(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態1)
以下、図に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、装飾体形成玩具セット1を示す図である。装飾体形成玩具セット1は、絞出具2と台座3を含む。使用者は、絞出具2の容器20に充填されたクリーム状物4を容器20の後方(図の上方)から前方(図の下方)に移動するように絞ることにより、クリーム状物4を先端の口金60の開口部631から絞り出すことができる。絞り出されたクリーム状物4は、台座3の上板31に盛り付けられて生クリームによる装飾が施された洋菓子等を模した装飾体玩具を成形することができる。
【0014】
以下、クリーム状物4としてクリーム樹脂を用い、絞出具2を装飾体形成玩具として主に遊戯用に適用させた装飾体形成玩具セット1について説明する。なお、本実施形態の絞出具2はクリーム樹脂の代わりに一般の食用に用いられるホイップクリーム等のクリーム状物を内包させて使用してもよい。この場合、絞出具2は、台座3の代わりにスポンジケーキ等の食品を盛り付けるために利用することができる。
【0015】
図2は、絞出具2の分解斜視図である。なお、以下の絞出具2の説明では、容器20側を後、口金60側を前とする。絞出具2は、容器20、接続部40、補助部材50、口金60、キャップ70を有する。容器20は、主に
図1に示すように図の手前及び奥に配置されたポリ塩化ビニル樹脂等の柔軟性のある2枚のシート部材を重ねて、側辺21を熱圧着等で接着させることにより形成される。容器20の前半部201は、前端側から後端側に向かって左右幅が広がるように形成される。容器20の後半部202は、左右幅が略一定となるように形成される。容器20の後方部22も、2枚の重なったシート部材を熱圧着等で接着させて袋状に閉じられる。
【0016】
このように形成される容器20の内部には、クリーム状物4が真空状態で充填される。クリーム状物4は、ホイップクリームを模しており、例えば、合成糊剤、アクリル樹脂、セルロース、安定剤、防腐剤等を含めることができる。従って、クリーム状物4は、空気に触れて乾燥すると固化する。また、クリーム状物4は、着色料を添加して着色が施されてもよい。
【0017】
図2で、接続部40は、外径の大きい後段部41と外径の小さい前段部42を有し、全体が略円筒状に形成される。後段部41は前方(図の下方)に向かうに従い縮径するように形成される。後段部41の後端縁には、フランジ部411が周方向に亘って形成される。また、後段部41の外周側面には、その外周側面より径の大きい複数の突径部412が周方向に沿って形成される。突径部412は、前後方向に複数配置される。
【0018】
容器20は、前端に開口部23を有している。この開口部23は、接続部40と接続される。開口部23は、2枚のシート部材の前端を除く側辺21同士が接着されることにより形成される。また、開口部23付近では、開口部23の内縁が接続部40の後段部41と密着するように側辺21が接着される。後段部41に設けられた突径部412が開口部23の内側と密着するため、クリーム状物4が後段部41の外周側面と開口部23との隙間から漏洩することが防止される。
【0019】
前段部42の外周側面には、雄ネジ部421が形成される。雄ネジ部421の溝部422の終端付近には、平凸状の係止突起423が形成される。係止突起423は、雄ネジ部421のネジ山よりも低く形成される。
【0020】
また、接続部40は、主に
図6に示すように、内径の大きい後内壁部43と内径の小さい前内壁部44を有する。後内壁部43と前内壁部44の段状の境界には、後方を向く平坦面を有した段部45が形成される。また、接続部40の前端には、円環状の前方当接部424が形成される。
【0021】
図2に戻り、口金60は、外径の大きい後段部61、後段部61より外径の小さい中段部62、中段部62より外径の小さい前段部63を有し、全体が略円筒状に形成される。後段部61の後端縁には、フランジ部611が周方向に亘って形成される。また、後段部61の外周側面には、複数のリブ部612が前後方向(円筒状の口金60の軸方向)に形成される。後段部61の側面の一部からは、後方に立設する表示板613が形成される。表示板613の外周側(
図2の右側)の板面には、文字や図形などにより口金60の開口部631の形状タイプを表示させることができる。形状タイプには、開口部631の形状や大きさが含まれる。また、中段部62の外周側面には、雄ネジ部621が形成される。
【0022】
前段部63の外径は、前方に向かって徐々に縮径されるように形成される。前段部63の前端には、開口部631が形成される。開口部631は、ホイップクリーム用の絞出具において一般的に使用される開口形状とすることができる。本実施形態では、星形8切りタイプを用いている。したがって、開口部631は、平面視において、8つの先鋭板631aをその鋭角頂部が開口部631の中央側に向くように環状に配置されることにより形成される。先鋭板631a同士の間には、切欠部631bが形成される。
【0023】
また、口金60は、主に
図6に示すように、内径の大きい後内壁部64と、後内壁部64より内径の小さい前内壁部65を有する。後内壁部64には、接続部40の雄ネジ部421と螺合する雌ネジ部641が形成される。前内壁部65は、開口部631までに亘って形成されており、前方に向かってその内径が徐々に縮径されるように形成される。後内壁部64と前内壁部65の境界には、後方を向く平坦面を有した段状の後方当接部66が形成される。なお、雄ネジ部421が雌ネジ部641に螺入される際、係止突起423は雌ネジ部641のネジ山と当接することにより接続部40と口金60の螺止状態を維持させることができる。
【0024】
補助部材50は、接続部40及び口金60の内部に配置される。ここで、
図3及び
図4を用いて補助部材50の詳細について説明する。
図3(a)は補助部材50を前方から見た斜視図であり、
図3(b)は補助部材50を後方から見た斜視図である。また、
図4(a)は補助部材50を前方から見た平面図であり、
図4(b)は補助部材50を後方から見た平面図である。
【0025】
補助部材50は、前後方向に長軸を有した柱状(或いは棒状)の位置決め部51と、円環状の固定部52とを有する。位置決め部51は、固定部52の略中心を貫通するように配置される。また、固定部52は、位置決め部51の後方側に配置される。位置決め部51と固定部52とは、角柱状の接続杆53により接続される。接続杆53の前面531と固定部52の前面521は同一平面となるように形成される(
図3(a)又は
図4(a)参照)。接続杆53の後面532と固定部52の後面522は同一平面となるように形成される(
図3(b)又は
図4(b)参照)。
【0026】
接続杆53と、前面531側の位置決め部51との間には、前方リブ部54が設けられる。前方リブ部54は、略直角台形の板状に形成される。前方リブ部54は接続杆53の中央付近から、位置決め部51の中央よりも前方側までに亘って形成される。前方リブ部54は、前後方向に長板状に形成される。前方リブ部54の板厚は、接続杆53の幅及び位置決め部51の直径よりも小さくなるように形成される。
【0027】
一方、接続杆53と、後面532側の位置決め部51との間には、後方リブ部55が設けられる。後方リブ部55は、略直角三角形の板状に形成される。なお、このように三角形とすることにより、補助部材50を床等に置いた際に補助部材50が横向きに転倒し、位置決め部51により怪我をしないように安全が図られている。後方リブ部55は接続杆53の外径側の端部(すなわち固定部52側の端部)付近から、位置決め部51の後方端部511までに亘って形成される。また、各後方リブ部55の固定部52側の外方端部55aは、位置決め部51の長軸と略平行で、後方リブ部55と略垂直な面によるC面取り状に形成される。後方リブ部55の板厚は、接続杆53の幅及び位置決め部51の直径よりも小さくなるように形成される。
【0028】
本実施形態の接続杆53、前方リブ部54及び後方リブ部55は、
図4(a)及び
図4(b)の平面図に示す様に、位置決め部51を中心として固定部52に向かって放射状に配置される。また、接続杆53、前方リブ部54及び後方リブ部55は、位置決め部51の長軸周りに略等角度となるように配置される。本実施形態の例では、接続杆53、前方リブ部54及び後方リブ部55が3つずつ設けられている。従って、接続杆53、前方リブ部54及び後方リブ部55は位置決め部51の長軸周りに互いに約120度の角度で配置される。
【0029】
このように、位置決め部51と固定部52が接続杆53によって接続される構成により、補助部材50には、絞出具2の使用時にクリーム状物4が通過する略扇形状の流動路56が形成される。
【0030】
図2に戻り、キャップ70は、前端側に底部を有して円柱状に形成される。キャップ70の後端縁には、フランジ部711が周方向に亘って形成される。キャップ70の外周側面71には、複数の縦リブ712が形成される。キャップ70の内周壁72の後端側には、口金60の雄ネジ部621と螺合する雌ネジ部721が形成される。
【0031】
つぎに、台座3について説明する。
図5(a)は、台座3を上方から見た斜視図であり、
図5(b)は台座3を下方から見た斜視図である。なお、台座3の説明において、
図5の上板31側を上、その反対側を下とする。台座3は略円柱状に形成される。台座3の上板31には複数の当接ガイド311及び絞量ガイド312が設けられている。
【0032】
図5(a)において、当接ガイド311は、円形の凹状に形成される。当接ガイド311は、補助部材50の位置決め部51の前端512を当接させて、絞出具2の位置決めに用いられる。よって、絞出具2の台座3に対する高さ及び前後左右の位置が容易に安定維持される。なお、本実施形態の当接ガイド311は、位置決め部51の前端512形状と略同じ形状の窪みとして形成される。よって、前端512の前面は、当接ガイド311の底面と略面当接することができる。
【0033】
また、当接ガイド311は、位置決め部51の外形よりも大径に形成して、前端512の先端が当接ガイド311の底面と当接することにより、位置決め部51の位置をガイドしてもよい。さらに、当接ガイド311は、位置決め部51より小径の窪み又は孔部として設け、その窪み又は孔部の内縁により位置決め部51の前端512位置を支えてもよい。
【0034】
絞量ガイド312は、当接ガイド311を中心として、当接ガイド311の周囲に設けられる。絞量ガイド312は、上板31より凸状の線によって描かれた外輪ガイド312aと放射状ガイド312bを有する。絞量ガイド312の外輪ガイド312aは、頂部312cが8個の星形に形成される。絞量ガイド312は、絞出具2からクリーム状物4を絞り出す際に、適切な絞り量を使用者に把握させるために用いられる。
【0035】
本実施形態の台座3では、当接ガイド311及び絞量ガイド312の組みが上板31上に14か所設けられる。また、上板31の略中央には、当接ガイド311よりも大きい略円形の凹部313が形成される。
【0036】
図5(b)において、台座3の上板31の外縁部からは、下方に向かって側壁32が立設している。台座3は下方に開口部を有した円柱容器状に形成される。上板31の裏面側の略中央には、円筒リブ33が設けられる。また、上板31の裏面側には、円筒リブ33の外側面33aと、側壁32の内面32bとを接続する平板リブ34が設けられる。平板リブ34は、上板31の裏面とも接続される。また、下方から見た平面視において、平板リブ34は、上板31の中央を中心として互いが略90度となるように合計4つ配置される。このように、円筒リブ33や平板リブ34を設けることで、台座3の強度を高くすることができる。
【0037】
なお、当接ガイド311の形状は、位置決め部51の前端512が当接した際に係合可能な複数の凸部等の他の形状としてもよい。また、絞量ガイド312は、使用者がその形状を視認できるものであれば、凹溝により描いてもよい。さらに、当接ガイド311及び絞量ガイド312は、上板31のベース色と判別可能な他の色に着色された点や線等によって形成してもよい。
【0038】
図6は、
図1の絞出具2のVI−VI断面図である。なお本図では、口金60周辺の部位について示しており、クリーム状物4の図示は省略している。容器20が取り付けられた接続部40は、前段部42が口金60の後内壁部64に螺入されて、口金60と接続される。このとき、固定部52の後面522側は接続部40の前方当接部424と当接し、固定部52の前面521側は口金60の後方当接部66と当接する。これにより、補助部材50は、前方当接部424と後方当接部66に挟持されて、口金60内部で支持される。また、後方リブ部55の外方端部55aと前内壁部44が近接又は当接するため、補助部材50の前後又は左右方向へずれが低減される。
【0039】
また、補助部材50の位置決め部51の前端512側の一部は、開口部631の内部から外部に突出するように配置される。このように口金60の内部に補助部材50を配置させると、袋状の容器20から矢印Cに示される方向(すなわち後方から前方)に絞り出されるクリーム状物4が、接続部40、補助部材50の流動路56、口金60の順に通過して、開口部631から絞出具2の前方外部へ外出する。開口部631から絞り出されたクリーム状物4は、開口部631から外部に露出した位置決め部51を伝って前方に移動する。
【0040】
つぎに、台座3を用いた絞出具2の使用方法について説明する。
図7(a)〜
図7(d)は、絞出具2の使用方法を示す図である。まず、
図7(a)のステップS1で、使用者は、口金60を下方へ、接続部40を上方へ向けた状態で位置決め部51の前端512が台座3に設けられた当接ガイド311に当接するように、絞出具2を配置させる。絞出具2の位置は、開口部631から台座3の上板31までの距離が補助部材50によって予め定められた所定の高さhとなるように容易に配置される。
【0041】
図7(b)のステップS2で、使用者が容器20に内包されるクリーム状物4を口金60側に絞り出すように移動させると、クリーム状物4が、開口部631から外方に出現する。クリーム状物4が出現した初期の段階では、クリーム状物4と上板31との接触面積が小さく、クリーム状物4は外輪ガイド312aの内側(すなわち外輪ガイド312aの当接ガイド311側)に形成される。使用者がクリーム状物4の絞り出し動作を継続すると、クリーム状物4は上板31との接触面積を広げながら側面が膨らむように大きくなり、立体的なクリーム装飾体81を形成する。このとき、切欠部631bから出現するクリーム状物4は側頂部811を形成し、先鋭板631aから出現するクリーム状物4は谷部812を形成する。
【0042】
外輪ガイド312aは、クリーム状物4の絞り出し量(すなわちクリーム状物4と上板31との境界bの位置)が適切であることを示している。また、本実施形態の開口部631は星形8つ切り形状であり、外輪ガイド312aも頂部312cが8個形成された星形である。従って、境界bは図示しない平面視において外輪ガイド312aと略相似となる。使用者は、絞出具2を使用する際、クリーム装飾体81の側頂部811が外輪ガイド312aの頂部312c(
図5参照)と一致するように絞出具2の長軸周りの向きを調整する。よって、クリーム状物4の絞出し量を増加させていくと、
図5に示した外輪ガイド312aと、境界bとが一致する。従って、使用者は適切な絞り出し量に達したか容易に判断することができる。
【0043】
図7(c)のステップS3で、使用者は、クリーム状物4と上板31上との境界bが外輪ガイド312aと略一致すると、絞出具2の絞り出し操作を停止させる。
【0044】
図7(d)のステップS4で、使用者は、絞出具2を上板31から離れるように上方に引き上げる。これにより、クリーム状物4によるクリーム装飾体81を形良く作成することができる。また、クリーム装飾体81は、所定時間乾燥させることにより、保存や装飾体としての利用に適した硬さに硬化する。
【0045】
なお、開口部631から台座3までの適切な高さhは、開口部631の形状や大きさによって異なってもよい。このように、本実施形態の絞出具2は、補助部材50を利用することによって、開口部631の高さhを適切な位置に配置させ、維持させることができる。
【0046】
また、補助部材50の高さを定める位置決め部51は、開口部631の略中央から突出させるように設けられたため、開口部631から絞り出されるクリーム状物4の移動や、クリーム装飾体81の外観形成が阻害されることがない。
【0047】
さらに、上述のステップS4で絞出具2を引き上げる際に、位置決め部51の前端512は、台座3に絞り出されたクリーム状物4を上方に引き上げ、クリーム装飾体81の角部813を形成する。角部813は、絞出具2とクリーム装飾体81が離れる際にクリーム装飾体81が上方に引かれて形成されるものであり、補助部材50を用いない従来の絞出具を用いた場合と同様に形良く角部を形成することができる。よって、絞出具2により作成されるクリーム装飾体81は、従来の絞出具により形成されるクリーム装飾体と比較しても見栄えを損なうことがない。さらに、位置決め部51が開口部631の内側に設けられたため、使用者は、補助部材50を使用しない場合と同様に絞り出されるクリーム状物4の視認を行うことができる。
【0048】
また、ステップS1〜S4では、絞出具2を台座3に対して略垂直となるように配置させて使用する例について説明したが、作成したいクリーム装飾体81の形状によっては絞出具2を傾斜させて使用してもよい。この場合であっても、位置決め部51の前端512を台座3に当接させれば、口金60の開口部631と台座3の上板31との距離は予め定めた高さとすることができるため、見栄えの良いクリーム装飾体81を安定して作成することができる。
【0049】
また、ステップS2及びステップS3の絞り出し操作において、使用者は、開口部631の中心を絞出具2の回転軸として絞出具2を回転させながら、クリーム状物4を絞り出してもよい。これにより、星形の側頂部811が螺旋状に回転したクリーム装飾体81を形成することができる。
【0050】
以上、本実施形態の補助部材50を用いた絞出具2について説明したが、補助部材50は、開口部631から作成面(本実施形態では台座3の上板31)までの距離が適切に保てる部材であればよく、他の構成の部材を用いてもよい。
【0051】
(実施形態2)
図8は、実施形態2に係る絞出具2Aの断面図である。なお、
図8に示す絞出具2Aの断面位置は、
図1に示した絞出具2のVI−VI断面図の断面位置に相当する。本実施形態では、実施形態1の補助部材50の代わりに補助部材50Aを用い、接続部40及び口金60の代わりに接続部40A及び口金60Aを用いる。なお、本実施形態の説明において、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略又は簡略化する。
【0052】
補助部材50Aは、4個の位置決め部51Aと、固定部52Aを備える。なお、図中には口金60Aの左右及び奥に3個の位置決め部51Aが示される。固定部52Aは、前面52A1及び後面52A2が平坦な円環状に形成される。各位置決め部51Aは、円柱状に形成される。また、各位置決め部51Aの後端部は固定部52Aの外周側面と接続される。このとき、各位置決め部51Aは、固定部52Aを後方から見た平面視において、固定部52Aの中央部を中心に互いが略90度となる位置に配置される。
【0053】
補助部材50Aは、固定部52Aがフランジ部611の後面と接続部40の段部46とにより前後が挟持されて支持される。これにより、口金60Aの開口部631と位置決め部51Aの前端512との距離(高さ)が予め定められた長さとなる。よって、位置決め部51Aの前端512を
図7の台座3の上板31(すなわち、クリーム装飾体81の作成面)に当接させて、開口部631と上板31との距離や位置を安定維持させながらクリーム状物4を絞り出して、見栄えの良いクリーム装飾体81を容易に作成することができる。
【0054】
また、本実施形態の補助部材50Aは、複数の位置決め部51Aを備えるため、絞出具2Aを使用する際に絞出具2Aが作成面に対して傾斜することを防止することができる。
【0055】
なお、本実施形態のように補助部材50Aを口金60Aの外部で固定させる場合、口金60Aと台座3との距離を定める位置決め部51Aは、一つ又は複数の柱状体又は板状体といったその他の形状とすることができる。この場合、位置決め部51Aは、
図8のように絞出具2Aから絞り出されたクリーム状物4と接触しない位置に設けてもよいし、実施形態1のように接触する位置に設けてもよい。
【0056】
また、位置決め部51Aは、円環状の固定部52Aの外周縁から前方側へ立設する円筒状の壁部としてもよい。この壁部は、口金60Aから出現するクリーム状物4を視認しやすくするために、スリット状の切欠き部を備える構成としたり、透明部材により形成することができる。
【0057】
以上、補助部材50,50Aを用いた絞出具2,2Aについて説明したが、開口部631の形状は、星形8つ切り形状以外にも、星の頂部の数を適宜増加又は減少させた星形形状を用いることができる。また、開口部631の形状は、丸型や多角形等の他の形状を適用させてもよい。
【0058】
また、台座3の当接ガイド311の大きさ、形状、数は、位置決め部51,51Aの先端(前端512)の大きさ、形状、数と対応させて設けることができる。当接ガイド311は、補助部材50,50Aの位置決め部51,51Aの先端が係合して前後又は左右のブレを低減させる凸部又は凹部としてもよい。
【0059】
また、当接ガイド311には、絞出具2,2Aの軸周りの向きを定めるための凹部や凸部等の係止部を含めてもよい。例えば、補助部材50Aは固定部52Aの外側面から前方に立設する柱状の向き決め部を備える構成とし、位置決め部51,51Aを当接ガイド311に当接させた際に、その向き決め部を係止部と係止させる。これにより、絞出具2,2Aの軸周りの向きを適切な位置にガイドさせることができる。
【0060】
また、補助部材50,50Aは、固定部52,52A等の部位により、口金60,60Aや接続部40,40Aと一体に形成される構成としてもよい。
【0061】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の絞出具、補助部材、装飾体形成玩具、及び装飾体形成玩具セットを提供することができる。
【0062】
第1の態様に係る絞出具は、クリーム状物を内包する容器と、前記容器と接続される口金と、前記口金に対して固定される固定部と、装飾体が作成される作成面に対して当接する位置決め部とを備える補助部材と、を有する。
【0063】
この構成によれば、作成面と絞出具との間の距離を安定して維持することができるため、高さや形が均等な見栄えの良いクリーム装飾体を容易に作成することができる。
【0064】
第2の態様に係る絞出具は、前記固定部は、円環状に形成され、前記補助部材は、前記固定部が前記口金と前記容器との間に挟持されて固定される。
【0065】
この構成によれば、補助部材を絞出具に対して簡易な構成により安定して固定させることができる。
【0066】
第3の態様に係る絞出具は、前記容器は、前方当接部が前端に形成された接続部を有し、前記口金は、内部に形成された後方当接部を有し、前記補助部材は、前記前方当接部と前記後方当接部により前後が挟持されて固定される。
【0067】
この構成によれば、補助部材を口金内部に容易に固定させることができる。
【0068】
第4の態様に係る絞出具は、前記補助部材は、前記口金内に収納されるとともに、前記位置決め部は、柱状に形成され、前記口金から突出する。
【0069】
この構成によれば、簡易な構成により、補助部材をコンパクトに配置させることができる。また、クリーム状物を絞り出して絞出具を引き上げる際に、柱状の位置決め部がクリーム装飾体の角部を上方に引き上げるため、見栄えを損なうことなく装飾体を作成することができる。
【0070】
第5の態様に係る絞出具は、前記補助部材は、前記位置決め部と前記固定部を接続する接続杆と、前記接続杆よりも前方側の前記位置決め部と前記接続杆の前面との間に形成される前方リブ部と、前記接続杆よりも後方側の前記位置決め部と前記接続杆の後面との間に形成される後方リブ部と、を有する。
【0071】
この構成によれば、補助部材を口金の内部におけるクリーム状物の流路上に配置させることができる。また、接続杆、固定部、位置決め部の間には流路が形成されるため、クリーム状物の流れが阻害されることを低減させることができる。また、柱状に形成される位置決め部や杆状に形成される接続杆の強度を増加させることができる。よって、補助部材を作成面に当接させることにより補助部材に押圧負荷がかかっても、簡易な構成で破損を防ぐことができる。
【0072】
第6の態様に係る補助部材は、クリーム状物の絞出具の補助部材であって、前記絞出具に対して固定される固定部と、装飾体が作成される作成面に対して当接する位置決め部と、を有する。
【0073】
第7の態様に係る装飾体形成玩具は、クリーム状物を内包する容器と、前記容器と接続される口金と、前記口金に対して固定される固定部と、装飾体が作成される作成面に対して当接する位置決め部とを備える補助部材と、を有する。
【0074】
第6及び第7の態様の構成によれば、作成面と絞出具との間の距離を安定して維持することができるため、高さや形が均等な見栄えの良いクリーム装飾体を容易に作成することができる。
【0075】
第8の態様に係る装飾体形成玩具セットは、装飾体形成玩具と台座とを備える装飾体形成玩具セットであって、前記装飾体形成玩具は、クリーム状物を内包する容器と、前記容器と接続される口金と、前記口金に対して固定される固定部と、装飾体が作成される作成面に対して当接する位置決め部とを有する補助部材と、を有し、前記台座は、前記位置決め部の先端を当接させる当接ガイドと、前記クリーム状物の絞り出し量をガイドする絞量ガイドと、を有する。
【0076】
この構成によれば、当接ガイドにより補助部材の位置をガイドするとともに、絞量ガイドによりクリーム状物の絞量が適量か否か判断させることができるため、高さや形が均等な見栄えの良いクリーム装飾体を容易に作成することができる。
【0077】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は以上の実施形態によって限定されることはなく、種々の態様で実施することができる。
【解決手段】 絞出具2は、クリーム状物を内包する容器20と、容器20と接続される口金60と、口金60に対して固定される固定部52と、クリーム装飾体81が作成される作成面に対して当接する位置決め部51とを有する補助部材50と、を有する。また、容器20は、前方当接部424が前端に形成された接続部40を有する。さらに、口金60は、内部に形成された後方当接部66を有する。補助部材50は、前方当接部424と後方当接部66により前後が挟持されて、固定される。補助部材50は、口金60内に収納されるとともに、位置決め部51は柱状に形成されて口金60から突出する。