(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態に係るポンプを、
図1〜3を用いて説明する。
図1は、シールレスポンプ10を示す断面図である。シールレスポンプ10は、本発明で言うポンプの一例である。
図1は、シールレスポンプ10を、後述される主軸60の中心軸を通る仮想平面に沿って切断した状態を示す断面図である。
図1に示すように、シールレスポンプ10は、ケーシング20と、電動モータ30と、ブラケット40と、羽根車50と、主軸60を備えている。
【0014】
ケーシング20は、シールレスポンプ10の外観を規定している。ケーシング20は、周壁部形成部材21と、底壁部形成部材22と、ポンプ室形成部材23とを備えている。
【0015】
周壁部形成部材21は、ケーシング20の周壁を形成する。周壁部形成部材21は、両端が開口する筒形状であり、本実施形態では一例として円筒形状である。底壁部形成部材22は、周壁部形成部材21の一端に固定される。底壁部形成部材22は、ケーシング20の底壁部を形成する。
【0016】
本実施形態では一例として、周壁部形成部材21の一端部には、雌ねじ部24が形成されている。底壁部形成部材22には、雌ねじ部24に螺合する雄ねじ部25が形成されている。底壁部形成部材22は、雄ねじ部25が雌ねじ部24に螺合することによって、周壁部形成部材21に固定される。ポンプ室形成部材23は、周壁部形成部材21の他端部に固定される。ポンプ室形成部材23は、ケーシング20の内側に形成されるポンプ室11の一部を形成する。
【0017】
ブラケット40は、ケーシング20の内側に収容される。ブラケット40は、有底筒形状であり、周壁部41と、底壁部42と、フランジ部43とを備えている。周壁部41は、一周連続する筒形状であり、一例として、円筒形状である。底壁部42は、周壁部41の一端に設けられており、周壁部41の一端を塞いでいる。フランジ部43は、周壁部41の他端縁部に設けられており、外側に広がっている。
【0018】
ブラケット40は、ケーシング20内に収容されて固定される。この点について、具体的に説明する。ブラケット40は、底壁部42が底壁部形成部材22に対向するように、ケーシング20内に配置される。このとき、ブラケット40のフランジ部43は、ケーシング20の周壁部形成部材21の開口縁部27に接触する。
【0019】
周壁部41の中心軸Xに沿う長さは、ブラケット40がケーシング20内に収容されてフランジ部43が周壁部形成部材21の開口縁部27に接触したときに、底壁部42と底壁部形成部材22との間に隙間S1が設けられる長さである。なお、ケーシング20内でのブラケット40の姿勢は、ブラケット40の中心軸Yが、ケーシング20の中心軸Xと同軸になる姿勢である。フランジ部43と周壁部形成部材21の開口縁部27とは、互いに接触した状態で固定される。一例としては、接着剤などで固定されてもよい。
【0020】
ブラケット40がケーシング20内に設置された状態では、周壁部形成部材21の内面21aと周壁部41の外面41aと間には、隙間S2が形成される。後述される電動モータ30の固定子31は、この隙間S2内に設けられる。
【0021】
ポンプ室形成部材23は、フランジ部43において、周壁部形成部材21に対してフランジ部43を挟んで反対側の部分に固定されている。フランジ部43とポンプ室形成部材23との間には、当該間を液密にシールするOリング5が設けられている。本実施形態では、ブラケット40内、及び、ブラケット40とポンプ室形成部材23との間に、ポンプ室11が形成される。
【0022】
羽根車50は、ブラケット40内に収容されており、ブラケット40内で主軸60回りに回転自由に支持されている。羽根車50は、羽根51が形成される羽根車本体52と、主軸60を内側に通す軸部53と、突出部54とを備えている。
【0023】
羽根車本体52は、羽根車本体収容室12内に収容される。羽根車本体収容室12は、ポンプ室11の一部であり、ブラケット40とポンプ室形成部材23との間の部分である。突出部54は、羽根車本体52において羽根車50の中心軸Zに沿って先端部に形成されており、中心軸Zに沿って羽根車本体52に対して突出している。羽根車50は、軸部53の中心軸Zを回転軸として回転する。
【0024】
ポンプ室形成部材23には、突出部54を回転自由に収容する突出部収容部55が形成されている。突出部収容部55は、具体的には、突出部54を内側に収容する周壁部55aを備えている。なお、周壁部55aは、突出部54に接触しない。ポンプ室形成部材23において突出部54と対向する部位、言い換えると、周壁部55aの内側の部分には、吸込口13が形成されている。吸込口13を通して、ポンプ室11の内と外とが連通している。
【0025】
羽根車本体52と突出部54の中心部C1には、流体が通る流路56が形成されている。流路56は、羽根車本体52の中心軸Zに沿って延びている。流路56は、突出部54の先端から外側に開口している。このため、流路56と吸込口13とは、対向している。また、流路56は、羽根車本体52において、中心軸Zに垂直方向に延びており、その先端で外側に開口している。
【0026】
ポンプ室形成部材23において羽根車50の中心軸Zに対して垂直方向に離れた位置には、吐出口14が形成されている。吐出口14は、ポンプ室11の内外を連通している。羽根車50の回転に伴って、ポンプ室11内の流体が吐出口14を通して外部に吐出されるとともに、ポンプ室11外の流体が吸込口13を通してポンプ室11内に吸い込まれる。
【0027】
軸部53は、ブラケット40内に収容される。このとき、軸部53の中心軸Zとケーシング20の中心軸Xとブラケット40の中心軸Yとは、互いに重なり、同軸になる。軸部53の内側には、軸部53の中心軸Zを中心とする貫通孔58が形成されている。主軸60は、貫通孔58内に挿入される。貫通孔58内には、第1の軸受59が一対固定されている。一方の第1の軸受59は、羽根車本体52側に配置されている。他方の第1の軸受59は、反対側に配置されている。これら一対の第1の軸受59は、軸部53に固定されており、羽根車50が回転する際には羽根車50と一体に回転する。これら第1の軸受59は、環状である。主軸60は、第1の軸受59内に挿入されとともに、第1の軸受59に対して相対的に回転自由である。なお、第1の軸受59が環状である構造は、一例である。他の例としては、第1の軸受59は、環状であってかつ内側に溝を有していてもよい。
【0028】
主軸60の一端部61は、ブラケット40の底壁部42に固定されている。この固定構造について、説明する。底壁部42の中心部C2には、第1の主軸収容部80が形成されている。第1の主軸収容部80は、周壁部81を備えている。周壁部81は、底壁部42の内面43aから立ち上がる環状形状である。
図2は、
図1に示すF2−F2線に沿って示す主軸60とその近傍とを示す断面図である。
図2は、主軸60の一端部61が第1の主軸収容部80内に収容された状態を、第1の主軸収容部80を通るように切断した状態の一例を示している。
【0029】
図2に示すように、主軸60の一端部61には、平面部63が設けられている。平面部63の外面63aは、中心軸Zに平行な平面である。一端部61において平面部63以外の部分は、中心軸Zを中心とする円である。平面部63は、一端から他端側に向って、
図1中に示す位置Aまで延びている。一端部61には、第1のキャップ70が嵌められる。
【0030】
図1に示すように、第1のキャップ70は、主軸60に対して別部材である。第1のキャップ70は、材料としてエラストマーの一例であるゴムが用いられている。第1のキャップ70は、一端部61を覆う本体部71と、フランジ部72とを備えている。本体部71は、有底筒形状であって、底壁部73と、周壁部74とを備えている。底壁部73と周壁部74とは一体に形成されている。
【0031】
図2に示すように、本体部71は、一端部61が嵌る形状である。このため、周壁部74は、一端部61にならう形状である。具体的には、周壁部74は、平面部75を有している。平面部75の内面75aは、中心軸Zに平行な平面である。一端部61は、一端部61の平面部63の外面63aと、第1のキャップ70の本体部71の平面部75の内面75aとが互い対向するように、本体部71内に挿入される。周壁部74において平面部75以外の部分は、
図2に示すように、一端部61の平面部63以外の円弧部分が嵌るように、円弧となる形状である。
【0032】
一端部61に平面部63が形成されるとともに、第1のキャップ70の本体部71に平面部75が形成されることによって、平面部63,75が互いに係合するので、一端部61回りに第1のキャップ70が回転しない。
【0033】
なお、主軸60の一端部61が平面部63を備える構造は、主軸60が第1のキャップ70に対して回転しないようにする構造の一例である。他の例としては、一端部61が中心軸Zに垂直な断面の形状が四角形であってもよい。または、一端部61が複数の平面部を備えてもよい。これらの場合、第1のキャップ70は、当該第1のキャップ70内で一端部61が回転しないように、一端部61が備える平面部に面接触する平面部を備える。
【0034】
図1に示すように、底壁部73は、周壁部74の一端を塞いでいる。このため、主軸60の一端部61が本体部71内に挿入された状態では、底壁部73は、一端部61の端面61aに対向する。主軸60の平面部63の中心軸Zに沿う長さは、第1のキャップ70の周壁部74の中心軸Zに沿う長さよりも長い。このため、一端部61を本体部71内に挿入する場合、一端部61の端面61aが底壁部73に接触するまで、一端部61を本体部71内に挿入可能である。底壁部73の内面は、中心軸Zに垂直な平面である。一端部61の端面61aは、中心軸Zに垂直な平面である。このため、底壁部73の内面と一端部61の端面61aとは、互い面接触する。
【0035】
本体部71は、底壁部73の外面が、第1の主軸収容部80の底面に接触するまで第1の主軸収容部80内に挿入される。底壁部73の外面は、中心軸Zに垂直な平面である。第1の主軸収容部80の底面は、中心軸Zに垂直な平面である。このため、第1のキャップ70の底壁部73の外面と第1の主軸収容部80の底面とは、互いに面接触する。
【0036】
図2に示すように、第1のキャップ70の平面部75の外面75bは、内面75aに平行な平面である。周壁部74の外面において平面部75以外の部分は、中心軸Zに垂直に切断した際に中心軸Zを中心とする円弧となる形状である。
【0037】
第1の主軸収容部80は、本体部71が嵌る形状である。具体的には、第1の主軸収容部80の周壁部81は、平面部82を備えている。平面部82の内面82aは、中心軸Zに平行な平面である。第1の主軸収容部80の周壁部81の内面において平面部82以外の部分は、第1のキャップ70の本体部71の外面の円弧形状に沿う円弧形状である。
【0038】
第1のキャップ70を第1の主軸収容部80内に挿入する際に、第1のキャップ70の平面部75を、第1の主軸収容部80の平面部82に対向するように挿入することによって、平面部75,82が互いに係合するので、第1の主軸収容部80内で第1のキャップ70が回転軸回りに回転することがない。
【0039】
さらに、第1の主軸収容部80内に第1のキャップ70が嵌るので、一端部61のラジアル方向およびスラスト方向の変位は、第1のキャップ70の変形に起因する変位内に抑えられる。このため、第1の主軸収容部80内で一端部61が主軸60のラジアル方向及びスラスト方向に変位することが抑制される。
【0040】
第1のキャップ70のフランジ部72は、本体部71の開口縁部に設けられており、外側に向って延びている。フランジ部72は、一例として、中心軸Z回りに一周連続する環形状である。底壁部73の外面と第1の主軸収容部80の底面とは、中心軸Zに垂直な平面であるので、フランジ部72は、中心軸Z回り全域において、周壁部81に接触する。なお、フランジ部72は、周壁部81に部分的に接触してもよく、または、フランジ部72は周壁部81に接触しなくてもよい。
【0041】
図1に示すように、主軸60の他端部66は、羽根車本体52の流路56内に突出しており、流路56内に支持されている。具体的には、ポンプ室形成部材23において吸込口13の縁部には、延出部28が形成されている。延出部28は、流路56内に向って突出している。延出部28の先端部には、第2の主軸収容部90が形成されている。第2の主軸収容部90は、主軸60の他端部66を周方向から覆う周壁部91と、周壁部91の一端を塞ぐ底壁部92とを有している。
【0042】
図3は、
図1に示されるF3−F3線に沿って示す主軸60の他端部66とその近傍とを示す断面図である。
図3は、他端部66が第2の主軸収容部90内に収容された状態を、第2の主軸収容部90を通るように切断した状態を示している。
【0043】
図3に示すように、主軸60の他端部66には、平面部67が設けられている。平面部67の外面67aは、羽根車50の中心軸Zに平行な平面である。平面部67は、他端から一端側に向って位置Bまで延びている。他端部66において平面部67以外の部位は、中心軸Zを中心とする円である。主軸60の中心軸Zに垂直な断面の形状は、位置A,Bの間では、円である。他端部66には、第2のキャップ100が設けられる。
【0044】
第2のキャップ100は、主軸60に対して別部材である。第2のキャップ100は、材料として、エラストマーの一例であるゴムが用いられている。第2のキャップ100は、他端部66を覆う本体部101と、フランジ部102とを備えている。本体部101は、有底筒形状であって、底壁部103と、周壁部104とを備えている。底壁部103と周壁部104とは一体に形成されている。
【0045】
図3に示すように、本体部101は、他端部66が嵌る形状である。このため、周壁部104は、他端部66にならう形状である。具体的には、周壁部104は、平面部105を有している。平面部105の内面105aは、中心軸Zに平行な平面である。他端部66は、他端部66の平面部67の外面67aと、第2のキャップ100の本体部101の平面部105の内面105aとが互い対向するように、本体部101内に挿入される。周壁部104において平面部105以外の部分は、断面形状が中心軸Zを中心とする円弧形状である。
【0046】
他端部66に平面部67が形成されるとともに、第2のキャップ100の本体部101に平面部105が形成されることによって、平面部67,105どうしが互いに係合するので、他端部66回りに第2のキャップ100が回転しない。
【0047】
底壁部103は、周壁部104の一端を塞いでいる。このため、主軸60の他端部66が本体部101内に挿入された状態では、底壁部103は、他端部66の端面66aに対向する。
図1に示すように、他端部66において平面部67の中心軸Zに沿う長さは、周壁部104の中心軸Zに沿う長さよりも長い。
【0048】
このため、他端部66を本体部101内に挿入する場合、他端部66の端面66aが底壁部103の内面に接触するまで、他端部66を本体部101内に挿入可能である。底壁部103の内面は、中心軸Zに垂直な平面である。他端部66の端面66aは、中心軸Zに垂直な平面である。このため、底壁部103内面と他端部66の端面66aとは、互い面接触する。
【0049】
第2のキャップ100は、底壁部103の外面が、第2の主軸収容部90の底壁部92の底面に接触するまで第2の主軸収容部90内に挿入される。底壁部103の外面は、中心軸Zに垂直な平面である。底壁部92の底面は、中心軸Zに垂直な平面である。このため、底壁部103外面と底壁部92の底面とは、互いに面接触する。
【0050】
図3に示すように、第2のキャップ100の周壁部104の平面部105の外面105bは、内面105aに平行な平面である。周壁部104の外面において平面部105以外の部分は、中心軸Zに対して垂直に切断した際に中心軸Zを中心とする円弧形状である。
【0051】
第2の主軸収容部90は、第2のキャップ100の本体部101が嵌る形状である。第2の主軸収容部90の周壁部91は、平面部93を備えている。平面部93の内面93aは、中心軸Zに平行な平面である。第2の主軸収容部90の周壁部91の内面において平面部93以外の部分は、第2のキャップ100の本体部101の周壁部104の外面の円弧形状に沿う円弧形状である。
【0052】
第2のキャップ100を第2の主軸収容部90内に挿入する際に、第2のキャップ100の平面部105の外面105bを、第2の主軸収容部90の平面部93の内面93aに対向するように挿入することによって、平面部105,93が互いに係合するので、第2の主軸収容部90内で第2のキャップ100が中心軸Z回りに回転することがない。さらに、第2の主軸収容部90内に第2のキャップ100が嵌るので、他端部66のラジアル方向およびスラスト方向の変位は、第2のキャップ100の変形に起因する変位内に抑えられる。このため、第2の主軸収容部90内で他端部66が、主軸60のラジアル方向及びスラスト方向に変位することが抑制される。
【0053】
第2のキャップ100のフランジ部102は、本体部101の開口縁部に設けられており、外側に向って延びている。フランジ部102は、一例として、中心軸Z回りに一周連続する環形状である。底壁部103の外面と第2の主軸収容部90の底面とは、中心軸Zに垂直な平面であるので、フランジ部102は、中心軸Z回り全域において、周壁部91に接触する。なお、フランジ部102は、周壁部91に部分的に接触してもよく、または、フランジ部102は周壁部1に接触しなくてもよい。
【0054】
このように、主軸60は、第1,2のキャップ70,100と、第1,2の主軸収容部80,90とによって、ケーシング20内に、スラスト方向およびラジアル方向に変位しないように、固定される。
【0055】
主軸60の一端部61と他端部66とには、それぞれ、第2の軸受110が1つずつ設けられている。第2の軸受110は、両端部61,66において平面部63,67が形成される部分に取り付けられる。第2の軸受110は、両端部61,66に固定される。この固定構造として、本実施形態では、一例として、第2の軸受110において両端部61,66が挿入される貫通孔111は、両端部61,66が嵌る形状である。具体的には、
図2,3に示すように、第1,2のキャップ70,100の本体部71,101の断面形状と同様の形状である。
【0056】
一端部61では、第2の軸受110は、第1のキャップ70のフランジ部72と、第1の軸受59との間に配置される。他端部66では、第2の軸受110は、第2のキャップ100のフランジ部102と第1の軸受59との間に配置される。第2の軸受110は、第1の軸受59が第1,2のキャップ70,100に接触することを防止する。
【0057】
電動モータ30は、固定子31と、回転子32とを備えている。固定子31は、筒形状である。固定子31は、中心軸が羽根車50の中心軸Zと同軸になるように、ケーシング20とブラケット40との間の隙間S2内に収容されている。
【0058】
回転子32は、羽根車50と一体に形成されている。具体的には、本実施形態では、回転子32は、羽根車50の軸部53の外周部に設けられている。このため、羽根車50と回転子32とは、一体に回転する。
【0059】
つぎに、シールレスポンプ10の動作を説明する。電動モータ30が駆動することによって、言い換えると、回転子32が回転することによって、回転子32と一体に形成される羽根車50が中心軸Z回りに回転する。
【0060】
羽根車50が回転することによって、羽根車本体52内の流体が吐出口14を通してポンプ室11外へ吐出されるとともに、吸込口13と流路56とを通して、流体が羽根車本体52内に吸い込まれる。または、圧力のかかった流体が吸込口13に流れ込む。
【0061】
主軸60は、ケーシング20とブラケット40とに対して固定されているので、羽根車50の回転と一体に回転することはない。第1,2のキャップ70,100は、ゴムで形成されている。回転に伴う羽根車50の振動は、第1,2のキャップ70,100で吸収される。このため、羽根車50の振動が、ブラケット40とケーシング20とに伝達されることが抑制される。
【0062】
この、振動の吸収について、具体的に説明する。羽根車50が回転することによって、羽根車50には、ラジアル方向に沿う振動が発生する。この振動は、主軸60に伝達されるとともに、主軸60を介して、第1,2のキャップ70,100の周壁部74,104に伝達される。
【0063】
しかしながら、主軸60の両端部61,66は、第1,2のキャップ70,100の本体部71,101内に嵌っており、周壁部74と一端部61との間に隙間はなく、かつ、周壁部104と他端部66との間に隙間はない。第1,2のキャップ70,100は、ゴム製である。このため、上記ラジアル方向に作用する振動は、周壁部74,104によって吸収される。
【0064】
また、シールレスポンプ10が駆動すると、言い換えると、羽根車50が回転すると、羽根車50は、他端部66側に押し付けられるので、他端部66側の第2の軸受110に発生するスラスト方向の振動は第2のキャップ100のフランジ部102によって吸収される。逆に、第2の軸受110に発生するスラスト方向の振動は、第1のキャップ70のフランジ部72によって吸収される。
【0065】
さらに、両端部61,66は、第1,2のキャップ70,100に嵌っている。つまり、第1,2のキャップ70,100の本体部71,101の内面と両端部61,66との間に隙間がない。さらに、第1,2のキャップ70,100の本体部71,101は、第1,2の主軸収容部80,90内に嵌る。つまり、第1,2の主軸収容部80,90の内面と第1、2のキャップ70,100の外面との間に隙間がない。このため、両端部61,66が、第1,2の主軸収容部80,90内で動くことが抑制される。両端部61,66が第1,2の主軸収容部80,90内で動くことが抑制されることによって、主軸60に伝達された振動が、第1,2のキャップ70,100に効率よく吸収される。
【0066】
また、第1のキャップ70が第1の主軸収容部80内に嵌ることによって、ブラケット40において第1の主軸収容部80近傍の剛性が向上する。第2のキャップ100が第2の主軸収容部90内に嵌ることによって、ケーシング20において第2の主軸収容部90近傍の剛性が向上する。
【0067】
このように構成されるシールレスポンプ10では、第1,2のキャップ70,100によって、羽根車50の回転に起因する主軸60の振動、及び、羽根車50のスラスト方向の移動に伴う第2の軸受110の振動がブラケット40とケーシング20とに伝達されることが抑制されるので、当該振動に起因する騒音の発生を抑制することができる。
【0068】
また、第1,2のキャップ70,100によって、ブラケット40とケーシング20とにおいて主軸60が収容される部位の剛性が向上するので、ブラケット40とケーシング20が振動することがより一層抑制される。このため、騒音の発生がより一層抑制される。
【0069】
また、第1,2のキャップ70,100が、フランジ部72,102を備えているので、第2の軸受110が、ブラケット40またはケーシング20に接触することが抑制されるので、当該接触に起因する騒音の発生が抑制される。
【0070】
なお、本実施形態では、第1,2のキャップ70,100は、材料として、エラストマーの一例であるゴムが用いられた。他の例では、ゴム以外のエラストマーが用いられてもよく、例えば、樹脂が用いられてもよい。このように、第1,2のキャップ70,100を形成する材料としてエラストマーが用いられることによって、第1,2のキャップ70,100は、羽根車50の回転に起因して発生する羽根車50の振動を吸収するので、羽根車50の回転にともなってブラケット40とケーシング20とが振動することが抑制される。このため、当該振動に起因する騒音の発生を抑制することができる。
【0071】
また、第2の軸受110がセラミックスを材料として形成される場合、第2の軸受110の貫通孔111と主軸60との間の隙間が大きくなる。主軸60をブラケット40とポンプ室形成部材23とに組み付ける場合、主軸60に第2の軸受110を組み付けてから行うが、上記のように、第2の軸受110の貫通孔111が主軸60に対して大きくなると、組み付け作業の際に、主軸60から第2の軸受110が外れてしまうことがある。
【0072】
しかしながら、主軸60に第2の軸受110を組み付けた後、一端部61に第1のキャップ70を組み付け、第2のキャップ100を他端部66に組み付けることによって、第1,2のキャップ70,100が第2の軸受110が外れ防止機能を有するようになるので、第2の軸受110が脱落しにくくなる。このため、主軸60の、ブラケット40とポンプ室形成部材23への組み付け作業の効率が向上する。
【0073】
なお、本実施形態において、主軸60は、本発明で言う軸部材の一例である。第1のキャップ70は、本発明で言う振動吸収部材の一例である。第1の主軸収容部80は、本発明で言う固定部の一例である。第2の主軸収容部90は、本発明で言う固定部の一例である。第2のキャップ100は、本発明で言う振動吸収部材の一例である。
【0074】
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられる固定子と、
前記ケーシング内に配置されるとともに回転子を有して前記回転子と一体に回転する羽根車と、
前記羽根車内に挿入されて前記羽根車を回転自由に支持する軸部材と、
前記軸部材を前記ケーシングに対して固定する固定部と、
前記軸部と前記固定部との間に設けられる振動吸収部材と
を具備することを特徴とするポンプ。
[2]
前記ケーシング内収容されるとともに、内側に前記羽根車が収容されるブラケットを具備し、
前記固定部は、前記ブラケットに設けられる
ことを特徴とする[1]に記載のポンプ。
[3]
前記固定部は、前記ケーシングに設けられる
ことを特徴とする[1]または[2]に記載のポンプ。
[4]
前記振動吸収部材は、エラストマー製である
ことを特徴とする[1]〜[3]のうちのいずれか1に記載のポンプ。
[5]
前記振動吸収部材は、前記軸部材を中心軸回りに覆う周壁部を具備する
ことを特徴とする[1]〜[4]のうちのいずれか1に記載のポンプ。
[6]
前記振動吸収部材は、主軸の端部に設けられており、前記端部の端面を覆う先端覆部を具備する
ことを特徴とする[1]〜[5]のうちのいずれか1に記載のポンプ。