワット)、および高または電力レベル3(25ワット)の電力設定を有することができる。コントローラ530Bは、一定温度を維持するために、電極の温度を監視し、電力入力を変化させる、制御アルゴリズムを有することができる。少なくとも1つの温度感知要素(例えば、熱電対)が、デバイスの種々の部分上に提供されることができる。例えば、
図19に示されるように、温度感知要素577は、スリーブ550先端の遠位先端に提供されることができる一方、第2の温度感知要素578は、遠位先端から近位に提供されることにより、RFエネルギーの印加の間、温度フィードバックをオペレータに提供し、焼灼される組織の領域を示すことができる。一実施例では、第2の温度感知要素は、遠位先端から約15〜20mmに位置する。
【0057】
図21は、RF焼灼特徴を伴う、関節運動骨刀600の別の変形例を図示する。図示される骨刀600の変形例は、
図17−18Bの骨刀と同様であり得る。本変形例では、骨刀600は、前述のように、シャフトアセンブリ610に連結されたハンドル602を有する。作業端610は、再び、ハンドル602に対するハンドル部分622の回転によって延長され得る、
図21の615に示される、延長可能アセンブリを有する。骨刀は、ハンドル602に対してハンドル部分620を回転させることによって、前述のように、関節運動されることができる。
【0058】
図22A−22Bは、第1の非延長構成(
図22A)および第2の延長構成(
図22B)における、
図21の作業端610の図である。
図22A−22Bから分かるように、延長部分615は、軸方向に圧潰可能かつ延長可能な螺旋ばね要素625と一緒、軸方向シャフト624を備えている。一実施形態では、シャフトは、その中にポート626が流動的に連結される管腔628を伴う、管部材であることができる。いくつかの変形例では、ポートは、流体を作業端に搬送することができる、または流体を作業端から吸引することができる。
【0059】
図22A−22Bでは、軸方向シャフト624、螺旋ばね要素625は、鋭利先端630と一緒、前述のように、電気源530Aおよびコントローラ530Bに連結された第1の極性電極(+)を備えていることが分かる。絶縁体632は、螺旋ばね625電極を、反対極性電極640(−)を備えている、スリーブのより近位部分から分離する。RF電極は、前述のように機能し(
図20参照)、組織を焼灼するか、または別様にエネルギーを組織に送達することができる。
【0060】
一変形例では、延長部分615は、圧潰ばね長2mm、3mm、4mm、または5mmから、延長ばね長6mm、7mm、8mm、9mm10mm、またはそれ以上まで延びることができる。
図22Bにおける作業端実施形態615では、ばねは、平坦長方形ワイヤを備えていることができ、平坦長方形ワイヤは、ばね625をシャフト624の周囲に中心付けることを補助し、さらに、全体的長さを短縮するように圧潰し得、長方形ワイヤの平坦表面は、積層のために配向される。しかしながら、他の変形例も、本明細書に説明される変形例の範囲内である。
【0061】
特に重要なことは、組織を焼灼する骨刀600の能力が、螺旋ばねを利用することによって、
図20の実施形態500よりさらに向上されたことであることが分かった。電極としてのばね625の使用は、エネルギー送達における有意な改良を提供する。このばねは、(i)電極表面積の大幅な増加、および、(ii)長方形ワイヤによって提供される、比較的に鋭利な縁(RF電流がジャンプし得る縁を提供する)の長さの大幅な増加を提供する。縁が、低表面積を提供するので、RF電流の集中または密度が、縁でより大きくなり、RF電流がジャンプまたはアークを生じることを可能にする。本発明のこれらの側面の両方とも、すなわち、電極表面積の増加および電極縁長の増加は、はるかに高速な組織焼灼を可能にする。
【0062】
本発明の一側面では、ばね電極625の表面積は、前述のばね電極長にわたって、少なくとも40mm
2、少なくとも50mm
2、または少なくとも60mm
2であることができる。
【0063】
本発明の別の側面では、長方形ワイヤばねの4つの縁の総長は、前述のばね電極長にわたって、50mm超、100mm超、または150mm超であることができる。
【0064】
試験において使用される一実施例では、
図21−22Bにおけるような骨刀600は、圧潰長さ1.8mmおよび延長長さ7.5mmを有する、螺旋ばねと一緒構成された。本実施形態では、延長されたときのばね電極625の表面積は、64.24mm
2であり、電極縁の総長は、171.52mm(縁あたり42.88mmの4つの縁)であった。
【0065】
比較試験では、螺旋電極を伴わない、第1の骨刀が、
図22Bにおけるような螺旋電極を伴う第2の骨刀600と比較された。これらのデバイスは、焼灼の体積を決定するために、異なる電力レベルおよび異なるエネルギー送達間隔で評価された。デバイスの作業端は、螺旋ばね電極を除き、同様の寸法を有していた。
図22Cを参照すると、RFエネルギーは、5ワットの低電力設定で送達された。
図22Cでは、治療間隔120秒および5Wにおいて、焼灼の体積は、螺旋電極を伴わない作業端と比較して、螺旋電極を伴う場合、約3倍、高速であった(1.29cc対0.44cc)ことが分かる。
【0066】
同一の第1の骨刀500(
図18B)および螺旋電極を伴う第2の骨刀600(
図22B)の別の比較試験は、より高い15ワット電力レベルで評価された。
図22Dから分かるように、治療間隔25秒および15WにおけるRFエネルギーでは、焼灼の体積は、再び、螺旋電極を伴わない作業端と比較して、螺旋電極を伴う場合、約3倍、高速であった(1.00cc対0.37cc)。
図22Dを参照すると、螺旋電極を伴わないデバイスは、60秒が経過する前に障害を来し、データは、提供されなかった。試験は、螺旋電極が、いかなるタイプの組織または腫瘍焼灼にも非常に好適であって、60秒の焼灼で1.63ccの焼灼組織をもたらすことを示す。
【0067】
図23は、椎体内で使用時の骨刀600を図式的に図示し、電極625と640との間のRF電流は、640に示される組織体積を焼灼する。
【0068】
図24は、
図21−22Bのものに類似する、焼灼骨刀の作業端710の拡大断面図である。本実施形態では、シャフトまたは導入器スリーブアセンブリ712は、外径4.5mm以下または4.0mm以下を有する。一実施形態では、導入器712の直径は、3.5mmであって、外側スリーブ715a、中間スリーブ715b、および内側スリーブ715cを備え、それらは全て、
図24Aにおける想像線図においてみられるような作業端の一部の関節運動を可能にするために、スロットが付けられている。
【0069】
図24では、延長可能要素またはスリーブ720が、前述のように、螺旋ばね要素725を延長している延長構成で示される。本実施形態では、スリーブ720および螺旋ばね要素725は、鋭利先端730と一緒に、前述のように、RF源530Aおよびコントローラ530Bに連結された第1の極性電極を備えている。絶縁体732は、螺旋ばね725電極を、反対極性電極740を備えているスリーブの遠位部分734から分離する。延長可能スリーブ720は、作業端が関節運動される場合、曲がることが可能であるようにスロットが付けられた遠位部分を有することが分かる。RF電極は、前述のように機能し(
図20参照)、組織を焼灼することができる。
【0070】
本発明の一側面では、延長可能アセンブリ735(スリーブ720および螺旋要素725)の電極表面部分は、該非延長位置と延長位置との間で、その間、電極表面積が10%未満変動する、非延長位置から延長位置に移動可能である。別の実施形態では、電極表面積は、該非延長位置と延長位置との間で5%未満変動する。本発明の本側面は、螺旋要素725の表面積が、電極表面積のほぼ全部を占めるので、延長可能アセンブリ735の寸法にかかわらず、単位時間あたり同様の焼灼体積を可能にする。延長可能要素は、少なくとも40mm
2、少なくとも50mm
2、または少なくとも60mm
2の電極表面積を有することができる。
【0071】
図24はさらに、RFエネルギー送達を制御するために、または組織隣接温度が所定のレベルに達するとそれを終了するために、作業端内に、温度検出要素とも称される、少なくとも1つの温度センサを含む、本発明の別の側面を図示する。
【0072】
一変形例では、
図24に示されるように、温度検出要素745は、導入器スリーブアセンブリ712を延長可能スリーブ720から絶縁する、第1と第2の誘電スリーブ746と748との間に配置されることができる。ある実施形態では、RFエネルギーは、温度検出要素745に隣接する焼灼される組織の境界が、所定の温度に達し、温度検出要素信号が、次いで、コントローラに連結され、コントローラがRFエネルギー送達を終了させ得るまで、組織を焼灼するように起動されることができる。一実施形態では、温度検出要素745は、反対極性電極を互から絶縁するために使用される、PEEK等の薄壁誘電材料の第1および第2の層746と748との間に配置されることができる。
図24では、温度検出要素745は、導入器スリーブアセンブリ712の遠位端から、5mm〜15mmの範囲であり得る、寸法AAに位置付けられることができる。
図24は、第1の温度検出要素745から、5mm〜15mmの範囲であり得る、寸法BBに位置付けられることができる、第2の温度検出要素750を描写する。
【0073】
図24に示されるように、温度検出要素745は、作業端の関節運動される遠位部分の外半径上に配置されることができる。別の実施形態では、温度検出要素は、作業端の関節運動される遠位部分の内半径上に配置されることができる。
【0074】
図25では、螺旋要素725は、例えば、溶接752によって、延長可能アセンブリ735の遠位先端要素730に連結された遠位端を有することが分かる。
図25はさらに、螺旋要素725が、近位に延び、導入器アセンブリに結合された(例えば、誘電材料の第1の層746と第2の層748との間に接着剤または他の手段を用いて固定される安全性ワイヤ760に連結された近位端)を有することを示す。
【0075】
図25に示される一実施形態では、伝導性流体源765が、延長可能スリーブ720を通して延びる管腔770と連通し、ポート772を通して、治療の標的にされる組織の領域内に生理食塩浸出液を提供する。
【0076】
一般に、本発明に対応する方法は、戻り電極を備えている、細長い導入器スリーブを標的組織内へ導入することと、導入器スリーブの遠位領域を関節運動させることと、導入器スリーブから延長可能部材を延在させることであって、延長可能部材は、非延長位置と延長位置との間で10%未満変動する電極表面積を有する活性または第1の極性電極を備えている、ことと、起動されると、電流が、延長可能部材と導入器スリーブとの間を流動し、エネルギーを標的組織に印加するように、RF源を起動させることとを含む。本方法は、第1の極性電極から離間される温度センサが所定の温度に達すると、RF源の起動を終了することを含む。温度センサは、少なくとも5mm、10mm、または15mmだけ、第1の極性電極から離間されることができる。本方法は、脊椎または長骨等の骨内またはその近傍の組織を標的にすることができる。標的組織は、腫瘍であることができる。
【0077】
本発明の別の方法は、細長いシャフトに、第1および第2の極性電極を支持する関節運動作業端を提供することと、作業端の関節運動を利用して、作業端を骨腫瘍内またはその近傍の位置に誘導することと、起動されると、電流が、第1と第2の極性電極との間を流動し、腫瘍を焼灼するように、RF源を起動することと、第2の極性電極から離間される温度センサが所定の温度に達すると、RF源の起動を終了することとを含む、骨内またはその近傍の腫瘍を治療することを含む。本方法では、活性電極から間隔を空けた温度センサは、所定の組織焼灼体積を提供するように構成される。
図24に示されるように、作業端は、複数の軸方向に離間される温度センサを支持することができ、各センサは、焼灼される組織の拡張体積に基づいて、各センサが所定の温度に達すると、焼灼される組織の特定の寸法を示すために使用されることができる。
【0078】
別の実施形態では、外側スリーブの中間および近位領域は、螺旋要素725の表面積と一致する所定の表面積を有する遠位電極表面を提供するために、薄壁絶縁材料で覆われることができる。螺旋要素の内部におけるスリーブ720もまた、薄壁誘電材料で覆われることができる。使用時、デバイスは、したがって、反対極性電極が、延長可能アセンブリ735の延長の長さにかかわらず、等しい表面積を有するであろうため、真の双極様式において動作するであろう。一般に、本発明に対応するデバイスは、遠位端を有する細長い導入器であって、その表面部分は、電極を備えている、導入器と、導入器から非延長位置から延長位置に移動可能である第2の電極を備えている螺旋要素を含む延長可能部材であって、第1の電極の電極表面積と第2の電極の電極表面積とが、第2の電極の非延長位置または延長位置にかかわらず、一致する、延長可能部材とを備えているであろう。
【0079】
本開示下の本発明の別の変形例では、本明細書に説明されるデバイス、システム、および方法は、監視、制御、および/または別様に、医師に、所望の治療を確実にするために必要とされる情報を提供するための1つ以上の温度センサ(温度検出要素とも呼ばれる)の使用を含むことができる。
【0080】
温度センサ/温度検出要素は、隣接する組織の温度を測定するか、または組織に直に隣接するデバイスの温度を測定し、本情報を本明細書に説明されるようなシステムのコントローラまたは他の部分に提供し得る、任意の要素を備えていることができる。デバイスのほとんどの変形例では、温度検出要素は、エネルギーの印加前、その間、またはその後、組織の温度を査定するために使用される。温度検出要素の実施例として、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)、光学温度測定センサ、高温計が挙げられる。加えて、本開示は、組織、またはさらに、別様に、組織の相対温度を示すであろう、デバイスの部品の温度を決定可能な任意のタイプの温度測定デバイスを含むことができる。
【0081】
図26Aは、
図24に示されるものに類似するデバイスを図示し、温度検出要素745は、導入器スリーブアセンブリ712を延長可能スリーブ720から絶縁する、第1および第2の誘電スリーブ746と748との間に配置される。示されるように、温度検出要素745は、作業端の関節運動される遠位部分の外半径上に配置されることができる。加えて、
図26Aは、第1の温度検出要素745から近位に位置付けられる、第2の温度検出要素750を示し、そのような温度検出要素の間隔は、以下に説明されるように、加熱される組織の領域の制御および/または監視を可能にする。しかしながら、デバイスの変形例は、任意の数の位置において使用される任意の数の温度検出要素を可能にする。
【0082】
例えば、
図26Bは、デバイスの外部スリーブ715A上に位置付けられる、2つの温度検出要素245、250を図示する。追加の変形例では、温度検出要素は、外部スリーブ715Aのスロット間に位置付けられることができる。
【0083】
図26Cは、シャフトに沿って離間される複数の温度検出要素745、750、754、756、758を有する、デバイスの別の変形例を示す。明らかに、温度検出要素は、
図24Aに示されるものと同様に、デバイスの内部にも位置し得る。代替として、
図26Dに示されるように、温度検出要素は、デバイスの内部および外部の両方に含まれることができる。
図26Eは、デバイスの両側に位置する、温度検出要素745、750、754を図示する。代替として、温度検出要素は、デバイスの全周または部分円周に隣接して温度を測定する、リングタイプ要素を備えていることができる。本明細書に記載されるように、温度検出要素は、シャフトに沿って均一に離間されることができる。代替として、要素の間隔は、デバイスの意図される用途に応じて、変動することができる。加えて、本明細書に説明されるデバイスのほとんどの変形例では、温度検出要素は、デバイスの加熱要素の近位に位置する。しかしながら、追加の変形例は、加熱要素の遠位に、またはそれに隣接して位置付けられる、温度検出要素を含む。ワイヤ、ファイバ等の種々の温度検出要素の構成要素は、明確にする目的のために、図示されない。さらに、1つ以上の温度検出要素が、エネルギー伝送部分に対して軸方向に移動する、スリーブ上に位置付けられることができる。
【0084】
図27Aから27Cは、治療を誘導するための温度感知要素の使用の概念を図示し、温度感知要素は、エネルギー伝送ユニットから離れて設置される。
図27Aは、エネルギー伝送部分802をシャフト804の遠位部分に有する、治療デバイス800の実施例を示す。前述のように、デバイスの効果的変形例の1つは、エネルギー伝送部分としての役割を果たす、単極または双極のいずれかのRFエネルギー構成の使用を含む。しかしながら、任意の数のエネルギー伝送モードが、本明細書に説明される方法、システム、およびデバイスにおいて採用されることができ、そのようなモダリティは、加熱された組織を産生する。そのようなモダリティとして、限定ではないが、抵抗加熱、放射加熱、コヒーレント光、マイクロ波、および化学物質が挙げられ得る。さらに別の変形例では、デバイスは、放射線エネルギーモダリティも同様に使用することができる。代替として、温度ベースの検出を採用するデバイスの変形例は、治療組織への超低温の印加に依拠する、冷凍手術エネルギー構成を採用することができる。明らかに、そのような場合、本方法、デバイス、およびシステムは、加熱される組織ではなく、冷却される組織の領域を監視するであろう。
【0085】
図27Aに戻ると、治療デバイス800は、エネルギー伝送要素802に対して軸方向に位置する、少なくとも第1の温度検出要素806を含む。いくつかの変形例では、エネルギー伝送要素806は、エネルギー伝送ユニット802からシャフトの軸に沿って近位に位置する。しかしながら、前述のように、デバイスの変形例は、必要に応じた温度検出要素の設置を含む。
図27Aはまた、第1の温度検出要素806の近位に位置する、第2の温度検出要素808を示す。再び、本明細書に説明される方法および手技は、任意の数の温度検出要素を採用することができる。
【0086】
本デバイスおよび方法はまた、随意に、温度情報をコントローラ830に伝達することを含む。コントローラ830の変形例は、各温度検出要素に固有の温度情報の表示または伝達を可能にする。例えば、
図27Aに示される変形例では、第1の温度検出要素は、ディスプレイ832に連結されることができる一方、第2の温度検出要素808は、ディスプレイ834に連結されることができる。コントローラはまた、随意に、医師が、各温度感知要素からの示度値に基づいて、温度限界を設定することを可能にすることができる。そのような場合、それぞれの温度感知要素において測定された温度が、温度限界を超える場合、システムは、エネルギーの送達を終了するか、あるいは任意の他の聴覚または視覚アラートを提供することができる。制御ユニット830は、電力供給源と別個であることができる、または電力供給源内に統合されることができる。追加の変形例はまた、デバイス800のハンドルまたは他の部分内に統合され得る、制御ユニットを含む。
【0087】
第1の変形例では、医師は、エネルギー伝送要素802を含むシャフト804の遠位端を腫瘍12内に位置付けることができる。明らかに、本方法および手技は、腫瘍の治療に限定されない。代わりに、デバイスは、医師が治療を求める任意の標的領域内に位置付けられることができる。デバイス800およびエネルギー伝送要素802が、適切に位置付けられると、医師は、エネルギー伝送部分へのエネルギーの印加を開始し、組織内に影響を生じさせ(矢印14によって示されるように)、影響を受ける組織の領域を産生する(例えば、組織の温度を上昇または低下させる(前述のように、使用されるエネルギーモダリティに基づいて))ことができる。便宜上、本方法は、加熱される組織の区域に関して論じられるものとする。明らかに、デバイスの代替変形例は、冷却される組織の領域も伴う。
【0088】
図27Bは、加熱される組織16の領域の拡張をもたらす、エネルギーの持続的印加を図示する。エネルギーの持続的印加は、断続的または継続的に生じることができる。医師が、デバイス800を動作させるにつれて、温度検出要素806、808は、隣接する組織の温度を監視することができる。
図27Bは、第1または第2の温度感知要素806、808に未だ到達していない、加熱される組織16の領域を描写する。温度測定は、エネルギーの印加中、またはエネルギーの断続的な印加の間、断続的に、継続的に、生じることができる。同様に、温度情報832、834は、随意に、コントローラ830に中継されることができる。
【0089】
図27Cは、組織12または腫瘍の所望の領域を包含するために十分に拡張された組織16の加熱された領域を示す。
図27はまた、容易に視覚的に識別されるように、組織16の加熱された領域を描写する。しかしながら、実際の治療のとき、医師は、単純に、加熱された組織16のゾーンの実際の周縁を観察することはできない。代わりに、温度検出要素806、808は、温度検出要素806、808に隣接する組織の温度が上昇するにつれて、組織16の加熱された領域を検出可能であろう。
【0090】
温度検出要素806、808によって測定された温度はまた、医師に、加熱された組織16の領域の発達を監視する能力を提供することができる。例えば、加熱された組織の領域の体積、長さ、面積、または他の特性は、領域の周縁に関連付けられた温度を得ることによって、概算されることができる。この関連付けられた温度と加熱された組織の物理的特性の分析的相関は、ベンチ試験、動物試験、死体試験、および/またはコンピュータ分析から決定されることができる。そのような分析的相関は、その領域の外側周縁の温度に基づいて、加熱された組織の区域の体積が概算されることを可能にする。
図27Cの図示される実施例では、既知の寸法を有する加熱された組織の区域に関連付けられた所定の温度が存在する。温度検出要素808において測定された温度が、この関連付けられた温度に達すると、医師は、治療を停止することができる。代替として、または加えて、システムまたはコントローラ830は、安全アルゴリズムを含み、自動的に、医師に、治療を中止するように警告し、またはさらに、所与の温度に達する場合、または電力が電極に印加されている間、温度が一定のままである場合、システムの安全シャットダウンを行なうことができる。
【0091】
追加の変形例では、加熱された組織の領域のサイズまたはプロファイルの監視は、印加されるエネルギーの印加を制御するために使用されることができる。例えば、測定された温度が関連付けられた温度に接近するにつれて、コントローラは、電力を低減させ、任意の測定の遅延が標的治療ゾーンをオーバーシュートすることを防止することができる。
【0092】
図27Aから27Cに前述の変形例はまた、所望の標的領域12に対してデバイス800を位置付けるために使用されることができる。例えば、温度検出要素806、808は、医師が、適切な温度検出要素を標的区域内または標的区域の周縁に設置し得るように、放射線不透過性であることができる(または、放射線不透過性マーカーを有することができる)。
図27Aに示される実施例では、医師は、腫瘍のすぐ外側に、または別様に所望に応じて、第2の温度検出要素808を位置付け得る。測定された温度が関連付けられた温度に達すると、医師は、エネルギーの印加を停止し、必要に応じて、デバイスを再位置付けする、または治療を停止することができる。
【0093】
例えば、医師は、事前計画に基づいて、特定の温度検出要素に対して、標的温度として、50Cまたは55Cを使用することを選定することができる。その温度が、所望のレベル、例えば、50Cまたは55Cに達すると、医師は、エネルギー送達をオフにすることによって、組織へのいかなるさらなるエネルギーの送達も停止し得る。別の実施形態では、コントローラは、医師が特定の温度検出要素に対する所望の温度を入力し、コントローラがエネルギーを印加するであろう、アルゴリズムを有するであろう。エネルギー送達は、所望の温度が達成されると、停止するであろう。コントローラのさらなる向上はまた、医師が、各標的温度に関連付けられた所望の時間を設定する能力を可能にし得、コントローラは、所望の時間の間、温度を制御するために十分なエネルギーレベルを維持し、次いで、エネルギー送達をオフにするであろう。
【0094】
図27Aはまた、シャフト上に位置する、可視マーカー814、816、および818を有するようなデバイスの変形例を描写する。マーカーは、医師が、エネルギー伝送要素および/または温度検出要素を位置付けるのを補助するために使用されることができる。例えば、図示される変形例では、デバイスは、マーカー814が、医師に、遠位先端またはエネルギー伝送要素がカニューレの開口部に位置付けられたことを通知するように、既知のサイズの導入器カニューレとともに使用されることができる。同様に、マーカー816および818は、医師に、エネルギー伝送要素806および808が、それぞれ、カニューレの開口部に位置することを通知することができる。
【0095】
本発明の特定な実施形態が詳細に上で説明されたが、この説明は単に例示の目的のためであり、本発明の上の説明は網羅的ではないことが理解される。本発明の特定の特徴は、いくつかの図においては示され、他の図においては示されず、これはただ便宜のためであり、あらゆる特徴は、本発明にしたがい別のものと組み合わされ得る。多くの変形例および代替が、当業者には明らかである。このような代替および変形例は、本発明の特許請求の区域内に含まれることが意図される。従属特許請求項において提示される特定の特徴は、組み合わされて、本発明の範囲内に入り得る。本発明はまた、従属特許請求項が他の独立特許請求項を参照して多数項従属特許請求項の形式において代替的に記述されるように、実施形態を包含する。