特許第6131009号(P6131009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 MTGの特許一覧

<>
  • 特許6131009-美容器具 図000002
  • 特許6131009-美容器具 図000003
  • 特許6131009-美容器具 図000004
  • 特許6131009-美容器具 図000005
  • 特許6131009-美容器具 図000006
  • 特許6131009-美容器具 図000007
  • 特許6131009-美容器具 図000008
  • 特許6131009-美容器具 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6131009
(24)【登録日】2017年4月21日
(45)【発行日】2017年5月17日
(54)【発明の名称】美容器具
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/08 20060101AFI20170508BHJP
   A61N 1/30 20060101ALI20170508BHJP
【FI】
   A61N1/08
   A61N1/30
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-178652(P2012-178652)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2014-33950(P2014-33950A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年5月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599083411
【氏名又は名称】株式会社 MTG
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 剛
【審査官】 中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−237545(JP,A)
【文献】 特開平10−295834(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/047915(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/08
A61N 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離間して配置された第1電極及び第2電極と、上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加可能に構成されていると共にディレイタイマーを備えた制御部とを有し、該制御部上記第1電極及び上記第2電極と人体との接触状態に応じてメイン動作の制御を行うよう構成され、作動状態と停止状態とを切り替えるためのスイッチを備えていない美容器具であって、
上記第1電極と上記第2電極との間にパルス電圧を印加し、上記制御部内における電気的特性値を測定する手段と、
上記電気的特性値に基づいて、上記第1電極と上記第2電極とが人体を介した電気的導通状態にあるか否かを判定する手段と、
上記第1電極と上記第2電極とが上記電気的導通状態にあると判定された場合に、上記メイン動作を開始させる手段と
上記第1電極と上記第2電極とが上記電気的導通状態にないと判定されている間は、上記ディレイタイマーにより設定される所定の間隔で、上記電気的特性値の測定と上記判定とを周期的に実施する手段と、を有していることを特徴とする美容器具。
【請求項2】
請求項1に記載の美容器具において、上記ディレイタイマーにより経過させる上記所定時間は、50〜1000ミリ秒に設定されていることを特徴とする美容器具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の美容器具において、上記制御部は、人体に流れる電流を取り込み可能に構成された還流部を有しており、かつ、上記電気的特性値として接地電位に対する上記還流部内の電位差を測定し、該電位差が所定の閾値以上の場合に上記第1電極と上記第2電極とが上記電気的導通状態にあると判定するよう構成されていることを特徴とする美容器具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の美容器具において、上記メイン動作は、上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加する動作を含むことを特徴とする美容器具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の美容器具において、該美容器具は、人体肌上に塗布された電荷を有する美容成分を、上記第1電極と上記第2電極との間の電位差により肌内部に浸透させるイオン導入器であることを特徴とする美容器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容器具に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品等に含有される美容成分の肌への浸透量を増大させるために用いられる器具として、例えば、特許文献1には、患部に電流を出力する電極部を有し、該電極部からパルス状の電流を流すよう構成されたイオン導入器が開示されている。このイオン導入器は、電極部から肌へ一方極性の電流を通電し、電荷を帯びた美容成分を肌内部へ向けて移動させる。これにより、美容成分の肌内部への浸透量を増加させ、美容効果をより向上させようとするものである。
【0003】
また、特許文献2には、金属製のプローブヘッドの内側に超音波振動子を設け、プローブヘッドと皮膚とが接触していない場合に超音波振動子の動作を停止させるよう構成された超音波美容器が開示されている。この超音波美容器は、美容成分を塗布した肌にプローブヘッドを接触させ、超音波振動をあたえることにより美容成分の浸透量を増大させようとするものである。
【0004】
また、上記超音波振動器は、プローブヘッドと皮膚との接触状態に応じて変化する静電容量を検出して超音波振動子の動作を制御することにより、超音波振動子の駆動に伴う電力消費を低減しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−237545号公報
【特許文献2】特開2001−95875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のイオン導入器は、スイッチ操作により美容効果を発揮させるメイン動作の作動状態と停止状態とを切り替えるよう構成されている。そのため、美容器具を使用する際及び使用後にスイッチを操作する必要があり、使用者にとって利便性が低い。
【0007】
一方、特許文献2に記載の超音波美容器は、プローブヘッドが皮膚に接触していないときに超音波振動子が作動しないよう構成されており、メイン動作の作動状態と停止状態との切り替えのためにスイッチを操作する必要はない。しかしながら、上記超音波美顔器では、プローブヘッドと皮膚との接触状態を検出する静電容量検出回路が常時通電されている。そのため、超音波振動子が作動していない待機状態においても比較的多くの電力が消費される。
【0008】
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたもので、待機状態における電力消費を低減し、かつ、スイッチ操作をすることなく使用できる美容器具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、互いに離間して配置された第1電極及び第2電極と、上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加可能に構成されていると共にディレイタイマーを備えた制御部とを有し、該制御部上記第1電極及び上記第2電極と人体との接触状態に応じてメイン動作の制御を行うよう構成され、作動状態と停止状態とを切り替えるためのスイッチを備えていない美容器具であって、
上記第1電極と上記第2電極との間にパルス電圧を印加し、上記制御部内における電気的特性値を測定する手段と、
上記電気的特性値に基づいて、上記第1電極と上記第2電極とが人体を介した電気的導通状態にあるか否かを判定する手段と、
上記第1電極と上記第2電極とが上記電気的導通状態にあると判定された場合に、上記メイン動作を開始させる手段と
上記第1電極と上記第2電極とが上記電気的導通状態にないと判定されている間は、上記ディレイタイマーにより設定される所定の間隔で、上記電気的特性値の測定と上記判定とを周期的に実施する手段と、を有していることを特徴とする美容器具にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0010】
上記美容器具は、上記第1電極と上記第2電極との間にパルス電圧を印加し、上記制御部内における電気的特性値を測定する手段を有している。これにより、上記美容器具が待機状態、つまり上記メイン動作が停止している状態にある場合等に、一定の電流を流し続ける場合と比べて上記電気的特性値の測定時に消費する電力を低減することができる。
【0011】
また、上記美容器具は、上記第1電極と上記第2電極とが上記電気的導通状態にあると判定された場合に、上記メイン動作を開始させる手段を有している。これにより、上記美容器具は、別途スイッチ操作を必要とすることなく、上記第1電極と上記第2電極との両方が人体と接触することを契機として上記メイン動作を開始させることができる。その結果、上記メイン動作の作動と停止との切り替えのためのスイッチを上記美容器具に設ける必要がない。そして、使用者がスイッチ操作をする必要がなくなるため、上記美容器具は使用者にとって使用しやすいものとなる。また、上記美容器具にスイッチを配設する必要がなくなることは、部品点数の低減効果を得ることもできる。
【0012】
以上のように、上記態様によれば、待機状態における電力消費を低減し、かつ、スイッチ操作をすることなく使用できる美容器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例における、美容器具の制御部のブロック図。
図2】実施例における、美容器具の動作を説明するフローチャート。
図3】実施例における、メイン動作中の肌検知機能の動作を説明するフローチャート。
図4】実施例における、美容器具が電気的導通状態にある場合に、ステップS5において抵抗器の両端間に生じる電位差の波形図。
図5】実施例における美容器具がメイン動作を実施している場合に、人体肌に流れる電流の波形図。
図6】実施例における、美容器具の斜視図。
図7】実施例における、美容器具を第1電極側(下方)から見た平面図。
図8】実施例における、美容器具を第2電極側(上方)から見た平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記美容器具において、電気的導通状態とは、上記第1電極及び上記第2電極の双方が人体肌と接触し、上記第1電極と上記第2電極との間に人体を介して電流が流れ得る状態をいう。
【0015】
また、上記制御部はディレイタイマーを有しており、上記第1電極と上記第2電極とが上記電気的導通状態にないと判定された場合には、上記ディレイタイマーにより所定時間の経過を待った後、再び上記電気的特性値の測定と上記判定とを実施するよう構成されている。そのため、上記電気的特性値の測定と上記判定とを実行する頻度を低減することができる。その結果、上記美容器具は、待機状態、つまり上記第1電極と上記第2電極とが上記電気的導通状態にない状態における消費電力を低減することができる。
【0016】
また、上記ディレイタイマーにより経過させる上記所定時間は、50〜1000ミリ秒に設定されていることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記電気的特性値の測定と上記判定とを実行する頻度を、これらの実行による消費電力の低減と、上記第1電極及び上記第2電極の双方と人体とが接触してから上記制御部が上記電気的導通状態を検出するまでの時間差の短縮との双方を考慮した適切な範囲とすることができる。
【0017】
すなわち、上記所定時間が50ミリ秒未満の場合には、上記電気的特性値の測定と上記判定とを実行する頻度が過度に大きくなる。その結果、待機状態における美容器具の電力消費が増大するおそれがある。このように、消費電力の低減の観点からは、上記所定時間は50ミリ秒以上が好ましい。
【0018】
また、上記所定時間が1000ミリ秒を超える場合には、上記測定及び上記判定を実行する頻度が過度に小さくなる。そのため、上記第1電極及び上記第2電極の双方と人体とが接触してから上記測定及び上記判定を実行するまでの時間差が大きくなるおそれがある。その結果、上記の両電極と人体とが接触してから上記電気的導通状態が検出されて上記メイン動作が開始されるまでの時間差が大きくなり、上記美容器具は使用しにくいものとなる。このように、利便性の観点からは、上記所定時間は1000ミリ秒以下が好ましい。
【0019】
以上のように、上記所定時間は、消費電力低減と利便性の双方の観点から、50ミリ秒以上1000ミリ秒以下が好ましい。
【0020】
上記美容器具において、上記制御部は、人体に流れる電流を取り込み可能に構成された還流部を有しており、かつ、上記電気的特性値として接地電位に対する上記還流部内の電位差を測定し、該電位差が所定の閾値以上の場合に上記第1電極と上記第2電極とが上記電気的導通状態にあると判定するよう構成することができる(請求項3)。
【0021】
上記制御部は、第1電極及び第2電極と人体が接触しているか否かで回路の構成が変化する。そのため、上記電気的特性値を測定する部位は、両電極の接触状態に応じて上記パルス電圧に対する応答が比較的大きく変化する部位であることが好ましい。この中でも、上記還流部は、両電極と人体とが接触している場合には上記パルス電圧に応じて電位差が生じ、接触していない場合には電位差が生じないため、電気的特性値の測定部位として好適である。従って、上記電気的特性値として接地電位に対する上記還流部内の電位差を測定することにより、上記美容器具は、電気的導通状態の判定精度を向上させることができる。また、上記電気的特性値として電位差を用いるため、該電位差と上記所定の閾値との比較を行う電気回路を比較的簡単な構成にすることができる。その結果、上記美容器具の生産コストを容易に低減することができる。
【0022】
また、上記メイン動作は、上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加する動作を含んでいることが好ましい(請求項4)。この場合には、上記メイン動作において印加される電圧が、上記第1電極と上記第2電極とを介して人体に作用する。つまり、この場合には、上記第1電極と上記第2電極とは、上記メイン動作の作用電極としても機能することができる。そのため、上記美容器具の部品点数を低減でき、製造しやすいものとなる。
【0023】
また、上記美容器具は、人体肌上に塗布された電荷を有する美容成分を、上記第1電極と上記第2電極との間の電位差により肌内部に浸透させるイオン導入器であることが好ましい(請求項5)。イオン導入器は、人体を介して配された2つの電極の間に電位差を印加する装置である。そのため、上記美容器具をイオン導入器として構成する場合には、上述のように、上記第1電極と上記第2電極とをイオン導入のための作用電極としても機能させることができる。なお、上記美容器具はイオン導入器に限定されることはなく、例えば人体肌に超音波振動を与える超音波美容器や、EMS(Electro Muscle Stimulation)装置やマイクロカレント美容器、光照射美容器、エレクトロポレーション美容器、RF(Radio Frequency)美容器やイオン導出器等の種々の美容器として構成することも可能である。
【実施例】
【0024】
上記美容器具の実施例について、図1図8を用いて説明する。美容器具1は、図6図8に示すように、互いに離間して配置された第1電極11及び第2電極12と、図1に示す第1電極11と第2電極12との間に電圧を印加可能に構成された制御部3とを有している。そして、制御部3は、図2に示すように、第1電極11及び第2電極12と人体との接触状態に応じてメイン動作(ステップS7〜S11)の制御を行うよう構成されている。
【0025】
美容器具1は、第1電極11及び第2電極12と人体との接触状態を検出する手段として、以下の3つの手段を有している。即ち、第1電極11と第2電極12との間にパルス電圧を印加し、制御部3内における電気的特性値を測定する手段と、電気的特性値に基づいて、第1電極11と第2電極12とが人体を介した電気的導通状態にあるか否かを判定する手段と、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあると判定された場合に、メイン動作を開始させる手段とを有している。また、図2に示すように、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にないと判定された場合には、ディレイタイマー303により所定時間の経過を待った後、再び電気的特性値の測定と判定とを実施するよう構成されている。
【0026】
図6図8に示すように、美容器具1は、略棒状の本体部10を有しており、本体部10の側周面に第1電極11と第2電極12とを有している。第1電極11は、図7に示すように、本体部10の長手方向の一端に配設されている。第2電極12は、図8に示すように、本体部10の長手方向の他端に配設されている。また、第1電極11と第2電極12とは、本体部10の長手方向から見て、本体部10を挟んで互いに反対側となる位置に配されている。なお、以下において、本体部10の長手方向における第1電極11が設けられた側を前方といい、第2電極12が設けられた側を後方ということがある。また、美容器具1を前後方向から見たときの第1電極11側を下方とし、第2電極12側を上方ということがある。これらの方向表示は便宜上のものであり、美容器具1の使用時における実際の向きとは何ら関係がない。
【0027】
また、本体部10は、制御部3と、制御部3に電力を供給する電源部2と、LEDインジケータ14と、振動モータ15とを内蔵している。LEDインジケータ14は、図8に示すように、本体部10の前後方向における略中央部に配されており、上方に向けて発光可能に構成されている。また、振動モータ15は、本体部10の内部において、第1電極11側(前方)の端部に配置されている(図示略)。
【0028】
また、本例の美容器具1は、磁力により吸着され得るよう構成され、人体肌に塗布された美容剤を肌表面から吸着除去するための吸着ヘッド部13を付加機能として有している。吸着ヘッド部13は、図7に示すように、美容器具1の後方端部に配設されている。吸着ヘッド部13は、図6及び図7に示すように、下方に膨出した膨出部131を有している。また、吸着ヘッド部13は、膨出部131の頂面、つまり第2電極12の反対側(下方)に、平坦面よりなり、磁力を発生する磁力発生面130を備えている。
【0029】
以下、美容器具1の各部の間の電気的接続について図1を用いて詳説する。電源部2は、制御部3内の制御用マイコン30及び電圧印加部31と、LEDインジケータ14と、振動モータ15とのそれぞれに接続されており、これらの各部に対して作動用電力を供給している。
【0030】
制御部3は、図1に示すように、電源部2、第1電極11、第2電極12、LEDインジケータ14及び振動モータ15とそれぞれ接続されており、これらの各部の動作を制御可能に構成されている。また、制御部3は、制御用マイコン30と、電圧印加部31と、還流部32とを有している。制御用マイコン30は、各部の動作を制御する信号を入出力する機能を有する。電圧印加部31は、第1電極11と第2電極12との間に電圧を印加する機能を有する。還流部32は、第1電極11または第2電極12から人体に流れる電流を取り込み、電源部2へ還流させる機能を有する。
【0031】
制御用マイコン30と電圧印加部31との間は、後述する電圧制御信号及び電流値選択信号を伝達できるよう互いに接続されている。還流部32は、電圧印加部31と、電源部2のマイナス極へ接続されている接地部312との間に配されている。また、還流部32は制御用マイコン30の後述するADC(Analog to Digital Converter)300に接続されている。これにより、制御部3は、還流部32内の電位差を制御用マイコン30に入力できるよう構成されている。
【0032】
制御用マイコン30は、ADC300と、演算部301と、信号出力部302と、ディレイタイマー303とを有している。ADC300は、還流部32内の電位差をデジタル化する機能を有している。演算部301は、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態、つまり第1電極11と第2電極12とが人体を介して電気的に導通している状態にあるか否かを判定する機能を有している。信号出力部302は、第1電極11または第2電極12から美容効果を得たい肌表面に流す電流を制御する機能を有している。
【0033】
ADC300は、制御部3の還流部32と接続されており、接地部312の電位(以下、接地部312の電位を「接地電位」という)に対する還流部32の電位差をデジタル化するよう構成されている。ADC300によりデジタル化された上記電位差の値は、制御用マイコン30内において演算部301へ伝達される。
【0034】
演算部301は、ADC300より入力された上記電位差の値を所定の閾値と比較する。そして、演算部301は、上記電位差の値が上記所定の閾値未満である場合に第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にないと判定し、上記電位差の値が上記所定の閾値以上である場合に第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあると判定するよう構成されている。また、演算部301は、上記判定の結果と、図2及び図3に示す予め設定された動作フローとの双方に基づいて信号出力部302から出力する信号を制御可能に構成されている。なお、上記動作フローの詳細については後述する。
【0035】
信号出力部302は、図1に示すように、演算部301からの制御信号を受けて、電圧印加部31に対して電圧制御信号及び電流値選択信号を出力するよう構成されている。電圧制御信号は、電圧印加部31における後述する極性反転回路310に入力され、第1電極11と第2電極12との間に印加する電圧のオンオフ及び極性を制御する。また、電流値選択信号は、電圧印加部31における後述する定電流回路311に入力され、第1電極11と第2電極12との間に流れる電流値を制御する。
【0036】
また、信号出力部302は、LEDインジケータ14及び振動モータ15とも各々接続されている。信号出力部302は、演算部301における上記判定の結果、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあると判定された場合に、LEDインジケータ14及び振動モータ15のそれぞれを駆動させる駆動信号を出力するよう構成されている。
【0037】
ディレイタイマー303は、演算部301における上記判定の結果、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にないと判定された場合に、演算部301により起動される。ディレイタイマー303は、演算部301の動作を所定の時間停止させる機能を有する。これにより、美容器具1は、ディレイタイマー303が起動してから上記所定の時間が経過するまでの間、演算部301の動作停止に伴って各部の動作が停止される。また、ディレイタイマー303は、上記所定の時間が経過した後に演算部301の動作を再開させるよう構成されている。
【0038】
電圧印加部31は、極性反転回路310と定電流回路311を有しており、両者が互いに接続されて構成されている。極性反転回路310は、制御用マイコン30の信号出力部302と互いに接続されている。また、極性反転回路310は、第1電極11と第2電極12との各々と接続されている。これにより、極性反転回路310は、信号出力部302から出力される電圧制御信号に基づいて第1電極11と第2電極12との間の電位差を制御可能に構成されている。
【0039】
定電流回路311は、第1電極11と第2電極12との間に流れる電流を一定値に保つ機能を有する。また、定電流回路311は、制御用マイコン30の信号出力部302と互いに接続されている。そして、定電流回路311は、信号出力部302から出力される電流値選択信号に基づいて第1電極11と第2電極12との間に流れる電流を2段階に設定可能に構成されている。本例では、この電流の大きさは、イオン導入レベルと、イオン導入レベルよりも電流値の小さいスキンケアレベルとの2段階に設定されている。なお、イオン導入レベルは、後述するイオン導入ステップS8及びリセットパルスステップS9の実行中に適用され、スキンケアレベルはスキンケアステップS11の実行中に適用される。
【0040】
還流部32は、定電流回路311と接地部312との間に接続された抵抗器320を有している。これにより、電圧印加部31側から取り込まれた電流は、抵抗器320内を接地部312側へ向かって流れ、接地部312を介して電源部2のマイナス極へ還流される。また、還流部32における電圧印加部31と抵抗器320との間は、制御用マイコン30のADC300と接続されている。これにより、ADC300は、電圧印加部31と抵抗器320との間の点の接地電位に対する電位差が入力されるよう構成されている。
【0041】
次に、美容器具1の動作フローについて図2及び図3を用いて説明する。美容器具1は、電源部2より電源が供給されると、図2に示すように、制御用マイコン30を初期化するステップS1を行う。このとき、制御用マイコン30は、定電流回路311に対して電流値選択信号を出力し、電流値をイオン導入レベルに設定する。
【0042】
その後、制御用マイコン30は、ステップS2〜S6よりなる待機状態の動作を開始する。待機状態において、制御用マイコン30は、ディレイタイマー303により上記所定の時間の経過を待つステップS2を行う。なお、本例のディレイタイマー303は、上記所定の時間を50〜1000ミリ秒の範囲で適宜設定することができる。
【0043】
制御用マイコン30は、ステップS2に次いで、電源部2から電圧印加部31に作動用電力を供給するステップS3を行うとともに、信号出力部302から電圧制御信号を出力する。これにより、制御用マイコン30は、第2電極12に対して第1電極11が低電位となるように両電極間の電位差を制御しつつ、両電極間にパルス電圧を1回印加する。このようにして第1電極11と第2電極12との間にパルス電圧が1回印加されるステップS4が実施される。本例において、ステップS4におけるパルス電圧の値は、5Vとした。
【0044】
続いて、図2に示すように、還流部32における電位差を測定するステップS5が実施される。ステップS5において、第1電極11と第2電極12との双方と肌とが接触している場合には、第2電極12から人体を介して第1電極11に上記パルス電圧によるパルス電流が流れる。当該パルス電流は、第1電極11から制御部3内へ取り込まれ、図4に示す波形F1のように、還流部32における抵抗器320の両端間に電位差を生じさせる。そして、抵抗器320の両端間に生じた電位差、すなわち接地電位を基準とした還流部32内の電位差は、制御用マイコン30のADC300に入力され、その値の測定が行われる。
【0045】
一方、第1電極11または第2電極12の少なくとも一方が肌と接触していない場合には、上記パルス電圧を印加しても抵抗器320に電流が流れず、抵抗器320の両端間に電位差が発生しない。そのため、第1電極11または第2電極12の少なくとも一方が肌と接触していない場合には、電位差の値は0Vとなる。
【0046】
その後、制御用マイコン30は、演算部301における上記電位差と所定の閾値L(図4参照)との比較結果に基づいて第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあるか否かを判定するステップS6を行う。ステップS5において測定した電位差が閾値L未満となる場合には、制御用マイコン30は、第1電極11または第2電極12の少なくとも一方が人体と接触しておらず、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にないと判定する(ステップS6、「No」)。この場合、制御用マイコン30は、ステップS2に戻ってディレイタイマー303を起動する。そして、制御用マイコン30は、ステップS6において第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にないと判定されている間は、待機状態の動作(ステップS2〜ステップS6)を繰り返す。なお、本例においては、閾値Lは50〜200mVの間で適宜設定することができる。
【0047】
一方、図4に示すように、ステップS6において接地電位を基準とした還流部32内の電位差が閾値L以上となる場合、制御用マイコン30は、第1電極11及び第2電極12の双方が人体と接触しており、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあると判定する(ステップS6、「Yes」)。この場合、制御用マイコン30は、美容効果を発揮させるためのメイン動作(ステップS7〜S11)を開始する。
【0048】
本例の美容器具1は、人体肌上に塗布された電荷を有する美容成分を、第1電極11と第2電極12との間の電位差により肌内部に浸透させるイオン導入器として構成されている。即ち、美容器具1のメイン動作は、第1電極11と第2電極12との間に電位差を発生させる動作を含んでいる。そして、美容器具1は、人体肌上に塗布された電荷を有する美容成分を上記電位差により肌内部に浸透させるよう構成されている。また、本例の美容器具1におけるメイン動作は、図3に示すように、LEDインジケータ14の点滅及び振動モータ15の駆動を含んでいる。
【0049】
以下、美容器具1のメイン動作について詳説する。図2に示すように、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあると判定された場合(ステップS6、「Yes」)、制御用マイコン30は、定電流回路311に対して電流値選択信号を出力し、電流値をイオン導入レベルに設定するステップS7を行う。そして、制御用マイコン30は、第1電極11から肌にイオン導入電流を流すように電圧印加部31へ電圧制御信号を送る。
【0050】
イオン導入電流は、図2及び図5に示すように、第1電極11と肌との接触部へ一方極性の電流F2を流すイオン導入ステップS8と、上記接触部へ他方極性のパルス電流F3を流すリセットパルスステップS9と、上記接触部へ極性が交互に入れ替わる電流F4を流すスキンケアステップS11とを順次繰り返すように構成されている。これにより、肌に流れるイオン導入電流の波形は、図5に示す基本波形F2〜F4が繰り返されるものとなる。
【0051】
また、制御用マイコン30は、イオン導入電流が肌に流れている間、信号出力部302からLEDインジケータ14及び振動モータ15に駆動信号を出力する(図3、ステップT1)。これにより、LEDインジケータ14及び振動モータ15は第1電極11及び第2電極12の双方と人体とが接触している間駆動される。
【0052】
より詳細には、イオン導入ステップS8において、制御用マイコン30は、第2電極12に対して第1電極11が低電位となるように両電極間の電位差を制御しつつ、両電極間にパルス電圧を複数回印加する。これにより、第1電極11は、図5に示す基本波形F2のように、肌に負極性のパルス電流を複数回流すことができる。
【0053】
リセットパルスステップS9において、制御用マイコン30は、第2電極12に対して第1電極11が高電位となるように両電極間の電位差を制御しつつ、両電極間にパルス電圧を1回印加する。これにより、第1電極11は、図5に示す基本波形F3のように、肌に正極性のパルス電流を流すことができる。
【0054】
また、リセットパルスステップS9の後、制御用マイコン30は、定電流回路311に対して電流値選択信号を出力し、電流値をスキンケアレベルに設定するステップS10を行う。
【0055】
制御用マイコン30は、ステップS10を実施した後、スキンケアステップS11を実施する。スキンケアステップS11において、制御用マイコン30は、第2電極12に対する第1電極11の電位差の高低が交互に入れ替わる矩形波を両電極の間に印加する。これにより、第1電極11は、図5に示す基本波形F4のように、正極性と負極性とが交互に入れ替わる矩形波電流を肌に流すことができる。
【0056】
また、図3に示すように、制御用マイコン30は、メイン動作と並行して、メイン動作中に人体肌に流れるパルス電流を用いて第1電極11及び第2電極12と人体との接触状態の判定を行う肌検知機能を有している。つまり、制御用マイコン30は、イオン導入ステップS8、リセットパルスステップS9及びスキンケアステップS11において人体肌に流れるパルス電流を用いて、ステップS5と同様に、当該パルス電流に起因して発生する接地電位に対する還流部32の電位差の測定T2を行う。
【0057】
そして、制御用マイコン30は、図3に示すように、上述した還流部32の電位差測定の結果に基づいて第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあるか否かを判定するステップT3を行う。ステップT3における第1電極11及び第2電極12と人体との接触状態の判定は、1つのパルス電流に対する電位差測定の結果に基づいて行ってもよく、複数のパルス電流に対する電位差測定の結果を総合して行ってもよい。また、上述した接触状態の判定に用いるパルス電流は、イオン導入ステップS8、リセットパルスステップS9及びスキンケアステップS11の各ステップにおけるパルス電流から適宜選択することができる。
【0058】
例えば本例では、ステップT3における接触状態の判定は、リセットパルスステップS9におけるパルス電流(図5、F3)に起因する抵抗器320の両端間の電位差が閾値Lを所定の回数連続して下回るか否かを基準として実施される。つまり、本例の制御用マイコン30は、パルス電流F3に起因する電位差が所定の回数連続して閾値L未満となる場合(ステップT3、「Yes」)には、第1電極11または第2電極12の少なくとも一方が人体と接触しておらず、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にないと判定する。この場合には、制御用マイコン30はパルス電流の発生を停止するとともに、LEDインジケータ14及び振動モータ15への駆動信号の出力を停止する(ステップT4)。制御用マイコン30は、ステップT4によりメイン動作を終了した後、図2に示すステップS2〜ステップS6を繰り返すよう構成されている。
【0059】
一方、制御用マイコン30は、上述した電位差が連続して閾値L未満となる回数が上記所定の回数に達しない間は(ステップT3、「No」)、第1電極11及び第2電極12の双方と人体とが接触しており、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあると判定する。制御用マイコン30は、ステップT3において第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあると判定されている間は、メイン動作、つまり図2に示すステップS7〜ステップS11を繰り返して実行する。
【0060】
次に、美容器具1の使用方法について説明する。使用者は、美容器具1を使用する前に、予め電荷を帯びた美容成分を肌に塗布しておく。なお、本例において、上記美容成分としては、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムを使用した。
【0061】
使用者は、第1電極11が手から突出し、かつ、第2電極12が手と接触するように本体部10を把持する。そして、使用者は、このように美容器具1を把持した状態で第1電極11を肌表面に接触させる。これにより、第1電極11と肌との接触部に、図5に示す基本波形F2〜F4の繰り返しからなるイオン導入電流が流れる。なお、本例では、イオン導入ステップS8において、第1電極11が陰極、第2電極12が陽極として機能し、第1電極11と接触している肌表面には負極性の電流が流れる。これにより、美容器具1は、陰イオンであるL−アスコルビン酸−2−リン酸イオンを肌内部へ浸透させることができる。
【0062】
次に、美容器具1の作用効果について説明する。美容器具1は、第1電極11と第2電極12との間にパルス電圧を印加し、制御部3内における電気的特性値を測定する手段を有している。これにより、美容器具1は、一定の電流を流し続ける場合に比べて、電気的特性値の測定時に消費する電力を低減することができる。
【0063】
また、美容器具1は、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあると判定された場合に、メイン動作を開始させる手段を有している。そのため、メイン動作の作動と停止との切り替えのためのスイッチを美容器具1に設ける必要がない。そして、使用者がスイッチ操作をする必要がなくなるため、美容器具1は使用者にとって使用しやすいものとなる。
【0064】
また、美容器具1は、メイン動作に第1電極11と第2電極12との間に電圧を印加する動作を含むイオン導入器として構成されている。そのため、第1電極11と第2電極12とをイオン導入のための作用電極としても機能させることができる。その結果、美容器具1は、動作切り替えのためのスイッチやメイン動作を作用させるための部品等を別途設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0065】
また、美容器具1は、第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にないと判定された場合には、ディレイタイマー303により所定時間の経過を待った後、再び電気的特性値の測定と判定とを実施するよう構成されている。これにより、電気的特性値の測定と判定とを実行する頻度を低減することができる。その結果、美容器具1は、待機状態、つまり第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にない状態における消費電力を低減することができる。
【0066】
また、制御部3は、人体に流れる電流を取り込み可能に構成された還流部32を有しており、かつ、電気的特性値として接地電位を基準とした還流部32内の電位差を測定し、該電位差が所定の閾値以上の場合に第1電極11と第2電極12とが電気的導通状態にあると判定するよう構成されている。そのため、制御部3は、上述のように電気的導通状態の判定精度を向上させることができるとともに、回路構成を簡素化することが容易なものとなる。
【0067】
また、ディレイタイマー303により経過させる所定時間は、50〜1000ミリ秒に設定されている。そのため、上述のように、美容器具1における電気的特性値の測定と判定とを実行する頻度は、消費電力低減と、利便性との双方を考慮した適切な範囲となる。
【0068】
また、本例の美容器具1は、人体肌上に塗布された電荷を有する美容成分を、第1電極11と第2電極12との間の電位差により肌内部に浸透させるイオン導入器として構成されている。そして、メイン動作は、第1電極11と第2電極12との間に電圧を印加する動作を含んでいる。
【0069】
また、美容器具1はLEDインジケータ14及び振動モータ15を備えており、メイン動作中にこれらが駆動されるよう構成されている。そのため、使用者は、振動モータ15の振動やLEDインジケータ14の点灯等により、メイン動作が実施されていることを容易に確認することができる。その結果、美容器具1は使用者にとって使用しやすいものとなる。
【0070】
また、本例において、第1電極11と第2電極12とは、図6図8に示すように、上下方向において互いに反対側に位置するように配置されている。そのため、美容器具1は、机上等に載置する際に、第1電極11と第2電極12とが載置面を介して導通する可能性を低減でき、消費電力を低減しやすくなる。
【0071】
以上のように、美容器具1は、待機状態における電力消費を低減し、かつ、スイッチ操作をすることなく使用できるものとなる。
【0072】
なお、上記実施例において、美容器具1はイオン導入器として構成されているが、これ以外の機能を有する美容器具1として構成することも可能である。つまり、美容器具1のメイン動作に関わらず、待機状態において上記の制御が行われるよう構成されていれば、美容器具1は、上記実施例と同様の作用効果を奏することができる。例えば、美容器具1は、肌内部に存在する電荷を帯びた汚れや老廃物等を電位差によって肌表面へ移動させて除去するイオン導出器や、肌に超音波振動を与える超音波美顔器、肌に可視光線や遠赤外線等を照射する光照射美顔器、EMS(Eletro Muscle Stimulation)装置、エレクトロポレーション美容器、RF美容器等の種々の態様に構成されていてもよい。
【0073】
また、上記実施例では、第1電極11と美容効果を得たい肌表面とを接触させ、第1電極11をメイン動作における作用電極として機能させる例を示したが、第2電極12を作用電極とする構成も可能である。また、第1電極11と第2電極12との間に印加する電圧も、美容器具1のメイン動作の態様や美容成分の組成に応じて適宜設定できる。例えば、美容器具1がイオン導入器として構成され、肌内部に導入したい美容成分が陽イオンである場合には、イオン導入ステップS8において、第1電極11の電位を第2電極12よりも高電位にすればよい。
【0074】
また、上述の美容成分の塗布に先立って、他の美容効果を発揮する美容剤を使用することもできる。当該美容剤は、例えば、肌の汚れや老廃物を除去する作用を有するものや、上記美容成分とは異なる美容成分を含むものなど、種々のものを使用することができる。また、この場合には、上記美容剤は予め上記美容成分を含むものであってもよい。
【0075】
また、上記美容剤は、磁力により吸着され得るものであってもよい。この場合には、美容器具1の吸着ヘッド部13により、上記美容剤を容易に除去することができる。つまり、上記美容剤を塗布した使用者は、塗布した後に吸着ヘッド部13を手から突出させて本体部10の第1電極11側を把持し、吸着ヘッド部13の磁力発生面130側を肌に近づける。これにより、使用後の美容剤は、磁力発生面130の磁力によって肌上から容易に除去され、吸着ヘッド部13に吸着される。
【0076】
また、磁力により吸着され得る美容剤に予め電荷を帯びた美容成分等が含有されている場合には、当該美容成分は、磁力によって吸着されないものであることが好ましい。磁力によって吸着されない美容成分を用いることにより、吸着ヘッド部13を肌に近づけた際に、肌表面に当該美容成分を残留させつつ美容剤を除去することができる。
【0077】
また、このとき、磁力発生面130には、着脱可能なカバー部材を予め装着することもできる。カバー部材は、磁力発生面130を覆うことが可能なものであれば、形状や材質等が限定されることなく種々のものを使用することができる。これにより、吸着ヘッド部13に吸着された使用後の美容剤は、カバー部材ごと磁力発生面130から剥がして廃棄することができる。
【0078】
なお、本例の美容器具1は、付加機能として吸着ヘッド部13を本体部10に備えているが、吸着ヘッド部13を有していない美容器具であっても、スイッチ操作不要による上述した優れた作用効果が得られることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0079】
1 美容器具
11 第1電極
12 第2電極
3 制御部
30 制御用マイコン
300 ADC
301 演算部
302 信号出力部
303 ディレイタイマー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8